JP4503953B2 - プレフィルドシリンジの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レフィルドシリンジの製造方法に関するものである。
例えば蛋白製剤やホルモン剤等の医薬品は、加熱により変性してしまうため、医療容器内に充填した後に、加熱滅菌処理を行うことができない。そこで、このような医薬品の医療容器内への充填操作は、無菌環境下で行われる。
この無菌環境としては、「人」の出入りによる汚染を完全に排除しようとする意図から、アイソレータの使用が推奨されている(例えば、特許文献1参照)。
アイソレータは、充填装置等の生産設備を収容する隔離装置であり、「人」による設備の操作は、通常、アイソレータの壁部に取り付けられたグローブやハーフスーツを介して外部より行われる。このため、設備の操作に際して「人」の出入りによる汚染がなく、アイソレータ内を一旦滅菌すれば、理論的には長期間にわたって無菌状態が維持できる。
ここで、このようなアイソレータ内で薬液を充填しようとする場合、薬液が充填される医療容器は、外部で滅菌処理を施した後、アイソレータ内に搬入される。この医療容器の滅菌は、従来、オートクレーブ滅菌により行われている。
しかしながら、オートクレーブ滅菌では、医療容器の滅菌処理後、その表面に付着した水滴を乾燥させる必要があり、この乾燥工程を含めると約2時間程度の時間を要する。
このため、医薬品を大量生産する場合には、多数の医療容器を一度に滅菌できるように大容量の滅菌タンクが必要となるが、大容量の滅菌タンクは、アイソレータと直接連結することが困難であるという問題がある。
また、オートクレーブ滅菌では、滅菌処理の際の加熱により医療容器が変形してしまうという問題もある。
特開2002−301138号公報
本発明の目的は、り短時間でプレフィルドシリンジを製造し得るプレフィルドシリンジの製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) プレフィルドシリンジの外筒を無菌状態を維持しつつ非無菌領域から無菌領域に搬入する工程と、
前記無菌領域において、前記外筒内に液状製剤を充填する工程とを有し、
前記外筒を前記非無菌領域から前記無菌領域に搬入するに際し、
包材内に封入された前記外筒に対して、前記包材ごと放射線滅菌を施し、
次いで、前記無菌領域と前記非無菌領域との境界部に設けられた密閉可能な小室内に、前記外筒を前記包材ごと入れ、過酸化水素を含むガスを減圧状態の前記小室内に供給して、前記包材を前記ガスに曝して、その外表面をガス滅菌し、
その後、前記包材内外の滅菌状態を維持しつつ、前記外筒を前記包材ごと前記無菌領域に搬送し、前記包材を開封して、前記包材内から前記外筒を取り出すことを特徴とするプレフィルドシリンジの製造方法
) 前記放射線滅菌は、前記外筒を封入した前記包材を、第2の包材内に封入した状態で、前記医療器具に対して、前記包材および前記第2の包材ごと行われる上記(1)に記載のプレフィルドシリンジの製造方法
) 前記小室内に過酸化水素を含むガスを供給し、所定時間が経過した後、前記小室内を再度減圧する上記(1)または(2)に記載のプレフィルドシリンジの製造方法
) 前記所定時間は、10分以下である上記()に記載のプレフィルドシリンジの製造方法
) 前記小室の容量は、1L〜1mである上記(1)ないし()のいずれかに記載のプレフィルドシリンジの製造方法
本発明によれば、無菌領域内に搬入するプレフィルドシリンジの外筒を短時間で滅菌することができ、この滅菌された医療器具を、無菌領域に、その無菌状態を確実に維持しつつ搬入することができる。
また、本発明では、高温高圧水蒸気滅菌を使用しないので、プレフィルドシリンジの外筒の熱変形を考慮する必要がなく、プレフィルドシリンジの外筒の構成材料の選択の幅が広がる。
また、本発明によれば、より短時間でプレフィルドシリンジを製造することができる。
以下、本発明のレフィルドシリンジの製造方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本明細書において、「無菌領域」とは、「非無菌領域」に対して滅菌レベル(滅菌の程度)が相対的に高い領域のことを言い、「非無菌領域」には、全く滅菌処理が施されていない領域および滅菌処理が施されている領域のいずれの領域をも含む。
なお、以下では、本発明、プレフィルドシリンジの外筒をアイソレータ内に搬入し、この外筒に薬液(液状製剤)を充填するプレフィルドシリンジの製造方法に適用した場合について説明する。
<薬液充填システムの構成>
まず、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法において用いられる薬液充填システムについて説明する。
図1は、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法において用いられる薬液充填システムの構成を示す模式図である。なお、図1では、図が煩雑となるのを避けるため一部の部材を省略して示した。
図1に示す薬液充填システム1は、アイソレータ2と、アイソレータ2と外部との境界部に設けられた小室3と、アイソレータ2の外部に配設された過酸化水素ガス供給装置40(滅菌手段4)と、アイソレータ2内に配設された薬液充填装置6とを有している。
この薬液充填システム1では、アイソレータ2の内部空間が無菌領域を構成し、アイソレータ2の外部空間が非無菌領域を構成する。
アイソレータ2には、グローブ21、HEPA(High Efficiency Paticulate Air)フィルター内蔵の給気ブロア22が取り付けられている。
グローブ21は、アイソレータ2の壁部や底部等に設けられており、操作者は、このグローブ21を装着することにより、アイソレータ2内に立ち入ることなく、アイソレータ2の外部より薬液充填装置6等のアイソレータ2内に収納された設備を操作することができる。
給気ブロア22は、バルブ221を介して導入された過酸化水素等の滅菌ガスをアイソレータ2内に噴出するものである。この給気ブロア22から噴出される滅菌ガスにより、アイソレータ2内を定期的に滅菌するようになっている。この定期的な滅菌作業は、例えば1週間に1回程度の頻度で行われる。
このアイソレータ2内には、薬液充填装置6が収納されている。
薬液充填装置6は、例えば、プレフィルドシリンジ7の外筒71に、薬液(液状製剤)を所定量注入する装置であり、薬液導入部61と薬液注入部62とを有している。
薬液導入部61には、薬液導入管8の一端が接続され、この薬液導入管8を介して薬液が導入される。この薬液導入部61に導入された薬液は、薬液流路管63を介して薬液注入部62に供給される。
薬液注入部62は、薬液を所定量で吐出し、外筒(医療器具)71に注入するものであり、薬液を吐出させるための加圧機構(図示せず)と、薬液の吐出ノズル621等とを有している。
この薬液注入部62は、例えば、その直下に搬送されてくる外筒71に、順次、所定量の薬液を注入する。
また、薬液導入管8の他端には、薬液調整タンク(図示せず)が接続され、この薬液調整タンクに貯留された薬液が薬液導入管8を介して薬液導入部61に導入されるようになっている。
アイソレータ2の壁部には、小室3が設けられている。
小室3は、両端が開放する円筒状の小室本体30を有している。この小室本体30は、アイソレータ2の壁部を貫通して設けられ、その一端にアイソレータ2の内部に開放する第1の開口36と、その他端にアイソレータ2の外部に開放する第2の開口37とを有している。これにより、小室3は、アイソレータ2内と外部とに連通可能となっている。
この小室本体30には、第1の開口36を気密的に封止する第1の蓋33と、第2の開口37を気密的に封止する第2の蓋34とを、着脱自在に装着可能である。
小室3は、小室本体30の両端に、それぞれ、第1の蓋33と第2の蓋34とを装着することにより、その内部が密閉状態となる。
また、この小室本体30の側壁部には、第1のバルブ31および第2のバルブ32が、それぞれ小室本体30の内部に連通するように設けられている。第1のバルブ31には、過酸化水素ガス供給装置40に接続された蒸気供給管41の一端が接続されており、第2のバルブ32には、ポンプ11に接続されたポンプ接続管111の一端が接続されている。
ポンプ11は、小室3内のエアーを排気または小室3内へエアーを給気するものであり、この排気量および給気量を調節することにより、小室3内の圧力を調整することができる。
この小室3の容量は、後述する小室3内の滅菌工程に際して、収容する包材14の寸法等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、1L〜1m(1000L)程度であるのが好ましく、5〜20L程度であるのがより好ましい。小室3の容量が小さ過ぎると、収容できる包材14の寸法が制限され、一方、小室3の容量が多過ぎると、小室3を滅菌するための滅菌ガス等を多量に要し、コスト高になるおそれがある。
なお、この小室3は、アイソレータ2の壁部に対して、着脱自在な構成とされていてもよい。
アイソレータ2の外部には、滅菌手段4として過酸化水素ガス供給装置40が設置されている。
過酸化水素ガス供給装置40は、過酸化水素を加熱することにより気化蒸気とし、この気化蒸気となされた過酸化水素(過酸化水素ガス)を、小室3内に供給して小室3内を滅菌するものである。過酸化水素ガスによる滅菌方法は、比較的容易に滅菌処理を施すことができ、加熱を要しないため、熱により変質・劣化し易い薬液を充填する薬液充填システム1への適用に適する。また、過酸化水素ガスは、小室3内の滅菌に使用した後、排気により消失するか、付着残留したガスも経時的に消失するので、滅菌による残留毒性の問題を回避することができるという利点もある。
なお、このような滅菌には、過酸化水素ガスの他、例えば、エチレンオキサイドガス等の滅菌ガスを用いることもできる。また、これらのガスは、単独で用いることができる他、混合ガスとして用いることもできる。
この過酸化水素ガス供給装置40には、蒸気供給管41の一端が接続され、その他端が第1のバルブ31に接続されている。この蒸気供給管41を介して、過酸化水素ガス供給装置40から小室3内に過酸化水素ガスが供給される。
このような薬液充填システム1を用いて、図9に示すようなプレフィルドシリンジ7が製造される。
<第1実施形態>
次に、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態について説明する。
図2〜図9は、それぞれ、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図、図10は、滅菌時の小室内の圧力変化を模式的に示すグラフである。
[A1] 外筒の用意
まず、図2に示すように、プレフィルドシリンジ7の外筒71を複数本用意する。
外筒71は、例えば、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等を主材料として構成されている。これらの材料は、放射線に対して耐性を有するものであり、入手が容易かつ比較的安価である。このため、これらを主材料として外筒71を構成することにより、製造コストの低減を図ることができ、製剤を安価で安定的に市場に提供することができる。
次いで、各外筒71の先端部(口部)に、それぞれ、キャップ(封止部材)72を装着する。
そして、複数本(例えば10〜20本)の外筒71を、トレー12に並べて載置する。
[A2] 外筒の包材内への封入
次に、図3に示すように、外筒71が並べられたトレー12を、開口部143を介して包材14内に収納する。
ここで、包材14は、例えば重ねられたシート材141の外周部を、シール部142でシールしてなるものが用いられる。本実施形態では、2枚のシート材141が重ねられ、それらの3辺がシール部142でシールされ、1辺の未シール状態の部分が開口部143とされている。
なお、シール部142は、例えば、熱融着、高周波融着、超音波融着のような融着や、接着剤や溶媒による接着等により形成することができる。
シート材141は、包材14に、大気が実質的に侵入しないガスバリア性を有するのものが好ましい。このガスバリア性は、例えば、20℃での酸素透過量(JIS K 7126に規定)が10cc/m2・24hrs・atm以下であるのが好ましく、1cc/m2・24hrs・atm以下であるのがより好ましい。これにより、例えば、包材14を封止した後には、包材14内への空気(酸素)の侵入が阻止され、包材14内の空気の量を減らすことができる。このため、後工程[A4−1]における減圧に際して、包材14の膨張による破損を防止することができる。
このようなシート材141の構成材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィンや、その他、ポリアミド、ポリエステル、エチレンビニルアルコール系樹脂等、あるいはこれらの多層積層体が挙げられる。
また、シート材141には、金属層や酸化物層等の無機物層が、積層あるいは蒸着等により被着形成されていてもよい。
シート材141(単層体または多層積層体)の平均厚さは、特に限定されないが、通常、30〜300μm程度であるのが好ましく、50〜150μm程度であるのがより好ましい。
このようなシート材141は、例えば、インフレーション法、Tダイ法、ブロー成型法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ホットプレス法等の種々の方法により製造することができる。
次に、図4に示すように、包材14の開口部143をシールして封止する。これにより、外筒71を包材14内に封入する。
このシールは、包材14内の空気を脱気して行うのが好ましい。小室3内に滅菌ガスを導入する前に、後工程[A4−1]において小室3内を減圧するが、包材14内を脱気した状態でシールすることにより、包材14の膨張による破損を防止することができる。
なお、このとき、包材14内に外筒71とともに、例えば脱酸素剤13を封入し、酸素を脱酸素剤13に吸収(吸着)させることにより、包材14内を脱気状態とするようにしてもよい。
脱酸素剤13としては、例えば、鉄系の脱酸素剤、有機系の脱酸素剤等が挙げられる。これら脱酸素剤13を用いることにより、包材14内を比較的容易に脱気状態とすることができる。
このような脱酸素剤13は、通気性を有する容器(包材)131内に収納された状態とされている。この容器131の構成材料としては、例えば、ポリエチレン製不織布、ポリテトラフルオロエチレン製多孔質体等が挙げられる。
[A3] 外筒に対する放射線滅菌
次に、外筒71が封入された包材14を、放射線滅菌装置内に入れる。そして、図5に示すように、包材14の外部から、複数の外筒71に対して放射線を照射して、包材14ごと放射線滅菌を施す。
照射する放射線としては、放射線滅菌に通常用いられる放射線を用いることができ、例えば、γ線、電子放射線が挙げられる。
放射線の線量も、通常の放射線滅菌で用いられる線量が用いられ、特に限定されないが、10〜30Kグレイ程度であるのが好ましく、16〜25Kグレイ程度であるのがより好ましい。
また、放射線の照射時間も、特に限定されず、2〜7時間程度である。
以上のようにして、外筒71に対して放射線滅菌を施した後、包材14内に封入された状態で、外筒71を放射線滅菌装置から取り出す。
外筒71は、この包材14内に封入された状態で、アイソレータ2内に搬入されるが、包材14の外表面は、非無菌領域である外部環境に曝されるため、非無菌状態となる。なお、包材14の内部は、放射線滅菌による無菌状態が維持されている。
そこで、アイソレータ2内に搬入する際に、この非無菌状態となった包材14の外表面を、アイソレータ2に設けられた小室3内で滅菌する。
[A4] 包材に対するガス滅菌
まず、図6に示すように、小室3の第1の開口36を封止するように、第1の蓋33を小室本体30に装着し、第2の開口37は、開放状態とする。
次いで、図7に示すように、小室本体30内に、アイソレータ2の外部から、第2の開口37を介して、外筒71を包材14ごと、すなわち、包材14内に封入された状態の外筒71を入れる。
そして、第2の開口37を封止するように、第2の蓋34を小室本体30に装着して、小室3を密閉状態とする。
この状態で、小室3内に過酸化水素ガスを供給して、包材14を過酸化水素ガス(滅菌ガス)に曝して、その外表面にガス滅菌を施す。
以下、このガス滅菌の工程について、図10を参照しながら説明する。
[A4−1] まず、ポンプ11を作動させることにより、小室3内を減圧状態にする(図10中、区間a)。このとき、小室3内の圧力Pは、50kPa以下とするのが好ましく、1〜30kPa程度であるのがより好ましい。小室3内の圧力Pを前記範囲とすることにより、次工程において、過酸化水素ガスを効率よく小室3内に導入することができる。
[A4−2] 次いで、過酸化水素ガス供給装置40を作動させ、例えば100〜150℃程度の加温状態の過酸化水素ガスを小室3内に供給する。
ここで、小室3内は減圧状態となっているので、過酸化水素ガスは小室3内に速やかに導入される。また、小室3内に導入された過酸化水素ガスは、急激に温度が下がることで、包材14の表面に凝縮結露し、高濃度の過酸化水素の被膜が形成される。これにより、包材14の外表面の滅菌をより確実かつ短時間で行うことが可能となる。また、このとき、小室3内の圧力は、若干上昇する(図10中、区間b)。
また、このとき、外筒71は、包材14内に封入されているので、その表面に過酸化水素の液滴が直接付着するのが防止される。
[A4−3] 次いで、所定時間(図10中、区間b+c)が経過した後、ポンプ11を作動させることにより、小室3内を再度減圧する(図10中、区間d)。これにより、包材14の外表面に凝集していた過酸化水素が気化する。
このときの小室3内の圧力は、前記工程[A4−1]と同等以下とするのが好ましい。
また、所定時間(放置時間)は、10分以下であるのが好ましく、0.1秒〜10分程度であるのがより好ましく、1〜3分程度であるのがさらに好ましい。放置時間が短過ぎると、過酸化水素ガスの供給量(導入量)等によっては、包材14の外表面を十分に滅菌することができなくなるおそれがあり、一方、放置時間を前記範囲を超えて長くしても、それ以上、滅菌効果の向上は期待できず、時間のロスとなるだけで好ましくない。
[A4−4] 次に、フィルター付クリーンエアー導入バルブ331を開ける。これにより、小室3の密閉状態が解除され、小室3内の圧力は、大気圧に復帰する(図10中、区間e)。
[A5] 外筒のアイソレータ内への搬入
次に、図8に示すように、第1の蓋33を開け、包材14内に封入された状態の外筒71を、アイソレータ2内に搬入する。このとき、小室3およびアイソレータ2内の無菌状態が維持されるので、包材14の内部のみならず、その外表面(包材14内外)の無菌状態が維持される。
そして、アイソレータ2内において、包材14を開封して、包材14内から外筒71を取り出して、薬液充填装置6にセットする。
[A6] プレフィルドシリンジの完成
次に、薬液調整タンクに貯留された薬液を、薬液導入管8を介して薬液導入部61に導入し、この薬液を薬液注入部62より外筒71に注入する。
そして、ガスケット73を装着して、アイソレータ2外に搬出する。この後、プランジャ(押し子)74等の他の部材を装着し、包装を行う。または、アイソレータ2内で、これらの装着、包装を行った後に、アイソレータ2外に出すこともできる。
このようなプレフィルドシリンジの製造方法では、包材14に封入された状態の外筒71に対して、包材14ごと放射線滅菌した後、アイソレータ2の壁部に設けられた小室3内で包材14の外表面を滅菌し、アイソレータ2内に搬入する。
ここで、放射線滅菌装置は、大規模であり、かつ、その滅菌通路は、外部環境と開通しており、放射線滅菌装置をアイソレータ2に直接連結することはできないが、本発明によれば、放射線滅菌装置の直接のアイソレータ2への連結を要することなく、外筒71をアイソレータ2内に無菌的に搬入することができるため利便性が高い。
また、小室3内での滅菌方法として、包材14の外表面に過酸化水素を凝集結露させる方法を用いることにより、ガス状の過酸化水素による滅菌を行うのに比べて、滅菌効率が格段に向上する。これにより、外筒71の滅菌時間をさらに短縮することができる。
さらに、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法では、高温高圧水蒸気滅菌を用いないので、外筒71の熱変形を考慮する必要がなく、外筒71の構成材料の選択の幅が広がる。
<第2実施形態>
次に、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第2実施形態を説明するための図である。
以下、第2実施形態のプレフィルドシリンジの製造方法について説明するが、前記第1実施形態のプレフィルドシリンジの製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
[B1] 外筒の用意
前記[A1]と同様の工程を行う。
[B2] 外筒の包材内への封入
次に、図3に示すように、外筒71が並べられたトレー12を、開口部143を介して包材14内に収納する。
包材14を構成するシート材の構成材料としては、前記第1実施形態で挙げたものと同様のものを用いることができる。
また、本実施形態においても、必要に応じて包材14内を脱気状態とするようにしてもよい。
次に、図11に示すように、外筒71を封入した包材14を、第2の包材15内に封入する。このように外筒71を封入した包材14を更に第2の包材15内に封入することにより、包材14の外表面に付着するゴミ等の数をより確実に減少させることができる。これにより、アイソレータ2内にゴミ等が持ち込まれることをより確実に防止することができる。
第2の包材15を構成するシート材の構成材料も、例えば、前記包材14で挙げたものと同様のものを用いることができる。
[B3] 外筒に対する放線線滅菌
次に、前記工程[A3]と同様にして、第2の包材15の外部から、複数の外筒71に対して放射線を照射して、包材14および第2の包材15ごと放射線滅菌を施す。
[B4] 包材に対するガス滅菌
次に、アイソレータ2の外部(非無菌領域)において、第2の包材15を開封し、その内部から、外筒71が封入された状態の包材14を取り出す。
そして、前記工程[A4]と同様にして、包材14に封入された状態の外筒71を小室3内に入れた後、小室3を密閉状態とする。
ここで、包材14を小室3内に搬入する直前まで、第2の包材15で包装しておくことにより、包材14の外表面にゴミ等の付着をより確実に防止することができる。これにより、包材14の搬入に伴う小室3内へのゴミ等の持ち込みがより確実に防止される。
その後、前記工程[A4]と同様にして、包材14の外表面に対してガス滅菌を施す。
[B5] 外筒のアイソレータ内への搬入
前記工程[A5]と同様の工程を行う。
[B6] プレフィルドシリンジの完成
前記工程[A6]と同様の工程を行う。
このような第2実施形態のプレフィルドシリンジの製造方法によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、本実施形態のように包材14を更に第2の包材15で包装することにより、包材14の外表面へのゴミ等の付着がより防止される。これにより、小室3を介してアイソレータ2内にゴミ等が持ち込まれることをより確実に防止することができる。
以上、本発明のレフィルドシリンジの製造方法について図示の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、各前記実施形態では、本発明のレフィルドシリンジの製造方法、すなわち、プレフィルドシリンジの外筒の無菌領域への搬入に適用した場合を代表にして説明したが、の搬入方法は、例えば、バイアル、アンプル、輸液、栄養療法等に使用するボトル(瓶)やバッグ(袋)、注射用薬剤カートリッジ等の各種医療器具(医療容器)の無菌領域への搬送に適用することもできる。
また、各前記実施形態では、薬液調整タンクをアイソレータ内に設置しているが、薬液調整タンクをアイソレータの外に設置し、薬液充填装置に接続された第1の接続管と、薬液調整タンクに接続された第2の接続管を接続することにより、薬液調整タンクに貯留された薬液を薬液充填装置に供給するようにしてもよい。これにより、アイソレータを開放することなく、薬液調整タンクを交換することが可能となる。この場合、第2の接続管を密閉状態の小室内で滅菌した後、第1の開口を開放して、第1の接続管に接続するようにすると、第1の接続管と第2の接続管とを無菌的に接続することができる。
また、各前記実施形態では、無菌領域に薬液充填装置を設置しているが、無菌領域に配設する設備はこれに限定されず、通常、無菌領域で扱う各種設備に変更することができる。
また、本発明では、必要に応じて、任意の目的の1または2以上の工程を追加することもできる。
本発明のプレフィルドシリンジの製造方法において用いられる薬液充填システムの構成を示す模式図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 滅菌時の小室内の圧力変化を模式的に示すグラフである。 本発明のプレフィルドシリンジの製造方法の第2実施形態を説明するための図である。
符号の説明
1 薬液充填システム
2 アイソレータ
21 グローブ
22 給気ブロア
221 バルブ
3 小室
30 小室本体
31 第1のバルブ
32 第2のバルブ
33 第1の蓋
331 クリーンエアー導入バルブ
34 第2の蓋
36 第1の開口
37 第2の開口
4 滅菌手段
40 過酸化水素ガス供給装置
41 蒸気供給管
6 薬液充填装置
61 薬液導入部
62 薬液注入部
621 吐出ノズル
63 薬液流路管
7 プレフィルドシリンジ
71 外筒(医療器具)
72 キャップ
73 ガスケット
74 プランジャ
8 薬液導入管
11 ポンプ
111 ポンプ接続管
12 トレー
13 脱酸素剤
131 容器
14 包材
141 シート材
142 シール部
143 開口部
15 第2の包材

Claims (5)

  1. プレフィルドシリンジの外筒を無菌状態を維持しつつ非無菌領域から無菌領域に搬入する工程と、
    前記無菌領域において、前記外筒内に液状製剤を充填する工程とを有し、
    前記外筒を前記非無菌領域から前記無菌領域に搬入するに際し、
    包材内に封入された前記外筒に対して、前記包材ごと放射線滅菌を施し、
    次いで、前記無菌領域と前記非無菌領域との境界部に設けられた密閉可能な小室内に、前記外筒を前記包材ごと入れ、過酸化水素を含むガスを減圧状態の前記小室内に供給して、前記包材を前記ガスに曝して、その外表面をガス滅菌し、
    その後、前記包材内外の滅菌状態を維持しつつ、前記外筒を前記包材ごと前記無菌領域に搬送し、前記包材を開封して、前記包材内から前記外筒を取り出すことを特徴とするプレフィルドシリンジの製造方法
  2. 前記放射線滅菌は、前記外筒を封入した前記包材を、第2の包材内に封入した状態で、前記医療器具に対して、前記包材および前記第2の包材ごと行われる請求項に記載のプレフィルドシリンジの製造方法
  3. 前記小室内に過酸化水素を含むガスを供給し、所定時間が経過した後、前記小室内を再度減圧する請求項1または2に記載のプレフィルドシリンジの製造方法
  4. 前記所定時間は、10分以下である請求項3に記載のプレフィルドシリンジの製造方法。
  5. 前記小室の容量は、1L〜1m である請求項1ないし4のいずれかに記載のプレフィルドシリンジの製造方法。
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