JP2008156579A - 導電性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

導電性シリコーンゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性に優れた導電性シリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】導電性シリコーンゴム組成物は、(A)25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン:100重量部、(B)平均粒径50μm以下の球状炭素微粒子:10〜200重量部、及び(C)硬化剤:硬化有効量を含有する導電性シリコーンゴム組成物であって、チキソトロピー指数が1.03〜1.50、25℃における粘度が1〜100Pa・sである。
【選択図】なし

Description

本発明は、流動性に優れ、コーティング剤として好適な導電性シリコーンゴム組成物に関する。
従来から、耐熱性や導電性が要求される様々分野で、導電性のコーティング剤として、常温で流動性を有する液状のシリコーンゴム組成物が使用されている。液状のシリコーンゴム組成物には、導電性付与剤としてアセチレンブラック等の種々のカーボンブラックが配合されている。
一般に、導電性付与剤を高充填すると導電性が改善されることが知られているが、導電性付与剤が多量に配合されたシリコーンゴム組成物は高粘度であり、微小な部位への流れ込みが困難になるため、コーティング剤としての使用が難しい。
そこで、フェニル基を含有する化合物を配合したシリコーンゴム組成物が使用されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来のシリコーン組成物では、チキソトロピー性が高く、十分な流動性が得られなかった。
特公平3−47663号公報
本発明の目的は、このような課題に対処するためになされたもので、流動性に優れた導電性シリコーンゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、平均粒径50μm以下の球状炭素微粒子を配合することで、流動性を著しく改善した導電性シリコーンゴム組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、
(A)25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン
100重量部、
(B)平均粒径50μm以下の球状炭素微粒子 10〜200重量部、及び
(C)硬化剤 硬化有効量を含有する導電性シリコーンゴム組成物であって、チキソトロピー指数が1.03〜1.50、25℃における粘度が1〜100Pa・sであることを特徴とする。
なお、ここで言うチキソトロピー指数とは、2倍異なる2つの回転数の粘度比(25℃)を意味し、回転数α[rpm]の粘度と回転数2×α[rpm]の粘度をB型回転粘度計によりそれぞれ25℃で測定して、これらの粘度比(α[rpm]/2×α[rpm])を規定したものであり、本発明ではこの粘度比が1.03〜1.50の範囲である。
上記構成により、流動性に優れた導電性シリコーンゴム組成物を提供できる。
以下、本発明の導電性シリコーンゴム組成物について説明する。
[(A)成分]
(A)成分はベースポリマーであり、縮合反応硬化型または付加反応硬化型の硬化形態に応じたポリオルガノシロキサンが使用される。シリコーンゴム組成物が縮合反応硬化型の場合には、(A)成分は(A1)1分子中にケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を2個以上有するポリオルガノシロキサンを使用する。付加反応硬化型の場合には、(A)成分は(A2)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するポリオルガノシロキサンを使用する。但し、(A)成分の粘度は、取扱いの容易さ、組成物の流動性、硬化後のゴム物性などから、25℃で0.1〜100Pa・s、好ましくは0.5〜20Pa・sである。
縮合反応硬化型の場合には、(A)成分は(A1)1分子中にケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を2個以上有するポリオルガノシロキサンであり、例えば下記一般式:
Figure 2008156579
で表される。
式中、Rは、同一又は異なる置換又は非置換の1価炭化水素基であり、炭素原子数が1〜10、特に1〜8のものが好ましい。Rとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部が塩素原子などのハロゲン、シアノ基等で置換されたクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基である。
aは0、1又は2の整数であり、XはOH基または加水分解性基である。XがOH基の場合は、aは好ましくは2である。
Xが加水分解性基の場合は、aは好ましくは0又は1である。加水分解性基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、プロペノキシ基、イソブテニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルブチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンタノオキシム基、シクロヘキサノオキシム基等のケトオキシム基、アセトキシ基、プロピオノキシ基、ブチロイロキシ基、ベンゾイル基等のアシルオキシ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基、N,N−ジメチルアミノキシ基、N,N−ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基、イソシアナート基、α−シリルエステル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基、塩素原子等のハロゲン原子などが挙げられ、好ましくはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、α−シリルエステル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルブチルケトオキシム基、α−シリルエステル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基である。
nは、重合度に相当する数であって、(A1)の25℃における粘度が0.1〜100Pa・sとなるように選ばれる。
付加反応硬化型の場合には、(A)成分は(A2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するポリオルガノシロキサンである。その分子構造は、直鎖状、環状、分岐鎖状のいずれでもよいが、硬化後のゴム物性の点から、直鎖状が好ましく、1種単独または2種以上を組み合わせてもよい。
ケイ素原子に結合したアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ペテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、好ましくはビニル基である。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、得られる組成物の硬化速度、硬化後の物性の点から、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子、特に、分子鎖両末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基あるいはこれらの水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子などで置換されたハロゲン化炭化水素基などの、炭素原子数1〜12個、好ましくは炭素原子数1〜8個のものが挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
[(B)成分]
(B)成分の球状炭素微粒子は、本発明の特徴を付与する成分であり、導電性とともに、優れた流動性を組成物に与える成分である。
また、(B)成分はシリコーンゴム組成物との親和性に優れ、均一に分散させることが可能であり、長径と短径との比が1.1以下の球状の炭素微粒子である。
その平均粒径は50μm以下、好ましくは1〜30μmである。平均粒径が50μmを越えると、組成物を例えばシリンジ等に充填した場合にシリンジ内で沈降しやすく、硬化後のゴム物性が低下し易い。平均粒径は、レーザー光回折法で測定した値である。
(B)成分としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、機械的に球状化処理された生コークス、メソフェーズピッチ又はバルクメソフェーズなどが挙げられ、1種単独又は2種以上を用いることができる。
メソカーボンマイクロビーズは、石油系重質油又は石炭系重質油を熱処理して生成した結晶を遠心分離等により単離して得られる。メソフェーズピッチやバルクメソフェーズは、石油系ピッチまたは石炭系ピッチを加熱した後、球体に近い形状に機械的に粉砕処理して得られる。なかでも、機械的な球状化処理が不要のため、メソカーボンマイクロビーズが好ましい。
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは50〜150重量部である。配合量が10重量部未満であると、十分な導電性と流動性を組成物に付与しにくい。一方、200重量部を越えると、組成物が高粘度となり作業性の低下を招く。
[(C)成分]
(C)成分の硬化剤としては、縮合反応または付加反応を利用して硬化させるものであれば、特に限定されるものではなく、ベースポリマーである(A)成分のポリオルガノシロキサンの種類に応じて公知の硬化剤を使用できる。
縮合反応を利用する場合には、(C1)平均組成式:
Si(OR4−b
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物と(C2)硬化触媒が用いられる。
式中、R、Rは互いに同一又は異なる置換又は非置換の1価炭化水素基であり、bは0、1または2である。
としては、上記(A)成分の(A1)で上述したRと同様の基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基である。Rも同様である。
(C1)としては、例えばメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリ(エトキシメトキシ)シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
(C1)の配合量は、(A1)100重量部に対して0.1〜20重量部である。配合量が0.1重量部未満では、ゴム物性に優れた硬化物を得ることができず、20重量部を越えると得られる硬化物が脆くなりやすい。
(C2)硬化触媒としては、例えば鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、亜鉛オクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、スズオレエートのようなカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物;テトラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、テトラ(イソプロペニルオキシ)チタネート、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジイソプロポキシビス(アセルアセトン)チタン、ジブトキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジメトキシビス(アセト酢酸エチル)チタン等の有機チタン化合物;アルコキシアルミニウム化合物などが挙げられる。
(C2)の配合量は、(A1)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
付加反応を利用する場合は、(C3)ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと(C4)白金系触媒を使用する。
(C3)ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を3個以上有している。この水素原子は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。その分子構造は直鎖状、分岐鎖状、環状あるいは三次元網目状のいずれでもよく、1種単独または2種以上を混合して用いてもよい。
(C3)としては、平均組成式:
SiO[4−(d+e)]/2
で示されるものが用いられる。
式中、Rは、脂肪族不飽和炭化水素基を除く、置換または非置換の1価炭化水素基である。Rとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基のようなアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の一部または全部がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子やシアノ基で置換されているもの、例えばクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられる。なかでも、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、特に、合成のし易さ、コストの点から、メチル基がより好ましい。
d、eは、それぞれ、0.5≦d≦2、0<e≦2、0.5<d+e≦3を満足する正数である。
(C3)の粘度は、25℃で0.01〜10Pa・sであることが好ましい。
(C3)の配合量は、(A2)のケイ素原子に結合したアルケニル基1個に対して、ケイ素原子に直結した水素原子が0.5〜5.0個となる量である。配合量が0.5個未満であると、得られた組成物が十分に硬化し難くなる。一方、5.0個を越えると、硬化後の物性が経時で変化し易くなる。
(C4)白金系触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等が挙げられる。
(C4)の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。通常、(A2)100重量部に対して白金元素に換算して0.1〜1000ppmの範囲である。
[その他任意成分]
本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、上記(A)〜(C)の各成分を基本成分とし、これらに必要に応じて、その他任意成分として煙霧質シリカ、シリカヒドロゲル(含水けい酸)、シリカエアロゲル(無水けい酸)等の補強性シリカ、接着性付与剤、耐熱性向上剤、反応制御剤、溶剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明の導電性シリコーンゴム組成物の製造方法としては、例えば上記(A)〜(C)成分及びその他任意成分を同時または別々に、プラネタリーミキサー、ニーダー、品川ミキサー等の混合機で混合する方法等が挙げられる。(A)〜(C)成分及びその他任意成分の添加順序は特に限定されるものではない。ただし、組成物が縮合反応硬化型の場合には、湿気を絶った状態で混合する。
本発明の導電性シリコーンゴム組成物は液状であり、25℃における粘度が1〜100Pa・s、好ましくは3〜50Pa・sである。粘度が1Pa・s未満であると、強度、伸び、硬さ等の十分なゴム物性が得られない。一方、100Pa・sを超えると、流動性が悪化して微小な部位への流れ込みが困難になるため、コーティング材としての使用が難しい。なお、粘度はB型回転粘度計で測定した値である。
また、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、組成物に高流動性を付与する点から、そのチキソトロピー指数が1.03〜1.50、好ましくは1.03〜1.40である。チキソトロピー指数とは、本発明では2倍異なる2つの回転数の粘度比(25℃)を意味し、回転数α[rpm]の粘度と回転数2×α[rpm]の粘度をB型回転粘度計によりそれぞれ25℃で測定し、これらの粘度比(α[rpm]/2×α[rpm])を規定したものである。通常、チキソ性のあるものはこの粘度比が大きくなり、流動性の高いものほど1に近くなる。導電性シリコーンゴム組成物の粘度(25℃で1〜100Pa・s)に応じて、B型回転粘度計の回転数を適宜選択できる。
本発明の導電性シリコーンゴム組成物の硬化方法は、組成物が付加反応硬化型の場合には、室温もしくは50〜200℃で60〜120分の加熱により硬化が進行するが、迅速に硬化させるためには加熱することが好ましい。組成物が縮合反応硬化型の場合には、空気中の水分(湿気)と接触(例えば、23℃、50%RH下で7日間放置)させることにより硬化が進行する。
硬化後の体積抵抗率は、5〜1×10Ω・cm、好ましくは5〜1×10Ω・cmであり、良好な導電性を発揮する。
よって、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、常温で十分な流動性を有し、硬化後、導電性に優れた硬化物を形成するため、例えば電気伝導性を要する製品用のコーティング剤として好適である。
本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例中、粘度は25℃において測定した値である。また、平均粒径はレーザー光回折法により測定した値である。実施例及び比較例で得られた導電性シリコーンゴム組成物は、以下のようにして評価し、結果を表1に示した。表1に示した特性は、25℃において測定した値である。
[粘度]
B型回転粘度計(Brookfield社製)を使用し回転数50rpm、ロータNo.5で、得られた組成物の25℃における粘度を測定した(実施例)。B型回転粘度計(Brookfield社製)を使用し回転数50rpm、ロータNo.7で、得られた組成物の25℃における粘度を測定した(比較例)。
[チキソトロピー指数]
B型回転粘度計(Brookfield社製)を使用し、50rpm、ロータNo.5で、得られた組成物の25℃における粘度を測定した。同様にして100rpm、ロータNo.5で25℃における粘度を測定し、50rpmの粘度(25℃)と100rpmの粘度(25℃)との比(50rpm/100rpm)を求めた(実施例)。ロータNo.7を使用した以外は、実施例と同様にして求めた(比較例)。
[硬化後の体積抵抗率]
得られた組成物のうち、縮合反応硬化型の組成物は厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃、50%RH下で7日間放置して空気中の湿気により硬化物を作製して、体積抵抗率を定電流印加法により測定した。また、付加反応硬化型の組成物は、150℃で60分間加熱して厚み2mmのシート状の硬化物を作製し、このシート状硬化物の体積抵抗率を同様にして測定した。
[実施例1]
(A1)粘度5Pa・sのα,ω-ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100重量部に、(B)平均粒径6μmのメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガス社製)100重量部、BET比表面積が150m/gの煙霧質シリカ(トクヤマ社製、レオロシール)5重量部を加え、万能混練機にて常温で1時間均一に混練した。
続けて、(C1)メチルトリメトキシシラン3.0重量部、(C2)ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)2.5重量部を加え、湿気遮断下で均一に混合し、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[実施例2]
(A1)粘度5Pa・sのα,ω-ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100重量部に、(B)平均粒径6μmのメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガス社製)100重量部、BET比表面積が150m/gの煙霧質シリカ5重量部を加え、万能混練機にて常温で1時間均一に混練した。
続けて、(C1)メチルトリメトキシシラン3.0重量部、(C2)ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)2.5重量部、イソパラフィン溶剤(日石アイソゾール400K、新日本石油化学社製)250重量部を加え、湿気遮断下で均一に混合し、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[実施例3]
(A2)粘度が3Pa・sであり、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100重量部に、(B)平均粒径6μmのメソカーボンマイクロビーズを30重量部、BET比表面積150m/gの煙霧質シリカ5重量部を加え、万能混練機にて常温で1時間均一に混練した。
続けて、(C3)粘度が0.02Pa・sあり、[(CHSiO1/2]単位、[(CH)HSiO2/2]単位および[(CHSiO2/2]単位から構成され、平均50mol%のSiH基をもつポリメチルハイドロジェンシロキサン1.0重量部(H/Vi比1.5)、(C4)塩化白金酸(白金量)5ppmを添加し、均一に混合し、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
(A1)粘度5Pa・sのα,ω-ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100重量部に、アセチレンブラック(デンカブラックHS‐100、電気化学工業社製)25重量部、BET比表面積が150m/gの煙霧質シリカ5重量部を加え、万能混練機にて常温で1時間均一に混練した。
続けて、(C1)メチルトリメトキシシラン3.0重量部、(C2)ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)2.5重量部を加え、湿気遮断下で均一に混合し、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[比較例2]
(A1)粘度5Pa・sのα,ω-ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100重量部に、デンカブラック(HS‐100、電気化学工業社製)25重量部、BET比表面積が150m/gの煙霧質シリカ5重量部を加え、万能混練機にて常温で1時間均一に混練した。
続けて、(C1)メチルトリメトキシシラン3.0重量部、(C2)ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)2.5重量部、30モル%のフェニル基、残余がメチル基のシリコーンオイル(重合度35)3重量部を加え、湿気遮断下で均一に混合し、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2008156579
表1から明らかなように、(B)成分の球状炭素微粒子としてメソカーボンマイクロビーズを配合した各実施例は、チキソトロピー指数(50rpm/100rpmの粘度比)が1.03〜1.50、25℃における粘度が1〜100Pa・sであり、高流動性の組成物が得られる。また、硬化物の体積抵抗率は、5×10Ω・cmまたは1×10Ω・cmである。
したがって、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、常温で十分な流動性を有し、硬化後、導電性に優れた硬化物を形成するため、導電性コーティング剤として好適である。

Claims (8)

  1. (A)25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン
    100重量部、
    (B)平均粒径50μm以下の球状炭素微粒子 10〜200重量部、及び
    (C)硬化剤 硬化有効量
    を含有する導電性シリコーンゴム組成物であって、
    チキソトロピー指数が1.03〜1.50、25℃における粘度が1〜100Pa・sであることを特徴とする導電性シリコーンゴム組成物。
  2. 縮合反応硬化型または付加反応硬化型であることを特徴とする請求項1に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
  3. 前記(A)成分が、(A1)1分子中にケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を2個以上有するポリオルガノシロキサン、
    前記(C)成分が、(C1)平均組成式:
    Si(OR4−b
    (式中、R、Rは互いに同一又は異なる置換又は非置換の1価炭化水素基であり、bは0、1または2である。)で表されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物、及び(C2)硬化触媒であって、
    前記(C1)の配合量が、(A1)100重量部に対して0.1〜20重量部、
    前記(C2)の配合量が、(A1)100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
  4. 前記(A)成分が、(A2)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するポリオルガノシロキサン、
    前記(C)成分が、(C3)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、及び(C4)白金系触媒であって、
    前記(C3)の配合量が、(A2)のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して、ケイ素原子結合水素原子が0.5〜5.0個となる量、
    前記(C4)の配合量が、触媒量であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
  5. 前記(B)成分は、長径と短径との比が1.1以下の球状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
  6. 前記(B)成分が、石炭系重質油または石油系重質油を熱処理して得られることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
  7. 硬化後の体積抵抗率が、5〜1×10Ω・cmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
  8. コーティング剤であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の導電性シリコーンゴム組成物。
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