JP4509252B2 - プラズマ溶接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生産ラインにおいて、溶接工程の自動化、無人化率を上げることで、生産性の向上ならびにコストの削減等を図ってきた。溶接工程の自動化、無人化を実現するための重要な条件の一つに溶接装置を含む機器のメンテナンスが挙げられるが、より一層の自動化、無人化率の向上のためには、メンテナンスの時期を的確に把握しなければならない。
【0003】
特許第1910024号によれば、パイロットアーク消弧後の加工時でのノズル−電極間電圧の増減又は変動を検知し、その検知信号に基づきノズル内に配設した電極の異常検出を行い、切断不良の低減及び装置無人化を図っていた。
【0004】
図15は従来の構成を示している。図においてA1は利得調整機能が付設された電圧調整器、A2は利得調整機能が付設されたアイソレーションアンプ、A3は増幅器、またSWはスイッチである。この例では、電極が消耗限界付近に達すると増幅器A3の出力である差電圧Vmが異常予告基準電圧Vx以上となる。この結果比較器C3からラッチ回路を介して検出信号を異常予告出力回路に出力し、パイロットランプPL及びブザーBを鳴らして監視者に異常予告を知らせる。その後電極が破損した場合は差電圧Vmが上限基準電圧Vhと下限基準電圧Vlの範囲を超える。この結果比較器Cl、C2からラッチ回路を介して検出信号を異常出力回路に出力し、パイロットランプPLの点灯と共にプラズマ電源制御回路をオフし、プラズマ切断装置Aを停止させる。
【0005】
しかしながらこの従来の技術では、ノズル−電極間電圧の上昇によって異常予告を行い、電圧の変動幅が一定レべル以上あるいは一定レベル以下になれば異常出力を行うので、同一溶接内にノズル−電極間電圧が異常予告レべルに達し異常予告出力を行った直後に電極が破損した場合などは、異常予告自体がまったく意味をなさないことになってしまう等の問題がある。つまり従来の技術は電極の異常または使用限界を検出するに留まっているといえる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術をプラズマアーク溶接機に適応させようとするとチップ−電極間電圧の増減又は変動を検知し、電極の異常を検出する方法は電極の寿命を検出するのに有効な手段である。
【0007】
しかし、交換後のチップ−電極間電圧を一定と仮定しているが、異なるチップ径が設定されたり、あるいはチップ−電極間距離がばらついたり、プラズマガス流量の設定が変わる等トーチ設定条件によって、従来例の目的とする電極異常以外でもチップ−電極間電圧が変化してしまい、トーチ設定条件の変化によって異常検出が不安定になり、電極のメンテナンス時期を誤る可能性がある。また電極の異常予告が、電極が異常状態にいたる過程でのどのタイミングで行われるか不確定であるため交換の作業効率が高いとはいえない。
【0008】
したがって、この発明の目的は、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの異常を知ることができるプラズマ溶接装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のプラズマ溶接装置は、電極とチップを設けた溶接トーチと、チップと電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、パイロットアーク用電源およびメインアーク用電源の出力調整を行う出力調整器と、パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器からの算出結果と予め記憶している判定基準値とに基づいてチップあるいは電極の状態を判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器とを備えたものである。
【0010】
請求項1記載のプラズマ溶接装置によれば、パイロットアーク電圧が極点の移動等で変動し、電極あるいはチップが消耗するにしたがって、その変動量が大きくなることに着目し、1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を逐次算出することで、上記設定条件において電極の寿命を検出することができる。したがって、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの異常を知ることができ、これらのメンテナンス時期を知ることができる。また電極寿命についても、電極およびチップの状態を逐次算出または予測し作業者並びに監視者に提供するので、電極およびチップの交換タイミングを正確に把握でき、作業効率のより一層の向上を図ることができる。
【0011】
請求項2記載のプラズマ溶接装置は、請求項1において、判定器が、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、変化量算出器の結果の該当する判定区間に従って、判定を行うものである。
【0012】
請求項2記載のプラズマ溶接装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0013】
請求項3記載のプラズマ溶接装置は、電極とチップを設けた溶接トーチと、チップと電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し変化量算出器の結果の該当する判定区間に従って判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器と、パイロットアーク用電源とメインアーク用電源の出力調整を行い判定器の結果によりパイロットアーク電流を調整する出力調整器とを備え、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止するものである。
【0014】
請求項3記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができ、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、変動量による判定を用いることにより電極あるいはチップがある程度消耗した場合、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ極点のふらつきを押えることでパイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項記載のプラズマ溶接装置は、電極とチップを設けた溶接トーチと、チップと電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、パイロットアーク用電源およびメインアーク用電源の出力調整を行う出力調整器と、パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器の出力の時間変化を算出する変化量差分算出器と、この変化量差分算出器からの算出結果と予め記憶している判定基準値とに基づいてチップあるいは電極の状態を判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器とを備えたものである。
【0022】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの異常を知ることができる。
【0023】
請求項記載のプラズマ溶接装置は、請求項において、判定器が、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、変化量算出器の結果の該当する判定区間に従って、判定を行うものである。
【0024】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、請求項と同様な効果のほか、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0025】
請求項記載のプラズマ溶接装置は、電極とチップを設けた溶接トーチと、チップと電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器の出力の時間変化を算出する変化量差分算出器と、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、変化量差分算出器の結果の該当する判定区間に従って判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器と、パイロットアーク用電源とメインアーク用電源の出力調整を行い、判定器の結果によりパイロットアーク電流を調整する出力調整器とを備え、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果により前記パイロットアーク用電源を停止するものである。
【0026】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができ、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、変動量による判定を用いることにより電極あるいはチップがある程度消耗した場合、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ極点のふらつきを押えることでパイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0033】
請求項記載のプラズマ溶接装置は、電極とチップを設けた溶接トーチと、チップと電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器の出力の時間変化を算出する変化量差分算出器と、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、変化量差分算出器の結果の該当する判定区間に従って判定する判定器と、パイロットアーク用電源とメインアーク用電源の出力調整を行い、判定器の結果によりパイロットアーク電流を調整する出力調整器とを備え、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止するものである。
【0034】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができ、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、変動量による判定を用いることにより電極あるいはチップがある程度消耗した場合、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ極点のふらつきを押えることでパイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以上のように構成した発明の実施の形態を示す。
【0038】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態を示す。本発明の第1の実施の形態でのプラズマ溶接装置は、電極15とチップ16を設けた溶接トーチ1とパイロットアーク用電源2およびメインアーク用電源3のON、OFF等の制御を行う電源制御器4を有しており、パイロットアーク用電源2によってチップ16と電極15の間に定電流電力を供給し、パイロットアークを発生させる。パイロットアーク発生に至らせるプロセスには電極15とチップ16を接触させる方法や高周波を印加する方法があるがここでは特に限定するものではない。パイロットアークは本溶接への移行を容易にするためのもので、本溶接期間以外は常時点弧するものである。これをパイロット期間と称する。その後、溶接を開始する段階になると、メインアーク用電源3によって電極15と母材17との間に電力を供給し、本溶接状態にする。本溶接にアークが移行すれば、パイロットアーク用電源2を停止し、定電流電力の供給を停止する。溶接が終了すれば、メインアーク用電源3を停止し、再びパイロットアーク用電源2によってチップ16と電極15の間に定電流電力を供給し、パイロットアークを発生させる。なお、パイロットアーク電流値とメインアーク電流値の出力調整は出力調整器5によって行われる。
【0039】
以上が本発明の第1の実施の形態でのプラズマ溶接装置の溶接シーケンスの概要である。上記溶接シーケンスを繰り返していくと電極15あるいはチップ16は徐々に消耗していく。この時チップ16−電極15間で発生するパイロットアーク電圧は電極15あるいはチップ16が消耗するに従い上昇し、また変動するようになる。この変動幅は電極15の消耗が進むにつれ大きくなりやがてはパイロットアークが続かなくなり無負荷電圧が発生するようになる。
【0040】
このように構成されたプラズマ溶接機において、電圧検出器6でパイロット期間のパイロットアーク電圧を検出し、変化量算出器7は検出されたパイロットアーク電圧波形の単位時間内の最大値と最小値を取り入れ式1に代入し変化量を算出する。
【0041】
<式1>
Fv=Vmax−Vmin
ここで、Fvは変化量(特に単位は定めない)、Vmaxはパイロットアーク電圧最大値、Vminはパイロットアーク電圧最小値である。
【0042】
判定器8は変動量を作業者並びに監視者等が取り決めた定義、例えば電極15およびチップ16の消耗状態を示す用語等に変換し出力したり、予め判定基準となる値を記憶しており、変化量算出器7からの算出結果が判定基準値以上になった単位時間内の合計時間がある一定以上になった場合に電極15およびチップ16の異常状態の出力を行う等の判断手段を有する。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16の異常を知ることが出来る。
【0043】
このように第1の実施の形態は、一連の溶接シーケンスにパイロット期間を設けており、パイロット期間中は電極−チップ間にパイロットアーク用に設けられた電源により電力を供給することでパイロットアークを発生させ、溶接期間中は電極−チップ間に溶接用に設けられた電源により電力を供給し、かつパイロットアーク用に設けられた電源による電力の供給を停止させるように構成している。
【0044】
パイロットアーク電圧が極点の移動等で変動し、電極あるいはチップが消耗するにしたがって、その変動量が大きくなることに着目し、パイロットアーク電圧の変化量を逐次算出することで、上記設定条件において電極の寿命を検出することができる。但し、従来の技術での変動の検出とは電極が破損した場合のみ、パイロットアーク電圧の変動幅を検出するものであり、本発明の変動量は、電極のまたはチップの消耗過程においての極点の移動等で発生するパイロットアーク電圧の変動値を示しているので、2者が全く別のコンセプトから成り立っていることは明らかである。
【0045】
(実施の形態2)
図2は本発明の第2の実施の形態の判定器8について示す。構成は図1と同様である。また、溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5電圧検出器6、変化量算出器7は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、予め複数の判定基準値20〜22を記憶し、それらの判定基準値20〜22で区切られた複数の判定区間を有し、これらを比較手段23〜25で比較しており、変化量算出器7からの算出結果が該当する判定区間内であれば、その判定区間が表す電極15およびチップ16の状態を出力する。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0046】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0047】
(実施の形態3)
図3は本発明の第3の実施の形態を示す。図3の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と、判定器8は図2と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8の出力結果が、電極15およびチップ16の破損が近いことを表す場合は、電源制御器4によってパイロットアーク用電源2からの電力供給を停止させる。また、出力調整器5は、判定器8の出力結果が、パイロットアークの不安定を表す場合は、出力調整器5によって、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ、極点のふらつきを押さえることで、パイロットアークの安定を図る。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0048】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができると同時に電力供給を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、パイロットアーク電流をチップ16及び電極15の状態に応じて増加させることにより、パイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0049】
(実施の形態4)
図4は本発明の第4の実施の形態を示す。図4の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5は図1と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。電圧検出器6でパイロット期間のパイロットアーク電圧を検出し、電流検出器10でシャント27を介してパイロットアーク電流を検出し、アーク長算出器11は電圧検出器6が検出し出力したパイロットアーク電圧と電流検出器10が検出し出力したパイロットアーク電流を式2に代入しアーク長を算出する。
【0050】
<式2>
L=〔{V−(a+b・I)}・I−c〕/d
Lはアーク長、Vはパイロットアーク電圧、Iはパイロットアーク電流、a〜dは定数である。
【0051】
アーク長変化量算出器12は、アーク長算出器11の算出したアーク長の時間的変化を算出する。判定器8は変動量を作業者並びに監視者等が取り決めた定義、例えば電極およびチップの消耗状態を示す用語等に変換し出力したり、予め判定基準となる値を記憶しており、アーク長変化量算出器12からの算出結果が判定基準値以上になった単位時間内の合計時間がある一定以上になった場合に電極15およびチップ16の異常状態の出力を行う等の判断手段を有する。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極あるいはチップの状態を知らせる。
【0052】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16の異常を知ることが出来る。
【0053】
(実施の形態5)
図5は本発明の第5の実施の形態の判定器8について示す。構成は図4と同様である。また、溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6は第1の実施の形態と、またシャント27、電流検出器10、アーク長算出器11、アーク長変化量算出器12は第4の実施の形態と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、予め複数の基準値30〜32を記憶し、それらの基準値で区切られた複数の判定区間を有しており、アーク長変化量算出器12からの算出結果を比較手段33〜35で基準値30〜32と比較し、算出結果が該当する判定区間内であれば、その判定区間が表す電極15およびチップ16の状態を出力する。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極あるいはチップの状態を知らせる。
【0054】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0055】
(実施の形態6)
図6は本発明の第6の実施の形態を示す。図6の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6は図1と、シャント27、電流検出器10、アーク長算出器11、アーク長変化量算出器12は図4と、また判定器8は図5と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。第6の実施の形態では、パイロット期間中、判定器8の出力結果が、電極15およびチップ16の破損が近いことを表す場合は、電源制御器4によってパイロットアーク用電源2からの電力供給を停止させる。また、出力調整器5は、判定器8の出力結果が、パイロットアークの不安定を表す場合は、出力調整器5によって、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ、極点のふらつきを押さえることで、パイロットアークの安定を図る。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0056】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができると同時に電力供給を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、パイロットアーク電流をチップ16及び電極15の状態に応じて増加させることにより、パイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0057】
(実施の形態7)
図7は本発明の第7の実施の形態を示す。図7の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、変化量差分算出器13は、変化量算出器7が算出した前回の変化量と今回の変化量との差分の絶対値を式3より算出する。
【0058】
<式3>
Fvsub=|Fvl−Fv2|
ここで、Fvsubは変化量の差分、Fvlは前回算出した変化量、Fv2は今回算出した変化量である。
【0059】
判定器8は変動量を作業者並びに監視者等が取り決めた定義、例えば電極15およびチップ16の消耗状態を示す用語等に変換し出力したり、予め判定基準となる値を記憶しており、変化量差分算出器13からの算出結果が判定基準値以上になった単位時間内の合計時間がある一定以上になった場合に電極15およびチップ16の異常状態の出力を行う等の判断手段を有する。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0060】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの異常を知ることが出来る。
【0061】
(実施の形態8)
図8は本発明の第8の実施の形態の判定器8について示す。構成は図7と同様である。また、溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、予め複数の基準値40〜42を記憶し、それらの基準値40〜42で区切られた複数の判定区間を有しており、変化量差分算出器13からの算出結果を比較手段43〜45で基準値40〜42と比較して算出結果が該当する判定区間内であれば、その判定区間が表す電極15およびチップ16の状態を出力する。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0062】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0063】
(実施の形態9)
図9は本発明の第9の実施の形態を示す。図9の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6は図1と、変化量差分算出器13は図7と、また判定器8は図8と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、予め複数の基準値40〜42を記憶し、それらの基準値40〜42で区切られた複数の判定区間を有しており、変化量差分算出器13からの算出結果を比較手段43〜45で基準値40〜42と比較して算出結果が該当する判定区間内であれば、その判定区間を表す電極15およびチップ16の状態を出力する。判定器8の出力結果が、電極15およびチップ16の破損が近いことを表す場合は、電源制御器4によってパイロットアーク用電源2からの電力供給を停止させる。また、出力調整器5は、判定器8の出力結果が、パイロットアークの不安定を表す場合は、出力調整器5によって、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ、極点のふらつきを押さえることで、パイロットアークの安定を図る。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0064】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができると同時に電力供給を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、パイロットアーク電流をチップ16及び電極15の状態に応じて増加させることにより、パイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0065】
(実施の形態10)
図10は本発明の第10の実施の形態を示す。図10の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と、また変化量差分算出器13は図7と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は予め変化量算出器7の結果について判定を行うための判定の基準となる値である変化量判定基準値と変化量差分算出器13の結果について判定を行うための基準となる値である変化量差分判定基準値とを記憶しており、変化量算出器7からの算出結果と変化量差分算出器13からの算出結果を複合して判定する。例えば、交換前の電極15およびチップ16での変化量算出器7の算出結果Fvaと交換後の電極15およびチップ16での変化量算出器7の算出結果Fvbが同一でも、FvaおよびFvbを算出した時点での変化量差分算出器13の算出結果が異なる場合、電極の状態は同一ではないことなどから判定を行う。それを示す例を下記(判定結果差異の例1)に示す。これはある時点の変化量が同一でも変化量の差分が大きい方がメンテナンス時期が近いことを示している。例として交換前の電極15およびチップ16と交換後の電極15およびチップ16について述べたが、同一の電極15およびチップ16でも同様の判定を行う。
【0066】
例えば、ある時点での電極15およびチップ16の変化量算出器7の算出結果をFvcと置き、判定基準をFvrefとし、Fvcが算出された時点での変化量差分算出器13の算出結果をFvsub cとすると、FvrefからFvcの差をFvsub cで割ると電極15およびチップ16のパイロットアーク電圧の変化量がFvrefに達するまでの時間が求められる。この時間を用いて判定を行う。それを示す例を下記(判定結果差異の例2)に示す。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極あるいはチップの状態を知らせる。以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0067】
(判定結果差異の例1)
条件1:Fva=Fvb
条件2:Fvsub a>Fvsub_b
判定結果の差異:交換前の電極15およびチップ16の方が同一変化量の場合メンテナンス時期が近い状態
Fva:交換前電極およびチップでの変化量算出器7の算出結果
Fvb:交換後電極およびチップでの変化量算出器7の算出結果
Fvsub a:交換前電極およびチップでの変化量差分算出器13の算出結果
Fvsub b:交換後電極およびチップでの変化量差分算出器13の算出結果
(判定結果差異の例2)
FvrefとFvcの差をFvsub cで割った時の時間をtlと置き、仮にFvsub c−1で割った時の時間をt2と置く。
【0068】
Fvsub c>Fvsub c−1であれば
tl<t2となり、
パイロットアーク電圧の変化量がFvrefに達する時間つまり電極15およびチップ16が寿命を迎える時間が異なる。これは電極15およびチップ16の状態が異なることを意味する。
【0069】
Fvc:ある時点での電極15およびチップ16での変化量算出器7の算出結果Fvref:判定基準値Fvsub c:Fvcが算出された時点での電極15およびチップ16での変化量差分算出器13の算出結果Fvsubc−1:Fvsub cを置き換えたもの
(実施の形態11)
図11は本発明の第11の実施の形態の判定器8について示す。構成は図10と同様である。溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と、また変化量差分算出器13は図7と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、変化量算出器7からの算出結果と変化量差分算出器13の算出結果とを積算手段50により積算し、その積算結果を積算結果の判定手段51で判定し、積算結果から電極15およびチップ16の状態を出力する。変化量差分算出器13の算出結果を変化量算出器7の算出結果の重み付けの値と考えると、この2つのパラメータを積算することで、電極およびチップの状態を表すことができる。また、積算することによって、第10の実施の形態のように別々に行っていた2つのパラメータの判定を一元的に行えるようになる。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0070】
(実施の形態12)
図12は本発明の第12の実施の形態の判定器8について示す。構成は図10と同様である。溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と、また変化量差分算出器13は図7と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、変化量算出器7の算出結果と変化量差分算出器13の算出結果とから、ファジィ推論の手段によって電極15およびチップ16の状態を出力する。ファジィ推論は電極15およびチップ16の状態をメンバーシップ関数として、変化量算出器7の算出結果と変化量差分算出器13の算出結果よりメンバーシップ値、つまり現在の電極15およびチップ16の状態を求める。なお、メンバーシップ関数は予め用意するものとする。
【0071】
判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極15あるいはチップ16の状態を知らせる。
【0072】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0073】
(実施の形態13)
図13は本発明の第13の実施の形態を示す。図13の溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と、また変化量差分算出器13は図7と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、予め複数の基準値を記憶し、それらの基準値で区切られた複数の判定区間を有しており、変化量算出器7の算出結果と変化量差分算出器13の算出結果から導き出された値、例えば図11または図12で判定器8に入力する値が該当する判定区間内であれば、その判定区間を表す電極15およびチップ16の状態を出力する。判定器8の出力結果が、電極およびチップの破損が近いことを表す場合は、電源制御器4によってパイロットアーク用電源2からの電力供給を停止させる。また、出力調整器5は、判定器8の出力結果が、パイロットアークの不安定を表す場合は、出力調整器5によって、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ、極点のふらつきを押さえることで、パイロットアークの安定を図る。判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極あるいはチップの状態を知らせる。
【0074】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極15およびチップ16のメンテナンス時期を的確に知ることができると同時に電力供給を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、パイロットアーク電流をチップ16及び電極15の状態に応じて増加させることにより、パイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0075】
(実施の形態14)
図14は本発明の第14の実施の形態の判定器8について示す。構成は図10と同様であり、溶接トーチ1、パイロットアーク用電源2メインアーク用電源3、電源制御器4、出力調整器5、電圧検出器6、変化量算出器7は図1と、また変化量差分算出器13は図7と同様であるため説明を省略する。また、通常の溶接シーケンスに関しても基本的に第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。パイロット期間中、判定器8は、変化量算出器7の算出結果と変化量差分算出器13の算出結果とから、ファジィ推論によって電極15およびチップ16の交換までの時間を出力する。時間の推論は電極15およびチップ16の交換までの時間をメンバーシップ関数として、変化量算出器7の算出結果と変化量差分算出器13の算出結果とからメンバーシップ値、つまり現在の電極15およびチップ16の交換までの時間を求める。なお、メンバーシップ関数は予め用意するものとする。
【0076】
判定器8の結果は表示器9によって表示し、作業者並びに監視者に電極あるいはチップの交換までの時間を知らせる。
【0077】
以上のような構成により、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの交換までの時間を的確に知ることができる。
【0078】
【発明の効果】
請求項1記載のプラズマ溶接装置によれば、パイロットアーク電圧が極点の移動等で変動し、電極あるいはチップが消耗するにしたがって、その変動量が大きくなることに着目し、1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を逐次算出することで、上記設定条件において電極の寿命を検出することができる。したがって、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの異常を知ることができ、これらのメンテナンス時期を知ることができる。また電極寿命についても、電極およびチップの状態を逐次算出または予測し作業者並びに監視者に提供するので、電極およびチップの交換タイミングを正確に把握でき、作業効率のより一層の向上を図ることができる。
【0079】
請求項2記載のプラズマ溶接装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0080】
請求項3記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができ、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、変動量による判定を用いることにより電極あるいはチップがある程度消耗した場合、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ極点のふらつきを押えることでパイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0084】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップの異常を知ることができる。
【0085】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、請求項と同様な効果のほか、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができる。
【0086】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができ、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、変動量による判定を用いることにより電極あるいはチップがある程度消耗した場合、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ極点のふらつきを押えることでパイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【0090】
請求項記載のプラズマ溶接装置によれば、トーチ設定条件等に左右されずに電極およびチップのメンテナンス時期を的確に知ることができ、電源制御器はパイロット期間中であっても判定器の結果によりパイロットアーク用電源を停止することで溶接品質の低下および装置の破損等を防ぐことができる。また、変動量による判定を用いることにより電極あるいはチップがある程度消耗した場合、パイロットアークの状態に応じてパイロットアーク電流を増加させ極点のふらつきを押えることでパイロットアークの安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるプラズマ溶接装置の部分構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態によるプラズマ溶接装置の部分構成図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態によるプラズマ溶接装置の部分構成図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図11】本発明の第11の実施の形態によるプラズマ溶接装置の部分構成図である。
【図12】本発明の第12の実施の形態によるプラズマ溶接装置の部分構成図である
【図13】本発明の第13の実施の形態によるプラズマ溶接装置の構成図である。
【図14】本発明の第14の実施の形態によるプラズマ溶接装置の部分構成図である。
【図15】従来例を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 溶接トーチ
2 パイロットアーク用電源
3 メインアーク用電源
4 シーケンス制御器
5 出力調整器
6 電圧検出器
7 変化量算出器
8 判定器
9 表示器
10 電流検出器
11 アーク長算出器
12 アーク長変化量算出器
13 変化量差分算出器
15 電極
16 チップ

Claims (7)

  1. 電極とチップを設けた溶接トーチと、前記チップと前記電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、前記電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、前記パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、前記パイロットアーク用電源および前記メインアーク用電源の出力調整を行う出力調整器と、前記パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器からの算出結果と予め記憶している判定基準値とに基づいて前記チップあるいは前記電極の状態を判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器とを備えたプラズマ溶接装置。
  2. 判定器は、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、変化量算出器の結果の該当する判定区間に従って、判定を行う請求項1記載のプラズマ溶接装置。
  3. 電極とチップを設けた溶接トーチと、前記チップと前記電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、前記電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、前記パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、前記パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し前記変化量算出器の結果の該当する判定区間に従って判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器と、前記パイロットアーク用電源と前記メインアーク用電源の出力調整を行い前記判定器の結果によりパイロットアーク電流を調整する出力調整器とを備え、前記電源制御器は前記パイロット期間中であっても前記判定器の結果により前記パイロットアーク用電源を停止するプラズマ溶接装置。
  4. 電極とチップを設けた溶接トーチと、前記チップと前記電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、前記電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、前記パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、前記パイロットアーク用電源および前記メインアーク用電源の出力調整を行う出力調整器と、前記パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器の出力の時間変化を算出する変化量差分算出器と、この変化量差分算出器からの算出結果と予め記憶している判定基準値とに基づいて前記チップあるいは前記電極の状態を判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器とを備えたプラズマ溶接装置。
  5. 判定器は、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、変化量算出器の結果の該当する判定区間に従って、判定を行う請求項4記載のプラズマ溶接装置。
  6. 電極とチップを設けた溶接トーチと、前記チップと前記電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、前記電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、前記パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、前記パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器の出力の時間変化を算出する変化量差分算出器と、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、前記変化量差分算出器の結果の該当する判定区間に従って判定する判定器と、この判定器の結果を表示する表示器と、前記パイロットアーク用電源と前記メインアーク用電源の出力調整を行い、前記判定器の結果によりパイロットアーク電流を調整する出力調整器とを備え、前記電源制御器は前記パイロット期間中であっても前記判定器の結果により前記パイロットアーク用電源を停止するプラズマ溶接装置
  7. 電極とチップを設けた溶接トーチと、前記チップと前記電極の間に定電流電力を供給するパイロットアーク用電源と、前記電極と母材との間に電力を供給するメインアーク用電源と、前記パイロットアーク用電源のみを起動するパイロット期間を設けた電源制御器と、前記パイロット期間中のパイロットアーク電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力から1つのパイロット期間における単位時間内のパイロットアーク電圧の最大値とパイロットアーク電圧の最小値との差分を算出する変化量算出器と、この変化量算出器の出力の時間変化を算出する変化量差分算出器と、予め複数の判定基準値を記憶し、それらの判定基準値で区切られた複数の判定区間を有し、前記変化量差分算出器の結果の該当する判定区間に従って判定する判定器と、前記パイロットアーク用電源と前記メインアーク用電源の出力調整を行い、前記判定器の結果によりパイロットアーク電流を調整する出力調整器とを備え、前記電源制御器は前記パイロット期間中であっても前記判定器の結果により前記パイロットアーク用電源を停止するプラズマ溶接装置
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