以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の演出用の背景図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第1飾り図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第2飾り図柄とを可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が設置されている。この実施形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)で構成されている。可変表示装置9における表示領域は、背景図柄を可変表示するための背景図柄表示領域(画面中央の領域)9aと、第1飾り図柄を可変表示するための第1飾り図柄表示領域(画面の左隅の小さな領域)9bと、第2飾り図柄を可変表示するための第2飾り図柄表示領域(画面の右隅の小さな領域)9cと、始動入賞口13,14に入った入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示するためのメモリ表示領域(画面下側の領域)9dとに分けられている。図1に示すように、メモリ表示領域9dには、8個の始動記憶表示エリアが設けられ、最大8個の保留記憶数(始動記憶数)を表示することができる。なお、図1に示す例では、背景図柄表示領域9aとメモリ表示領域9dとは、それらの領域が境界線で区切られていないが、境界線で区切られていてもよい。
第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cにおいて、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字の飾り図柄が可変表示可能に表示制御される。そして、第1飾り図柄表示領域9bでは、可変表示の第1の実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口13に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第1の開始条件の成立(第1飾り図柄が可変表示中でなく、第1飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でなく、第1飾り図柄が小当り図柄になったことにもとづく小当り中でもないとき)にもとづいて第1飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。また、第2飾り図柄表示領域9cでは、可変表示の第2の実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第2の開始条件の成立(第2飾り図柄が可変表示中でなく、第2飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でなく、第2飾り図柄が小当り図柄になったことにもとづく小当り中でもないとき)にもとづいて第2飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。
背景図柄表示領域9aでは、図1に示すように、左・中・右の背景図柄が可変表示可能に表示制御される。この実施の形態では、左・中・右の背景図柄は、それぞれ、「0」〜「9」の数字の図柄とされている。背景図柄は、第1飾り図柄および第2飾り図柄と同様に、第1の実行条件の成立および第2の実行条件の成立にもとづいて可変表示が実行されるのであるが、背景図柄の可変表示は、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示と常に同期して開始されるわけではない。すなわち、第1の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第1の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。同様に、第2の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第2の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。背景図柄の可変表示が開始可能な条件を第3の開始条件という。第3の開始条件については後述する(図35、図38〜図41等参照)。
図1に示すように、背景図柄表示領域9aの面積は、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cの面積や、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの面積よりも大きい。従って、背景図柄表示領域9aに表示される背景図柄が、飾り図柄や特別図柄よりも遊技者にとって最も視認しやすい図柄である。よって、遊技者は、背景図柄に最も注目することになる。
メモリ表示領域9dでは、原則として、第1の実行条件および第2の実行条件が成立する毎(つまり、始動入賞口13,14への有効始動入賞がある毎)に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化する)始動記憶数表示エリアを1増やす。また、第3の開始条件が成立する毎(つまり、背景図柄の可変表示が開始される毎)に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
なお、この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示するように構成しているが、背景図柄の保留記憶数を表示する表示器(背景図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数の上限値を8とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が大当り図柄のときに確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
可変表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1飾り図柄表示領域9bにおいて装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第1特別図柄の可変表示と第1飾り図柄の可変表示とは同期しており、第1特別図柄の可変表示が開始されるときに第1飾り図柄の可変表示も開始され、第1特別図柄の可変表示が終了するときに第1飾り図柄の可変表示も終了する。また、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2飾り図柄表示領域9cにおいて装飾用の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第2特別図柄の可変表示と第2飾り図柄の可変表示とは同期しており、第2特別図柄の可変表示が開始されるときに第2飾り図柄の可変表示も開始され、第2特別図柄の可変表示が終了するときに第2飾り図柄の可変表示も終了する。
第1特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄の可変表示を行う第2特別図柄表示器8bは、遊技制御基板(主基板)31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
第1特別図柄表示器8aの下側には、第1の開始条件の成立していない第1の実行条件の成立数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの下側には、第2の開始条件の成立していない第2の実行条件の成立数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、保留記憶数を表示する表示器(特別図柄保留記憶表示器)が可変表示装置9とは別個に設けられているが、例えば、可変表示装置9の表示領域の一部を特別図柄保留記憶表示領域にしてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aは第1特別図柄表示器8aの可変表示についての保留記憶数を表示し、第2特別図柄保留記憶表示器18bは第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数を表示し、さらに、第1特別図柄表示器8aの可変表示および第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数(上限値を8)を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいてまとめて表示するように構成されている。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数の上限値を4とし、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数の上限値を4としているが、上限値をより大きい値にしてもよい。この場合は、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示される背景図柄の保留記憶数の上限値も大きな値(特別図柄の保留記憶数の上限値×2)となる。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態では、可変表示装置9の画面の左隅の小さな領域に第1飾り図柄が表示され、画面の右隅の小さな領域に第2飾り図柄が表示され、画面の下側に保留記憶数が表示され、画面のほぼ中央に背景図柄が表示される。第1飾り図柄が第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄に対応し(両図柄の停止図柄が完全に一致する場合に限らず、両図柄の停止図柄が意味するはずれ、非確変大当り(通常大当り)、確変大当りなどの内容が一致する場合も含まれる。)、第2飾り図柄が第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄に対応する。そして、背景図柄は、2つの飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは、はずれとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃わない状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が大当り図柄となるときは、大当りとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が小当り図柄のときは、小当りとなる。なお、小当りについては後で説明する。このような画面表示によれば、見た目上、1つの図柄(背景図柄)に対して保留記憶数が8つあるように見せることができる。従って、実際は2つの図柄が並行して可変表示されるとしても、遊技者は、単純に1つの図柄に注目すればよいことになり、画面の見た目が煩雑であるような印象や遊技の進行が複雑であるような印象を遊技者に与えてしまうのを回避することができる。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能となり(あるいは入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを離れた位置に設けてもよい。例えば、第1始動入賞口13を可変表示装置9の下方左側に設け、第2始動入賞口14を可変表示装置9の下方右側に設けてもよい。その場合も、一方の始動入賞口にのみ可変入賞球装置を設ける構成としてもよい。
第2始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の下方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、1つの普通図柄表示器10と1つの可変入賞球装置15が設けられているが、2つの可変入賞球装置を設けた場合(第1始動入賞口13にも可変入賞球装置を設けた場合)に、2つの普通図柄表示器を設けてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。また、遊技機内部の遊技状態(後述する通常遊技状態、確変状態、時短状態)を遊技者に報知するための状態表示灯が、遊技盤6の所定の箇所に設けられている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。第1特別図柄および第1飾り図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当り))に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、第1特別図柄および第1飾り図柄の停止時の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。なお、突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が開放される期間が短く、特別可変入賞装置の開放中に10個の遊技球が入賞しないので、10個の遊技球が大入賞口に入賞するまでを1ラウンドと定義する必要はない。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、可変表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、第1特別図柄および第1飾り図柄の停止時の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。第2特別図柄および第2飾り図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当り))に移行する。
また、第2特別図柄および第2飾り図柄の停止時の停止図柄が突然確変図柄になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態である突然確変大当り遊技状態に移行する。
また、第2特別図柄および第2飾り図柄の停止時の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
確変状態(確率変動状態)とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が通常遊技状態および時短状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。
また、時短状態(時間短縮状態)とは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄および可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。また、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態および確変状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態および確変状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。また、時短状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
確変時短状態とは、確変状態でかつ時短状態である遊技状態のことをいう。確変時短状態は、遊技者にとってきわめて有利な状態である。
なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄(突然確変図柄を含む)となって確変状態または確変時短状態に制御された場合は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常遊技状態や時短状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。また、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄(突然確変図柄を含む)となって大当り遊技状態終了後に確変状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常遊技状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
この実施の形態では、以下のように遊技状態が遷移する。
(1)通常遊技状態および時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変時短状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(2)確変状態および確変時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変時短状態に移行され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変時短状態が変化しないで維持される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(3)通常遊技状態および時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(4)確変状態および確変時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変状態が変化しないで継続され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(5)通常遊技状態および時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態であったときは通常遊技状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(6)確変状態および確変時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(7)通常遊技状態および確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常遊技状態および確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(8)時短状態および確変時短状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、時短状態および確変時短状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
次に、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止図柄と、飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)の停止図柄と、背景図柄の停止図柄との対応関係(これらの図柄におけるはずれ図柄、確変図柄、非確変図柄、突然確変図柄および小当り図柄)について説明する。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにて可変表示される特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「3」,「8」,「9」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄であり、「6」が非確変図柄であり、「5」が突然確変図柄であり、「4」が小当り図柄である。
大当り図柄および小当り図柄である。
また、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cにて可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「3」,「8」,「9」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄であり、「6」が非確変図柄であり、「5」が突然確変図柄であり、「4」が小当り図柄である。
第1特別図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは第1飾り図柄の停止図柄もはずれ図柄(第1特別図柄の停止図柄と同一のはずれ図柄でなく、異なるはずれ図柄となることもある)となり、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となるときは第1飾り図柄の停止図柄も確変図柄となり、第1特別図柄の停止図柄が非確変図柄となるときは第1飾り図柄の停止図柄も非確変図柄となり、第1特別図柄の停止図柄が突然確変図柄となるときは第1飾り図柄の停止図柄も突然確変図柄となり、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄となるときは第1飾り図柄の停止図柄も小当り図柄となる。また、第2特別図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは第2飾り図柄の停止図柄もはずれ図柄(第2特別図柄の停止図柄と同一のはずれ図柄でなく、異なるはずれ図柄となることもある)となり、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となるときは第2飾り図柄の停止図柄も確変図柄となり、第2特別図柄の停止図柄が非確変図柄となるときは第2飾り図柄の停止図柄も非確変図柄となり、第2特別図柄の停止図柄が突然確変図柄となるときは第2飾り図柄の停止図柄も突然確変図柄となり、第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄となるときは第2飾り図柄の停止図柄も小当り図柄となる。
なお、特別図柄(飾り図柄も同様)として、数字の図柄を例示していたが、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。
また、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにて可変表示される左中右の背景図柄は、それぞれ、「0」〜「9」である。ここで、背景図柄のはずれ図柄は、左中右の背景図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など:なお後述する突然確変図柄および小当り図柄を除く。)である。なお、左右の背景図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の背景図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
背景図柄の大当り図柄は、左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態の図柄である。具体的には、「000」,「111」,「222」,「333」,「444」,「555」,「666」,「777」,「888」,「999」である。このうち、奇数の背景図柄で揃った状態の図柄(「111」,「333」,「555」,「777」,「999」)が確変図柄であり、偶数の背景図柄で揃った状態の図柄(「000」,「222」,「444」,「666」,「888」)が非確変図柄である。
背景図柄の突然確変図柄は、左中右の背景図柄が連続した数字になった状態の図柄である。具体的には、「123」,「234」,「345」,「456」,「567」,「678」,「789」である。突然確変図柄も大当り図柄の一種であるが、突然、確変状態に移行されたように見せるためには、突然確変図柄によって大当りの発生を容易に認識させないようにするのが望ましい。このため、上記のように、突然確変図柄を大当り図柄とは異なる図柄としている。なお、上記の図柄は突然確変図柄の一例であって、例えば「135」「357」のように左中右の背景図柄の各々が異なる奇数の図柄となった場合を突然確変図柄としてもよい。
背景図柄の小当り図柄は、左中右の背景図柄が連続した数字になった状態の図柄である。すなわち、背景図柄の突然確変図柄と同じ図柄(「123」,「234」,「345」,「456」,「567」,「678」,「789」)である。このように、背景図柄の小当り図柄を突然確変図柄と同じ図柄としたことにより、遊技者が背景図柄の停止図柄から突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。また、上述したように、突然確変大当り状態のときと小当り状態のときは同じ特別な演出が実行されるので、遊技者は演出の内容からも突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。さらに、突然確変大当りおよび小当りの終了後は確変状態または通常遊技状態のいずれかに制御されるが、確変状態および通常遊技状態のいずれの場合も、特別図柄および飾り図柄の変動時間は短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も向上されず、普通図柄の変動時間も短縮されないため、遊技者は遊技状態がどの状態に移行されたかについて認識することもできない。よって、突然確変大当りまたは小当りの終了後に、遊技者による確変状態への移行に対する期待を持続させることができることとなる。なお、特別図柄に関しては、突然確変図柄が「5」で小当り図柄が「4」であり、異なる図柄である。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる背景図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄や背景図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bの表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行うとともに、普通図柄の保留記憶数を表示する普通図柄保留記憶表示器41の表示制御も行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置の数に対応した数のVDPを演出制御基板80に搭載するようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのカウンタやバッファ、フラグに初期値が設定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図5に示すステップS20〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路(電源監視回路)が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第1特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か(および小当りを発生させるか否か)決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム6:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞にもとづく可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンド(第1図柄情報指定コマンド、第1変動パターンコマンド、第1始動入賞記憶指定コマンド;これらの演出制御コマンドを第1飾り図柄コマンドという)を送出する処理を行う(第1飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28A)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞にもとづく可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンド(第2図柄情報指定コマンド、第2変動パターンコマンド、第2始動入賞記憶指定コマンド;これらの演出制御コマンドを第2飾り図柄コマンドという)を送出する処理を行う(第2飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28B)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を作成し出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS31)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS33)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS37)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つの表示器において、同時に大当りが発生しないような制御、および同時に大当りと小当りが発生しないような制御を行う。
図6および図7は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する第1始動入賞が発生していたら(ステップS310)、第1保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS311)。
第1保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS311のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS312)。乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS313では、上記の各乱数のうち、ランダム1〜ランダム3が抽出される。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
なお、図6には示していないが、第1保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS311のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数(この場合は第1保留記憶数が1増加したこと)を示す第1始動入賞記憶指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS313)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大入賞口開放前処理〜第小当り終了処理のいずれかに応じた値であるか否かを確認する(ステップS314)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314のY)、ステップS315A〜S315C,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、4〜10)である。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315Aの処理に移行されたときは(ステップS314のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄および第1飾り図柄が変動中であるかどうかを確認し(ステップS315A)、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技(大当りが発生してから終了するまでの処理)の実行中または第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄であったことにもとづく第2小当り遊技(小当りが発生してから終了するまでの処理)の実行中であるかどうかを確認し(ステップS315B)、中断コマンドが送信済みであるかどうかを確認する(ステップS315C)。第1飾り図柄および第1特別図柄が変動中で(ステップS315AのY)、第2大当りまたは第2小当り遊技が実行中で(ステップS315BのY)、中断コマンドが送信済みでない場合は(ステップS315CのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。なお、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS302の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かおよび第2小当り遊技中であるか否かも、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。また、中断コマンドが送信済みであるか否かは、例えば、中断コマンドを送信したときに、送信済みフラグをセットし、そのフラグのセット・リセットを確認することによって行われる。
また、ステップS317の処理に移行されたときは(ステップS314のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、中断コマンドを送信済み(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)である場合には(ステップS317のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して再開コマンドを送信した後に(ステップS318)、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、再開コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、大当りとするか否か(第1特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りなど)を決定する。大当りとしない場合には、小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には、第1小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、第1始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、第1特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS302):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS303):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。第1大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。第1小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄(大当り図柄と同じ図柄)を停止表示してから小当り遊技を開始するまでの時間(小当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、小当り図柄を停止表示した後に小当り遊技が開始されることを示す合図の演出(2ラウンド用演出;なお、2ラウンド用演出は突然確変大当りが発生した場合に実行される演出と同じ演出である)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。第1大当りフラグおよび第1小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS304):大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放後処理(ステップS306):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
第1小当り開放前処理(ステップS308):小当り表示時間またはインターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに小当り開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに小当り終了処理の実行時間(小当り終了時間)を設定した後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に応じた値に更新する。
第1小当り開放中処理(ステップS309):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。そして、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。
第1小当り終了処理(ステップS310):小当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図8は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図9に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図9に示された極性と逆極性であってもよい。
図10および図11は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。
図10に示す例において、コマンド8000(H)〜8010(H)は、第1特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて可変表示される第1飾り図柄の変動パターン(第2変動パターン)を指定する演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)である。また、コマンド8100(H)〜8110(H)は、第2特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいて可変表示される第2飾り図柄の変動パターン(第2変動パターン)を指定する演出制御コマンド(第2変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。また、コマンド8C07(H)〜8C0D(H)は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C06(H)を第1図柄情報指定コマンドといい、コマンド8C07(H)〜8C0D(H)を第2図柄情報指定コマンドといい、コマンド8C00(H)〜8C0D(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、第1特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、第1特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(第1通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1確変大当り3指定コマンド)である。
ここで、「再抽選演出」とは、可変表示装置9において背景図柄(あるいは飾り図柄)の大当り図柄を停止表示させた後に大当り図柄を再抽選して導出表示するように見せかける演出のことをいう。具体的には、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに背景図柄の大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄を同一の非確変図柄で停止表示し、その後に非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出である(図75参照)。再抽選演出としては、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合(非確変図柄を停止表示した後に確変図柄を導出表示する場合)と、非確変図柄から確変図柄に昇格させない場合(非確変図柄を停止表示した後に再び非確変図柄を導出表示する場合)とがあるが、この実施の形態では、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合のみ示している。従って、再抽選演出のことを「昇格演出」または「成り上がり演出」ということもある。
コマンド8C05(H)は、第1特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(第1突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(第1小当り指定コマンド)である。
コマンド8C07(H)は、第2特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2はずれ指定コマンド)である。コマンド8C08(H)は、第2特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(第2通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C09(H)は、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C0A(H)は、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C0B(H)は、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2確変大当り3指定コマンド)である。
コマンド8C0C(H)は、第2特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(第2突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C0D(H)は、第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(第2小当り指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)である。また、コマンド8F01(H)は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第1中断コマンド)である。また、コマンド9001(H)は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第2中断コマンド)である。
コマンド9002(H)は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第1再開コマンド)である。また、コマンド9003(H)は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第2再開コマンド)である。
図11に示す例において、コマンド9500(H)〜9503(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。なお、チャンスモードは、突然確変大当りおよび小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が開始され、かつ再抽選演出を実行しないことを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが開始され、かつ再抽選演出を実行しないことを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、通常大当りが開始され、かつ大当り中に再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、通常大当りが開始され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ4指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、突然確変大当りが開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ5指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技が終了すること(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り中の再抽選演出にて確変図柄に昇格され、確変大当りになったことを指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、突然確変大当りが終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング5指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA600(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り用ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の第1始動入賞記憶数(第1保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞記憶指定コマンド)である。また、コマンドC1XX(H)は、XXで示される数の第2始動入賞記憶数(第2保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞記憶指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図10および図11に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図10および図11に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、可変表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図12は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図12において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図12には、第1飾り図柄用の第1変動パターン#1〜#17の17種類が示されている。なお、第2飾り図柄用の第2変動パターン#1〜#17についても、第1飾り図柄用の第1変動パターン#1〜#17と同内容の変動パターンが用いられる。すなわち、第1飾り図柄用の第1変動パターンと第2飾り図柄用の変動パターンは、変動番号が同じであれば同内容の変動パターンとなる。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」または「確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「確変図柄」となる場合の変動パターン(確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「突然確変図柄」となる場合の変動パターン(突然確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「小当り図柄」となる場合の変動パターン(小当り専用の変動パターン)とに区別されている。
はずれ専用の変動パターンは、通常遊技状態のときのリーチを伴わない通常変動の変動パターンと、強制はずれ(無条件で、すなわち抽選による大当り判定を行わず、抽選結果をはずれにすること)とするとき(ステップS57,S68参照)の特殊変動の変動パターンと、時短状態(確変時短状態を含む)のときのリーチを伴わない時短時通常変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。なお、特殊変動の変動パターンとしては、特別なキャラクタを登場させたり、複数回図柄を仮停止表示させたりするような変動パターンが考えられる。
通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。
確変大当り専用の変動パターンは、スーパーリーチDを伴う変動パターンだけである。通常大当り専用の変動パターンは、スーパーリーチEを伴う変動パターンだけである。
突然確変大当り専用の変動パターンは、突然確変用の特別変動の変動パターンだけである。小当り専用の変動パターンは、小当り用の特別変動の変動パターンだけである。
図13〜図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始することができる状態(第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合、つまり、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合)には(ステップS51)、第1始動入賞記憶数(第1保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
第1始動入賞記憶数が0でなければ、第1始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、第1始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態など)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS55)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するコマンドセット処理(図31)を実行する(ステップS56)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大当りフラグまたは第2小当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS57)。第2大当りフラグまたは第2小当りフラグがセットされているときは(ステップS57のY)、ステップS68の処理に移行する。これにより、第2特別図柄が大当り図柄または小当り図柄になると事前に決定されている場合に強制的に第1特別図柄の停止図柄をはずれ図柄にする処理が行われる。
第2大当りフラグまたは第2小当りフラグがセットされていないときは(ステップS57のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS58A)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS58B)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、確変状態のときの方が通常遊技状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が確変状態(確変時短状態も含む)であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かにより行われる。
大当り判定モジュールで大当りとしないことに決定した場合には(ステップS59のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図14のステップS64Aの処理に移行する。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS59のY)、第1大当りフラグをセットする(ステップS60)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、大当り遊技中に再抽選演出を実行する確変大当り、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する確変大当り、突然確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS62)。
大当り種別の決定処理は、図16に示すような大当り種別決定テーブルを用いて行う。大当り種別決定テーブルには、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS61で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するか否かによって、大当り種別、すなわち、通常大当り、確変大当り、確変大当り(大当り中昇格)、確変大当り(エンディング昇格)および突然確変大当りのいずれかを決定する。このように、大当り種別の決定処理によって、大当りを通常大当り、確変大当り、突然確変大当りにするかだけでなく、再抽選演出(昇格演出)を実行するかどうかと、再抽選演出をどのようなタイミングで実行するかについても決定されることになる。
図13には示していないが、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。具体的には、通常大当り(非確変大当り)のときは非確変図柄「6」が決定され、確変大当りのときは確変図柄「7」が決定され、突然確変大当りのときは突然確変図柄「5」が決定されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62にて決定した大当り種別に応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS63)、図15のステップS72の処理に移行する。
なお、ステップS63において、飾り図柄情報バッファに大当り種別に応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A、図30)が実行され、コマンドセット処理(図31)が実行され、コマンド送信処理(図32)が実行される。これにより、大当り種別に応じた第1図柄情報指定コマンド(第1通常大当り指定コマンド、第1確変大当り1指定コマンド、第1確変大当り2指定コマンド、第1確変大当り3指定コマンド、第1突然確変大当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
図14のステップS64Aにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS58Aで読み出した大当り判定用乱数の値にもとづいて小当りとするか否かを決定する小当り判定モジュールを実行する(ステップS64A)。小当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
小当り判定モジュールで小当りとすることに決定した場合には(ステップS64BのY)、小当りに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアし(ステップS65)、第1小当りフラグをセットする(ステップS66)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS67)。なお、図14には示していないが、小当りになると決定されたときは小当り図柄「4」が自動的に決定されることになる。
なお、ステップS65において、飾り図柄情報バッファに小当りに応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A、図30)が実行され、コマンドセット処理(図31)が実行され、コマンド送信処理(図32)が実行される。これにより、小当りを指定する第1図柄情報指定コマンド(第1小当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
ステップS57で第2大当りフラグまたは第2小当りフラグがセットされていると判断した場合(ステップS57のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれフラグをセットした後(ステップS68)、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS69)、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、第1特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS70)。第1特別図柄のはずれ図柄として、「0」〜「3」,「8」,「9」のいずれかの図柄が決定される。
ステップS64Bの小当り判定モジュールで小当りとしないことに決定した場合(ステップS64BのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS69)、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、第1特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS70)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアする(ステップS71)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS67)。
図15のステップS72において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62で決定した大当り種別が確変大当りであるかどうかを確認し、確変大当りでなかったときは(ステップS72のN)、大当りの種別を示すフラグのセットを行わずに、ステップS82の処理に移行する。
確変大当りであったときは(ステップS72のY)、確変大当りが発生することを示す第1確変大当りフラグをセットする(ステップS73)。そして、確変大当りが突然確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS74)。突然確変大当りであったときは(ステップS74のY)、突然確変大当りが発生することを示す第1突然確変フラグをセットし(ステップS75)、ステップS82の処理に移行する。
突然確変大当りでなかったときは(ステップS74のN)、再抽選演出が実行されるかどうかを確認する(ステップS76)。再抽選演出が実行されないときは(ステップS76のN)、ステップS82の処理に移行し、再抽選演出が実行されるときは(ステップS76のY)、再抽選演出が実行されることを示す第1再抽選実行フラグをセットして(ステップS77)、再抽選演出が大当り中に実行されるかどうかを確認する(ステップS78)。大当り中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS78のY)、大当り中に再抽選演出が実行されることを示す第1大当り中実行フラグをセットし(ステップS79)、ステップS82の処理に移行する。大当り中に実行されないときは(ステップS78のN)、再抽選演出がエンディング中に実行されるかどうかを確認する(ステップS80)。エンディング中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS80のY)、エンディング中に再抽選演出が実行されることを示す第1エンディング実行フラグをセットし(ステップS81)、ステップS82の処理に移行する。ステップS82では、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS82)。
図17および図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。第1大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS202)。第1突然確変フラグがセットされているときは(ステップS202のY)、突然確変大当りが発生することになるので、図柄(第1特別図柄および第1飾り図柄)の変動パターンを突然確変用特別変動の変動パターンに決定する(ステップS203)。そして、ステップS208の処理に移行する。
第1突然確変フラグがセットされていないときは(ステップS202のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204)。第1確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS204のY)、確変大当りが発生することになるので、確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。
確変大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した確変大当りのときに選択される変動パターン(「08H」〜「0DH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
第1確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS204のN)、通常大当り(非確変大当り)が発生することになるので、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。
通常大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常大当りのときに選択される変動パターン(「08H」〜「0CH」,「0EH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、確変大当り用変動パターン決定テーブルまたは通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが次に可変表示される図柄の変動パターンと決定される。そして、ステップS208の処理に移行する。
ステップS201において第1大当りフラグがセットされていないときは(ステップS201のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS213)。強制はずれフラグがセットされていないときは(ステップS213のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS214)。第1小当りフラグがセットされているときは(ステップS214のY)、小当りが発生することになるので、図柄の変動パターンを小当り用特別変動の変動パターンに決定する(ステップS215)。なお、突然確変用特別変動の変動パターンと小当り用特別変動の変動パターンとは、変動時間および演出表示(演出態様)が同じである(図12参照)。そして、ステップS208の処理に移行する。
第1小当りフラグがセットされていないときは(ステップS214のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS216)。時短フラグがセットされていないときは(ステップS216のN)、通常遊技状態のときに使用する通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS217)。
通常時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(「00H」,「03H」〜「07H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、時短フラグがセットされているときは(ステップS216のY)、時短状態のときに使用する時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS218)。
時短時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した時短状態(確変時短状態も含む)においてはずれのときに選択される変動パターン(「02H」〜「07H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
ステップS213において強制はずれフラグがセットされているときは(ステップS213のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれのときに使用する強制はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS219)。
強制はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(「01H」,「03H」〜「07H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述したように、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、通常時はずれ用変動パターン決定テーブル、時短時はずれ用変動パターン決定テーブルまたは強制はずれ用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。そして、ステップS208の処理に移行する。
なお、確変状態のときは、通常遊技状態のときと同様に、通常時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられ、確変時短状態のときは、時短状態のときと同様に、時短時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられて、変動パターンが決定される。
ステップS208では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS203,S207,S215において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドデータを変動パターンバッファにストアする(ステップS208)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマ(具体的には第1特別図柄の変動時間を計測する第1特別図柄プロセスタイマ)に変動時間をセットする(ステップS209)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS210)。この処理が行われたことに応じて、第1飾り図柄コマンド制御処理(図5のステップS28A、図30)において第1変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数監視処理を実行する(ステップS211)。
変動回数監視処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に時短状態(確変時短状態を除く)に移行された場合(時短フラグがセットされた場合)、大当り遊技終了後の第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を変動回数カウンタでカウントする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数カウンタのカウント値が時短状態を継続可能な所定の変動回数(例えば100回)を示す値となったかどうかを確認し、カウント値が所定の変動回数を示す値になったときに、時短フラグをリセットする。これにより、大当り遊技終了後の第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が所定の変動回数になったときに時短状態から通常遊技状態に移行されることになる。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS212)。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS302)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(ステップS351)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS352のY)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS353)。第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS361)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS362)、コマンドセット処理を実行する(ステップS363)。これによって、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS364)。第1大当りフラグがセットされていれば(ステップS364のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS365)。なお、大当り表示時間において、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)が実行される。
なお、15ラウンドの大当りのときと2ラウンドの大当りのときとで異なる大当り表示時間をセットするように構成されていてもよい。この場合、例えば、15ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が3秒で、2ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が5秒とされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS366)、コマンドセット処理を実行する(ステップS367)。これによって、大当り種別に応じたファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。なお、大当り種別は、第1確変大当りフラグがセットされているか、第1突然確変フラグがセットされているか、第1再抽選実行フラグがセットされているか、第1大当り中実行フラグがセットされているか、第1エンディング実行フラグがセットされているかどうかにもとづいて確認することができる。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS368)。
第1大当りフラグがセットされていなければ(ステップS364のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS369)。第1小当りフラグがセットされていれば(ステップS369のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、小当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(小当り表示時間)をセットする(ステップS370)。なお、上述したように、第1飾り図柄の小当り図柄は突然確変図柄と同じ図柄である。また、小当り遊技が開始されると、突然確変大当りが開始されたときと同じ2ラウンド用演出が開始される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りのファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS371)、コマンドセット処理を実行する(ステップS372)。これによって、小当り用のファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS373)。
第1小当りフラグがセットされていなければ(ステップS369のN)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS374)。
図21は、以上に説明したような遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)の制御例を示すタイミング図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りとするか異な否か決定する(すなわち、抽選する)ときに、大当りにすることに決定した場合には、第2大当りフラグをセットする(図13のステップS60参照。図13は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)。
図21に示すA〜Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)のそれぞれにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理で、大当り判定用乱数にもとづく抽選処理により大当りとするか否か決定するが(ステップS58A,S58B,S59参照)、第2大当りフラグがセットされているときには、抽選処理を実行しないようにする(ステップS58A,S58B,S59の処理をスキップする)。図21に示す例では、B,Cのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、無条件で抽選結果をはずれにする。無条件で抽選結果をはずれにすることが強制はずれである。なお、A,Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、第2大当りフラグはセットされていないので、抽選結果が大当りとなることもある。
そして、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されたときに、第1飾り図柄および第1特別図柄が変動している場合は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動時間の計測が中断される。これにより、第1飾り図柄および第1特別図柄の停止図柄が導出表示されることが防止される。なぜなら、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中に、大当り図柄が第2飾り図柄および第2特別図柄の停止図柄として導出表示されたときには、第2特別図柄プロセスフラグの値は第2大入賞口開放前処理に応じた値であり、その場合には、図6に示すステップS315A〜S315Cの処理によって、図7に示すステップS300〜S310の処理(特に、ステップS302の処理)が実行されず、処理が中断されるからである。つまり、ステップS302の処理が中断されることによって、ステップS351,S352の処理は実行されず、その結果、第1特別図柄停止処理が実行されない。よって、第1特別図柄の変動が停止することはない。また、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることはない。
なお、第1飾り図柄については、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。そして、ステップS316の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100には中断コマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中断コマンドを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の変動を中断する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1飾り図柄の変動を中断しているときにその旨を報知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動を中断しているときに、例えば、第1飾り図柄をはずれ図柄で揺れ表示させるように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの第1飾り図柄の変動を続行し、その他の表示(キャラクタ等)のみを止めるように制御してもよい。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS401)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるか2ラウンドであるかを判定する(ステップS403)。なお、確変大当りフラグがセットされていない場合および確変大当りフラグがセットされているが突然確変フラグがセットされていない場合は、15ラウンドの大当りであると判断することができ、確変大当りフラグおよび突然確変フラグがセットされている場合は、2ラウンドの大当りであると判断することができる。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS403のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS404)、コマンドセット処理を実行する(ステップS405)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS406)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS407)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS406において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32の出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS408)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS414)。
ステップS403において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS403のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS409)、コマンドセット処理を実行する(ステップS410)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS411)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS412)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS413)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は短い時間であり、例えば5秒とされている。従って、2ラウンドの大当りでは、ラウンド中に大入賞口へ10個の遊技球(入賞可能な最大個数の遊技球)が入賞することはない。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS414)。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りであるか2ラウンドの大当りであるか)を確認する(ステップS422)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS422のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS423)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS423のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS424)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS424のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS424のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS425)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS424のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS426のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS427)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS428)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS429)、コマンドセット処理を実行する(ステップS430)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS431)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS432)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
2ラウンドの大当りであれば(ステップS422のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS433)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS433のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS433のY)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS434)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド用の大入賞口開放後表示コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS435)、コマンドセット処理を実行する(ステップS436)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS437)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS432)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、15ラウンド用のインタバール時間と同じで、例えば5秒とされている。
図24および図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS441)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りか2ラウンドの大当りか)を判定する(ステップS443)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15になっているかどうかを確認する(ステップS444)。ラウンド数カウンタの値が15になっていなければ(ステップS444のN)、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS445)、コマンドセット処理を実行する(ステップS446)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS447)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS448)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに15ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS449)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS450)。
ラウンド数カウンタの値が15になっていれば(ステップS444のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS451)、コマンドセット処理を実行する(ステップS452)。これによって、大当り種別に応じたエンディングコマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り終了を遊技者に報知する大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)をセットし(ステップS453)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS454)。
ステップS443において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS443のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(図25のステップS455)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS455のN)、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS456)、コマンドセット処理を実行する(ステップS457)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS458)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS459)。また、大入賞口制御タイマに2ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS460)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS461)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS455のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り用のエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS462)、コマンドセット処理を実行する(ステップS463)。これによって、突然確変大当り用のエンディングコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS464)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS465)。
図26は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS472のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS472のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS473)。
大当り後遊技状態設定処理では、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた確変フラグ・時短フラグのセット・リセットの処理が実行される。具体的には、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行されるときは、時短フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行されるときは、確変フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行されるときは、確変フラグおよび時短フラグをセットする。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをリセットし(ステップS474)、第1確変大当りフラグがセットされている場合は第1確変大当りフラグをリセットし(ステップS475)、第1突然確変フラグがセットされている場合は第1突然確変フラグをリセットし(ステップS476)、第1再抽選実行フラグがセットされている場合は第1再抽選実行フラグをリセットし(ステップS477)、第1大当り中実行フラグがセットされている場合は第1大当り中実行フラグをリセットする(ステップS478)。さらに、第1エンディング実行フラグがセットされている場合は第1エンディング実行フラグをリセットする(ステップS479)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値に更新する(ステップS480)。
図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。第1小当り開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS501)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS502)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS502のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS502のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS503)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS503のN)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS504)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS505)。
また、大入賞口制御タイマに、小当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(小当り用のラウンド時間)をセットする(ステップS506)。なお、小当り用のラウンド時間は、2ラウンド用のラウンド時間と同じ時間(例えば5秒)とされる。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS507)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS503のY)、560は、大入賞口制御タイマに、小当り終了を遊技者に報知する小当り終了時間をセットし(ステップS508)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り終了処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS509)。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放中コマンドを送信するための制御は実行されない。
図28は、第1特別図柄プロセス処理における第1小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。第1小当り開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS511)。大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS512)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS512のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS512のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS513)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの小当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(小当り用のインターバル時間)をセットし(ステップS514)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放前処理(ステップS308)に応じた値に更新する(ステップS515)。なお、小当り用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放後コマンドを送信するための制御は実行されない。
図29は、第1特別図柄プロセス処理における第1小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。第1小当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS531)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS532)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS532のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS532のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS533)。
小当り後遊技状態設定処理では、小当り遊技終了後の遊技状態に応じた確変フラグ・時短フラグのセット・リセットの処理が実行される。具体的には、小当り遊技終了後に遊技状態が通常遊技状態に移行(継続)されるときは、確変フラグおよび時短フラグのいずれもリセットし、小当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行(継続)されるときは、確変フラグのみセットする。また、小当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行(継続)されるときは、時短フラグのみセットし、小当り遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行(継続)されるときは、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1小当りフラグをリセットし(ステップS534)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値に更新する(ステップS535)。
図30は、第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A)を示すフローチャートである。なお、図5において、第1飾り図柄の変動制御に関する第1飾り図柄コマンド(第1変動パターンコマンド、第1図柄情報指定コマンド、第1始動入賞記憶指定コマンド)と第2飾り図柄の変動制御に関する第2飾り図柄コマンド(第2変動パターンコマンド、第2図柄情報指定コマンド、第2始動入賞記憶指定コマンド)とを区別しているが、第2飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28B)においても、図30に示す第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A)と同様の処理が実行される。すなわち、「第1」を「第2」と読み替えた場合の処理が実行される。
第1飾り図柄コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド送信ポインタ(この例では第1飾り図柄コマンド送信ポインタ)をポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードする(ステップS552)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1飾り図柄コマンド(第1変動パターンコマンド、第1図柄情報指定コマンド、第1始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、第1変動パターンコマンドを送信するタイミングであれば、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)における第1変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS210において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは変動コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが変動コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、第1変動パターンコマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
第1変動パターンコマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する。これによって、第1変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図31)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが変動コマンド送信テーブルのアドレスから図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(4ms後)の第1飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、第1飾り図柄コマンド(第1変動パターンコマンド、第1図柄情報指定コマンド、第1始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、第1図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、第1図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
第1図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する。これによって、第1図柄情報指定コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図31)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスから始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(4ms後)の第1飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、第1飾り図柄コマンド(第1変動パターンコマンド、第1図柄情報指定コマンド、第1始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、第1始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、第1始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
第1始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する。これによって、第1始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御が実行される。なお、第1始動入賞記憶指定コマンドは、現在の第1始動入賞記憶数(第1保留記憶数)を指定(通知)する演出制御コマンドであるが、第1始動入賞記憶数は記憶処理(ステップS33)で確認されて、その数が始動入賞記憶指定コマンドで指定される値として設定される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
この場合は、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図31)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されると、ポインタの指すアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスを示さないようになっている。従って、次のタイマ割込みが発生したとき(4ms後)の第1飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、第1飾り図柄コマンドの送信タイミングであるかどうかを判定するが(ステップS553)、ステップS553において、第1飾り図柄コマンドの送信タイミングでないと判定されることになる。
図31は、コマンドセット処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンドセット処理は、ステップS56,S363,S367,S372,S405,S410,S430,S436,S446,S452,S457,S463において実行される。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。
コマンドセット処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスの指すコマンドデータ1をロードし(ステップS561)、図32に示すコマンド送信処理を実行(コール)する(ステップS562)。
図32に示すコマンド送信処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、送信コマンド(演出制御コマンド)を出力ポート1に出力する(ステップS581)。これにより、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータが出力ポート1から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号INT出力ビットをポートバッファにセットし(ステップS582)、ポート2バッファをロードする(ステップS583)。この実施の形態では、例えば、演出制御信号INT出力ビットとしてポートバッファに「1」がセットされ、ポート2バッファのデータ「0」がロードされる。そして、ポート2バッファとポートバッファの論理和をとり(ステップS584)、演算結果を出力ポート2に出力する(ステップS585)。この実施の形態では、演算結果が「1」となることにより、オン状態(ハイレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。オン状態の演出制御INT信号が出力されたことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100が送信コマンドを受信する(取り込む)処理を実行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS586)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS587,S588)。この処理は、演出制御INT信号のオン期間(ハイレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS588のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポート2バッファをロードし(ステップS589)、ポート2バッファを出力ポート2に出力する(ステップS590)。これにより、オフ状態(ローレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS591)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS592,S593)。この処理は、演出制御INT信号のオフ期間(ローレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS593のY)、図31のコマンドセット処理に戻る。
図31の説明に戻ると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS563)。そして、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS564)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビット(ビット7)をテストし(ステップS565)、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビットの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS566)。0でなければ(ステップS566のN)、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS567)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS568)。そして、そのアドレス(ポインタ)の指すエリアのデータ(コマンド拡張データ)をロードする(ステップS569)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出されうるEXTデータ(2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のデータ)が順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照指定ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照指定ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信処理ルーチンを実行(コール)する(ステップS570)。従って、図32に示した処理によって、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS571)、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS572)。なお、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されたときに、そのアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスであれば、上述したように、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行され、飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスでなければ、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行されない。
以上のようにして、2バイト構成の演出制御コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、取込信号としての演出制御INT信号の立ち上がりを検出すると演出制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、取り込み処理が完了する前に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号の立ち下がりで演出制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、演出制御INT信号の極性を逆にしてもよい(コマンドの取り込みを指示するときにローレベルとしてもよい)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングについて説明する。
図33は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図33に示すように、始動入賞(図33の例では第1始動入賞)が発生して、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示が開始される度に、第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、小当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、第1変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する第1変動パターンコマンドが第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A)にて送信される。続いて、第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A)において、第1特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、小当りに応じた第1図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、第1始動入賞記憶指定コマンド(このときの第1始動入賞記憶指定コマンドは変動開始により第1始動入賞記憶数が−1されたことを示すコマンドである)が送信される。なお、図33に示す例では、第1変動パターンコマンドとして大当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、第1図柄情報指定コマンドとして15ラウンドの大当りを指定する演出制御コマンド(突然確変大当りおよび小当りを指定するコマンド以外の演出制御コマンド)が送信されたものとする。そして、第1特別図柄変動中処理(ステップS302)で第1特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1変動パターンコマンドが、はずれ専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、通常大当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、そのコマンドにもとづいて、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて停止表示する第1飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて停止表示する背景図柄の停止図柄を決定する。一方、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1変動パターンコマンドが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、その後に受信する第1図柄情報指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて停止表示する第1飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて停止表示する背景図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動を開始する。なお、背景図柄表示領域9aにおいて、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される場合と開始されない場合とがある。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1図柄情報指定コマンドにもとづいて、はずれか大当りか小当りかを確認し、大当りであるときは大当り種別を確認し、再抽選演出の実行の有無および実行タイミングも確認する。
第1特別図柄停止処理(ステップS303)において、第1特別図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄停止指定コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている第1飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であれば、第1特別図柄停止処理(ステップS303)において、大当り種別に応じたファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて大当り遊技の開始を報知するファンファーレ演出を実行する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて第1ラウンドのラウンド表示を表示する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後のインターバル表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、次のラウンド(第2ラウンド)が開始されるまで可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいてインターバル表示を表示する。
第1大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて第2ラウンドのラウンド表示を表示する。
以上のような第1大入賞口開放中処理および第1大入賞口開放後処理が繰り返し実行されることにより、各ラウンドのラウンド表示およびラウンド間のインターバル表示が表示され、ラウンドが順に進んでいく。なお、第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、予め定められた所定のラウンド中(図33の例では第15ラウンド中)に再抽選演出が実行される。
第15ラウンド目の第1大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大当り種別に応じたエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて大当り遊技が終了したことを報知するエンディング演出を実行する。なお、第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、エンディング中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、エンディング中に(エンディング演出において)再抽選演出が実行される。図33に示す例では、エンディング演出においても再抽選演出が実行されている。なお、再抽選演出は、大当り遊技開始後に複数回実行してもよいが、この実施の形態では、再抽選演出が実行されると常に確変大当りに昇格するようにしているので、1回だけ実行されることになる。従って、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中には再抽選演出が実行されない。
その後、第1大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って第1特別図柄の変動が開始される。
図34は、2ラウンドの大当り遊技(突然確変大当りおよび小当りの遊技)が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図33に示した場合と同様に、始動入賞(この例では第1始動入賞)が発生して、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示が開始される度に、第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、小当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、第1変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する第1変動パターンコマンドが第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28A)にて送信される。続いて、第1飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)において、第1特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、小当りに応じた第1図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、第1始動入賞記憶指定コマンドが送信される。なお、図34に示す例では、第1変動パターンコマンドとして突然確変用または小当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、第1図柄情報指定コマンドとしての突然確変大当りまたは小当りを指定する演出制御コマンドが送信されたものとする。そして、第1特別図柄変動中処理(ステップS302)で第1特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの突然確変大当り専用の変動パターンまたは小当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドにもとづいて、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて停止表示する第1飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて停止表示する背景図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動を開始する。なお、背景図柄表示領域9aにおいて、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される場合と開始されない場合とがある。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1図柄情報指定コマンドにもとづいて、突然確変大当りまたは小当りを確認する。なお、突然確変大当りおよび小当りのときは、再抽選演出が実行されることはない。
第1特別図柄停止処理(ステップS303)において、第1特別図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄停止指定コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている第1飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
第1特別図柄の停止図柄が突然確変図柄であれば、第1特別図柄停止処理(ステップS303)において、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。また、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄であれば、第1特別図柄停止処理(ステップS303)において、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、突然確変大当り遊技または小当り遊技を開始する。なお、突然確変大当り遊技が開始されたときも、小当り遊技が開始されたときも、同じ2ラウンド用演出が実行される。2ラウンド用演出は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の開始から終了までの間に実行される一連の特別な演出である。例えば、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の停止図柄として突然確変図柄または小当り図柄(突然確変図柄も小当り図柄の同じ図柄である)が停止表示されると、突然、キャラクタを登場させたりムービー画像を再生したりするような特別な2ラウンド用演出が開始される。そして、2ラウンド用演出が終了すると、演出モードが確変状態の移行を期待させるチャンスモードに移行する。
突然確変大当り遊技が開始された場合は、第1大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第1大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第1大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド目の第1大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第2ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド後の第1大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、突然確変大当りの終了を指定するエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
その後、第1大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って第1特別図柄の変動が開始される。
また、小当り遊技が開始された場合は、第1小当り開放前処理(ステップS308)において、小当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放される。
第1小当り開放中処理(ステップS309)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖される。
第1小当り開放前処理(ステップS308)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放される。
第2ラウンド目の第1小当り開放中処理(ステップS309)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖される。
第2ラウンド後の第1小当り開放前処理(ステップS308)において、インターバル時間が経過すると、第1小当り終了処理に移行される。
その後、第1小当り終了処理(ステップS310)において、小当り終了時間が経過すると、小当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って第1特別図柄の変動が開始される。
なお、小当り遊技(突然確変大当り遊技でも同様であるが)におけるラウンド中は大入賞口の開放時間(ラウンド時間)が短い。このため、大入賞口に10個の遊技球が入賞しないので、ラウンド時間内に大入賞口が閉鎖されることがない。従って、遊技の開始から終了までの時間が一定であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドの受信にもとづかずに、2ラウンド用演出の表示状態を切り替えていくことができる。よって、小当り遊技では、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わない。なお、突然確変大当りの場合も、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わないようにしてもよい。
なお、図33および図34では、第1特別図柄および第1飾り図柄に関するコマンド送信タイミングやそれにもとづく制御処理について説明したが、第2特別図柄および第2飾り図柄に関するコマンド送信タイミングやそれにもとづく制御処理についても同様の処理が実行される。
次に、背景図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、切替ポイントの概念および保留記憶表示の表示制御などについて説明する。
背景図柄の変動は、第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらかの変動開始と同期して開始される。すなわち、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第1飾り図柄の変動が開始されると、その第1飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。また、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第2飾り図柄の変動が開始されると、その第2飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。
背景図柄の変動は、原則として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらか)の変動終了と同期して終了する。すなわち、背景図柄の変動が第1飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第1飾り図柄の変動終了と同期して終了する。また、背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第2飾り図柄の変動終了と同期して終了する。ただし、例外として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄とは別の飾り図柄の変動終了と同期して終了することもある。これについては図40および図41を用いて後で説明する。
図35は、背景図柄の変動中の切替ポイントおよび保留記憶表示の表示制御タイミングを示すタイミング図である。図35に示すように、背景図柄は、第1飾り図柄の変動開始と同期して変動を開始したものとする。また、第1飾り図柄の変動時間は40秒であったものとする。なお、背景図柄の変動開始と同期している第1飾り図柄の変動時間が40秒であるため、背景図柄の変動時間も40秒が選択されている。
第1特別図柄の変動が開始されたときに(第1特別図柄と同期して第1飾り図柄も変動が開始される)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(図35中、メモリ表示と示している)が1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたとき、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示も1つ消去される(例えば始動記憶数表示エリアの赤色の表示色を青色の表示色に1つ変化させる)。
なお、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したのと同時に第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されたときは、保留記憶数表示が点灯されずに第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されるのが一般的である。しかし、この実施の形態では、説明を解りやすくするために、そのような場合であっても保留記憶数表示の点灯と消去(消灯)とが瞬時に行われるものとして説明する。
第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(例えば5秒)経過後に第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の変動が開始されるものとする。このとき、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにより、第2特別図柄表示器18bにおける保留記憶数表示が点灯され、第2特別図柄の変動が開始されたことにより、第2特別図柄表示器18bにおける保留記憶数表示が消去される。一方、背景図柄は変動中であり、第2特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されなかったため、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示が1つ点灯される(例えば始動記憶数表示エリアの青色の表示色を赤色の表示色に1つ変化させる)。
本来、背景図柄の変動時間が40秒の場合は、背景図柄の変動開始後に通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して30秒のリーチCを伴う変動が行われる。ところが、背景図柄の変動が開始されてから特定時間(例えば10秒)経過するまでに、背景図柄と変動が同期した特別図柄(図35では第1特別図柄)とは別の特別図柄(図35では第2特別図柄)の変動が開始されたときは、図35に示すように、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄の停止図柄として事前に決定された停止図柄(ステップS620,S626で決定される停止図柄)が仮停止表示され、そして再び通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して20秒のリーチBを伴う変動が行われる。すなわち、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄が仮停止された後に背景図柄の変動パターンが切り替えられる。このように背景図柄の変動パターンを切り替える時点(背景図柄の変動開始後10秒経過した時点)を「切替ポイント」という。
図35に示す例では、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでは、背景図柄の変動は、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされ、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされる。従って、切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示、つまり、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける始動記憶数表示エリアが1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動と第2特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動との切れ目を遊技者に認識させやすくするために、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示させる制御が行われる。
このように、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでに第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて第1特別図柄の変動開始にもとづく変動から第2特別図柄の変動開始にもとづく変動に切り替え、さらに切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶数(第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計)を1つ減少させるように構成したことにより、遊技者に違和感を与えることなく、並行して変動が行われる第1特別図柄(第1飾り図柄)および第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動に対応した背景図柄の変動表示(可変表示)を効率よく実現することができる。その結果、並行して実行される第1特別図柄および第2特別図柄の変動の停止タイミングと、第1特別図柄および第2特別図柄に対応して実行される背景図柄の変動の停止タイミングとのずれを少なくすることができるようになる。
上述したように、図35に示す例では、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄の変動開始にもとづく変動であるため、第2特別図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は、背景図柄の停止図柄もはずれ図柄にすべきである。しかし、図35に示す例では、第1特別図柄(つまり第1飾り図柄)の停止図柄を大当り図柄にすると決定され、第1特別図柄の変動が終了するときに大当り図柄が停止表示(導出表示)されており、また、背景図柄は第1特別図柄の変動終了と同期して変動が終了している。従って、遊技者にとって最も視認しやすい背景図柄の停止図柄が大当り図柄にならないと、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示されたにもかかわらず大当り遊技が開始されてしまうことになり、背景図柄の停止図柄と遊技状態との整合がとれないことになってしまう。そこで、この実施の形態では、背景図柄と同期して変動が終了する特別図柄の停止図柄の種別(はずれ、非確変大当り、確変大当りなど)に応じて、背景図柄の停止図柄の種別を決定し、決定した種別の停止図柄を停止表示(導出表示)する制御が行われる。
図35に示す例では、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示される前に、第2特別図柄の変動が開始され、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示されたときに、第2特別図柄の変動が継続中である。この場合は、上述したように、第2特別図柄の変動が中断される(ステップS314〜ステップS316参照)。また、第2特別図柄の変動が中断中において、第2特別図柄の変動は一旦中断しているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知する制御が行われる。
なお、この実施の形態では、第1飾り図柄は第1特別図柄と完全に同期して変動が実行され、また、第2飾り図柄は第2特別図柄と完全に同期して変動が実行されるので、第1特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第1飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致し、また、第2特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第2飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致する。従って、以下の説明において、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される第1特別図柄の保留記憶数のことを第1飾り図柄の保留記憶数と表現し、また、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される第2特別図柄の保留記憶数のことを第2飾り図柄の保留記憶数と表現している箇所もある。
図36および図37は、図35に示した各図柄の変動実行タイミングにおける表示例を示す説明図である。図36および図37には、可変表示装置9と第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとが示されている。また、可変表示装置9の画面は、背景図柄表示領域9aと第1飾り図柄表示領域9bと第2飾り図柄表示領域9cとメモリ表示領域9dとに分けられている。
図36に示すように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動の開始と同期して背景図柄の変動が開始される。背景図柄の変動は、変動開始後から所定時間(10秒)経過するまでは通常変動(図柄が高速に変動する高速変動)が行われる。その後、第2飾り図柄の変動が開始されるが、背景図柄は変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動は開始されない。ただし、背景図柄の保留記憶数表示は1つ点灯される。その後、切替ポイントになると、図36に示すように、背景図柄は仮停止表示される。なお、仮停止の図柄は、はずれ図柄(図36では「527」)である。このとき、第1飾り図柄(第1特別図柄)および第2飾り図柄(第2特別図柄)は変動中である。
背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動パターンの切り替えが行われ、切替ポイント以降に再び背景図柄の通常変動(高速変動)が行われる。背景図柄の通常変動の再開時に、背景図柄の保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数に対応する保留記憶数表示)が1つ消去される。
そして、所定時間(10秒)経過後、左右の背景図柄が揃うことによりリーチになる。このとき、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動はすでに終了し停止図柄が表示されている。なお、第2特別図柄と第2飾り図柄の停止図柄は同じ種別の図柄(はずれ図柄、非確変図柄、確変図柄)であればよく、図柄の数字が完全に一致している必要はない。図36に示す例では、第2特別図柄は、はずれ図柄「0」が表示され、第2飾り図柄は、はずれ図柄「8」が表示されている。
その後、リーチを伴う変動が所定時間行われ、第1飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動が終了し、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄が導出表示される。このとき、図36に示す例では、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、第1飾り図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、背景図柄の停止図柄として大当り図柄「777」が導出表示されている。
第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄に大当り図柄が導出表示されたとき、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が中断され、はずれ図柄が停止表示される。これにより、第1特別図柄にもとづく大当り遊技中に第2特別図柄にもとづく大当りが発生してしまうのを防止することができる。なお、図36に示す例では、第2特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄「4」が停止表示され、第2飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄「6」が停止表示されている。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されると、大当り遊技が開始されて大当り遊技状態に移行する。具体的には、図37に示すように、大当りが発生したこと(大当り遊技が開始されること)を遊技者に報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「大当り!」の文字が表示され、その後に、大入賞口の開放に伴うラウンドの遊技が所定回数実行される。この実施の形態では、大当り遊技中において、第2飾り図柄の変動は中断されているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知するために、背景図柄表示領域9aにおける第2飾り図柄表示領域9cの真上に「変動継続中」という文字が表示されている。
図37に示すように、大当り遊技が終了するときに、大当り遊技の終了を報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「またね」という文字が表示される。その後、大当り遊技が終了すると、第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されるとともに、中断していた第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が再開される。
次に、様々な状況における各図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、各図柄に対応した保留記憶表示の消去タイミングおよび背景図柄の変動時間の変更などについて説明する。
図38は、切替ポイントの前後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図38に示す例では、図35に示した例と同じように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数表示)が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。
その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間が経過すると、第2飾り図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第2始動入賞口14に遊技球が入賞していた場合は、第2飾り図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、第2飾り図柄の変動が開始される。図38に示すように、第2飾り図柄の変動が開始されたときのタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに1つ点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
再び、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、第1特別図柄の第1保留記憶数が0のときは、第1飾り図柄と同期した背景図柄の変動は行われないが、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなっているので、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が開始される。なお、背景図柄の変動が開始されるときに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の背景図柄の変動が消化されて、未消化の背景図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図38において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図39は、切替ポイント後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図39に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
変動が開始されてから切替ポイントに至るまで背景図柄の通常変動が行われ、その後にリーチAを伴う変動が行われる。図39に示す例では、第2飾り図柄の変動が開始されるタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(10秒)経過すると、切替ポイントに至る。このとき、未消化の背景図柄の変動が残っているので、切替ポイントにおいて未消化の背景図柄の変動を消化させるために、背景図柄を仮停止表示し、背景図柄の変動パターンを切り替える制御が行われる。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。これにより、未消化の背景図柄の変動が消化されて、未消化の背景図柄の変動が存在しない状態になる。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過することにより、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図39において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
次に、背景図柄の変動時間の変更について説明する。図40は、先に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図40に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。
上述したように、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であり、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間も20秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動の方が先に開始されているので、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が先に開始され、また切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを後に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
なぜなら、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要があるからである。そこで、図40のような状況が生じた場合には、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、先に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、先に変動開始された飾り図柄(図40では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、先に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、背景図柄の変動開始後10秒経過した時点に設けられている切替ポイントを後ろにずらし、切替ポイントまでの通常変動(高速変動)の時間を延長することにより行われる。例えば、図40に示す例において、第2飾り図柄の変動が背景図柄(および第1飾り図柄)の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、背景図柄の変動終了タイミングと第2飾り図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、切替ポイントを背景図柄の変動開始後15秒経過した時点にずらし、切替ポイントまでの通常変動の時間を5秒延長し、切替ポイント以降の変動時間は一定のままにする。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、次の理由による。この実施の形態では、切替ポイントまでは常に通常変動が行われるように構成されている。通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがない。また、リーチを伴う変動のように図柄が低速または中速に変動している場合、その変動時間を延長し、かつ、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が困難であるが、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第1飾り図柄の変動が先に終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄の変動が背景図柄の変動と同期せずに開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示は1つ消去されるが、背景図柄の保留記憶数表示は点灯されたままとなる。背景図柄および第2飾り図柄の変動が終了したときに第2始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、背景図柄と第2飾り図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動が終了すると、まだ未消化の保留記憶が存在しているので、その保留記憶を消化するために、背景図柄の変動が開始される。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の背景図柄の変動が消化されて、未消化の背景図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図40において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図41は、後に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図41に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
図41に示すように、第2飾り図柄の変動は、第1飾り図柄および背景図柄の変動における切替ポイント(変動開始後10秒経過した時点)以降に開始されている。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動が終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。ここで、第1飾り図柄の変動時間が10秒であるものとする。従って、通常は、背景図柄の変動時間として10秒が選択される。また、第1飾り図柄および背景図柄は、第2飾り図柄の変動開始後5秒経過した時点で変動が開始されたものとする。
上述したように、第2飾り図柄の変動時間は20秒であり、第1飾り図柄の変動時間は10秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒後に開始されている。従って、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始後10秒経過する前に開始され、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が後に開始され、また第2飾り図柄の変動開始後10秒経過までに第1飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、後に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを先に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
このように背景図柄の変動時間を延長する理由も、図40において説明した理由と同様である。すなわち、背景図柄と同期せずに第2飾り図柄が先に変動開始され、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過するまでに第1飾り図柄が背景図柄と同期して変動開始された場合は、背景図柄の変動において効率よく第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を消化させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した時点(ここが切替ポイントになる)で、背景図柄の変動を第1飾り図柄の変動にもとづく変動から第2飾り図柄の変動にもとづく変動に切り替えるのが好ましい。そして、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要がある。そこで、図41のような状況が生じた場合には、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄と同期して変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、第2飾り図柄よりも後に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、後に変動開始された飾り図柄(図38では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、後に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、先に変動開始された第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した後の変動時間と一致させることにより行われる。例えば、図41に示す例において、背景図柄(および第1飾り図柄)の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、第2飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点(背景図柄の変動開始後5秒の時点)を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒を経過した後の残り変動時間(図41では10秒)と一致させる。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
なお、図41に示す例において、先に変動開始される第2飾り図柄の変動時間が30秒であり、後に変動開始される第1飾り図柄の変動時間が20秒である場合は、図40に示した例と同様に、第1飾り図柄の変動開始後10秒の時点の切替ポイントが5秒後ろにずらされることにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、図40において説明した理由と同様の理由による。すなわち、通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがなく、また、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合(図41の例では切替ポイントが新たに追加された場合)は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過すると、第2飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図41に示す例において、例えば、第2飾り図柄の変動が開始されてから9.8秒後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始される場合、背景図柄の変動開始から切替ポイントまで0.2秒しかないことになる。このような場合、切替ポイントまでの時間が短すぎて通常変動を実質的に実行できないことになる。従って、第2飾り図柄の変動が開始されてから例えば8秒以上経過した後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されても、背景図柄の変動時間を延長しないように構成されていてもよい。このような構成によれば、切替ポイントまでの時間として少なくとも2秒の通常変動の時間を確保することができる。
なお、図41において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図42は、予告演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図42に示すように、この実施の形態では、背景図柄の変動中に大当りが発生することやリーチが発生することを予告する予告演出が実行されることがある。例えば、変動開始から10秒以内の通常変動の実行中に、大当りのチャンスがあることを予告する予告演出を実行し、変動開始後10秒から20秒までのリーチAを伴う変動の実行中に、大当りの可能性が高いことを予告する予告演出を実行し、そして、変動開始後20秒から30秒までのリーチBを伴う変動を経た後に、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を停止表示するような態様が考えられる。
このような変動態様が選択された場合であっても、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われることがある。例えば、図42に示す例では、背景図柄と第1飾り図柄とが同期して変動開始され、そして、通常変動中に予告演出が実行されている。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されたことにより、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われている。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出が実行されているので、切り替え後の変動においても、すでに実行した予告演出に態様に応じた予告演出を実行しなければ、演出の整合性がとれないことになる。そこで、切替ポイントの前に実行した予告演出の有無や演出態様を記憶しておき、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われても、すでに予告演出が実行されていたときはその予告演出の態様に応じた予告演出を切り替え後の変動において実行するように構成されている。
図43は、予告演出の表示例を示す説明図である。図43に示すように、背景図柄と第1飾り図柄(および第1特別図柄)とが同期して変動開始され、その後、通常変動の実行中に予告演出として「もしかして・・」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されると、切替ポイントにおいて背景図柄の仮停止表示が行われ、変動パターンの切り替えが行われる。そして、通常変動が再び開始される。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出(「もしかして・・」の表示)が実行されているので、切り替え後の通常変動においても、すでに実行した予告演出に態様に応じた予告演出を実行する。図43に示す例では、「大当りかも?」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。その後、左右の背景図柄が「7」で揃うことによりリーチが発生して、リーチAを伴う変動が実行される。そして、変動時間が経過したときに、背景図柄の停止図柄(図43示す例でははずれ図柄「767」)が停止表示(導出表示)される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図44は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cの表示制御を実行する。また、背景図柄プロセス処理を行う(ステップS707)。背景図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(背景図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の背景図柄表示領域9aの表示制御を実行する。さらに、飾り図柄や背景図柄、予告演出を決定するための乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存される。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのような内容のコマンドであるのか解析する。
図45〜図47は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS613のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの内容にもとづいて遊技状態を確認し、確認した遊技状態をRAMの所定領域に設定する(ステップS614)。そして、遊技状態に応じた背景画像を可変表示装置9に表示する制御を実行する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8110(H))であれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS617)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであるかどうかを確認し(ステップS619)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドでなければ(ステップS619のN)、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンを指定する第1変動パターンコマンドであるか第2変動パターンを指定する第2変動パターンコマンドであるかを確認する(ステップS620A)。
第1変動パターンを指定する第1変動パターンコマンドであれば(ステップS620AのY)、第1の飾り・背景図柄決定処理を実行する(ステップS620B)。一方、第2変動パターンを指定する第2変動パターンコマンドであれば(ステップS620AのN)、第2の飾り・背景図柄決定処理を実行する(ステップS620C)。なお、第1の飾り・背景図柄決定処理(および第2の飾り・背景図柄決定処理)の詳しい内容については後述する(図48、図49参照)。
通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであれば(ステップS619のY)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンであることを示す兼用フラグをセットする(ステップS621)。そして、背景図柄の変動を制御するための図柄変動制御処理を実行する(ステップS622)。なお、図柄変動制御処理の詳しい内容については後述する(図53、図54参照)。
受信した演出制御コマンドが、図柄情報を指定する演出制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C0D(H))であれば(ステップS623のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信したことを示す図柄情報コマンド受信フラグ(図柄情報指定コマンドが第1図柄情報指定コマンドであれば第1図柄情報コマンド受信フラグ、図柄情報指定コマンドが第2図柄情報指定コマンドであれば第2図柄情報コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS624)。そして、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認する(ステップS625)。ここで、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定するコマンドでなければ、飾り・背景図柄決定処理(第1の飾り・背景図柄決定処理または第2の飾り・背景図柄決定処理)において既に飾り図柄の停止図柄が決定されている。従って、兼用フラグがセットされているかどうかによって、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認することができる。
飾り図柄の停止図柄が未だ決定されていないときは(ステップS625のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄情報指定コマンドが第1図柄情報指定コマンドであるか第2図柄情報指定コマンドであるかを確認する(ステップS626A)。第1図柄情報指定コマンドであれば(ステップS626AのY)、第1の当り背景図柄決定処理を実行する(ステップS626B)。そして、ステップS629Aの処理に移行する。一方、第2図柄情報指定コマンドであれば(ステップS626AのN)、第2の当り背景図柄決定処理を実行する(ステップS626C)。そして、ステップS629Aの処理に移行する。なお、第1の当り背景図柄決定処理(および第2の当り背景図柄決定処理)の詳しい内容については後述する(図50)。
飾り図柄の停止図柄が既に決定されているときは(ステップS625のY)、再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS627)。ここで、図柄情報指定コマンドは、大当り種別として再抽選演出の実行の有無も特定しているので、図柄情報指定コマンドの内容によって再抽選演出の実行の必要性を確認することができる。再抽選演出を実行する必要があるときは(ステップS627のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、最終停止図柄決定処理を実行する(ステップS628)。最終停止図柄とは、再抽選演出が実行された後に停止表示(導出表示)される停止図柄のことをいう。なお、再抽選演出が実行される前に停止表示される停止図柄のことを仮停止図柄ということがある。なお、最終図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図51参照)。その後、ステップS629Aの処理に移行する。
ステップS629Aでは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドで指定されている停止図柄(表示結果)が大当り図柄または小当り図柄であるか否かをを確認する(ステップS629A)。停止図柄が大当り図柄であるときは(ステップS629AのY)、背景図柄が変動中であるか否かを確認する(ステップS629B)。背景図柄が変動中であるか否かは、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値であるときは、背景図柄は変動中ではなく、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値でないときは、背景図柄は変動中である。なお、背景図柄プロセスフラグの値が大当り表示処理〜小当り演出処理を示す値のときは、図柄情報指定コマンドが送信されない(図6のステップS314参照)。
図柄情報指定コマンドで指定された停止図柄が大当り図柄であり、かつ、背景図柄が変動中である場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期せずに開始されることになる。この場合は、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。例えば、図41において、第2飾り図柄の変動が開始されるときには、背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄は背景図柄と同期せずに変動が開始される。第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は、第1飾り図柄と同期して変動が開始された背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する必要があり、また、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる必要がある。そこで、図柄強制同期変更フラグをセットする(ステップS629C)。この図柄強制同期変更フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動終了タイミングが停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動終了タイミングと同期される。
図柄情報指定コマンドで指定された停止図柄が大当り図柄であり、かつ、背景図柄が変動中でない場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期して開始されることになる。この場合においても、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。通常は、飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたときは、飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動も終了するが、図40に示したように、背景図柄の変動時間が延長されて、飾り図柄と背景図柄とが同期して変動終了しないこともある。そこで、変動時間変更禁止フラグをセットする(ステップS629D)。この変動時間変更禁止フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動時間の変更が禁止される。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド:C0XX(H),C1XX(H))であれば(ステップS630のY)、始動入賞記憶表示制御処理を実行する(ステップS631)。始動入賞記憶表示制御処理は、背景図柄の保留記憶数を特定可能な表示(始動入賞記憶表示)を可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示する制御を行う処理である。当該処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて、背景図柄の保留記憶数(第1飾り図柄の始動入賞記憶数と第2飾り図柄の始動入賞記憶数の合計)を確認し、確認した数の始動入賞記憶表示を可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドが変動開始時に送信される始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうか、つまり、飾り図柄コマンド制御処理において、図柄情報指定コマンドの次に送信される始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかを判定する(ステップS632)。ここで、始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかは、例えば、始動入賞記憶表示制御処理において、始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数を記憶しておき、次に受信した始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数が−1となっているかどうかを確認することにより判定可能である。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドでなければ(ステップS632のN)、ステップS611の処理に戻る。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであれば(ステップS632のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報コマンド受信フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS633)、そのフラグがセットされていれば(ステップS633のY)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されたことを示しているので、ステップS611の処理に戻る。
図柄情報コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS633のN)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されていないことを示している。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図柄情報指定コマンドを取りこぼしたことを意味する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS620BまたはS620Cで既に飾り図柄の停止図柄が決定されているかどうかを確認し(ステップS634)、既に決定されていれば(ステップS634のY)、ステップS611の処理に戻る。未だ飾り図柄の停止図柄が決定されていなければ(ステップS634のN)、仮停止図柄決定処理を実行する(ステップS635)。仮停止図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図52参照)。
なお、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合として、図柄情報指定コマンドを完全に受信し損なった場合、つまり、図柄情報指定コマンドのMODEデータおよびEXTデータを双方または一方を受信できなかった場合のほかに、データ化けしたコマンド等であって図柄情報指定コマンドでないコマンドを受信した場合も含まれる。例えば、図柄情報指定コマンドのMODEデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドでないコマンド(演出制御用マイクロコンピュータ100において認識不可能なコマンドも含む)を受信した場合や、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドとして定義されていないEXTデータのコマンド(図8参照)を受信した場合などである。
なお、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたが、図柄情報指定コマンドとして定義されているコマンドを受信したときは、図柄情報指定コマンドであるが制御処理上、不整合な図柄情報指定コマンドを受信したことになる。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを受信したと認識することにより図柄情報コマンド受信フラグがセットされ(ステップS624)、ステップS633でフラグのセットが確認されることにより(ステップS633のY)、仮停止図柄決定処理が実行されないおそれもある(ステップS635)。しかし、データ化けした図柄情報指定コマンドが、通常大当り指定コマンド(8C01(H)または8C08(H))や確変大当り指定コマンド(8C02(H)〜8C04(H)または8C09(H)〜8C0B(H))以外のコマンドであれば、飾り図柄がまだ決定されていないにもかかわらず(ステップS634のN)、そのような図柄情報指定コマンドを受信したことによって、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドが整合していないと判断することができる。よって、このような場合は、仮停止図柄決定処理(ステップS635)を実行するようにするのが好ましい。
受信した演出制御コマンドが、大当りまたは小当りの開始(ファンファーレ)を指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H)〜A004(H),A600(H))であれば(ステップS636のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容に応じたファンファーレ受信フラグをセットする(ステップS637)。例えば、ファンファーレコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、通常大当り(大当り中に再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、通常大当り(エンディングで再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、突然確変大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、小当りの開始を示すファンファーレ受信フラグをセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信していないことを示すコマンド未受信フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS636)。コマンド未受信フラグは、仮停止図柄決定処理においてセットされる(図52のステップS635A参照)。このとき、コマンド未受信フラグがセットされているということは、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを正常に受信しておらず、確変大当りか通常大当りかを判断できないため、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定していない状態であることを意味する。
コマンド未受信フラグがセットされていないときは(ステップS638のN)、ステップS611の処理に戻る。コマンド未受信フラグがセットされているときは(ステップS638のY)、ファンファーレ受信フラグなどにもとづいて大当りが確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS639)。確変大当りでない場合は(ステップS639のN)、ステップS611の処理に戻る。確変大当りである場合は(ステップS639のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS640)、抽出した乱数値に従って背景図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS641)。このように決定し格納した背景図柄の確変図柄が再抽選演出にて導出表示される最終停止図柄である。背景図柄の確変図柄は、左中右の背景図柄が同一図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)であるので、確変図柄決定用テーブルにおいて、それらの図柄に対し判定値を割り当てておき、確変図柄決定用乱数値と一致する判定値の図柄を最終停止図柄の確変図柄と決定する。なお、飾り図柄の確変図柄は、一種類「7」だけであるので、乱数を用いて決定する必要はなく、確変大当りになると判定されたことにもとづいて(ステップS639のY)、自動的に決定されることになる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグにもとづいて大当り遊技の開始後に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS642)。再抽選演出を実行する必要がない場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していなかった場合であっても(ステップS640のN)、再抽選演出を実行しなければならない。なぜなら、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを受信していない場合は、仮停止図柄決定処理において仮の大当り図柄として非確変図柄が決定され(図52参照)、その非確変図柄が既に導出表示されているから、本当の大当りの種別が確変大当りであったときは、遊技者に不利益を与えないように確変図柄を再抽選演出で導出表示する必要があるからである。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行タイミング決定用乱数を抽出し(ステップS643)、抽出した実行タイミング決定用乱数の値に従って、再抽選演出の実行タイミングを決定する(ステップS644)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS646)。具体的には、再抽選演出が大当り中に実行すると決定されたときは、大当り中再抽選実行フラグがセットされ、再抽選演出がエンディングにおいて実行されると決定されたときは、エンディング再抽選実行フラグがセットされる。
一方、再抽選演出を実行する必要がある場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していた場合は(ステップS642のY)、ファンファーレコマンドで指定されたタイミングを再抽選演出の実行タイミングに決定する(ステップS645)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが、大当りの終了(エンディング)を指定する演出制御コマンド(エンディングコマンド:A301(H)〜A305(H))であれば(ステップS647のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドの内容に応じたエンディング受信フラグをセットする(ステップS648)。例えば、エンディングコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、突然確変大当りの終了を示すエンディング受信フラグ、小当りの終了を示すエンディング受信フラグをセットする。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には(ステップS647のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS649)。
図48および図49は、第1の飾り・背景図柄決定処理(ステップS620B)を示すフローチャートである。なお、第2の飾り・背景図柄決定処理(ステップS620C)についても、図48および図49に示した処理と同様の処理が実行される。
第1の飾り・背景図柄決定処理において、受信した変動パターンコマンドがはずれ専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS650のY)、はずれが決定されたことを示すはずれ決定フラグをセットするとともに(ステップS651)、はずれ飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS652A)、抽出した乱数値に従って、停止図柄がはずれ図柄である飾り図柄(はずれ飾り図柄)を決定し格納する(ステップS652B)。上述したように、はずれ飾り図柄は「0」〜「3」,「8」,「9」のいずれかの図柄である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS653)。リーチを伴う変動パターンでなければ(ステップS653のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の背景図柄決定用乱数を抽出し(ステップS654)、抽出した乱数値に従って左中右の背景図柄を決定し格納する(ステップS655)。なお、左右の背景図柄が同一図柄になったときは、リーチが発生しないように、左右いずれかの図柄を1コずれの図柄に変更する。
リーチを伴う変動パターンであれば(ステップS653のY)、左の背景図柄決定用乱数を抽出し(ステップS656)、抽出した乱数値に従って左右の同一背景図柄を決定し格納する(ステップS657)。そして、中の背景図柄決定用乱数を抽出し(ステップS658)、抽出した乱数値に従って中の背景図柄を決定し格納する(ステップS659)。なお、左中右の背景図柄が同一図柄になったときは、大当りが発生しないように、左右の図柄か中の図柄のいずれかを1コずれの図柄に変更する。
はずれ専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS651のN)、確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS660のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが決定されたことを示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS661)。そして、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS662)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS663)。なお、飾り図柄の確変図柄は「7」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS660のN)、通常大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS664のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが決定されたことを示す通常大当り決定フラグをセットする(ステップS665)。そして、非確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS666)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の非確変図柄を決定し格納する(ステップS667)。なお、飾り図柄の非確変図柄は「6」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
通常大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS664のN)、突然確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS668のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りが決定されたことを示す突然確変大当り決定フラグをセットする(ステップS669)。そして、突然確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS670)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の突然確変図柄を決定し格納する(ステップS671)。なお、飾り図柄の突然確変図柄は「5」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
突然確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS668のN)、小当り専用の変動パターンコマンドであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが決定されたことを示す小当り決定フラグをセットする(ステップS672)。そして、小当り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS673)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の小当り図柄を決定し格納する(ステップS674)。なお、飾り図柄の小当り図柄は「4」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
なお、背景図柄の突然確変図柄と小当り図柄は同じ図柄であるので、同じ乱数値を用いて背景図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図50は、第1の当り背景図柄決定処理(ステップS626B)を示すフローチャートである。なお、第2の当り背景図柄決定処理(ステップS626C)についても、図50に示した処理と同様の処理が実行される。
第1の当り背景図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、大当りが確変大当りであるかどうか(変動停止時の停止図柄が確変図柄であることを指定する確変大当り1指定コマンドであるかどうか)を確認し(ステップS681)、確変大当りであるときは(ステップS681のY)、確変大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が確変図柄であること)を示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS682)。そして、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS683)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS684)。このように決定した背景図柄の確変図柄が図柄の変動終了時に導出表示される停止図柄となる。なお、飾り図柄の確変図柄は「7」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
確変大当りでないとき(ステップS681のN)、すなわち、変動停止時の停止図柄が非確変図柄であることを指定する通常大当り指定コマンド、確変大当り2指定コマンドまたは確変大当り3指定コマンドであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が非確変図柄であること)を示す通常大当り決定フラグをセットする(ステップS685)。そして、非確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS686)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の非確変図柄を決定し格納する(ステップS687)。このように決定した背景図柄の非確変図柄が図柄の変動終了時に導出表示される停止図柄となる。なお、飾り図柄の非確変図柄は「6」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
図51は、最終停止図柄決定処理(ステップS628)を示すフローチャートである。なお、最終停止図柄決定処理は、実際は、第1図柄情報指定コマンドにもとづく処理(第1の最終停止図柄決定処理)と第2図柄情報指定コマンドにもとづく処理(第2の最終停止図柄決定処理)とに分けられている。すなわち、第1図柄情報指定コマンドを受信したときは、第1の最終停止図柄決定処理が実行され、第2図柄情報指定コマンドを受信したときは、第2の最終停止図柄決定処理が実行される。しかし、第1の最終停止図柄決定処理および第2の最終停止図柄決定処理は同内容の処理であるため、同じ最終停止図柄決定処理として図51を用いて説明する。
最終停止図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、大当り中に再抽選演出を実行することが指定されているかどうかを確認し(ステップS628A)、大当り中に再抽選演出を実行することが指定されているときは(ステップS628AのY)、大当り中再抽選実行フラグをセットし(ステップS627B)、大当り中に再抽選演出を実行することが指定されていないときは(ステップS628AのN)、エンディング再抽選実行フラグをセットする(ステップS628C)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS628D)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS628E)。このように決定した背景図柄の確変図柄が再抽選演出の実行後に導出表示される最終停止図柄となる。なお、飾り図柄の確変図柄は「7」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
図52は、仮停止図柄決定処理(ステップS635)を示すフローチャートである。なお、仮停止図柄決定処理は、実際は、第1飾り図柄に関する処理(第1の仮停止図柄決定処理)と第2飾り図柄に関する処理(第2の仮停止図柄決定処理)とに分けられている。すなわち、第1図柄情報指定コマンドを取りこぼしたときは、第1の仮停止図柄決定処理が実行され、第2図柄情報指定コマンドを取りこぼしたときは、第2の仮停止図柄決定処理が実行される。しかし、第1の仮停止図柄決定処理および第2の仮停止図柄決定処理は同内容の処理であるため、同じ仮停止図柄決定処理として図52を用いて説明する。
仮停止図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが未受信であることを示すコマンド未受信フラグをセットする(ステップS635A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS635B)、抽出した乱数値に従って、背景図柄の非確変図柄を決定し格納する(ステップS635C)。このように決定した背景図柄の非確変図柄が再抽選演出の実行前における図柄の変動終了時に導出表示される仮停止図柄となる。なお、飾り図柄の非確変図柄は「6」と決まっているので、乱数を用いて停止図柄を決定する処理を実行する必要がない。
図53および図54は、図柄変動制御処理を示すフローチャートである。図柄変動制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンコマンドであるか否かを確認する(ステップS741)。第1変動パターンコマンドでないときは(ステップS741のN)、第2変動パターンコマンドを受信したときの処理であるステップS762以降の処理に移行する。
第1変動パターンコマンドを受信したときは(ステップS741のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動パターンを受信したことを示す第1変動パターン受信フラグをセットする(ステップS742)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS743)。なお、背景図柄が変動中であるか否かは、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄が変動中でないということは(ステップS743のN)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS744)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS745)。なお、第2飾り図柄が変動中であるか否かは、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第2飾り図柄は変動中ではなく、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第2飾り図柄は変動中である。なお、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2大当り表示処理および第2大当り遊技中処理を示す値のときは、第1変動パターンコマンドが送信されない(図6のステップS314参照)。
第2飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中の第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS746)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS747)。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図41に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図41に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS748)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS749)、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS749のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS750)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図41に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS743において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS743のY)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第1始動入賞記憶指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS631参照)、また、直ちに第1特別図柄(および第1飾り図柄)の変動が開始されることにより第1特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第1保留記憶カウンタの値が1減算される:ステップS54参照)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、差数カウンタの値を+1する(ステップS751)。なお、差数カウンタは、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と、背景図柄の保留記憶表示の数との差をカウントするカウンタである。つまり、第1保留記憶カウンタのカウント値と第2保留記憶カウンタのカウント値の合計と、背景図柄の保留記憶表示として実際に表示されている表示数との差をカウントするカウンタである。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS752)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS753)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第1飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS754)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS755)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図40に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中の背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS756)。背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第2飾り図柄の変動時間を計測する第2変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図40に示すように、第2飾り図柄(図40では第1飾り図柄)と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第1飾り図柄(図40では第2飾り図柄)の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS757)、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS757のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS758)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図40に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS741において、第1変動パターンコマンドではなく第2変動パターンコマンドであると判定されたときは(ステップS741のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図53に示したステップS742〜S758の処理と同内容の第2変動パターンコマンドを受信した場合の処理を実行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2変動パターンを受信したことを示す第2変動パターン受信フラグをセットする(ステップS762)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS763)。背景図柄が変動中でないということは(ステップS763のN)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS764)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS665)。なお、第1飾り図柄が変動中であるか否かは、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第1飾り図柄は変動中ではなく、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第1飾り図柄は変動中である。
第1飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中の第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS766)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS767)。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図41に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図41に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS768)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS769)、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS769のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS770)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図41に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS763において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS763のY)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第2始動入賞記憶指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS631参照)、また、直ちに第2特別図柄(および第2飾り図柄)の変動が開始されることにより第2特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第2保留記憶カウンタの値が1減算される)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、差数カウンタの値を+1する(ステップS771)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS772)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS773)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第2飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS774)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2変動パターンコマンドで指定された第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS775)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図40に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中の背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS776)。背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第1飾り図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図40に示すように、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第2飾り図柄の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS777)、第1飾り図柄よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS777のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS778)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図40に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
図55は、メイン処理における第1飾り図柄プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1飾り図柄プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2飾り図柄プロセス処理(ステップS706)も、制御対象が可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cで可変表示される第2飾り図柄であるという違いはあるが、第1飾り図柄プロセス処理と同様に構成される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、ステップS742の処理にてセットされる。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間を確認して決定する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801):第1飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS803):第1飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):大当り表示の制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放時表示や大入賞口開放後表示(大入賞口閉鎖中表示)の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図56は、第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動パターン受信フラグがセットされたか否かを確認し(ステップS811)、そのフラグがセットされたときは、第1変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、第1変動パターンコマンドで指定された内容にもとづいて第1飾り図柄の変動時間を決定し(ステップS813)、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS814)。なお、変動停止時に導出表示される第1飾り図柄の停止図柄は、既に決定され格納されている(ステップS620B,C等参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、このように設定された第1飾り図柄の停止図柄と変動時間とにもとづいて、第1飾り図柄の変動する制御を開始することになる。
図57は、第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS815)。そして、ステップS813にて決定した第1飾り図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットしてスタートさせる(ステップS816)。その後、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理を示す値に更新する(ステップS817)。
図58は、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821)、変動中断フラグがセットされていなければ、中断コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS822)。中断コマンドを受信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動時間タイマの値を−1し(ステップS823)、第1飾り図柄の変動表示を継続して実行する(ステップS824)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認し(ステップS825)、タイムアウトしたときは、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS826)。
中断コマンドを受信していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1変動中断フラグをセットし(ステップS827)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにはずれ図柄を停止表示する(ステップS828)。また、第1飾り図柄の変動が継続中であることを報知する表示を第1飾り図柄表示領域9bにおいて行うように構成されていてもよい(ステップS829)。なお、図37に示した例では、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて飾り図柄(図37では第2飾り図柄)の変動が継続中であることを報知する表示が行われている。なお、ステップS828の処理で飾り図柄を停止表示させる場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄を完全に停止させるのではなく、飾り図柄をゆれ変動(例えば、上下方向に移動したり戻ったりするような変動が繰り返されること)させるようにしてもよい。
また、ステップS821で変動中断フラグがセットされていることを確認したら(ステップS821のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再開コマンドを受信したか否か確認する(ステップS830)。再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS831)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動を再開させる(ステップS832)。そして、ステップS823〜S826の処理を実行する。再開コマンドを受信していなければ(ステップS830のN)、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
以上のように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことにもとづいて第1変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、再開コマンドを受信するまでステップS823〜S826の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動を行わない制御がなされる。
図59は、メイン処理における背景図柄プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。背景図柄プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S910のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件(第3の開始条件)が成立したかどうかを確認する。具体的には、ステップS744またはステップS764において背景図柄変動開始フラグがセットされたときは、第1飾り図柄または第2飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始できると判断する。また、背景図柄変動開始フラグがセットされていない場合でも、差数カウンタの値が1以上であれば、未消化またはダミーの背景図柄の変動を開始しなければならないと判断する。背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄の変動時間および変動態様(変動期間中の背景図柄の変動速度や、背景、キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期など)を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS901)に対応した値に更新する。
予告選択処理(ステップS901):予告演出を実行するか否かと、実行する場合の予告演出の演出態様を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理(ステップS902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS902):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄の変動開始時に変動時間の変更を行う必要がある場合には、背景図柄の変動時間を変更する処理も行う。
背景図柄変動中処理(ステップS903):背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行すると決定された場合には、所定のタイミングで予告演出を実行する。また、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行う必要がある場合には、変動パターンの切り替えを行う。変動パターンの切り替えを行ったときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)に対応した値に更新する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御も行う。
背景図柄切替後変動中処理(ステップS904):変動パターンの切り替え後における背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行する必要がある場合には、所定のタイミングで所定の演出態様の予告演出を実行する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄切替後変動中処理においても、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御を行う。
背景図柄停止処理(ステップS905):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、停止図柄がはずれ図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新し、停止図柄が大当り図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新し、停止図柄が小当り図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を小当り演出処理(ステップS910)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS906):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。また、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、2ラウンド用演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS907):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、所定のラウンド中に再抽選演出を実行することもある。この実施の形態では、再抽選演出を実行するラウンドは予め決められているものとする(例えば7ラウンドあるいは15ラウンド)。そして、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS908)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS908):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。そして、最終ラウンドに達していなければ、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に更新し、最終ラウンドに達していなければ、背景図柄プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS909)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS909):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディング演出中に再抽選演出を実行することもある。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新する。
小当り演出処理(ステップS910):変動時間の終了後、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、小当り中の演出である2ラウンド用演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新する。
図60は、背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、図柄強制同期フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS910A)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS629C参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば(ステップS910AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる飾り図柄の残り変動時間にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS910B)。例えば、第1飾り図柄と背景図柄の変動における切替ポイントの経過後に、大当りになる第2飾り図柄の変動が開始され、その第2飾り図柄の変動時間が30秒であった場合に、第1飾り図柄と背景図柄の変動が終了した後に、新たに第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動が開始される。このとき、ステップS910AにおいてYとなり、ステップS910Bにおいて第2飾り図柄の残り変動時間(例えば25秒)に応じた変動パターンが決定される。その後、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
図柄強制同期フラグがセットされていないときは(ステップS910AのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄変動開始フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS911)。背景図柄変動開始フラグがセットされているということは、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味する。背景図柄変動開始フラグがセットされているときは(ステップS911のY)、背景図柄変動開始フラグをリセットする(ステップS912)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンド(背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド)の内容にもとづいて背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS913)。
なお、背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄が第1飾り図柄であるか第2飾り図柄であるかは、例えば、背景図柄変動開始フラグを第1背景図柄変動開始フラグ(ステップS744でセットされるフラグ)と第2背景図柄変動開始フラグ(ステップS764でセットされるフラグ)とに分けて、いずれのフラグがセットされたかによって識別するようにしてもよい。
なお、ステップS913において、差数カウンタの値が所定値(例えば3)以上であるかどうかを判定して、所定値以上であるときは、変動時間(CPU56からの変動パターンコマンドにもとづく変動時間:例えば10秒)内に2回停止して3回の変動が実行されたように見せる特別な変動パターンを選択するように構成されていてもよい。この場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶表示数カウンタの値を−1し(ステップS914)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS915)。その後、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
ステップS911において、背景図柄変動開始フラグがセットされていないときは(ステップS911のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS917)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の背景図柄の変動が存在していることを意味する。この場合は、差数カウンタの値を−1するとともに(ステップS918)、なるべく早く未消化の背景図柄の変動を消化させるために、変動時間が最も短い変動パターン(通常遊技状態のときは10秒の変動パターン、時短状態のときは5秒の変動パターン)を決定する(ステップS919)。そして、上述したステップS914〜ステップS916の処理を実行する。
図61は、予告選択処理(ステップS901)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、これから変動を開始する変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS921)。リーチを伴う変動パターンであれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告決定用乱数を抽出し(ステップS922)、予告決定用乱数と予告決定テーブルとにもとづいて、予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の演出態様を決定する(ステップS923)。
図62は、予告決定テーブルの一例を示す説明図である。図62に示す例では、予告決定用乱数(この例では、0〜7のいずれか)の値が0、1、3であれば、予告演出Aという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が5であれば、予告演出Bという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が7であれば、予告演出Cという演出態様の予告演出を行うことに決定される。そして、予告決定用乱数の値が2または4であれば、予告演出を行わないことに決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS923にて予告演出を実行することに決定されたときは(ステップS924)、決定された予告態様をRAMにおける所定の記憶領域(例えば予告態様記憶領域)に記憶する(ステップS925)。そして、予告演出の実行タイミングを計測する予告実行タイマをスタートさせ、予告演出を実行することを示す予告実行フラグをセットする(ステップS926、S927)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS928)。
図63は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で背景図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図63に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じた変動態様のそれぞれに応じて用意されている。なお、この実施の形態では、背景図柄の変動中に予告演出の実行タイミングになると、複数種類の予告演出の中から選択された所定の演出態様の予告演出が可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにて実行されるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄表示領域9aに表示されている画像に予告演出用の文字やキャラクタなどの画像を合成して表示し、また変動音よりも優先して予告音を音声出力することにより予告演出を実行する。なお、予告演出の実行の有無や演出態様に応じて異なるプロセステーブルを用意しておき、予告演出を実行するときは、演出制御用マイクロコンピュータ100が予告演出を実行するプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいて予告演出を所定のタイミングで実行するように構成されていてもよい。
図64は、背景図柄変動開始処理(ステップS902)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS931)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS932)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する背景図柄の変動パターンに応じた変動時間を背景図柄変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS933)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS934)。変動時間変更禁止フラグがセットされているということは、これから開始する変動において大当りになることを示している。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS935A〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。
変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間変更Aフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS935A)。変動時間変更Aフラグがセットされていなければ、ステップS935B〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。変動時間変更Aフラグがセットされていれば、図41に示した状況(一方の飾り図柄の変動中に他方の飾り図柄の変動が開始され、他方の飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間変更Aフラグをリセットする(ステップS935B)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS935C)。
具体的には、図41に示す例では、背景図柄の変動を開始する時点において、第2飾り図柄の残り変動時間は15秒であり、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒である。図41で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の変動時間は15秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS935D)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS935E)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップ936)。例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS903)を示す値に更新する(ステップS937)。
図65および図66は、背景図柄変動中処理(ステップS903)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。予告実行フラグがセットされていれば、予告実行タイマの値を−1し(ステップS942)、予告実行タイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS943)。予告実行タイマがタイムアウトしていれば、予め決められている態様の予告演出を実行する(ステップS944)。例えば、図43に示したような予告演出(「もしかして・・」という文字の表示)を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告実行フラグをリセットし(ステップS945)、予告実行済フラグをセットする(ステップS946)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、ランプ/LED、スピーカ27)を制御する(ステップS947)。そして、プロセスデータの値を−1とし(ステップS948)、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS949)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS950)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS951)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS952)。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS953〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間変更Bフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS953)。変動時間変更Bフラグがセットされていなければ、ステップS954〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更Bフラグがセットされていれば、図40に示した状況(一方の飾り図柄が背景図柄と同期して変動している最中に他方の飾り図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間変更Bフラグをリセットする(ステップS955)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS956)。
具体的には、図40に示す例では、第2飾り図柄の変動を開始する時点において、第1飾り図柄および背景図柄の残り変動時間は15秒であり、第2飾り図柄の変動時間も20秒である。図40で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の残り変動時間は20秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS956)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS957)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景変動時間タイマの値を−1する(ステップS958)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄強制同期フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS959)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS629C参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる飾り図柄の変動時間にもとづいて新たに背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS960A)。例えば、大当りになる第2飾り図柄の変動時間が30秒であれば、30秒の変動時間の変動パターンを決定する。ステップS960Aの処理を実行する時点では、背景図柄は通常変動(高速変動)されているので、新たに変動パターンを決定し、その変動パターンにもとづく背景図柄の変動を実行しても、遊技者に違和感を与えるおそれはない。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS960Aにて決定した変動パターンに応じたプロセスデータを選択し(ステップS960B)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS960C)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS960Aにて決定した変動パターンの変動時間を背景変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS960D)。
なお、このように新たに設定された変動パターンにもとづく背景図柄の変動が実行される場合は、背景図柄の停止図柄も大当り図柄に変更される。例えば、背景図柄の変動を開始するときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドあるいは図柄情報指定コマンドにもとづいて背景図柄の停止図柄(はずれ図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域に格納する(ステップS620A,B等参照)。その後、背景図柄の変動が開始された後に、大当りを指定する変動パターンコマンドあるいは図柄情報指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたときは、背景図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域(既に格納されているはずれ図柄とは別の領域)に格納するとともに、図柄強制同期フラグをセットする(ステップS629C参照)。そして、背景図柄停止処理において、図柄強制同期フラグがセットされたと判定したときは、変動停止時に導出表示する背景図柄の停止図柄として背景図柄格納領域に格納されているはずれ図柄を大当り図柄に変更する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS961)。タイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS962)。
タイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、切替フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS963)。このとき、切替フラグがセットされているということは、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを実行する必要があることを示している。
切替フラグがセットされていれば、切替ポイントに達したか否かを判定する(ステップS964)。切替ポイントは、変動時間が延長されていなければ、変動開始後10秒が経過した時点であり、変動時間が変更されていれば、変動開始後10秒に延長分の時間を加えた時間が経過した時点(図41に示すように、延長前の変動時間が10秒の場合は、変動が開始されてから延長分の時間が経過した時点)である。従って、切替ポイントに達したかどうかは、例えば、背景変動時間タイマの値にもとづいて、上記の時点に達したかどうかを確認することにより行うことができる。
切替ポイントに達していれば(ステップS964のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、残り変動時間に応じた変動パターンを決定する(ステップS965)。例えば、残り変動時間が10秒のときは、10秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定し、残り変動時間が20秒のときは、20秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定する。なお、図36等に示したように、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示するために、ステップS965にて決定される変動パターンの先頭(つまり、新たに通常変動が開始される前)に背景図柄を仮停止表示する変動態様が設定されている必要がある。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS965にて決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS966)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS967)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS968)、予告実行済フラグがセットされていれば、予告実行タイマをスタートさせる(ステップS969)。
なお、予告実行済フラグがセットされている場合に、必ず予告演出を実行する構成に限られるわけではなく、予告実行済フラグがセットされている場合であっても、一定の割合で変動パターンの切替後に予告演出を実行しないように構成されていてもよい。この場合、変動パターンの切替後の変動において大当り図柄が導出表示されるときは、予告演出が実行される確率が高くなるように構成されているのが好ましい。具体的には、予告の実行の有無を決定するテーブルとして大当りになるときのテーブルと大当りにならないときのテーブルとに分けて用意しておく。そして、大当りにならないときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数よりも大当りになるときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数を多くする。このような構成によれば、切替後の変動において大当りになるときは、大当りにならないときよりも、予告演出が実行される確率が高くなる。なお、予告演出の態様も、図43に示した態様に限られるわけではなく、切替前に出現させたキャラクタを再び切替後に出現させるような予告演出や、切替前後で段階的に発展させていくような予告演出などであってもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄切替後変動中処理を示す値に更新する(ステップS970)。
なお、図柄強制同期フラグがセットされている場合において、ステップS961において背景変動時間タイマがタイムアウトしていないとき(ステップS961のN)、ステップS963〜S969の処理が実行されずに、ステップS970の処理に移行される。
図67は、背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)を示すフローチャートである。背景図柄切替後変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、差数カウンタの値が1以上かどうかを確認する(ステップS971)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の変動を実行する必要があることを示している。差数カウンタの値が1以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶表示数カウンタの値を−1とし(ステップS972)、差数カウンタの値を−1とし(ステップS973)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS974)。
なお、この実施の形態では、背景図柄切替後変動中処理が実行される場合は、常に差数カウンタの値が1以上であると考えられるので、ステップS971の処理は設けられていなくてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS975)。予告実行済フラグがセットされていなければ、ステップS976〜S980の処理を実行せずにステップS981の処理に移行する。予告実行済フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告実行タイマの値を−1し(ステップS976)、予告実行タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS977)。
予告実行タイマがタイムアウトしたときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告態様記憶領域に記憶されている実行済の予告演出の態様を確認する(ステップS978)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行済の予告演出の態様に応じた予告演出を実行する(ステップS979)。例えば、図43に示したように、切替ポイントの前に「もしかして・・」という文字が表示されたときは、切替ポイントの後に「大当りかも?」という文字を表示する予告演出を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告実行済フラグをリセットする(ステップS980)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置を制御する(ステップS981)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を−1とし(ステップS982)、プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS983)。プロセスタイマがタイムアウトしたときは、プロセスデータの切替を行う(ステップS984)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS985)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景変動時間タイマの値を−1とし(ステップS986)、変動時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS987)。背景変動時間タイマがタイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS988)。
図68は、背景図柄停止処理(ステップS905)を示すフローチャートである。背景図柄停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄と同期して変動停止する飾り図柄の変動が停止されたかどうかを確認する(ステップS991)。背景図柄と同期して変動停止する飾り図柄の変動が停止されたときは(ステップS991のY)、コマンド解析処理において格納された背景図柄の停止図柄を停止表示させる制御を行う(ステップS992)。
ステップS992で停止表示された背景図柄の停止図柄が小当り図柄である場合(ステップS993のY)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS994)。小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS994のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、2ラウンド用演出を選択する(ステップS995)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した2ラウンド用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS996)。そして、プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS997)、2ラウンド用演出の実行時間を計測する2R用演出時間タイマをスタートさせる(ステップS998)。そして、背景図柄プロセスフラグの値を小当り演出処理(ステップS910)に対応した値に設定する(ステップS999)。
ステップS992で停止表示された背景図柄の停止図柄が小当り図柄でなく大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)である場合は(ステップS1000のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS1001)。ファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS1001のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、ファンファーレ演出または2ラウンド用演出のいずれかを選択する(ステップS1002)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出または2ラウンド用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1003)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1004)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に設定する(ステップS1005)。
ステップS1000で停止表示された背景図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS1000のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS856)。例えば、ファンファーレ受信フラグなどをリセットする。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新する(ステップS1007)。
図69は、背景図柄プロセス処理における大当り表示処理(ステップS906)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1011)。なお、大入賞口開放中フラグは、コマンド解析処理でセットされる(ステップS649参照)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1011のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1012)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1013)。例えば、15ラウンド大当りの場合は、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1014)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1015)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1016)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1011のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS1017)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを受信したときは、ラウンド中も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド毎に2ラウンド用演に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド毎に新たに選択するようにしてもよい。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1018)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1019)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1020)、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に設定する(ステップS1021)。
図70は、背景図柄プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1031)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる(ステップS649参照)。大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1031のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1032)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1033)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。なお、大当り遊技中に再抽選演出を実行することとされているとき(大当り中再抽選実行フラグがセットされているとき)は、所定のラウンド(例えば7ラウンドや15ラウンドなど)のラウンド中演出において再抽選演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1034)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1035)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1036)。
ステップS1031において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1031のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1037)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを受信したときは、ラウンド後も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド後に2ラウンド用演出に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド後に新たに選択するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1038)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1039)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1040)、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS908)に対応した値に設定する(ステップS1041)。
図71および図72は、背景図柄プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS908)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS1050)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS1050のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1051)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1051のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1052)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1053)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1054)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1055)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1056)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1051のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中(ラウンド中)に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS1057)。具体的には、大当り中再抽選実行フラグがセットされているときは、大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS1057のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1058)。そして、再抽選実行済フラグをセットする(ステップS1059)。一方、大当り中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS1057のN)、再抽選演出を実行しないラウンド中演出を選択する(ステップS1060)。
次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1061)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1062)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1063)、背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS907)に対応した値に設定する(ステップS1064)。
ステップS1050においてエンディング受信フラグがセットされたときは(ステップS1050のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS1065)。具体的には、エンディング再抽選実行フラグがセットされているときや、大当り中再抽選実行フラグがセットされているにもかかわらず、再抽選演出を大当り中(ラウンド中)に実行したことを示す再抽選実行済フラグがセットされていないときは(ステップS1059参照)、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS1065のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するエンディング演出を選択する(ステップS1066)。一方、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS1065のN)、再抽選演出を実行しないエンディング演出を選択する(ステップS1067)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング受信フラグをリセットし(ステップS1068)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1069)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1070)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS909)に対応した値に設定する(ステップS1071)。
図73は、背景図柄プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS909)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1081)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS1082)。例えば、大当りが終了することを表示したり、エンディング演出において再抽選演出が含まれているときは、再抽選演出を実行する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1083)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、所定のフラグ(確変大当り決定フラグ、通常大当り決定フラグ、突然確変大当り決定フラグ、大当り中再抽選実行フラグ、エンディング再抽選実行フラグなど)をリセットし(ステップS1084)、背景図柄プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS900)に対応した値に設定する(ステップS1085)。
図74は、背景図柄プロセス処理における小当り演出処理(ステップS910)を示すフローチャートである。小当り演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1091)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS1092)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2R用演出時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS1093)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1094)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS1095)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1096)。
2R用演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS1093のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(小当りフラグなど)をリセットし(ステップS1097)、背景図柄プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS900)に対応した値に設定する(ステップS1098)。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の再抽選演出の演出態様について説明する。図75は、可変表示装置の背景図柄表示領域9aにおいて実行される大当り図柄の再抽選演出の表示例を示す説明図である。図75に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。なお、図75における表示例は、エンディング演出中に再抽選演出が実行される場合を示す。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のN)、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれ、大当り、小当り、および大当り種別を判定して、それに応じた背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS620AまたはS620B、図48および図49)。一方、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のY)、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、確変大当りか通常大当りかを判定し、それに応じた背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS626BまたはS626C、図50)。
しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまうこともある。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、確変大当りか通常大当りかを判断することができず、大当り種別に応じた背景図柄の停止図柄を決定することができないことになってしまう。そこで、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS632のY、S633のN、S634のN)、仮に停止表示する背景図柄の停止図柄として非確変図柄を決定する(ステップS635、図52)。このように非確変図柄を決定するようにしたのは、背景図柄の変動終了時に非確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が確変大当りであったと判別したときは、その後の再抽選演出で非確変図柄を確変図柄に昇格させればよいが、背景図柄の変動終了時に確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が通常大当りであったと判別したときは、確変図柄を非確変図柄に降格させなければならず、このような演出は遊技者を落胆させ、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがあるからである。
図75の例では、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合、背景図柄の停止図柄として非確変図柄「444」を仮に決定し、背景図柄の変動終了時に非確変図柄「444」を導出表示(仮停止表示)している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS638,S639)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、背景図柄の最終停止図柄である確変図柄を決定し(ステップS640,S641)、再抽選演出を実行するタイミングを決定する(ステップS642〜S646)。なお、図75の例では、エンディング演出中に再抽選演出を実行することに決定されたものとする。
図75に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの受信にもとづいて大当り遊技を開始し、そして大入賞口開放中コマンドの受信にもとづいて各ラウンドの演出(ラウンド中演出)を順に実行し、また大入賞口開放後コマンドの受信にもとづいてラウンド間の演出(インターバル演出)を順に実行していく。そして、エンディングコマンドの受信にもとづいて大当り終了を報知するエンディング演出を実行する。図75に示す例では、エンディング演出において再抽選演出が実行される。具体的には、左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態で再変動が開始され、その後に確変図柄(図75の例では「777」)が導出表示される演出が実行されている。そして、確変状態に突入(移行)することが遊技者に報知されている。
以上のように、この実施の形態1では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS632のY、S633のN、S634のN)、仮に停止表示する背景図柄の停止図柄として非確変図柄を決定し(ステップS635、図52)、決定した背景図柄を導出表示する(ステップS992)ように構成した。このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを取りこぼしても大当り遊技が発生するか否かを遊技者に認識させることができるとともに、飾り図柄(および背景図柄)の指定に関する演出制御コマンドのコマンド数が削減されることにより遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄の停止図柄を仮に決定して表示した場合に、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS638,S639)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、背景図柄の最終停止図柄である確変図柄を決定し(ステップS640,S641)、再抽選演出を実行するタイミングを決定し(ステップS642〜S646)、決定した実行タイミングで再抽選演出を実行して(ステップS1033,S1082)、最終停止図柄である確変図柄を導出表示するように構成した。このような構成によれば、遊技機内部の制御状態と可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに表示される背景図柄の停止図柄との整合をとることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大当りフラグまたは第2小当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1特別図柄の停止図柄を強制的にはずれにする制御(ステップS57,S68)を実行するとともに、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄または小当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技または小当り遊技が実行されているときに第1特別図柄の変動制御(第1特別図柄プロセス処理)を停止させる(ステップS314〜S316)ことにより、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることと、第2特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができる。また、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると決定された場合でも、2つの特別図柄の変動が同時に実行されるので、2つの特別図柄の変動が同時に実行されているか否かにより、大当りになるかはずれになるかが遊技者に悟られてしまうことはない。
また、第2大当りフラグがセットされているときは、大当りの判定(抽選処理)を行わないように構成されているので、大当りの判定処理がソフトウェアによって実現されている場合に、大当り判定のプログラムをスキップするだけで強制的にはずれにする制御を実現することができ、プログラム容量を増大させないようにすることができる。
また、背景図柄の変動開始後所定時間経過した時点に切替ポイントを設け、背景図柄の変動開始から切替ポイントまでに飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計を示す背景図柄の保留記憶表示数を1つ消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイント以降に飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、差数カウンタにて未消化の背景図柄の変動を記憶しておき、その後に背景図柄の切替ポイントになったときに、背景図柄の保留記憶数表示を消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
なお、上記の実施の形態では、再抽選演出の実行タイミングは、大当り遊技中(ラウンド中)または大当り遊技終了後のエンディング演出中とされていたが、大当り遊技が開始された後から大当り遊技が終了して新しく変動が開始されるまでの間であれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、ファンファーレ演出中であってもよいし、インターバル表示中であってもよい。そして、そのような再抽選演出の実行タイミングを図柄情報指定コマンドで指定するように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合において、非確変図柄を決定して表示し、その後に受信するファンファーレコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを確認していたが(ステップS638,S639)、エンディングコマンドを受信したときに、エンディングコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無を確認するように構成されていてもよい。この場合、図47のステップS638〜641の処理をエンディングコマンドを受信したときに実行すればよい。なお、エンディングコマンドを受信したときに再抽選演出を実行する必要があるときは、エンディング演出中に再抽選演出を実行しなければならないので、再抽選演出の実行タイミングを決定する処理(ステップS642〜S646)は不要である。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドで再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するように構成されていたが、図柄情報指定コマンドでは再抽選演出の実行の有無等を指定しないように構成してもよい。このような構成であれば、図柄情報指定コマンドの種類を少なくすることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。このような構成の場合、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定することになる。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドで確変大当りが指定されているときは、所定の乱数を用いて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定し、決定結果にもとづいて再抽選演出を所定のタイミングで実行する。
また、図柄情報指定コマンドで再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定するように構成されていてもよい。このような構成では、図柄情報指定コマンドでエンディング中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100は大当り中に再抽選演出を実行すると独自に決定することや、逆に、図柄情報指定コマンドで大当り中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100はエンディング中に再抽選演出を実行すると独自に決定することが考えられる。この場合、大当り中に再抽選演出が実行され確変図柄に昇格したにもかかわらず、エンディングでも再抽選演出が実行されてしまうと、再抽選演出の実行タイミングの整合が取れなくなってしまう。そこで、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中での再抽選演出の実行を禁止する処理が実行される。具体的には、大当り中に再抽選演出を実行したときに、そのことを示すフラグをセットし、当該フラグがセットされたことにもとづいて、エンディング中に再抽選演出を実行することに決定されていても、再抽選演出を実行しないように制御する。
また、上記の実施の形態では、再抽選演出が実行されたときは常に非確変図柄から確変図柄に昇格するように構成されていたが、確変図柄に昇格させない再抽選演出を所定の割合で実行するようにしてもよい。例えば、図柄情報指定コマンドで通常大当りが指定されている場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出を実行することを所定の乱数を用いて決定するように構成されていてもよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、確変大当り専用の変動パターンコマンドおよび通常大当り専用の変動パターンコマンドを受信したときは、その変動パターンコマンドで特定される大当り種別(確変大当り、通常大当り)に応じた大当り図柄(確変図柄、非確変図柄)を決定するように構成されていた。しかし、そのような構成に限られず、この実施の形態2では、確変大当り専用の変動パターンコマンドおよび通常大当り専用の変動パターンコマンドを受信したであっても、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したときと同様に、大当り図柄を決定せず、その後に受信する図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて大当り図柄を決定するように構成されていてもよい。そして、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合は、仮停止図柄決定処理にて背景図柄の停止図柄として非確変図柄を仮に決定して導出表示させるように構成されていてもよい。実施の形態2では、そのような構成にした変形例であり、以下、その構成について説明する。
図76は、実施の形態2におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態1では、図45に示したように、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したときは(ステップS619のY)、飾り・背景図柄決定処理(ステップS620B、S620C)を実行せずに、その後の図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて背景図柄の停止図柄を決定するように構成されていた(ステップS626B、S626C)。しかし、この実施の形態2では、図76に示すように、通常大当り専用の変動パターンコマンドや確変大当り専用の変動パターンコマンドを受信したときも(ステップS619AのY)、飾り・背景図柄決定処理(ステップS620B、S620C)を実行せずに、その後の図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS626B、S626C)。
図77および図78は、実施の形態2における第1の飾り・背景図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態1では、図48に示したように、確変大当り専用の変動パターンコマンドを受信したときは、確変図柄を決定し(ステップS660〜S663)、図49に示したように、通常大当り専用の変動パターンコマンドを受信したときは、非確変図柄を決定する(ステップS664〜S667)ように構成されていたが、実施の形態2では、図77および図78に示すように、図48および図49のステップS660〜S667の処理が省略されている。従って、確変大当り専用の変動パターンコマンドおよび通常大当り専用の変動パターンコマンドを受信したときも、背景図柄の停止図柄が決定されないことになる。
このような構成では、実施の形態1における図46のステップS625において、背景図柄がまだ決定されていないと判定され(ステップS625のN)、当り背景図柄決定処理が実行されることになる(ステップS626A、S626B)。また、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合は(ステップS632のY、S633のN、S634のN)、仮停止図柄決定処理が実行され(ステップS635)、仮停止図柄として非確変図柄が決定されることになる。
このような構成によっても、実施の形態1の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを取りこぼしても大当り遊技が発生するか否かを遊技者に認識させることができるとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。
実施の形態3.
図79は、実施の形態3における中継基板、音/ランプ制御基板、表示制御基板の回路構成例を示すブロック図である。図3に示した基板構成では、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示装置9の表示状態を制御するとともに、ランプドライバ基板35および音声出力基板70に制御信号を出力して各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御するように構成されていた。しかし、図79に示す基板構成では、音/ランプ制御基板80Aに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aが各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御し、表示制御基板80Bに搭載されている表示制御用マイクロコンピュータ100Bが可変表示装置9の表示状態を制御するように構成されている。そして、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンド(以下、音/ランプ制御コマンド)が先に音/ランプ制御基板80Aの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aに送信され、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aが受信した音/ランプ制御コマンドに対応した制御コマンド(以下、表示制御コマンド)を表示制御基板80Bの表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの音/ランプ制御コマンドにもとづいて各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御し、表示制御用マイクロコンピュータ100Bは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aからの表示制御コマンドにもとづいて可変表示装置9の表示状態を制御する。
図80は、実施の形態3における音/ランプ制御用マイクロコンピュータが実行する音/ランプ制御メイン処理を示すフローチャートである。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS711)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS712)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、そのフラグをクリアし(ステップS713)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(音/ランプ側コマンド解析処理:ステップS714)。次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、音/ランプ制御プロセス処理を行う(ステップS715)。音/ランプ制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応した処理を選択して各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力の制御等を実行する。さらに、各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS716)。その後、ステップS712に移行する。
図81は、音/ランプ制御メイン処理における音/ランプ側コマンド解析処理(ステップS714)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された音/ランプ制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。音/ランプ側コマンド解析処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS721)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS722)。
受信した音/ランプ制御コマンドが、変動パターンを指定する制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8110(H))であれば(ステップS723)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS724)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS725)。そして、変動パターンに対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS726)。
受信した音/ランプ制御コマンドが、図柄情報を指定する制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C0D(H))であれば(ステップS727)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、図柄情報に対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS728)。また、受信した音/ランプ制御コマンドが、その他の制御コマンドであれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、その他のコマンドに対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS729)。
表示制御用マイクロコンピュータ100Bは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aからの表示制御コマンドを受信すると、受信コマンドにもとづいて、上記の各実施の形態で説明したのと同内容の処理を実行する。すなわち、図44〜図74に示した処理と同様の処理を実行する。
なお、実施の形態1,2では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられ、実施の形態3では、音/ランプ制御基板80Aおよび表示制御基板80Bが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出装置を制御する回路を2つの基板に搭載する場合、各々の基板に搭載する演出装置を制御する回路の分け方は任意である。例えば、可変表示装置9およびランプ等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示/ランプ制御基板)と、その他の演出装置(スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態3では、音/ランプ制御基板80Aにおいて遊技制御用マイクロコンピュータ560からの音/ランプ制御コマンドに対応する表示制御コマンドを表示制御基板80Bに送信するとしていたが、表示制御コマンドを音/ランプ制御コマンドと同内容のデータとしてもよいし、例えば簡略化したコマンドに変更して表示制御コマンドとして送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
なお、特別図柄表示器8に表示される大当り図柄および小当り図柄を共通の図柄(例えば「7」)としてもよい。このようにすれば、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、大当りか小当りかや、大当り種別などを遊技者に悟られることがない。従って、再抽選演出における確変状態への移行に対する期待感を損なうことがない。また、突然確変大当りか小当りかに対する期待感も損なうことがない。
また、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドが専用の変動パターンコマンド(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドでない変動パターンコマンド)であるときは、その専用の変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄や背景図柄の停止図柄を決定するように構成されていた。しかし、通常時には図柄情報指定コマンドにもとづいて飾り図柄や背景図柄の停止図柄を決定し、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合にのみ変動パターンコマンドの内容を参照し、飾り図柄や背景図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
また、確変大当り専用の変動パターンコマンド、通常大当り専用の変動パターンコマンド、はずれ専用の変動パターンコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したときに、図柄情報指定コマンドを受信できなかった場合は、変動パターンコマンドの内容にもとづいて飾り図柄や背景図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、再抽選演出において、図柄を再変動させた後、確変図柄を導出表示させるようにしていたが、図柄を用いずに「確変」というような文字を表示することにより確変大当りになったこと(確変状態に移行されること)を遊技者に報知するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。