JP4507501B2 - 圧電アクチュエータの駆動装置、時計、および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータの駆動装置、時計、および電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れている。このため、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。
この圧電アクチュエータとしては、圧電素子を有する振動体を主要構成要素とするものであり、例えば、この振動体を、一端に被駆動体と当接する当接部を有する板状の補強板と、この補強板の両面に貼設された圧電素子と、これら圧電素子の上面に設けられた複数の電極とで構成したものがある。
そして、複数の電極に所定の交流電圧を印加し、振動体をその長手方向に伸縮させる縦振動で励振させるとともに、この縦振動の振動方向と直交する方向に揺動する屈曲振動を誘発させる駆動回路を備えた圧電アクチュエータの駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような駆動装置による駆動制御により、圧電アクチュエータは、振動体の当接部が楕円軌道を描くように回転する。そして、この当接部の回転運動により、被駆動体が所定方向に駆動される。ここで、この駆動装置は、スイッチを備え、複数の電極に所定の交流電圧を印加する際、スイッチを切り換えることで、複数の電極のいずれか一方に印加する状態、および、複数の電極のいずれか他方に印加する状態を切り換えている。そして、このようにスイッチを切り換えることで、当接部の回転方向を変更し、すなわち、被駆動体の駆動方向を変更している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−268953号公報(図12、図13)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のスイッチを例えば、機械式のスイッチで構成した場合には、電気的な制御を実施することができない、という問題がある。
また、上記のスイッチを例えば、リレースイッチ等の電気機械式のスイッチで構成した場合には、スイッチ自体のサイズが大きくなり、駆動装置の小型化を図り難い。また、リレースイッチを駆動する電力が比較的大きくなり、消費電流も増加してしまう、という問題がある。
さらに、上記のスイッチを例えば、アナログスイッチにて構成した場合には、アナログスイッチを構成するトランジスタ等の素子を駆動回路と同程度の大きさにする必要があり、駆動装置の小型化を図り難い、という問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このような問題点に鑑みて、被駆動体の駆動方向の変更を電気的な制御にて実施し、小型化および消費電流の低減を図れる圧電アクチュエータの駆動装置、時計、および電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置は、被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータの駆動装置であって、前記振動体は、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板を備え、前記複数の電極は、前記被駆動体をそれぞれ異なる方向に駆動させるように前記当接部を振動させる第1電極および第2電極を有し、前記第1電極、前記第2電極、および前記補強板に対応して設けられ、PチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタが直列に接続された複数のドライバ回路と、前記複数のドライバ回路を制御し、前記トランジスタの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動信号を前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極と前記補強板とに供給させて前記振動体を振動させ、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動させるドライバ制御手段と、前記ドライバ制御手段の制御状態を切り換える制御状態切換手段と、前記駆動信号の駆動周波数を調整させる検出制御手段とを具備し、前記ドライバ制御手段は、前記制御状態切換手段から前記被駆動体を正回転させる正転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記Pチャネルトランジスタおよび前記Nチャネルトランジスタを交互にON状態にする第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路に前記Pチャネルトランジスタおよび前記NチャネルトランジスタをOFF状態にする第2の制御信号を出力し、前記制御状態切換手段から前記被駆動体を逆回転させる逆転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路に前記第2の制御信号を出力し、前記補強板に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相は、前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相に対して逆位相に設定され、前記検出制御手段は、前記振動体の振動により前記第2の制御信号が出力された前記ドライバ回路に対応する前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極から出力される検出信号を検出し、この検出した検出信号に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることを特徴とする。
【0007】
ここで、複数の電極としては、第1電極および第2電極の以外に、その他の電極を有する構成を採用してもよい。
また、第1電極および第2電極としては、例えば、それぞれ1つの電極で構成されていてもよく、それぞれ複数の電極で構成されていてもよい。
さらに、第1電極および第2電極が、それぞれ複数の電極で構成されている場合、ドライバ回路としては、例えば、第1電極および第2電極を構成する複数の電極に1対1で対応するように設けられる構成を採用してもよく、複数の電極で構成される第1電極および第2電極にそれぞれ対応するように設けられる構成を採用してもよい。
さらにまた、複数の電極として、第1電極および第2電極以外に、その他の電極を有する場合に、該その他の電極に対応するようにドライバ回路を設けてもよい。
また、検出制御手段による駆動周波数の調整制御としては、例えば、検出した検出信号の周波数、振幅、または位相等に基づいて駆動周波数を調整させる構成を採用できる。
【0008】
本発明では、ドライバ回路は、PチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタが直列に接続され、該接続部分が第1電極、第2電極および補強板と接続される。ドライバ制御手段は、複数のドライバ回路を制御し、トランジスタの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動信号を第1電極および第2電極のいずれかと補強板とに供給させて振動体を振動させることで、被駆動体を所定方向に駆動させる。このドライバ制御手段は、制御状態切換手段から正転信号を入力した場合に、第1電極および第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路と補強板に対応するドライバ回路と第1の制御信号を出力するとともに、第1電極および第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路に第2の制御信号を出力する。一方、ドライバ制御手段は、制御状態切換手段から逆転信号を入力した場合に、第1電極および第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路と補強板に対応するドライバ回路とに第1の制御信号を出力するとともに、第1電極および第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路に第2の制御信号を出力する。このことにより、被駆動体の駆動方向の切り換えを電気的な制御にて実施できる。また、このような構成により、被駆動体の駆動方向の切り換えをリレースイッチ等の電気機械式のスイッチ、または、アナログスイッチ等にて実施する構成と比較して、駆動装置の小型化および消費電流の低減を図れる。特に、ドライバ回路およびドライバ制御手段をIC(Integrated Circuit)化した場合にさらに駆動装置の小型化を図れる。さらに、ドライバ回路をPチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタにて構成しているので、ドライバ回路を例えばPNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタにて構成する場合に比較して、消費電流を低減できる。
ところで、駆動装置では、所定の駆動周波数を有する駆動信号を振動体の電極に供給する際、所定の周波数にて発振する周波数発振回路等が用いられる。ここで、この周波数発振回路等の回路特性により、発振周波数に変動幅が生じた場合には、ドライバ制御手段がドライバ回路を制御し、振動体の電極に設計上の最適な駆動周波数を有する駆動信号を常時印加することは困難である。また、圧電アクチュエータにおける設計上の最適な駆動周波数が、温度等の外乱により変動した場合にも、振動体の電極に最適な駆動周波数を有する駆動信号を常時印加することが困難となる。このため、被駆動体を高効率で駆動させることが難しい。
本発明では、駆動装置は、検出制御手段を具備した構成である。このことにより、駆動装置の回路特性等により供給する駆動信号の駆動周波数に変動が生じた場合、または圧電アクチュエータの温度特性による設計上の最適な駆動周波数に変動が生じた場合であっても、検出制御手段による制御により、振動体の電極に常時最適な駆動周波数を有する駆動信号を供給することが可能となる。したがって、被駆動体を高効率で駆動させることができる。
また、検出制御手段としては、ドライバ回路が接続される第1電極および第2電極から出力される検出信号を検出する構成とする。このことにより、第1電極および第2電極を駆動用電極および振動検出用電極の双方の機能を有する構成とすることができ、駆動用電極および振動検出用電極をそれぞれ有する構成と比較して、圧電アクチュエータの構成を簡素化できる。
【0009】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置は、被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータの駆動装置であって、前記振動体は、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板を備え、前記複数の電極は、前記被駆動体をそれぞれ異なる方向に駆動させるように前記当接部を振動させる第1電極および第2電極を有し、前記第1電極、前記第2電極、および前記補強板に対応して設けられ、PNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタが直列に接続された複数のドライバ回路と、前記複数のドライバ回路を制御し、前記トランジスタの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動信号を前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極と前記補強板とに供給させて前記振動体を振動させ、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動させるドライバ制御手段と、前記ドライバ制御手段の制御状態を切り換える制御状態切換手段と、前記駆動信号の駆動周波数を調整させる検出制御手段とを具備し、前記ドライバ制御手段は、前記制御状態切換手段から前記被駆動体を正回転させる正転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記PNP型トランジスタおよび前記NPN型トランジスタを交互にON状態にする第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路に前記PNP型トランジスタおよび前記NPN型トランジスタをOFF状態にする第2の制御信号を出力し、前記制御状態切換手段から前記被駆動体を逆回転させる逆転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路に前記第2の制御信号を出力し、前記補強板に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相は、前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相に対して逆位相に設定され、前記検出制御手段は、前記振動体の振動により前記第2の制御信号が出力された前記ドライバ回路に対応する前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極から出力される検出信号を検出し、この検出した検出信号に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることを特徴とする。
本発明では、前述のドライバ回路として、PチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタを、PNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタで構成したものであり、前述の駆動装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、ドライバ回路をPNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタにて構成しているので、ドライバ回路を例えばPチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタにて構成する場合に比較して、小さなチップサイズで大きな出力電流を得ることができる。
【0012】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記検出制御手段は、前記駆動信号および前記検出信号間の位相差を検出し、この検出した位相差に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることが好ましい。
ここで、検出制御手段による駆動周波数の調整制御としては、例えば、検出した位相差と予め設定された設計上の最適な駆動周波数に相当する基準位相差とを比較し、検出した位相差が基準位相差に近づくように駆動周波数を調整させる構成を採用できる。また、例えば、検出した位相差と従前に検出された位相差とを比較し、この比較情報に基づいて駆動周波数を調整させる構成を採用してもよい。
本発明では、検出制御手段は、駆動信号および検出信号間の位相差に基づいて、駆動信号の駆動周波数を調整させる。このことにより、信号間の位相差に基づいて、簡単な処理で駆動周波数の調整制御を実施できる。
【0013】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記第1電極および前記第2電極は、複数の電極で構成され、前記検出制御手段は、前記第1電極または前記第2電極を構成する複数の電極から出力される複数の検出信号を検出し、この検出した複数の検出信号間の位相差を検出し、この検出した位相差に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることが好ましい。
本発明では、検出制御手段は、複数の検出信号を検出し、これら検出信号間の位相差に基づいて、駆動信号の駆動周波数を調整させる。このことにより、信号間の位相差に基づいて、簡単な処理で駆動周波数の調整制御を実施できる。また、駆動信号および検出信号間の位相差に基づく駆動周波数の調整に比較して、駆動周波数の最適な調整制御が実施可能となる。
【0014】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記検出制御手段は、前記トランジスタの接続部分と接続された入力切換手段を具備し、前記入力切換手段は、前記制御状態切換手段から前記正転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応する前記ドライバ回路から供給される前記駆動信号の入力を遮断するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方から出力される検出信号を入力し、前記制御状態切換手段から前記逆転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応する前記ドライバ回路から供給される前記駆動信号の入力を遮断するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方から出力される検出信号を入力することが好ましい。
本発明では、検出制御手段は、入力切換手段を具備し、この入力切換手段は、制御状態切換手段から所定の信号を入力することにより、例えば、以下に示すように、検出信号の入力状態および駆動信号の遮断状態を切り換える。
【0015】
すなわち、入力切換手段は、制御状態切換手段からの正転信号に応じてドライバ制御手段がドライバ回路を制御し、第1電極に対応するドライバ回路から第1電極に駆動信号が供給されている際は、第1電極に対応するドライバ回路から供給される駆動信号の入力を遮断するとともに、第2電極から出力される検出信号を入力する。また、入力切換手段は、制御状態切換手段からの逆転信号に応じてドライバ制御手段がドライバ回路を制御し、第2電極に対応するドライバ回路から第2電極に駆動信号が供給されている際は、第2電極に対応するドライバ回路から供給される駆動信号の入力を遮断するとともに、第1電極から出力される検出信号を入力する。このことにより、入力切換手段は、制御状態切換手段から所定の信号が出力されることでドライバ制御手段の制御状態が切り換えられた際に、第2の制御信号を入力して2つのトランジスタがOFF状態となるドライバ回路と接続する電極から常に検出信号を入力できる。また、複数の電極を駆動用電極および振動検出用電極の双方の機能を有する構成とした場合であっても、入力切換手段によりドライバ制御手段の制御状態の切り換えに応じて駆動信号の入力の遮断状態および検出信号の入力状態を容易に切り換えることができ、駆動信号と検出信号との干渉を回避して検出信号を良好に入力できる。
【0016】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記入力切換手段は、前記制御状態切換手段から前記正転信号または前記逆転信号を入力することにより、前記駆動信号の入力の遮断状態および前記検出信号の入力状態を切り換える複数のアナログスイッチを具備していることが好ましい。
ここで、検出制御手段にて信号間の位相差を検出する際には、入力する検出信号(アナログ信号)をパルス信号に変換する必要がある。このため、検出制御手段としては、例えば、入力する複数のアナログ信号をパルス信号に変換する複数のコンパレータ等を具備する構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、検出制御手段において、該検出制御手段を構成するコンパレータの数が多くなり、駆動装置の小型化を図ることが困難である。
本発明では、検出制御手段の入力切換手段は、複数のアナログスイッチを具備し、これらアナログスイッチは、制御状態切換手段から所定の信号を入力することで、駆動信号の入力の遮断状態および検出信号の入力状態を切り換え、所定の駆動信号の入力を遮断するとともに、所定の検出信号を入力する。このことにより、例えば、複数のアナログスイッチの出力端子と接続する1つのコンパレータ等にて、所定の検出信号をパルス信号に変換できる。したがって、検出制御手段としては、複数の検出信号をそれぞれパルス信号に変換する複数のコンパレータ等を具備した構成と比較して、1つのみのコンパレータ等を具備した構成で実現でき、駆動装置の小型化を図れる。
【0017】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記入力切換手段は、前記制御状態切換手段から前記正転信号または前記逆転信号を入力することにより、前記駆動信号の入力の遮断状態および前記検出信号の入力状態を切り換える複数のゲート回路を具備していることが好ましい。
本発明では、検出制御手段の入力切換手段は、複数のゲート回路を具備し、これらゲート回路は、制御状態切換手段から所定の信号を入力することで、駆動信号の入力の遮断状態および検出信号の入力状態を切り換え、所定の駆動信号の入力を遮断するとともに、所定の検出信号を入力する。このことにより、駆動信号の入力の遮断状態および検出信号の入力状態の切り換えを複数のゲート回路で実現するため、駆動装置の小型化を図れる。また、駆動信号の入力の遮断状態および検出信号の入力状態の切り換えを複数のアナログスイッチにて実施する構成と比較して、特性を向上でき、検出信号の切り換えを円滑に実施できる。
【0018】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記第1電極および前記第2電極は、複数の電極で構成され、前記複数のドライバ回路は、前記第1電極および前記第2電極を構成する複数の電極に対応して設けられていることが好ましい。
本発明では、複数のドライバ回路は、第1電極および第2電極を構成する複数の電極に1対1で対応するように設けられている。このことにより、ドライバ制御手段およびドライバ回路により、当接部の振動を確実に実施させ、被駆動体を所定方向に確実に駆動させることができる。
【0019】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記第1電極および前記第2電極は、複数の電極で構成され、前記複数のドライバ回路は、複数の電極で構成される前記第1電極および前記第2電極に対応して設けられていることが好ましい。
本発明では、複数の電極で構成される第1電極および第2電極のそれぞれは、同一のドライバ回路におけるトランジスタの接続部分と接続されている。このことにより、複数の電極で構成される第1電極および第2電極が、圧電素子上で離隔配置している場合でも、同一のドライバ回路を介して駆動信号を供給できる。したがって、駆動信号が供給される複数の電極に1対1で対応させるようにドライバ回路を設ける構成と比較して、ドライバ回路の数を減らすことができ、駆動装置の回路構成を簡素化できる。また、ドライバ回路と電極との配線を容易に実施できる。
また、駆動装置が検出制御手段を具備し、さらに、この検出制御手段が、ドライバ回路におけるトランジスタの接続部分と接続されている場合も同様に、検出制御手段を構成する入力切換手段において、複数の電極に1対1で対応させるように、アナログスイッチ、またはゲート回路等を設ける構成と比較して、これらアナログスイッチ、またはゲート回路等の数を減らすことができ、駆動装置の回路構成を簡素化できる。また、入力切換手段と電極との配線を容易に実施できる。
【0020】
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置では、前記複数のドライバ回路間における前記トランジスタのサイズ比は、前記複数のドライバ回路に対応する前記複数の電極間の面積比と同一に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、例えば、複数の電極において、振動体の駆動効率を考慮して電極間の面積に差を持たせた場合に、これら電極間の面積比に複数のドライバ回路間におけるトランジスタのサイズ比を対応させることで、振動体の駆動効率を最適化できる。また、複数のドライバ回路間におけるトランジスタのサイズ比を、複数のドライバ回路に対応する複数の電極間の面積比と同一に設定することで、トランジスタからのリーク電流等を低減し、振動体の駆動効率を最適化できる最小限の消費電流で振動体を駆動できる。
【0021】
本発明の時計は、被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子と、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータと、前述の駆動装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、時計は、前述の圧電アクチュエータと、前述の駆動装置とを具備しているので、前述の駆動装置と同様の作用・効果を享受できる。また、時計は、圧電アクチュエータおよび駆動装置により、小型化および消費電流の低減を図りつつ、該時計内部の被駆動体としてのカレンダ表示機構の駆動方向の切り換えを容易に実施できる。
【0022】
本発明の電子機器は、被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子と、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータと、前述の駆動装置とを備えていることを特徴とする。 本発明によれば、電子機器は、前述の圧電アクチュエータと、前述の駆動装置とを具備しているので、前述の駆動装置と同様の作用・効果を享受できる。また、電子機器は、圧電アクチュエータおよび駆動装置により、小型化および消費電流の低減を図りつつ、該電子機器の内部または外部の被駆動体の駆動方向の切り換えを容易に実施できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[1.第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[1−1.全体構成]
図1は、本実施形態における圧電アクチュエータAが組み込まれた腕時計のカレンダ表示機構の構成を示す平面図である。
図1に示すように、カレンダ表示機構の主要部は、圧電アクチュエータAと、この圧電アクチュエータAによって回転駆動される被駆動体としてのロータ100と、ロータ100の回転を減速しつつ伝達する減速輪列と、減速輪列を介して伝達される駆動力により回転する日車50とから大略構成されている。減速輪列は、日回し中間車40と日回し車60とを備えている。圧電アクチュエータAは、扁平な短冊状の振動体10を有しており、この振動体10は、その先端部がロータ100の外周面と当接するように配置されている。
【0024】
図2は、図1に示す時計の断面図である。
図2において、網目部分に、圧電アクチュエータAを備えたカレンダ表示機構が組み込まれている。このカレンダ表示機構の上方には、円盤状の文字板70が設けられている。この文字板70の外周部の一部には日付を表示するための窓部71が設けられており、窓部71から日車50の日付を覗けるようになっている。また、文字板70の下方には、針72を駆動するムーブメント73および図示しない駆動回路が設けられている。
【0025】
図3は、図1におけるカレンダ表示機構の詳細な構成を示す断面図である。
時計は、図3に示すように、第1の底板である地板103と、この地板103と段違いに配置された第2の底板104とを有している。地板103には、カレンダ表示機構のロータ100を軸支するためのシャフト101が起立している。ロータ100は、その下面に図示しない軸受を有しており、シャフト101の先端部が同軸受内に収容されている。したがって、ロータ100は、このシャフト101を回転軸として回動できる。ロータ100の上部には、ロータ100と同軸をなし、ロータ100とともに回転する歯車100Cが設けられている。
【0026】
底板104には、日回し中間車40を軸支するためのシャフト41が起立している。日回し中間車40の下面には図示しない軸受が設けられており、シャフト41の先端部が同軸受内に収容されている。日回し中間車40は、大径部4Bと小径部4Aとから構成されている。小径部4Aは、大径部4Bよりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部4Cが形成されている。この小径部4Aは、大径部4Bに対し、同心をなすように固着されている。大径部4Bには、ロータ100の上部の歯車100Cが噛合している。したがって、大径部4Bと小径部4Aとからなる日回し中間車40は、ロータ100の回転に連動し、シャフト41を回転軸として回転する。
【0027】
日車50は、図1に示すように、リング状の形状をしており、その内周面に内歯車5Aが形成されている。日回し車60は、五歯の歯車を有しており、内歯車5Aに噛合している。また、図3に示すように、日回し車60の中心には、シャフト61が設けられており、これは、底板104に形成された貫通孔62に遊挿されている。貫通孔62は、日車50の周回方向に沿って長く形成されている。
板バネ63は、その一端が底板104に固定され、他端はシャフト61を図1の右上方向に弾圧している。そして、板バネ63は、シャフト61および日回し車60を付勢する。この板バネ63の付勢作用によって日車50の揺動も防止される。
【0028】
板バネ64は、一端が底板104にねじ止めされており、その他端には略V字状に折り曲げられた先端部64Aが形成されている。また、接触子65は、日回し中間車40が回転し、先端部64Aが切欠部4Cに入り込んだときに板バネ64と接触するように配置されている。板バネ64には、所定の電圧が印加されており、接触子65に接触すると、その電圧が接触子65にも印加される。したがって、接触子65の電圧を検出することによって、日送り状態を検出できる。なお、内歯車5Aに噛合する手動駆動車を設け、ユーザが図示しない竜頭に対して所定の操作を行うと、日車50を駆動するようにしてもよい。
【0029】
以上の構成において、圧電アクチュエータAの振動体10は、後述の駆動装置から駆動電圧が印加されることにより、その板面を含む平面内において振動する。ロータ100は、この振動体10に生じる振動によってその外周面が叩かれ、図1中矢印で示すように、時計回りに回転駆動される。このロータ100の回転は、日回し中間車40を介して日回し車60に伝達され、この日回し車60が日車50を時計回り方向に回転させる。
【0030】
ここで、振動体10からロータ100、ロータ100から減速輪列、減速輪列から日車50への力の伝達は、いずれも振動体10の板面に平行な方向の力の伝達である。このため、従来のステップモータのようにコイルやロータを厚さ方向に積み重ねるのではなく、同一平面内に振動体10およびロータ100を配置し、カレンダ表示機構を薄型化できる。そして、カレンダ表示機構を薄型にできるため、網目部分(図2)の厚さDを薄くして、時計全体を薄型にできる。
また、本実施形態によれば、網目部分(図2)にカレンダ表示機構を収めることができるため、カレンダ表示機構のある時計と、カレンダ表示機構のない時計との間でムーブメント73を共通化でき、生産性を高めることができる。
昨今、発電機能を備えた腕時計が種々提案されているが、このような腕時計においては、発電機構と運針駆動用のモータ機構といった少なくとも2つの大きな構成要素を搭載しなくてはならず、時計全体の小型化が困難である。しかし、モータの代わりに、本実施形態における圧電アクチュエータAを用いれば、運針駆動機構を薄型化でき、時計全体を小型化することもできる。
【0031】
[1−2.圧電アクチュエータの詳細]
図4は、圧電アクチュエータAの詳細な構成を示す平面図である。また、図5は、圧電アクチュエータAのV-V線断面図である。
振動体10は、図4に示すように、二長辺と二短辺とにより囲まれた長方形状の板である。また、振動体10は、図5に示すように、2枚の長方形かつ板状の圧電素子30,31の間に、これらの圧電素子30,31と略同形状であり、かつ圧電素子30,31よりも肉厚の薄いステンレス鋼等の補強板32を挟んだ積層構造を有している。
このように圧電素子30,31の間に補強板32を配置することにより、振動体10の過振幅や落下等による外部からの衝撃力に起因する振動体10の損傷を低減し、耐久性を向上させることができる。また、補強板32として圧電素子30,31よりも肉厚の薄いものを用いることにより、圧電素子30,31の振動を極力妨げないようにすることができる。
【0032】
圧電素子30,31としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
振動体10は、図4に示すように、一短辺の幅方向略中央部分に当接部36を有している。この当接部36は、図5における補強板32を切断成形する等の方法により得られたものであり、緩やかな曲面を持った先端部分を圧電素子30,31から突出させている。振動体10は、この当接部36の先端をロータ100の外周面に当接させる姿勢を保っている。振動体10にこのような姿勢を維持させるために、支持部材11とバネ部材300とが圧電アクチュエータAに設けられている。
【0033】
好ましい態様において、支持部材11は、補強板32の切断成形等の方法により補強板32と一体形成されたものである。この支持部材11は、図示の通り、L字状の部材であり、振動体10の一長辺の略中央から垂直に突出した垂直部と、この垂直部の先端から長辺に対して平行にロータ100側に向けて延びた水平部とからなる。ここで、水平部の両端のうち、垂直部とは反対側の端部38には、図1および図3における地板103から突出したピン39が貫通している。支持部材11およびこれに固定された振動体10は、このピン39を回転軸として回転可能である。
【0034】
支持部材11の水平部の略中央の部位11Aには、バネ部材300の一端部300Aが係合されている。バネ部材300は、その略中央部分を地板103(図1、図3)から突出したピン300Bが貫通している。バネ部材300は、このピン300Bを回転軸として回動可能である。また、バネ部材300における端部300Aとは反対側の他端部300Cは、地板103に係合している。本実施形態においては、この端部300Cの位置を変えることにより当接部36をロータ100の外周面に押し当てる圧力が調整される。
【0035】
具体的には、端部300Cをピン300Bを中心として、図4中時計回りに変位させれば、バネ部材300の一端部300Aが支持部材11の部位11Aを上方側に押圧する力が増加し、他端部300Cを反時計回りに変位させればその押圧力が減少する。ここで、支持部材11を上方側に押圧する力が増加すると、支持部材11は、ピン39を中心として、図4中反時計回りに回動しようとする力が増大するため、当接部36がロータ100を押圧する力が増大する。一方、支持部材11を上方側に押圧する力が減少すると、支持部材11は時計回りに回動しようとする力が減少するため、当接部36がロータ100を押圧する力が減少する。このように、当接部36がロータ100に付与する押圧力を調整することにより、圧電アクチュエータAの駆動特性の調整等が可能となる。
【0036】
また、本実施形態においては、このようにしてロータ100の外周面に押し当てられる当接部36が曲面形状を有している。このため、ロータ100と振動体10の位置関係が、寸法ばらつき等によりばらついた場合であっても、曲面であるロータ100の外周面と曲面形状の当接部36との接触状態にさほど変化しない。したがって、ロータ100と当接部36との接触を安定した状態に維持できる。また、本実施形態においては、ロータ100と接触する当接部36に対してのみ研磨等の作業を行えばよいので、ロータ100との接触部の管理が容易である。当接部36としては、導体または非導体のものを用いることができるが、非導体から形成するようにすれば、一般的に金属から形成されるロータ100と接触しても圧電素子30,31が短絡しないようにすることができる。
【0037】
[1−3.振動体に設けられた電極の構成]
図6は、振動体10に設けられた電極の配置位置の一例を示す図である。
図6に示す例では、圧電素子30には、電極T1〜T4が、長方形をなす圧電素子30の表面の4つの角隅部分に各々配置され、電極T5が、電極T1,T2および電極T3,T4の間に圧電素子30の一長辺と略同一の長さ寸法で配置されている。図6では、図示を略したが、これらと同様な電極T1〜T5が、これらと対向するように、圧電素子31の表面に配置されている。なお、本発明に係る第1電極は、電極T1,T3に相当し、第2電極は、電極T2,T4に相当する。
電極T1,T3は、圧電素子30に配置された電極T1,T3と圧電素子31に配置された電極T1,T3とが接続され、後述する駆動装置200の制御により、この接続点P13に駆動信号としての駆動電圧信号O1が供給されて駆動用電極として機能するとともに、この接続点P13から振動体10の振動を表す検出信号SD1を出力する振動検出用電極としても機能する。同様に、電極T2,T4は、圧電素子30に配置された電極T2,T4と圧電素子31に配置された電極T2,T4とが接続され、後述する駆動装置200の制御により、この接続点P24に駆動信号としての駆動電圧信号O2が供給されて駆動用電極として機能するとともに、この接続点P24から振動体10の振動を表す検出信号SD2を出力する振動検出用電極としても機能する。また、電極T5は、圧電素子30に配置された電極T5と圧電素子31に配置された電極T5とが接続され、後述する駆動装置200からこの接続点P5に駆動信号としての駆動電圧信号O3が供給されて駆動用電極として機能する。これら電極T1〜T5の間には、空隙があり、電気的に絶縁されている。ここで、補強板32は、振動体10を補強する機能の他、電極としての機能も有し、後述する駆動装置200から駆動電圧信号O3と逆位相の駆動電圧信号O4が供給される。
【0038】
図7および図8は、圧電素子30,31の分極状態の一例を示す図である。
圧電素子30,31は、図7および図8に示すように、各々厚さ方向に分極している。本実施形態において、圧電素子30,31は、各々分極方向と一致する方向の電界を受けると長手方向に延び、分極方向と逆の方向の電界を受けると長手方向に縮む性質を有している。したがって、図7および図8に示すように、2枚の圧電素子の分極方向の組み合わせが異なっている場合には、各圧電素子の駆動の方法も異なったものとなる。
これら圧電素子30,31は、上述したように、所定の駆動電圧が印加されることにより、伸縮運動を実施する。この伸縮運動は、印加する駆動電圧の駆動周波数により異なる。そして、圧電素子30,31は、設計上の最適な駆動周波数を有する駆動電圧が印加されることにより、設計上、最適な伸縮運動を実施する。本実施形態では、圧電素子30,31における最適な駆動周波数は、温度により所定の変動幅を有するものとする。
【0039】
図7に示す例では、圧電素子30,31は、相互に逆方向に分極している。この場合、電極T1,T3,T5と、補強板32との間に、電圧+Vと電圧−Vとが交互に生じるように、これら電極T1,T3,T5および補強板32に所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O1,O3,O4を印加する。ここで、電極T1,T3,T5と補強板32との間に電圧+Vが生じたときには、圧電素子30,31に対し、各々の分極方向とは逆方向の電界が与えられるので、電極T1,T3,T5が形成された部分の圧電素子30,31は、長手方向に縮む。これに対し、電極T1,T3,T5と補強板32との間に電圧−Vが生じたときには、圧電素子30,31に対し、各々の分極方向と同一方向の電界が与えられるので、電極T1,T3,T5が形成された部分の圧電素子30,31は、長手方向に延びる。このような次第であるから、所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O1,O3,O4が与えられることにより、電極T1,T3,T5が形成された部分の振動体10は伸縮運動し、該振動体10に縦振動が発生する。
【0040】
図8に示す例では、圧電素子30,31は、同一方向に分極している。この場合、圧電素子30側の電極T1,T3,T5と、補強板32との間に電圧+Vを生じさせ、圧電素子31側の電極T1,T3,T5と、補強板32との間に電圧−Vを生じさせる第1フェーズと、圧電素子30側の電極T1,T3,T5と、補強板32との間に電圧−Vを生じさせ、圧電素子31側の電極T1,T3,T5と、補強板32との間に電圧+Vを生じさせる第2フェーズとを、所定周波数で交互に繰り返す。ここで、第1フェーズにおいては、圧電素子30,31に対し、各々の分極方向とは逆方向の電界が与えられるので、電極T1,T3,T5が形成された部分の圧電素子30,31は、長手方向に縮む。これに対し、第2フェーズにおいては、圧電素子30,31に対し、各々の分極方向と同一方向の電界が与えられるので、電極T1,T3,T5が形成された部分の圧電素子30,31は、長手方向に延びる。したがって、このような所定周波数の駆動電圧信号O1,O3,O4が与えられることにより、振動体10は伸縮運動し、該振動体10に縦振動が発生する。
【0041】
図7および図8に示す例において、振動体10に縦振動が発生する際、電極T5が形成された部分の伸縮運動に対する電極T1,T3が形成された部分の伸縮運動の大きさは、小さくなっている。このため、振動体10には、幅方向に捻るモーメントが発生する。そして、このモーメントにより、振動体10の幅方向に揺動する屈曲振動が誘発される。
【0042】
図9は、振動体10に発生する屈曲振動を示す図である。図10は、振動体10の振動による当接部36の運動状態を示す図である。
この屈曲振動は、図9に示すように、振動体10の板面を含む平面内において、振動体10がその長手方向と直交する方向に振れるような運動である。このようにして、縦振動と屈曲振動とが振動体10に発生すると、振動体10の先端の当接部36は、図10(A)に示すような楕円軌道を描いて運動する。ロータ100は、この楕円軌道を描いて運動する当接部36によって外周面が叩かれ、時計回りに回転(正回転)駆動される。
また、電極T2,T4,T5および補強板32に所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O2,O3,O4が与えられても、前述と同様に、振動体10には、縦振動および屈曲振動が発生する。この際、振動体10の先端の当接部36は、図10(B)に示すように、前述とは異なる方向の楕円軌道を描いて運動する。ロータ100は、この楕円軌道を描いて運動する当接部36によって外周面が叩かれ、反時計回りに回転(逆回転)駆動される。
【0043】
[1−4.圧電アクチュエータAの駆動装置の構成]
図11は、第1実施形態における圧電アクチュエータAの駆動装置200の構成を示すブロック図である。
駆動装置200は、電極T1〜T5、および補強板32に適宜、駆動電圧信号O1〜O4を供給し、振動体10を振動させてロータ100を駆動する。ここで、駆動装置200は、電極T1,T3、または電極T2,T4に所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O1,O2を適宜、切り換えて供給し、振動体10の当接部36を正回転または逆回転させて回転方向を切り換える。そして、これによりロータ100の駆動方向を切り換える。また、駆動装置200は、ロータ100を高効率で駆動するために、フィードバック制御を実施し、最適な駆動周波数を有する駆動電圧信号を振動体10に印加する。この駆動装置200は、図11に示すように、駆動信号供給手段210と、制御状態切換手段としての正転/逆転切換回路220と、検出制御手段230とを備えている。
【0044】
駆動信号供給手段210は、正転/逆転切換回路220から出力される信号に応じて、所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O1〜O4を所定の電極T1〜T5および補強板32に出力する。また、検出制御手段230から出力される信号に基づいて、駆動電圧信号O1〜O4の駆動周波数を調整する。この駆動信号供給手段210は、図11に示すように、ドライバ回路211と、ドライバ制御手段212と、可変周波数発振回路213とを備えている。
【0045】
ドライバ回路211は、4つのドライバ回路2111,2112,2113,2114で構成され、これらドライバ回路211は、PチャネルトランジスタとしてのPチャネルMOSトランジスタ211Aのドレインと、NチャネルトランジスタとしてのNチャネルMOSトランジスタ211Bのドレインとが接続されたものである。そして、PチャネルMOSトランジスタ211Aのソースが高電位側電源Vddと接続され、NチャネルMOSトランジスタ211Bのソースが低電位側電源Vssと接続されている。また、トランジスタ211Aおよび211Bの接続部分が電極T1,T3の接続点P13、電極T2,T4の接続点P24、電極T5、および補強板32と接続されている。
ここで、ドライバ回路2113,2114は、図11に示すように、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの各ゲートが電気的に接続され、ドライバ制御手段212から同一の制御信号を入力する構成となっている。
また、各ドライバ回路2111,2112,2113のトランジスタ211A,211Bのサイズ比は、対応する電極T1,T3、電極T2,T4、電極T5の面積比と同一となるように設定されている。すなわち、ドライバ回路2111,2112間のトランジスタ211A,211Bのサイズは同一に設定されている。また、ドライバ回路2113のトランジスタ211A,211Bのサイズは、ドライバ回路2111,2112のトランジスタ211A,211Bのサイズに対して、電極T1〜T4のいずれかに対する電極T5の面積比率だけ大きく設定されている。
【0046】
ドライバ制御手段212は、可変周波数発振回路213から出力される出力信号Sdrを増幅するとともに、正転/逆転切換回路220から出力される信号に応じて、ドライバ回路211を制御し、該ドライバ回路211のトランジスタ211A,211Bの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号を電極T1,T3の接続点P13または電極T2,T4の接続点P24のいずれかの接続点、電極T5、および補強板32に供給させる。そして、ドライバ制御手段212は、振動体10の振動により当接部36を所定方向に回転させる。すなわち、ロータ100を所定方向に回転させる。このドライバ制御手段212は、ドライバ回路211を制御する際、ドライバ回路2111およびドライバ回路2112のいずれか一方、ドライバ回路2113、およびドライバ回路2114に、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bを交互にON状態にする第1の制御信号を出力するとともに、ドライバ回路2111およびドライバ回路2112のうちのいずれか他方に、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211BをOFF状態にする第2の制御信号を出力する。そして、正転/逆転切換回路220から出力される信号に応じて、第1の制御信号および第2の制御信号を切り換えてドライバ回路2111およびドライバ回路2112に供給し、ロータ100の回転方向を切り換える。
可変周波数発振回路213は、検出制御手段230から出力される周波数制御電圧信号SVCに応じた周波数で発振し、信号Sdrをドライバ制御手段212に出力する回路である。本実施形態では、可変周波数発振回路213の発振周波数は、例えば、温度等により所定の周波数変動幅を有するものとする。
【0047】
正転/逆転切換回路220は、ロータ100の正回転または逆回転を実施する旨の信号を入力することにより、ドライバ制御手段212に所定の信号PLを出力し、ドライバ制御手段212によるドライバ回路211の制御状態を切り換える。具体的に、この正転/逆転切換回路220は、ロータ100の正回転を実施する旨の信号を入力することにより、ハイレベルの信号をドライバ制御手段212に出力する。そして、ドライバ制御手段212は、第1の制御信号をドライバ回路2111,2113,2114に出力するとともに、第2の制御信号をドライバ回路2112に出力する。また、この正転/逆転切換回路220は、ロータ100の逆回転を実施する旨の信号を入力することにより、ローレベルの信号をドライバ制御手段212に出力する。そして、ドライバ制御手段212は、第1の制御信号をドライバ回路2112,2113,2114に出力するとともに、第2の制御信号をドライバ回路2111に出力する。
【0048】
検出制御手段230は、電極T1,T3の接続点P13、および電極T2,T4の接続点P24と電気的に接続され、これら接続点P13,P24から出力される検出信号SD1,SD2を適宜、検出する。そして、この検出制御手段230は、圧電素子30,31の温度特性による設計上の最適駆動周波数の変動、および可変周波数発振回路213における周波数変動に対応するために、駆動信号供給手段210の可変周波数発振回路213から出力される出力信号Sdrと、検出信号SD1またはSD2とに基づいて、駆動信号供給手段210から出力される駆動電圧信号の駆動周波数を調整する。具体的に、出力信号Sdrと検出信号SD1またはSD2との位相差が、駆動電圧信号SDRの駆動周波数に依存することが知られている。そこで、この検出制御手段230は、予め最適な駆動周波数に相当する基準位相差を設定しておき、出力信号Sdrと検出信号SD1またはSD2との位相差が基準位相差に近づくようにフィードバック制御を実施する。この検出制御手段230は、図11に示すように、入力切換手段231と、位相差検出回路232と、定電圧回路233と、比較回路234と、電圧調整回路235とを備えている。
【0049】
入力切換手段231は、駆動電圧信号O1,O2のいずれかの入力を遮断するとともに、検出信号SD1、SD2のいずれかを入力する。そして、入力切換手段231は、正転/逆転切換回路220から出力される信号に応じて、駆動電圧信号O1,O2の入力の遮断状態および検出信号SD1,SD2の入力状態を切り換える。この入力切換手段231は、図11に示すように、2つのアナログスイッチ231A,231Bと、NOT回路231Cと、コンパレータ231Dとを備えている。
アナログスイッチ231A,231Bは、正転/逆転切換回路220と電気的に接続されるとともに、電極T2,T4の接続点P24および電極T1,T3の接続点P13とそれぞれ接続される。そして、アナログスイッチ231A,231Bは、正転/逆転切換回路220から出力される信号に応じて、接続点P24,P13のいずれか一方から供給される駆動電圧信号O1,O2の入力を遮断するとともに、接続点P24,P13のいずれか他方から出力される検出信号SD2,SD1を入力する。具体的に、アナログスイッチ231Aは、正転/逆転切換回路220から出力される信号がハイレベルの信号であるときに、アナログ信号の入力可能な状態となる。一方、アナログスイッチ231Bは、正転/逆転切換回路220から出力される信号がハイレベルの信号であるときに、アナログ信号の入力を遮断する状態となる。また、アナログスイッチ231Aは、正転/逆転切換回路220から出力される信号がローレベルの信号であるときに、アナログ信号の入力を遮断する状態となる。一方、アナログスイッチ231Bは、正転/逆転切換回路220から出力される信号がローレベルの信号であるときに、アナログ信号の入力可能な状態となる。
【0050】
NOT回路231Cは、入力端子が正転/逆転切換回路220と接続され、出力端子がアナログスイッチ231Bに接続されている。そして、このNOT回路231Cは、正転/逆転切換回路220からハイレベルの信号を入力した場合には、ローレベルの信号としてアナログスイッチ231Bに出力し、正転/逆転切換回路220からローレベルの信号を入力した場合には、ハイレベルの信号としてアナログスイッチ231Bに出力する。
すなわち、正転/逆転切換回路220からハイレベルの信号が出力された場合には、アナログスイッチ231Aは、検出信号SD2を入力可能な状態となり、アナログスイッチ231Bは、駆動電圧信号O1の入力を遮断する状態となる。また、正転/逆転切換回路220からローレベルの信号が出力された場合には、アナログスイッチ231Aは、駆動電圧信号O2の入力を遮断する状態となり、アナログスイッチ231Bは、検出信号SD1を入力可能な状態となる。
コンパレータ231Dは、アナログスイッチ231Aまたは231Bを介して入力した検出信号SD2またはSD1を基準電圧VREFと比較し、基準電圧VREFよりも大きい部分がハイレベル、小さい部分がローレベルとなる矩形波として位相差検出回路232に出力する。
【0051】
位相差検出回路232は、入力切換手段231から出力される検出信号SD1またはSD2の位相と、駆動信号供給手段210の可変周波数発振回路213から出力される出力信号Sdrの位相との位相差を検出する。すなわち、位相差検出回路232は、検出信号の位相と駆動電圧信号の位相との位相差を検出している。そして、この位相差検出回路232は、平均位相差に相当する電圧値を有する位相差信号SPDを比較回路234に出力する。
定電圧回路233は、予め求めた検出信号SD1またはSD2の位相と、出力信号Sdrの位相との最適な位相差に相当する電圧値を有する基準位相差信号SREFを比較回路234に出力する。
【0052】
比較回路234は、定電圧回路233から出力される基準位相差信号SREFの比較電圧値と、位相差検出回路232から出力される位相差信号SPDの電圧値とを比較して、電圧調整回路235に比較結果信号SCTを出力する。この比較回路234は、位相差信号SPDの電圧値が基準位相差信号SREF以上である場合に、比較結果信号SCTとしてハイレベルの信号SCTHを電圧調整回路235に出力する。また、この比較回路234は、位相差信号SPDの電圧値が基準位相差信号SREFより小さい場合に、比較結果信号SCTとしてローレベルの信号SCTLを電圧調整回路235に出力する。
【0053】
電圧調整回路235は、比較回路234から出力される比較結果信号SCTに応じて、駆動信号供給手段210の可変周波数発振回路213に出力される周波数制御電圧信号SVCの電圧値を所定電圧値単位で変化させる回路である。すなわち、この電圧調整回路235は、比較回路234から出力されるハイレベルの信号SCTHを入力した場合、周波数制御電圧信号SVCの電圧値を所定電圧だけ上昇させる。また、この電圧調整回路235は、比較回路234から出力されるローレベルの信号SCTLを入力した場合、周波数制御電圧信号SVCの電圧値を所定電圧だけ下降させる。また、電圧調整回路235は、初期値を記憶しており、圧電アクチュエータAの駆動開始時には、この初期値を電圧値とする周波数制御電圧信号SVCを可変周波数発振回路213に出力する。
【0054】
[1−5.圧電アクチュエータAの駆動方法]
図12は、圧電アクチュエータAの駆動方法を説明するためのフローチャートである。図13は、駆動装置200の動作を示すタイミングチャートである。
以下に、図12および図13を参照して、上述した駆動装置200による圧電アクチュエータAの駆動方法を説明する。
電圧調整回路235は、圧電アクチュエータAを駆動する旨の信号を入力すると、予め設定された初期値の周波数制御電圧信号SVCを駆動信号供給手段210の可変周波数発振回路213に出力する。そして、可変周波数発振回路213は、この周波数制御電圧信号SVCを入力することで、初期値に対応した駆動周波数の出力信号Sdrをドライバ制御手段212に出力する。
また、正転/逆転切換回路220は、圧電アクチュエータAを駆動してロータ100を正回転または逆回転する旨の信号を入力すると、駆動信号供給手段210のドライバ制御手段212および検出制御手段230の入力切換手段231に所定の信号PLを出力する(ステップS1)。
そして、ドライバ制御手段212および検出制御手段230は、正転/逆転切換回路220からの信号PLがロータ100を正回転させる旨の信号であるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、ロータ100を正回転させる旨のハイレベルの信号PLであるのか、または、ロータ100を逆回転させる旨のローレベルの信号PLであるのかを判定する。
【0055】
検出制御手段230は、ステップS2において、「Yes」と判定した場合、すなわち、ハイレベルの信号PLを入力した場合には、アナログスイッチ231Aを介して検出信号SD2を入力可能な状態となる(ステップS3A)。また、検出制御手段230は、アナログスイッチ231Bを介したアナログ信号の入力を遮断する状態となる。
ドライバ制御手段212は、ステップS2において、「Yes」と判定した場合、すなわち、ハイレベルの信号PLを入力した場合には、可変周波数発振回路213からの出力信号Sdrに応じた駆動周波数を有する第1の制御信号をドライバ回路2111,2113,2114に出力する。また、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2112に対して、第2の制御信号を出力する(ステップS4A)。具体的に、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2111,2113に対して、図13に示すように、これらドライバ回路2111,2113のPチャネルMOSトランジスタ211A,211Bを交互にON状態にする信号P1,N1,P3を出力する。また、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2114に対して、図13に示すように、ドライバ回路2111,2113に出力する信号P1,N1,P3とは逆位相の信号P4を出力する。さらに、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2112に対して、図13に示すように、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211BをOFF状態にする信号P2,N2を出力する。
【0056】
ステップS4Aにおいて、ドライバ制御手段212が信号P1,N1,P2,N2,P3,P4をドライバ回路211に出力することで、ドライバ回路2111,2113におけるPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分から、電極T1,T3,T5に所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O1,O3が出力される。また、ドライバ回路2114におけるPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分から、補強板32に駆動電圧信号O1,O3とは逆位相の駆動電圧信号O4が出力される(ステップS5A)。
【0057】
ステップS5Aにおいて、ドライバ回路211から駆動電圧信号O1,O3,O4が出力されることで、電極T1,T3,T5と補強板32との間に+V,−Vの電位差が生じ、電極T1,T3,T5が形成された部分の圧電素子30,31が伸縮運動して振動体10が振動し、当接部36が所定方向での楕円軌道を描く運動を開始する。そして、当接部36の回転により、ロータ100が正回転(図10(A))で駆動する(ステップS6A)。
【0058】
この際、ドライバ回路2112において、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bは共にOFF状態であり、これらPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分は、ハイインピーダンス状態となる。そして、振動体10の振動により、電極T2,T4の接続点P24から検出信号SD2が出力され、検出制御手段230に入力される(ステップS7A)。
【0059】
そして、検出制御手段230に入力された検出信号は、入力切換手段231のコンパレータ231Dにより矩形波として位相差検出回路232に出力される。この後、位相差検出回路232は、可変周波数発振回路213からドライバ制御手段212に出力される出力信号Sdrと検出信号(SD2)との位相差を検出して位相差信号SPDを生成し、該位相差信号SPDを比較回路234に出力する(ステップS8)。
【0060】
比較回路234は、位相差信号SPDの電圧値が定電圧回路233から出力される基準位相差信号SREFの比較電圧値以上であるか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、比較回路234は、検出した位相差が基準位相差以上であるか否かを判定する。
ここで、比較回路234は、「Yes」と判定した場合、すなわち、検出した位相差が基準位相差以上であると判定した場合には、ハイレベルの比較結果信号SCTHを電圧調整回路235に出力する(ステップS10A)。一方、比較回路234は、「No」と判定した場合、すなわち、検出した位相差が基準位相差に満たないと判定した場合には、ローレベルの比較結果信号SCTLを電圧調整回路235に出力する(ステップS10B)。
【0061】
電圧調整回路235は、ステップS10A,S10Bにより出力された比較結果信号SCTH,SCTLに応じて、可変周波数発振回路213に出力する周波数制御電圧信号SVCの電圧値を変更する。そして、可変周波数発振回路213は、電圧値が変更された周波数制御電圧信号SVCに応じて発振する周波数を変更し、振動体10に供給される駆動電圧信号の駆動周波数が変更される(ステップS11)。具体的に、電圧調整回路235は、ステップS10Aにより比較結果信号SCTHを入力すると、周波数制御電圧信号SVCの電圧値を所定電圧値だけ増加させる。この周波数制御電圧信号SVCの電圧値の増加により、振動体10に供給される駆動電圧信号O1,O3,O4の駆動周波数が増加する。また、電圧調整回路235は、ステップS10Bにより比較結果信号SCTLを入力すると、周波数制御電圧信号SVCの電圧値を所定電圧減少させる。この周波数制御電圧信号SVCの電圧値の減少により、振動体10に供給される駆動電圧信号O1,O3,O4の駆動周波数が減少する。
【0062】
ステップS11の後、再度、ステップS1に移行し、ステップS1,S2,3A〜S7A,S8〜S11を繰り返し実施することで、駆動電圧信号O1,O3,O4の駆動周波数が調整され、検出される検出信号SD2と出力信号Sdrとの位相差が基準位相差近傍に位置付けられ、振動体10に設計上の最適な駆動周波数を有する駆動電圧信号O1,O3,O4が供給される。そして、当接部36は、ロータ100を正回転で高効率に駆動させる最適な形状を有する楕円軌道を描いて運動する。
【0063】
ここで、ステップS1,S2,3A〜S7A,S8〜S11を繰り返し実施している際に、ステップS1において、正転/逆転切換回路220は、ロータ100の逆回転を実施する旨の信号を入力すると、ドライバ制御手段212および検出制御手段230の入力切換手段231にローレベルの信号PLを出力する。
そして、検出制御手段230は、ステップS2において、「No」と判定し、アナログスイッチ231Bを介して検出信号SD1を入力可能な状態に切り換える(ステップS3B)。また、検出制御手段230は、アナログスイッチ231Aを介したアナログ信号の入力を遮断する状態に切り換える。
ドライバ制御手段212は、ステップS2において、「No」と判定し、可変周波数発振回路213からの出力信号Sdrに応じた駆動周波数を有する第1の制御信号をドライバ回路2112,2113,2114に出力する。また、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2111に対して、第2の制御信号を出力する(ステップS4B)。すなわち、ドライバ制御手段212は、正転/逆転切換回路220からの信号PL(ハイレベル・ローレベル)に応じて、ドライバ回路2111,2112に出力する制御信号(第1・第2)を切り換え、ドライバ回路2113,2114には、常時、第1の制御信号を出力する。具体的に、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2112,2113に対して、図13に示すように、これらPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bを交互にON状態にする信号P2,N2,P3を出力する。また、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2114に対して、図13に示すように、ドライバ回路2112,2113に出力する信号P2,N2,P3とは逆位相の信号P4を出力する。さらに、ドライバ制御手段212は、ドライバ回路2111に対して、図13に示すように、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルトランジスタ211BをOFF状態にする信号P1,N1を出力する。
【0064】
ステップS4Bにおいて、ドライバ制御手段212が信号P1,N1,P2,N2,P3,P4をドライバ回路211に出力することで、ドライバ回路2112,2113におけるPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分から、電極T2,T4,T5に所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O2,O3が出力される。また、ドライバ回路2114におけるPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分から、補強板32に駆動電圧信号O2,O3とは逆位相の駆動電圧信号O4が出力される(ステップS5B)。
【0065】
ステップS4Bにおいて、ドライバ回路211から駆動電圧信号O2,O3,O4が出力されることで、電極T2,T4,T5と補強板32との間に+V,−Vの電位差が生じ、電極T2,T4,T5が形成された部分の圧電素子30,31が伸縮運動して振動体10が振動し、当接部36が所定方向と逆方向の楕円軌道を描く運動を開始する。そして、当接部36の回転により、ロータ100が逆回転(図10(B))で駆動する(ステップS6B)。
【0066】
この際、ドライバ回路2111において、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bは共にOFF状態であり、これらPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分は、ハイインピーダンス状態となる。そして、振動体10の振動により、電極T1,T3の接続点P13から検出信号SD1が出力され、検出制御手段230に入力される(ステップS7B)。
【0067】
このステップS7Bの後は、ロータ100を正回転で駆動させる際と同様に、ステップS8にて位相差が検出され、ステップS9およびS10A,10Bにて検出された位相差と基準位相差とが比較され、ステップS11にて駆動周波数が調整される。
そして、ステップS1,S2,S3B〜S7B,S8〜S11を繰り返し実施することで、駆動電圧信号O2,O3,O4の駆動周波数が調整され、検出される検出信号SD1と出力信号Sdrとの位相差が基準位相差近傍に位置付けられ、振動体10に設計上の最適な駆動周波数を有する駆動電圧信号O2,O3,O4が供給される。そして、当接部36は、ロータ100を逆回転で高効率に駆動させる最適な形状を有する逆回転の楕円軌道を描いて運動する。
【0068】
なお、上述した駆動装置200による制御にて、圧電アクチュエータAが駆動されることにより、ロータ100が回転し、これに伴って日回し中間車40(図1)が回転する。そして、日回し中間車40が回転する過程において、板バネ64と接触子65とが接触する。駆動装置200は、この接触状態を検出することで、日車50が1歯分(1日分の日付範囲に相当する)だけ回動したことを検出する。そして、駆動装置200は、日車50の回動を検出しつつ、上述した圧電アクチュエータAの駆動を適宜、停止する。
【0069】
[1−6.第1実施形態の効果]
上述した第1実施形態では、以下のような効果がある。
(1)駆動装置200は、ドライバ回路211、ドライバ制御手段212、および正転/逆転切換回路220を具備した構成である。ドライバ回路211は、4つのドライバ回路2111,2112,2113,2114から構成され、それぞれPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bが直列に接続されて構成されている。ドライバ制御手段212は、これらドライバ回路211を制御し、該ドライバ回路211のトランジスタ211A,211Bの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動電圧信号O1〜O4を電極T1,T3の接続点P13または電極T2,T4の接続点P24のいずれかの接続点、電極T5、および補強板32に供給させる。そして、ドライバ制御手段212は、振動体10の振動により当接部36を所定方向で回転させ、ロータ100を所定方向に駆動させる。このドライバ制御手段212は、ドライバ回路2111およびドライバ回路2112のいずれか一方、ドライバ回路2113、およびドライバ回路2114に、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bを交互にON状態にする第1の制御信号を出力するとともに、ドライバ回路2111およびドライバ回路2112のうちのいずれか他方に、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211BをOFF状態にする第2の制御信号を出力して、当接部36の回転により、ロータ100を所定方向に駆動させる。ここで、ドライバ制御手段212は、正転/逆転切換回路220から出力される信号に応じて、第1の制御信号および第2の制御信号を切り換えてドライバ回路2111およびドライバ回路2112に供給し、ロータ100の駆動方向を切り換える。このことにより、ロータ100の駆動方向の切り換えを電気的な制御にて容易に実施できる。また、このような構成により、ロータ100の駆動方向の切り換えをリレースイッチ等の電気機械式のスイッチ、または、アナログスイッチ等にて実施する構成と比較して、駆動装置200の小型化および消費電流の低減を図れる。特に、ドライバ回路211およびドライバ制御手段212をIC化することで、これらサイズを小さくでき、駆動装置200のさらなる小型化を図れる。また、ドライバ回路211を、Pチャネルトランジスタ211AおよびNチャネルトランジスタ211Bにて構成しているので、ドライバ回路211を例えばPNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタにて構成する場合に比較して、消費電流を低減できる。
【0070】
(2)駆動装置200は、検出制御手段230を具備した構成である。このことにより、検出制御手段230がフィードバック制御を実施することで、圧電素子30,31の温度特性による設計上の最適駆動周波数の変動、および駆動装置200の可変周波数発振回路213における周波数変動に対応でき、振動体10の電極T1〜T5に常時最適な駆動周波数を有する駆動電圧信号O1〜O3を供給できる。したがって、ロータ100を高効率で駆動させることができる。
【0071】
(3)検出制御手段230は、ドライバ回路211が接続される電極T1,T3の接続点P13および電極T2,T4の接続点P24と接続され、これら電極T1〜T4から出力される検出信号SD1,SD2を検出する。このことにより、電極T1〜T4は、駆動用電極および振動検出用電極の双方の機能を有する構成となり、駆動用電極および振動検出用電極をそれぞれ有する構成と比較して、圧電アクチュエータAの構成を簡素化できる。
【0072】
(4)検出制御手段230は、入力切換手段231を具備する構成であるので、正転/逆転切換回路220から所定の信号PLが出力されることでドライバ制御手段212の制御状態が切り換えられた際に、第1の制御信号を入力するドライバ回路2111,2112のいずれかと接続する接続点P13,P24から供給される駆動電圧信号の入力を遮断できるとともに、第2の制御信号を入力して2つのトランジスタ211A,211BがOFF状態となるドライバ回路2111,2112のいずれかと接続する接続点P13,P24から検出信号を入力できる。また、電極T1〜T4を駆動用電極および振動検出用電極の双方の機能を有する構成としても、入力切換手段231によりドライバ制御手段212の制御状態の切り換えに応じて駆動電圧信号O1,O2の入力の遮断状態および検出信号SD1,SD2の入力状態を容易に切り換えることができ、駆動電圧信号O1,O2と検出信号SD1,SD2とが干渉することを回避して検出信号SD1,SD2を良好に検出できる。
【0073】
(5)検出制御手段230の入力切換手段231は、2つのアナログスイッチ231A,231B、NOT回路231C、およびコンパレータ231Dを具備する。アナログスイッチ231A,231Bは、正転/逆転切換回路220から所定の信号PLを入力することで、駆動電圧信号O1,O2の入力の遮断状態および検出信号SD1,SD2の入力状態を切り換え、所定の駆動電圧信号の入力を遮断し、所定の検出信号を入力する。そして、コンパレータ231Dは、アナログスイッチ231A,231Bから出力される検出信号SD1,SD2をパルス信号として出力する。このことにより、2つのアナログスイッチ231A,231Bの出力端子と接続する1つのコンパレータ231Dにて、所定の検出信号をパルス信号に変換できる。したがって、入力切換手段231としては、検出信号SD1,SD2をそれぞれパルス信号に変換する二つのコンパレータを具備した構成と比較して、1つのみのコンパレータ231Dを具備した構成で実現でき、駆動装置200の小型化を図れる。
【0074】
(6)電極T1〜T4のうち、電極T1,T3は、接続点P13にて接続され、電極T2,T4は、接続点P24にて接続される。そして、接続点P13は、ドライバ回路2111におけるトランジスタ211A,211Bの接続部分と接続され、接続点P24は、ドライバ回路2112におけるトランジスタ211A,211Bの接続部分と接続される。このことにより、ドライバ回路2111またはドライバ回路2112を介して、電極T1,T4または電極T2,T3に同一のタイミングで駆動電圧信号O1またはO2を供給できる。したがって、電極T1〜T4に応じてドライバを設ける構成と比較して、ドライバ回路211の数を減らすことができ、駆動装置200の回路構成を簡素化できる。また、ドライバ回路211と電極T1〜T4との配線を容易に実施できる。
【0075】
(7)また、接続点P13は、検出制御手段230を構成する入力切換手段231のアナログスイッチ231Aと接続され、接続点P24は、アナログスイッチ231Bと接続される。このことにより、アナログスイッチ231Bまたは231Aを介して、電極T1,T4または電極T2,T3から同一のタイミングで検出信号SD1またはSD2を検出できる。したがって、電極T1〜T4に応じてアナログスイッチを4つ設ける構成と比較して、入力切換手段231のアナログスイッチ231A,231Bを2つで構成でき、駆動装置200の回路構成を簡素化できる。また、入力切換手段231と電極T1〜T4との配線を容易に実施できる。
【0076】
(8)電極T1〜T5は、振動体10の駆動効率を考慮して電極間の面積に差を持たせている。そして、これら電極T1〜T5間の面積比にドライバ回路211間におけるトランジスタ211A,211Bのサイズ比を対応させているので、振動体10の駆動効率を最適化できる。また、ドライバ回路211間におけるトランジスタ211A,211Bのサイズ比を、ドライバ回路211に対応する電極間の面積比と同一に設定しているので、トランジスタ211A,211Bからのリーク電流等を低減し、振動体10の駆動効率を最適化できる最小限の消費電流で振動体10を駆動できる。
【0077】
(9)補強板32は、振動体10を補強する機能の他、電極としての機能を有する。そして、駆動信号供給手段210は、駆動電圧信号O3と逆位相の駆動電圧信号O4を補強板32に供給する。このことにより、補強板32をグランドレベルにして、振動体10を振動させる構成に比較して、圧電素子30,31に略2倍の電圧値を有する駆動電圧信号を印加でき、振動体10の駆動効率を最適化できる。
【0078】
[2.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、検出制御手段230の入力切換手段231は、アナログスイッチ231A,231Bを具備し、これらアナログスイッチ231A,231Bは、正転/逆転切換回路220からの信号PLに応じて、検出信号SD1,SD2の入力を適宜、遮断、接続する2つの入力状態を切り換える。
これに対して第2実施形態では、検出制御手段230の入力切換手段は、複数のゲート回路を具備し、これらゲート回路が、正転/逆転切換回路220からの信号PLに応じて、検出信号SD1,SD2を適宜、遮断、接続する2つの入力状態を切り換える。
その他の構成に関しては、第1実施形態と同様の構成である。
【0079】
[2−1.圧電アクチュエータAの駆動装置の構成]
図14は、第2実施形態における駆動装置200の構成を示すブロック図である。
第2実施形態における入力切換手段236は、図14に示すように、2つのコンパレータ236A,236Bと、ゲート回路としての2つのAND回路236C,236DおよびOR回路236Eとを備えている。
コンパレータ236A,236Bは、各入力端子が電極T2,T4の接続点P24または電極T1,T3の接続点P13とそれぞれ接続され、各出力端子がAND回路236C,236Dの入力端子にそれぞれ接続される。そして、コンパレータ236Aは、接続点P24から入力した検出信号SD2を基準電圧VREFと比較し、基準電圧VREFよりも大きい場合にハイレベルのパルス信号を、また、基準電圧VREFよりも小さい場合にローレベルのパルス信号をAND回路236Cに出力する。また、コンパレータ236Bは、接続点P13から入力した検出信号SD1を基準電圧VREFと比較し、基準電圧VREFよりも大きい場合にハイレベルのパルス信号を、また、基準電圧VREFよりも小さい場合にローレベルのパルス信号をAND回路236Dに出力する。
【0080】
AND回路236C,236Dは、その入力端子が、正転/逆転切換回路220と電気的に接続されるとともに、コンパレータ236A,236Bの各出力端子と接続される。そして、AND回路236C,236Dは、正転/逆転切換回路220から出力される信号PLに応じて、コンパレータ236A,236Bから出力される検出信号SD1,SD2に基づくパルス信号の入力を遮断、接続する2つの入力状態を切り換える。具体的に、AND回路236C,236Dは、正転/逆転切換回路220から出力されるハイレベルの信号を入力することにより、検出信号SD1,SD2と同位相のパルス信号を出力する。また、AND回路236C,236Dは、正転/逆転切換回路220から出力されるローレベルの信号を入力することにより、検出信号SD1,SD2を遮断する。
OR回路236Eは、AND回路236C,236Dから出力される検出信号SD1と同位相のパルス信号および検出信号SD2と同位相のパルス信号のいずれかを位相差検出回路232に出力する。
【0081】
[2−2.圧電アクチュエータAの駆動方法]
次に、第2実施形態における圧電アクチュエータAの駆動方法を説明する。なお、第2実施形態における圧電アクチュエータAの駆動方法は、第1実施形態と同様に実施でき、以下では、駆動装置200の動作が異なる部分について詳述する。
ステップS1およびS2において、正転/逆転切換回路220は、ロータ100を正回転する旨の信号を入力すると、ドライバ制御手段212および入力切換手段236のAND回路236C,236Dにハイレベルの信号PLを出力する。この後、ステップS3Aにおいて、AND回路236Cは、出力されたハイレベルの信号PLを入力し、コンパレータ236Aを介して入力する検出信号SD2と同位相のパルス信号を出力可能な状態となる。一方、AND回路236Cは、出力されたハイレベルの信号PLを反転させ、ローレベルの信号PLを入力するので、コンパレータ236Bを介して入力するパルス信号を出力することが不可能な状態となる。このため、OR回路236Eは、検出信号SD2と同位相のパルス信号を出力可能な状態となる。したがって、ステップS3Aにおいて、検出制御手段230は、入力切換手段236を介して検出信号SD2と同位相のパルス信号を入力可能な状態となる。
【0082】
そして、ステップS7Aにおいて、ドライバ回路2112のPチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bの接続部分がハイインピーダンス状態となった時に、検出制御手段230は、入力切換手段236を介して検出信号SD2と同位相のパルス信号を入力する。
なお、ステップS3BおよびS7Bについては、上述したステップS3AおよびS7Aに対して、正転/逆転切換回路220から出力される信号PLがローレベルの信号PLとなり、AND回路236C,236Dの出力信号が検出信号SD2からSD1に切り換わることだけが異なる。
【0083】
[2−3.第2実施形態の効果]
上述した、第2実施形態によれば、前記(1)〜(4)、(6)〜(9)と略同様の効果の他、以下のような効果がある。
(10)検出制御手段230の入力切換手段236は、2つのコンパレータ236A,236B、2つのAND回路236C,236D、およびOR回路236Eを具備する。AND回路236C,236DおよびOR回路236Eは、正転/逆転切換回路220から所定の信号PLを入力することで、コンパレータ236A,236Bを介した検出信号SD1,SD2の入力状態を切り換え、所定の検出信号を入力し、その他の検出信号の入力を遮断する。このことにより、検出信号SD1,SD2の入力状態の切り換えを複数のゲート回路で実現できるので、駆動装置200の小型化を図れる。また、検出信号SD1,SD2の入力状態の切り換えをアナログスイッチにて実施する構成と比較して、特性を向上でき、検出信号SD1,SD2の切り換えを円滑に実施できる。
【0084】
[3.実施形態の変形]
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
例えば、前記各実施形態では、ドライバ回路211として、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bが直列に接続された構成を説明したが、これに限らない。例えば、ドライバ回路211として、PNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタが直列に接続された構成としてもよい。このような構成によれば、ドライバ回路211が、PチャネルMOSトランジスタ211AおよびNチャネルMOSトランジスタ211Bが直列に接続された構成に比較して、小さなチップサイズで大きな出力電流を得ることができる。
【0085】
前記各実施形態では、電極T1〜T5は、駆動用電極および振動検出用電極の双方の機能を有する電極T1〜T4、および、駆動用電極として機能する電極T5とする構成を説明したが、これに限らない。例えば、これら電極T1〜T5を駆動用電極として機能する構成としてもよい。すなわち、本発明では、ロータ100の正回転/逆回転を切り換えることができる構成とすればよく、検出制御手段230を省略する構成としてもよい。また、電極T1〜T5とは別に、振動検出用電極を設け、この振動検出用電極から出力される検出信号を検出制御手段が検出し、この検出した検出信号に基づいて電極T1〜T5に供給する駆動電圧信号O1〜O3の駆動周波数を調整する構成を採用してもよい。さらに、電極T1〜T5のうち、駆動用電極として機能するT5を省略する構成としてもよい。さらにまた、電極の配置、電極の数は、前述した実施形態に限らず、その他の電極の配置構成、および電極の数量にて構成してもよい。
【0086】
前記各実施形態では、検出制御手段230は、出力信号Sdrの位相と検出信号SD1または検出信号SD2の位相との位相差を検出し、この位相差が基準位相差に近づくように、駆動周波数を調整させる制御を実施していたが、これに限らない。例えば、検出制御手段230が遅延回路を具備した構成とし、検出した位相差と従前に検出された位相差とを比較回路234にて比較させ、この比較情報に基づいて駆動周波数を調整させる構成を採用してもよい。また、基準位相差を、例えば、位相差に対する周波数特性の変化に対応して変更できる構成を採用してもよい。
【0087】
前記各実施形態では、検出制御手段230は、出力信号Sdrの位相と検出信号SD1または検出信号SD2の位相との位相差を検出していたが、これに限らない。例えば、電極T1〜T4のそれぞれから検出信号を検出可能な構成とし、各検出信号間の位相差を検出し、この位相差に基づいて駆動周波数を調整させる構成を採用してもよい。検出信号の検出は、以下のような構成にて実施できる。
すなわち、ドライバ回路2111,2112を、電極T1〜T4のそれぞれに対応させて4つのドライバ回路で構成する。また、4つのドライバ回路の各トランジスタの接続部分と入力切換手段231、または入力切換手段236とを接続する。そして、電極T1,T3に駆動電圧信号が供給されている際に、電極T2およびT4から入力切換手段231または入力切換手段236を介してそれぞれ検出信号を検出する。また、電極T2,T4に駆動電圧信号が供給されている際に、電極T1,T3から入力切換手段231または入力切換手段236を介してそれぞれ検出信号を検出する。
【0088】
前記各実施形態では、検出制御手段230は、出力信号Sdrの位相と検出信号SD1または検出信号SD2の位相との位相差を検出し、この位相差に基づいて駆動電圧信号の駆動周波数を調整させていたが、これに限らない。例えば、検出信号SD1または検出信号SD2の周波数、または振幅に基づいて駆動電圧信号の駆動周波数を調整させる構成を採用してもよい。
【0089】
前記各実施形態では、補強板32は、振動体10を補強する構成の他、電極としての機能を有し、駆動信号供給手段210から駆動電圧信号O4を供給されていたが、駆動信号供給手段210のドライバ回路2114を省略し、補強板32を常にグランドレベルに固定する構成を採用してもよい。このような構成では、ドライバ回路211の数を減らすことにより、駆動装置200の小型化を図れる。
前記各実施形態では、ドライバ回路2111,2112は、第1電極である電極T1,T3、第2電極である電極T2,T4に対応して設けられていたが、これに限らない。例えば、電極T1〜T4に対応して4つのドライバ回路を設ける構成を採用してもよい。
【0090】
前記各実施形態では、圧電アクチュエータA、およびこの圧電アクチュエータAを駆動する駆動装置200を時計に具備した構成を説明したが、これに限らず、例えば、以下に示す非接触型ICカードに具備した構成、その他の電子機器に具備した構成を採用してもよい。
図15は、非接触型ICカードの外観を示す斜視図である。カード400は、決済機能を有する非接触型ICカードである。
このカード400は、略箱状の筐体410にて外郭が形成され、この筐体410の上面略中央部には、該カード400の長手方向に沿って、内部の後述する残金表示カウンタ420を露出する窓部410Aが形成されている。このため、この窓部410Aが情報表示領域となり、この窓部410Aから後述する残金表示カウンタ420による所定の情報を観察できる。また、この筐体410の上面には、窓部410Aの長手方向に沿って、後述する残金表示カウンタ420による表示を補う付帯情報が記載されている。
【0091】
図16は、カード400の内部構成の一例を示す図である。
カード400は、図16に示すように、符号表示板としての残金表示カウンタ420と、圧電アクチュエータA1,A2,A3,A4と、駆動装置200とを備えている。そして、これら残金表示カウンタ420および圧電アクチュエータは、駆動装置200により駆動される。
残金表示カウンタ420は、例えば、決済終了後の残金に関する情報を表示する。この残金表示カウンタ420は、決済終了後の残金のうち、上位4桁を表示し、カード400の筐体410に記載された付帯情報とともに決済終了後の残金を表示する。この残金表示カウンタ420は、第1桁表示部421と、第2桁表示部422と、第3桁表示部423と、第4桁表示部424とを備えている。
【0092】
図17は、カード400の断面を示す図である。具体的には、図16のXVII−XVII線における断面図である。
第1桁表示部421は、図16または図17に示すように、略円盤状に形成され、略中心位置に回転軸421Aを有している。そして、この回転軸421Aが筐体410の下面と固定され、第1桁表示部421は回転自在に設置されている。この第1桁表示部421の上面外周側には、時計回りに0〜9の数字が略等間隔で記載され、上位4桁中の最小桁を表示する。すなわち、第1桁表示部421は、回転することで、上面外周側に記載された0〜9の数字が切り替わり、所定の数字が窓部410Aから露出する。
【0093】
第2桁表示部422は、図16または図17に示すように、略リング状に形成され、該第2桁表示部422の下面に凹部422Aが形成されている。筐体410の下面には、略リング状のレール410Bが形成され、第2桁表示部422の凹部422Aと係合する。このため、第2表示部22は、筐体410のレール410Bに沿って、回転可能となっている。また、この第2桁表示部422の上面には、時計回りに0〜9の数字が略等間隔で記載され、上位4桁中の第2桁を表示する。すなわち、第2桁表示部422は、回転することで、上面に記載された0〜9の数字が切り替わり、所定の数字が窓部410Aから露出する。
第3桁表示部423は、上位4桁中の第3桁を表示する。この第3桁表示部423の構造は、第1桁表示部421の構造と略同様であり、説明を省略する。
第4桁表示部424は、上位4桁中の最大桁を表示する。この第4桁表示部424の構造は、第2桁表示部422の構造と略同様であり、説明を省略する。
【0094】
そして、駆動装置200は、前記各実施形態で説明した圧電アクチュエータAの駆動方法と略同様の方法により、圧電アクチュエータA1,A2,A3,A4を駆動する。また、適宜、圧電アクチュエータA1、A2,A3,A4の当接部の回転方向を切り換えることで、第1桁表示部421、第2桁表示部422、第3桁表示部423、第4桁表示部424の回転方向を切り換える。
なお、この場合において、圧電アクチュエータA1,A2,A3,A4は、駆動装置200により同期して駆動されるように設定されており、駆動装置200は、図示しないICカードチップにより決済金額に相当する駆動制御信号が入力されることにより駆動されている。
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、当接部の駆動方向の変更を電気的な制御にて実施し、小型化および消費電流の低減を図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】前記各実施形態における圧電アクチュエータが組み込まれた腕時計のカレンダ表示機構の構成を示す平面図。
【図2】前記各実施形態における時計の断面図。
【図3】前記各実施形態におけるカレンダ表示機構の詳細な構成を示す断面図。
【図4】前記各実施形態における圧電アクチュエータの詳細な構成を示す平面図。
【図5】図4における圧電アクチュエータのV-V線断面図。
【図6】前記各実施形態における振動体に設けられた電極の配置位置の一例を示す図。
【図7】前記各実施形態における圧電素子の分極状態の一例を示す図。
【図8】前記各実施形態における圧電素子の分極状態の一例を示す図。
【図9】前記各実施形態における振動体に発生する屈曲振動を示す図。
【図10】前記各実施形態における振動体の振動による当接部の運動状態を示す図。
【図11】第1実施形態における圧電アクチュエータの駆動装置の構成を示すブロック図。
【図12】前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動方法を説明するためのフローチャート。
【図13】前記実施形態における駆動装置の動作を示すタイミングチャート。
【図14】第2実施形態における圧電アクチュエータの駆動装置の構成を示すブロック図。
【図15】前記実施形態の変形例を示す図。
【図16】前記実施形態の変形例を示す図。
【図17】前記実施形態の変形例を示す図。
【符号の説明】
10・・・振動体、30,31・・・圧電素子、36・・・当接部、100・・・ロータ(被駆動体)、200・・・駆動装置、211,2111,2112,2113,2114・・・ドライバ回路、211A・・・PチャネルMOSトランジスタ(Pチャネルトランジスタ)、211B・・・NチャネルMOSトランジスタ(Nチャネルトランジスタ)、212・・・ドライバ制御手段、220・・・正転/逆転切換回路(制御状態切換手段)、230・・・検出制御手段、231,236・・・入力切換手段、231A,231B・・・アナログスイッチ、236C,236D・・・AND回路(ゲート回路)、236E・・・OR回路(ゲート回路)、A・・・圧電アクチュエータ、T1〜T5・・・電極、SD1,SD2・・・検出信号。
Claims (12)
- 被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータの駆動装置であって、
前記振動体は、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板を備え、
前記複数の電極は、前記被駆動体をそれぞれ異なる方向に駆動させるように前記当接部を振動させる第1電極および第2電極を有し、
前記第1電極、前記第2電極、および前記補強板に対応して設けられ、PチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタが直列に接続された複数のドライバ回路と、
前記複数のドライバ回路を制御し、前記トランジスタの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動信号を前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極と前記補強板とに供給させて前記振動体を振動させ、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動させるドライバ制御手段と、
前記ドライバ制御手段の制御状態を切り換える制御状態切換手段と、
前記駆動信号の駆動周波数を調整させる検出制御手段とを具備し、
前記ドライバ制御手段は、
前記制御状態切換手段から前記被駆動体を正回転させる正転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記Pチャネルトランジスタおよび前記Nチャネルトランジスタを交互にON状態にする第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路に前記Pチャネルトランジスタおよび前記NチャネルトランジスタをOFF状態にする第2の制御信号を出力し、
前記制御状態切換手段から前記被駆動体を逆回転させる逆転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路に前記第2の制御信号を出力し、
前記補強板に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相は、前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相に対して逆位相に設定され、
前記検出制御手段は、前記振動体の振動により前記第2の制御信号が出力された前記ドライバ回路に対応する前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極から出力される検出信号を検出し、この検出した検出信号に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータの駆動装置であって、
前記振動体は、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板を備え、
前記複数の電極は、前記被駆動体をそれぞれ異なる方向に駆動させるように前記当接部を振動させる第1電極および第2電極を有し、
前記第1電極、前記第2電極、および前記補強板に対応して設けられ、PNP型トランジスタおよびNPN型トランジスタが直列に接続された複数のドライバ回路と、
前記複数のドライバ回路を制御し、前記トランジスタの接続部分を介して所定の駆動周波数を有する駆動信号を前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極と前記補強板とに供給させて前記振動体を振動させ、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動させるドライバ制御手段と、
前記ドライバ制御手段の制御状態を切り換える制御状態切換手段と、
前記駆動信号の駆動周波数を調整させる検出制御手段とを具備し、
前記ドライバ制御手段は、
前記制御状態切換手段から前記被駆動体を正回転させる正転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記PNP型トランジスタおよび前記NPN型トランジスタを交互にON状態にする第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路に前記PNP型トランジスタおよび前記NPN型トランジスタをOFF状態にする第2の制御信号を出力し、
前記制御状態切換手段から前記被駆動体を逆回転させる逆転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応するドライバ回路と前記補強板に対応するドライバ回路とに前記第1の制御信号を出力するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応するドライバ回路に前記第2の制御信号を出力し、
前記補強板に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相は、前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極に対応するドライバ回路に出力される前記第1の制御信号の位相に対して逆位相に設定され、
前記検出制御手段は、前記振動体の振動により前記第2の制御信号が出力された前記ドライバ回路に対応する前記第1電極および前記第2電極のいずれかの電極から出力される検出信号を検出し、この検出した検出信号に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記検出制御手段は、前記駆動信号および前記検出信号間の位相差を検出し、この検出した位相差に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記第1電極および前記第2電極は、複数の電極で構成され、
前記検出制御手段は、前記第1電極または前記第2電極を構成する複数の電極から出力される複数の検出信号を検出し、この検出した複数の検出信号間の位相差を検出し、この検出した位相差に基づいて前記駆動信号の駆動周波数を調整させることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記検出制御手段は、前記トランジスタの接続部分と接続された入力切換手段を具備し、
前記入力切換手段は、
前記制御状態切換手段から前記正転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方に対応する前記ドライバ回路から供給される前記駆動信号の入力を遮断するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方から出力される検出信号を入力し、
前記制御状態切換手段から前記逆転信号を入力した場合に、前記第1電極および前記第2電極のいずれか他方に対応する前記ドライバ回路から供給される前記駆動信号の入力を遮断するとともに、前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方から出力される検出信号を入力することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項5に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記入力切換手段は、前記制御状態切換手段から前記正転信号または前記逆転信号を入力することにより、前記駆動信号の入力の遮断状態および前記検出信号の入力状態を切り換える複数のアナログスイッチを具備していることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項5に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記入力切換手段は、前記制御状態切換手段から前記正転信号または前記逆転信号を入力することにより、前記駆動信号の入力の遮断状態および前記検出信号の入力状態を切り換える複数のゲート回路を具備していることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記第1電極および前記第2電極は、複数の電極で構成され、
前記複数のドライバ回路は、前記第1電極および前記第2電極を構成する複数の電極に対応して設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記第1電極および前記第2電極は、複数の電極で構成され、
前記複数のドライバ回路は、複数の電極で構成される前記第1電極および前記第2電極に対応して設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
前記複数のドライバ回路間における前記トランジスタのサイズ比は、前記複数のドライバ回路に対応する前記複数の電極間の面積比と同一に設定されていることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子と、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータと、請求項1から請求10のいずれかに記載の駆動装置とを備えていることを特徴とする時計。
- 被駆動体に当接する当接部と、複数の電極が設けられた圧電素子と、前記複数の電極との間に前記圧電素子が位置するように前記圧電素子に取り付けられた補強板とを有し、前記複数の電極に所定の駆動周波数を有する駆動信号が与えられることにより振動し、前記当接部の振動により前記被駆動体を所定方向に駆動する振動体を備えた圧電アクチュエータと、請求項1から請求項10のいずれかに記載の駆動装置とを備えていることを特徴とする電子機器。
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