JP4509319B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は車両用自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機の変速制御装置としては、従来から種々の技術が提案されており、例えば特公平3−16545号公報記載の技術にあっては、変速中の機関回転数の一時的な上昇を捉えて係合側のクラッチ(摩擦係合要素)の準備時間や係合油圧を補正している。また特開平11−82704号公報記載の技術にあっては、クラッチの無効ストローク詰め時間の変更に伴って低圧待機時間(準備時間)を補正することにより、サーボ起動制御時間を一定に制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動変速機においては、一般に、油圧式のクラッチ(摩擦係合要素)が使用されるが、クラッチクリアランスは製造ばらつきによって相違すると共に、経年変化によっても相違する。クラッチを駆動する電磁ソレノイドのI−P(通電−油圧)特性に関しても同様である。
【0004】
例えば、機関回転の吹き上がりの要因としては、準備時間あるいは係合油圧の不足が考えられるが、それが、実際に、クラッチクリアランスや電磁ソレノイドのI−P特性が設定値からずれていることに起因するのか、油圧制御の誤差に起因するのか、判断するのは困難である。原因を特定するには変速中の多くのデータを必要とし、実質的には不可能である。
【0005】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、油圧制御を学習補正すると共に、予め定められた補正割合に基づいて前記学習補正することで、どのような原因によるものであれ、機関回転の吹き上がりを効果的に解消するようにした車両用自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、請求項1項において、電磁ソレノイドで駆動される複数の摩擦係合要素を備え、係合側の摩擦係合要素に油圧を供給すると共に、解放側の摩擦係合要素から油圧を排出させて内燃機関の出力を変速する車両用自動変速機の変速制御装置において、所定の変速時に前記係合側の摩擦係合要素に予め記憶される準備油圧と予め記憶される準備時間に基づいて準備油圧を出力し、次いで目標油圧に対して予め記憶される係合油圧特性に基づいて係合油圧を出力するように油圧を制御する油圧制御手段、イナーシャ相開始までの間において前記内燃機関に回転の吹き上がりが発生したか否か検出する吹き発生検出手段、前記吹き発生検出手段によって前記内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、前記吹き上がりの程度を示すパラメータを算出すると共に、次回の前記所定の変速時に、前記準備油圧と前記係合油圧に対する油圧学習補正と前記準備時間に対する時間学習補正を行う学習補正手段、前記自動変速機の作動油温を検出する作動油温検出手段、および前記検出された吹き上がりと前記作動油温に基づいて前記学習補正手段の学習モードを初期学習から通常学習に移行させる学習モード移行手段、を備えると共に、前記学習補正手段は、前記学習モードが初期学習にあるとき、前記吹き上がりの程度を示すパラメータに応じて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う一方、前記学習モードが通常学習に移行させられたとき、予め定められた補正割合に基づいて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う如く構成した。
【0007】
内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、次回の所定の変速時に、準備油圧と係合油圧に対する油圧学習補正、より具体的には油圧高さに対する油圧学習補正と、準備時間に対する時間学習補正、より具体的には準備時間の時間長さに対する時間学習補正を行う学習補正手段を備えると共に、学習補正手段は、予め定められた補正割合に基づいて油圧学習補正と時間学習補正を行う如く構成したので、目標レベルに向けて学習の進行状態を確実に収束させることができ、よって内燃機関の吹き上がりを効果的に解消することができる。また、内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、吹き上がりの程度を示すパラメータを算出すると共に、自動変速機の作動油温を検出し、検出された吹き上がりと作動油温に基づいて学習補正手段の学習モードを初期学習から通常学習に移行させると共に、学習モードが初期学習にあるとき、吹き上がりの程度を示すパラメータに応じて油圧学習補正と時間学習補正を行う一方、学習モードが通常学習に移行させられたとき、予め定められた補正割合に基づいて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う如く構成、即ち、初期学習中にエンジン回転の吹き上がりが発生した場合、例えば吹き上がりの程度(パラメータ)に比例的に学習すると共に、準備時間を延長させることで、吹き上がりに対するタフネスを向上させることができる一方、通常学習中は一定量の学習(ステップ学習)とすることで、補正が過度にならないようにすることができる。
【0008】
請求項2項にあっては、前記予め定められる補正割合が、前記電磁ソレノイドと摩擦係合要素のクリアランスの通電−油圧特性に対して予め定められた補正割合である如く構成した。
【0009】
予め定められる補正割合が、電磁ソレノイドと摩擦係合要素のクリアランスの通電−油圧特性に対して予め定められた補正割合である如く構成したので、摩擦係合要素(クラッチ)のクリアランスの初期の製造ばらつきや経年変化に対しては準備時間の時間長さで補正することができると共に、制御信号と実際の供給油圧のずれに対しては油圧の高さで補正することができ、目標レベルに向けて学習の進行状態を確実に収束させることができ、よって内燃機関の吹き上がりを効果的に解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の一つの実施の形態に係る車両用自動変速機の変速制御装置を説明する。
【0011】
図1はその制御装置を全体的に示す概略図である。
【0012】
以下説明すると、符号Tは自動変速機(以下「トランスミッション」という)を示す。トランスミッションTは車両(図示せず)に搭載されてなると共に、前進5速および後進1速の平行軸式の有段自動変速機からなる。
【0013】
トランスミッションTは、内燃機関(以下「エンジン」という)Eのクランクシャフト10にロックアップ機構Lを有するトルクコンバータ12を介して接続されたメインシャフト(入力軸)MSと、このメインシャフトMSに複数のギヤ列を介して接続されたカウンタシャフト(出力軸)CSとを備える。
【0014】
メインシャフトMSには、メイン1速ギヤ14、メイン2速ギヤ16、メイン3速ギヤ18、メイン4速ギヤ20、メイン5速ギヤ22、およびメインリバースギヤ24が支持される。
【0015】
また、カウンタシャフトCSには、メイン1速ギヤ14に噛合するカウンタ1速ギヤ28、メイン2速ギヤ16と噛合するカウンタ2速ギヤ30、メイン3速ギヤ18に噛合するカウンタ3速ギヤ32、メイン4速ギヤ20に噛合するカウンタ4速ギヤ34、メイン5速ギヤ22に噛合するカウンタ5速ギヤ36、およびメインリバースギヤ24にリバースアイドルギヤ40を介して接続されるカウンタリバースギヤ42が支持される。
【0016】
上記において、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン1速ギヤ14を1速用油圧クラッチC1でメインシャフトMSに結合すると、1速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0017】
メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン2速ギヤ16を2速用油圧クラッチC2でメインシャフトMSに結合すると、2速(ギヤ。変速段)が確立する。カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ3速ギヤ32を3速用油圧クラッチC3でカウンタシャフトCSに結合すると、3速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0018】
カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ4速ギヤ34をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン4速ギヤ20を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、4速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0019】
また、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ5速ギヤ36を5速用油圧クラッチC5でカウンタシャフトCSに結合すると、5速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0020】
さらに、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタリバースギヤ42をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメインリバースギヤ24を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、後進変速段が確立する。
【0021】
カウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ46およびファイナルドリブンギヤ48を介してディファレンシャルDに伝達され、それから左右のドライブシャフト50,50を介し、内燃機関EおよびトランスミッションTが搭載される車両(図示せず)の駆動輪W,Wに伝達される。
【0022】
車両運転席(図示せず)のフロア付近にはシフトレバー54が設けられ、運転者の操作によって8種のレンジ、P,R,N,D5,D4,D3,2,1のいずれかが選択される。
【0023】
エンジンEの吸気路(図示せず)に配置されたスロットルバルブ(図示せず)の付近には、スロットル開度センサ56が設けられ、スロットル開度THを示す信号を出力する。またファイナルドリブンギヤ48の付近には車速センサ58が設けられ、ファイナルドリブンギヤ48が1回転するごとに車速Vを示す信号を出力する。
【0024】
更に、カムシャフト(図示せず)の付近にはクランク角センサ60が設けられ、特定気筒の所定クランク角度でCYL信号を、各気筒の所定クランク角度でTDC信号を、所定クランク角度を細分したクランク角度(例えば15度)ごとにCRK信号を出力する。また、エンジンEの吸気路のスロットルバルブ配置位置の下流には絶対圧センサ62が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAを示す信号を出力する。
【0025】
また、メインシャフトMSの付近には第1の回転数センサ64が設けられ、メインシャフトMSが1回転する度に信号を出力すると共に、カウンタシャフトCSの付近には第2の回転数センサ66が設けられ、カウンタシャフトCSが1回転する度に信号を出力する。
【0026】
さらに、車両運転席付近に装着されたシフトレバー54の付近にはシフトレバーポジションセンサ68が設けられ、前記した8種のポジション(レンジ)の中、運転者によって選択されたポジションを示す信号を出力する。
【0027】
さらに、トランスミッションT、あるいはその付近の適宜位置には温度センサ70が設けられ、油温(Automatic Transmission Fluid温度。作動油温)TATFに比例した信号を出力すると共に、車両運転席床面に配置されたブレーキペダル(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ72が設けられ、運転者によってブレーキペダルが踏まれると、ON信号を出力する。
【0028】
また、車両運転席床面に配置されたアクセルペダル(図示せず)の付近にはアクセル開度センサ74が設けられ、運転者によって操作されるアクセル開度(アクセルペダル位置)APに比例した信号を出力する。
【0029】
これらセンサ56などの出力は、ECU(電子制御ユニット)80に送られる。
【0030】
ECU80は、CPU82,ROM84,RAM86、入力回路88、および出力回路90からなるマイクロコンピュータから構成される。マイクロコンピュータはA/D変換器92を備える。
【0031】
前記したセンサ56などの出力は、入力回路88を介してマイクロコンピュータ内に入力され、アナログ出力はA/D変換器92を介してデジタル値に変換されると共に、デジタル出力は波形整形回路などの処理回路(図示せず)を経て処理され、前記RAM86に格納される。
【0032】
前記した車速センサ58の出力およびクランク角センサ60のCRK信号出力はカウンタ(図示せず)でカウントされ、車速Vおよびエンジン回転数NEが検出される。第1の回転数センサ64および第2の回転数センサ66の出力もカウントされ、トランスミッションの入力軸回転数NMおよび出力軸回転数NCが検出される。
【0033】
マイクロコンピュータにおいてCPU82は行先段あるいは目標段(変速比)を決定し、出力回路90および電圧供給回路(図示せず)を介して油圧制御回路Oに配置されたシフトソレノイド(電磁ソレノイド)SL1からSL5を励磁・非励磁して各クラッチの切替え制御を行うと共に、リニアソレノイドSL6からSL8を励磁・非励磁してトルクコンバータ12のロックアップ機構Lの動作及び各クラッチの油圧を制御する。
【0034】
次いで、この発明の一つの実施の形態に係る車両用自動変速機の変速制御装置の動作を説明する。
【0035】
図2はその動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、例えば10msecごとに実行される。
【0036】
以下説明すると、S10において検出された車速Vとスロットル開度THから公知のシフトマップ(シフトスケジューリングマップ。図示せず)を検索し、S12に進み、検索値を行先段(変速段)SHと書き換え、S14に進み、現在係合されている現在段(変速段)を検出してGAと書き換えると共に、目標段SHを行先段GBと書き換える。
【0037】
次いでS16に進み、変速モードQATNUMを検索する。変速モードQATNUMは、具体的には、11h(1速から2速へのアップシフト)、12h(2速から3速へのアップシフト)、21h(2速から1速へのダウンシフト)、31h(1速ホールド(保持))などと標記される。即ち、最初の数字が1であればアップシフトを、2であればダウンシフトを、3であればホールドを示す。尚、以下の説明において、変速モードQATNUMが1*hかなどと標記される場合があるが、その場合、*は数字を問わず、アップシフトか否か判断することを意味する。
【0038】
次いでS18に進み、パラメータを算出する。
【0039】
パラメータとしては、メインシャフト回転数NMとカウンタシャフト回転数NCの差回転(クラッチ差回転)NMNCIを算出する。差回転NMNCIは、メインシャフト回転数NMとカウンタシャフト回転数NCの差に#RATIOn(前段減速比)を乗じて得た値を絶対値で算出する。
【0040】
次いでS20に進み、S10以降の処理において変速が必要と判断されるとき、制御時期を示すRAM上の値SFTMONを0に初期化し、S22に進み、変速制御(リニアソレノイド制御)を実行する。尚、上記の説明から明らかな如く、変速モードQATNUMが3であれば、現在段(ギヤ)を保持し、変速制御を実行しない。
【0041】
尚、以下の説明では、1速(ギヤ)から2速(ギヤ)あるいは2速(ギヤ)から3速(ギヤ)へのアップシフトを例にとる。即ち、現在段GAを1速(ギヤ)、行先段GBを2速(ギヤ)とする。
【0042】
図3はその変速制御、より具体的にはリニアソレノイド制御を全体的に示すフロー・チャートである。
【0043】
以下説明すると、S100においてQATNUM=1*h、即ち、アップシフトか否か判断し、肯定されるときはS102に進み、アップシフトメイン制御を行う。
【0044】
図4はその制御を示すサブルーチン・フロー・チャートであり、図5はその制御時期を示すタイム・チャートである。尚、図4に示すアップシフトメイン制御については本出願人が先に特願平11−350890号などで詳細に説明しているので、以下の記述は簡単に止める。
【0045】
以下、図5タイム・チャートも参照しつつ説明すると、S200においてSFTMONの値が0であるか否か判断する。この値は図2フロー・チャートのS20で0に初期化されていることからS200の判断は肯定されてS202に進み、後述する目標クラッチトルクなどの値を全て0に初期化(イニシャライズ)し、S204に進み、SFTMONを10hに設定する。
【0046】
次いでS206に進み、現時点が図5タイム・チャートにおいて変速準備開始時点であるので、行先段である2速ギヤを実現するクラッチC2の目標クラッチトルク(以下「TQON」という)を0とし、S208に進み、現在段である1速ギヤを実現するクラッチC1の目標クラッチトルク(以下「TQOF」という)を所定のOFF棚トルク、より具体的にはエンジントルクを保持するのに必要なトルク量に設定(算出)する。尚、この実施の形態において、解放(OFFあるいはオフ)側の目標クラッチトルクおよび油圧量において平坦な部位の値を棚と称する。
【0047】
図6はそのOFF棚トルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0048】
以下説明すると、S300においてエンジントルクTTAPに余裕加算トルク値#dTQUTRFを加算した値を棚トルク(OFF側目標クラッチトルクTQOF)とする。
【0049】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS210に進み、係合(ON)側である行先段を実現するクラッチC2のON(オン)準備圧(クラッチ油圧量。以下「QATON」という)を算出(設定)する。これは、いわゆる無効ストローク詰めに相当する作業である。
【0050】
図7はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0051】
準備圧算出(無効ストローク詰め相当圧)は、当該クラッチ(例の場合では2速クラッチC2)の回転数とATF油温により、当該クラッチの無効ストローク詰めに最適な供給油圧と充填時間を決定する。充填時間は、操作量(供給油圧)、クラッチ回転数、油温などの要因によって変化することから、それらの変動要因の中、クラッチの位置などについては予め求めておいて記憶すると共に、クラッチの機械的なバラツキなどは変速制御系全体で補償するようにした。
【0052】
以下説明すると、先ずS400においてSFTMONが10hか否か判断する。SFTMONは図4フロー・チャートのS204で10hに設定されているので、肯定されてS402に進み、SFTMONの値を11hに書き換え、S404に進み、ON側クラッチ(例の場合は2速クラッチC2)の準備圧QDB1Aと準備時間TMDB1Aを検索する。
【0053】
これは具体的には、検出された入力軸回転数NMとATF油温TATFから準備圧QDB1Aをマップ検索すると共に、検出された入力軸回転数NMとATF油温TATFから準備時間(無効ストローク詰めを終了するのに要する時間)TMDB1Aをマップ検索することで行う。
【0054】
次いでS406に進み、後述する学習によって得た準備時間補正量学習値TMUPASCを算出する。
【0055】
図8はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0056】
先ずS500においてQATNUM=11hあるいは12h、即ち、1速から2速あるいは2速から3速へのアップシフトか否か判断し、肯定されるときはS502に進み、検出されたアクセル開度(アクセルペダル位置)APで図9に示すテーブルを検索し、基本値#APSCO1,2,3,4を軸として学習準備時間TMUPASCを算出、より具体的にはTMUPASCn1,n2,n3,n4を補間計算して算出する。
【0057】
即ち、このテーブルにあっては後述する学習によって得た準備時間補正量学習値をアクセル開度に応じて4個だけ記憶しておき、検出されたアクセル開度に基づいて隣接する記憶値を補間して学習準備時間を算出する。
【0058】
次いでS504に進み、検出された油温TATFが所定値#TATFSCH未満か否か判断し、肯定されるときはS506に進み、補間結果を学習準備時間TMUPASCとすると共に、否定されるときはS508に進み、補間結果に所定値TMUPASHを加算した値を学習準備時間TMUPASCとする。高油温のときの補正量を別にしたのは、高油温では供給油圧の低下によるエンジン回転の吹き上がりが生じ易く、また同一の要因で油圧制御の信頼性が低下するからである。従って、高油温時の吹き上がりに対処するために学習値を決定すると、通常の非高温時の変速制御状態における補正量としては過大となることから、高油温時の補正量を別に決定するようにした。尚、S500で否定されるときはS510に進み、学習準備時間TMUPASCを0とする。
【0059】
このように、この実施の形態にあっては、図10に示すように、学習範囲をアクセル開度APに応じ、divAからdivDまでの4個の領域に区分すると共に、高温用の吹き上がり対応として補正量を別にした。尚、上記した準備時間の他、図11に示すように、I−P特性(シフトソレノイドSLnへの通電に対するクラッチCnの出力油圧特性)および切れ速さ(OFF(解放)側クラッチの)を学習補正項目とするが、それについても同様である(尚、図11において一部のパラメータを16進法で示す)。
【0060】
図7フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS408に進み、検索した準備時間TMDB1Aに、所定値#TMUPAWB(タイマ設定時間決定用極低温補正量)と準備時間補正量学習値TMUPASCを加算して得た和をタイマtUPA1(ダウンカウンタ)にセットして時間計測を開始する。次いでS410に進み、よって得たON準備圧QDB1Aをクラッチ油圧量QATONとする。S400で否定されたときも同様である。
【0061】
このように構成したことによって、クラッチの立ち上がりに応じてバラツキ幅が小さく、応答性も適切であると共に、次回のアップシフト時に学習値で補正することによりクラッチクリアランスの製造ばらつきや経年変化に即応して操作量および準備時間を求めることができる。
【0062】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS212に進み、OFF棚圧を算出する。
【0063】
図12はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0064】
以下説明すると、S600においてOFF棚圧(下限圧)TQOFを適宜算出し、次いでS602に進み、算出したOFF棚圧TQOFをクラッチ油圧量QATOFとする。
【0065】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次回のプログラムループにおいてS200の判断は否定されてS214に進み、SFTMONが10hあるいは11h(図5に示す)か否か判断する。
【0066】
S214で肯定されるとS216に進み、タイマtUPA1の値が0に達したか否か判断し、否定されるときは未経過と判断してS206に進むと共に、肯定されるときはS218に進み、SFTMONを20hに書き換える。
【0067】
次いでS220に進み、トルク相ON・OFFトルクを算出する。
【0068】
図13はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0069】
トルク相ON・OFFトルクは、油圧の追従性を考慮して供給油圧を決定する。より具体的には、ON側クラッチにおいて、準備終了後の立ち上がりについて、その油圧高さに対する追従時間とトルクの立ち上がり特性を、ECU80の内部に保持しているデータから決定する。即ち、ON側クラッチがどの時点からどのようにトルクを持ち始めるのか認識し、その認識したON側クラッチトルクとエンジントルクからOFF側クラッチに必要な油圧を算出する。概括すれば、ON側の入力にバランスするようにOFF側の値を決定する。
【0070】
以下説明すると、S700においてG1トルクTQUIA1を算出する。G1トルクは、前後方向重力加速度(以下「G」という)目標値に基づいて決定されるイナーシャ相開始時点の目標トルクを意味する。
【0071】
次いでS702に進み、GtトルクTQUTA1を算出する。GtトルクTQUTA1は、トルク相終了時のトルクである。
【0072】
次いでS704に進み、SFTMONが20hか否か、即ち、トルク相に入って初めてのプログラムループか否か判断し、肯定されるときはS706に進み、SFTMONの値を21hに設定し、S708に進み、GtトルクTQUTA1を油圧換算してGt圧QUTA1とする。
【0073】
次いでS710に進み、ON側の最低圧QUIALを検索する。
【0074】
次いでS712に進み、所定値#TMUTAGを検索してトルク相目標時間TMUTAGとし、S714に進み、アップシフトのON側クラッチのトルク相制御時間TMDB2A(目標値までの追従時間)、ブースト制御時間TMDB2B、トルク相中折時間TMDB2C、およびトルク相ブースト圧QDB2Aを算出する。
【0075】
次いでS716に進み、トルク相制御時間TMDB2A、ブースト制御時間TMDB2Bおよび中折時間TMDB2Cを、それぞれタイマtUTAG,tUTA1,tUTA2にセットして時間計測を開始し、S718に進み、適宜な特性に従って算出したブースト圧QDB2AをトルクTQUTABに変換する。
【0076】
次いでS720に進み、ON側クラッチトルクTQONを0とし、S722に進み、推定入力トルクTTAPに余裕加算トルク値#dTQUTRFを加算し、その和をOFF側クラッチトルクTQOFとする。
【0077】
他方、S704で否定されるときはS724に進み、SFTMONが21hか否か判断し、肯定されるときはS726に進み、タイマtUTA2(TMDB2C)の値が0か否か判断し、否定されるときは中折れ前にあると判断してS720に進む。
【0078】
S726で肯定されるときはS728に進み、SFTMONを22hに設定し、S730に進み、TQUTA1などを直線補間してON側クラッチトルクTQONを算出し、S732に進み、S722と同様に求めた値からTQONを減算し、よって得た値をOFF側クラッチトルクTQOFとする。
【0079】
また、S724で否定されるときはS734に進み、SFTMONが22hか否か判断し、肯定されるときはS736に進み、タイマtUTA1が0か否か判断し、否定されるときはS730に進むと共に、肯定されるときはS738に進み、SFTMONを23hに設定する。また、S734で否定されるときは、S740に進む。
【0080】
次いで、S740に進み、図示の如く直線補間してON側クラッチトルクTQONを算出し、S742に進み、S732の処理と同様にOFF側クラッチトルクTQOFを算出する。
【0081】
図4のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS222に進み、前記したGt圧などからON側トルク相圧力(クラッチ油圧量)QATONを算出し、S224に進み、OFF側クラッチトルク相圧力(クラッチ油圧量)QATOFを算出する。
【0082】
他方、S214で否定されるときはS226に進み、SFTMONが20hあるいは21hか否か判断し、肯定されるときはS228に進み、前記タイマtUTAGの値が0か否か判断し、否定されるときはS220に進むと共に、肯定されるときはS230に進み、SFTMONの値を30hに設定する。次いでS232に進み、イナーシャ相のON側の前記したG1トルク、G2トルクおよびG3トルクを算出する。
【0083】
図14はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0084】
同図の説明に入る前に、図15を参照してこの処理を概説する。同図で目標Gは、車両全体に作用する前後方向あるいは重力加速度Gの目標値を示す。この制御においては、イナーシャ相の前側と後側で目標Gを予め設定すると共に、その設定に際して推定入力トルクTTAP(TTAPL)と変速前後のギヤレシオ#RATIOn,mを用いた比率(所定の値)KGUIAn(n:1から3程度)とし、その値に基づいてクラッチトルク(操作量)を決定する。同図において、エンジントルクTTAPに相当する値が、後側のGと等しい高さ0(KGUIA1=0)に対応する。
【0085】
図14フロー・チャートを参照して以下説明すると、先ずS800において前段(現在段)相当クラッチスリップ率GRATIO(GA)に所定値#dGRUIA2を加算してイナーシャ相の切換スリップ率gruia2を算出する。尚、GRATIO(GA)は、クラッチスリップ率GRATIO(入力軸回転数NM/出力軸回転数NC)に減速比を乗じて求めた値で、前段変速段(ギヤ)に対応する値である。
【0086】
次いでS802に進み、クラッチスリップ率GRATIOが切換スリップ率gruia2未満か否か判断し、肯定されるときはイナーシャ相の前側にあると判断してS804に進み、G1トルクTQUIA1を算出する。
【0087】
次いでS806に進み、G2トルクTQUIA2を算出する。次いでS808に進み、算出したG1トルクTQUIA1とG2トルクTQUIA2を補間し、その間のON側クラッチトルクTQONを算出する。G2トルクおよび続いて述べるG3トルクは、イナーシャ相中間点および終端点における同様のトルクを意味する。
【0088】
尚、S802で否定されるときはS810に進み、G2トルクTQUIA2を算出し、S812に進み、G3トルクTQUIA3を算出する。次いでS814に進み、算出したG2トルクTQUIA2とG3トルクTQUIA3を補間し、その間のON側クラッチトルクTQONを算出する。
【0089】
図4の説明に戻ると、次いでS234に進み、イナーシャ相のOFF側クラッチトルクTQOFを0に設定し、S236に進み、算出したON側のイナーシャ相のクラッチトルクTQONに基づいて適宜なトルク油圧変換処理に従ってクラッチ油圧QATONを算出し、算出したクラッチ油圧QATONに基づいて該当するシフトソレノイドSLnに指令する。
【0090】
次いでS238に進み、同様に設定したOFF側のイナーシャ相のクラッチトルクTQOFに基づいて適宜なトルク油圧変換処理に従ってクラッチ油圧QATOFを算出し、算出したクラッチ油圧QATOFに基づいて該当するシフトソレノイドSLnに指令する。
【0091】
次回以降のプログラムループにおいてS226の判断は否定されてS240に進み、SFTMONが30hあるいは31hか否か判断し、肯定されるときはS242に進み、クラッチスリップ率GRATIOが所定値#GRUEAGを越えるか否か判断する。
【0092】
所定値#GRUEAGはエンゲージ(係合)制御開始クラッチスリップ率であり、従ってS242の処理は、クラッチがエンゲージ(係合)制御を開始するほどに変速が終了しつつあるか否か判断することを意味する。
【0093】
S242で否定されるときはS232に進むと共に、肯定されるときはS244に進み、SFTMONを40hに設定する。次いで、S246に進み、クラッチトルクTQONに基づいてON側のエンゲージ圧(クラッチ油圧量QATON。即ち、トルク油圧変換値)を算出する。
【0094】
次いでS248に進み、OFF側のエンゲージ圧(クラッチ油圧量QATOF)を同様な手法で算出する。
【0095】
他方、S240で否定されるときはS250に進み、エンゲージ(係合)処理終了か否か判断し、否定されるときはS246に進むと共に、肯定されるときはS252に進み、パラメータをリセットするなどの終了処理を行って終わる。(
【0096】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS104に進み、シフトアップ(UP)セッティング項を算出する。
【0097】
図16はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0098】
以下説明すると、S900においてI−P補正量学習値dQUAASCを算出する。
【0099】
図17はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0100】
以下説明すると、S1000でQATNUM=11hあるいは12h、即ち、1速から2速あるいは2速から3速へのアップシフトか否か判断し、肯定されるときはS1002に進み、検出されたアクセル開度APで図18に示すテーブルを検索し、#APSCO1,2,3,4を軸としてI−P補正量学習値dQUAASCを算出、より詳しくはdQUAASCn1,n2,n3,n4を補間計算して算出する。
【0101】
即ち、先の図9と同様に、後述する学習によって得たI−P補正量学習値をアクセル開度に応じて4個だけ記憶しておき、検出されたアクセル開度に基づいて隣接する記憶値を補間して算出する。
【0102】
次いでS1004に進み、検出された油温TATFが所定値#TATFSCH未満か否か判断し、肯定されるときはS1006に進み、補間結果をI−P補正量学習値dQUAASCとすると共に、否定されるときはS1008に進み、補間結果に所定値dQUAASHを加算した値をI−P補正量学習値dQUAASCとする。高油温のときの補正量を別にしたのは、先にも述べたように、高油温時の吹き上がりに対処するために学習値を決定すると、通常の非高温時の変速制御状態における補正量としては過大となるからである。尚、S1000で否定されるときはS1010に進み、I−P補正量学習値dQUAASCを0とする。
【0103】
図16フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS902に進み、算出したQATONにI─P補正量学習値dQUAASCを加算した得た和をON側クラッチ油圧QATONとする。これによって次回のアップシフト時にON側クラッチ油圧QATONが供給される。
【0104】
次いでS904に進み、SFTMONの値が22h未満か否か、換言すれば棚圧制御時にあるか否か判断し、肯定されるときはS906に進み、補正量dQOF2の値を零とする。
【0105】
他方、S904で否定されるときはS908に進み、SFTMONの値が30h未満か否か、換言すればトルク相にあるか否か判断し、肯定されるときはS910に進み、切れ速さ補正量学習値dQUTRSCを算出する。
【0106】
図19はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0107】
以下説明すると、S1100でQATNUM=11hあるいは12hか否か判断し、肯定されるときはS1102に進み、検出されたアクセル開度APで図20に示すテーブルを検索し、#APSCO1,2,3,4を軸として学習切れ速さdQUTRSCを算出、より詳しくはdQUTRSCn1,n2,n3,n4を補間計算して算出する。
【0108】
即ち、先の図9と同様に、後述する学習によって得た切れ速さ補正量学習値をアクセル開度に応じて4個だけ記憶しておき、検出されたアクセル開度に基づいて隣接する記憶値を補間して算出する。
【0109】
次いでS1104に進み、検出されたATF温度TATFが所定値#TATFSCH未満か否か判断し、肯定されるときはS1106に進み、補間結果を切れ速さ補正量学習値dQUTRSCとすると共に、否定されるときはS1108に進み、補間結果に所定値dQUTRSHを加算した値を切れ速さ補正量学習値dQUTRSCとする。高油温のときの補正量を別にしたのは、先にも述べたように、高油温時の吹き上がりに対処するために学習値を決定すると、通常の非高温時の変速制御状態における補正量としては過大となるからである。尚、S1100で否定されるときはS1110に進み、切れ速さ補正量学習値dQUTRSCを0とする。
【0110】
図16フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS912に進み、補正量dQOF2に算出した切れ速さ補正量学習値dQUTRSCを加算して増加補正すると共に、S908で否定されるときはS914に進み、補正量dQOF2を0とする。次いでS916に進み、OFF側(解放側)クラッチ油圧量QATOFに補正量dQOF2を加算して補正する。かかる如く算出された学習値に基づき、次回のアップシフト時にOFF側(解放側)クラッチ油圧量QATOFが補正される。
【0111】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS106に進み、アップシフト(UP)学習制御を行う。
【0112】
図21はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0113】
以下説明すると、S1200においてQATNUM=10h、即ち、変速初回か否か判断し、肯定されるときはS1202に進み、後で使用する変数の値を0にリセットし、S1204に進み、(図5に示す)SFTMONの値が22h以上で40h未満か否か判断し、肯定されるときはS1206に進み、算出したクラッチ差回転NMNCIが所定値#MCUTAF未満か否か判断する。即ち、エンジン回転の吹き上がりを検知する。
【0114】
所定値#MCUTAFはエンジン回転の吹き上がりを検知すべく適宜設定されたしきい値であることから、算出したクラッチ差回転がこの値を超えるときはエンジン回転の吹き上がりが発生したと判断してS1208に進み、吹きカウンタCUTAFの値をインクリメントする。
【0115】
次いでS1210に進み、算出したクラッチ差回転が吹き差回転最大値MCUTAX(S1202で零にリセット)未満か否か判断し、否定されるときはS1212に進み、算出したクラッチ差回転を吹き差回転最大値MCUTAXとする。このように、S1206でエンジン回転の吹き上がりが検出されるたびに、その時間を計測すると共に、クラッチ差回転の最大値を算出する。
【0116】
他方、S1204で否定されるときはS1214に進み、変速終了タイマ値tSTの値が零か否か判断する。このタイマは変速が正常に終了したときその値が零にセットされることから、肯定されるときは変速が正常に終了したと判断してS1216に進み、カウンタCUTAFの値が所定値#CUTAFN未満か否か判断する。即ち、エンジン回転の吹き上がりの継続時間が所定時間(#CUTAFN相当値)未満か否か判断する。
【0117】
S1216で否定されるときはエンジン回転の吹き上がりが所定時間以上継続したと判断されることからS1218に進み、吹き領域を1とする。図22は吹き領域を示す説明グラフであるが、吹き領域は図示の如くカウンタ値と吹き差回転最大値に基づいて区分される。
【0118】
S1216で肯定されるときはS1220に進み、MCUTAXが所定値#MCUTAN未満か否か判断し、否定されるときはクラッチ差回転が大きいと判断してS1222に進み、吹き領域を2とすると共に、肯定されるときはエンジン回転数の吹き上がりは支障ないと判断してS1224に進み、吹き領域を0とする。
【0119】
尚、S1206で肯定されるとき、およびS1214で否定されるときはS1216からS1224の処理をスキップする。
【0120】
次いで図23のS1226に進み、SFTMONの値が30h以上で40h未満か否か判断し、肯定されるときはS1228に進み、GRATIOの値が行先段GAに所定値#dGRUIADを加算した和未満か否か、換言すればクラッチが滑り始めたか否か判断し、肯定されるときはS1230に進み、I相(イナーシャ相)遅れカウンタCUIADの値をインクリメントする。即ち、イナーシャ相の開始時間を判断し、イナーシャ相が適正に開始したか否か判断する。
【0121】
S1226で否定されるときはS1232に進み、タイマtSTの値が零か否か、即ち、変速が正常に終了したか否か判断し、肯定されるときはS1234に進み、カウンタ値を第1の所定値#CUIADH未満か否か判断する。第1の所定値#CUIADHはイナーシャ相が遅れて開始したことを検知すべく適宜設定されたしきい値であることから、否定されてカウンタ値がこの値を超えるときはイナーシャ相の開始時間が遅い(適正ではない)と判断してS1236に進み、I相遅れ領域を2とする。図24はI相遅れ領域を示す説明グラフであるが、I相遅れ領域は、図示の如く、遅れカウンタCUIADの値とスロットル開度THに基づいて区分される。
【0122】
S1234で肯定されるときはS1238に進み、カウンタ値を第2の所定値#CUIADL未満か否か判断する。第2の所定値#CUIADLはイナーシャ相が早く開始したことを検知すべく適宜設定されたしきい値であることから、肯定されてカウンタ値がこの値未満のときはイナーシャ相の開始時間が早い(適正ではない)と判断してS1240に進み、I相遅れ領域を1とする。
【0123】
尚、S1238で否定されるときはイナーシャ相遅れは支障ないと判断してS1242に進み、I相遅れ領域を0とする。尚、S1228とS1232で否定されるときはS1234からS1242の処理をスキップする。
【0124】
次いでS1244に進み、学習許可判定を行う。この作業は学習を許可する領域を判定し、学習値を更新(補正)する作業を意味する。
【0125】
図25はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0126】
以下説明すると、S1300で再びQATNUM=10h、即ち、アップシフト初回か否か判断し、肯定されるときはS1302に進み、通常学習モードフラグF.SCLをF.SCLXと書き換える。F.SCLあるいはF.SCLXのビットが1にセットされるときは通常学習モード、0にリセットされるときは初期学習モードとする。
【0127】
次いでS1304に進み、そのフラグF.SCLXのビットが0で、検出されたアクセル開度APが所定値(吹き判断下限アクセル開度)#APSCFN以上で、検出された油温TATFが所定値(初期学習吹き判断下限油温)#TATFSCO以上かつ所定値(高油温学習しきい値)#TATFSCH未満か否か判断し、肯定されるときはS1306に進み、F.SCONのビットを1にセットする。
【0128】
他方、S1304で否定されるときはS1308に進み、フラグF.SCLXのビットが1で、検出されたアクセル開度APが所定値#APSCFN以上で、検出された油温TATFが所定値(通常学習吹き判断下限油温)#TATFSC1以上か否か判断する。
【0129】
S1308で肯定されるときはS1306に進むと共に、否定されるときはS1310に進み、フラグF.SCONのビットを0にリセットする。このフラグのビットを1にセットすることは学習吹き更新を許可する、0にリセットすることは学習吹き更新を許可しないことを意味する。
【0130】
次いでS1312に進み、検出されたアクセル開度APが所定値(初期学習I相遅れ判断下限アクセル開度)#APSCT1以上かつ所定値(通常学習I相遅れ判断下限アクセル開度)#APSCTF未満で、検出された油温TATFが所定値(初期I相遅れ判断下限油温)#TATFSC1以上かつ所定値(高油温学習しきい値)#TATFSCH未満か否か判断する。
【0131】
そこで肯定されるときはS1314に進み、F.SCONTのビットを1にセットすると共に、否定されるときはS1316に進み、フラグF.SCONTのビットを0にリセットする。このフラグのビットを1にセットすることは学習I相遅れ更新を許可する、0にリセットすることは学習I相遅れ更新を許可しないことを意味する。
【0132】
次いでS1318に進み、検出されたアクセル開度APを更新基準アクセル開度APSCBと書き換えると共に、アクセル開度変化量積分値APSUMの値を0に初期化する。
【0133】
次いでS1320に進み、検出された油温TATFが所定値#TATFSCH未満か否か判断し、否定されて高油温と判断されるときはS1322に進み、フラグF.TATFSCHのビットを1にセットすると共に、肯定されるときはS1324に進み、フラグF.TATFSCHのビットを0にリセットする。このフラグのビットを1にセットすることは高油温学習を行うことを、0にリセットすることは高油温学習を行わないことを意味する。
【0134】
次いでS1326に進み、学習モニタSCMONの値を零にリセットする。尚、S1300で否定されるときは、S1302からS1326までの処理をスキップする。
【0135】
次いでS1328に進み、SFTMONの値が30h未満か否か判断し、肯定されるときはS1330に進み、更新基準アクセル開度APSCBと検出されたアクセル開度APの差の絶対値をアクセル開度変化量積分値APSUMに加算し、アクセル開度変化量積分値APSUMを算出する。
【0136】
次いでS1332に進み、算出したアクセル開度変化量積分値APSUMが所定値#APSUMSC以上か否か判断し、肯定されるときはS1334に進み、フラグF.SCONとF.SCONTのビットを0にリセットする。即ち、運転者がアクセルペダルを断続的に操作するようなアクセル開度変化が大きい状況では、学習を中止するようにした。尚、S1328で否定されるときはS1330から1334の処理をスキップする。
【0137】
次いでS1336に進み、タイマtSTの値が零か否か判断し、肯定されて正常に変速が終了したと判断されるときはS1338に進み、学習結果(事象)をパターン化し、それに応じて学習モニタSCMONの値を決定する。
【0138】
より具体的には、以下のように決定する。
【0139】
次いでS1340に進み、SCMONの値がA0h,C0h,D0hのいずれかであるか否か判断し、肯定されるときはエンジン回転の吹き上がりが発生して吹き対策を優先的に行う必要があると判断し、S1342に進み、フラグF.SCLXのビットが0か否か、換言すれば、初期学習か否か判断する。
【0140】
尚、この実施の形態において、工場から出荷されたときは初期学習とし、後述の如く、エンジン回転の吹き上がりのない変速が3回以上継続したとき、油温が所定値(例えば70℃)以上となった時点で通常学習に移行するようにした。尚、通常学習に移行した後も、搭載バッテリが外されたときは、再び初期学習に戻る。
【0141】
また、初期学習中にエンジン回転の吹き上がりが発生した場合、吹き上がりの程度に比例的に学習すると共に、準備時間(トルク相時間)を延長させて吹き上がりに対するタフネスを向上させるようにした。他方、通常学習中は一定量の学習(ステップ学習)とし、補正が過度にならないようにする。
【0142】
S1342で肯定されて初期学習にあると判断されるときはS1344に進み、準備時間学習補正、即ち、準備時間補正量学習値の更新を行う。
【0143】
図27はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0144】
以下説明すると、S1400で吹きカウンタ値CUTAFに係数#KCUTAF1を乗じて得た積に、吹き差回転最大値MCUTAXに係数#KMCUTAX1を乗じて得た積を加算し、よって得た和を準備時間補正量tmupasとする。
【0145】
即ち、エンジン回転の吹き上がりを示すパラメータCUTAFとMCUTAXに係数#KCUTAF1,#KMCUTAX1を乗じ、換言すればエンジン回転の吹き上がりの程度に比例するように、準備時間補正学習値を算出する。この値が図7のS408で次回のアップシフト時に加算される。
【0146】
次いでS1402に進み、QATNUMが11hあるいは12hか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1404に進み、算出した準備時間補正量tmupasを準備時間補正量学習値TMUPASC(より詳しくはTMUPASCn1からn4)に加算して増加補正(更新)する。
【0147】
図26フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1346に進み、I−P学習補正、即ち、I−P補正量学習値の更新を行う。
【0148】
図28はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0149】
以下説明すると、S1500で吹きカウンタ値CUTAFに所定値#KCUTAF2を乗じて得た積に、吹き差回転最大値MCUTAXに所定値#KMCUTAX2を乗じて得た積に加算し(換言すればエンジン回転の吹き上がりの程度に比例するように得た積を加算し)、よって得た和をI−P補正値dquaasとする。
【0150】
次いでS1502に進み、QATNUMが11hあるいは12hか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1504に進み、算出したI−P補正量dquaasを加算してI−P補正量学習値dQUAASC(より詳しくはdQUAASCn1からn4)を増加補正(更新)する。この学習値により、次回のアップシフトにおいて、図11に示すようにトルク相におけるON側の油圧を全体的にその分だけ増加させられる(図16のS902)。
【0151】
図26フロー・チャートの説明に戻ると、S1342で否定されて通常学習にあると判断されるときはS1348に進み、同様に準備時間学習補正、即ち、準備時間補正量学習値の更新を行う。
【0152】
図29はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0153】
以下説明すると、先のS1340の処理で後述する図35に示すデータを参照して得た正負判定結果に従い、準備時間補正量学習値が正値のときはS1600で所定値#TMUPASP(ステップ量。固定値)を値dtm(正値)と置き換えると共に、準備時間補正量学習値が負値のときはS1602で0から所定値#TMUPASM(ステップ量。固定値)を減算した値をdtm(負値)と置き換える。
【0154】
次いでS1604に進み、前記したフラグF.TATFSHのビットが1にセットされているか、換言すれば、高油温か否か判断し、否定されるときはS1606に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI1に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1608に進み、dtmを加算(値dtmが負値のときは減算)して準備時間補正量学習値TMUPASC(より詳しくはTMUPASCn1)を更新する。図30にこれらの値を示す。尚、S1606で否定されるときはS1608をスキップする。
【0155】
次いでS1610に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI1から微小値#APSCIWを減算した差以上で、かつ所定値#APSCI2に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1612に進み、値dtmを加算して準備時間補正量TMUPASC(より詳しくはTMUPASCn2)を更新する。尚、S1610で否定されるときはS1612をスキップする。
【0156】
次いでS1614に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI2から微小値#APSCIWを減算した差以上で、かつ所定値#APSCI3に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1616に進み、dtmを加算して準備時間補正量TMUPASC(より詳しくはTMPASCn3)を更新する。尚、S1614で否定されるときはS1616をスキップする。
【0157】
次いでS1618に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI3から微小値#APSCIWを減算した差以上か否か判断し、肯定されるときはS1620に進み、値dtmを加算して準備時間補正量TMUPASC(より詳しくはTMUPASCn4)更新する。尚、S1618で否定されるときはS1620をスキップする。また、S1604で肯定されるときは、S1622に進み、dtmを加算して高油温用値TMUPASHを更新する。
【0158】
図30から明らかなように、上記の処理は、準備時間補正量学習値の更新に際し、アクセル開度で区分された領域において近隣する領域は2つにまたがって更新することを意味する。これにより、アクセル開度の変化に可能な限り即応するように、次回のアップシフト時に図8のS506,S508において準備時間補正量学習値を算出することができる。
【0159】
図26フロー・チャートの説明に戻ると、続いてS1350に進み、同様にI−P学習補正、即ち、I−P補正量学習値の更新を行う。
【0160】
図31はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0161】
以下説明すると、先のS1340の処理と同様に後述する図35に示すデータを参照して得た正負判定結果に従い、I−P補正量学習値が正値のときはS1700で所定値#dQUAASP(ステップ量。固定値)を値dq(正値)と置き換えると共に、I−P補正量学習値が負値のときはS1702で所定値#dQUAASM(ステップ量。固定値)を値dq(負値)と置き換える。
【0162】
次いでS1704に進み、前記したフラグF.TATFSHのビットが1にセットされているか、換言すれば、高油温か否か判断し、否定されるときはS1706に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI1に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1708に進み、dqを加算(値dqが負値のときは減算)してI−P補正量学習値dQUAASC(より詳しくはdQUAASCn1)を更新する。図32にこれらの値を示す。尚、S1706で否定されるときはS1708をスキップする。
【0163】
次いでS1710に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI1から微小値#APSCIWを減算した差以上で、かつ所定値#APSCI2に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1712に進み、値dqを加算してI−P補正量dQUAASC(より詳しくはdQUAASCn2)を更新する。尚、S1710で否定されるときはS1712をスキップする。
【0164】
次いでS1714に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI2から微小値#APSCIWを減算した差以上で、かつ所定値#APSCI3に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1716に進み、dqを加算してI−P補正量dQUAASC(より詳しくはdQUAASCn3)を更新する。尚、S1714で否定されるときはS1716をスキップする。
【0165】
次いでS1718に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI3から微小値#APSCIWを減算した差以上か否か判断し、肯定されるときはS1720に進み、値dqを加算してI−P補正量dQUAASC(より詳しくはdQUAASCn4)を更新する。尚、S1718で否定されるときはS1720をスキップする。また、S1704で肯定されるときは、S1722に進み、dqを加算して高油温用値dQUAASHを更新する。
【0166】
図32から明らかなように、上記の処理は、I−P補正量学習値の更新に際し、アクセル開度で区分された領域において近隣する領域は2つにまたがって更新することを意味する。これにより、アクセル開度の変化に可能な限り即応するように、図17のS1006,S1008において次回のアップシフト時にI−P補正量学習値を算出することができる。
【0167】
図26フロー・チャートの説明に戻ると、S1340で否定されるときはS1352に進み、SCMONの値がD8hか否か判断し、肯定されるときはエンジン回転の吹き上がりが発生して吹き対策を行う必要があると共に、イナーシャ相開始時間も遅いと判断し、S1354に進み、フラグF.SCLXのビットが0か否か判断する。
【0168】
S1354において肯定されるときは初期学習と判断してS1356およびS1358に進み、先のS1344,S1346と同様の処理を行う。次いでS1359に進み、I−P学習補正が所定値以上か、より詳しくは、更新されたI−P補正量学習値dQUAASCが所定値以上か否か判断する。所定値は例えば、後述する安全側に設定されたON側の増加補正値の最大値である+0.3kgf/cm2 の1/2程度の値、即ち、+0.15kgf/cm2 とするが、それ以外の値にも適宜設定可能である。S1359で肯定されるときはS1360に進み、切れ速さ学習補正、即ち、切れ速さ補正量学習値を更新する(尚、否定されるときはS1360をスキップする)。
【0169】
図33はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0170】
以下説明すると、切れ速さ補正学習係数#dQUTRSP(固定値。ステップ量)を値dqと置き換え、次いでS1802に進み、前記したフラグF.TATFSHのビットが1にセットされているか、換言すれば、高油温か否か判断する。
【0171】
S1802で否定されるときはS1804に進み、先に図31フロー・チャートなどで述べたと同様に、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI1に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1806に進み、dqを加算して切れ速さ補正量学習値dQUTRSC(より詳しくはdQUTRSCn1)を更新する。尚、S1804で否定されるときはS1806をスキップする。
【0172】
次いでS1808に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI1から微小値#APSCIWを減算した差以上で、かつ所定値#APSCI2に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1810に進み、dqを加算して切れ速さ補正量学習値dQUTRSC(より詳しくはdQUTRSCn2)を更新する。尚、S1808で否定されるときはS1810をスキップする。
【0173】
次いでS1812に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI2から微小値#APSCIWを減算した差以上で、かつ所定値#APSCI3に微小値#APSCIWを加算した和未満か否か判断し、肯定されるときはS1814に進み、dqを加算して切れ速さ補正量学習値dQUTRSC(より詳しくはdQUTRSCn3)を更新する。尚、S1812で否定されるときはS1814をスキップする。
【0174】
次いでS1816に進み、更新基準アクセル開度APSCBが、所定値#APSCI3から微小値#APSCIWを減算した差以上か否か判断し、肯定されるときはS1818に進み、dqを加算して切れ速さ補正量学習値dQUTRSC(より詳しくはdQUTRSCn4)を更新する。尚、S1816で否定されるときはS1818をスキップする。また、S1802で否定されるときはS1820に進み、dqを加算して高油温用値dQUTRSHを更新する。
【0175】
上記の処理は、先の図31フロー・チャートの処理と同様に、切れ速さ補正量学習値の算出に際し、アクセル開度で区分された領域において近隣する領域は2つにまたがって更新することを意味する。これにより、アクセル開度の変化に可能な限り即応するように、図19のS1106,S1108において切れ速さ補正量学習値を算出することができる。
【0176】
図26フロー・チャートの説明に戻ると、S1354で否定されるときは通常学習と判断してS1362,S1364,S1359,S1360と進み、準備時間補正量学習値、I−P補正量学習値、切れ速さ補正量学習値を更新する。
【0177】
S1352で否定されるときはS1366に進み、SCMONの値がD4hか否か判断し、肯定されるときはエンジン回転の吹き上がりが発生したにも関わらず、イナーシャ相の開始時間が早いという相反的な事象が生じたと判断してS1368に進み、フラグF.SCLXのビットが0か否か判断する。
【0178】
そこで肯定されるときは初期学習と判断してS1370,S1372およびS1374に進み、先のS1356,S1358,S1360と同様の処理を行う。尚、S1368で否定されて通常学習と判断されるときはS1370,S1372をスキップしてS1374に進み、切れ速さ補正量学習値を更新する。
【0179】
ここで、図35を参照して上記した処理について説明する。図35で上図左端と下図に示す1から8までの数字は、先のSCMONと同じような学習検知結果(事象)を示す。
【0180】
1の場合はエンジン回転の吹き上がりもなく、イナーシャ相開始時間も適正なので、学習値は更新(補正)されない。2は図26のS1340で肯定された場合であり、同図下部に示す如く、エンジン回転の吹き上がりが発生したので、S1342,S1344,S1346(あるいはS1342,S1348,S1350)と進み、図11に示す如く、準備時間を延長する。このとき初期学習にあれば、吹き上がりの程度に比例させて学習値を更新すると共に、通常学習にあれば、ステップ量(固定値。「Tstep」と示す)を加算して更新する。
【0181】
7は図26のS1352で肯定される場合である。この場合はS1356からS1360あるいはS1362からS1360までの処理を行うことで、ON側とOFF側を共に補正するようにした。
【0182】
8は図25のS1366で肯定される場合である。この場合、S1370からS1374の処理を経てON側(準備時間、I−P特性)とOFF側(切れ速さ)を同時に補正するようにした。即ち、図35に示すように、OFF側の摩擦係数の低下などでエンジン回転の吹き上がりが発生した場合はON側の補正のみでは解消することができない。従って、この8のように吹き上がり症状と共噛み症状が同時に発生した場合、OFF側の切れ速さを調節するようにした。これによって、かかる相反的な事象が生じても、エンジン回転の吹き上がりを効果的に解消することができる。
【0183】
さらに、この実施の形態の特徴を説明すると、この実施の形態にあっては、補償範囲に対して安全側のクラッチクリアランスを0から0.6mm(150msec相当)、I−P:−0.2から+0.3kgf/cm2 とすると共に、準備時間補正量学習値50msecに対し、I−P補正量学習値の初期値を、図36に示す如く、0kgf/cm2 (の比率)とした。尚、工場出荷時にエンジン回転の吹き上がりが生じないように、学習値の原点は、0msec、+0.1kgf/cm2 とする。
【0184】
即ち、エンジン回転の吹き上がりが生じた場合、準備時間の不足、ON側の油圧が低いことなどが考えられるが、それが、クラッチクリアランスが設定値より増加してことに起因して生じたのか、あるいは制御信号と実際の供給油圧が所期の特性に対してずれているのか、もしくはその両方なのか判定することは困難である。
【0185】
そこで、初期値として、クラッチクリアランスの異なる場合、制御信号と実際の供給油圧のずれが異なる場合などについて両者の補正量(補正量のバランス)を種々に変更しながら、学習の収束状況を検証した。
【0186】
具体的には、初期条件を、図37にその結果を示すテストにおいては−100msecとし、図38にその結果を示すテストにおいては、−0.3kgf/cm2 とした。図37に示す場合は各補正結果ともほぼ同様の収束結果を得たが、図38に示す場合は思わしい収束結果を得ることができなかった。
【0187】
即ち、図39に示すように、I−P特性を重視して1:2 あるいは2:2などの適切な配分比率で規定されるハッチング領域内となるように補正した。即ち、定性的には油圧を重視している。尚、同図に示すように、クラッチクリアランス(準備時間)を重視して2:1とした場合に思わしい結果を得ることができなかったのは、クラッチクリアランスの不足は油圧で補正できるが、油圧の不足は時間(クラッチクリアランス)で補正することができないことに起因すると思われる。
【0188】
図26の説明に戻ると、S1366で否定されるときはS1376に進み、SCMONの値が98hか否か判断し、肯定されるときはイナーシャ相開始時間が遅いと判断してS1378に進み、フラグF.SCLXのビットが0か否か判断し、否定されて通常学習と判断されるときはS1380に進み、先のS1350の処理と同様にI−P補正量学習値を更新する。
【0189】
他方、S1378で肯定されて初期学習と判断されるときは、S1380をスキップする。また、S1376で否定されるときはS1382に進み、SCMONの値が94hか否か判断し、肯定されるときはイナーシャ相開始時間が早いと判断してS1384およびS1386に進み、先のS1348,S1350と同様の処理を行う。
【0190】
次いでS1388に進み、学習モード移行判断を行う。これは、初期学習から通常学習へ移行すべきか否かの判断作業である。
【0191】
図40はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0192】
以下説明すると、S1900においてQATNUM=11hあるいは12hか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1902に進み、フラグF.SCLのビットが0にリセットされているか否か判断する。
【0193】
そこで否定されるときは既に通常学習に移行していることから以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1904に進み、フラグF.SCONのビットが1にセットされると共に、吹きカウンタSUTAFの値が0か否か判断する。
【0194】
S1904で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1906に進み、初期学習中OKカウンタNSCLの値をインクリメントし、S1908に進み、そのカウンタの値が3以上か否か判断する。S1908で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1910に進み、検出された油温TATFが所定値#TATFSC1以上か否か判断する。
【0195】
そしてS1910で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS1912に進み、フラグF.SCLのビットを1にセットし、通常学習に移行させる。尚、前記したように、搭載バッテリが外されると、図示しないルーチンにおいてこのフラグは再び0にリセットされ、初期学習に復帰させられる。
【0196】
この実施の形態は、上記の如く、予め定められた補正割合に基づいて油圧学習補正と時間学習補正を行う如く構成したので、目標レベルに向けて学習の進行状態を確実に収束させることができ、よって内燃機関の吹き上がりを効果的に解消することができる。
【0197】
具体的には、この実施の形態は以下のように構成した。即ち、電磁ソレノイド(シフトソレノイドSLn)で駆動される複数の摩擦係合要素(クラッチCn)を備え、係合側の摩擦係合要素に油圧を供給すると共に、解放側の摩擦係合要素から油圧を排出させて内燃機関(エンジンE)の出力を変速する車両用自動変速機(トランスミッションT)の変速制御装置において、所定の変速時(アップシフト時)に前記係合側の摩擦係合要素に予め記憶される準備油圧(準備圧QDB1A)と予め記憶される準備時間(TMDB1A)に基づいて準備油圧(QATON)を出力し、次いで目標油圧に対して予め記憶される係合油圧特性に基づいて係合油圧(QATON)を出力するように油圧を制御する油圧制御手段(ECU80,S22,S102,S208からS222,S400からS410)、イナーシャ相開始までの間において前記内燃機関に回転の吹き上がりが発生したか否か検出する吹き発生検出手段(ECU80,S22,S106,S1200からS1224)、前記吹き発生検出手段によって前記内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、前記吹き上がりの程度を示すパラメータを算出すると共に、次回の前記所定の変速時に、前記準備油圧と前記係合油圧に対する油圧学習補正と前記準備時間に対する時間学習補正を行う学習補正手段(ECU80,S22,S102,S106,S406からS408,S900からS902、S1200からS1224)、前記自動変速機の作動油温を検出する作動油温検出手段(温度センサ70)、および前記検出された吹き上がりと前記作動油温に基づいて前記学習補正手段の学習モードを初期学習から通常学習に移行させる学習モード移行手段(ECU80,S1388,S1904からS1912)、を備えると共に、前記学習補正手段は、前記学習モードが初期学習にあるとき、前記吹き上がりの程度を示すパラメータに応じて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う一方(ECU80,S1342からS1346,S1354からS1358,S1400からS1404,S1500からS1504)、前記学習モードが通常学習に移行させられたとき、予め定められた補正割合に基づいて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う(ECU80,S1342,S1348,S1350,S1354,S1362,S1364,S1600からS1620,S1700からS1720)如く構成した。
【0198】
また、前記予め定められる補正割合が、前記電磁ソレノイドと摩擦係合要素のクリアランスの通電−油圧特性に対して予め定められた補正割合である如く構成した。
【0199】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、次回の所定の変速時に、準備油圧と係合油圧に対する油圧学習補正、より具体的には油圧高さに対する油圧学習補正と、準備時間に対する時間学習補正、より具体的には準備時間の時間長さに対する時間学習補正を行う学習補正手段を備えると共に、学習補正手段は、予め定められた補正割合に基づいて油圧学習補正と時間学習補正を行う如く構成したので、目標レベルに向けて学習の進行状態を確実に収束させることができ、よって内燃機関の吹き上がりを効果的に解消することができる。また、内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、吹き上がりの程度を示すパラメータを算出すると共に、自動変速機の作動油温を検出し、検出された吹き上がりと作動油温に基づいて学習補正手段の学習モードを初期学習から通常学習に移行させると共に、学習モードが初期学習にあるとき、吹き上がりの程度を示すパラメータに応じて油圧学習補正と時間学習補正を行う一方、学習モードが通常学習に移行させられたとき、予め定められた補正割合に基づいて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う如く構成、即ち、初期学習中にエンジン回転の吹き上がりが発生した場合、例えば吹き上がりの程度(パラメータ)に比例的に学習すると共に、準備時間を延長させることで、吹き上がりに対するタフネスを向上させることができる一方、通常学習中は一定量の学習(ステップ学習)とすることで、補正が過度にならないようにすることができる。
【0200】
請求項2項にあっては、予め定められる補正割合が、電磁ソレノイドと摩擦係合要素のクリアランスの通電−油圧特性に対して予め定められた補正割合である如く構成したので、摩擦係合要素(クラッチ)のクリアランスの初期の製造ばらつきや経年変化に対しては準備時間の時間長さで補正することができると共に、制御信号と実際の供給油圧のずれに対しては油圧の高さで補正することができ、目標レベルに向けて学習の進行状態を確実に収束させることができ、よって内燃機関の吹き上がりを効果的に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る車両用自動変速機の変速制御装置を全体的に示す説明図である。
【図2】図1装置の動作を示すメインフロー・チャートである。
【図3】図2フロー・チャートの中の変速制御処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図4】図3フロー・チャートの中のアップシフト(UP)制御を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図5】図4フロー・チャートの中の制御時点を示すタイム・チャートである。
【図6】図4フロー・チャートの中のOFF棚トルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図7】図4フロー・チャートの中のON準備圧算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図8】図7フロー・チャートの中の学習準備時間算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図9】図8フロー・チャートの処理を説明するグラフである。
【図10】図7フロー・チャートの学習準備時間算出処理の学習領域を示す示す説明グラフである。
【図11】図10の学習領域において学習される、準備時間を含む学習項目を示す説明図である。
【図12】図4フロー・チャートの中のOFF棚圧算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図13】図4フロー・チャートの中のトルク相のON/OFFトルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図14】図4フロー・チャートの中のイナーシャ相のON側のG1トルクなどの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図15】図14フロー・チャートの処理を示すタイム・チャートである。
【図16】図3フロー・チャートの中のアップシフト(UP)セッティング項の算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図17】図16フロー・チャートの中のI−P補正量学習値の算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図18】図17フロー・チャートの処理を説明するグラフである。
【図19】図16フロー・チャートの中の切れ速さ補正量学習値の算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図20】図19フロー・チャートの処理を説明するグラフである。
【図21】図3フロー・チャートの中のアップシフト(UP)学習制御を示すサブルーチン・フロー・チャートの前半部である。
【図22】図21フロー・チャートの中の吹き領域の判定処理を示すグラフである。
【図23】図3フロー・チャートの中のアップシフト(UP)学習制御を示すサブルーチン・フロー・チャートの後半部である。
【図24】図23フロー・チャートの中のI相遅れ領域の判定処理を示すグラフである。
【図25】図24フロー・チャートの中の学習許可判定処理を示すサブルーチン・フロー・チャートの前半部である。
【図26】図24フロー・チャートの中の学習許可判定処理を示すサブルーチン・フロー・チャートの後半部である。
【図27】図26フロー・チャートの中の初期学習における準備時間学習補正処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図28】図26フロー・チャートの中の初期学習におけるI−P学習補正処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図29】図26フロー・チャートの中の通常学習における準備時間学習補正処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図30】図29フロー・チャートの処理を説明するグラフである。
【図31】図26フロー・チャートの中の通常学習におけるI−P学習補正処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図32】図31フロー・チャートの処理を説明するグラフである。
【図33】図26フロー・チャートの中の初期学習における切れ速さ学習補正処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図34】図33フロー・チャートの処理を説明するグラフである。
【図35】図26フロー・チャートの処理を示す説明図である。
【図36】同様に図26フロー・チャートの処理を示す説明図である。
【図37】クラッチクリアランス補正とI−P補正のバランスを決定するために行ったテスト結果を示すデータ図である。
【図38】同様にクラッチのクリアランス補正とI−P補正のバランスを決定するために行ったテスト結果を示すデータ図である。
【図39】図36および図37に示すテストを通じて決定したクラッチのクリアランス補正とI−P補正の初期値を示す説明図である。
【図40】図26フロー・チャートの中の学習モード移行判定処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【符号の説明】
T 自動変速機(トランスミッション)
O 油圧制御回路
E 内燃機関(エンジン)
Cn クラッチ(摩擦係合要素)
SLn シフトソレノイド(電磁ソレノイド)
12 トルクコンバータ
56 スロットル開度センサ
70 温度センサ
74 アクセル開度センサ
80 ECU(電子制御ユニット)
Claims (2)
- 電磁ソレノイドで駆動される複数の摩擦係合要素を備え、係合側の摩擦係合要素に油圧を供給すると共に、解放側の摩擦係合要素から油圧を排出させて内燃機関の出力を変速する車両用自動変速機の変速制御装置において、
a.所定の変速時に前記係合側の摩擦係合要素に予め記憶される準備油圧と予め記憶される準備時間に基づいて準備油圧を出力し、次いで目標油圧に対して予め記憶される係合油圧特性に基づいて係合油圧を出力するように油圧を制御する油圧制御手段、
b.イナーシャ相開始までの間において前記内燃機関に回転の吹き上がりが発生したか否か検出する吹き発生検出手段、
c.前記吹き発生検出手段によって前記内燃機関の回転の吹き上がりが検出されたとき、前記吹き上がりの程度を示すパラメータを算出すると共に、次回の前記所定の変速時に、前記準備油圧と前記係合油圧に対する油圧学習補正と前記準備時間に対する時間学習補正を行う学習補正手段、
d.前記自動変速機の作動油温を検出する作動油温検出手段、
および
e.前記検出された吹き上がりと前記作動油温に基づいて前記学習補正手段の学習モードを初期学習から通常学習に移行させる学習モード移行手段、
を備えると共に、前記学習補正手段は、前記学習モードが初期学習にあるとき、前記吹き上がりの程度を示すパラメータに応じて前記油圧学習補正と時間学習補正を行う一方、前記学習モードが通常学習に移行させられたとき、予め定められた補正割合に基づいて前記油圧学習補正と時間学習補正を行うことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。 - 前記予め定められる補正割合が、前記電磁ソレノイドと摩擦係合要素のクリアランスの通電−油圧特性に対して予め定められた補正割合であることを特徴とする請求項1項記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
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