JP4507420B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットディスプレイや平面光源などに使用される有機エレクトロルミネッセンス(エレクトロルミネッセンスを以下単に、ELともいう)素子に関するものであり、詳しくは発光効率、発光寿命が優れた有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無機EL素子は平面型光源として使用されてきたが該素子を発光素子として駆動させるためには交流の高電圧が必要である。一方、最近開発された有機EL素子は、蛍光性有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能であり、また自己発光型であるために視野角依存性に富み、視認性が高く、更には薄膜型の完全固体素子であるために省スペースである等の観点から注目され、実用化研究への展開が開始されている。
【0003】
これまで、様々な有機EL素子が報告されている。たとえば、米国特許第3,530,325号に記載の発光体として単結晶アントラセン等を用いたもの、特開昭59−194393号に記載の正孔注入層と有機発光体層とを組み合わせたもの、特開昭63−295695号に記載の正孔注入層と電子注入輸送層とを組み合わせたもの、Jpn.Journal of Applied Phisycs,vol127,No.2第269〜271頁に記載の正孔移動層と発光層と電子移動層とを組み合わせたもの等が開示されている。しかしながら、エネルギー変換効率、発光量子効率の更なる向上や、有機薄膜の経時での安定性の更なる向上など解決すべき問題があった。
【0004】
また、有機ELにおいて、電子は陰極から電子輸送層に使われる物質の最低空軌道(LUMO)に注入される。このため、陰極には仕事関数の小さいマグネシウム、アルカリ金属(特開平5−198380号参照)などの合金が使用されている。また、電子輸送層に使用する物質については、陰極からの電子注入障壁が低い物質を使用した方がより電子注入が容易となるため駆動電圧を下げることができる。
【0005】
従来、低仕事関数の陰極に関する報告は数多くあるものの、電子輸送層に使用する物質については、Alqなどの8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、オキサゾール誘導体が使用されおり、発光効率、発光寿命の点で必ずしも満足のいくものではなく、さらに発光効率、発光寿命が優れたの有機EL素子の開発が望まれていた。
【0006】
最近では例えば特開平10−74586号に記載されているような電子輸送層と陰極の間にLiFからなる電子注入層を設け発光効率、発光寿命の更なる改良への試み、また特開平11−233262号に記載されているようなβ−ジケトン金属錯体を電子注入層として用いる試み等種々の試みがなされているが、必ずしも満足できるものではなく、発光効率、発光寿命が優れた有機エレクトロルミネッセンス素子の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、発光効率に優れ、高輝度に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子材料および有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。本発明の第二の目的は発光劣化の少ない有機エレクトロルミネッセンス素子材料および有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。本発明の第三の目的は、電子注入層として従来のLiFに代わり本発明の化合物を用いることにより、さらなる発光効率の向上、長期に亘り安定な発光特性の維持ができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0009】
1.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式()で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(10)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(17)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(18)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(19)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(20)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(21)で表される金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(22)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(24)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(24)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(26)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(26)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
11.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(27)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(27)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
12.金属錯体の金属原子がホウ素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウム原子または亜鉛原子であることを特徴とする1〜6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
13.金属錯体の金属原子がホウ素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウム原子または亜鉛原子であることを特徴とする8〜11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
14.金属錯体のMがリチウム原子であることを特徴とする1〜6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
15.金属錯体のMがセシウム原子であることを特徴とする1〜6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
16.金属錯体の金属原子がリチウム原子であることを特徴とする8〜11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
17.金属錯体の金属原子がセシウム原子であることを特徴とする8〜11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
18.金属錯体を、発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする1、2、3、4、5、6または9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
19.金属錯体を、発光層と陰極との間に設けられた電子注入層に含有することを特徴とする1、2、3、4、5、6または9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0040】
即ち、本発明の上記、第1、第2の目的は、本発明の請求項1〜19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子により達成される。特に請求項1〜17に係る本発明の金属錯体を発光層と陰極との間に有する電子注入層に含むこと(請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子)により本発明の第3の目的が達成される。また、驚くべきことに上記請求項1〜17に係る本発明の金属錯体について、例えば下記に示すように、配位子の配位する二つの原子を直線で結んだ1/2の距離の点と配位される金属原子を結んだ軸に対し、軸対称性が非対象な配位子を有する金属錯体を電子注入層に含むことで有機エレクトロルミネッセンス素子の高輝度、長寿命化が(第1、第2の目的が顕著に、第三の目的が特に顕著に)達成される。
また、以下の態様も本発明と同様に好ましい。
A.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(1)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化L】
Figure 0004507420
【化M】
Figure 0004507420
【化N】
Figure 0004507420
(上記式中、A 、A はそれぞれ独立に一般式(2)〜(5)で表される一価の置換基を表し、X は構造式(6)、構造式(7)または一般式(8)で表される連結基を表し、R 〜R はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、A とA が同時に一般式(2)で表され、かつX が一般式(6)で表されることはない。また、A とA が同時に一般式(4)で表され、かつX が一般式(7)で表される時、R がCF 基であることはない。)
B.金属錯体の金属原子がホウ素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウム原子または亜鉛原子であることを特徴とするA記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
C.金属錯体の金属原子がリチウム原子またはセシウム原子であることを特徴とするA記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
D.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(11)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化O】
Figure 0004507420
(上記式中、R 101 、R 102 、R 103 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数を表す。)
E.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(12)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化P】
Figure 0004507420
(上記式中、R 104 、R 105 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子またはC−Raを表し、Raは水素原子または置換基を表す。ただし、R 104 、R 105 がトリフルオロメチル基であり、かつXが窒素原子である時、Mはリチウム原子であることはない。)
F.前記一般式(12)で表される化合物のMがホウ素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウム原子または亜鉛原子である(ただし、R 104 、R 105 がトリフルオロメチル基であり、かつXが窒素原子である時、Mはリチウム原子であることはない)ことを特徴とするE記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
G.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(13)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化Q】
Figure 0004507420
(上記式中、R 106 、R 107 、R 108 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数をそれぞれ表す。)
H.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(14)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化R】
Figure 0004507420
(上記式中、R 109 、R 110 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。MはBe、Na、K、Ca、Rb、Sr、Cs、Ba、Zn、Al、B、Ga、Ge、SnまたはSbを表す。mは1〜4の整数を表す。)
I.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(15)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化S】
Figure 0004507420
(上記式中、R 111 、R 112 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。但しR 111 とR 112 が同時に同じ置換基であることはない。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数を表す。)
J.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(16)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化T】
Figure 0004507420
(上記式中、R 113 、R 114 はそれぞれ独立に、炭素数2以上のアルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
K.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(23)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(23)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化U】
Figure 0004507420
(式中、Y 、Z はそれぞれ独立に硫黄原子またはN−R 43 を表し、R 41 、R 42 、R 43 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。L 41 は二価の連結基を表し、nは0、1または2の整数を表す。)
L.少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(25)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(25)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化V】
Figure 0004507420
(式中、R 401 、R 402 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、L 43 は二価の連結基を表し、nは0または2の整数を表す。)
【0041】
【化23】
Figure 0004507420
【0042】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の、一般式()、(10、(17)〜(22)、(24)、(26)、(27)で表される化合物、一般式(22)、(24)、(26)、(27)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体、一般式(9)〜(21)で表される金属錯体(以下、本発明の化合物、本発明の金属錯体ともいう)は、少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層、陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子においてどの層に用いられてもよい。好ましくは正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、発光層、電子阻止層、電子輸送層、電子注入層であり、さらに好ましくは正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層であり、最も好ましくは電子注入層である。電子注入層に本発明の化合物、本発明の金属錯体を用いる場合、膜厚は好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以下、最も好ましくは5nm以下である。
【0043】
以下、本発明の化合物および本発明の金属錯体について詳細に説明する。
前記一般式(1)で表される化合物、および一般式(1)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について詳細に説明する。
【0044】
前記一般式(1)において、A1、A2はそれぞれ独立に一般式(2)〜(5)で表される一価の置換基を表し、X1は構造式(6)、構造式(7)または一般式(8)で表される連結基を表す。
【0045】
一般式(2)〜(5)および(8)におけるR1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロ−t−ブチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、ヘテロ環基(例えばフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラザン、ピリジン等から導かれる基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基等)、カルボニル基(例えばカルボキシル基、カルバモイル基等)等が挙げられる。これらの基はさらに置換基で置換されていてもよく、該置換基としては例えば、ハロゲン原子、水素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基等が挙げられる。またこれら置換基は任意に複数個それぞれ独立に有されていてもよく、その複数の置換基が互いに結合してさらに環を形成してもよい。具体例としては以上のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
1〜R6は好ましくはアルキル基、アリール基である。
ただし、A1とA2が同時に一般式(2)で表され、かつX1が一般式(6)で表されることはない。また、A1とA2が同時に一般式(4)で表され、かつX1が一般式(7)で表される時、R3がCF3基であることはない。
【0047】
また、A1=A2の時、2個のR1、R2、R3、R4、R5は同じであっても、異なっていてもよい。
【0048】
また、金属錯体の金属原子としては「周期表の化学」岩波書店 斎藤一夫著 71頁に記載の金属原子、すなわち半金属性原子B、Si、Al、Ge、As、Sb、Te、At、Rnを含む金属原子である。金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0049】
また「一般式(1)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは、例えば下記反応式で例示するように、一般式(1)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離したアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体を意味する。
【0050】
【化24】
Figure 0004507420
【0051】
一般式(9)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(9)において、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。
【0052】
1、B2はそれぞれ独立に炭素原子または硫黄原子を表し、Mは金属原子を表すが、該金属原子とは「周期表の化学」岩波書店 斎藤一夫著 71頁に記載の金属原子、すなわち半金属性原子B、Si、Al、Ge、As、Sb、Te、At、Rnを含む金属原子である。mは1〜4の整数を表す。
【0053】
7、R8は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0054】
一般式(10)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(10)において、R〜R11はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。
【0055】
Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の場合と同様である。mは1〜4の整数を表す。
【0056】
9〜R11は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0057】
一般式(11)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(11)において、R101、R102、R103はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。
【0058】
101、R102、R103は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0059】
一般式(12)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(12)において、Xは窒素原子もしくはC−Raを表し、Raは水素原子または置換基を表す。該置換基としてはアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロ−t−ブチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、ヘテロ環基(例えばフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラザン、ピリジン等から導かれる基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基、カルボニル基等が挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子、水素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基等が挙げられる。またこれらの置換基は任意に複数個それぞれ独立に有しされていてもよく、その複数の置換基が互いに結合してさらに環を形成してもよい。具体例としては以上のようなものであるが、これらに限定されない。
【0060】
104、R105はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。ただし、R104、R105がトリフルオロメチル基であり、かつXが窒素原子である時、Mはリチウム原子であることはない。mは1〜4の整数を表す。
【0061】
104、R105は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0062】
一般式(13)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(13)において、R106、R107、R108はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。
【0063】
106、R107、R108は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0064】
一般式(14)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(14)において、R109、R110はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。MはBe、Na、K、Ca、Rb、Sr、Cs、Ba、Zn、Al、B、Ga、Ge、SnまたはSbを表す。mは1〜4の整数を表す。
【0065】
109、R110は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはBe、Na、K、Ca、Rb、Sr、Cs、Ba、ホウ素原子、アルミニウム原子、亜鉛原子であるが、更に好ましくはNa、K、Ca、Rb、Sr、Csである。
【0066】
一般式(15)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(15)において、R111、R112はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。但しR111とR112が同時に同じ置換基であることはない。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。
【0067】
111、R112は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0068】
一般式(16)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(16)において、R113、R114はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、アリール基またはヘテロ環基をあらわす。mは1〜4の整数を表す。
【0069】
一般式(17)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(17)において、R14、R15はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。Bは炭素原子または硫黄原子を表す。Xは窒素原子またはC−Rbを表し、Rbは水素原子または置換基を表すが、該置換基としては一般式(12)のXで表されるC−RaのRaで表される置換基と同様である。
【0070】
14、R15は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0071】
一般式(18)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(18)において、R16〜R19はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子またはC−Rcを表し、Rcは水素原子または置換基を表すが、該置換基としては一般式(12)のXで表されるC−RaのRaで表される置換基と同様である。
【0072】
16〜R19は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0073】
一般式(19)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(19)において、R20〜R22はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子もしくはC−Rdを表し、Rdは水素原子または置換基を表すが、該置換基としては一般式(12)のXで表されるC−RaのRaで表される置換基と同様である。
【0074】
20〜R22は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0075】
一般式(20)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(20)において、R23〜R25はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。Mは金属原子を表すが、金属原子とは一般式(9)の時と同様である。mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子またはC−Reを表し、Reは水素原子または置換基を表すが、該置換基としては一般式(12)のXで表されるC−RaのRaで表される置換基と同様である。
【0076】
23〜R25は好ましくはアルキル基、アリール基であり、Mは好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0077】
一般式(21)で表される金属錯体について説明する。
前記一般式(21)において、R26〜R28はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R〜Rで表される置換基と同義である。
【0078】
26〜R28は好ましくはアルキル基、アリール基である
般式(22)で表される化合物、および一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について説明する。
【0079】
前記一般式(22)において、R31、R33はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。
【0080】
32は置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6の場合と同様である。R31、R33は好ましくはアルキル基、アリール基であり、R32は好ましくはアルキル基である。
【0081】
金属錯体の金属原子としては「周期表の化学」岩波書店 斎藤一夫著 71頁に記載の金属原子、すなわち半金属性原子B、Si、Al、Ge、As、Sb、Te、At、Rnを含む金属原子である。
【0082】
金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0083】
また「一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは一般式(22)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離したアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体のことであり詳しくは前記一般式(1)の時と同様である。
【0084】
一般式(23)で表される化合物、および一般式(23)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について説明する。
【0085】
前記一般式(23)において、Y4、Z4はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、またはN−R43を表す。L41は二価の連結基を表すが、該連結基としては例えば、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキレンオキシド、−SO2−、−SO−、−O−、−S−、−CO−、−N(R44)−(R44は水素原子または置換基)等それぞれを単独又は組み合わせて構成される二価の連結基が挙げられる。R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R44は水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。
【0086】
nは0、1または2を表す。
金属錯体の金属原子としては、一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の金属原子と同様である。
【0087】
金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0088】
また「一般式(23)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは一般式(23)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離してアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体のことであり詳しくは前記一般式(1)の時と同様である。
【0089】
一般式(24)で表される化合物、および一般式(24)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について説明する。
【0090】
前記一般式(24)において、Y41は酸素原子、硫黄原子、またはN−R47を表す。L42は二価の連結基を表すが、該連結基としては例えば、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキレンオキシド、−SO2−、−SO−、−O−、−S−、−CO−、−N(R48)−(R48は水素原子または置換基)等のそれぞれを単独又は組み合わせて構成される二価の連結基が挙げられる。R45〜R47はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R48は水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。
【0091】
nは0、1または2の整数を表す。
金属錯体の金属原子としては、一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の金属原子と同様である。
【0092】
金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0093】
また「一般式(24)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは一般式(24)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離しアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体のことであり詳しくは前記一般式(1)の時と同様である。
【0094】
一般式(25)で表される化合物、および一般式(25)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について説明する。
【0095】
前記一般式(25)において、L43は二価の連結基を表すが、該連結基としては例えば、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキレンオキシド、−SO2−、−SO−、−O−、−S−、−CO−、−N(R403)−(R403は水素原子または置換基)等のそれぞれを単独又は組み合わせて構成される二価の連結基が挙げられる。R401、R402はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R403は水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。
【0096】
nは0または2を表す。
金属錯体の金属原子としては、一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の金属原子と同様である。
【0097】
金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0098】
また「一般式(25)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは一般式(25)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離しアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体のことであり詳しくは前記一般式(1)の時と同様である。
【0099】
一般式(26)で表される化合物、および一般式(26)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について説明する。
【0100】
前記一般式(26)において、Y5はN−(R54)(R55)、O−R56またはS−R57を表す。L51は二価の連結基を表すが、該連結基としては例えば、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキレンオキシド、−SO2−、−SO−、−O−、−S−、−CO−、−N(R58)−(R58は水素原子または置換基)等のそれぞれを単独又は組み合わせて構成される二価の連結基が挙げられる。R51〜R57はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R58は水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。
【0101】
nは0、1または2を表す。
金属錯体の金属としては、一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の金属原子と同様である。
【0102】
金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0103】
また「一般式(26)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは一般式(26)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離しアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体のことであり詳しくは前記一般式(1)の時と同様である。
【0104】
一般式(26)で表される化合物、および一般式(26)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体において、好ましくはα―アミノ酸、β―アミノ酸、およびそれらの金属錯体である。
【0105】
一般式(27)で表される化合物、および一般式(27)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体について説明する。
【0106】
前記一般式(27)において、Y6はOH、SHまたはNHR62を表し、Z6は酸素原子、硫黄原子またはN―R63を表し、R61〜R63はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基としては前記R1〜R6で表される置換基と同義である。
【0107】
1は芳香環を形成するのに必要な原子群を表し、形成される芳香環はさらに置換基を有してもよいが、該芳香環としては例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基、フリル基、チオフェニル基、ピローリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、ピリジル基などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0108】
好ましくはW1により形成される芳香環がベンゼン環のときであり、より好ましくはW1により形成される芳香環がベンゼン環であり、Y6がカルボニル基でありR61がアルキル基のときである。
【0109】
金属錯体の金属原子としては、一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の金属原子と同様である。
【0110】
金属原子は好ましくはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ホウ素原子、アルミニウム原子および亜鉛原子であるが、更に好ましくはリチウム原子、セシウム原子である。
【0111】
また「一般式(27)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体」とは一般式(27)で表される化合物に塩基性物質を加えることにより、該化合物のプロトンが一つもしくは複数個脱離しアニオンが生成する。このアニオンを配位子とする金属錯体のことであり詳しくは前記一般式(1)の時と同様である。
【0112】
但し、W1によって形成される芳香環が芳香族炭素環であり、Y6がOHであり、かつZ6が酸素原子の時、R61は炭素原子または窒素原子で結合する置換基を表す。また、W1によって形成される芳香環が芳香族炭素環であり、Y6がOHであり、かつZ6がN−R63の時、R61とR63は結合して芳香環を形成することは無い。
【0113】
以下に、本発明の化合物、および本発明の金属錯体の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0114】
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0115】
【化25】
Figure 0004507420
【0116】
【化26】
Figure 0004507420
【0117】
以下に、一般式(9)〜(21)で表される金属錯体の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
【化27】
Figure 0004507420
【0119】
【化28】
Figure 0004507420
【0120】
【化29】
Figure 0004507420
【0121】
【化30】
Figure 0004507420
【0122】
【化31】
Figure 0004507420
【0123】
【化32】
Figure 0004507420
【0124】
以下に、本発明の一般式(22)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
【化33】
Figure 0004507420
【0126】
以下に、本発明の一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0127】
【化34】
Figure 0004507420
【0128】
以下に、一般式(23)〜(25)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
【化35】
Figure 0004507420
【0130】
以下に、一般式(23)〜(25)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
【化36】
Figure 0004507420
【0132】
以下に、本発明の一般式(26)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0133】
【化37】
Figure 0004507420
【0134】
【化38】
Figure 0004507420
【0135】
以下に、本発明の一般式(26)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
【化39】
Figure 0004507420
【0137】
以下に、本発明の一般式(27)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
【化40】
Figure 0004507420
【0139】
【化41】
Figure 0004507420
【0140】
以下に、本発明の一般式(27)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0141】
【化42】
Figure 0004507420
【0142】
本発明において、有機EL素子の有機層の層構成は単層でも多層積層でもよく、例えば多層構成の場合には有機物以外の層(例えばフッ化リチウム層や無機金属塩の層、またはそれらを含有する層など)が任意の位置に配置されていてもよい。
【0143】
有機EL素子は、基本的には一対の電極の間に発光層を挾持し、必要に応じ正孔輸送層や電子輸送層を介在させた構造を有する。具体的な例を下記に示すがこれに限定されるものではない。
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極上記発光層は(1)電界印加時に、陽極、正孔注入層又は、正孔輸送層により正孔を注入することができ、かつ陰極、電子輸送層又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有している。ただし、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動させる機能を有するものが好ましい。この発光層に用いられる発光材料の種類については特に制限はなく、従来有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。このような発光材料は主に有機化合物であり、所望の色調により、例えば、Macromol.Symp.125巻17頁から26頁に記載の化合物が挙げられる。
【0144】
さらに、陽極と発光層または正孔注入層の間、および、陰極と発光層または電子輸送層との間には注入層(バッファー層、電極界面層)を存在させてもよい。
【0145】
注入層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことであり、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、陽極バッファー層(正孔注入層)と陰極バッファー層(電子注入層)とがある。
【0146】
陽極バッファー層(正孔注入層)については、特開平8−288069号、同9−45479号、同9−260062号等にもその詳細が記載されており、具体的には例えば、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
【0147】
陰極バッファー層(電子注入層)については、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的には例えば、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
【0148】
上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
【0149】
さらに上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、例えば特開平11−204258号、同11−204359号、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層などのような機能層を有していてもよい。
【0150】
本発明の有機EL素子は、上記発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔阻止層、陰極バッファー層(電子注入層)および陽極バッファー層(正孔注入層)等から選ばれる少なくとも1つの層内に本発明の化合物の少なくとも1種を有するものである。
【0151】
本発明の有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(通常4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合には(通常100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極から発光を取り出す場合には、陽極の透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲である。
【0152】
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(通常4eV以下)金属(以下、電子注入性金属ともいう)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウムなどが好適である。該陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲である。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
【0153】
次に、必要に応じて設けられる正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、そのうえ、発光層に陰極、電子注入層又は電子輸送層より注入された電子は、発光層と正孔注入層もしくは正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁により、発光層内の界面に累積され発光効率が向上するなど発光性能の優れた素子となる。この正孔注入層、正孔輸送層の材料(以下、正孔注入材料、正孔輸送材料ともいう)については、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔注入層、正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0154】
上記正孔注入材料、正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。この正孔注入材料、正孔輸送材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0155】
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノベンゼン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)−4,4′−ジアミノ−1,1′−ビフェニル(TPD);2,2−ビス〔4′−(N,N′−ジ−p−トリルアミノ)フェニル〕プロパン;1,1−ビス〔4′−(N,N′−ジ−p−トリルアミノ)フェニル〕シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス〔4′−(N,N′−ジ−p−トリルアミノ)フェニル〕−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4′−ジメチルアミノ−2′−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス〔4′−(N,N′−ジ−p−トリルアミノ)フェニル〕フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4″−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4″−(N′,N′−ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニル)ビニルベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1″−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3″−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
【0156】
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
【0157】
また、p型−Si,p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
【0158】
正孔注入層、正孔輸送層は、上記正孔注入材料、正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法,スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上を主体とする一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0159】
本発明において、さらに、必要に応じて用いられる電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
【0160】
電子輸送層に用いられる材料(以下、電子輸送材料ともいう)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンやペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も電子輸送材料として用いることができる。
【0161】
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
【0162】
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として用いられるジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
【0163】
電子輸送層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。電子輸送層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子輸送層は、これらの電子輸送材料の一種又は二種以上を主体とする一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0164】
発光層は電極または電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
【0165】
発光層に使用される材料(以下、発光材料ともいう)は、蛍光または燐光を発する有機化合物または錯体であることが好ましく、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0166】
発光材料は発光性能の他に、前記の正孔輸送機能や電子輸送機能を併せ持っていてもよく、前記の正孔注入材料、正孔輸送材料や電子注入材料、電子輸送材料の殆どが発光材料としても使用できる。
【0167】
発光材料はp−ポリフェニレンビニレンやポリフルオレンのような高分子材料でもよく、さらに前記発光材料を高分子鎖に導入した、または前記発光材料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用してもよい。
【0168】
また、発光層にはドーパント(ゲスト物質)を併用してもよく、EL素子のドーパントとして使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0169】
ドーパントの具体例としては、例えばキナクリドン、クマリン誘導体、ローダミン、ルブレン、デカシクレン、ピラゾリン誘導体、スクアリリウム誘導体、ユーロピウム錯体等がその代表例として挙げられる。
【0170】
発光層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発光層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この発光層は、これらの発光材料の一種又は二種以上を主体とする一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0171】
また、発光層は、特開昭57−51781号に記載されているように、樹脂などの結着材と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
【0172】
本発明の有機EL素子に好ましく用いられる基盤は、ガラス、プラスチックなどの種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はない。本発明の有機EL素子に好ましく用いられる基盤としては例えばガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムを挙げることができる。
【0173】
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
【0174】
次に、有機EL素子を作製する好適な例について説明する。例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層、陰極バッファー層または陽極バッファー層等の有機または無機の材料からなる薄膜を形成させる。
【0175】
有機薄膜層の薄膜化の方法としては、前記の如く真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法またはスピンコート法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる製膜法を適用してもよい。製膜に真空蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが好ましい。
【0176】
これらの層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、通常1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば真空蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施してもかまわない。但し、その際には作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
【0177】
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧を通常5〜40V程度印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0178】
さらに、本発明の有機EL素子は、蛍光物質等を含有した色変換層または色変換フィルターを素子の内部または外部に有していてもよく、また、カラーフィルター等の色相改良フィルターを有していてもよい。
【0179】
また、本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよい。特に、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
【0180】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0181】
実施例1
ガラス基板上にITO(インジウム−チン−オキサイド)を膜厚200nmに蒸着して陽極(シート抵抗30Ω/□)を形成した。この陽極上に、真空蒸着法によりCuPc(下記化合物S−1)を膜厚10nmに蒸着して正孔注入層を形成した。次いで、トリフェニルビナフチルアミン(TBNPA、下記化合物H−1)を膜厚85nmに蒸着して発光層を形成した。
【0182】
【化43】
Figure 0004507420
【0183】
さらに、本発明の金属錯体9−M−1を膜厚1nmに蒸着して電子注入層を形成した。最後に、MgとAgを共蒸着して膜厚200nmのMgAg(10:1)陰極を形成して有機EL素子No.1(本発明)を作製した。
【0184】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体9−M−2により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.2(本発明)を作製した。
【0185】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体10−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.3(本発明)を作製した。
【0186】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体17−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.4(本発明)を作製した。
【0187】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体18−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.5(本発明)を作製した。
【0188】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体19−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.6(本発明)を作製した。
【0189】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体20−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.7(本発明)を作製した。
【0190】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体21−M−4により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.8(本発明)を作製した。
【0191】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体22−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.9(本発明)を作製した。
【0192】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体22−M−2により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.10(本発明)を作製した。
【0193】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体24−M−2により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.11(本発明)を作製した。
【0194】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体26−M−1により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.12(本発明)を作製した。
【0195】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体26−M−3により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.13(本発明)を作製した。
【0196】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに本発明の金属錯体27−M−3により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.14(本発明)を作製した。
【0197】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりにLiFにより電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.15(比較)を作製した。
【0198】
本発明の金属錯体9−M−1の代わりに下記化合物D−1で示されるLi(acac)により電子注入層を形成した他は有機EL素子No.1と同様にして有機EL素子No.16(比較)を作製した。
【0199】
【化44】
Figure 0004507420
【0200】
作製した有機EL素子の発光効率特性(10V印加時の輝度(cd/m2))、および発光寿命(窒素中、10mA/cm2の一定電流で駆動したときに初期輝度が元の半分に低下するのに要した時間である半減寿命時間、即ち半減期)を、有機EL素子No.15(比較)の輝度、半減期をそれぞれ100としたときの相対値としてそれぞれ表1に示す。
【0201】
【表1】
Figure 0004507420
【0202】
表1からわかるように本発明の有機EL素子は非常に良好な発光輝度を示した。また、発光寿命も非常に向上することが確認された。
【0203】
実施例2
ガラス基板上にITOを膜厚200nmに蒸着して陽極(シート抵抗30Ω/□)を形成した。この陽極上に、真空蒸着法によりCuPc(前記化合物S−1)を膜厚10nmに蒸着して正孔注入層を形成した。次いで、トリフェニルビナフチルアミン(TBNPA、前記化合物H−1)を膜厚50nmに蒸着して発光層を形成した。
【0204】
さらに、本発明の金属錯体18−M−4を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成した。さらに下記化合物D−2で示される化合物Alq3を膜厚30nmに蒸着して電子輸送層とした。最後に、MgとAgを共蒸着して膜厚200nmのMgAg(10:1)陰極を形成して有機EL素子No.17を作製した。
【0205】
【化45】
Figure 0004507420
【0206】
本発明の金属錯体18−M−4の代わりに本発明の金属錯体19−M−3により正孔阻止層を形成した他は有機EL素子No.17と同様にして有機EL素子No.18(本発明)を作製した。
【0207】
本発明の金属錯体18−M−4の代わりに本発明の金属錯体27−M−4により正孔阻止層を形成した他は有機EL素子No.17と同様にして有機EL素子No.19(本発明)を作製した。
【0208】
本発明の金属錯体18−M−4の代わりに下記化合物S−2で示されるバソフェナントロリンにより正孔阻止層を形成した他は有機EL素子No.17と同様にして有機EL素子No.20(比較)を作製した。
【0209】
【化46】
Figure 0004507420
【0210】
作製した有機EL素子の発光効率特性(10V印加時の輝度(cd/m2)、および駆動安定性(窒素中、10mA/cm2の一定電流で駆動したときに初期輝度が元の半分に低下するのに要した時間である半減寿命時間、即ち半減期))を、有機EL素子No.20(比較)の輝度、半減期をそれぞれ100としたときの相対値としてそれぞれ表2に示す。
【0211】
【表2】
Figure 0004507420
【0212】
表2からわかるように本発明の有機EL素子は良好な発光輝度を示した。また、発光寿命も向上することが確認された。
【0213】
以上、実施例1、2で実証したように、本発明により、有機EL素子の少なくとも一層に本発明の化合物、金属錯体を用いることにより、発光輝度が大きく向上し、発光寿命に優れた有機EL素子を得ることができた。また、特には電子注入層に本発明の化合物、金属錯体を用いることにより、発光輝度が顕著に向上し、発光寿命が非常に優れた有機EL素子を得ることができた。
【0214】
このように、本発明の有機EL素子は発光輝度、発光寿命の向上を達成するものであるが、併せて使用される発光物質、発光補助材料、電荷輸送材料、高分子材料、電極材料、基板等、および素子作製方法は上記実施例により限定されるものではない。
【0215】
【発明の効果】
本発明により、発光効率に優れ、高輝度に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子材料および有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できた。また、発光劣化の少ない有機エレクトロルミネッセンス素子材料および有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できた。特に、電子注入層として従来のLiFに代わり本発明の化合物を用いることにより、さらなる発光効率の向上、長期に渡り安定な発光特性の維持ができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できた。

Claims (19)

  1. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(9)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、B 、B はそれぞれ独立に炭素原子または硫黄原子を表し、R 、R はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数を表す。)
  2. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(10)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、R 、R 10 、R 11 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数を表す。)
  3. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(17)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、R 14 、R 15 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Mは金属原子を表す。mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子またはC−Rbを表し、Rbは水素原子または置換基を表す。B は炭素原子または硫黄原子を表す。)
  4. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(18)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Mは金属原子を表し、mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子またはC−Rcを表し、Rcは水素原子または置換基を表す。)
  5. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(19)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、R 20 、R 21 、R 22 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Mは金属原子を表し、mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子またはC−Rdを表し、Rdは水素原子または置換基を表す。B は炭素原子または硫黄原子を表す。)
  6. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(20)で表される金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、R 23 、R 24 、R 25 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Mは金属原子を表し、mは1〜4の整数を表す。Xは窒素原子もしくはC−Reを表し、Reは水素原子または置換基を表す。)
  7. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(21)で表される金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (上記式中、R 26 、R 27 、R 28 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  8. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(22)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(22)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (式中、R 31 、R 33 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R 32 は置換基を表す。)
  9. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(24)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(24)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (式中、Y 41 は硫黄原子またはN−R 47 を表し、R 45 、R 46 、R 47 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、L 42 は二価の連結基を表し、nは0、1または2の整数を表す。)
  10. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(26)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(26)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (式中、Y は−N(R 54 )(R 55 )、−O−R 56 またはS−R 57 を表し、R 51 、R 52 、R 53 、R 54 、R 55 、R 56 、R 57 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、L 51 は二価の連結基を表し、nは0、1または2の整数を表す。)
  11. 少なくとも陽極、有機発光性物質を含む発光層および陰極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(27)で表される化合物を配位子とする金属錯体、または一般式(27)で表される化合物の脱プロトン化したアニオンを配位子とする金属錯体を発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004507420
    (式中、Y はOH、SHまたはNHR 62 を表し、Z は酸素原子、硫黄原子またはN−R 63 を表し、R 61 、R 62 およびR 63 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、W は芳香環を形成するのに必要な原子群を表し、形成される芳香環は、さらに置換基を有していてもよい。但し、W によって形成される芳香環が芳香族炭素環であり、Y がOHであり、かつZ が酸素原子の時、R 61 は炭素原子または窒素原子で結合する置換基を表す。また、W によって形成される芳香環が芳香族炭素環であり、Y がOHであり、かつZ がN−R 63 の時、R 61 とR 63 は結合して芳香環を形成することは無い。)
  12. 金属錯体の金属原子がホウ素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウム原子または亜鉛原子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 金属錯体の金属原子がホウ素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウム原子または亜鉛原子であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 金属錯体のMがリチウム原子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 金属錯体のMがセシウム原子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 金属錯体の金属原子がリチウム原子であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 金属錯体の金属原子がセシウム原子であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 金属錯体を、発光層と陰極との間に設けられた正孔阻止層に含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 金属錯体を、発光層と陰極との間に設けられた電子注入層に含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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