JP4505101B2 - X線発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線管のカソードの加熱量を制御することによりカソード・アノード間に流れる管電流をパルス的に制御するX線発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパルスX線を発生させる方式は、カソードとアノードを有するX線管に印加する管電圧を、四極真空管(テトロード)などの高耐電圧スイッチングデバイスによってスイッチングする方式と、X線管にグリッドを追加して三極管構造とし、そのグリッドの電位をスイッチングする方式とがある。
【0003】
後者の方式の場合のパルスX線発生を説明する。対向して配置されたアノードとカソードの間であり且つ、カソードの近傍にグリッドがある。カソードの電位を基準としてアノードに正の電位を与え、グリッドに負の電位を与える。カソードがヒータそのものである場合、またはカソードをヒータで傍熱する場合の何れかであっても、ヒータに電流を流すと、カソードから熱電子が放出される。この熱電子は、カソードとアノードの間の電界により加速されてアノードに衝突し、運動エネルギを失う。このとき消失した運動エネルギーの一部がX線エネルギーに変換され、熱電子がアノードに衝突した部分である焦点からX線が発生する。単位時間当たりにアノードへ到達する電子数、即ち管電流は、ヒータ電流とグリッド電圧及びアノード・カソード間の電位差である管電圧によって決定される。グリッド電圧、管電圧、ヒータ電流と管電流の関係は、いわゆる三極真空管と類似の特性を示す。その特性を図4に示す。ここに示す特性はグリッドを有する一般のX線管に共通する。管電圧とヒータ電流を一定として、グリッド電圧を0Vとすると、ある値の管電流が流れる。ここで、グリッド電圧をマイナスの電位として、その絶対値を大きくすると、グリッド電圧が0V付近で管電流が殆ど変化しない領域がある。これを飽和領域と呼ぶ。次第にグリッド電圧の絶対値を大きくすると、管電流は、ある値のグリッド電圧から減少し始め、ついには流れなくなる。この管電流が流れない領域をカットオフ領域と呼ぶ。また、ヒータ電流が大きいほど飽和領域で流れる管電流は大きい。さらに、ヒータ電流、グリッド電圧が一定でも管電圧が高いほど管電流は大きい傾向がある。グリッド電圧を飽和領域のある一定値EGsatとカットオフ領域のある一定値EGcoにスイッチングす ると、管電流を流す、流さない、を切り替えることができる。管電流が流れればX線を発生するので、このようにグリッド電圧をスイッチングすることによってX線の照射と非照射を切り替えることができ、つまり、パルスX線を発生することができる。
【0004】
次に、前記の2つの方式に共通のパルスX線の管電流の制御について説明する。管電流は、測定管電流に追従して、ヒータ電流、即ちヒータの温度(カソードがヒータによって加熱される傍熱型X線管の場合はカソードの温度)を変更することによってフィードバック制御されるが、パルスX線の場合、この制御のみでは追従できない。即ち、ヒータ及びカソードの熱時定数は、数ms〜数十msであり、これは1msオーダのパルスX線を照射する用途では、立上がりが追いつかない。そこで、従来装置ではパルス発生前にヒータに予熱を与えておく方法をとって管電流の立上がりを改善している。この予熱量は、管電圧と管電流により最適値が異なるので、それぞれ別々に設定しなければならない。そのため、従来装置では、所望の管電圧と管電流の必要な組合わせ数に相当する可変抵抗器とその切換え回路よりなるヒータの予熱量設定回路を設けて、それぞれ予熱量を抵抗値として設定している。設定は、オシロスコープなどを接続し、フィードバック用の管電流を観測しながらパルス波形が最適な形状となるように可変抵抗器のつまみを回して行っている。これにより、実使用時には管電圧と管電流により自動的に対応した抵抗値に切換えられ、最適なパルス電流波形が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパルスX線を発生するX線発生装置は、まず予熱量設定をするときオシロスコープなどの波形観測手段を接続する必要があるという問題がある。次に、波形を目視しながら調整するため、調整者の技能に依存し、バラツキも大きいという問題がある。また、管電圧と管電流の組合わせ数は、汎用のX線発生器では、数十〜数百にも達し、波形目視による調整では調整者の負担が大きく、誤設定も生じやすくなるという問題がある。また、その設定回路の大型化・高コスト化・故障率の増加などの問題もある。また従来のX線発生装置は、パルス管電流の実測管電流の表示がなく、信頼度に欠けるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的としては、予熱量設定時に操作者の波形観測が不要でバラツキがなく、パルス幅がカソードの熱時定数より短い場合であっても最適化された波形を持ち、且つ所定の管電流値に制御されたパルス管電流を最短の立上がり時間で発生させることができ、あるいは、X線管自身の経時変化で生じる管電流の変動を自動補正することができ、また装置の健全性を確認することができるX線発生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、X線管のカソードの加熱量を可変することによりカソード・アノード間に流れる管電流を制御するとともにパルス管電流を発生する機能を持つX線発生装置において、所定周期のパルス管電流を発生させ、前記所定周期のパルス管電流の遮断区間中の前記加熱量であるカソードの予熱量を変化させつつ、前記所定周期のパルス管電流の発生に同期してパルス幅の先頭から所定時間後に管電流値をサンプリングし、前記サンプリングした管電流値が所定の管電流設定値と等しくなる前記カソードの予熱量を記憶し、前記記憶したカソードの予熱量を次以降のパルス管電流における管電流値の制御に利用する制御手段を有することを要旨とする。この構成により、実使用時において、パルス幅がカソードの熱時定数より短い場合であってもオーバシュート等のない最適化された波形を持ち、且つ所定の管電流値(振幅値)に制御されたパルス管電流を、最短の立上がり時間で発生させることが可能となる。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、X線管のカソードの加熱量を可変することによりカソード・アノード間に流れる管電流を制御するとともにパルス管電流を発生する機能を持つX線発生装置において、所定周期のパルス管電流を発生させつつ、前記所定周期のパルス管電流の発生に同期してパルス幅の先頭から所定時間後に管電流値をサンプリングし、前記サンプリングした管電流値が所定の管電流設定値と等しくなるように前記所定周期のパルス管電流の遮断区間中の前記加熱量であるカソードの予熱量を自動調整する制御手段を有することを要旨とする。この構成により、実使用に先立つ操作者による予熱量設定を要することなく、パルス幅がカソードの熱時定数より短い場合であってもオーバシュート等のない最適化された波形を持ち、且つ所定の管電流値に制御されたパルス管電流を発生させることが可能となる。また、X線管自身の経時変化によって生じる管電流の変動を自動補正することが可能となる。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、X線管のカソードの加熱量を可変することによりカソード・アノード間に流れる管電流を制御するとともにパルス管電流を発生する機能を持つX線発生装置において、所定周期のパルス管電流を発生させる場合に、前記所定周期のパルス管電流の発生に同期してパルス幅の先頭から所定時間後に管電流値をサンプリングし、前記サンプリングした管電流値を表示する表示手段を有することを要旨とする。この構成により、実使用時に、サンプリングされた管電流値が表示手段に表示される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態の回路構成を示すブロック図である。この図は、X線発生装置の構成のうち、本発明の実施の形態として説明を要しない部分を省略してある。
【0012】
まず、X線発生装置の構成を、各系統の回路ごとに説明する。
【0013】
X線管1に印加する管電圧を生成、制御する管電圧生成・制御系の回路が、商用電源2からの交流電圧を整流・平滑する整流・平滑回路3、複数のトランジスタ等で構成され直流・交流変換を行うスイッチング回路4、例えば、高圧トランスとコッククロフト・ウォルトン(以下、C/Wと言う)回路で構成された昇圧回路5、X線管1のアノードA・カソード(ヒータ)K間に直列接続された抵抗器群から構成される管電圧分圧回路6、制御手段としてのMPU(マイクロプロセッサ)7、第1のD/Aコンバータ8及び管電圧制御回路9で構成されている。
【0014】
X線管1のアノードA・カソードK間に流れる管電流を制御する管電流制御系の回路が、第2のD/Aコンバータ10、第3のD/Aコンバータ11、管電流制御回路12、スイッチング回路13、ヒータトランス14、このヒータトランス14の二次側に接続された管電流検出抵抗器15、サンプルホールド回路16及びA/Dコンバータ17で構成されている。
【0015】
記憶手段としてはROM18及びRAM19が備えられ、パルス生成系の回路としてはパルス生成回路20及びグリッド電源回路21が備えられている。グリッド電源回路21の出力端子はX線管1のグリッドGに接続されている。
【0016】
また、管電圧、管電流の設定、調整及び表示等を行う回路として、管電圧設定回路22、管電圧設定値表示回路23、管電圧実測値表示回路24、管電流設定回路25、管電流設定値表示回路26、管電流実測値表示回路(表示手段)27及びパルス管電流調整モード回路28が備えられている。これらの設定、調整、表示等の各回路は操作・表示インタフェース回路29を介してMPU7に接続されている。
【0017】
次に、上述のように構成されたX線発生装置の各作用を説明する。
【0018】
まず、管電圧の生成・制御作用から説明する。商用電源2からの交流電圧を整流・平滑回路3で整流・平滑後、スイッチング回路4でスイッチングして直流・交流変換し、その交流出力を昇圧回路5に給電する。昇圧回路5では、高圧トランスで昇圧し、C/W回路によって昇圧・整流・平滑し直流高電圧とする。この直流高電圧を管電圧としてX線管1のアノードA・カソードK間に印加する。アノードA・カソードK間には、管電圧分圧回路6が接続されており、この管電圧分圧回路6から管電圧フィードバック値が管電圧制御回路9に送られる。管電圧制御回路9は、第1のD/Aコンバータ8から送られる管電圧設定値と等しくなるようにスイッチング回路4を制御する。管電圧設定回路22を手動操作することによって設定された所望の管電圧が、操作・表示インタフェース回路29を経由してMPU7へ取り込まれ、MPU7はその設定された管電圧に相当する管電圧設定値が第1のD/Aコンバータ8の出力に現れるように第1のD/Aコンバータ8へ値を設定する。管電圧の設定値は、MPU7から操作・表示インタフェース回路29を経由して管電圧設定値表示回路23に表示される。また、管電圧フィードバック値は、図示しないA/Dコンバータにも送られ、そのA/D変換値はMPU7に取り込まれて管電圧実測値表示回路24が必要とする値に変換され操作・表示インタフェース回路29を経由して管電圧実測値表示回路24に表示される。管電圧は、正確には管電流検出抵抗器15を経由してアノードA・カソードK間に印加されるが、この管電流検出抵抗器15における電圧降下は数V程度であり、10kV程度以上である管電圧に対して0.1%以下なので、この管電流検出抵抗器15における電圧降下は無視することができる。
【0019】
次に、管電流の制御作用を説明する。管電流はX線管1のアノードAからカソードKへ流れる電流である。この管電流が管電流検出抵抗器15によって電圧値に変換され、管電流フィードバック値TCFBとなる。TCFBは、管電流制御回路12にフィードバックされる。管電流制御回路12は、TCFBが第2のD/Aコンバータ10から設定される管電流設定値に対応する値となるようにヒータトランス14の一次側にあるスイッチング回路13を制御する。X線を連続的に照射する場合には、グリッド電圧をEGsatに相当する一定値として、このフィードバック制御ループによって管電流は制御される。ここで、グリッド電圧をEGcoにすると、管電流を遮断することができる。このようにして管電流を遮断し た状態で、グリッド電圧をEGcoからEGsatに切り替えると、管電流は流れ始め 、その立上がり特性は、管電流遮断中のヒータの加熱量、即ち、ヒータの予熱量によって決まる。管電流の立上がり特性を図2に示す。ヒータの予熱量が大き過ぎる場合、管電流の立上がり特性は図2cに示すように、管電流設定値よりも大きな値にまでオーバシュートしX線管1の損傷を招くおそれがある。一方、ヒータの予熱量が小さ過ぎる場合、管電流の立上がり特性は図2bに示すように、管電流設定値までの立上がり所要時間が長過ぎて、管電流が設定値に到達する前にX線照射パルスが消失するなどの問題がある。そのため、管電流の立上がり特性が図2aに示すように、オーバシュートなしで最短の立上がり時間となるように、ヒータの予熱量を設定することが必要である。
【0020】
ヒータの予熱量を最適値に調整するための方法を説明する。パルス管電流調整モード回路28を手動によって、「パルス管電流調整モード」とする。その情報は操作・表示インタフェース回路29を経由してMPU7に伝送され、パルス管電流調整モードで必要とされる所定の周期とパルス幅を生成するように、MPU7からパルス生成回路20に指令される。グリッド電源回路21は、この所定の周期とパルス幅でEGcoとEGsatとにスイッチングされ、パルス管電流が流れる 。その管電流フィードバック値は、グリッド電圧をEGcoからEGsatに切り替え られたtsamp時間後にサンプルホールド回路16によってサンプリングされ、A/Dコンバータ17によってA/D変換される。その変換値は、操作・表示インタフェース回路29を経由して管電流実測値表示回路27に表示される。その表示値が、管電流設定値表示回路26に表示された管電流設定値と等しくなるようにパルス管電流調整モード回路28の予熱量加減スイッチによって手動で調整する。予熱量加減スイッチが操作されると、その情報は操作・表示インタフェース回路29を経由してMPU7へ伝送され、MPU7は、そのスイッチ操作に相当する予熱量設定値を第3のD/Aコンバータ11に出力する。こうして予熱量が変化すると、パルス管電流の立上がり特性が変化し、前記のように、サンプルホールドされ管電流実測値表示回路27に表示される管電流も変化する。調整が完了したら、パルス管電流調整モード回路28の予熱量記憶スイッチを操作する。すると、MPU7はそのとき第3のD/Aコンバータ11に出力していた値を管電圧及び管電流の各設定値とともにRAM19に記憶する。管電圧及び管電流の各設定値を変化させるたびに、この予熱量を同様に調整する。MPU7はそのときどきに第3のD/Aコンバータ11に出力していた値を管電圧及び管電流の各設定値とともにRAM19に記憶する。
【0021】
以上のようにして、パルス管電流調整モードでの調整を完了したら、パルス管電流調整モード回路28のスイッチ操作によってパルス管電流調整モードを終了し、通常使用モードにする。このとき、その操作情報は、操作・表示インタフェース回路29を経由してMPU7へ伝送され、MPU7はパルス生成回路20に対して、通常使用モードで使用するパルスの周期と幅を生成するよう指令を発生する。また、MPU7は管電圧と管電流の各設定回路22,25によって設定された管電圧と管電流の各値に対応する予熱量のデータをRAM19から読み出し、第3のD/Aコンバータ11へ出力する。パルス管電流のフィードバック値は、管電流実測値表示回路27に表示されるので、管電流設定値表示回路26に表示される値と目視で比較することができる。X線管1は、管電圧と予熱量が一定でもそれ自身の経時変化によって管電流が変化する。管電流実測値表示回路27に表示される値と管電流設定値表示回路26に表示される値との偏差が増大した場合には、パルス管電流調整モードによって再調整する。
【0022】
なお、管電流制御回路12は、パルス幅内ではヒータの予熱量とは無関係にパルス管電流のフィードバック値が管電流設定値と等しくなるようにヒータの加熱量を制御する。これにより、パルスX線のパルス幅がヒータの熱時定数程度以上に長い場合にも制御が良好となる。
【0023】
また、通常使用モードにおいて、パルス管電流調整モードでヒータの予熱量を調整していない管電圧と管電流の組合わせが、管電圧と管電流の各設定回路22,25に設定された場合には、パルス管電流調整モードによってヒータの予熱量を手動調整する。
【0024】
また、以上で用いたサンプリングのタイミングtsampは、ヒータを含む管電流制御回路12の時定数の20〜200%程度がよいが、最適値はX線管種に依存するので一度、パルス電流波形を見て決めるのがよい。
【0025】
以上に述べた本実施の形態において、管電流を流すときには、図1に図示しないX線オン/オフ制御回路によって管電圧及び管電流の印加を許可する条件が生成されるが、これは公知の技術であるため記述しない。
【0026】
上述したように、本実施の形態によれば、ヒータの熱時定数より短いパルス幅のX線をオーバシュートなく、最短の立上がり時間で発生することができる。また長いパルス幅のX線も良好に発生することができる。多くの管電圧及び管電流の組合わせに相当する数の予熱量の調整値をコンパクトに再現性よく保持することができる。従来のようにオシロスコープなどのパルス管電流のフィードバック波形観測手段を用いることなく、容易に個人差やバラツキなく、パルス管電流のフィードバック波形を最適化することができる。また、通常使用モードにおいてもパルス管電流実測値を表示することができ、装置の健全性確認が可能である。
【0027】
次に、上記実施の形態に対する各変形例を説明する。
【0028】
第1の変形例を説明する。上記実施の形態では、パルス管電流調整モードによって予熱量を予め手動で調整し、この調整した予熱量を管電圧及び管電流の各設定値とともにRAM19に記憶させるようにしている。第1の変形例では、サンプルホールド回路16によってサンプリングされ、A/Dコンバータ17によってA/D変換された管電流フィードバック値と、管電流設定値とをMPU7内で比較演算し、MPU7は、管電流フィードバック値が管電流設定値と等しくなるように第3のD/Aコンバータ11へ出力する予熱量に相当する値を自動的に調整する。この制御は通常のPID制御を行うが管電圧、管電流の1つの組合わせに対し、最初に求めた最適予熱量を記憶して、以後は制御せずにこの記憶値を用いるようにしてもよい。
【0029】
第1の変形例によれば、予熱量を自動調整することによって、予熱量の設定が不要となり、またX線管1自身の経時変化によって生じる管電流の変動を自動補正することができる。
【0030】
第2の変形例を図3を用いて説明する。この変形例は前記実施の形態の管電流制御回路を変更したものであり、管電流制御回路32には、管電流設定値と管電流フィードバック値及びサンプルホールド回路16によってサンプリングされた管電流フィードバック値であるサンプルホールド値とが入力される。管電流制御回路32はパルス幅内では管電流フィードバック値が管電流設定値と等しくなるよう、また、パルス幅外(予熱)ではサンプルホールド値が管電流設定値と等しくなるようスイッチング回路13を制御する。この制御は通常のPID制御を行うが予熱制御はX線オン直後のみ行って以後は固定してもよい。
【0031】
第2の変形例によれば、上記第1の変形例と略同様の効果が得られる。
【0032】
第3の変形例を説明する。通常使用モードにおいて、パルス管電流調整モードで予熱量を調整していない管電圧と管電流の組合わせが、管電圧と管電流の各設定回路22,25に設定された場合には、MPU7は既にRAM19に記憶された組合わせでの予熱量を用いて、予熱量を二次元的に補間計算して第3のD/Aコンバータ11へ出力する。
【0033】
第3の変形例によれば、ヒータの予熱量を調整する管電圧と管電流の組合わせ数を減らすことができる。通常使用モードにおいて、ヒータの予熱量を未調整の管電圧と管電流の組合わせが設定された場合に、パルス管電流調整モードを実行せずに使用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、パルス管電流を発生させる場合に、そのパルス管電流の周期に同期して管電流値をサンプリングし、そのサンプリング値が所定値となるカソードの予熱量を記憶し、この記憶した予熱量を次以降のパルス管電流における管電流値の制御に利用する制御手段を具備させたので、予熱量設定時に操作者の波形観測が不要となり、したがって個人差やバラツキがなく、パルス幅がカソードの熱時定数より短い場合であっても最適化された波形を持ち、且つ所定の管電流値(振幅値)に制御されたパルス管電流を、最短の立上がり時間で発生させることができる。
【0035】
請求項2記載の本発明によれば、パルス管電流を発生させる場合に、そのパルス管電流の周期に同期して管電流値をサンプリングし、そのサンプリング値が所定値となるようにカソードの予熱量を自動調整する制御手段を具備させたので、予熱量設定を必要とせず、したがって個人差やバラツキがなく、パルス幅がカソードの熱時定数より短い場合であっても最適化された波形を持ち、且つ所定の管電流値に制御されたパルス管電流を発生させることができる。また、X線管自身の経時変化によって生じる管電流の変動を自動補正することができる。
【0036】
請求項3記載の本発明によれば、パルス管電流を発生させる場合に、そのパルス管電流の周期に同期して管電流値をサンプリングし、そのサンプリング値を表示する表示手段を具備させたので、実使用時に、サンプリングされた管電流値が表示されて、装置の健全性を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるX線発生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施の形態における管電流応答特性及びサンプリング点を示す図である。
【図3】上記実施の形態の第2の変形例における管電流制御部を示すブロック図である。
【図4】グリッドを持つX線管の管電流特性を示す図である。
【符号の説明】
1 X線管
7 MPU(制御手段)
9 管電圧制御回路
12 管電流制御回路
16 サンプルホールド回路
27 管電流実測値表示回路(表示手段)
Claims (3)
- X線管のカソードの加熱量を可変することによりカソード・アノード間に流れる管電流を制御するとともにパルス管電流を発生する機能を持つX線発生装置において、所定周期のパルス管電流を発生させ、前記所定周期のパルス管電流の遮断区間中の前記加熱量であるカソードの予熱量を変化させつつ、前記所定周期のパルス管電流の発生に同期してパルス幅の先頭から所定時間後に管電流値をサンプリングし、前記サンプリングした管電流値が所定の管電流設定値と等しくなる前記カソードの予熱量を記憶し、前記記憶したカソードの予熱量を次以降のパルス管電流における管電流値の制御に利用する制御手段を有することを特徴とするX線発生装置。
- X線管のカソードの加熱量を可変することによりカソード・アノード間に流れる管電流を制御するとともにパルス管電流を発生する機能を持つX線発生装置において、所定周期のパルス管電流を発生させつつ、前記所定周期のパルス管電流の発生に同期してパルス幅の先頭から所定時間後に管電流値をサンプリングし、前記サンプリングした管電流値が所定の管電流設定値と等しくなるように前記所定周期のパルス管電流の遮断区間中の前記加熱量であるカソードの予熱量を自動調整する制御手段を有することを特徴とするX線発生装置。
- X線管のカソードの加熱量を可変することによりカソード・アノード間に流れる管電流を制御するとともにパルス管電流を発生する機能を持つX線発生装置において、所定周期のパルス管電流を発生させる場合に、前記所定周期のパルス管電流の発生に同期してパルス幅の先頭から所定時間後に管電流値をサンプリングし、前記サンプリングした管電流値を表示する表示手段を有することを特徴とするX線発生装置。
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