JPH0938407A - 多段流液板式混合脱泡装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜面積を出来るだけ多くとり、真空脱泡の
ための脱気チャンスを増やす。 【解決手段】 真空槽１の中心に立設した揚液管２内に
スクリューポンプ５を設け、揚液管２の外側に傘状流液
板３と漏斗状流液板４を交互に多段に設けた多段流液板
式混合脱泡装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂、セラミ
ックなどの液状の高粘度物質の混合ならびに脱泡を行う
多段流液板式混合脱泡装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来揚液管上端部には、周囲の真空槽側
壁に向かって、傘状に広がる流液板が一段だけ設けられ
ているが、その方法では薄膜状脱泡に必要な薄膜流液形
成時間と面積が充分にとれないため、繰り返し揚液を行
わざるを得ないのが実状であった。

【０００３】従って、結果的に脱泡に長時間かかり、能
率が悪く、これの改善が必要となっていた。又、揚液管
の下端部からスクリューポンプで吸引し、揚液管へ送り
込む力が弱く、液の粘度が低いと、必要高さまで揚液出
来ないという問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決するためになされたものであり、薄膜面積
を出来るだけ多くとり、真空脱泡のための脱気チャンス
を増やすことを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、真空槽の中心
に立設した揚液管内にスクリューポンプを設け、揚液管
の外側に傘状流液板と漏斗状流液板を交互に多段に設け
た多段流液板式混合脱泡装置からなり、さらにスクリュ
ーポンプの下部には攪拌ブレードを、また、揚液管の下
部には複数のバッフルプレートを設けるようにした多段
流液板式混合脱泡装置からなる。

【０００６】

【発明の実施の形態】真空槽１の中心部に上方からスク
リューポンプ５を垂下し、その下端には攪拌ブレード７
を固設し、スクリューポンプ５の上端にはそれを駆動す
るモーター６を取付ける。そしてスクリューポンプ５を
包囲するごとく形成した揚液管２の下方には、攪拌ブレ
ード７に向かって複数のバッフルプレート８を取付け
る。

【０００７】また一方、揚液管２を中心とするごとくそ
の外側に、真空槽の内壁に向かって傘状流液板３と漏斗
状流液板４とを上方から多段に交互に設置する。しかし
て合成樹脂などの高粘度物質からなる液Ａを、真空槽１
の原料投入口９から投入し、次いで真空槽内を真空にし
て脱泡を開始するが、真空槽１に投入された原料液Ａ
は、モーター６の回転によりスクリューポンプ５が回転
を開始し、スクリューポンプ５の回転によりスクリュー
ポンプ５の下端から上方に揚液管２内を通って上昇する
が、揚液管２の下端部外周に複数枚のバッフルプレート
８を固設しているので、それらが原料液Ａのスクリュー
ポンプ５内への吸引ガイドとして作用し、容易かつ効率
的に液Ａのスクリューポンプ５内への吸引を促進する。
そのために必然的に液Ａの揚液高さをも高くすることが
できるのである。

【０００８】さらに本発明では、真空槽１の内壁に沿っ
て回転するように攪拌ブレード７をスクリューポンプ５
の回転軸の下端部に固設したので、スクリューポンプ５
の回転と一緒に回転し、液Ａの攪拌を充分に行うことが
できる。かくして液Ａが揚液管２内を上昇してその上端
に達すると、そこには傘状流液板３が揚液管２の外周に
設けてあるので、上昇してきた液Ａはその傘状流液板３
上に分配され、傘状流液板３の全面にわたって薄膜状と
なって流下する。その流下した液Ａを受け止めるように
今度は先の傘状流液板３の下方には漏斗状流液板４を設
けているので、今度は先の傘状流液板３で拡がった液Ａ
は漏斗状流液板４に乗り移り、今度はその漏斗状流液板
４によって中心部に向かって、つまり揚液管２の方向に
向かって再び薄膜状を呈しながら集められる。

【０００９】このように傘状流液板３と漏斗状流液板４
とを交互に揚液管２の上方から下方に向かって順次多数
多段に配設してあるので、揚液は上方から下方に向かっ
て複数回拡開と集合を繰返しながら薄膜を形成して充分
な脱泡を行うのである。また、モーター６の回転数を調
節可能にしてあるので、その回転数の変更によってスク
リューポンプの回転、並びに攪拌ブレードの回転数を調
節することができる。

【００１０】かくして、真空槽１の下部に溜まった液Ａ
は、スクリューポンプ５に取付けられた攪拌ブレード７
が同時に回転するため、液がよく攪拌され脱泡作用を助
ける。そして混合脱泡を完了した液Ａは排出弁１０を経
由して排出口１１から外部に取り出され、所期の目的を
達成することができるのである。

【００１１】

【発明の効果】

１．揚液管のまわりに上方から下方にわたって複数の傘
状流液板と漏斗状流液板を交互に配設したので、小さい
床面積で大きい液の薄膜形成面積を作ることができるの
で脱泡効率を向上させることができる。 ２．揚液管の下方周囲に複数のバッフルプレートを固設
し、それを囲むように攪拌ブレードを配して、その攪拌
ブレードを回転させるので、バッフルプレートと攪拌ブ
レードとの組合せにより液の混合をほゞ完全に行うこと
ができるだけでなく、バッフルプレートが液の揚液管内
への案内の作用をすることができるので、攪拌ブレード
との相互作用により液の揚液管への導入を容易に、かつ
確実に行うことができる。 ３．真空下で完全な混合を行うと共に、床面積の大きさ
に対する液の薄膜形成面積を極めて大きくとることがで
きるので設備費が安くて、しかも効率的な脱泡を行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の多段流液板式混合脱泡装置の側断面図
である。

【図２】本発明の多段流液板式混合脱泡装置の攪拌プレ
ードとバッフルプレートを示す要部側断面図である。

【図３】本発明の多段流液板式混合脱泡装置の攪拌ブレ
ードとバッフルプレートを示す要部平断面図である。

【符号の説明】

１ 真空槽 ２ 揚液管 ３ 傘状流液板 ４ 漏斗状流液板 ５ スクリューポンプ ７ 攪拌ブレード ８ バッフルプレート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 真空槽の中心に立設した揚液管内にスク
   リューポンプを設け、揚液管の外側に傘状流液板と漏斗
   状流液板を交互に多段に設けた多段流液板式混合脱泡装
   置。
2. 【請求項２】 スクリューポンプの下部には攪拌ブレー
   ドを取付けた請求項１の多段流液板式混合脱泡装置。
3. 【請求項３】 揚液管の下部には複数のバッフルプレー
   トを設けた請求項１の多段流液板式混合脱泡装置。