JP4506915B2 - 脱酸素脱気装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
開示技術は、家庭用の水道管や冷却塔や各種工場のボイラー施設等の水利施設等における赤水や発錆防止のための脱酸素脱気装置の機構構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、市民生活の向上は各種産業の隆盛に支えられているところが大であり、当該市民生活や産業は両者相俟ってその質,量のアップが図られている。
【0003】
そして、当該市民生活や産業施設においては多くの水が利用されているが一般水はミネラルとしての溶解固形物、懸濁物、有機物、その他の揮発性成分を含有しているためにそのまま利用すると、腐蝕やスケール等の障害が起こる。
【0004】
水道管や冷却塔等の生活施設は勿論のこと、産業施設においてもボイラーや熱交換器等の各種の水利用施設が広く用いられるようになっており、而して、当該水利用施設によって使用される水は細菌等による汚染状態のない純粋で清浄な水であることが強く求められる水利用の水利施設が用いられているが、市水等の通常の水には通常数パーセントの溶存酸素が存在しており(飲料水に含まれる溶存酸素量は通常10℃にて10〜11ppm ,20℃にて8〜9ppm あり、この水中に溶存した酸素を減らすことで酸化反応を抑制することは分っている。)、かかる溶存酸素を含有しての水利施設を流過して用いられるプロセスにおいては、該溶存酸素が所謂家庭用の水道管や貯水タンク等では発錆を生じ、その結果、所謂赤水等が生じて飲用は勿論のこと、一般の生活用途には用いることが不適切である場合があり、又、生産設備等にあっては当該溶存酸素によるボイラー,バルブ等の発錆による経年的に機能が損われるという致命的な欠点があった。
【0005】
又、赤水は水道の鉄管が酸化して錆が出来、水が赤く濁ったものであり、受水槽で水を一度貯めるマンション等の集合住宅でも同じ現象が発生し、被害が多く、特に、40年代のビル建築ラッシュ期に亜鉛メッキ鋼管を用いて配設された水道施設を有する多くのビルに発生する赤水の被害は深刻である。
【0006】
その後、ライニング鋼管が開発され、近年給水管としても使用されているが、ネジで継ぎ合わせた先端部分は鉄が露出するのでそのライニング部分には異常がなくても、継ぎ目の僅かな鉄の露出部分に集中的に酸化現象の発生が見られ、コブ状に錆が成長し(所謂コブ錆)、赤水が発生するだけでなく、管路を狭くし、給水量の低下による機能の現象を来たしている。
【0007】
これに対し、溶存酸素を使用する市水等から除去するべくさまざまな技術が開発され、例えば、磁場処理法や静電処理法やイオン処理法や電子処理法や膜式処理法が案出されているが、前者の第一の処理方法は理論的に不可能な部分が多く、設計的に実効不可能であり、又、後者の第二の処理方法にあっては処理する水の質によって適用の可否の問題が多く、実用性に乏しいきらいがあり、又、第三の処理方法にあってはスケール分をコロイド状とするスケール防止法であるが、水洗を常時保つ必要があり、さもないと、スケールの付着が生じ、経時的に機能劣化を来たすネックがあり、第四の処理方法にあっては水に電子を与えた後、金属腐蝕時に金属から奪う電子を少くする技術であって腐蝕の主たる原因は脱気効果が薄いというデメリットがあり、又、最後の第五の処理方法にあっては膜の目詰りを生じることに対する前処理を必要とし、膜の劣化が生じ、更に、膜が樹脂製等であるため温度に弱く、したがって、膜の劣化が生じた場合に交換の必要が生じ、結果的にコスト高になるという不具合がある。
【0008】
これに対処するに、同一出願人の先願発明の特願平9−180312号(特開平11−10135号公報発明に開示されているものにあっては、水利施設に用いる水に対し超音波によるキャビテーション作用を介し溶存酸素を製造する技術等も開発されてはいる。
【0009】
即ち、当該在来技術に基づく脱酸素脱気装置を略説すると、1つのハウジングの中央部にキャビテーション発生室を設け、両側に隔壁を介しサイドフロー室を併設し、キャビテーション発生室内に市水源からの市水をポンプを介し拡大通路を介して下側から供給口に対し供給し、又、該キャビテーション発生室の下部に設けられた超音波発生装置により超音波を発生させて該キャビテーション発生室内に供給された市水にキャビテーションを付与し、該キャビテーション発生室の上部空間に対してはバキュームポンプにより700mmHg等に高度に真空化させ、該上部空間から脱気作用を行い、更に、該昇液機の側部の構下部連通孔からアンダーフローさせる水を両側のサイドフロー室の上部空間において制御装置により電磁バルブを相互に交互に切り換えて400mmHg等の低真空化状態にさせて脱酸素を助勢し、排水ポンプを介し脱酸素水を取り出すようにしていたものである。
【0010】
而して、ハウジングの隔壁を介して隔成された各キャビテーション発生室、及び、サイドフロー室の上部空間に対する真空度の調整と交互切り換えは、制御装置による電磁バルブの所定プログラムによる切り換えを介して通路を介しミストセパレターを通して脱気された酸素を排気するようにしていた。
【0011】
而しながら、当該先願発明にあっては初期にキャビテーション発生を起こさせるために該キャビテーション発生エネルギーを要し、機構が複雑になる次点があり管理操作が煩瑣となる難点もあり、又、装置が大がかりになり、コンパクト化を阻止するうえにコスト高になるという不利点があった。
【0012】
又、ボイラー水に対しヒドラジン等の薬剤を投入して脱酸素を図る技術もあるが、該種薬剤は近時発癌性が認められる等のために常用的な使用が妨げられるマイナス点がある。
【0013】
又、市水に対してはポリリン酸水溶液、及び、メタケイ酸ソーダ(食品添加物して認可)を受水槽に注入し、リン酸と鉄を反応させ赤い色を消す方法等もあるが、常時当該薬品注入が必要であり,防錆管理責任者のもとでの注入濃度管理が厳重に求められ、長期間の飲用によってはは体内のカルシウム減となり、骨がもろくなる可能性がある不都合さがあるものである。
【0014】
又、過密地帯の河川では工場排水や,都市の終末処理場からの放水と洗浄場の取水口が交互に存在する態様が多く、そのために色々な細菌や有機物が水に混ざり、したがって、大量の殺菌用塩素剤等の投入がなされることもあってクロロホルム系の人体に有害なトリハロメタンの成長も指摘されているデメリットも生ずるに至っている。
【0015】
そして、脱酸素剤等の所謂垂れ流し等の使い捨てによる汚染等が生じ、更に省エネルギー等の幾多の問題が生じている。
【0016】
そして、一旦上記赤水の発生や錆発生が生ずると、当該水利施設等を全体的に交換しなければならず、当該交換に要する工事や費用を要しメンテナンスコストを発生するデメリットを生ずるという不利点があった。
【0017】
そして、薬品投入処理にあっても薬害発生の虞もあるネックがあった。
【0018】
しかしながら、該種開発された脱酸素脱気装置の技術にあっては前述の如く構造が複雑でコスト高の割合には脱酸素の実効性が薄いという不具合があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該種在来態様で案出されている脱酸素脱気装置にあっては次のような実用性に乏しい問題があった。
【0020】
即ち、キャビテーション発生室に於ける超音波発生装置を介してのキャビテーション作用による酸素を含む気泡による溶存酸素の分離と所定濃度の殺菌剤としての塩素の溶存を許容する利点はあるものの、キャビテーション発生室の両側のサイドフロー室に於ける交互の脱酸素の助勢を行うべく、上部の高度の真空空間に対する電磁バルブの切り換えを制御装置を介して行わねばならず、その操作は勿論のこと、管理制御が煩瑣であり、装置構造が複雑であるという欠点があり、したがって、当然上述の如く初期製造組付にかかわるイニシャルコストは勿論のこと、メンテナンスコストも多くかかるというデメリットがあり、しかも、両サイドのサイドフロー室での脱酸素が交互に電磁バルブを介して行わねばならず、又、キャビテーション発生室に比し、当該両サイドのサイドフロー室の真空度が低いために、脱酸素の助勢がそれ程良好ではなく、ポンプを介しての排水の脱酸素の度合が設計通りにはいかないという不都合さがあった。
【0021】
【発明の目的】
この出願の発明の目的は上述従来技術に基づく脱酸素水製造装置の問題点を解決すべき技術的課題とし、キャビテーションを介し脱酸素脱気する実質的に無効果な不利点を有し、且つ、殺菌剤等の塩素の所定量の溶存を確実に許容し、装置をコンパクト化し、構造が簡単でシンプルであるようにし操作制御管理がし易く、設計通りの溶存酸素を除去することが出来るようにして使い勝手が良く、そのうえ、省エネルギータイプで低コストで操作が簡便に出来、耐久性も良好であるようにし、各種産業における水利施設利用分野に益する優れた脱酸素脱気装置を提供せんとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述課題を解決するために、家庭用の水道水の配管や貯水槽等の民生用の水利施設や工場のボイラー等の産業用水利用施設において使用する利用水中に溶存している酸素による赤水発生や発錆等を防止するべく、当該水利用施設の利用水中の溶存酸素を除去するに際し、1つのハウジング内の上部空間をバキュームポンプ等の真空排気装置に接続させ、高度な真空空間とし該ハウジング内の中央部には供給される市水に対する昇液機構を設けられて昇液機構の下部に給水口を設け、該給水口に接続するポンプを介し、拡大通路より、給水された水に昇液を施し酸素の溶存した給水を上昇させて上部の真空排気装置に接続された高度の真空空間部に薄膜状の表層流としてオーバーフローを行わしめ、第一義的に脱気を行わしめるようにさせ、この際、補助的に昇液機構内等に機械的昇液装置を設ける等し、当該利用水中に溶存している酸素の一部を脱気し、而して、当該昇液機構の隔壁を介して側設したサイドフロー室に対し該昇液機構からオーバーフローしたほとんどの溶存酸素を脱気した水を分散装置に対して砕裂させて該分散機構により表面積を大きくし気泡の分離を促進して雨垂状に散水落下させてそのプロセスにおいて第二義的に脱気して、サイドフロー室においても排出口に至るまで滞溜させている間に上部の高度な真空空間部が昇液機構の上部空間と同様に同一真空排気装置に接続されて所定の真空状態にしていることにより、助勢的な溶存酸素の脱気が第三義的になされるようにし、更に、両サイドフロー室からはポンプを介し1本の通路が上部の隔壁上の空間に設置されたスプレー装置に接続されて各サイドフロー室からの水を循環裡に上部空間で分散機構をカバーするようにスプレーし、該スプレーのノズルから微粒状に分散装置の全域をカバーするように噴出される水が真空作用により第四義的に確実に溶存酸素を脱気するようにされて次段の利用機器類に排水されるようにし上記サイドフロー室等の水レベルは水位計により最適レベルに調整されるようにした技術的手段を講じたものである。
【0023】
【作用】
上述構成において、1つのハウジングの中央部に形成された昇液機構に給水された市水等は該所定部位に設けたポンプにより揚昇作用を受け昇液機構の上部を介して側部に設けた分散板機構にオーバーフローし、脱気作用を受けて上部空間の真空排気装置に接続されている真空状態により上記オーバーフローする薄層流の表層流の該真空間に触れることで溶存酸素が第一義的に脱気され、更に、上記昇液作用に補助的に機械的昇液装置を設ける等し、該分散板機構から側部のサイドフロー室に対するオーバーフロー的な流過プロセスにおいて各種の一般市販の分散ピースを充填した分散機構により、生成した微粒液部分が細分化、薄膜化し、溶存酸素が第二義的に脱気され、アンダーフローして隣位するサイドフロー室に於いて浮上する間に溶存酸素は微細気泡化して上部の真空空間に於いて溶存酸素を第三義的に脱気するようにされ、更には、該サイドフロー室から他のポンプを介し上部空間に設けられたスプレー装置から上記分散機構をカバーするようにスプレーされて微細液粒状部分から確実に第四義的に最終的に溶存酸素が脱気され、赤水や発錆現象が防止され、しかも、脱酸素脱気装置の構造が簡単でイニシャルコストは勿論のこと、メンテナンス等のランニングコストも安く済み、耐久性が良好で操作管理制御が容易であり、余分なメンテナンスが必要でないようにされている。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の実施しようとする形態を実施例の態様として図1〜図8に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0025】
図示実施例の態様は家庭用の水道管や浄水タンク等の民生用水利施設の市水に対する脱酸素脱気の態様である。
【0026】
図1に示す実施例の態様において、1´はこの出願の発明の要旨の中心を成す脱酸素脱気装置であり、そのタンクタイプのハウジング21は全体として1つだけ形成されており、その内側の中心部、又は、側部には有底筒状の昇液機構16を有すると共に外側に筒状の隔壁21´´を有して設けられてその外側のサイドフロー室21´´´が断面リング状に構成されている。
【0027】
尚、該昇液機構16の内部にはスクリュー式等の機械的揚昇装置が補助的に配設されて該昇液機構16の市水を圧送ポンプ12の補助装置として強制攪拌揚液して上端からの薄層流の表層流を分散オーバーフローさせるようにされることもある。
【0028】
この場合は、昇液機構16の下側に機械的揚昇装置の駆動装置としてののモーターがミッションを介して配設される。
【0029】
そして、該昇液機構16と隔壁21´´の下部にはスリット状のリング状間隙17が形成されて昇液機構16とその外側のサイドフロー室21´´´とを下部で連通状態にしており、該昇液機構16の底部の側室部に市水タンク11から当該市水11´をポンプ12を介して供給する通路13が開口して接続されている。
【0030】
尚、該市水11´は使用温度に対し飽和溶存酸素、及び、殺菌剤としての塩素を数ppm 以上含有する通常の市水である。
【0031】
そして、昇液機構16内に供給された市水に対し、揚昇液流16´´が発生するようにされており、又、該昇液機構16の上部16´´からのオーバーフローが薄層流を形成するように昇液パイプの(昇液機構)の太さを設計されており、該昇液機構16とその外側の隔壁21´´との間には該昇液機構16から薄層流を表層流としてオーバーフローする気泡混じりの水を分散板18´,18´´を介し分散する分散リングが図7に示す様に、一般市販の所定形状の充填物等分散体18´´´の分散板機構18として介装されている。
【0032】
又、該分散板機構18と昇液機構16の上端部16´´には、図3,4に示す様な上記分散体18´´が重畳され、図5に示す様に板体の一般部19に小凸の縁部を有する小孔19´を有しており、一方の分散板18´は中央の昇液機構の筒体の上部の突起部により該昇液機構16に嵌着されており、分散板体18´´は隔壁21´´上部の図示しない突起部により嵌着されている。
【0033】
而して、分散体18´の小孔、及び、縁よりオーバーフローした水の約半分は分散体18´´´の分散ピースに注がれ、外周りの半分は、分散体18´´にうけられ更に、小孔19、及び、縁部よりオーバーフローし分散ピース18´´´に落ちて、分散を広く行う。
【0034】
又、ハウジング21の上部真空室5からは真空排気通路6´が真空排気装置の排気ポンプ8により周公知のミストセパレーター9,9´を介し脱気された酸素を排気するようにされている。
【0035】
そして、該ハウジング21の下部には一般の水道の蛇口や冷却塔等への所定の水処理装置へポンプ15を介し連通する通路が接続されている。
【0036】
したがって、当該実施例において明示されている如く、前述在来態様のように電磁バルブ等は真空排気通路6´には1つも介装されてはいないものである。尚、6´´は上部真空室5の真空度を調整するバルブである。
【0037】
又、24はハウジング21内の水面を計測する電極タイプ等の液面計であり、上部の端子箱24´に接続されてサイドフロー室21´´´の水面が分散機構18の分散ピース群18´´´よりは常に下位設定レベルにあるようにし、且つ、サイドフロー室21´´´の水面が空にならないように低水位でコントロール出来るように端子箱24´の液面計24と電磁弁12´を連動し電磁弁12´のON/OFFで供給と排水をコントロールするようにされている。(水位が設定水位以下になると引出ポンプ15が空運転になり故障の原因となるからである。)
【0038】
尚、21´´´はハウジング21内の仕切筒である。
【0039】
上述構成において、市水タンク11から8%程度の溶存酸素を含有し塩素等を所定量含有する市水11´をポンプ12を介し昇液機構16内へ供給すると共に、揚昇流16´´が発生すると、拡大通路としての揚昇機構16による筒体16´の上端部16´´´を介して、又、拡大通路により内在する気泡が膨大して減圧され、薄層流を表層流としてオーバーフローし気泡まじりの水の気泡はハウジング21の上部空間51内の700mmHg等の高真空により第一義的に脱酸素されて排気ポンプ8を介し外気に排気されていく。
【0040】
該昇液機構16の上端部16´´から万遍なくオーバーフローする水は薄層流の表層流として分散板18´,18´´の孔19、及び、縁部から分散機構18に落下砕裂される。
【0041】
而して、連続的に供給される市水11´は昇液機構16の上部からオーバーフローしてその外側の隔壁21´´とのリング状空間内に介装された分散機構18の分散ピース体18´´´を介し脱気表面積を大きくしながら、雨垂式に下降してそのプロセスにおいて微細化された気泡混じりの水は第二義的に脱気され、リング状の間隙17からサイドフロー室21´´´内へアンダーフローして供給され、該サイドフロー室21´´´はその上部空間51を介して上部真空室5に露呈されているために、同様に700mmHg等の高真空にされて分散機構18のみによって昇液機構16から充分に脱酸素されなかった気泡部分をより細気泡に分散攪拌された状態で該サイドフロー室21´´´の滞溜中に於いて、上部の高度に真空化された空間51において第三義的に脱気され、ポンプ15により脱酸素された市水が次段の所定の水利施設に排出されて行く。
【0042】
而して、図2に示す実施例の態様においては上述実施例の脱酸素をより更に効果的に行う態様であり、昇液機構16の外側のサイドフロー室21´´´からポンプ15´´を介し循環通路19を介し上部空間51に所定に配設されたスプレーノズル20に昇液機構16の薄層流、表層流としてオーバーフローする中途で脱気された市水11´中に溶存する酸素気泡を含む市水11´をスプレーして微細霧状に分散して上部空間51に該スプレーされた微細霧状の酸素気泡をミストセパレーター9,9´、排気ポンプ8により通路6´を介してより更に、第四義的に脱気して完全に近く脱酸素させ、設計通りの脱酸素された水をポンプ15より所定の水利施設に排水するようにされている態様であり、当該実施例においては分散機構18とスプレーノズル20により設計通りの確実な脱酸素水が得られるものである。
【0043】
そして、当該実施例における20℃30Torr,40℃90Torrでのスプレー前の溶存酸素のグラフ図8の(イ)とスプレー処理されたグラフ(ロ),(ロ´)の図8に示すグラフ(横軸に排出量(l /h )を、縦軸に溶存酸素(mmg /l )をとる)のように効果は明らかであることが実験的に分った。
【0044】
尚、この出願の発明の実施態様は上述各実施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、スプレーや分散機構は上下方向に二重三重に配設したり、又、スプレー範囲は、分散機構の一部、或いは、全部をカバーしたり、又、その全領域外にも及ぶようにする等種々の態様が採用可能である。
【0045】
又、設計変更的には昇液機構16はハウジング21の中央部に設置するとは限らず、所望位置に任意に配設することが出来るものである。
【0046】
そして、適用対象の水利施設は水道や冷却塔等の民生機器やボイラー等の生産機器のみならず、医療装置や原子力機関等に用いられる各種の水利施設に適用出来ることは勿論のことである。
【0047】
又、昇液機構としては、吹層流発生装置等の流体的発生装置におき代えて使用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、基本的に民生機器や産業施設等に用いる水利施設において利用される市水等の水に含有される溶存酸素を設計通りに脱酸素された水を製造することが出来るために、使用する水による赤水の発生や各種の水利施設における発錆を防止出来るという実用性がある脱酸素脱気が確実に製造出来るという優れた効果が奏される。
【0049】
而して、この出願の発明における脱酸素脱気装置は機械的なキャビテーション発生装置がなく、構造が簡単で多数の切換用の電磁バルブや水位制御計等用いなくて済むために、製造が簡単で、しかも、製造組付等のイニシャルコストは勿論のこと、機能維持の耐久性が良好であるために、メンテナンスコストやランニングコストも安く、操作能率も極めて良いという優れた効果が奏される。
【0050】
そして、構造が簡単であるために、そのサイズ等もコンパクト化が出来るために、家庭用や小規模工場や研究機関等は勿論のこと、大規模生産工場や研究所等の各種施設に大型のものを用いることが出来る等の柔軟性があるという利点もある。
【0051】
而して、タンクタイプの1基のハウジング内に昇液機構を設け、その外側に隔壁を介しサイドフロー室を設け、該隔壁と該昇液機構との間に分散ピース群を充填するような分散機構が設けられていることにより、昇液機構に下側から供給された市水等の水に昇液流を介し含有している酸素気泡を上部空間の真空室で第一義的に吸引脱気し、脱気しきれなかった微細な気泡を含有するオーバーフローする薄層流の表層流を分散機構を介し外側のサイドフロー室にサイドフロー的に連通させて第二義的に脱酸素させ、更に、上部の共通の高度真空空間において再度高度真空にさらすことにより、第一義的,第二義的な昇液機構に於けるオーバーフローする薄層流の表層流に加えて第三義的に確実に設計通りの脱酸素が行われるという優れた効果が奏される。
【0052】
又、システムの稼働を間欠運転にし、上部空間の真空室の真空の度合を調節することにより市水等に溶存している塩素等の消毒剤の溶存状態を水道法に定められている遊離残留塩素を所定量含有したまま残存させることが出来るという優れた効果が奏される。
【0053】
而して、外側のサイドフロー室から循環通路を介し上部空間の真空室に設けられたスプレー装置に上述第一義的に脱気、及び、第二義的,第三義的に脱気された水を当該スプレーにより高度真空空間において第四義的に脱気することが出来るために、設計通りの脱酸素水が確実に得られるという効果があり、赤水や錆発生の状態が確実に避けられるという優れた効果が奏される。
【0054】
加えて、塩素系殺菌剤の脱気は抑制され、市水等の衛生状態も保証されるという優れた効果が奏される。
【0055】
而して、水道水にあっては水道法に規定されている遊離残留塩素0.1ppm 以上の保持を許容するように運転システムがとれる。
【0056】
又、この出願の発明の脱酸素脱気装置は酸素の脱気のみならず、新しい用途として発癌性物質のトリハロメタン,トリクロロエチレン等の揮発性成分、その他の塩素の誘導する有害物質の除去にも効果が発揮され、脱酸素剤が不要になり発癌性のヒドラジン等の使用も要しないため衛生的であるメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施例の全体概略断面図である。
【図2】他の実施例の全体構造側断面図である。
【図3】上側の分散板の平面図である。
【図4】下側の分散板の平面図である。
【図5】図3,4のA−A´ の断面側面図である。
【図6】(イ)は、分散機構のピースの一態様の斜視図であり(ロ)は、他の態様の斜視図である。
【図7】分散機構の部分斜視図である。
【図8】この出願の発明の実施例と従来例の溶存酸素の比較グラフ図である。
【符号の説明】
8 排液装置(排気ポンプ)
21 ハウジング
16 昇液機構(円筒)
14´ 給水口
21´´´ サイドフロー室
1´ 脱酸素脱気装置
18 分散機構(分散充填物ピース群)
51 上部空間
20 スプレー装置
23 機械的攪拌揚昇装置
16´´ メッシュ体部

Claims (1)

  1. キャビテーション装置を用いない脱酸素脱気装置であって、ハウジング内を真空状態にして該ハウジング内で水を脱酸素脱気するための脱酸素脱気装置において、
    真空排気装置に接続されているハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられた筒状の昇液機構と、
    前記昇液機構の上端から溢れ落ちた水を薄膜状に分散させる分散板と、
    前記分散板から落下した水を更に分散させる分散機構と、を有しており、
    前記分散板は水平に設けられ、凸状の縁部で囲まれた複数の孔と、分散板の外周に設けられた凸状の縁部と、を有しており、
    前記昇液機構の上端から溢れ落ちた水は、前記水平の分散板上で薄膜状に分散し、該分散板の外周と複数の孔から溢れ落ちることを特徴とする脱酸素脱気装置。
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