JP4504887B2 - 建設機械のフレーム組立用品 - Google Patents

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Description

本発明は、作業機が取り付けられる縦板を底板上に立設するように位置決めして溶接することにより建設機械のフレームを組み立てるのに使用する建設機械のフレーム組立用品に関する。
建設機械は、建設作業を行うための作業機と、この作業機が設置されるフレームとを備えている。この建設機械のフレームには、底板とこの底板上に立設される縦板とを溶接により組み立てて作業機を縦板に取り付けて設置するようにしたものがある。油圧ショベルを例にしてこの建設機械のフレームについて説明すると、油圧ショベルは、走行するためのクローラ等による下部走行体と、この下部走行体上に旋回可能に設置された上部旋回体とを設けて構成されるが、この上部旋回体は、旋回フレーム上に、運転室、機械室、カウンタウエイト等の諸装置を設置して構成されており、この諸装置を設置するための基盤となる旋回フレームが建設機械のフレームに当たる。
この旋回フレームは、下部走行体に対して支持されながら旋回し得るように設置された底板と、底板に、前後方向に延びるように溶接して立設された一対の縦板とを備えたセンタフレームをベースにして構成される。旋回フレームには、このセンタフレーム以外のフレームを設けないで構成される場合もあるが、大型化することが必要な場合等、必要に応じて、センタフレームの後部にテールフレームを付設したり、更には両サイド部に左右のサイドフレームを付設したりして構成される。テールフレームは、主としてカウンタウエイトを設置するスペースを得るために付設されている。こうしたテールフレームを付設するため、センタフレームの一対の縦板の後部に、それぞれ、縦板と同様の機能を果たすIビーム状の延長部材が溶接により連結されており、この延長部材上にカウンタウエイトが設置されている。
以上のような旋回フレームには、上部旋回体を構成する前記諸装置のほか、前部に、掘削作業や積載作業等種々の作業を行うためのフロント作業機が設置される。このフロント作業機は、基部が旋回フレームに垂直方向に回動(傾動)可能に軸着されて設置されたブームと、後端部がこのブームの先端部に垂直方向に回動(揺動)可能に軸着されたアームと、このアームの前端部に垂直方向に回動可能にかつ着脱可能に軸着されたバケットとを備えている。また、これらの作業用機具をそれぞれ駆動するための油圧アクチュエータとしてブームシリンダとアームシリンダとバケットシリンダとを備えている。
こうしたフロント作業機のブームやブームシリンダは、前記一対の縦板に取り付けられて、フロント作業機の駆動時の負荷がセンタフレームの各縦板に伝達されるようにしており、そのため、フロント作業機の駆動時には、掘削反力や振動、衝撃等による著大な外力がフロント作業機から各縦板に作用して下部走行体に流れる。また、センタフレームの後部乃至はテールフレームに設置したカウンタウエイトの著大な荷重も、各縦板に伝達されて下部走行体に流れる。このように、旋回フレームの各縦板には、フロント作業機やカウンタウエイト等からの著大な力が作用するため、旋回フレームの底板に対する縦板の溶接部は、こうした著大な応力に耐え得るように強靱に形成することが不可欠である。
ところで、油圧ショベル等の建設機械では、縦板を底板に溶接してフレームを組み立てる際に、縦板を底板上に立設するように位置決めしてから溶接するが、その場合に、縦板を底板上に位置決めして固定保持するための保持治具が通常使用されている。しかしながら、こうした保持治具は、高い位置決め精度が要求されて製作費がかかる上に、サイズが大きく取り扱いが煩雑であって位置決め作業に時間がかかる等、種々の問題があった。出願人は、このような問題を解消するため、縦板を底板に溶接する際に、こうした保持治具を使用しないでも、縦板を底板上に位置決めして溶接することができる技術を最近開発した。この種の技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
本発明は、この特許文献1に記載の技術に対し更に改良を加えようとするものである。そこで、本発明の改良点の技術内容を容易に理解できるようするため、特許文献1に記載の技術を、従来の技術として位置付けて以下に概説する。その際、特許文献1で使用している用語や符号を括弧内に付記しながら、本発明と関連する部分の技術内容を中心に説明する。
特許文献1には、図4及び図6に、同文献に記載の発明を油圧ショベルの旋回フレームに適用した例が示されている。この旋回フレームは、底板(5)と一対の縦板(側板6,7)とを設けてセンタフレーム(1)を構成している。図1によれば、この旋回フレームは、このセンタフレーム1の後部にテールフレーム(2)を付設し、両サイド部に左右のサイドフレーム(3,4)を付設して構成されている。この特許文献1に記載の従来の技術では、一対の縦板が位置決めされる底板の部位に、各縦板の長手方向に間隔を置いてそれぞれ二つずつ穴(5a,5b等)を形成し、こうした二つずつの穴を二列設けて合計四つ設けるとともに、各縦板の底部に、それぞれ、その二つずつの穴に差し込まれる二つの突部(7c,7d等)を形成している。図6によれば、こうした突部を形成する場合、縦板の加工工程において、縦板製作用資材の底部を、突部が形成されるように突部の高さ分だけ除去することにより、縦板底面から下方に直角に突出した突部を縦板と一体的に形成するようにしている。
この従来の技術は、以上のように底板及び一対の縦板にそれぞれ穴及び突部を形成しているので、一対の縦板を底板に溶接する際、各縦板底部の突部を、対応する底板の穴に差し込むことにより、一対の縦板を、底板上に略平行に立設するように位置決めすることができる。したがって、この従来の技術によれば、縦板を底板に溶接する際に、格別の保持治具を使用しないでも、縦板を底板上に位置決めして溶接することができる。
特開2005ー30090号公報(第4−5,7頁、図1−4,6)
この特許文献1に記載の従来の技術では、溶接作業を行う上でこうした優れた効果を発揮するが、縦板に突部を一体的に形成したことに伴って、更に改善すべき新たな問題が生じた。この点について以下に言及する。
この従来の技術では、縦板に突部を形成する場合、縦板を加工する過程で縦板に突部を一体的に形成するようにしているので、特許文献1の図6に図示されているように、縦板の底面に対する突部の付け根の両側に直角状の角部が形成されることとなる。建設機械のフレームの中枢をなす縦板は、既に述べたようにフロント作業機やカウンタウエイト等から振動や衝撃等による著大な負荷を受けるが、こうした著大な負荷を受ける縦板に前記のような角部が形成されると、建設作業時に、この角部付近における底板への縦板の溶接部に激しい応力集中がもたらされる。
そのため、縦板が建設機械の反復使用により著大な負荷を繰り返し受けると、前記角部付近の縦板の溶接部は、こうした激しい応力集中により、疲労による強度低下が加速されて建設機械のフレームの耐用年数の短縮化を招く危惧がある。こうしたことから、従来の技術について、これがもっている前述の優れた特徴をそのまま保持しながらも、底板への縦板の溶接部について応力集中による強度低下の問題が生じる危惧のないように改善することが望まれる。
本発明は、こうした要求に応えるために創作されたものであって、その技術的課題は、従来の技術と同様に格別の保持治具を使用しないでも縦板を底板上に位置決めして溶接することができ、しかも、応力集中に起因する強度低下が底板への縦板の溶接部に生じる恐れのないように建設機械のフレームを溶接により組み立てることができる建設機械のフレーム組立用品を提供することにある。
本発明は、こうした技術的課題を達成するため、「作業機が取り付けられる縦板を底板上に立設するように位置決めして溶接することにより建設機械のフレームを組み立てるのに使用する建設機械のフレーム組立用品」を次のとおり構成した。
底部に穴底が水平面に形成された穴を有する縦板と、この縦板が位置決めされる部位における縦板の穴に対応する個所に穴を有する底板と、前記縦板及び前記底板とは別体に設けられ、上方側が前記縦板の穴の側壁及び前記水平面の穴底に密着して嵌合され、下方側が前記底板の穴の側壁に密着して嵌合される継手部材とを設けて構成した。
本発明の建設機械のフレーム組立用品は、このように構成されているので、縦板を底板に溶接する際、継手部材の上方側を縦板の穴に嵌合させるとともに、継手部材の下方側を底板の穴に嵌合させて、縦板を底板上に立設するように位置決めすることにより、従来の技術と同様、格別の保持治具を使用しないでも、縦板を底板に溶接することができる。なお、継手部材は、仮止め用の部材であって、構造部材としての役割は分担しないので、従来の技術に係る縦板底部の突部のように縦板と同じ材質であることは必要でなく、縦板を底板上に立設するように位置決めすることができるものであれば、その材質を製作上自由に選択することができる。
このように、本建設機械のフレーム組立用品では、継手部材を縦板の穴と底板の穴とに嵌合させようにしているので、これらの穴と継手部材とは、僅かではあってもガタが生じるように結合されることとなる。そのため、建設作業時に、フロント作業機やカウンタウエイト等からの著大な力が縦板に作用しても、その力は、そのガタにより吸収、緩和されて、縦板及び底板と継手部材との結合部や、ひいてはこの結合部付近の溶接部に応力集中を発生させる危惧がない。本建設機械のフレーム組立用品にあっては、こうした仕組みにより、従来の技術にみられるような応力集中の発生を防ぐようにした点に独自の工夫がある。以上のように、本建設機械のフレーム組立用品によれば、従来の技術と同様に格別の保持治具を使用しないでも縦板を底板上に位置決めして溶接することができ、しかも、応力集中に起因する強度低下が底板への縦板の溶接部に生じる恐れのないように建設機械のフレームを溶接により組み立てることができる。
以下の説明から明らかなように、本発明は、「作業機が取り付けられる縦板を底板上に立設するように位置決めして溶接することにより建設機械のフレームを組み立てるのに使用する建設機械のフレーム組立用品」を、「底部に穴底が水平面に形成された穴を有する縦板と、この縦板が位置決めされる部位における縦板の穴に対応する個所に穴を有する底板と、前記縦板及び前記底板とは別体に設けられ、上方側が前記縦板の穴の側壁及び前記水平面の穴底に密着して嵌合され、下方側が前記底板の穴の側壁に密着して嵌合される継手部材とを設けて構成した」ので、本発明の建設機械のフレーム組立用品によれば、従来の技術と同様に格別の保持治具を使用しないでも縦板を底板上に位置決めして溶接することができ、しかも、応力集中に起因する強度低下が底板への縦板の溶接部に生じる恐れのないように建設機械のフレームを溶接により組み立てることができる。その結果、建設機械の反復使用により縦板が著大な負荷を繰り返し受けても、底板への縦板の溶接部において、疲労による強度低下が応力集中により加速されて、建設機械のフレームの寿命を縮めるようなことはない。
既に述べたように、従来の技術では、縦板の加工工程で、縦板製作用資材の底部を除去することにより、突部を付設した縦板を製作する必要があるため、縦板を製作する場合に製作材料に無駄が生じるが、本発明の建設機械のフレーム組立用品によれば、縦板に突部を付設する必要はないので、縦板を製作する場合に、従来の技術にみられるような製作材料の無駄は生じない。本建設機械のフレーム組立用品によれば、縦板と継手部材とは、互に拘束されることなく別個に製作することができ、また、継手部材は、材質及び形状を自由に選択することができるので、当該建設機械のフレームを製作するに際し、その製作に最適な設計を選択することができる。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1乃至図8を用いて説明することにより、本発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
まず、本発明の建設機械のフレーム組立用品により組み立てようとする建設機械のフレームについて、その基本的な構造を図1乃至図3に基づいて概説する。なお、ここでは、建設機械のフレームが油圧ショベルの旋回フレーム、特に後述するセンタフレームである場合を例にして、以下の説明をする。
図1は、建設機械のフレームの一例を示す平面図、図2は、図1の建設機械のフレームにおける一対の縦板の中間を縦方向に切断した縦断面図、図3は、図1の建設機械のフレームの正面図である。
これらの図において、1は油圧ショベルの旋回フレームを構成する建設機械のフレームとしての鋼板製のセンタフレーム、2はこのセンタフレーム1の底部をなす底板、3は前後方向に延びるように底板2上に立設した左の縦板、4はこの左の縦板3の右側に間隔を置いて前後方向に延びるように底板2上に立設した右の縦板、5はこれら左右の縦板3,4の前部に左右の端部がそれぞれ溶接されて両縦板3,4を繋ぐように設けられた隔壁、6は上部旋回体の旋回を可能にしつつ上部旋回体側の作動油の管路と下部走行体側の作動油の管路とを接続するセンタジョイントである。
センタフレーム1は、底板2と左右の縦板3,4と隔壁5とを設けて構成される。図示はしていないが、このセンタフレーム1には、必要に応じて、後部に、図示しないテールフレームが付設され、更には、両サイド部に、図示しない左右のサイドフレームが付設されて、上部旋回体の基盤となる旋回フレームが形成される。なお、油圧ショベルが小型機の場合には、テールフレームや左右のサイドフレームが果たす役割をセンタフレーム1が単独で果たす。油圧ショベルでは、こうして形成された旋回フレームに、運転室やエンジン、油圧ポンプ、油タンク等を納めた機械室やカウンタウエイト等の諸装置を設置して上部旋回体を構成する。また、センタフレーム1には、旋回フレームを下部走行体上に支持しながら旋回させるための旋回輪が底板2に取り付けられる。
一対の縦板3,4は、底板2上に、間隔を置いて略平行に立設するように位置決めした上で、通常、開先を設けずに、アーク溶接等で連続的にすみ肉溶接をして固着される。左右の縦板3,4の前部には、それぞれ、ブームを上下方向に回動可能に軸着するためのブーム用ブラケット3a,4aを設けている。また、左右の縦板3,4の前端部には、それぞれ、ブームシリンダのボトム側を回動可能に軸着するためのブームシリンダ用ブラケット3b,4bを設けている。これらのブーム用ブラケット3a,4a及びブームシリンダ用ブラケット3b,4bには、それぞれフロント作業機のブーム及びブームシリンダをピンで軸着することにより各縦板3,4に取り付けて、フロント作業機からもたらされる掘削反力や振動、衝撃等による著大な外力が縦板3,4に伝達されるようにしている。
これらの縦板3,4には、こうした外力のほか、センタフレーム1乃至はテールフレームに設置したカウンタウエイトの著大な荷重も伝達されるようにしている。また、上部旋回体の旋回時に底板と旋回輪との間に作用する大きな力も伝達され、更には、旋回フレーム上に設置されている運転室や機械室等の上部旋回体の全ての荷重が伝達されて下部走行体に流れるようにしている。このように、縦板3,4は、種々の著大な力を集中的に受けていて、旋回フレームの中核的な構造部材をなしているため、底板2に対する縦板3,4の溶接部は、弱点のないように丈夫に形成することが必要である。隔壁5は、ブームやブームシリンダが軸着されて著大な外力を受ける縦板3,4の前方個所を補強する役割をする。この隔壁5には、ブームシリンダ等のアクチュエータへ接続される油圧ホースを挿通するためのホース挿通孔5aが付設されている。
次に、本発明の建設機械のフレーム組立用品の一例について、その特徴的な技術内容を図4乃至図8に基づいて説明する。
図4は、本発明の建設機械のフレーム組立用品を使用して組み立てた建設機械のフレームの一例を示す平面図、図5は、図4の建設機械のフレームを縦板に沿って切断した縦断面図、図6は、本発明の建設機械のフレーム組立用品に係る底板及び縦板の一例を個々に示す図で、(a)は底板を示す平面図、(b)は一対の縦板を示す底面図、図7は、本発明の建設機械のフレーム組立用品に係る底板及び縦板の一例を個々に示す図で、(a)は一方の縦板を示す縦断面図、(b)は底板を示す底板の穴付近の縦断面図、図8は、図5のA部の拡大図である。
これらの図において、既述の図1乃至図3と同一の符号を付けた部分は、これら図1乃至図3と同等の部分を表すので、詳述しない。なお、図4及び図5に図示の建設機械のフレームは、既述の図1乃至図3に図示の建設機械のフレームと同等のものであるが、隔壁5等の図示は省略して要部だけが図示されている。また、図7及び図8には、左の縦板3の構造が図示されているが、右の縦板4も左の縦板3と同様の構造を備えているので、左の縦板の符号3の傍らに右の縦板の符号4を括弧書きにより付記している。
本建設機械のフレーム組立用品は、縦板3,4を底板2上に立設するように位置決めして溶接することにより建設機械のフレームとしてのセンタフレーム1を組み立てるのに使用する組立用品のセットであり、底板2と縦板3,4と継手部材10とが含まれる。縦板3,4は、底部に穴12を設けて構成され、底板2は、溶接の際に縦板3,4が位置決めされる部位における縦板3,4の穴12に対応する個所に穴11を設けて構成される。また、継手部材10は、縦板3,4の穴12と底板2の穴11とに嵌合させて縦板3,4を底板上2に立設するように位置決めすることができるようにほぞ状に構成されている。
底板2の穴11は、ここに示す例では貫通孔として形成され、また、縦板3,4の穴12は、当然のことながら、底のある穴として形成されている。なお、底板2の穴11は、通常は貫通孔として形成されるが、センタフレーム1の板厚によっては、底のある穴として形成することもできる。各縦板3,4には、図6(b)に示すように、前後方向(縦板3,4の長手方向)に間隔を置いて二つずつ穴12をそれぞれ形成している。また、底板2には、図6(a)に示すように、左右の縦板3,4がそれぞれ位置決めされる底板2の各部位に、前後方向に間隔を置いてそれぞれ二つずつ穴11を形成して、二つずつの穴11を左右に二列、合計四つほど形成している。なお、底板2に設ける穴11の数や縦板3,4に設ける穴12の数は、必ずしもこれに限るものでない。
底板2の穴11及び縦板3,4の穴12の形状について述べると、ここに示す例では、底板2の穴11は、図6(a)に示すように平面視長方形状をなしていて、図8に示すように底板2の底面を突き抜けている。また、縦板3,4の穴12は、図6(b)及び図7(a)から分かるように、水平断面及び縦断面が何れも矩形状をなしており、図8に示すように穴底が水平面をなしている。この縦板3,4の穴12は、穴底が水平面をなすように加工するため、例えばエンドミルにより穴開け加工をする。
継手部材10は、上方側を、縦板3,4の穴12の前後左右の側壁及び水平面の穴底に密着して嵌合させることができるように形成するとともに、下方側を、底板2の穴11の前後左右の側壁に密着して嵌合させることができるように形成する。その場合、継手部材10の下方側を、図8に示すように穴11の深さよりも若干短く形成しているが、穴11の深さと等しく形成するようにしてもよい。したがって、この継手部材10は、全体として直方体をなすように形成されている。本建設機械のフレーム組立用品においては、一つのセンタフレーム1を組み立てる場合、こうした継手部材10を、底板2の穴11の数に合わせて4個ほど用意する。
この継手部材10は、ここでは一般構造用圧延鋼材(SS材)で製作しているが、仮止め用の部材であって、構造部材としての役割は分担しないので、硬質のプラスチックで製作してもよく、要は、縦板3,4をその溶接時に底板2上に立設するように位置決めすることができるものであれば、その材質は問わない。また、底板2の穴11及び縦板3,4の穴12の形状や継手部材10の形状は、これらの加工の便や縦板3,4の位置決め作業の便等を考慮しながら適宜選択することができる。
以上述べた建設機械のフレーム組立用品に係る作用効果について説明する。
本建設機械のフレーム組立用品は、以上のように構成されているので、縦板3,4を底板2に溶接する際には、継手部材10の上方側を左右の縦板3,4の各穴12に嵌合させる。次いで、この継手部材10を嵌合した縦板3,4をクレーンで底板2の上方に移送して吊り降ろしながら、継手部材10の下方側を、位置固定されている底板2における対応する各穴11に嵌合させる。こうして各縦板3,4を底板2上に立設するように位置決めすることにより、従来の技術と同様、格別の保持治具を使用しないでも、縦板3,4を底板2にすみ肉溶接により溶接することができる。以上、左右の縦板3,4を底板2上に並行して位置決めする手順について述べたが、左右の縦板3,4の一方を底板2上に位置決めした後、他方を位置決めするというように順番に位置決めするようにしてもよい。
このように、本建設機械のフレーム組立用品では、継手部材10を縦板3,4の穴12と底板2の穴11とに嵌合させて縦板3,4を位置決めするようにしているので、これらの穴11,12と継手部材10とは、僅かではあってもガタが生じるように結合されることは避けられない。そのため、建設作業時に、フロント作業機やカウンタウエイト等からの著大な力が縦板3,4に作用しても、その力は、そのガタにより吸収、緩和されて、縦板3,4及び底板2と継手部材10との結合部や、ひいてはこの結合部付近の溶接部に応力集中を発生させる危惧がない。すなわち、こうした著大な力が縦板3,4に作用して継手部材10に伝達された場合には、継手部材10は、前記のガタの存在により、その力に逆らわずに縦板3,4や底板2に対して傾くことができるため、縦板3,4及び底板2と継手部材10との結合部に応力集中を発生させることはない。
なお、継手部材10は、底板2や縦板3,4より低強度の部材で形成することができるが、こうした場合において縦板3,4に著大な力が作用したときには、継手部材10は、前記のようにガタの存在により傾くほか、場合によってはその力に逆らわずに曲げられることもあり、このことによっても、縦板3,4及び底板2と継手部材10との結合部に応力集中がもたらされるのを防ぐことができる。以上のように、本建設機械のフレーム組立用品にあっては、著大な力が縦板3,4に作用して継手部材10に伝達されたときに、その力に逆らわずに継手部材10を変位させ、縦板3,4及び底板2と継手部材10との結合部における一点へ過大な負荷が集中するのを避けるという仕組みにより、従来の技術にみられるような応力集中の発生を防ぐようにしている点に独自の工夫がある。
以上のように、本建設機械のフレーム組立用品によれば、従来の技術と同様に格別の保持治具を使用しないでも縦板3,4を底板2上に位置決めして溶接することができ、しかも、応力集中に起因する強度低下が底板2への縦板3,4の溶接部に生じる恐れのないように旋回フレームを溶接により組み立てることができる。その結果、油圧ショベルの反復使用により縦板3,4が著大な負荷を繰り返し受けても、底板2への縦板3,4の溶接部において、疲労による強度低下が応力集中により加速されて、旋回フレームの寿命を縮めるようなことはない。
「背景技術」の項で述べたように、従来の技術では、縦板3,4の加工工程で、縦板製作用資材の底部を除去することにより、突部を付設した縦板3,4を製作する必要があるため、縦板3,4を製作する場合に製作材料に無駄が生じる。これに対して、本建設機械のフレーム組立用品によれば、こうした製作材料の無駄をもたらす突部を縦板3,4に付設する必要はないので、縦板3,4を製作する場合に、従来の技術にみられるような製作材料の無駄は生じない。本建設機械のフレーム組立用品によれば、縦板3,4と継手部材10とは、互に拘束されることなく別個に製作することができ、また、継手部材10は、材質及び形状を自由に選択することができるので、旋回フレームを製作するに際し、その製作に最適な設計を選択することができる。
以上、本発明の建設機械のフレーム組立用品を、油圧ショベルの旋回フレームを組み立てるために適用した例を示したが、本発明の建設機械のフレーム組立用品は、油圧ショベルの旋回フレームだけに限らず、クレーンの旋回フレーム等、他の建設機械のフレームを組み立てるためにも適用することができる。本発明の建設機械のフレーム組立用品は、特に、量産品としての建設機械のフレームを組み立てるための溶接工程に使用して絶大な効果を発揮する。
建設機械のフレームの一例を示す平面図である。 図1の建設機械のフレームにおける一対の縦板の中間を縦方向に切断した縦断面図である。 図1の建設機械のフレームの正面図である。 本発明の建設機械のフレーム組立用品を使用して組み立てた建設機械のフレームの一例を示す平面図である。 図4の建設機械のフレームを縦板に沿って切断した縦断面図である。 本発明の建設機械のフレーム組立用品に係る底板及び縦板の一例を個々に示す図で、(a)は底板を示す平面図、(b)は一対の縦板を示す底面図である。 本発明の建設機械のフレーム組立用品に係る底板及び縦板の一例を個々に示す図で、(a)は一方の縦板を示す縦断面図、(b)は底板を示す底板の穴付近の縦断面図である。 図5のA部の拡大図である。
符号の説明
1 センタフレーム
2 底板
3,4 縦板
3a,4a ブーム用ブラケット
3b,4b ブームシリンダ用ブラケット
5 隔壁
10 継手部材
11 (底板2の)穴
12 (縦板3,4の)穴

Claims (1)

  1. 作業機が取り付けられる縦板を底板上に立設するように位置決めして溶接することにより建設機械のフレームを組み立てるのに使用する建設機械のフレーム組立用品であって、
    底部に穴底が水平面に形成された穴を有する縦板と、この縦板が位置決めされる部位における縦板の穴に対応する個所に穴を有する底板と、前記縦板及び前記底板とは別体に設けられ、上方側が前記縦板の穴の側壁及び前記水平面の穴底に密着して嵌合され、下方側が前記底板の穴の側壁に密着して嵌合される継手部材とを設けて構成したことを特徴とする建設機械のフレーム組立用品。
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JPS58199670A (ja) * 1982-05-14 1983-11-21 Hitachi Ltd 大型構造物の製作方法
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