JP4509046B2 - センサ付き車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

この発明は、軸受内に封入された潤滑剤の混入物などによる劣化状態を検出する機能を有するセンサ付き車輪用軸受装置に関する。
潤滑剤を封入した軸受では、軸受内部の潤滑剤(グリース、油など)が劣化すると転動体の潤滑不良が発生し、軸受寿命が短くなる。転動体の潤滑不良を、軸受の振動状態などから判断するのでは、寿命に達して動作異常が発生してから対処することになるため、潤滑状態の異常をより早く検出できない。そこで、軸受内の潤滑剤の状態を定期的あるいはリアルタイムに観測し、異常やメンテナンス期間の予測を可能にすることが望まれる。
潤滑剤の劣化の主要な要因として、軸受の使用に伴って発生する摩耗粉が潤滑剤に混入することが挙げられる。
軸受の摩耗状態を検出するものとしては、軸受のシールの内側に電極やコイル等のセンサを配置し、摩耗粉の混入する潤滑剤の電気的特性を前記センサで検出するようにしたセンサ付き軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2004−293776号公報
しかし、特許文献1のセンサ付き軸受は、潤滑剤の電気的特性を検出するものであるため、大量の摩耗粉が入って導通が起こるなどの状況にならなければ、特性変化として検出されず、混入物の検出が困難な場合がある。
このような課題を解決するものとして、例えば図13のように、発光素子33から出た光が反射部材34で反射して受光素子35に入射する光学系32を設け、この光学系32の光路中に潤滑剤36を介在させ、受光素子35で検出された光量から潤滑剤36の劣化状態を推定する構成を考えた。
しかし、この構成の場合、光を反射させる反射部材34が必要であり、例えば潤滑剤36が存在する空間の周囲の構成部材で前記反射部材34を代用する場合でも、その代用部材は光を十分反射する材質でなければならず、検出対象となる潤滑剤が存在する環境の構造上の条件によっては設置できない場合もある。
この発明の目的は、軸受内部へ簡単かつコンパクトな構成により潤滑剤劣化検出装置を設置できて、軸受内に封入された潤滑剤の状態を検出できるセンサ付き車輪用軸受装置を提供することである。
この発明のセンサ付き車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面を有する外方部材と、前記各転走面に対向する転走面を外周に有する内方部材と、これら対向する転走面の間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、潤滑剤劣化検出装置を設け、この潤滑剤劣化検出装置は、発光素子と受光素子とが互いに傾き角度をもって配置され、前記発光素子から出た光が、潤滑剤表面又は内部で散乱反射し、受光素子に入る光学系を有し、前記受光素子に入る光量の変化による受光素子の出力の変化から、潤滑剤に含まれる異物の量を推定する推定手段を有するものとしている。
この構成のセンサ付き車輪用軸受装置によると、潤滑剤劣化検出装置において、発光素子から出た光が潤滑剤の表面又は内部で散乱反射して、その散乱反射した光の一部が受光素子で検出される。潤滑剤に含まれる鉄粉等の異物の含有量が増加すると、潤滑剤の表面又は内部からの散乱反射光量が減少するので、受光素子で検出される散乱反射光量から推定手段は潤滑剤に含まれる異物の量を推定することができる。
軸受内に封入された潤滑剤が劣化する主要な要因として、軸受の使用に伴って発生する鉄粉等の摩耗粉が潤滑剤に混入することが挙げられるので、潤滑剤に混入する異物の含有量を前記推定手段で推定することにより、潤滑剤の劣化状態を推定することができる。
また、上記潤滑剤劣化検出装置の光学系では、発光素子から出た光が検出対象となる潤滑剤の表面又は内部で散乱反射して受光素子に入射するようにしているので、軸受内部に封入した潤滑剤の劣化状態を検出する場合に、発光素子および受光素子の配置や向きの自由度が高く、また光を反射させる反射部材などを別に設ける必要もないので、構成が簡単になり、コンパクト化が可能となる。
その結果、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで正確に検出することができる。また、潤滑剤劣化検出装置の設置において、その発光素子および受光素子の配置向きの自由度が高いので、構成の簡略化やコンパクト化が可能となる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明において、前記光学系は、前記発光素子として、発光する波長がそれぞれ異なる複数の発光素子を設けたものとし、前記推定手段は、前記異物の量の推定に加えて、波長毎の散乱反射光量の違いによる受光素子の出力の違いから、潤滑剤に含まれる異物の種類を推定するものとしても良い。
この構成の場合、複数、例えば2つの発光素子を交互に点灯させることで、受光素子は各波長毎の散乱反射光量を検出することができる。この受光素子の出力から検出される各波長毎の散乱反射光量の違いから潤滑剤に含まれる異物の量だけでなく、種類を推定することができる。
この発明において、前記受光素子として、波長感度がそれぞれ異なる複数の受光素子を設け、前記推定手段は、前記異物の量の推定に加えて、波長毎に散乱反射量の違いによる前記複数の受光素子の出力の違いから、潤滑剤に含まれる異物の種類を推定するものとしても良い。
この構成の場合、一つの発光素子から出て潤滑剤の表面又は内部で散乱反射した光量を、異なる波長感度を有する複数の受光素子で個別に検出するので、波長に応じた散乱反射光量の違いから、潤滑剤に混入する異物の量だけでなく種類も推定することができる。
記潤滑剤劣化検出装置は、前記光学系を2組設け、一方の光学系には前記潤滑剤として基準潤滑剤を用い、他方の光学系は前記潤滑剤として測定対象の潤滑剤を用いるものとし、前記推定手段は、一方の光学系の受光素子の出力と他方の光学系の受光素子の出力とを比較して潤滑剤に含まれる異物の量を推定するものとする。潤滑剤劣化検出装置をこのように構成した場合、検出対象の潤滑剤の特性を、異物混入のない基準潤滑剤の特性と比較するので、潤滑剤に混入する異物の種類と量を、より高精度に測定することができる。
この発明のセンサ付き車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面を有する外方部材と、前記各転走面に対向する転走面を外周に有する内方部材と、これら対向する転走面の間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、潤滑剤劣化検出装置を設け、この潤滑剤劣化検出装置は、発光素子と受光素子とが互いに傾き角度をもって配置され、前記発光素子から出た光が、潤滑剤表面又は内部で散乱反射し、受光素子に入る光学系を有し、前記受光素子に入る光量の変化による受光素子の出力の変化から、潤滑剤に含まれる異物の量を推定する推定手段を有するものとし、前記潤滑剤劣化検出装置は、前記光学系を2組設け、一方の光学系には前記潤滑剤として基準潤滑剤を用い、他方の光学系は前記潤滑剤として測定対象の潤滑剤を用いるものとし、前記推定手段は、一方の光学系の受光素子の出力と他方の光学系の受光素子の出力とを比較して潤滑剤に含まれる異物の量を推定するものとしたため、軸受内部へ簡単かつコンパクトな構成により潤滑剤劣化検出装置を設置できて、その潤滑剤劣化検出装置により軸受内に封入された潤滑剤の劣化状態を検出することができる。その結果、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図9と共に説明する。このセンサ付き車輪用軸受装置は、複列アンギュラ玉軸受型であって、かつ従動輪支持用の例であり、いわゆる第3世代型に分類されるものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付き車輪用軸受装置は、図1に示すように、内周に複列の転走面3を有する外方部材1と、この外方部材1の各転走面3と対向する転走面4を外周に有する内方部材2と、これら対向する転走面3,4の間に介在した複列の転動体5と、前記外方部材1と内方部材2間の軸受空間の両端部を密封するシール7,8とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持するようにしたものである。転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。
内方部材2は回転側の部材となるものであって、アウトボード側の端部付近の外周に車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9のインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に前記各列の転走面4が形成されている。ハブフランジ9aには、ブレーキロータを介して車輪(いずれも図示せず)がハブボルト11で取付けられる。ハブ輪9のインボード側の端部は、内輪10の幅面を押し付けるフランジ状の加締部9bとされており、この加締部9bにより内輪10が軸方向に締め付け固定される。
外方部材1は固定側の部材となるものであって、車体の懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。
固定側部材である外方部材1の内径面における両列の転走面3,3間には潤滑剤劣化検出装置21が取付けられ、この潤滑剤劣化検出装置21により軸受内部に封入された潤滑剤の劣化状態が検出される。外方部材1には、潤滑剤劣化検出装置21の配線ケーブル28を挿通させるケーブル挿入孔1bが設けられ、配線ケーブル28の挿通部には、防水・防油処理が施される。前記配線ケーブル28を通じて、軸受外から潤滑剤劣化検出装置21への電源供給と軸受外への検出信号の取り出しが行われる。これにより、潤滑剤劣化検出装置21の取付部から軸受内部へ水分やゴミ等が侵入するのを防止している。
図2は、前記潤滑剤劣化検出装置21の参考提案例を示す。この潤滑剤劣化検出装置21は、発光素子23と受光素子24とが互いに傾き角度をもって配置され、前記発光素子23から出た光が潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射して受光素子24に入射する光学系22と、推定手段26とを備える。前記発光素子23、受光素子24、および推定手段26となる回路は回路基板27に搭載される。推定手段26は、前記受光素子24に入る光量の変化による受光素子24の出力の変化から、潤滑剤25に含まれる異物の量を推定するものである。推定手段26の検出信号は配線ケーブル28から外部に出力される。また、配線ケーブル28を経て外部から潤滑剤劣化検出装置21に電源が供給される。
前記発光素子23としては、LED、白熱電球、半導体レーザダイオード、EL、有機EL、蛍光管などを用いることができる。また、前記受光素子24としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CDS、太陽電池、光電子増倍管などを用いることができる。
このように、上記潤滑剤劣化検出装置21では、発光素子23から出た光が潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射して、その散乱反射した光の一部が受光素子24で検出される。潤滑剤25に含まれる鉄粉等の異物の含有量が増加すると、潤滑剤25の表面又は内部からの散乱反射光量が減少するので、受光素子24で検出される散乱反射光量から推定手段26は潤滑剤25に含まれる異物の量を推定することができる。
軸受内部に封入された潤滑剤25の場合、その劣化の主要な要因として、軸受の使用に伴って発生する鉄粉等の摩耗粉が混入することが挙げられる。そのため、潤滑剤25に混入する異物である摩耗粉の含有量を前記推定手段26で推定することにより、潤滑剤25の劣化状態を推定することができる。
とくに、上記潤滑剤劣化検出装置21の光学系22では、発光素子23から出た光が検出対象となる潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射して受光素子24に入射するようにしているので、軸受内部に封入した潤滑剤25の劣化状態を検出する場合でも、発光素子3および受光素子4の配置向きの自由度が高く、また光を反射させる反射部材などを別に設ける必要もないので、構成が簡単になり、コンパクト化が可能となる。
図3は上記潤滑剤劣化検出装置21の他の参考提案例を示す。この潤滑剤劣化検出装置21は、図2に示す構成例において、光学系22における潤滑剤25以外の光路部分を、空気に代えてガラス等の透明体29で満たしたものである。なお、この構成例において、図4のように、発光素子23および受光素子24を透明体29に埋め込んでも良い。その他の構成は図2の構成例の場合と同様である。
このように、光学系22における潤滑剤25以外の光路部分を透明体29で満たした場合、潤滑剤25以外の光路部分、発光素子23の発光部位、受光素子24の受光部位が汚れるのを防ぐことができる。また、軸受内部の潤滑剤25の劣化状態を検出する場合に、潤滑剤劣化検出装置21を設置する部材に透明体29を取付けることで、透明体29を通して軸受外からの観察が可能となる。
図5は、上記潤滑剤劣化検出装置21のさらに他の参考提案例を示す。この潤滑剤劣化検出装置21は、図2に示す構成例において、光学系22における一つの発光素子23を、波長がそれぞれ異なる複数(ここでは2つ)の発光素子23A,23Bに置き換えたものである。これら発光素子23A,23Bには、例えば赤のLEDと青のLEDが用いられる。受光素子24には、両発光素子23A,23Bの光の波長に感度のあるものが選択される。推定手段26は、前記受光素子24の出力から検出される各波長毎の散乱反射光量の違いから潤滑剤25に含まれる異物の量と種類を推定する。その他の構成は図2の構成例の場合と同様である。
この潤滑剤劣化検出装置21では、前記両発光素子23A,23Bを交互に点灯させる。これにより、受光素子24は、片方の発光素子23Aから出て潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射する所定波長の光と、もう片方の発光素子23Bから出て潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射する前記波長と異なる所定波長の光とを交互に検出する。すなわち、受光素子24は、潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射する各波長毎の光量を時分割で測定することになり、各波長毎の散乱反射光量を検出できる。このようにして検出される各波長に応じた散乱反射光量の違いから、含有する異物の種類と量を特定することができる。例えば、潤滑剤25に含まれる異物が赤錆の場合、赤い波長の散乱反射光量が大きくなるため、そのときの受光素子24の出力から異物の量だけでなく、種類も特定することができる。
図6は、上記潤滑剤劣化検出装置21のさらに他の参考提案例を示す。この潤滑剤劣化検出装置21は、図2の構成例において、光学系22における一つの受光素子24を、それぞれ異なる波長感度を有する複数(ここでは2つ)の受光素子24A,24Bに置き換えたものである。片方の受光素子24Aには例えば赤色光に感度を有するものが、もう片方の受光素子24Bには例えば青色光に感度を有するものが用いられる。発光素子23には、赤色および青色の各波長を含んだ例えば白色光を発光するものが選択される。推定手段26は、前記各受光素子24A,24Bの出力を比較して、検出される各波長毎の散乱反射光量の違いから潤滑剤25に含まれる異物の種類と量を推定する。その他の構成は図2の構成例の場合と同様である。
このように構成された潤滑剤劣化検出装置21では、一つの発光素子23から出て潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射した光を、異なる波長感度を有する複数の受光素子24A,24Bで検出する。すなわち、各受光素子24A,24Bは、発光素子23から出て潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射したそれぞれ波長の異なる光量を、個別に検出する。
この潤滑剤劣化検出装置21の場合も、潤滑剤25に混入する異物の含有量を前記推定手段26で推定することにより、潤滑剤25の劣化状態を推定することができる。また、異なる波長の散乱反射光量を光学系22で検出するようにしているので、波長に応じた散乱反射光量の違いから、潤滑剤25に混入する異物の量だけでなく種類も特定できる。
また、図6の実施形態において、波長感度の異なる複数の受光素子24A,24Bに代えて、広範囲な波長感度を有する共通の受光素子24を複数を用いると共に、これら各受光素子24の前面側に透過波長の異なるフィルタ(例えば片方のフィルタは赤色光を透過するものとし、もう片方のフィルタは青色光を透過するものとする)をそれぞれ配置することにより、フィルタと受光素子24の各組合せで図6における受光素子24A,24Bと同等の機能を持たせても良い。
このように構成した場合には、一つの発光素子23から出て潤滑剤25の表面又は内部で散乱反射する光が、透過波長の異なるフィルタを透過して個別の受光素子24で検出される。これにより、各受光素子24は、それぞれ波長の異なる散乱反射光量を個別に検出することになる。推定手段26は、検出される光量から潤滑剤25における異物の含有量を推定し、また異物の種類を特定することができる。
また、この構成では、透過波長の異なるフィルタを用いて、波長の異なる散乱反射光量を個別の受光素子24で検出するので、検出対象となる潤滑剤25の特徴に合わせて、検出する波長光の組合せを容易に変更することができ、特定したい異物の特性に合わせた波長を使用することで精度の高い異物の特定が可能となる。
また、図6の構成例において、波長感度の異なる複数の受光素子24A,24Bを同一特性の受光素子に置き換えると共に、これら受光素子24A,24Bを、潤滑剤25の表面で反射する光のうち散乱のない直接反射光を受光できる反射角度位置と、散乱反射光が受光される反射角度位置とに振り替えて配置しても良い。
このように構成した場合には、直接反射光を受光する例えば受光素子24Aの出力と、散乱反射光を受光する例えば受光素子24Bの出力とを推定手段26で比較することにより、潤滑剤25に混入している異物の種類を推定することができる。
図7(A)は、上記潤滑剤劣化検出装置21の概略構成例を示す。この潤滑剤劣化検出装置21では、図2の構成例における光学系22と同様の構成の2組の光学系22A,22Bを設け、一方の組の光学系22Aでは異物混入のない基準潤滑剤25Aを測定し、他方の光学系22Bでは劣化検出対象の潤滑剤25を測定するようにしている。また、推定手段26は、図7(B)に示すように、2組の光学系22A,22Bの各受光素子24の出力から得られる基準潤滑剤25Aと劣化検出対象の潤滑剤25の違いを差動増幅器30などで求め、潤滑剤25の劣化状態の推定に用いるようにしている。図7(A)では、回路基板27を2組の光学系22A,22Bに共通のものとしているが、各組の光学系22A,22Bごとに異なる回路基板を用いても良い。
このように構成された潤滑剤劣化検出装置21では、劣化検出対象の潤滑剤25の特性を、異物混入のない基準潤滑剤25Aの特性と比較するので、潤滑剤25に混入する異物の種類と量を、より高精度に推定することができる。
図8は、図1のセンサ付き車輪用軸受装置における潤滑剤劣化検出装置21として、図2の構成例のものを用いた場合の具体的な取付構造の拡大断面図を示す。この取付構造では、潤滑剤劣化検出装置21の構成部品である発光素子23、受光素子24、回路基板27等を合成樹脂でモールドして一体化する。この合成樹脂モールド体12を、軸受外方部材1を貫通したケーブル挿通孔1bの外方部材内径面側の拡大開口部1baに埋め込んでいる。発光素子23の発光部位から合成樹脂モールド体12の軸受内部に対向する端面までの光路部分12a、および前記端面から受光素子24の受光部位までの光路部分12bは、モールドされていない空間とされる。また、合成樹脂モールド体12の周面には凹溝13が全周に渡り環状に設けられ、この凹溝13にOリング14が嵌め込まれている。これにより、合成樹脂モールド体12の設置部で、軸受外部からの泥水や異物の侵入、および軸受内部からの潤滑剤25の漏れが生じるのを防止している。この場合、合成潤滑剤モールド体12の軸受内部に対向する端面に付着する潤滑剤25が検出対象とされる。
なお、上記合成樹脂としては、66ナイロン、PPA(ポリフタルミド)等のポリアミド系樹脂や、PPS等の特殊エーテル系合成樹脂を用いることができ、あるいはこれらの材質にガラスファイバーを添加したものを用いても良い。
図9は、図1のセンサ付き車輪用軸受装置における潤滑剤劣化検出装置21として、図3の構成例のものを用いた場合の具体的な取付構造の拡大断面図を示す。この取付構造は、図8で示した取付構造において、合成樹脂モールド体12の軸受内部に対向する端面側の部分にガラス等の透明体29を配置したものである。その他の構成は図8の取付構造の場合と同様である。この場合、透明体29の軸受内部に対向する端面に付着する潤滑剤25が検出対象とされる。
上記構成の潤滑剤劣化検出装置21を搭載したこのセンサ付き車輪用軸受装置では、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化状態を、リアルタイムで正確に検出することができる。その結果、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置21の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
図10は、センサ付き車輪用軸受装置の他の実施形態を示す。このセンサ付き車輪用軸受装置は、図1に示した実施形態のセンサ付き車輪用軸受装置において、上記した潤滑剤劣化検出装置21を固定側部材である外方部材1におけるアウトボード側の端部の内径面、具体的にはアウトボード側の転動体5とアウトボード側のシール7との間の内径面に取付けたものである。
図11は、センサ付き車輪用軸受装置のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付き車輪用軸受装置は、複列円すいころ軸受型であって、かつ駆動輪支持用の例である。図1に示した実施形態のセンサ付き車輪用軸受装置と相違するところは、転動体5が円すいころでなり、内方部材2がハブ輪9とその外周に嵌合する一対の分割型の内輪10A,10Bとでなり、これら一対の内輪10A,10Bに各列の転走面4が形成される点である。ハブ輪9のインボード側端は加締部9bとされ、この加締部9bが内輪10Bの幅面に押し当てられる。ハブ輪9には等速ジョイント(図示せず)の外輪が連結され、その等速ジョイントの内輪が駆動軸に連結される。固定側部材である外方部材1の内径面における両列の転走面3,3間に潤滑剤劣化検出装置21が取付けられる等、その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
図12は、センサ付き車輪用軸受装置のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付き車輪用軸受装置は、図11に示した実施形態のセンサ付き車輪用軸受装置において、上記した潤滑剤劣化検出装置21を、固定側部材である外方部材1におけるアウトボード側の端部の内径面、具体的にはアウトボード側の転動体5とアウトボード側のシール7との間の内径面に取付けたものである。その他の構成は図11の実施形態の場合と同様である。
この発明の第1の実施形態に係るセンサ付き車輪用軸受装置を示す断面図である。 同センサ付き車輪用軸受装置に搭載される潤滑剤劣化検出装置の参考提案例の概略構成図である。 潤滑剤劣化検出装置の他の参考提案例の概略構成図である。 潤滑剤劣化検出装置のさらに他の参考提案例の概略構成図である。 潤滑剤劣化検出装置のさらに他の参考提案例の概略構成図である。 潤滑剤劣化検出装置のさらに他の参考提案例の概略構成図である。 潤滑剤劣化検出装置の概略構成図である。 図1のセンサ付き車輪用軸受装置に図2の潤滑剤劣化検出装置を搭載する場合の具体的な取付構造を示す拡大断面図である。 図1のセンサ付き車輪用軸受装置に図3の潤滑剤劣化検出装置を搭載する場合の具体的な取付構造を示す拡大断面図である。 この発明の他の実施形態に係るセンサ付き車輪用軸受装置を示す断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るセンサ付き車輪用軸受装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るセンサ付き車輪用軸受装置の断面図である。 潤滑剤劣化検出装置の提案例の概略構成図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3…外方部材の転走面
4…内方部材の転走面
5…転動体
21…潤滑剤劣化検出装置
22,22A,22B…光学系
23,23A,23B…光学素子
24,24A,24B…受光素子
25…潤滑剤
25A…基準潤滑剤
26…推定手段

Claims (3)

  1. 内周に複列の転走面を有する外方部材と、前記各転走面に対向する転走面を外周に有する内方部材と、これら対向する転走面の間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、
    潤滑剤劣化検出装置を設け、この潤滑剤劣化検出装置は、発光素子と受光素子とが互いに傾き角度をもって配置され、前記発光素子から出た光が、潤滑剤表面又は内部で散乱反射し、受光素子に入る光学系を有し、前記受光素子に入る光量の変化による受光素子の出力の変化から、潤滑剤に含まれる異物の量を推定する推定手段を有するものであり、前記潤滑剤劣化検出装置は、前記光学系を2組設け、一方の光学系には前記潤滑剤として基準潤滑剤を用い、他方の光学系は前記潤滑剤として測定対象の潤滑剤を用いるものとし、前記推定手段は、一方の光学系の受光素子の出力と他方の光学系の受光素子の出力とを比較して潤滑剤に含まれる異物の量を推定するものとしたセンサ付き車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記光学系は、前記発光素子として、発光する波長がそれぞれ異なる複数の発光素子を設けたものとし、前記推定手段は、前記異物の量の推定に加えて、波長毎の散乱反射光量の違いによる受光素子の出力の違いから、潤滑剤に含まれる異物の種類を推定するものとしたセンサ付き車輪用軸受装置。
  3. 請求項1において、前記受光素子として、波長感度がそれぞれ異なる複数の受光素子を設け、前記推定手段は、前記異物の量の推定に加えて、波長毎に散乱反射量の違いによる前記複数の受光素子の出力の違いから、潤滑剤に含まれる異物の種類を推定するものとしたセンサ付き車輪用軸受装置。
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