JP4507347B2 - エンジンのバランサ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、エンジンのバランサ装置に関する。
【従来の技術】
車両用エンジンにおいては、例えばピストン上下方向の往復運動によって発生する二次の慣性力に起因してクランクシャフトの回転バランスに不均衡が生じ、これが原因となってエンジンに上下振動が生じる。このため、特開平4−347032号公報に開示されたものでは、バランスウエイトが偏心して設けられた2本のバランサシャフトをケースに回転可能に保持して一組立体とし、バランスシャフトをクランクシャフトとギアを介して直接噛み合わせている。そして、バランスシャフトをクランクシャフトの回転力により相互に反対方向に回転させて、エンジンの振動を抑制している。
バランサ装置を取り付けるエンジンのブロックは、軽量化のためにアルミ系材料のような熱膨張係数の高い材料を用いて製造される場合がある。エンジン始動後、ブロックの温度上昇と共にブロックが熱膨張し、クランクシャフトとバランサシャフトの軸間距離の変化が大きくなる。この結果、両シャフトのギア間のバックラッシュも大きくなり、クランクシャフトが受けるトルク変動によってギアから大きな騒音が発生する。
【発明が解決しようとする課題】
故に、本発明は、騒音の少ないエンジンのバランサ装置を提供することを、その技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するための第1の技術的手段は、相対的に高い熱膨張率を持つ材料から製造されたエンジンブロックにクランクシャフトを支承すると共にこのクランクシャフトに第1ギアを配設し、バランスウエイトを備えたバランサシャフトをバランサケースに収納すると共にバランサシャフトに第2ギアを配設し、第1・第2ギアを直接または間接的に噛み合わせて、バランサシャフトをエンジンにより回転駆動させるエンジンのバランサ装置において、前記シリンダブロックに固設される柱状部を備え、相対的に低い熱膨張率を持つ材料から製造された中間部材を設け、前記バランサケースは前記中間部材を介して前記シリンダブロックに取り付けられ、前記中間部材は前記クランクシャフトを支持しないように構成したことである。上記手段によれば、エンジン運転時にはクランクシャフトが回転し、その回転は第1ギアおよび第2ギアを介して、バランサケース内に収納され、バランスウェイトを備えたバランサシャフトを回転させ、エンジンの二次の慣性力に起因する上下振動が抑制される。バランサケースをシリンダブロックに取り付ける中間部材は、エンジン運転時の熱を受けても熱膨張しにくい。
上記技術的課題を解決するための第2の技術的手段は、第1の技術手段に加えて、エンジンブロックをアルミ系材料から製造し、中間部材を鉄系材料から製造したことである。上記手段によれば、エンジン運転時の熱がエンジンブロックから中間部材に伝導しても、中間部材は鉄系材料で製造されており熱膨張しにくい。
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従ったエンジンのバランサ装置の実施の形態を図面に基づき、説明する。図1乃至図3において、エンジンのシリンダブロック11はアルミ系材料のような熱膨張率の高い材料を用いて製造されている。このシリンダブロック11には図示しないベアリングを介してクランクシャフト12が回転自在に支承されている。クランクシャフト12には図示しないコンロッドを介して図示しないピストンが係合している。また、シリンダブロック11の下面には開口部14が形成され、この開口部14においてクランクシャフト12には第1ギア13が配設されている。
図2乃至図5に示すように、ケース24は、下方向に開口した中空部25を有すると共に、その支承部28,29,30,31を介してバランサシャフト22,23を平行に且つ回転可能に支承している。支承部28乃至31には図示しないオイル供給路を介してオイルが強制的に供給されている。また、シャフト22,23にはそれぞれ、半円柱状のバランスウエイト26,27がその中央に一体的に成型されており、バランスウエイト26,27が中空部25内で回動する。
バランスウエイト26,27はシャフトとは別体成型し、シャフトにボルトなどで締結することもできる。バランサシャフト22,23上には互いに噛合するギヤ32,33が固定されており、シャフト22,23は互いに反対方向に回転する。バランスウエイト26,27は、バランサシャフト22,23の回転により図3において互いに正対するように、ギア32,33の噛み合い位置が決められている。バランサシャフト22上にはさらに第2ギア34が配設され、クランクシャフトの第1ギア13と噛み合う。これらギア32,33,34にも適宜方法によってオイルが供給される。
ケース24の下端面は、図5に示すように、蓋40が複数のボルト16により固定されて閉塞されている。ケース24は、その上端面を介して中間部材の板状の取付部17にボルト18を介して固設されている。図4に示すように、中間部材の取付部17はギア32,33,34やバランスウェイト26,27に対応する位置に開口41を有している。但し、バランスウェイト26,27の上面はケース24が覆っており、バランスウェイトにエンジンオイルがかからないようになっている。中間部材の取付部17に取り付けられたバランサケース24は、エンジンのシリンダブロック11に中間部材の柱状部15とボルト19を介して固設されている。ボルト19の先端は中間部材の柱状部15を貫通してシリンダブロック11の下端面にねじ込まれている。中間部材15,17は、たとえば鉄系の材料といった熱膨張率の小さい材料を用いて製造される。なお、ケース24はエンジンの図示しないオイルパン内部に配設される。このようにエンジンブロック11はアルミ系材料のような、相対的に熱膨張率の高い材料から製造され、中間部材15,17は鉄系材料のような相対的に熱膨張率の低い材料から製造される。
以上の構成から成る実施形態において、エンジンが始動されると、クランクシャフト12が回転し、その回転は第1ギア13および第2ギア34を介してバランサシャフト22に伝達され、両バランサシャフト22,23が相互に反対方向に回転され、エンジンの二次の慣性力に起因する上下振動が抑制される。
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、バランサケースをエンジンのシリンダブロックに、相対的に低い熱膨張率を持つ材料から製造された中間部材を介して取り付けたので、エンジン運転時の熱がエンジンブロックから中間部材に伝導しても、中間部材は熱膨張しにくい。従って、シリンダブロック側にある第1ギアとバランサケース側にある第2ギアの軸間の距離は、その変化量が最小限に抑えられ、両ギア間のバックラッシュの変化量も最小限となる。よってこのバックラッシュ量の増大に伴うギア騒音を最小限に抑えられる。
また、請求項2に記載の発明によれば、エンジン運転時の熱がエンジンブロックから中間部材に伝導しても、中間部材は鉄系材料で製造されており熱膨張しにくい。従って、請求項1同様に、第1,第2ギア間のバックラッシュ量の増大に伴うギア騒音を最小限に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従ったエンジンのバランサ装置の側面図である。
【図2】図1における、バランスウェイトの部分のみを透視した2−2矢視図である。
【図3】図2における3−3矢視図である。
【図4】図1における4−4矢視図である。
【図5】図1における5矢視図である。
【符号の説明】
11・・・エンジンブロック
12・・・クランクシャフト
13・・・第1ギア
26,27・・・バランスウエイト
22,23・・・バランサシャフト
24・・・バランサケース
34・・・第2ギア
15,17・・・中間部材
Claims (2)
- 相対的に高い熱膨張率を持つ材料から製造されたエンジンブロックにクランクシャフトを支承すると共にこのクランクシャフトに第1ギアを配設し、バランスウエイトを備えたバランサシャフトをバランサケースに収納すると共にバランサシャフトに第2ギアを配設し、第1・第2ギアを直接または間接的に噛み合わせて、バランサシャフトをエンジンにより回転駆動させるエンジンのバランサ装置において、
前記シリンダブロックに固設される柱状部を備え、相対的に低い熱膨張率を持つ材料から製造された中間部材を設け、
前記バランサケースは前記中間部材を介して前記シリンダブロックに取り付けられ、
前記中間部材は前記クランクシャフトを支持しない
ことを特徴とするエンジンのバランサ装置。 - 請求項1において、エンジンブロックがアルミ系材料から製造され、中間部材が鉄系材料から製造されていることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
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