JP4506175B2 - 運指表示装置及びそのプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、木管楽器のトリル・トレモロ運指の学習を支援する運指表示装置が開示されている。同文献によると、この装置は、トリル・トレモロ演奏する2つの音高と対応する各運指を交互に表示するようになっている。また、特許文献2には、曲の進行に応じたきめ細かな運指のガイドを実現する運指表示装置が開示されている。同文献によると、この装置は、鍵盤楽器のある鍵盤を離鍵してから別の鍵盤を操作するまでの運指の変遷を示す一連の画像を楽曲の進行と合わせて順次表示するようになっている。特許文献3には、運指の学習時に参照されるべき手指の動きを少ないデータ量で記憶可能とした運指データ作成装置が開示されている。同文献によると、この装置は、記憶モードと再生モードとを適宜選択可能になっており、記憶モード時は、楽器演奏者の運指をいわゆるモーションキャプチャ技術を用いて撮像し、各手指の関節部分のみの動きを一連の運指データとして取り込む。そして、再生モード時は、各運指データに基づいてポリゴン等として作成した画像データを楽曲のテンポに合わせて順次表示する。
しかしながら、これまでに提案されてきた運指表示装置は、すべて単一の調(多くはC調)に従って楽曲の内容を定義した演奏データのみを準備しており、この演奏データが示すキーと予め対応づけられていた運指を学習者に提示するに過ぎず、移調楽器の運指の習得には不向きであった。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、管楽器の学習者に対し、楽器の特性や学習者のレベルが加味された好適な運指を案内する運指表示装置を提供することを目的とする。
また、前記運指表示制御手段は、前記修正された階名が複数の運指情報と対応付けて記憶されているとき、それら複数の運指情報のうちから所定の基準に従って一の運指情報を選択し、選択した運指情報が示す運指を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
前記楽曲構成音特定情報を基に生成した楽音を楽曲の進行に従って順次出力する楽音出力手段と、前記楽曲の進行の停止状態を検出する停止検出手段とを備え、前記運指表示制御手段は、前記停止検出手段によって楽曲の進行の停止状態が検出されている間、前記運指を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
また、前記運指表示制御手段は、前記修正された階名に複数の代替運指情報が対応付けて記憶されているときは、それら複数の代替運指情報のうちから所定の基準に従って1の運指情報を選択し、選択した代替運指情報が示す運指を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
また、前記運指情報記憶手段の各運指情報が示す運指で演奏を行なうときの楽器の物理的状態を定量的に表す物理情報を前記各運指情報に各々対応付けて記憶した物理情報記憶手段と、前記楽曲構成音特定情報の音符群のうち連結音として演奏すべき各音符列を、その連結音の奏法を指定する楽譜記号と各々対応付けて表した楽譜記号情報を記憶する楽譜記号情報記憶手段とを備え、前記運指情報記憶手段は、同一音高を演奏可能な1又は複数の運指を示す運指情報の各階名毎のセットを記憶し、前記音符特定手段は、前記楽曲構成音特定情報が表す音符群から、演奏音符とその前後に演奏されるべき各音符をそれぞれ特定し、前記演奏音符とその前の音符とを含む音符列と対応付けた楽譜記号が存在するか、及び前記演奏音符とその後の音符とを含む音符列と対応付けた楽譜記号が存在するかを、前記楽譜記号情報記憶手段の楽譜記号情報を基にそれぞれ判断し、前記演奏音符とその前又は後の音符とを含む音符列と対応付けた楽譜記号が存在すると判断した場合に、前記修正手段により修正された該音符列の各音符の階名と対応付けられた1又は複数の運指情報を前記運指情報記憶手段からそれぞれ特定する運指特定手段と、前記運指特定手段が特定した各音符に対応する運指情報からそれぞれ1つずつ選択して得られる組み合せのうち、両運指情報が示す運指相互の物理的状態の差が最も小さくなる組み合わせを、それらの運指情報に対応付けて前記物理情報記憶手段に記憶されている各物理情報を基に選択する選択手段とを備え、前記運指表示制御手段は、前記選択手段による選択結果を基に特定した両運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した両運指情報が示す各運指をその演奏順序に従って前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態にかかる運指表示装置の特徴は、管楽器の運指を学習する者(以下、「学習者」と呼ぶ)に対し、その管楽器の種類に応じた個別の移調楽譜を提示すると共に、移調を考慮した好適な運指を楽曲の進行に合わせて順次案内するようにした点である。
以降の説明において、楽音の音高を表すため所定の調に従って割り振られた各音高の階名を「音名」と呼ぶ。また、「基準となる調」とは、C調を意味する。そして、この「基準となる調」に従った音名で示される音を「実音」と呼び、「基準となる調」とは異なる、各管楽器毎の固有の調に従った音名で移調楽譜上に示される音を「記譜音」と呼ぶ。
図2は、移調量データベースのデータ構造図である。このデータベースを構成する1つのレコードは、「楽器名称」と、「楽器種別」と、「移調情報」の3つのフィールドを有している。「楽器名称」のフィールドには、トランペットやクラリネットといったような各種管楽器の名称を記憶する。「楽器種別」のフィールドには、それら楽器の種別を記憶する。例えば、トランペットとクラリネットは、共に「B♭管」であり、楽器の種別は共通している。「移調情報」のフィールドには、それら各管楽器に固有の調の、基準となる調(C調)に対する移調量を示す移調情報を、半音毎の尺度で示す数値として記憶している。例えば、図2の1番上のレコードには、トランペットと対応付けて「−2」という移調情報が記憶されているが、これは、B♭管であるトランペットが、基準となる調(C調)よりも半音2つ分低い音高となっていることを意味している。逆に言うと、トランペットで実音Cを鳴らすためには、記譜音Dの運指で演奏する必要がある。
図3は、トランペットについて設けられた運指データベースのデータ構造図である。このデータベースを構成する1つのレコードは、「音名」と「運指」の2つのフィールドを有している。「音名」のフィールドには、管楽器の記譜音の音名を示す情報が記憶されている。「運指」のフィールドには運指情報を記憶する。この運指情報は、各音名の音を鳴らす際に手指によって押下されるべきキーの番号を組み合わせた文字列である。トランペットの場合、3つのキーによって音高を調節するようになっており、運指情報は、3つのキー番号と各々が対応する「1」、「2」、「3」、そしてどのキーも押さないことを示す「0」の各文字の組み合わせによって、運指の状態を表している。例えば、図3の1番上のレコードには、「C4」という音名と「“0”」という運指情報とが対応付けられているが、これは、トランペットによって「C4」の音を鳴らす際は、図4(a)のように、いずれのキーも押下する必要が無いことを表している。また、図3の上から2番目のレコードには、「C♯4」という音名と「“12”」という運指情報とが対応付けられているが、これは、「C4」よりも半音高い「C♯4」の音を鳴らす際は、図4(b)のように、1番キーと2番キーとを押下する必要があることを表している。
ここでは、トランペットの例のみを挙げたが、当然ながら、管楽器はその種別に応じてキーの総数も異なる。従って、各運指データベースは、各楽器が備えるキーの総数に応じた異なる体系の文字列を用いた運指情報により、運指の内容を表している。
RAM13は、CPU11が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリ等として使用される。
MIDIインターフェース(I/F)14は、外部の電子楽器21との間でMIDI信号のやりとりを行うためのインターフェースである。
操作子22は、各種入力を行なうためのマウス、キーボード等を含んで構成される。
ディスプレイ23は、コンピュータディスプレイである。表示回路16は、CPU11の指令を基にこのディスプレイ23を駆動させることによって、各種情報を表示させる。
通信インターフェース(I/F)19は、例えば、LANやインターネット、電話回線などの有線又は無線の通信ネットワークに接続されている。そして、この通信ネットワークを介して、図示しないサーバコンピュータから、楽曲情報などの各種データを受信する。
論理楽譜情報は、音符情報と、休符情報と、楽譜記号情報とを含んでいる。
音符情報は、移調楽譜に記される記譜音の音高とその音符種別とを表す。音符の種別は4分音符を基準とし、この4分音符の音長を「1」とした場合の相対音長を表す数によって他の音符の種別を表している。例えば、同図における1番最初の音符情報が示す種別「2」は、4分音符2つ分の音長に相当する2分音符を表し、4番目の音符情報が示す種別「0.5」は、4分音符の半分の音長に相当する8分音符を表す。一方、音符の音高は、記譜音のC(ド)を基準音とし、このC音を「0」とした場合の半音の高低差を「1」として他の記譜音の音高を表している。例えば、同図における2番目の音符情報が示す音高「2」はCよりも半音2つ分高いDであることを示し、4番目の音符情報が示す音高「4」はCよりも半音4つ分高いEであることを示している。
また、休符情報は、4分休符の長さを「1」として他の休符の種別を示している。
楽譜記号情報は、特定の奏法で演奏すべきことを示す各楽譜記号を、それらの奏法で演
奏されるべき音符と対応付けて指定している。楽譜記号には、単一音についての奏法を指定する楽譜記号と、連結音についての奏法を指定する楽譜記号とがある。前者の楽譜記号には、スタッカート、テヌートなどがあり、後者の楽譜記号には、スラー、トリル、装飾音などがある。ここで、前者の楽譜記号は1つの音符情報と対応付けて記憶されるのに対し、後者の楽譜記号はその楽譜記号で演奏すべき一続きの音符(以下、「音符列」と呼ぶ。各実施形態でも同じ。)と対応付けて記憶されることになっている。たとえば、図5においては、「スラー」の楽譜記号情報が、1番目の音符情報と2番目の音符情報の組と対応付けて記憶されているが、これは、1番目と音符と2番目の音符とからなる音符列が、スラーをかけて演奏されるべきことを示している。
図6は、楽譜表示処理を示すフローチャートである。
本実施形態にかかる運指表示装置の起動が指示されると、CPU11はまず、楽器選択画面をディスプレイ23に表示させる(S110)。この画面には、「運指の練習を行う管楽器を選択してください。」といったメッセージと、「トランペット」、「クラリネット」、「ホルン」といったような各種管楽器の名称とが表示される。学習者は、自らが演奏する楽器の名称にカーソルを移動して、これを選択する。
続いて、CPU11は、楽曲選択画面をディスプレイ23に表示させる(S130)。この画面には、「運指の練習を行う楽曲を選択してください。」といったメッセージと、外部記憶装置18にその楽曲情報を記憶した各楽曲のタイトル名とが表示される。学習者は、いずれかのタイトル名にカーソルを移動させてこれを選択する。
楽曲のタイトル名が選択されると、CPU11は、選択された楽曲の楽曲情報を外部記憶装置18から特定する(S140)。
具体的には、以下のような処理を行う。まず、移調量データベースを基に、楽器選択画面で選択された楽器の種別を特定し、その種別と対応する論理楽譜情報を読み出す。続いて、ディスプレイ23に五線譜を描画した後、論理楽譜情報として時系列順に記憶されている音符情報と休符情報を順に参照し、それらの情報が示す種別の音符及び休符を五線譜上の所定位置に描画していく。最後に、論理楽譜情報に含まれる楽譜記号情報を参照し、「スラー」、「トリル」、「装飾音」、「スタッカート」、「テヌート」といったような楽譜記号が記憶されていれば、対応する音符又は音符列の上に、その楽譜記号を描画する。
この処理は、演奏情報からキーオンイベントデータが読み出される毎に実行される。
演奏情報からキーオンイベントデータを読み出すと、CPU11は、そのキーオンイベントデータと対応する音符を、ディスプレイ23に表示していた移調楽譜の音符群から特定する(S210)。上述したように、論理楽譜情報の各音符情報と、演奏情報の各キーオンイベントデータとは、共通のIDによって対応関係が保たれている。従って、読み出したキーオンイベントデータと同一のIDを有する音符情報を参照することにより、移調楽譜上の音符を一意に特定する。
以上説明した一連の処理が、演奏情報のキーオンイベントデータが読み出されるたびに繰り返し実行される。
例えば、上述の楽器選択画面でトランペットが選択され、その楽器種別であるB♭管の移調楽譜がディスプレイ23に表示されていた場合を想定する。この移調楽譜は、図8(a)に示すように、基準となる調(C調)よりも半音2つ分低い音高の各記譜音が記されている。そして、この移調楽譜上の音符1を演奏する際は、実音のキーコードよりも半音2つ分高い音名と対応する運指を表示する。つまり、記譜音1と対応する実音のキーコードC4を演奏情報から取得した後(図7のステップ220)、取得したキーコードに、トランペット(B♭管)と対応付けられた移調情報の符号を反転して得た数である「2」を加算し(ステップ230)、加算により得た新たなキーコードと一致する音名D4と対応付けられた運指情報である「1」を読み出す(ステップ240)。そして、図8(b)に示すように、その運指情報を示す文字を移調楽譜の音符1の下に表示させる(ステップ250)。これにより、学習者は、移調楽譜上に記された音符1を鳴らすためには、1番キーを押下すべきであることを了解することができる。
本実施形態の特徴は、運指の状態を、文字列だけでなくグラフィックとしても表示し、また標準的な運指のほかに替え指となる別の運指があるときは、その替え指となる運指を標準的な運指と併せて表示するようにした点である。
例えば、図9のデータベースの「D4」の音名と対応するレコードを参照すると、「標準運指」のフィールドに「“1”」という標準運指情報が記憶され、「第1代替運指」のフィールドに「“3”」という代替運指情報が記憶され、「第2代替運指」のフィールドに「NULL」の値が記憶されている。これは、「D4」の音を鳴らす運指として、1番キーを押下する標準的なもののほかに、3番キーを押下する替え指も用意されていることを意味している。また、「NULL」という値は、それ以上の替え指が用意されていないことを意味している。
また、ROM12は、各運指を行っている状態の楽器を示す各運指画像データをそれらの運指情報と各々対応付けて記憶している。
図10は、本実施形態の運指表示処理を示すフローチャートである。
図7のステップ230にて、移調情報の符号を反転して得た数をキーコードに加算したCPU11は、加算により得た新たなキーコードと一致する音名に対応付けられたレコードを、ROM12の運指データベースから特定する(S310)。
替え指の運指が用意されていないと判断したとき、CPU11は、「標準運指」のフィールドから標準運指情報を読み出し、この標準運指情報が示す運指を、図7のステップ210で特定した移調楽譜上の音符の下に表示させる(S330)。
本実施形態にかかる運指表示装置は、B♭管の一種であるクラリネットの運指の学習に特化された構成となっている。
本実施形態の特徴は、演奏再生中とその停止中とで、ディスプレイ23に表示させる運指のグラフィックを違えるようにした点にある。即ち、楽曲の再生中は、移調楽譜上の各音符のうち、現在、学習者が演奏すべき音符(以下、「演奏音符」と呼ぶ)と、その次に演奏すべき音符(以下、「後続音符」と呼ぶ)の運指を示すグラフィックを表示させる一方で、演奏の停止中は、トリル音または装飾音などの楽譜記号に対応する運指を示すグラフィックや、それらの替え指を示すグラフィックを表示させる。
装飾運指データベースの編成はトリル運指データベースと同様であり、ここでは図を参照した説明を割愛する。
更に、ROM12は、各運指(トリルの運指と装飾音の運指を含む)を行っている状態のクラリネットを示す各運指画像データをそれらの運指情報と各々対応付けて記憶している。
本実施形態の動作は、楽曲の演奏再生中に実行される再生時運指表示処理と、演奏停止中に実行される停止時運指表示処理とに大別できる。即ち、本実施形態では、楽曲の再生処理と並行して再生時運指表示処理が実行される一方で、その実行中に操作子22からの演奏の停止指示が入力されると、再生時運指表示処理を一時中断して、停止時運指表示処理が実行される。
「演奏開始」のボタン23dが選択されると、CPU11は、演奏音符の運指を示すグラフィックを第1運指表示欄23bに表示させる(S410)。具体的には、以下のような処理を行う。まず、外部記憶装置18の楽曲情報が内包する演奏情報にMIDI形式のシーケンスとして記憶されている各イベントデータから、次のMIDIクロックタイミングで処理されるべきキーオンイベントデータをRAM13に読出す。その後、図7のステップ220乃至ステップ230に示したところと同様の手順に従って得た新たなキーコードの音名と対応するレコードを運指データベースから特定する。続いて、特定したレコードの「標準運指」のフィールドから運指情報を読み出す。そして、その運指情報と対応する運指画像データを基に描画したグラフィックを第1運指表示欄23bに表示させる。
その後、ステップ420に戻って、CPU11は、次のキーオンイベントデータと対応する音符を新たな後続音符とし、その運指を示すグラフィックを第2運指表示欄23cに表示させる。
以上の処理が、楽曲の再生処理と並行して実行される。
停止時運指表示処理は、再生時運指表示処理中に、操作子22からの演奏の停止指示の入力が検出されたことをトリガーとして開始される。
停止指示の入力が検出されると、CPU11は、運指グラフィック表示画面の第2運指表示欄23cに表示されている運指グラフィックを所定の色でマスキングすると共に、同画面の運指選択ボックス23eの右隣にあるボタン、インターバル表示欄23fの右隣にあるボタン、装飾ボタン23g、及びトリルボタン23hをアクティブにする(S510)。「アクティブにする」とは、操作のロック状態を解除することを意味する。これにより、学習者は、トリルボタン23hや装飾ボタン23gにカーソルを移動させてこれを選択する操作、インターバル表示欄23f右隣のボタンを用いてその表示内容を遷移させる操作、及び運指選択ボックス23e右隣のボタンを用いてその表示内容を遷移させる操作を行なうことができるようになる。
図16は、第2運指表示欄23cがマスキングされた状態の運指グラフィック表示画面である。同図に示すように、この状態では、第1運指表示欄23bのグラフィックのみが参照できる。また、この状態では、運指選択ボックス23eの表示内容を、「標準運指」から「替え指1」、「替え指2」、「替え指3」と順次遷移させることができ、また、インターバル表示欄の表示内容を、「2」から「1」へ、又は反対に「1」から「2」へと遷移させることができる。
この状態において、CPU11は、運指選択ボックス23eの表示内容が遷移されたか否かを検出し、遷移されると、遷移後の内容に応じた運指のグラフィックを第1運指表示欄23bに表示させる(S520)。即ち、このボックスの表示内容が「替え指1」に遷移されると、運指データベースの「第1代替運指」の内容に応じた運指のグラフィックを第1運指表示欄23bに表示させ、「替え指2」に遷移されたときは、同データベースの「第2代替運指」の内容に応じた運指のグラフィックを第1運指表示欄23bに表示させるといった処理を行う。
図17は、トリル運指を示すグラフィックが表示された状態の運指グラフィック表示画面である。この図に示すように、トリルボタン23hが選択されると、それまでマスキングされていた第2運指表示欄23cに、トリル運指の運指グラフィックが表示される。また、運指選択ボックス23eには、「Trill 標準」と表示される。この表示は運指選択ボックス23e右側のボタンの操作に応じ、「Trill替え指」と遷移させることができる。
図18は、トリルの替え指の運指の示すグラフィックが表示された状態を示す図である。この状態では、第2運指表示欄23cの表示内容が、トリルの替え指の運指を示すグラフィックに切り替わっており、運指選択ボックス23eには、「Trill替え指」と表示される。
更に、CPU11は、演奏の停止解除の指示の入力を検出し、停止解除の指示が入力されると、図13に示した再生時運指表示処理を再開する。
以上のように、クラリネットなどの階名毎に標準運指と代替運指とがある管楽器において、演奏中とその停止中とでディスプレイ23に表示させる運指のグラフィックを違えることが出来る。
本実施形態にかかる運指表示装置は、B♭管の一種であるホルンの運指の学習に特化された構成となっている。
本実施形態の特徴は、楽曲情報に含まれる論理楽譜情報の他に、楽器の物理情報を用い
ることで、スラーの楽譜記号によって連結された音符列に関する最適な運指の組み合わせを自動的に特定して表示するようにした点である。スラーとは、音高の異なる複数の音をひとまとまりとして滑らかに演奏する奏法を意味する。また、ここでいう物理情報とは、各運指で音を鳴らす際の楽器の物理的状態を定量的に示す情報を意味するものであり、物理的状態とは、具体的には、ホルンの共鳴モードと各迂回管の長さである。
複数の音符がスラーで連結されている場合、先の音符と対応する運指で音を鳴らした後、吹き込む息を止めない状態で次の音符と対応する運指へと切り替えを行なわなければならないことになるが、一般に、ホルンのモード変更を自在に行なえる上級者は、迂回管の長さは変えずモード変更によって演奏するような運指を好み、比較的経験の浅い初級者は、難度の高いモード変更は行なわず迂回管の長さを変えることによって演奏するような運指を好む傾向が強い。
本実施形態にかかる運指表示装置のハードウェア構成は、ROM12の記憶内容を除いて、第1実施形態と同様である。当該運指表示装置のROM12は、移調量データベースと、物理情報データベースとを記憶している。
図20は、本実施形態の運指表示処理を示すフローチャートである。
本実施形態にかかる運指表示装置の起動が指示されると、CPU11はまず、方式選択画面をディスプレイ23に表示させる(S610)。この画面は、スラーで連結された音符列と対応する各運指の組合せが複数候補存在する場合における絞込方式の選択を促す画面である。この画面には、方式1又は方式2の各ボタンと、いずれかの方式の選択を促すメッセージとが表示される。学習者は、方式1のボタン又は方式2のボタンのいずれかにカーソルを移動させてこれを選択する。なお、各々の方式の内容は以下のようになっている。
この方式は、迂回管の長さが変わるような運指の変化を許容し、モードが変わるような運指の変化はなるべく許容しないように運指の候補を絞り込む方式である。この方式では、共鳴モードと迂回管の長さという2種類の物理的状態のうち、前者の差が最も少ない運指の組合せが選ばれることになる。
b 方式2
この方式は、モードが変わるような運指の変化を許容し、迂回管の長さが変わるような運指の変化はなるべく許容しないように運指の候補を絞り込む方式である。この方式では、複数種類の物理的状態のうち、後者の差がもっとも少ない運指の組合せが選ばれることになる。
学習者による音符の選択が行なわれると、CPU11は、選択された音符とその前又は後の音符とを含む音符列がスラーによって連結されているか否かを論理楽譜情報を基に判断する(S630)。図5を参照して説明したように、論理楽譜情報は、特定の奏法で演奏すべき音符又は音符列とその奏法を示す楽譜記号とを対応付けて記憶しているので、選択された音符とスラーの楽譜記号情報とが対応付けられていれば、その音符はスラーによって演奏されるべきものと判断できる。
CPU11は、特定したレコードを構成する8つのフィールドから、物理情報を記憶しているフィールドを特定し、特定したフィールドのフィールド名として記されている運指情報を移調楽譜に表示させる(S650)。ここで、複数のフィールドが特定されたときは、それらのフィールドの優先度情報を参照し、優先度情報が「◎」となっているフィールドのフィールド名を表示させる。
CPU11は、各音符毎に特定したレコードに含まれる8つのフィールドから、物理情報を記憶している1又は複数のフィールドをそれぞれ特定する(S670)。
CPU11は、特定した各フィールドに記憶されている物理情報を音符毎にそれぞれ読み出す(S680)。
CPU11は、音符毎に特定した1又は複数のフィールドのフィールド名によって示される運指の組合せが複数あるとき、それらを、物理的状態の差が最も小さくなる組合せに絞り込む(S690)。この絞込みは、ステップ680で読み出した物理情報が示す物理的状態の差を各運指の組合せ毎に求めることで行なわれる。その際、上述の方式選択画面で、「方式1」が選択されていたときは、物理情報に含まれる共鳴モード情報が示す共鳴モードの差が最も小さくなるような組合せを選択し、「方式2」が選択されていたときは、物理情報に含まれる迂回管長情報が示す迂回管の長さの差が最も小さくなるような組合せを選択する。
ステップ720において、運指の組合せを1組に絞り込めなかったとき、CPU11は、物理情報データベースの優先度情報を基に、更なる絞込みを行なう(S700)。即ち、より高い優先度の優先度情報が対応付けられている運指の組合せを選択する。
最後に、CPU11は、上記絞込みによって選択された1つの組合せと対応する両フィールドを特定し、特定した両フィールドのフィールド名として記されている運指情報をその演奏順序に従って移調楽譜に表示させる(S710)。
例えば、図21の移調楽譜に示された音符1は音符2とスラーで連結されている。これらの音符が選択されたとき、図20のステップ630の判断は「YES」になり、ステップ660に進む。
ステップ660では、音符1について参照されるべきレコード「G5」と、音符2について参照されるべきレコード「A5」とが物理情報データベースからそれぞれ特定されることになる。
「方式1」は、迂回管の長さが変わるような運指の変化を許容し、モードが変わるような運指の変化はなるべく許容しないように運指の候補を絞り込む方式であった。この方式に従って上述の24通りの組合せを参照すると、モード数が変わらないのは、「100(10モード、L1、○)」と「000(10モード、0、○)」、「011(11モード、L2+L3、○)」と「100(11モード、L1、○)」、「101(12モード、L1+L3、○)」と「110(12モード、L1+L2、◎)」、及び「101(12モード、L1+L3、○)」と「001(12モード、L3、○)」の4組であり、ステップ690ではこれらの4組にまで絞り込まれる。続くステップ700では、最も優先度の高い優先度情報「◎」を含んでいる、「101(12モード、L1+L3、○)」と「110(12モード、L1+L2、◎)」の1組が選ばれることになる。
一方、「方式2」は、モードが変わるような運指の変化を許容し、迂回管の長さが変わるような運指の変化はなるべく許容しないように運指の候補に絞り込む方式であった。この方式に従って上述の24通りの組合せを参照すると、迂回管の長さが変わらないのは、「000(9モード、◎)」と「000(10モード、○)」、「100(10モード、L1、○)」と「100(11モード、L1、○)」、及び「101(12モード、L1+L3、○)」と「101(13モード、L1+L3、○)」の3組であり、ステップ690ではこれらの3組にまで絞り込まれる。続くステップ700では、最も優先度の高い優先度情報「◎」を含んでいる、「000(9モード、◎)」と「000(10モード、○)」の1組が選ばれることになる。
ステップ640では音符3について参照されるべきレコード「G5」が特定されることになる。
「G5」のレコードによれば、「G5」の音は、「000(9モード、0、◎)」、「100(10モード、L1、○)」、「011(11モード、L2+L3、○)」、「101(12モード、L1+L3、○)」の計4通りの運指で鳴らすことができる。このうち、最も優先度が高いのは、「000(9モード、0、◎)」であり、ステップ650ではこのフィールドが特定されることになる。
以上説明した実施形態によると、同一音高を1又は複数の運指で演奏可能な管楽器の物理的状態の差を考慮して連結音の運指を選定するので、学習者のレベルに応じた好適な組合せの運指を案内することができる。
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
例えば、図9に示した運指データベースでは、替え指の運指を示す運指情報を3つまでしか記憶できなかったが、「代替運指」のフィールドを4つ以上に分けるように編成することで、運指情報を4以上記憶するようにしてもよい。同様に、図11に示したトリル運指データベースは、トリルの替え指の運指情報を1つしか記憶できないようになっていたが、これよりも多くの替え指の運指情報を記憶できるように編成してもよい。
第3実施形態では、停止指示が検出されると、運指グラフィック表画面の第2運指表示欄23cを所定の色でマスキングするようになっていたが、これをグレーアウトさせるようにしてもよい。
第4実施形態では、移調楽譜上において複数の音符がスラーの楽譜記号によって連結されている場合に、物理情報を用いた好適な組合せの運指を提示するようになっていたが、
トリルや装飾音といったような連結音の奏法を指定する他の楽譜記号が音符列と対応付けて記されていた場合も、スラーによって連結されている場合と同様の取扱いとして処理してもよい。
第2実施形態は、1つの音名と対応する運指が複数あるときは、それらをリストとして表示する構成になっていたが、所定の基準に従って順位付けを施した上でこれらの運指を表示するようにしてもよい。
また、第1実施形態と第2実施形態は、楽曲の進行に従って、演奏されるべき音符の運指を順次表示するようになっていたが、楽曲の進行が中止されたときのみ、運指を表示するようにしてもよい。
上記実施形態では、1つの楽曲の楽曲情報に複数の論理楽譜情報と1つの演奏情報とを内包しており、移調楽譜に表示すべき記譜音の音名は論理楽譜情報から取得する一方で、その記譜音と対応する実音の音名は、演奏情報にMIDIシーケンスとして記録されているキーオンイベントデータから取得するようになっていた。
これに対し、各楽器の種別に応じた論理楽譜情報を設けることなく、演奏情報を基に、移調楽譜上に描画すべき音符群とその一部の音符又は音符群に付されるべき楽譜記号とを特定するようにしてもよい。演奏情報に基づく移調楽譜の生成手順の一例を示せば、以下のようになる。まず、演奏情報をRAM上に展開し、ノートオンイベントデータとノートオフイベントデータの対を1つの音符とみなし、ノートオフイベントデータとセットで記憶されているタイミングデータの値を基に、その音符の種別(音長)を特定する。そして、ノートオンイベントデータが示す実音の音名に、移調量データベースから読み出した移調情報を作用させることにより、特定した種別の音符を記述すべき五線譜上の位置を特定してこれを描画する。また、あるキーオフイベントから次のキーオンイベントまでの時間間隔が無ければそれらは連結音として演奏されるべきものと判断し、それらの音符列と対応する五線譜上の位置に、例えばスラーのような連結音の奏法を指定する楽譜記号を適宜描画する。論理楽譜情報を記憶していなかったとしても、各音符に相当するキーオンイベントデータは実音の音名であるから、移調を考慮した運指を提示するという上記実施形態の動作には影響が無い。
要するに、「移調楽譜上に表示された音符と対応する実音の階名に移調情報を作用させて取得した新たな階名に基づく運指の抽出」という本実施形態に特有な動作を実現するためには、ROMに記憶した各データベースのほかに、楽曲を構成する各音を特定することができ、C調の階名でそれら各音をあらわすことができる情報(楽曲構成音特定情報)を外部記憶装置18又はROM12に記憶していればよい。
上記実施形態の運指データベースや物理情報データベースでは、いわゆる英米式表記に従った階名(A、B、C、D…)で記譜音の音名を表していたが、イタリア式表記(ド、レ、ミ、ファ…)でこれを表してもよいし、日本式表記(ハ、二、ホ、へ…)で表してもよい。また、基準となる音からの音高の差(0、1、2、3…)で表してもよい。
Claims (16)
- 表示手段と、
楽曲の内容を特定の調の階名に従った音符群として表す楽曲構成音特定情報を記憶する楽曲情報記憶手段と、
複数の移調楽器のそれぞれについて、移調楽器の種別と、前記特定の調と当該移調楽器に固有の調との音高の差を示す移調情報とを対応付けて記憶する移調情報記憶手段と、
前記複数の移調楽器のそれぞれについて、前記固有の調における各階名の運指を示す運指情報を記憶する運指情報記憶手段と、
前記楽曲情報記憶手段に記憶された楽曲構成音特定情報が表す音符群から、所定のタイミングで演奏されるべき音符を特定する音符特定手段と、
前記楽曲情報記憶手段に記憶された楽曲構成音特定情報を読出し、この楽曲構成音特定情報に応じた移調楽譜を前記表示手段に表示させる楽譜表示制御手段と、
前記複数の移調楽器のうち、選択された移調楽器の種別に対応付けて前記移調情報記憶手段に記憶された移調情報を読出し、前記特定した音符が示す階名をこの移調情報が示す音高の差に応じて移調して、前記選択された移調楽器の固有の調における同一音高の階名に修正する修正手段と、
前記選択された移調楽器に対応する運指情報であって、前記修正手段によって修正された階名に対応付けられた運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した運指情報が示す運指を、前記移調楽譜が表示された前記表示手段に表示させる運指表示制御手段と
を備えた運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記運指情報記憶手段は、
一又は複数の前記運指情報を各階名と各々対応付けて記憶し、
前記運指表示制御手段は、
前記修正された階名が複数の運指情報と対応付けられているか否かを前記運指情報記憶手段の記憶内容を基に判断し、複数の運指情報が対応付けて記憶されているとき、それらの運指情報が示す各運指を前記表示手段にそれぞれ表示させる
運指表示装置。 - 請求項2記載の運指表示装置において、
前記運指表示制御手段は、
前記修正された階名が複数の運指情報と対応付けて記憶されているとき、それらの運指情報が示す各運指に所定の基準に従った順位付けを施した上で前記表示手段にそれぞれ表示させる
運指表示装置。 - 請求項2記載の運指表示装置において、
前記運指表示制御手段は、
前記修正された階名が複数の運指情報と対応付けて記憶されているとき、それら複数の運指情報のうちから所定の基準に従って一の運指情報を選択し、選択した運指情報が示す運指を前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記音符特定手段が特定した音符の次に演奏されるべき後続音符を前記楽曲構成音特定情報が表す音符群から特定する後続音特定手段を備え、
前記運指表示制御手段は、
当該後続音符について前記修正手段が修正した階名と対応付けられた運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した運指情報が示す運指を、前記音符特定手段が特定した音符の運指と併せて前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記楽曲情報記憶手段の楽曲構成音特定情報を基に、各音符を演奏するタイミングから所定の時間長遡った運指提示タイミングを検出する提示タイミング検出手段を備え、
前記運指表示制御手段は、
前記音符特定手段が特定した音符の運指提示タイミングの到来が前記タイミング検出手段によって検出された時、その音符について読み出した運指情報が示す運指を前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記楽曲構成音特定情報を基に生成した楽音を楽曲の進行に従って順次出力する楽音出力手段と、
前記楽曲の進行の停止状態を検出する停止検出手段とを備え、
前記運指表示制御手段は、
前記停止検出手段によって楽曲の進行の停止状態が検出されている間、前記運指を前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記運指情報記憶手段は、前記運指情報として標準的な運指を示す1の標準運指情報か、又は1の前記標準運指情報と、替え指の運指を示す1又は複数の代替運指情報とのセットを、前記階名毎に記憶し、
前記運指表示制御手段は、前記運指情報記憶手段において前記修正された階名に対応付けられた運指情報が1の標準運指情報のみである場合には該標準運指情報が示す運指を表示させ、前記セットである場合にはそのうちのいずれかが示す運指を表示させる
運指表示装置。 - 請求項8記載の運指表示装置において、
前記運指表示制御手段は、
前記修正された階名に複数の代替運指情報が対応付けて記憶されているときは、それらの代替運指情報が示す各運指に所定の基準に従った順位付けを施した上で前記表示手段にそれぞれ表示させる
運指表示装置。 - 請求項8記載の運指表示装置において、
前記運指表示制御手段は、
前記修正された階名に複数の代替運指情報が対応付けて記憶されているときは、それら複数の代替運指情報のうちから所定の基準に従って1の運指情報を選択し、選択した代替運指情報が示す運指を前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記運指情報記憶手段の各運指情報が示す運指で演奏を行なうときの楽器の物理的状態を定量的に表す物理情報を前記各運指情報に各々対応付けて記憶した物理情報記憶手段を備え、
前記運指情報記憶手段は、同一音高を演奏可能な1又は複数の運指を示す運指情報の各階名毎のセットを記憶し、
前記音符特定手段は、前記楽曲構成音特定情報が表す音符群から、前記所定のタイミングで演奏されるべき演奏音符と、その演奏音符の次に演奏されるべき後続音符とをそれぞれ特定し、
前記修正手段により修正された前記演奏音符の階名と対応付けられた1又は複数の運指情報を前記運指情報記憶手段からそれぞれ特定する演奏音運指特定手段と、
前記修正手段により修正された前記後続音符の階名と対応付けられた1又は複数の運指情報を前記運指情報記憶手段からそれぞれ特定する後続音運指特定手段と、
前記演奏音運指特定手段が特定した各運指情報と、前記後続音運指特定手段が特定した各運指情報とからそれぞれ1つずつ選択して得られる組み合せのうち、両運指情報が示す運指相互の物理的状態の差が最も小さくなる組み合わせを、それらの運指情報に対応付けて前記物理情報記憶手段に記憶されている各物理情報を基に判断する判断手段と
を備え、
前記運指表示制御手段は、
前記判断手段による判断結果を基に特定した両運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した両運指情報が示す各運指をその演奏順序に従って前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1記載の運指表示装置において、
前記運指情報記憶手段の各運指情報が示す運指で演奏を行なうときの楽器の物理的状態を定量的に表す物理情報を前記各運指情報に各々対応付けて記憶した物理情報記憶手段と、
前記楽曲構成音特定情報の音符群のうち連結音として演奏すべき各音符列を、その連結音の奏法を指定する楽譜記号と各々対応付けて表した楽譜記号情報を記憶する楽譜記号情報記憶手段とを備え、
前記運指情報記憶手段は、同一音高を演奏可能な1又は複数の運指を示す運指情報の各階名毎のセットを記憶し、
前記音符特定手段は、前記楽曲構成音特定情報が表す音符群から、演奏音符とその前後に演奏されるべき各音符をそれぞれ特定し、
前記演奏音符とその前の音符とを含む音符列と対応付けた楽譜記号が存在するか、及び前記演奏音符とその後の音符とを含む音符列と対応付けた楽譜記号が存在するかを、前記楽譜記号情報記憶手段の楽譜記号情報を基にそれぞれ判断し、前記演奏音符とその前又は後の音符とを含む音符列と対応付けた楽譜記号が存在すると判断した場合に、前記修正手段により修正された該音符列の各音符の階名と対応付けられた1又は複数の運指情報を前記運指情報記憶手段からそれぞれ特定する運指特定手段と、
前記運指特定手段が特定した各音符に対応する運指情報からそれぞれ1つずつ選択して得られる組み合せのうち、両運指情報が示す運指相互の物理的状態の差が最も小さくなる組み合わせを、それらの運指情報に対応付けて前記物理情報記憶手段に記憶されている各物理情報を基に選択する選択手段とを備え、
前記運指表示制御手段は、
前記選択手段による選択結果を基に特定した両運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した両運指情報が示す各運指をその演奏順序に従って前記表示手段に表示させる
運指表示装置。 - 請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の運指表示装置において、
前記楽曲構成音特定情報は、
楽曲の内容を特定の調の階名に従った音符群に対応する各イベントデータのシーケンスとして表した演奏情報であり、
前記特定の調はC調である
運指表示装置。 - 表示手段と、
楽曲の内容を特定の調の階名に従った音符群として表す楽曲構成音特定情報を記憶する楽曲情報記憶手段と、
複数の移調楽器のそれぞれについて、移調楽器の種別と、前記特定の調と当該移調楽器に固有の調との音高の差を示す移調情報とを対応付けて記憶する移調情報記憶手段と、
前記複数の移調楽器のそれぞれについて、前記固有の調における各階名の運指を示す運指情報を記憶する運指情報記憶手段とを備えたコンピュータに、
前記楽曲情報記憶手段に記憶された楽曲構成音特定情報が表す音符群から、所定のタイミングで演奏されるべき音符を特定する音符特定ステップと、
前記楽曲情報記憶手段に記憶された楽曲構成音特定情報を読出し、この楽曲構成音特定情報に応じた移調楽譜を前記表示手段に表示させる楽譜表示制御ステップと、
前記複数の移調楽器のうち、選択された移調楽器の種別に対応付けて前記移調情報記憶手段に記憶された移調情報を読出し、前記特定した音符が示す階名をこの移調情報が示す音高の差に応じて移調して、前記選択された移調楽器の固有の調における同一音高の階名に修正する修正ステップと、
前記選択された移調楽器に対応する運指情報であって、前記修正ステップにおいて修正した階名に対応付けられた運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した運指情報が示す運指を、前記移調楽譜が表示された前記表示手段に表示させる運指表示制御ステップと
を実行させるためのプログラム。 - 請求項14記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータの運指情報記憶手段は、前記運指情報として標準的な運指を示す1の標準運指情報か、又は1の前記標準運指情報と、替え指の運指を示す1又は複数の代替運指情報とのセットを、前記階名毎に記憶しており、
前記運指表示制御ステップにおいて、前記運指情報記憶手段において前記修正された階名に対応付けられた運指情報が1の標準運指情報のみである場合には該標準運指情報が示す運指を表示させ、前記セットである場合にはそのうちのいずれかが示す運指を表示させる
ためのプログラム。 - 請求項14記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータが、前記運指情報記憶手段の各運指情報が示す運指で演奏を行なうときの楽器の物理的状態を定量的に表す物理情報を前記各運指情報に各々対応付けて記憶した物理情報記憶手段をさらに備え、
前記運指情報記憶手段が、同一音高を演奏可能な1又は複数の運指を示す運指情報の各階名毎のセットを記憶しており、
前記音符特定ステップは、前記楽曲構成音特定情報が表す音符群から、前記所定のタイミングで演奏されるべき演奏音符と、その演奏音符の次に演奏されるべき後続音符とをそれぞれ特定するステップであり、
前記修正ステップにおいて修正した前記演奏音符の階名と対応付けられた1又は複数の運指情報を前記運指情報記憶手段からそれぞれ特定する演奏音運指特定ステップと、
前記修正ステップにおいて修正した前記後続音符の階名と対応付けられた1又は複数の運指情報を前記運指情報記憶手段からそれぞれ特定する後続音運指特定ステップと、
前記演奏音運指特定ステップにおいて特定した各運指情報と、前記後続音運指特定ステップにおいて特定した各運指情報とからそれぞれ1つずつ選択して得られる組み合せのうち、両運指情報が示す運指相互の物理的状態の差が最も小さくなる組み合わせを、それらの運指情報対応付けて前記物理情報記憶手段に記憶されている各物理情報を基に判断する判断ステップとを実行させ、
前記運指表示制御ステップにおいて、
前記判断ステップにおける判断結果を基に特定した両運指情報を前記運指情報記憶手段から読出し、読み出した両運指情報が示す各運指をその演奏順序に従って前記表示手段に表示させるためのプログラム。
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