JP4504048B2 - 電気レオロジーゲルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ、ダンパー、ショックアブソーバー等の動力伝達装置や制動装置等に使用できる電気レオロジー流体に関し、特に電気レオロジー粒子及び液状電気絶縁性媒体をゲル骨格中に分散させることにより電気レオロジー粒子の沈降を防止した、電気レオロジーゲルに関するものである。
電気レオロジー流体(ER流体)とは、電気絶縁性媒体中に特殊粒子を分散させた流体であって、電界を印加すると流体の粘度が著しく増大する流体のことである。このような性質は、電気レオロジー効果(ER効果)またはウィンズロー効果と呼ばれ、電極間に印加された電界により分散粒子に分極が生じ、さらにこの分極に基づく粒子間力によって、電極間で粒子が電荷方向に結合してクラスタと呼ばれる鎖状構造を形成し、これが流動抵抗となり粘性が変化すると考えられている。このような性質を持つER流体は、電界に対する応答性が良好であり、粘度変化の幅が広く、電界強度によって見かけの粘度が制御できることから、動力伝達素子や制動素子への応用が期待されている。
上述したように、代表的なER流体は、シリコーンオイル等の電気絶縁性媒体中に、粒子径が十数ミクロンの特殊粒子を分散させたものであるため、長期間静置しておくと粒子が沈降・凝集してしまい、ER効果の再現性が低下するという問題がある。また、流体であるため、使用の際にはシール構造が必要となることなどが、実用化への障害となっていた。
このような問題を解決するため、本発明者らは特開2002−80881に記載したように、ゲル中に液状電気絶縁性媒体と分散相粒子を分散させることによって、分散相粒子の沈降・凝集を防止した電気レオロジーゲル(ERゲル)を提案した。しかしながら、このERゲルは、電圧を印加し、その後電圧印加を止めても電圧印加前の状態に戻るまでの時間が長い(剪断応力コントロール性が悪い)、ゲル表面に液状電気絶縁性媒体が滲出し取扱い性に欠け、また、電極面にERゲルを均一に形成することが難しいという問題を抱えていた。
特開2002−80881号公報
本発明は、長期間静置しても電気レオロジー粒子(ER粒子)が沈降・凝集せず、安定したER効果を示し、電圧印加を止めると短い時間で元の状態に戻り、液状電気絶縁性媒体の滲出がなく良好な保存安定性が維持されるERゲルを提供することである。
本発明者らは、上述した問題を解決するため鋭意検討を行ったところ、電気レオロジーゲル中の電気レオロジー粒子(ER粒子)の含有量を35〜90wt%とすることにより、ER粒子の沈降・凝集を防止するとともに、液状電気絶縁性媒体の滲出を防止し、電界による剪断応力のコントロール性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。更にシート状とすることで取扱い性を向上させることができ、電極面にERゲルを均一に形成することが可能となった。
本発明におけるERゲルは、長期間静置してもER粒子の沈降・凝集が生じないため安定したER効果が得られ、液状電気絶縁性媒体の滲出がないため良好な保存安定性を示す。また、本発明におけるERゲルは液状電気絶縁性媒体の滲出がないため取り扱い性に優れ、デバイスへの応用が容易であり、例えば、可変ダンパシステム等を構成することが可能である。さらに、本発明のERゲルは、特に電界除去時の応答性が良好であることから、電界による剪断応力のコントロール性に優れている。また、消費電流も非常に少なく、かつ大きな剪断応力を発生することができる。
以下、本発明について詳細に述べる。
本発明におけるERゲルは、ゲル骨格中にER粒子が分散された液状電気絶縁性媒体が封じ込まれた構造をしている。
本発明におけるER粒子は、液状電気絶縁性媒体中に分散してER効果を示すものであり、例えば、シリカゲル、セルロース、でんぷん、大豆カゼイン、ポリスチレン系イオン交換樹脂等のように、粒子の表面に水を吸着保存する固体粒子やカーボン粒子などが挙げられる。また、有機高分子化合物の芯材と電気半導体性無機物粒子の表層とからなる複合型粒子も用いることができる。このような複合型粒子は、所望により、表層をさらに表面処理し、液状電気絶縁性媒体との親和性を調節することが可能である。本発明におけるER粒子としては、安定したER効果、および良好な保存安定性が得られることから複合型粒子を用いることが好ましい。これら、複合型粒子については、例えば、特開2001−026793号公報、特開平10−121084号公報、特開平09−079404号公報等に記載されている。
本発明のERゲル中におけるER粒子の含有量は35〜90wt%が必須であり、さらに、電界による剪断応力のコントロール性の点から、ERゲル中におけるER粒子の含有量は50〜90wt%が好ましく、より好ましくは60〜90wt%であり、さらに好ましくは45〜65wt%である。ER粒子の含有量が35wt%未満の場合、相対的にゲル骨格または液状電気絶縁性媒体の含有量が多くなるため、十分なER効果が得られなかったり、保存安定性が低下する場合があり好ましくない。また、ER粒子の含有量が90wt%を超えると、ERゲルシートが硬くなりすぎて好ましくない。
本発明における液状電気絶縁性媒体としては、シリコーンオイル、塩化ジフェニル、トランスオイルなどが挙げられる。このうち、シリコーンオイルは電気絶縁性に優れ、物理的、化学的にも安定であり、さらに難燃性も高いため好ましく用いることができる。本発明における液状電気絶縁性媒体の粘度は限定されないが、好ましくは25℃において1〜10万mm/sであり、特に5〜1000mm/sが好ましい。液状電気絶縁性媒体の粘度が1mm/s未満の場合、ERゲルの保存安定性が低下するため好ましくない。一方、液状電気絶縁性媒体の粘度が10万mm/sを超えると、ERゲル作製時に巻き込んだ気泡が抜け難く好ましくない。
本発明で用いられるシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイルのいずれか1種または2種以上である。フッ素変性シリコーンオイルとしては、例えば、トリフルオロプロピル基(CF−)を有するポリシロキサン、ノナフルオロヘキシル基(C−)を有するポリシロキサン、環状型ポリシロキサン化合物などがある。
本発明のERゲル中における液状電気絶縁性媒体の含有量は1〜55wt%が好ましい。液状電気絶縁性媒体の含有量が1wt%未満であると、ERゲルが硬くなりすぎて好ましくない場合がある。電気絶縁性媒体の含有量が55wt%を超えると、液状電気絶縁性媒体が滲出する場合があり好ましくない。
本発明におけるゲル骨格は限定されないが電気絶縁性のものが好ましい。特に、ハイドロジェンシリコーンおよび不飽和基含有化合物のヒドロシリル化反応によって得られるポリシロキサン架橋体が好ましい。このポリシロキサン架橋体は、製造が容易であり、その骨格中にER粒子が分散された液状電気絶縁媒体を多量に保持することが可能である。
本発明で用いられるハイドロジェンシリコーンとしては、例えば下記式(A)で示されるようにシロキサン鎖のケイ素原子に結合した水素原子を持つ時アルキルシロキサンが挙げられる。
Figure 0004504048
(式中Rは互いに独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、炭素数7〜21のアラルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を示し、nは0〜500の整数を示す。)Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等が挙げられる。また、Rで示される置換アルキル基としては、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、あるいは2−シアノエチル基等のようなシアノアルキル基等が挙げられる。これらの中で好ましくは、Rはメチル基であり、nは10〜200の整数であり、具体例としては、下記式(A−1)〜(A−3)で示されるものが挙げられる。
Figure 0004504048
また、本発明で用いられる不飽和基含有化合物としては、例えば下記式(B)で示されるものが挙げられる。
Figure 0004504048
(式中、Rは独立して水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数7〜21のアリールアルキレン基、ヘテロ原子数が1〜6で炭素数1〜12のヘテロ原子含有アルキレン基、または直接結合を示し、mは3以上の整数であり、Zはmと同じ価数を持つ連結基であって、炭素原子、ケイ素原子、一置換3価ケイ素原子、炭素数1〜30の脂肪族基、ヘテロ原子数が1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基、またはケイ素原子数2〜50の直鎖状、分枝状または環状のアルキルシロキサン基のいずれかを示す。)
により示されるアルキル基には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられ、アリール基には、例えば、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等が挙げられる。Rにより示されるアルキレン基には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、ドデシレン基等が挙げられ、アリールアルキレン基としては、例えば、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルエチリデン基等が挙げられる。ここで、Rについて使用される「ヘテロ原子含有アルキレン基」とは、ヘテロ原子として、酸素、硫黄または窒素原子を含有する基であって、それらヘテロ原子を炭素原子と見なすことにより、全体をアルキレン基とすることができる基を意味する。そのようなヘテロ原子含有アルキレン基には、メチレンオキシメチレン基、メチレンオキシエチレン基、メチレンオキシプロピレン基、エチレンオキシプロピレン基、メチレンオキシエチレンオキシメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、プロピレンオキシエチレンオキシプロピレン基、または、これらの酸素原子が硫黄または窒素原子で置き換えられたもの、およびこれらの酸素原子の一部が硫黄および/または窒素原子で置き換えられたものが挙げられる。Zにより示される脂肪族基としては、3価以上の直鎖状または分枝状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、オクチニル基、ドデシニル基などが挙げられる。ここで、Zについて使用される「ヘテロ原子含有有機基」とは、ヘテロ原子として、酸素、硫黄、または窒素原子を含有する脂肪族または芳香族の官能基を意味する。そのようなヘテロ原子含有有機基としては、メチレンオキシメチニル基、メチレンオキシエチニル基、メチレンオキシプロピニル基、エチレンオキシプロピニル基、メチレンオキシエチレンオキシメチニル基、エチレンオキシエチレンオキシエチニル基、プロピレンオキシエチレンオキシプロピニル基、フェニレンビス(メチルオキシエチニル)基、またはこれらの酸素原子が硫黄または窒素原子で置き換えられたもの、およびこれらの酸素原子の一部が硫黄および/または窒素原子で置き換えられたものが挙げられる。Zの一置換3価ケイ素原子には、例えば、アルキル基−Si≡が挙げられ、具体例としてCH−Si≡を挙げることができる。
これらのうち、好ましくはRは水素原子またはメチル基であり、Rは−CHOCH−、−CHOCHCH−、または−CHOCHCHOCH−である。これら不飽和基含有化合物の具体例としては、下記式(B−1)〜(B−7)で示されるものが挙げられる。
Figure 0004504048
Figure 0004504048
上述した、ハイドロジェンシリコーンと不飽和基含有化合物のヒドロシリル化反応は、温度依存性の高い反応であり、加熱により反応を促進させることができる。これはヒドロシリル化反応の大きな利点であって、原料を適度な粘度をもたせた状態で混合でき、成形した後、加熱すれば一挙に所望の形状の重合物が得られる。この場合、加熱温度としては50〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。
このヒドロシリル化反応には触媒を使用することが好ましい。ヒドロシリル化反応に使用可能な触媒としては、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム等の化合物が知られているが、特に白金化合物が有用である。白金化合物の例としては、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に固体白金を担持させたもの、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金−アルコラート触媒などが使用できる。白金触媒の場合、ERゲルに対し0.0001wt%程度添加することができる。
本発明におけるERゲルは、ゲル骨格の架橋密度が下記式を満足する場合が好ましく、特に式1の下限が0.8で上限が1.2である場合が好ましい。
Figure 0004504048
本発明のERゲル中におけるゲル骨格の含有量は3〜64wt%が好ましい。ゲル骨格の含有量が3wt%未満の場合、ERゲルの流動性が高く、制動素子等に使用する際にシール構造が必要となる。一方、ゲル骨格の含有量が64wt%を超えると、相対的にER粒子の含有量が減少し、十分なER効果を得ることができない。
ゲル骨格中に、ER粒子が分散された液状電気絶縁媒体を保持させるには、上記ヒドロシリル化後に含浸させても良いが、ヒドロシリル化前に、ER粒子を分散させた液状電気絶縁性媒体を、ハイドロジェンシリコーンおよび不飽和基含有化合物とに混合しておき、その後加熱によって反応させた方が好ましい。
また、ERゲルシート中の液状電気絶縁性媒体は、上述した方法によりER粒子が分散された液状電気絶縁媒体をゲル骨格中に保持させた後、減圧下あるいは加圧下に圧搾あるいは吸引により抜き取って所望の量に調整してもよい。この方法は、特にERゲルシート中の液状電気絶縁性媒体の含有量を少なくしたい場合に有効である。ER粒子分散時には、分散に十分な量の液状電気絶縁性媒体を使用し、ゲル骨格中に保持させた後に液状電気絶縁性媒体を抜き取ることで、均一にER粒子を配置させることができる。
本発明おけるERゲルシートが十分なER効果を発生させるためには、250V/mm以上の電界強度を印可する必要がある。従って、250V/mm以上の電界強度を発生させることのできる電源を用いる限り、本発明におけるERゲルシートの厚さは限定されない。実用レベルから判断すると、ERゲルシートの厚さは0.05〜10mm程度が好ましい。
上述したように、本発明のERゲルは、ER粒子が分散された液状絶縁性媒体がゲル骨格中に保持されているため、長時間静置してもER粒子が沈降・凝集することがない。また、電界印加時にはER粒子がゲル骨格内部で配列してER効果が得られると考えられる。さらに、本発明のERゲルは、制動素子等のデバイスに組み込む場合にもシール機構が不要である。
また、本発明のERゲルは、従来例に比べ電荷を運ぶ媒体である液状電気絶縁性媒体の含有量が少ないため、消費電力を少なくすることができる。
以下、実施例に基づき本発明の具体例を示すが、本発明はこれらになんら限定されるものではない。
(ER粒子の作製)
アンチモンドーピング酸化スズ(石原産業株式会社製、SN−100P、電気伝導度:1.0×10Ω−1/cm)30g、水酸化チタン(石原産業株式会社製、C−11、電気伝導度:9.1×10−6Ω−1/cm)10g、アクリル酸ブチル300g、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート100g、およびアゾビスイソバレロニトリル(重合開始剤)2gとからなる混合物を、分散安定剤として第三リン酸カルシウム25gを含有する蒸留水1800ml中に分散し、撹拌しながら60℃にて1時間懸濁重合を行った。得られた生成物を濾過し、酸処理後、水洗、脱水乾燥することによって、無機・有機複合粒子を得た。この粒子200gに、鉄フタロシアニン(山陽色素株式会社製、P−26)2gを加え、ボールミルにて75時間複合化処理を行った後、さらにジェット気流攪拌機(株式会社奈良機械製作所製、ハイブリダイザー)を用いて風速75m/秒で210秒間ジェット気流処理を行い、ER粒子を得た。
参考例1)
上記ER粒子50.0重量部、ジメチルシリコーンオイル(日本ユニカー株式会社製、L−45(100))36.0重量部、前記式(A−1)で示されるハイドロジェンシリコーン13.15重量部、前記式(B−1)で示される不飽和基含有化合物0.85重量部、および0価の白金触媒0.0001重量部を、室温下で均一に混合した。間隔が1mmに保たれた2枚のアルミ板の間にこの混合物を流し込み、100℃で1時間加熱処理した後、室温下で1日間放置して、ERゲルシートを作製した。得られたERゲルシートは縦75mm、横50mm、厚さ1mmであった。
参考例2)
シートサイズを縦75mm、横50mm、厚さ0.5mmとした他は、参考例1と同様にしてERゲルシートを作製した。
参考例3)
上記ER粒子50.4重量部、ジメチルシリコーンオイル(日本ユニカー株式会社製、L−45(100))33.6重量部、前記式(A−1)で示されるハイドロジェンシリコーン15.03重量部、前記式(B−1)で示される不飽和基含有化合物0.97重量部、および0価の白金触媒0.0001重量部を、室温下で均一に混合した。間隔が0.5mmに保たれた2枚のアルミ板の間にこの混合物を流し込み、100℃で1時間加熱処理した後、室温下で1日間放置して、ERゲルシートを作製した。得られたERゲルシートは縦75mm、横50mm、厚さ0.5mmであった。
(実施例
上記参考例3で得られた混合物を、2枚のアルミ板の間に流し込み100℃で1時間加熱した。その後、室温下で、2枚のアルミ板を間隔が0.5mmになるまでゆっくりと両側から加圧して、そのまま1日間放置してERゲルシート中のジメチルシリコーンオイルを搾取した。得られたジメチルシリコーンオイルの重量から、このERゲルシートの組成は、ER粒子含有量60.58wt%、ゲル骨格含有量19.23wt%、ジメチルシリコーンオイル含有量20.19wt% であると算出された。ERゲルシートを縦75mm、横50mmに裁断した。
(比較例1)
上記ER粒子を26.8重量部、ジメチルシリコーンオイル(日本ユニカー株式会社製、L−45(100))を59.2重量部、前記式(A−1)で示されるハイドロジェンシリコーンを13.15重量部、および前記式(B−1)で示される不飽和基含有化合物を0.85重量部とした他は参考例1と同様にして、縦75mm、横50mm、厚さ1mmのERゲルシートを作製した。
オイルの滲み
作製したERゲルシートの表面を観察したところ、参考例1〜3で作製したERゲルシートの表面は乾いており、オイルの滲みは認められなかった。一方、比較例1のERゲルシートは、表面に薄くオイルが滲んでいた。
ER特性評価1
ER特性評価には図1に示す装置を用いた。参考例1または比較例1で作製したERゲルシートを、2枚の平行平板電極で挟み、下部電極を固定し上部電極をスライドできるようにした。ERゲルシートに1kV/mmの電界を印加した状態で上部電極を20μmスライドさせ、この時の上部電極の変位量を渦電流式変位計により、剪断応力をロードセルにより測定した。(図2)その結果、参考例、比較例ともに、上部電極の変位量が大きくなるにつれて剪断応力の発生が認められたが、参考例の場合、比較例に比べ著しく大きな剪断応力が発生した。
ER特性評価2
上述した装置を用い、参考例1〜2のERゲルシートについて、電界強度が0〜1500V/mmで上部電極を600μmまで変位させたときの剪断応力を測定した。(図3)その結果、参考例1に比べ、厚みが0.5mmと薄い参考例2のERゲルシートの方が、電界強度に応じて幅広い剪断応力を発生させることができた。
ER特性評価3
上述した装置に参考例2のERゲルシートをセットし、上部電極を振り幅100μm、振動数10Hzで振動させた。電極間に電界強度1500V/mmを印加したところ、約10〜30ms後に振動が止まった。また電界を除去したところ、約100〜300ms後に再び振動を始めた(図4)。
ER特性評価4
上述した装置を用い、参考例2のERゲルシートについて、電界強度1500V/mmで、上部電極を600μmまで変位させたときの剪断応力を1日1回、7日間測定した。その結果、毎回ほぼ同様な剪断応力の発生が認められ、保存安定性、再現性が高いことが確認された(図5)。
ER特性評価5
上述した装置に参考例3のERゲルシートをセットし、上部電極を振り幅300μm、振動数10Hzで振動させた。電極間に電界強度1500V/mmを印加したところ、約10〜30ms後に振動が止まった。また電界を除去したところ、約700〜900ms後に再び振動を始めた(図6)。また、上述した装置に実施例のERゲルシートをセットし、上部電極を振り幅100μm、振動数10Hzで振動させた。電極間に電界強度1500V/mmを印加したところ、約10〜30ms後に振動が止まった。次に、電界を除去したところ、約200〜300ms後に再び振動を始めた(図6)。参考例3と実施例を比較すると、実施例は振り幅を100μmと小さくしたにもかかわらず、電界除去後、短期間で振動を再開した。
ER効果特性評価装置の概略図である。 参考例1および比較例におけるER効果の評価結果を示すグラフである。 ERゲルシートの厚さと発生する剪断応力の関係を示すグラフである。 振動実験の結果を示すグラフである。 保存安定性確認実験の結果を示すグラフである。 電界除去時の応答性実験結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 少なくとも電気レオロジー粒子、液状電気絶縁性媒体、及びポリシロキサン架橋体からなるゲル骨格を含み、電気レオロジー粒子の含有量が35〜90wt%電気レオロジーゲルの製造方法であって、電気レオロジー粒子が分散された液状電気絶縁性媒体をゲル骨格中に保持させた後、減圧下あるいは加圧下に圧縮あるいは吸引により該液状電気絶縁性媒体の一部を抜き取る工程を有することを特徴とする電気レオロジーゲルの製造方法
  2. 前記液状電気絶縁性媒体の含有量が1〜55wt%である請求項1に記載の電気レオロジーゲルの製造方法
  3. 前記ゲル骨格の含有量が3〜64wt%である請求項2に記載の電気レオロジーゲルの製造方法
  4. 前記液状電気絶縁性媒体がシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気レオロジーゲルの製造方法
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