(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、図柄)を変動表示可能な変動表示手段(たとえば、特別図柄表示器8,9、飾り変動表示部8k,9k、普通図柄表示器12)と、所定の始動条件(たとえば、第1始動入賞口14、第2始動入賞口16への遊技玉の入賞)が成立した後、開始条件(たとえば、図6(b)の保留記憶カウンタが減算されて「1」となり変動表示の開始順番が来ること)が成立することにより、前記変動表示手段に識別情報の変動表示を行なわせた後、表示結果を導出表示させる変動表示制御手段(たとえば、基本回路53、表示制御基盤80)とを備え、前記変動表示手段の表示結果が予め定められた特定表示結果(たとえば、当たり図柄)となったことに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する遊技機(たとえば、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシン等)であって、
予め定められた特別条件(たとえば、特別図柄表示器8,9による「5」、「7」の表示結果、飾り変動表示部8k、9kによる奇数のぞろ目の表示結果)が成立したときに、前記変動表示手段の表示結果が前記特定表示結果となる確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より向上させた確率変動状態に制御する確率変動制御手段(たとえば、S101、S109、S230〜S233)と、
前記確率変動状態を終了させるか否かを抽選するために用いられる終了抽選用数値情報(たとえば、ランダムカウンタR5)を更新する終了抽選用数値情報更新手段(たとえば、S12、S24)と、
前記始動条件の成立したとき前記終了抽選用数値情報を抽出する終了抽選用数値情報抽出手段(たとえば、S202)と、
前記確率変動状態が終了する終了確率(たとえば、5/100、25/100、50/100、75/100)が異なる複数の確率変動終了条件を記憶する終了条件記憶手段(たとえば、図13(a)の確変終了条件選択テーブル)と、
所定条件が成立したときに(たとえば、予定停止図柄が確変大当り図柄でS940によりYESの判定がなされたときに)確率変動終了条件を前記終了条件記憶手段に記憶されている複数の確率変動終了条件の中から選択する終了条件選択手段(たとえば、S941〜S943)と、
該終了条件選択手段により選択された前記確率変動終了条件に基づいて、前記終了抽選用数値情報抽出手段により抽出された終了抽選用数値情報が前記確率変動状態を終了させるように定められた特定値(たとえば、終了判定値「1〜M」の範囲のいずれかの値)であるか否かを判定する終了判定手段(たとえば、S206、S207)と、
該終了判定手段により前記特定値である旨が判定されたことを条件として(たとえば、S207によりYESの判定がなされたことを条件として)、前記確率変動状態を終了させる確率変動状態終了制御手段(たとえば、S211、S212、S96〜S100)とを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、確率変動状態が終了する終了確率が異なる複数の確率変動終了条件の中から選択された確率変動終了条件に従って確率変動状態を終了させるか否かの終了判定が行なわれるために、いずれの確率変動終了条件下で確率変動状態を終了させるか否かの終了判定が行なわれているかに遊技者が興味を持つことができ、興趣が向上する。
このような構成によれば、次の特別条件が成立するまで、所定条件が成立したときの終了条件選択手段により選択された確率変動終了条件が、継続して使用されて、同一の条件で終了判定が行なわれるため、制御上の処理が容易となる。
このような構成によれば、確率変動状態の制御が開始されたときから変動表示の実行が所定回数になる毎に確率変動終了条件が選択されて終了判定に使用されるために、現在用いられている確率変動終了条件がいずれの確率変動終了条件であるか遊技者が興味を持ち、さらに興趣が向上する。
(4) 前記確率変動終了条件に応じて該確率変動終了条件を報知する複数種類の終了条件報知データ(たとえば、報知態様A〜D)を記憶する報知データ記憶手段(たとえば、図13(b)の確変終了条件報知態様選択テーブルを記憶しているROM54)と、
前記終了条件選択手段により選択された前記確率変動終了条件に応じて、前記報知データ記憶手段に記憶された複数種類の終了条件報知データから使用する終了条件報知データを選択する終了条件報知データ選択手段(たとえば、S944、S945)と、
該終了条件報知データ選択手段により選択された終了条件報知データを用いて報知する終了条件報知手段(たとえば、S946、S913d〜S913f、S874、S876〜S879)とをさらに備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、選択された確率変動終了条件に応じて、報知データ記憶手段に記憶された複数種類の終了条件報知データから使用する終了条件報知データが選択され、その選択された終了条件報知データを用いて報知されるために、いずれの確率変動終了条件が選択されたかを遊技者が予測でき、興趣が向上する。
(5) 前記始動条件の成立時に前記終了抽選用数値情報抽出手段によって抽出された前記終了抽選用数値情報のうち未だ前記開始条件が成立していない前記始動条件に対応する前記終了抽選用数値情報を前記始動条件に対応して抽出順番を特定可能に複数記憶する終了抽選用数値情報記憶手段(たとえば、S200〜S203、図6(b)の第1保留バッファ)とをさらに備え、
前記終了抽選手段は、前記終了抽選用数値情報記憶手段に記憶された前記終了抽選用数値情報が予め定められた特定値であるか否かを判定する数値情報記憶手段判定手段(たとえば、S206のチェックの結果S207により第1乱数記憶エリアR5内に終了判定値1〜Mの範囲内のいずれかの値があるか否かに基づいて、ある場合にはS209〜S215により抽選を行い、ない場合にはS217〜S220により抽選を行う制御ステップ)を含み、
遊技機は、
前記終了抽選用数値情報記憶手段に記憶された終了抽選用数値情報に、前記予め定められた特定値の終了抽選用数値情報があることに基づいて(たとえば、S206のチェックの結果S207により第1乱数記憶エリアR5内に終了判定値1〜Mの範囲内のいずれかの値があると判定されたことに基づいて)、該終了抽選用数値情報に対応した開始条件の成立以前に特定の演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段(たとえば、S213〜S215)と、
前記特定演出決定手段によって前記特定の演出を実行する旨に決定されたとき、前記特定の演出(たとえば、確変終了に関する予告報知演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、S221、S222、S220a、S53b、S54、S901〜S903、S850〜S857)とをさらに備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、成立した始動条件に対応する開始条件の成立以前の早い段階から確率変動状態の終了に関する特定の演出が行なわれ、それ以降の残りの変動表示に対する遊技者の興味を向上させ、遊技に対する興趣を高めることができる。
(6) 前記特定演出実行手段は、複数回の変動表示にわたって、前記特定の演出を実行する(たとえば、たとえば、図6(b)の保留記憶カウンタの値に対応するR5の乱数記憶エリアに「1〜M」の範囲内のいずれかの値が存在する段階で、S207によりYESの判断がなされS54によりKの値と第1終了予告コマンドが送信されて確変終了に関する予告報知演出が開始され、変動が実行される毎にS100cによりKが「1」ずつ減算されて「0」になるまでS851〜S853により繰返し予告報知演出が行なわれる)ことを特徴とする。
このような構成によれば、確率変動状態の終了に関する特定の演出が、成立した始動条件に対応する開始条件の成立以前の段階から成立した始動条件に対応する開始条件の成立まで、複数回の変動表示において連続して特定の演出が実行されるために、より一層遊技の興趣を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機としての弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な変動表示手段と、所定の始動条件が成立した後開始条件が成立することにより、前記変動表示手段に識別情報の変動表示を行なわせた後表示結果を導出表示させる変動表示制御手段とを備え、前記変動表示手段の表示結果が予め定められた特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7中には、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1特別図柄表示器8と、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2特別図柄表示器9とが間隔を隔てて配置されている。第1特別図柄表示器8の下には、その第1特別図柄表示器8に対応する第1飾り変動表示部8kが設けられ、第2特別図柄表示器9の下にはその第2特別図柄表示器9に対応する第2飾り変動表示部9kが設けられている。
所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、第1特別図柄表示器8、第1飾り特別図柄8a〜8c)が第1飾り変動表示部8kにより変動表示(可変表示、更新表示ともいう)され、その後表示結果が導出表示される。また、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、第2特別図柄表示器9、第2飾り特別図柄9a〜9c)が第2飾り変動表示部9kにより変動表示されて、その後表示結果が導出表示される。本実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9はそれぞれLEDにより構成されている。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kはそれぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域に識別情報が表示制御されるものである。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される特別図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。第1特別図柄表示器8の表示結果が大当りの発生する特定表示結果の場合には、第1飾り変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する特定表示結果となるように制御され、第2特別図柄表示器9の表示結果が大当りの発生する特定表示結果となる場合には、第2飾り変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する特定表示結果となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
第1特別図柄表示器8により表示される特別図柄と第1飾り特別図柄8a〜8cとを総称して、第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器9により表示される特別図柄と第2飾り特別図柄9a〜9cとを総称して、第2特別図柄という。
なお、本実施形態における弾球遊技機1では、定期的に実行されるタイマ割込み処理において次のような処理が行なわれることにより、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kのそれぞれの変動表示の表示結果が決定される。第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kの表示結果を決定するために実行することが必要な処理としては、共通の処理である特定更新処理と、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k専用の処理である第1抽出条件判定処理、第1抽出処理、および、第1表示結果決定処理と、第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9k専用の処理である第2抽出条件判定処理、第2抽出処理、および、第2表示結果決定処理とを含む処理が実行される。
そして、弾球遊技機1は、第1表示結果決定処理および第2表示結果決定処理により第1特別図柄表示器8の表示結果を大当りとすることが決定されたときに、第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kに特定表示結果を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。また、弾球遊技機1は、第1表示結果決定処理および第2表示結果決定処理により第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9kの表示結果を大当りとすることが決定されたときに、第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9kに特定表示結果を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kに特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9kに特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等)の特定遊技状態としているが、一方の特定遊技状態を他方の特定遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kと第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっているが、これに限らず複数系統の表示部を備え、複数(2〜∞のうちの任意の自然数)の表示部にて識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
次に、第1特別図柄8、8a、8b、8c、第2特別図柄9、9a、9b、9cとして表示される図柄の種類について説明する。両特別図柄8、8a、8b、8c、9、9a、9b、9cはともに同じ種類の図柄を表示するものであるために、第1特別図柄8、8a、8b、8cを代表として説明し、第2特別図柄9、9a、9b、9cについての説明の繰返しを省略する。
(i) 第1特別図柄表示器8は、0〜9の10種類の数字からなる図柄を表示する。第1飾り変動表示部8kは、各飾り特別図柄8a、8b、8cとして、0〜9の10種類の数字からなる図柄を表示する。
(ii) 第1特別図柄表示器8により奇数が表示結果として導出表示されたときには特定表示結果となり、大当り状態が発生する。第1特別図柄表示器8により奇数が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにぞろ目が表示結果として導出表示される。
(iii) 第1特別図柄表示器8により「7」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄の表示結果となり、大当り状態が発生するばかりでなくその大当り状態が終了した後大当り状態の発生確率が通常遊技状態時に比べて向上した確変状態となる。なお、通常遊技状態とは、特別遊技状態(確変状態)および特定遊技状態(大当り遊技状態)とは異なる遊技状態のことである。第1特別図柄表示器8により「7」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「5」または「7」または「9」のいずれかのぞろ目が表示結果として導出表示される。
(iv) 第1特別図柄表示器8により「5」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄および時短図柄の表示結果となり、後述するように、大当り状態が発生しするばかりでなくその大当り状態が終了した後大当り状態の発生確率が向上した確変状態となり、さらにその確変状態が終了した後時短回数の残り回数だけ時短制御が行なわれる。時短制御とは、後に詳述するが、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9と後述する普通図柄表示器12との変動表示時間を通常よりも短縮して早期に表示結果を導出表示する制御である。この時短制御により、後述する保留記憶数が早期に消化され保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当たりの表示結果を導出表示できるという遊技者にとって有利な遊技状態となる。第1特別図柄表示器8により「5」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「1」または「3」のいずれかのぞろ目が表示結果として導出表示される。
(v) 第1特別図柄表示器8により「3」が表示結果として導出表示されたときには、大当り状態が発生しするばかりでなく前述の時短制御が行なわれる。第1特別図柄表示器8により「3」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「0」のぞろ目が表示結果として導出表示される。なお、特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する表示結果を「特別表示結果」といい、確変状態が発生しない表示結果を「非特別表示結果」という。
(vi) 第1特別図柄表示器8により「1」または「9」が表示結果として導出表示されたときには、大当り状態のみが発生し、確変状態や時短制御は生じない。第1特別図柄表示器8により「1」または「9」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに偶数のぞろ目が表示結果として導出表示される。
第1,第2の2系統の変動表示部8,8k、9,9kのいずれか一方において特別表示結果が導出表示されて確変状態になれば、両方の変動表示部8,8kおよび9,9kが特定表示結果となる確率が向上するように制御される。また、確変状態が発生すれば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9と普通図柄表示器12との変動表示時間が短縮される時短制御も実行される。第1,第2の2系統の変動表示部8,8k、9,9kのいずれか一方において時短制御が実行される表示結果が導出表示されれば、両方の変動表示部8,8kおよび9,9kと普通図柄表示器12との変動表示時間が短縮される時短制御が、所定回数(たとえば100回)の範囲内で実行される。
また、第1特別図柄表示器8の下部には、始動条件が成立(打球が第1始動入賞口14へ入賞)したときに抽出手段により数値データ更新手段から抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55により抽出手段(ステップS(以下単に「S」という)312)によって抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)を記憶する機能)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を特定可能に表示する第1特別図柄保留記憶表示領域10が設けられている。このように記憶されるデータは、第1始動入賞記憶データとも呼ばれる。
この第1特別図柄保留記憶表示領域10は、4つの表示領域に分かれ、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎に表示色を変化させ、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
また、第2特別図柄表示器9の下部には、始動条件が成立(打球が第2始動入賞口16へ入賞)したときに抽出手段により数値データ更新手段から抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55により抽出手段によって抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)を記憶する機能)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を特定可能に表示する第2特別図柄保留記憶表示領域11が設けられている。このように記憶されるデータは、第2始動入賞記憶データとも呼ばれる。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データは、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示の開始条件が成立したときに第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を開始するための始動条件であり、第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示の開始条件が成立したときに第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示を開始するための始動条件であるため、保留変動表示とも呼ばれる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、抽出手段(たとえば、S312)によって抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、等)のうち未だ開始条件(たとえば、大当り遊技状態および前回の変動表示の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。
また、第2特別図柄表示器9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する可変入賞装置17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、第2始動入賞口16の下部には開閉動作を行なう可変入賞装置17が設けられている。可変入賞装置17は、ソレノイド74によって開状態とされる。ソレノイド74により可変入賞装置17が開状態となることにより、遊技球が第2始動入賞口16に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
第1始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づく特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備え、第1大入賞口21を開閉する手段である。第1特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
可変入賞装置17の下方には、第2特別図柄表示器9に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づく特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備え、第2大入賞口23を開閉する手段である。第2特別可変入賞装置22から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と第2特別図柄表示器9に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22とを備えているが、特別可変入賞装置を1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1特別図柄表示器8に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2特別図柄表示器9に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、を同一の特別可変入賞装置を用いて行なうように構成してもよい。
また、この実施の形態では、変動表示部の数だけ可変入賞装置が設けられている、すなわち、第1特別図柄表示器8の始動条件成立に関わる第1可変入賞装置15と第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる可変入賞装置17とを備えているが、可変入賞装置を1つだけ備える構成としてもよい。この場合には、可変入賞装置の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9のいずれか)にて特別図柄の変動表示を実行するか選択する構成としてもよく、また、予め定められた所定の順序(たとえば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とを交互に変動表示)で特別図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。
第2飾り変動表示部9kの下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると、または第2ゲート29を遊技球が通過して第2ゲートスイッチ66で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、普通図柄表示器12の右側には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器18は、第1,第2ゲート28,29を遊技球が通過し、第1,第2ゲートスイッチ61,66で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
この実施の形態では、普通図柄表示器12にて、○と×の付された上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は通常では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1,第2ゲート28,29を遊技球が通過し、第1,第2ゲートスイッチ61,66で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置17が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第2始動入賞口16に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
なお、上記の特別遊技状態として特図時短状態に制御することにより、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態とするようにしてもよい。特図時短状態では、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kおよび普通図柄表示器12の変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。さらに、可変入賞装置17において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置17の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、第2始動入賞口16への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8,第2飾り変動表示部9kにおける変動表示回数が増加して当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
なお、上述した確変状態は、時短状態よりもさらに遊技者にとって有利な状態となるため、一方(または複数のうちのいずれか1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を確変状態とし、他方(または残りの複数のうちの1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を時短状態とすることにより特別遊技状態に格差をつけるように構成してもよい。また、この場合には、特別遊技状態として時短状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって不利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率を特別遊技状態として確変状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって有利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することにより、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
また、特別遊技状態は上記のものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないもの(特定遊技状態中以外)と大当りに直接的に係わるもの(特定遊技状態中)とに分けて説明する。すなわち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。
先ず、特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、第1特別図柄8,8a〜8c、第2特別図柄9,9a〜9cおよび普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(たとえば、可変入賞装置17)の開放期間の延長制御、特別図柄および普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(たとえば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(たとえば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、または所定領域への通過率向上制御(たとえば、第1始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。
一方、特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、特別可変入賞装置20,22の開放延長制御、または特別可変入賞装置20,22によって開放された大入賞口21,23への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記の遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできる。さらには、特別遊技状態への突入条件(所定条件の成立)および特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、特別遊技状態を発生させるための判定用乱数(数値データ)、特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(数値データ)、遊技履歴(たとえば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、およびサブゲーム(たとえば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つまたは任意の組合せを、特別遊技状態への突入条件または特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示(変動表示)が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
本実施形態では、予め定められた複数の表示領域としての飾り変動表示部8k,9kに、予め定められた図柄が停止することで当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、飾り変動表示部8k,9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(たとえば、「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、飾り変動表示部8k,9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示(変動表示)を開始する。第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第1特別図柄保留記憶表示領域10の表示色を変化させる。また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示(変動表示)を開始する。第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第2特別図柄保留記憶表示領域11の表示色を変化させる。
第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄8,8a〜8cが大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に打球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
第1特別図柄8,8a〜8cの変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄9,9a〜9cが大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に打球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
第2特別図柄9,9a〜9cの変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。
主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、可変入賞装置17を開閉するソレノイド74、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、第2大入賞口23内に設けられたシーソーを可動するソレノイド76、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
基本回路53は、LED駆動回路71に対してLED駆動制御信号を出力する。LED駆動回路71には、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、普通図柄表示器12、第1特別図柄保留記憶表示領域10、第2特別図柄保留記憶表示領域11、普通図柄保留記憶表示器18が接続されている。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行なう球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2コマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP(図示しない)により変動表示部の表示制御を行なう。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1VDP(図示しない)と、第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2VDP(図示しない)と、の2つのVDPが表示制御基板80に搭載されている。なお、変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ搭載される。すなわち、変動表示部の数に対応した数のVDPが表示制御基板80に搭載される。また、第1VDPおよび第2VDPは、それぞれ、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに第1VRAM(図示しない)および第2VRAM(図示しない)をマッピングしている。なお、1つのVDPで複数の変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9との両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
第1VDPまたは第2VDPはキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9)に表示するための画像データを生成し、第1VDPは第1VRAMに、第2VDPは第2VRAMに展開する。RAMは第1VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであり、第2VRAMは第2VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9)に出力する。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータである。
次に、この実施の形態の弾球遊技機1での制御に用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R8の8種類のランダムカウンタが示されている。
R1は、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kのそれぞれの変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「658」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。第1始動口スイッチ62または第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて第1始動入賞記憶のデータまたは第2始動入賞記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば2つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定さられる)に設定されることにより、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が向上する。
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を省略する。
R2は、大当りを発生させることが事前決定されているときにどの種類の大当り図柄を特別図柄表示器8、9および飾り変動表示部8k,9kに表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
このランダムカウンタR2の抽出値に従って、特別図柄表示器8、9および飾り変動表示部8k,9kに表示される大当り図柄が決まる。具体的には、次のようになる。
(i) R2の抽出値が「5」または「7」または「9」であった場合には、特別図柄表示器8、9に「7」が表示され、飾り変動表示部8k,9kに抽出値(「5」または「7」または「9」)のぞろ目が表示される。
(ii) R2の抽出値が「1」または「3」であった場合には、特別図柄表示器8、9に「5」が表示され、飾り変動表示部8k,9kに抽出値(「1」または「3」)のぞろ目が表示される。
(iii) R2の抽出値が「0」であった場合には、特別図柄表示器8、9に「3」が表示され、飾り変動表示部8k,9kに抽出値(「0」)のぞろ目が表示される。
(iv) R2の抽出値が「2」または「4」であった場合には、特別図柄表示器8、9に「1」が表示され、飾り変動表示部8k,9kに抽出値(「2」または「4」)のぞろ目が表示される。
(v) R2の抽出値が「6」または「8」であった場合には、特別図柄表示器8、9に「9」が表示され、飾り変動表示部8k,9kに抽出値(「6」または「8」)のぞろ目が表示される。
R3−1〜R3−3は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、はずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R3−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。R3−2は、中図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−3は、右図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−1〜R3−3のそれぞれについては、R3−1が2msecごとおよび割込み処理余り時間、R3−2がR3−1の桁上げごと、R3−3がR3−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新されることにより、カウントアップされるタイミングが異ならされている。
なお、R3−1は、特別図柄表示器8、9ではずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するためにも兼用されていれる。具体的には、R3−1の抽出値が「0」または「1」の場合に特別図柄表示器8、9に「0」が表示され、「2」または「3」の場合に「2」が表示され、「4」または「5」の場合に「4」が表示され、「6」または「7」の場合に「6」が表示され、「8」または「9」の場合に「8」が表示される。
ここで、R3−1等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、割込み処理の終了から次の割込み処理の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
特別図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、前述の大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでR3−1〜R3−3のそれぞれから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の特別図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出されたカウンタの値のうち、R3−1から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各特別図柄の停止図柄として決定され、R3−3から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
R4は、第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k、第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9kの変動表示時間をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動時間決定用のランダムカウンタR4から抽出されたカウンタの値により、変動時間が決定される。
R5は、前述の確変状態を終了するか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R5のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
R6は、確変状態の終了に関する予告演出を実行するか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算される。
R7は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、特別図柄についてリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR4は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に実行される。特別図柄の停止図柄を決定する前の段階で、R4のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R8は、普通図柄表示器12の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR8のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
R9は、確変終了条件をランダムに決定するために用いられる乱数値を0〜3の範囲内で発生させるためのランダムカウンタである。後に詳しく説明するが、確変状態を終了させるための条件が4種類定められており、それぞれに確変状態の終了確率が異なるように定められている。この4種類の確率変動条件のうちどの確率変動条件を選択するかをランダムに決定するための乱数値を発生させるものが、このR9である。このR9のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
R10は、確変終了条件報知態様をランダムに選択するために用いられる乱数値を0〜99の範囲内で発生させるためのランダムカウンタである。後に詳しく説明するが、確変終了条件を報知するための報知態様が4種類定められており、どの報知態様を選択するかをランダムに決定するための乱数値を発生させるのがこのR10である。R10のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
以上に示したような大当り判定機能、はずれ停止図柄決定機能、大当り図柄決定機能、リーチ判定機能、変動時間選択機能、および、普通図柄当り判定機能等の機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
図4は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図4においては、(a)に遊技制御用メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御用メイン処理においては、まずS11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S12においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S12における乱数更新処理は前述のR3〜R10の値を更新するための処理である。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS12の処理が繰返し行なわれることとなる。
次に、(b)タイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S21)を行なった後、S22〜S36の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S22)。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S23)。第1特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k、第1特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、CPU56は、S24において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S24における乱数更新処理は、前述のR1〜R10を更新するための処理である。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S25)。第2特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
このように、S23の第1プロセス処理とS25の第2プロセス処理との間にS24の乱数更新処理を行なっているために、S23の第1プロセス処理で抽出した乱数値とS25の第2プロセス処理とで同じ乱数値を抽出する(同期した乱数を取得する)不都合を防止できる。
また、普通図柄プロセス処理を行なう(S26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄8a〜8cおよび特別図柄9a〜9cに関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:S28)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S29)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S33)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行なう(S34)。第1可変入賞装置15、第1特別可変入賞装置20、可変入賞装置17、第2特別可変入賞装置を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23、内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド72〜76を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(S35)、割込許可状態に設定する(S36)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上述したようにこの実施の形態では、2つの特別図柄8,8a〜8cおよび特別図柄9,9a〜9cの変動表示が実行される。そして、いずれかの一方にて特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このような複数の変動表示部を備えてそれぞれの変動表示部にて特別図柄の変動表示を行なう遊技機では同時に大当り遊技状態が発生する虞がある。ゆえに、この実施の形態では、2つの変動表示部にて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御を行なっている。以下、これらの制御について説明する。なお、以下の説明においては第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kを制御する処理について説明するが、第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9kを制御する処理も同様の制御が実行される。
図5は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する第1特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kを制御する処理が実行される。CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S311)、第1始動口スイッチ通過処理(S312)を行なった後に、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第1始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、RAM55の第1大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1大当りバッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、数値データ更新手段としての大当り判定用ランダムカウンタ(たとえば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用乱数等)を更新(カウントアップ)する部分)から大当り判定用乱数等の各数値データ(乱数)の値を抽出し、それらを第1大当りバッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データ(乱数)を抽出するとは、数値データ(乱数)を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を数値データの値(乱数値)とすることである。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄8,8a〜8cの変動表示が開始できる状態になると、第1大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1大当りバッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示の結果、当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(S301):変動表示後の第1特別図柄8,8a〜8cの停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に移行するように更新する。なお、第1特別図柄8,8a〜8cの停止図柄は当りとなるときには「0」〜「9」の識別情報のうちいずれの組合せの第1特別図柄8,8a〜8cの停止図柄にするかを決定する。また、上述したように当りとなるときの第1特別図柄表示器8の表示結果が「7」または「5」となるときには大当り遊技状態終了後に確変状態に制御され、「7」または「5」以外の当りの表示結果となるときには大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御される。なお、第1特別図柄表示器8の表示結果が「7」または「5」となるときには、第1飾り変動表示部8kには、奇数のぞろ目が表示結果として導出表示されることとなる。そして、前述したように、第1特別図柄表示器8の表示結果が、奇数のときには大当り状態が発生するが、特に、「7」となるときには大当り状態の終了後確変状態となり、「5」となるときには大当り状態の終了後確変状態となりその確変状態の後時短回数の残り回数だけ時短状態(確変状態+時短状態)となり、「3」となるときには大当り状態の終了後時短状態となる。すなわち、第1特別図柄表示器8の大当り図柄を決定することにより、大当り遊技状態のみが発生する場合、大当り状態に加えて、確変状態、または確変状態+時短状態、または時短状態となるいずれの遊技状態に制御するかを決定している。
第1変動時間設定処理(S302):第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示の変動時間を、始動入賞発生時に抽出した変動時間決定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動時間の中から選択する。また、決定された変動時間に基づいて、第1特別図柄8a〜8cが変動表示を行なって導出表示されるまでの変動表示時間(変動時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、第1特別図柄8a〜8cの停止図柄を指令する情報(予定停止図柄コマンド)と、変動時間を指令する情報(変動時間コマンド)とが送信される。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(S303):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(S304):第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示される第1特別図柄8,8a〜8cが停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(特別図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をS300に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(S305):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(S306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をS307に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(S307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態をS300に移行するように更新する。
図6(a)は、S312の第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S200により、第1保留記憶カウンタの値が上限値である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。第1保留記憶カウンタは、打玉が始動入賞して始動条件が成立したが未だに変動表示に用いられていない始動条件を保留記憶するカウンタであり、記憶の上限がたとえば「4」と定められている。この第1保留記憶カウンタの値(保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がS201へ進み、第1保留記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。次にS202へ進み、ランダムカウンタR1、R2、R4、R5の値を抽出する処理がなされる。次に制御がS203へ進み、加算した第1保留記憶カウンタの値に対応する乱数記憶エリアに各抽出値を記憶させる制御が行なわれる。
図6(b)は、第1保留バッファに記憶される第1保留記憶データを示す図である。RAM55の第1保留バッファには、前述した保留記憶カウンタの値を記憶する領域と、R1、R2、R4、R5の各抽出値(乱数値)を格納する乱数記憶エリアとが設けられている。既に保留記憶カウンタが「2」の状態で第1始動口スイッチがONとなれば、S201により第1保留記憶カウンタが「1」加算されて図6(b)のように、保留記憶カウンタが「3」となる。そして、S202で抽出された各乱数値がS203により記憶され、図6(b)のように、保留記憶カウンタの値「3」に対応する各乱数記憶エリアに、たとえば、38、1、3、27が記憶される。
図7は、S300の第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄8a〜8cの変動を開始することができる状態(たとえば第1特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合)には第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S51)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されて大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S27)における第2特別図柄変動処理(図示しない)にてセットされ、大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)にてリセット(クリア)される。次いで、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(S52)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kにおいて第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶カウンタ=1に対応する乱数記憶エリアに格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S53)。次に制御がS53aに進み、確率変動状態判定処理が行なわれる。この確率変動状態判定処理は、現在の遊技状態が確変状態になっている場合にその確変状態を終了させるか否かおよび確変状態の終了に関する予告報知の演出を行なうか否かの判定処理を行なうものである。
まず、図8に基づいて、この確率変動状態判定処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを説明する。S205により、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この確変フラグは、前述したように、第1特別図柄表示器8の表示結果が「7」または「5」となり、それによって大当り状態が発生した後その大当り状態が終了した段階で後述するS109によりセットされる。またこの確変フラグは、大当りが発生する特定表示結果のうち非確変図柄の表示結果が導出表示されたとき(S92c)、まず、確変終了させるか否かの抽選決定によって確変終了させることが決定されてその決定された確変終了の変動表示が終了したときに(S100)、クリアされる。この確変フラグがセットされていない場合には、S205によりNOの判断がなされてこの確率変動状態判定処理のサブルーチンプログラムが終了する。
一方、確変フラグがセットされている場合には制御がS206へ進み、第1乱数記憶エリアR5すなわち第1保留バッファ内のR5の乱数記憶エリア中に、終了判定値(たとえば「1〜M」)があるか否かチェックする処理がなされる。このMは、後述する図13(a)の確変終了条件選択テーブルを参照してS941、S942により選択された確変終了条件の確変終了確率を定める値であり、詳しくは後述する。R5の乱数記憶エリアに「1〜M」のうちのいずれかの値が記憶されている場合には、S207によりYESの判断がなされてS209へ進み、第1終了予告フラグが「0」であるか否かの判断がなされる。この第1終了予告フラグは、確変状態の終了に関する予告報知の演出を実行するか否かの判定が行なわれたことおよびその判定結果を記憶するためのフラグであり、後述するS216により「1」にセットされ、S221により「2」にセットされ、S53fにより「0」にセットされる。すなわち、確変状態の終了に関する予告報知演出を実行するか否かの抽選判定がまだなされていない段階では終了予告フラグが「0」となっており、抽選判定を行なった結果終了予告演出を行なわない旨の判定がなされたときには「1」にセットされ、予告演出を行なう旨の判定がなされたときには「2」にセットされることとなる。
S209により、第1終了予告フラグが「0」でないすなわち既に予告演出を行なうか否かの抽選判定が行なわれている場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、未だ行なわれていない場合にはS209によりYESの判断がなされて制御がS210へ進む。
S210では、確変第2終了フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この確変第2終了フラグは、第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示により確変状態が終了することが抽選決定されているときにセットされるフラグである。この確変第2終了フラグがセットされている場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、セットされていない場合にはS211へ進み、確変第1終了フラグをセットする処理がなされる。すなわち、第1保留バッファのデータ内に確変終了判定用ランダムカウンタR5の乱数値として「1〜M」のうちのいずれかの値が記憶されており、第特別図柄8,8a〜8cの変動表示によって確変状態が終了するために、このS211により確変第1終了フラグがセットされるのである。
次に制御がS212へ進み、現在の第1保留記憶カウンタの値を確変終了回数Jにセットする処理がなされる。その結果、この確変終了回数Jは、あと何回変動表示されれば確変状態が終了するかの確変状態の終了までの残り変動回数を記憶することとなる。
次に制御がS213へ進み、確変終了予告判定用乱数R6を抽出する処理がなされ、S214により、終了予告テーブルの終了テーブルを参照して、確変終了に関する予告報知演出を実行するか否かの判定がなされる。S214により参照される終了予告テーブルは、図9に示されている。終了予告テーブルは、終了テーブルと非終了テーブルとに分かれている。S207によりYESの判断がなされる場合すなわち第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示によって確変状態が終了する場合には、終了テーブルが参照される。そして、乱数値R6が0〜7のいずれかであった場合にはS215により終了予告する旨の判定がなされ、乱数値R6が8または9のいずれかであった場合にはS215により終了予告しない旨の判定がなされる。その結果、80%の確率で終了予告する旨の判定がなされ、20%の確率で終了予告しない旨の判定がなされる。
S215により予告しない旨の判定がなされた場合にはS216に進み、第1終了予告フラグを「1」にセットしてこのサブルーチンプログラムが終了するが、予告する旨の判定がなされた場合には制御がS221へ進み、第1終了予告フラグを「2」にセットし、S222により、現在の第1保留記憶カウンタの値を終了予告回数Kにセットする処理がなされる。その結果、終了予告回数Kの値は、あと何回第1特別図柄8,8a〜8cにより変動表示が行なわれれば確変状態が終了するかの変動表示実行残り回数の値となる。
S207によりNOの判断がなされたときには、制御がS217へ進み、第1終了予告フラグが「0」であるか否かの判断がなされる。S217により、第1終了予告フラグが「0」でないすなわち既に予告演出を行なうか否かの抽選判定が行なわれている場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、未だ行なわれていない場合にはS217によりYESの判断がなされて制御がS218へ進み、確変終了予告判定用乱数R6を抽出する処理がなされ、S219により、終了予告テーブルの非終了テーブルを参照して、確変終了に関する予告報知演出と同じ表示態様の演出(以下「ダミー演出」という)を実行するか否かの判定がなされる。S207によりNOの判断がなされる場合すなわち第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示によって確変状態が終了しない場合には、図9の非終了テーブルが参照される。そして、乱数値R6が0の場合にはS220により終了予告する旨の判定がなされ、乱数値R6が1〜9のいずれかであった場合にはS220によりダミー演出しない旨の判定がなされる。その結果、10%の確率でダミー演出する旨の判定がなされ、90%の確率でダミー演出しない旨の判定がなされる。S220によりYESの判断がなされた場合には、S220aにより、ガセ終了予告コマンドをセットする処理がなされる。このガセ終了予告コマンドは、第1保留バッファ内のR5の乱数記憶エリア中に終了判定値(たとえば「1〜M」の範囲のいずれかの値)がないにも拘らず確変状態の終了に関する予告報知演出と同じ表示態様の演出(ダミー演出)が実行される場合、その旨を表示制御基板80の表示制御用CPUに知らせるためのコマンドである。
次に図7に戻り、S53bにより、終了予告回数Kが「0」であるか否かの判断がなされ、既に終了予告回数Kが「0」の場合にはS55へ進むが、「0」でない場合にはS54へ進み、Kの値と第1終了予告コマンドとをセットする処理がなされる。その結果、Kの値と第1終了予告コマンドとが表示制御基板80へ送信されることとなる。この第1終了予告コマンドのデータは、図9の終了予告テーブルに記憶されている。すなわち、終了予告する場合には「7001H」となり、終了予告しない場合には「7002H」となる。次にS54に進み、CPU56は、保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各乱数記憶エリアの内容をシフトする。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する乱数記憶エリアに格納する。よって、各乱数記憶エリア数に対応するそれぞれの乱数記憶エリアに格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各乱数記憶エリアの内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、CPU56は、大当り判定モジュールを実行する(S56)。大当りとすることに決定した場合には(S57)、CPU56は、第1大当りフラグをセットする(S58)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S301)に対応した値に更新する(S59)。
以上の処理により、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kの変動表示を開始させない制御がなされる。すなわち、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S300)におけるS51でYESが選択され、S52〜S59の処理が実行されない。
図10は、S56に示された大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S230により、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合すなわち通常確率の遊技状態の場合には、S231により、当り判定値Aを7と511にセットする処理がなされ、S53により、図6(b)の第1保留バッファから読み出された大当り判定用乱数R1と当り判定値Aとを比較する処理がS223により行なわれ、R1が7または511のいずれかと一致すればS57により大当りの判定がなされる。
一方、確変フラグがセットされている場合にはS232により、当り判定値Aを、0〜658に間の20個の素数にセットする処理がなされ、S233により、読み出した大当り判定用乱数R1とその20個の素数とを比較する処理がなされ、一致する場合にはS57により大当りである旨の判定がなされる。その結果、確変状態となれば、通常確率時に比べて大当りの発生確率が10倍高くなる。
図11は、S301の第1特別図柄停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S700により、大当りフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされている場合にはS701へ進み、S53に従って図6(b)の第1乱数記憶エリアから読み出された各乱数中の大当り図柄決定用乱数R2の値に基づいて当り予定停止図柄を決定する処理がなされる。これは、第1特別図柄表示器8と第1飾り変動表示部8kとの両方の表示結果を決定する処理である。次にS702へ進み、第1飾り変動表示部8kの予定停止図柄を指定する予定停止図柄コマンドをセットする処理がなされ、その予定停止図柄コマンドが表示制御基板80へ送信される。次にS702aへ進み、確変終了条件関連処理が行なわれる。この確変終了条件関連処理は、4種類の確変終了条件の中からどの確変終了条件を選択するかをランダムに決定するとともに、4種類の確変終了条件報知態様の中からどの報知態様を選択するかをランダムに決定する処理である。この確変終了条件関連処理については、後に説明する。
次にS703へ進み、予定停止図柄は確変図柄でかつ時短図柄であるか否かの判断がなされる。確変図柄とは、前述したように、第1特別図柄表示器8に「7」または「5」が表示されかつ第1飾り変動表示部8kに奇数のぞろ目が表示される図柄である。一方、時短図柄すなわち前述した時短制御を行なう表示結果の図柄は、前述したように、第1特別図柄表示器8に「3」または「5」が表示されかつ第1飾り変動表示部8kに0、1、3のうちのいずれかのぞろ目が表示される表示結果である。その結果、第1特別図柄表示器8に「5」が表示されかつ第1飾り変動表示部8kに1または3のぞろ目が表示される場合には、確変状態と時短制御との両方の条件が成立することとなる。その場合には、S703によりYESの判断がなされてS704に進み、確変優先フラグがセットされ、時短制御よりも確変制御の方を優先して実行するように制御される。一方、S703によりNOの判断がなされた場合にはS704の処理を実行することなくS705へ進む。S705では、予定停止図柄が時短であるか否かの判断がなされ、時短図柄でない場合にはこのサブルーチンプログラム終了するが、時短図柄の場合にはS706へ進み、時短フラグがセットされ、S707により、時短カウンタを「100」にセットする処理がなされる。この時短フラグがセットされると、後述するように、第1特別図柄8、8a、8b、8c、第2特別図柄9、9a、9b、9c、普通図柄表示器12の変動時間が短縮される。また、時短カウンタとは、第1特別図柄8、8a、8b、8cと第2特別図柄9、9a、9b、9c、との変動表示の合計が所定回数(本実施の形態では「100回」)に達するまで時短制御を継続するためのカウンタであり、[100]にセットされることにより第1特別図柄8、8a、8b、8cと第2特別図柄9、9a、9b、9c、との変動表示の合計が最大100回に達するまで時短制御が行なわれることとなる。大当りフラグがセットされていない場合には制御がS708へ進み、はずれ図柄決定用ランダムカウンタR3−1〜R3−3を抽出する処理がなされ、その抽出値に基づいてS709により、予定停止図柄が決定される。この決定は、第1特別図柄表示器8と第1飾り変動表示部8kとの両方の予定停止図柄を決定する処理である。次にS710により、第1飾り変動表示部8kの予定停止図柄が偶々大当り図柄になるか否かの判断がなされ、ならない場合にはS712へ進むが、なる場合にはS711へ進み、第1飾り変動表示部8kの中図柄の予定停止図柄を「1」加算して1つずらし、強制的にはずれ図柄の組合せに制御した後、S712により、第1飾り変動表示部8kの予定停止図柄コマンドをセットする処理がなされる。その結果、その予定停止図柄コマンドが表示制御基板80へ送信されることとなる。
図12は、S702aの確変終了条件関連処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56はまず、予定停止図柄が確変大当り図柄であるか否かの判断を行なう(S940)。今回の第1特別図柄表示器8の変動によって確定表示される予定停止図柄が確変大当り図柄(「7」または「5」)でない場合には、このサブルーチンプログラムが終了するが、確変大当り図柄である場合には、確変終了条件決定用乱数R9を抽出する処理を行なう(S941)。そして、その抽出したR9に基づいて確変終了条件選択テーブルを参照して確変終了条件の確率M/100を決定する処理を行なう(S942)。この確変終了条件選択テーブルは、図13(a)に示されている。確変終了条件選択テーブルは、R9の抽出値に基づいて4種類の確変終了条件の確変終了確率を定める値が選択できるように構成されている。具体的には、R9の抽出値が0、1、2、3の場合にそれぞれ、Mの値が5、25、50、75となるようにデータ記憶されている。たとえば、R9の抽出値が「1」であった場合には、Mの値として25が選択され、前述のS206により「1〜M」が終了判定値となり乱数R5の取り得る値が0〜99であるために、その場合の確変終了条件の成立確率が25/100となる。
次にCPU56は、S942により決定されたMに基づいて、1〜Mを確変終了判定用の終了判定値として記憶する処理を行なう(S943)。この記憶された終了判定値(1〜M)が、前述のS206によるチェック処理に用いられる。
次にCPU56は、確率終了条件報知態様選択用乱数R10を抽出し(S944)、その抽出したR10とS942により決定されたMとに基づいて、確変終了条件報知態様選択テーブルを参照して確変終了条件報知態様を選択する処理を行なう(S945)。この確変終了条件報知態様選択テーブルは、図13(b)に示されている。確変終了条件報知態様選択テーブルは、MとR10との値に基づいてA〜Dの4種類の報知態様を選択することができるデータ構造に構成されている。図13(b)に示すように、一番左の列にA、B、C、Dの4種類の報知態様が記憶されており、一番上の列に、M/100の値である5/100、25/100、50/100、75/100が記憶されている。そして、一番左の列と一番上の行以外の各エリアに、R10の抽出値の範囲を判定するデータが記憶されている。
たとえば、Mの値が「25」の場合には、25/100の列が参照され、R10の抽出値がたとえば「90」であった場合には、25/100の列における「85〜94」の範囲内にR10が属することとなり、その行の一番左のCの報知態様が選択されることとなる。たとえば、報知態様Aは、確変終了確率が5/100と低い場合に90%の確率で選択される一方、確変終了確率が75/100と高い場合に選択確率が0%となる。報知態様Bは、確変終了確率が5/100と低い場合に5%の確率で選択される一方、確変終了確率が75/100と高い場合に選択確率が4%となる。報知態様Cは、確変終了確率が5/100と低い場合に4%の確率で選択される一方、確変終了確率が75/100と高い場合に選択確率が25%となる。報知態様Dは、確変終了確率が5/100と低い場合に1%の確率で選択される一方、確変終了確率が75/100と高い場合に選択確率が70%となる。
その結果、確変終了確率が5/100と低い確変終了条件すなわち遊技者が1番期待する確変終了条件が選択されていることに対する信頼度は、報知態様Aが選択されたときが1番高く、次に高いのが報知態様Bであり、その次に高いのが報知態様Cであり、1番低いのが報知態様Cである。逆に、確変終了確率が75/100と高い確変終了条件すなわち遊技者が1番嫌がる(選択されてほしくない)確変終了条件が選択されていることに対する信頼度は、報知態様Dが選択されたときが1番高く、次に高いのが報知態様Cであり、その次に高いのが報知態様Bであり、1番低いのが報知態様Aである。これにより、遊技者は、どの報知態様により報知がなされたかに応じてどの確変終了条件が選択されているかをある程度推測でき、遊技の興趣が向上する。
次に、CPU56は、S945により選択された確変終了条件報知態様の種類を指定するための確変終了条件報知態様コマンドをセットする(S946)。その結果、その確変終了条件報知態様コマンドが表示制御基板80の表示用CPUへ送信されることとなる。
図14は、S302の第1変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、まず変動時間決定用乱数R4を抽出する(S240)。次に第1終了予告フラグが「2」になっているか否か判定する(S241)。確変状態の終了に関する予告演出を行なう場合には第1終了予告フラグが「2」となっており、その場合には変動時間テーブルの延長時間テーブルを参照して変動時間を決定する(S242)。変動時間テーブルは、図15に示されており、延長時間テーブルと短縮時間テーブルと通常時間テーブルとに分かれている。変動時間決定用乱数R4は、0〜5の範囲で数値をカウントするものであり、延長時間テーブルを参照した場合には、R4の抽出値がどのような値であっても変動時間が40秒という長い時間に決定される。その結果、第1特別図柄8,8a〜8cの変動によって確変状態が終了する場合にその予告報知演出を行なう場合には、第1特別図柄8,8a〜8cの変動時間が40秒という長い時間に設定される。
次にCPU56は、決定した変動時間のコマンドをセットする(S246)。変動時間が40秒の場合には図15を参照して、コマンドは8001Hにセットされる。次に、CPU56は、決定された変動時間に応じた時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットする(S247)。この第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄8,8a〜8cの変動時間を計時するためのタイマである。
CPU56は、S241で第1終了予告フラグが「2」でないと判断した場合には、第2終了予告フラグが「2」であるか否か判断する(S243)。その判断の答がYESの場合には、変動時間を決定するために変動時間テーブルの短縮時間テーブルを参照する(S244)。図15を参照して、変動時間テーブルの短縮時間テーブルでは、すべてのR4の値0〜5に対して、変動時間が3秒となるようにテーブルが構成されている。そして、CPU56は、その3秒の変動時間を決定し、それに対応する8002Hのコマンドをセットする(S246)。その結果、そのセットされたコマンドが表示制御基板80へ送信される。このように、第2特別図柄図柄9,9a〜9cの変動によって確変状態が終了しかつその終了に関する予告報知演出を行なう場合には、第1特別図柄8,8a〜8cは、3秒という非常に短い変動時間になり、第2特別図柄9,9a〜9cが1回の変動に40秒間費やしている間に、第1特別図柄8,8a〜8cが1回の変動が3秒間という短い変動時間により何回も繰返して変動および停止を行なうことが可能となる。これにより、確変状態が終了する方の特別図柄の変動を長引かせてなかなか表示結果が導出表示されないすなわちなかなか確変状態が終了しない状態にした上で、その間確変状態が終了しない方の特別図柄により何回も表示結果を導出表示させることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
CPU56は、第1終了予告フラグと第2終了予告フラグともに「2」になっていないと判断した場合には、確変フラグがセットされているか否か判定する(S243a)。確変フラグがセットされている場合には、変動時間テーブルの時短テーブルを参照する(S243b)。図15を参照して、時短テーブルは、0〜5の全てのR4の値に対応して変動時間が4秒となるようにテーブルが構成されている。その結果、確変フラグがセットされている場合には、確変状態に制御されるとともに、確変状態に基づく変動時間の短縮制御が行なわれる。S243aによりNOの判断がなされた場合には、時短フラグがセットされているか否か判定する(S243c)。S706に従って時短フラグがセットされている場合には、変動時間テーブルの時短テーブルを参照する(S243b)。その結果、第1終了予告フラグと第2終了予告フラグとがともに「2」でなくかつ時短フラグがセットされている場合には、変動時間が4秒に制御される。そして、S246により、変動時間コマンド8006Hがセットされ、そのセットされた変動時間コマンドが表示制御基板80へ送信される。確変フラグと時短フラグの両方がセットされている場合には、S243aによりYESの判断がなされるため、時短制御よりも先に確変状態への制御を行なうとともにその確変状態に基づく変動時間の短縮制御を行なうという確変優先制御が実行される。
S243cによりNOの判断がなされた場合には、変動時間テーブルの通常時間テーブルを参照する(S245)。図15を参照して、変動時間テーブルの通常時間テーブルは、リーチが表示される場合とリーチが表示されない場合とに分かれており、リーチが表示されない場合には、すべてのR4の値に対して一律に変動時間が6秒となるようにテーブルデータが構成されている。一方、リーチになる場合には、R4の抽出値が0の場合には6秒、R4の抽出値が1〜3のいずれかの場合には20秒、R4の抽出値が4または5のいずれかの場合には30秒に変動時間が設定されるようにテーブルデータが構成されている。
CPU56は、抽出したR4の値に応じて通常時間テーブルを参照し、変動時間を決定してそれに対応するコマンドを変動時間テーブルを参照して決定し、そのコマンドをセットする(S246)。そのセットされた変動時間コマンドが表示制御基板80へ送信される。
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、先ず第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(S81)、次に第1特別図柄表示器を変動表示させ(S81a)、そして、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(S82)、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(S83)。第1大当りフラグがセットされていれば(S83)、第1大当り実行中フラグをセットし(S84)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S85)。S82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ第1特別図柄プロセスフラグの値を更新しない。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄通常処理が再び行なわれる。また、S84で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S27)で第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示を停止させる処理が実行される。
S80で第2大当りフラグがセットされていれば、中断フラグがセットされているか否か確認する(S86)。中断フラグがセットされていなければ(S86)、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S87)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(S87)、中断フラグをセットし(S88)、中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S89)。中断コマンドは、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S89でセットされた中断コマンドは2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(S30)で表示制御基板80に送信される。すなわち、S87で大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S81の処理を実行しないため特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける飾り特別図柄8a〜8cの変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、表示制御基板80に第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態(特定遊技状態)が発生してから、大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄8,8a〜8cの変動表示を中断させる処理を行なっている。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、まず第1特別図柄表示器を設定されている予定停止図柄で停止させる制御を行なう(S91)。次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S92)。S92で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(S300)におけるS57で大当りと判定された第1大当りフラグがセットされたときには、CPU56は、第1特別図柄表示器8により停止表示された停止図柄が確変図柄であるか否か確認する(S92a)。確変図柄でないと判断した場合には、確変フラグがセットされているか否か確認する(S92b)。確変フラグがセットされている場合には確変フラグをクリアする(S92c)。そして確変終了コマンドをセットする(S92d)。これにより、確変終了コマンドが表示制御基板80の表示制御用CPUへ送信されることとなる。
次にCPU56は、前述した確変終了回数Jが「0」となっているか否か判定する(S92e)。「0」になっていない場合にはJの値を「0」にし(S92f)、さらに確変第1終了フラグをクリアする処理を行なう(S92g)。これは、非確変図柄で大当りが発生することにより確変状態が終了することに伴って、確変終了回数Jと確変第1終了フラグとをクリアして初期状態に戻すための処理である。次にCPU56は、第1終了予告フラグが「0」であるか否か判定する(S92h)。「0」でない場合には第1終了予告フラグを「0」にし(S92i)、さらに前述した終了予告回数Kを「0」にする処理を行なう(S92j)。これは、非確変図柄により大当りが発生することにより確変状態が終了することに伴って第1終了予告フラグと終了予告回数Kとを「0」にして初期状態に復帰させるための処理である。
CPU56は、S92a、S92e、S92hによりYESの判定を行なった場合およびS92bによりNOの判定を行なった場合に、第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(S93)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S94)。また、S93でセットされた第1大当り開始コマンドは、2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(S30)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは第1大当り開始コマンドを受信すると、第1特別図柄表示器8に大当り遊技状態を開始する旨の表示制御を行なう。
また、S92で第1大当りフラグがセットされていなければ、すなわち、第1特別図柄通常処理(S300)におけるS57ではずれと判定されて第1大当りフラグがセットされていないときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S95)。
S94またはS95の処理を行なった後にCPU56は、確変終了回数Jが「0」になっているか否か確認する(S96)。「0」になっている場合にはこの第1特別図柄停止処理が終了するが、なっていない場合には、終了予告回数フラグAを「1」減算する(S97)。そして、減算後のJの値が「0」になったか否か判断する(S98)。「0」になっていない場合にはこの第1特別図柄停止処理が終了するが、「0」と判断された場合には、確変第1終了フラグをクリアし(S99)、さらに確変フラグをクリアする(S100)。そして、確変終了コマンドをセットする(S100a)。このセットされた確変終了コマンドが表示制御基板80へ送信される。
次にCPU56は、終了予告回数Kが「0」であるか否かの判定を行なう(S100b)。「0」でない場合には終了予告回数Kを「1」減算更新し(S100c)、減算後のKの値が「0」であるか否かの判定を行なう(S100d)。「0」の場合には、第1終了予告フラグを「0」にする処理がなされる(S100e)。これは、終了予告回数Kが「0」になったことに伴って第1終了予告フラグを「0」にして初期状態に復帰させるための処理である。次にCPU56は、時短カウンタが「0」であるか否か判定する(S100f)。「0」出ない場合には、時短カウンタを「1」減算する(S100g)。「1」減算して時短カウンタが「0」になる場合(S100hによりYESの判断がなされる場合)、CPU56は時短フラグをクリアする(S100i)。
S100fにより時短カウンタが「0」でないと判断されるということは、確変状態の発生条件と時短の発生条件とがともに成立して先ず確変状態を優先して発生さその確変状態での変動表示が行なわれている場合(S703とS705によりともにYESと判定されてS707により「100」にセットされた場合)、または時短制御中での変動表示が行なわれている場合(S703によりNOと判定されS705によりYESと判定されてS707により「100」にセットされた場合)であり、両方の場合に時短カウンタを「1」減算するのである。その結果、確変状態の発生条件と時短の発生条件とがともに成立して先ず確変状態を優先して発生させその確変状態での変動表示を行なう確変優先制御が実行されている場合でも、CPU56は、時短カウンタを、S100gに従って「1」減算更新する。その結果、時短条件の成立に伴う時短制御よりも確変制御の方が優先して実行されるにもかかわらず、特別図柄8、8a、8b、8c、9、9a、9b、9cが変動表示されるごとに時短カウンタが「1」ずつ減算更新されることとなる。そして、確変状態の優先制御が終了した段階で時短カウンタがまだ「0」になっていない場合に(S100hによりNOと判定されて時短フラグが未だクリアされていない場合に)、時短カウンタの残り回数だけ時短制御が行なわれる。
なお、この時短カウンタは、第1特別図柄8、8a、8b、8c、と第2特別図柄9、9a、9b、9c、とで共通のカウンタであり、時短フラグがセットされることにより第1特別図柄8、8a、8b、8c、と第2特別図柄9、9a、9b、9c、とがともに時短状態となり、その状態で第1特別図柄8、8a、8b、8cが変動する毎に「1」減算され、かつ第2特別図柄9、9a、9b、9cが変動する毎に「1」減算される。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、今回の大当りが確変図柄が表示されたことにより発生したものであるか否か確認する(S101)。確変図柄以外が導出表示されることにより発生した大当りの場合には、第1非確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S103)。
一方、確変図柄により発生した大当りの場合には、確変フラグをセットする(S109)。これにより、以降確変状態となる。次に確変開始コマンドをセットする(S109a)。このセットされた確変開始コマンドが表示制御基板80へ送信される。次に、CPU56は、確変優先フラグがセットされているか否か確認する(S110)。この確変優先フラグは、前述したように、確変図柄でありかつ時短図柄が導出表示されて確変条件と時短条件とがともに発生した場合に、時短制御よりも確変制御の方を優先して実行するためのフラグであり、S704によりセットされる。確変優先フラグがセットされている場合にはその確変優先フラグをクリアする(S111)。一方、確変優先フラグがセットされていない場合には時短フラグがセットされているか否か確認する(S112)。時短フラグがセットされている場合にはその時短フラグをクリアし、かつ時短カウンタをクリアする(S113)。
S111またはS113の処理を実行した後、CPU56は、第1確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S102)。S102およびS103でセットされた第1確変大当り終了コマンドおよび第1非確変大当り終了コマンドは、2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(S30)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは第1確変大当り終了コマンドを受信すると第1特別図柄表示器8に第1確変大当りを終了する旨の表示制御を行ない、第1非確変大当り終了コマンドを受信すると第1特別図柄表示器8に第1非確変大当りを終了する旨の表示制御を行なう。
次いで、CPU56は、第1大当り実行中フラグをリセットした後(S104)、第2特別図柄プロセス処理(S27)における第2特別図柄変動処理でセットされた中断フラグをリセットするとともに(S105)、第1大当りフラグをリセットし(S106)、再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S107)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S108)。S104で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(S27)における第2特別図柄通常処理が実行されて第2特別図柄9,9a〜9cの変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。また、S107でセットされた再開コマンドは、中断している第2特別図柄9,9a〜9cの変動表示の再開を指示するコマンドであり、2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(S30)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは再開コマンドを受信すると、第2特別図柄9a〜9cの変動表示を再開する制御を行なう。
図19は、S26の普通図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、第1または第2ゲートスイッチが玉を検出してオン状態になったか否かの判断を行なう(S120)。オン状態になっていると判断した場合には、ゲートスイッチ通過処理を実行する(S121)。このゲートスイッチ通過処理について、図20(a)に基づいて説明する。
CPU56は、普通保留記憶カウンタの値がその上限である「4」以上になっているか否か判断する(S130)。この普通保留記憶カウンタは、第1ゲート28または第2ゲート29を通過した始動通過玉のうち未だに普通図柄表示器12による変動表示に用いられていないものを保留記憶するカウンタである。そしてその記憶上限値「4」以上になっている場合には、それ以上記憶できないために、このゲートスイッチ通過処理のサブルーチンプログラムが終了する。一方、「4」未満の場合には、CPU56は、普通保留記憶カウンタを「1」加算更新し、普通図柄当り判定用ランダムカウンタR8の値を抽出する(S132)。そして、加算した普通保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアにその抽出したR8の値を記憶させる(S133)。
図19に戻り、S120によりNOの判断を行なった後あるいはS121の処理を行なった後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、S122〜S127の各処理のいずれかにジャンプする。
S122は、普通図柄通常処理、S123は、普通図柄表示器12の予定停止図柄を設定する処理、S124は、普通図柄表示器12の変動時間を設定する処理、S125は、普通図柄表示器12を変動表示制御する処理、S126は、普通図柄表示器12を停止させる処理、S127は、電動チューリップすなわち可変入賞装置17を開放制御する処理である。
図20(b)は、S122に示された普通図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、普通保留記憶カウンタの値すなわち普通保留記憶数が「0」であるか否かの判断を行なう(S135)。「0」の場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、「0」でない場合には、普通保留記憶カウンタの値(普通保留記憶数)が「1」すなわち一番古い普通保留記憶数に対応する乱数記憶エリアに保存されている乱数値R8を呼出す(S136)。そして、普通保留記憶カウンタを「1」を減算更新して、かつ、乱数記憶エリアの内容をそれに応じて1つずつシフトする処理を行なう(S137)。
次に、呼出した乱数R8が当り判定値(たとえば1、3、5、7、9、11)と一致するか否か判断する(S138)。一致しない場合にはS140へ進むが、一致する場合には、当りフラグをセットする(S139)。次に、普通図柄プロセスフラグを変動時間設定処理に切換える(S140)。この普通図柄プロセス処理が変動時間設定処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S124の普通図柄変動時間設定処理が実行されることとなる。
図21は、S124の普通図柄変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、確変状態でなくかつ時短状態でもない場合には、CPU56は、確変フラグがセットされていないと判断し(S150)、かつ時短フラグがセットされていないと判断し(S157)、普通図柄表示器12の変動時間として、標準時間(29.2秒)を設定する(S161)。
一方、確変発生条件が成立しておらず、時短条件のみが成立している場合には、CPU56は、S150によりNOの判断を行ないかつS157によりYESの判断を行ない、S158により確変優先フラグがセットされていないと判断する。そして、短縮変動時間(たとえば4秒)を設定する(S159)。これにより、普通図柄表示器12は短い変動時間となり時短制御が行なわれる。
次に、特別図柄表示器により「5」が表示されかつ飾り変動表示部により1または3のぞろ目が表示されて、確変発生条件と時短条件とがともに成立した場合を説明する。その場合には、確変図柄でかつ時短図柄による大当りの表示結果が導出表示され、それに伴う大当り制御が実行されてそれが終了するまで確変フラグがセットされず、確変フラグがセットされるまでの期間中確変優先フラグがセットされている状態となっている。一方、時短フラグは、時短条件の成立する時短図柄が導出表示されることにより、すぐにセットされている。その結果、CPU56は、S150によりNOの判断を行ないS157によりYESの判断を行ないS158によりYESの判断を行なうこととなる。その結果、CPU56は、標準変動時間(29.2秒)を設定する(S161)。その結果、普通図柄変動表示器12の時短制御はこの段階では行なわれない。
この状態で、大当り制御が終了した段階で、確変フラグがセットされることとなる。その結果、CPU56は、S150によりYESの判断を行ない、次に時短フラグがセットされているか否か確認する(S151)。時短フラグがセットされていると判断したときに、短縮変動時間(たとえば4秒)を設定する(S153)。
一方、確変状態が比較的早期に終了して確変状態中において特別図柄8、8a、8b、8c、9、9a、9b、9cの変動回数が100回未満であった場合には、確変状態が終了した段階で、CPU56は、S150によりNOの判断を行ない、かつS157によりYESの判断を行ない、S158によりNOの判断を行なう。その結果、S159に基づいて、短縮変動時間が設定され、この段階で時短条件の成立に基づいた時短制御が実行されることとなる。また、S151により、時短フラグがセットされていないと判断した場合にはCPU56は、短縮変動時間(たとえば4秒)をセットする(S152)。これにより、確変状態に伴う時短制御が行なわれる。
次に、表示制御基板80に搭載されている表示制御用CPUが実行する表示制御プロセス処理について説明する。表示制御プロセス処理としては、第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行なう第1表示制御プロセスと、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう第2表示制御プロセスとが実行される。第1表示制御プロセス処理および第2表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2表示制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1表示制御プロセス処理をこれらの表示制御プロセス処理の代表例として説明し、第2表示制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。なお、以下に説明する第1表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2表示制御プロセス処理の処理内容となる。
図22は、表示制御基板80に搭載されている表示制御用CPUが実行する表示制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、S800を実行した後、第1プロセスフラグの値に応じてS801〜S805のうちのいずれかの処理が行なわれる。第1プロセスフラグの値は、S802〜S805の各処理において順次更新される(たとえば、S926、S831等参照)。各処理において、以下のような処理が実行される。
第1コマンド受信待ち処理(S800):コマンド受信割込処理によって、第1コマンドを受信したか否か確認する。
第1図柄変動開始処理(S801):第1飾り特別図柄8a〜8cの変動が開始されるように制御する。
第1図柄変動中処理(S802):第1飾り変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
第1図柄停止待ち処理(S803):変動時間タイマがタイムアウトしたら、第1飾り特別図柄8a〜8cの変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。
第1大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。
第1大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、ソレノイド72により第1特別可変入賞装置20を駆動して第1大入賞口21を開放させることを示す第1大入賞口開放前表示や第1大入賞口21が開放中であることを示す第1大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
図23は、S800の第1コマンド受信待ち処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。表示制御用CPUは、まず、第1コマンドを受信したか否かの判断を行なう(S900)。受信していない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、受信している場合には、その受信した第1コマンド中に、第1終了予告コマンドが含まれているか否か確認する(S901)。S53cに従って終了予告回数Kとともに第1終了予告コマンドが送信されてきている場合には、表示制御用CPUは、S901によりYESの判断を行ない、第1終了予告フラグをセットするとともに(S902)、送信されてきたKの値をRAMに格納する(S903)。なお、このKの値は、特別図柄の変動が実行される毎に「1」ずつ減算され(S53d参照)、その都度減算された後の値が第1終了予告コマンドとともに送信されてくる(S53c参照)。そして、表示制御用CPUは、新たな値のKが送信されてくるごとにS903によりその新たなKの値を格納して上書き保存する。
S702、S712に従って予定停止図柄コマンドが送信されてくれば、表示制御用CPUは、S904によりYESの判断を行なう。そして、その送信されてきた予定停止図柄コマンドに従った予定停止図柄をRAMに格納する(S905)。
S246に従って変動時間コマンドが送信されてくれば、表示制御用CPUは、S906によりYESの判断を行ない、変動パターン選択用乱数R11を抽出し(S907)、変動パターンテーブルを参照して、第1飾り特別図柄8a〜8cの変動パターンを決定する(S908)。変動パターン選択用乱数R11は、たとえば0〜20の範囲で数値データをカウントするランダムカウンタにより構成されており、表示制御用CPUによりカウント動作が行なわれる。変動パターンテーブルは、送信されてきた変動時間に相当する複数種類の変動パターンの中から、R11の抽出値やリーチ状態になるか否か等に基づいてどの変動パターンを選択するかを検索できるように構成されたテーブルである。
S89に従って中断コマンドが送信されてきた場合には、表示制御用CPUは、S909によりYESの判断を行ない、中断コマンドをRAMに格納する処理を行なう(S910)。
S109aに従って確変開始コマンドが送信されてきている場合には、表示制御用CPUは、S911によりYESの判断を行ない、確変中フラグをセットする(S912)。
S92dまたはS100aに従って確変終了コマンドが送信されてきている場合には、表示制御用CPUは、S913によりYESの判断を行ない、第1終了予告フラグをクリアし(S913i)、確変中フラグをクリアし(S915)、さらに確変終了条件報知フラグをクリアする(S915a)。
S223に従ってガセ終了予告コマンドが送信されてきている場合には、表示制御用CPUは、S913aによりYESの判断を行ない、ガセ終了予告フラグをセットする(S913b)。
S946に従って確変終了条件報知態様コマンドが送信されてきている場合には、表示制御用CPUは、S913dによりYESの判断を行ない、その送信されてきた確変終了条件報知コマンドを格納(上書き保存)し(S913e)、さらに確変終了条件報知フラグをセットする処理を行なう(S913f)。この確変終了条件報知フラグは、選択決定された確変終了条件を報知するためのフラグである。
S304により前述した特別図柄停止コマンドが送信されてくれば、表示制御用CPUは、S913gによりYESの判断を行ない、特別図柄停止コマンドを格納する処理を行なう(S913h)。
以上の各種コマンド以外のその他のコマンド(たとえば第1大当り開始コマンド、確変大当り終了コマンド等)が送信されてきている場合には、表示制御用CPUは、S913aによりNOの判断を行ない、その他のコマンドをRAMに格納する(S914)。
図24は、S801の第1図柄変動開始処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。表示制御用CPUは、まず、変動パターンが決定済みであるか否か確認する(S920)。S908により変動パターンを決定している場合には判断の答えがNOとなり、このサブルーチンプログラムが終了する。一方、まだ変動パターンを決定していない場合には、確変中フラグがセットされているか否か確認する(S921)。S912により確変中フラグがセットされている場合には、表示制御用CPUは、第1飾り変動表示部8kの背景に確変用画像を表示させる(S922)。この確変用画像の背景は、たとえば図33〜図35の海の背景である。
次に、表示制御用CPUは、ラッキーフラグがセットされているか否かの判断を行なう(S927)。このラッキーフラグとは、確変状態の終了に関するダミー演出を実行した後実際には確変状態が終了しないときに、確変状態が終了しないラッキーである旨を遊技者に報知するためのフラグであり、S853bによりセットされるものである。このフラグがセットされている場合には、予告演出を伴う変動表示が終了した後の次の変動表示により、「ラッキーまだ確変だよ!」のメッセージを第1飾り変動表示部8kにより表示するためのラッキーメセージ表示用変動パターンに差替える制御が行なわれる(S928)。その結果、S908により決定された変動パターンがラッキーメセージ表示用変動パターンに差替えられる。そして、そのラッキーメセージ表示用変動パターンに従った表示が図25の第1図柄変動中処理により実行される。その状態が、図34(j)に示されている。S928による差替え前の変動パターンと差替え後のラッキーメセージ表示用変動パターンとは、ともに同じ変動時間となる変動パターンである。なお、ラッキーフラグがセットされているか否かの判断をS908の変動パターン決定時に行なって、ラッキーフラグがセットされている場合にはS908の変動パターン決定時にラッキーメセージ表示用変動パターンを選択するようにしてもよい。S928の処理の後表示制御用CPUは、ラッキーフラグをクリアする(S929)。
一方、S921により確変中フラグがセットされていないと判断した場合には、背景に通常時の画像を表示する(S923)。この通常時の画像の具体例は、たとえば図33(j)に示された山の背景画像である。
次に、表示制御用CPUは、決定された変動パターンに応じた変動時間をプロセスタイマにセットする(S924)。この決定された変動パターンとは、S908により決定された変動パターンであり、S908では、送信されてきた変動時間に対応する複数種類の変動パターンの中からある変動パターンを選択するために、結局、S924により「変動時間」は、CPU56から送信されてきた変動時間と同じ変動時間となる。なお、プロセスタイマとは、第1飾り変動表示部8kの変動表示時間を計時するタイマである。次に、表示制御用CPUは、第1飾り変動表示部8kの変動を開始させる(S925)。そして、第1プロセスフラグを第1図柄変動中処理に切換える。その結果、2msec経過時における次回の第1表示制御プロセス処理の実行に際しては、S802の第1図柄変動中処理が実行されることとなる。
図25は、S802の第1図柄変動中処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1図柄変動中処理において表示制御用CPUは、確変終了予告処理を実行する(S819)。この確変終了予告処理のサブルーチンプログラムは、図26に示されている。まず図26に基づいて、確変終了予告処理を説明する。
表示制御用CPUは、第1終了予告フラグがセットされているか否か確認する(S850)。S902により第1終了予告フラグがセットされている場合には、終了予告回数Kが「1」であるか否か判定する(S851)。「1」でなければ、「あとK回で確変終わるよ!」のメッセージを第1飾り変動表示部8kに表示させる(S852)。そのメッセージの表示状態の具体例が、図33、図34に示されている。
一方、第1飾り変動表示部8kの変動表示は繰返し行なわれてその都度Kの値が減算され、その結果Kの値が「1」になった段階で表示制御用CPUはS851によりYESの判断を行ない、「今回で確変終わるよ!」のメッセージを第1飾り変動表示部8kに表示させる(S853)。その具体例が、図33(h)、図34(h)に示されている。
S853の処理の後、表示制御用CPUは、ガセ終了予告フラグがセットされているか否か判定する(S853a)。セットされていない場合にはS854の処理を実行するが、セットされている場合には、ラッキーフラグをセットし、かつガセ終了予告フラグをクリアする処理を行なう(S853b)。次に、表示制御用CPUは、プロセスタイマがキャラクタ表示タイミングになったか否かの判断を行なう(S854)。未だにキャラクタを表示するタイミングになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するか、変動表示が進行してプロセスタイマの計時が進行し、キャラクタ表示タイミングになった段階で、S854によりYESの判断を行ない、キャラクタを表示させるか否かの抽選決定を行なう(S855)。これは、たとえばキャラクタ表示用のランダムカウンタのカウント値を抽出してその抽出値がキャラクタ表示用判定値と一致するか否か判定し、一致する場合にキャラクタ表示を行なう旨を決定する。このキャラクタ表示の抽選決定に際して、ガセ終了予告フラグがセットされている場合には、高い確率でキャラクタを表示させる抽選決定を行なうように制御する。
表示制御用CPUは、抽選決定の結果表示するか否かの判断を行ない(S856)、表示する場合には、キャラクタを第1飾り変動表示部8kに表示させる。その具体的画面図が、たとえば図34(i)に示されている。
一方、表示制御用CPUは、第1終了予告フラグがセットされておらずかつ第2終了予告フラグがセットされている場合すなわち第2飾り変動表示部9kの変動によって確変状態が終了する場合には、S858によりYESの判断を行ない、「こちらを狙って!」のメッセージを第1飾り変動表示部8kに表示させる(S859)。
次に、図25に戻り、第1図柄変動中処理において表示制御用CPUは、変動中断フラグがセットされているか否か確認し(S820)、変動中断フラグがセットされていなければ中断コマンドを受信したか否か確認する(S824)。そして、S824で中断コマンドを受信していれば変動中断フラグをセットし(S825)、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特別図柄8a〜8cの変動表示を中断する旨を示す変動中断表示を行なう(S826)。この変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の変動表示部での変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算が中断されている旨を意味する表示でもある。そして、表示制御用CPUは、変動中断中はずれ図柄を第1飾り変動表示部8kに表示させる(S832a)。
また、S820で変動中断フラグがセットされていれば、表示制御用CPUは再開コマンドを受信したか否か確認する(S821)。S821で再開コマンドを受信していれば、変動中断フラグをリセットするとともに(S822)、第1飾り変動表示部8kに特別図柄8a〜8cの変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行ない(S823)変動を再開させる(S823a)。S821で再開コマンドを受信していなければ第1図柄変動中処理を終了する。
S824で中断コマンドを受信していなければ、プロセスタイマを「1」減算する(S824a)。このプロセスタイマはS924によりセットされた変動時間である。次に、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し(S827)、タイムアウトしていれば表示制御実行データの切替を行なう(S828)。この実施の形態では、第1飾り特別図柄8a〜8cの変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている。プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用CPUは変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り特別図柄8a〜8cを変動表示させる制御を行なう。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S829)、監視タイマをスタートさせ(S830)、第1プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(S803)に対応した値に更新する(S831)。
以上の処理によって、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに変動中断表示を行なう。そして、再開コマンドを受信するまでS827以降の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1特別図柄8a〜8cの変動表示を行なわない制御がなされる。
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、主基板31から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて表示制御用CPUは変動表示を中断させる制御を行なっている。また、大当り遊技状態が終了するときに主基板31から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて表示制御用CPUは変動表示を再開させる制御を行なっている。
前述したように、第2飾り変動表示部9kの変動によって確変状態が終了する場合には、第2飾り変動表示部9kの1回の変動時間が40秒間となる一方、第1飾り変動表示部8kの変動時間が3秒となり、その状態で第1飾り変動表示部8kの方を変動表示させるように打球発射を行なう旨(具体的には第1始動入賞口14に遊技球を入賞させるように打球操作を行なう旨)のメッセージ表示がなされ、遊技者はそれに従って打球操作を行なうことが可能となる。これにより、確変状態が終了するまでの間を利用して何回も第1飾り変動表示部8kの方の表示結果の導出を行なわせて、確変状態を有効に利用した遊技を行なうことが可能となる。
図27は、図25に示した第1図柄変動中処理の別実施の形態を示すフローチャートである。図25との相違点は、S826により変動中断表示がなされて変動中断中であっても、S832bに従って、表示制御用CPUは、第1飾り変動表示部8kの変動を継続する制御が行なわれる点である。
図28は、図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。表示制御用CPUは、特別図柄停止コマンドを受信しているか否か判断し(S870)、受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしたか否か判断する(S871)。この監視タイマは、S830により計時開始されたタイマである。監視タイマがタイムアウトしていない場合にはその監視タイマを「1」減算更新する(S872)。
一方、S870により特別図柄停止コマンドを受信していると判断した場合には、送信されてきた予定停止図柄を確定図柄として停止表示させる制御を行なう(S873)。次に、確変終了条件報知フラグがセットされているか否か判定する(S874)。この確変終了条件報知フラグは、確変終了条件報知態様コマンドが送信されてきた場合にS913fによりセットされるコマンドであり、セットされている場合には、確定表示された図柄が確変大当り図柄であるか否か判定する(S876)。確変大当り図柄である場合には、表示制御用CPUは、送信されてきた確変終了条件報知態様コマンドにより指定された報知態様で確変条件成立時報知を行なう(S877)。この報知は、たとえば、図29(d)、(h)、図30(d)、(h)に示されている。S877の処理が行なわれた結果、実際には、S873により確変大当り図柄が確定表示されてから実際に第1大入賞口21が開放されるまでの期間(SS881により第1プロセスフラグが大当り表示処理に切替わりS804の第1大当り表示処理が実行されている期間)を利用して、確変条件成立時報知が行なわれる。
一方、S876により確変大当り図柄でないと判断された場合には、表示制御用CPUは、第1終了予告フラグがセットされているか否か判定する(S878)。この第1終了予告フラグは、第1終了予告コマンドが送信されてきている場合にS902によりセットされるフラグである。セットされていない場合には、表示制御用CPUは、確変終了条件報知態様コマンドにより指定された報知態様で確変中報知を行なう(S879)。この報知の具体例としては、たとえば、図31(c)、(f)、図32(c)、(f)に示されている。
次に、表示制御用CPUは、S873により表示された確定図柄が大当り図柄の組合せであるか否か判定し(S880)、大当り図柄の組合せの場合には、第1プロセスフラグを大当り表示処理に切換え(S881)、大当り図柄の組合せでない場合には第1プロセスフラグを第1コマンド受信待ち処理に切換える(S882)。
一方、S871により監視タイマがタイムアウトしたと判定された場合には、表示制御用CPUは、エラー画面を表示した後(S879)、S874のステップへ進む。
図29、図30は、S877の報知の具体例を示す画面図である。図13(b)のAの報知態様が選択された場合が図29(a)〜(d)に示されており、図13(b)のBの報知態様が選択された場合が図29(e)〜(h)に示されている。第1飾り変動表示部8kの背景として山の画像が表示されて確変状態でない通常確率時の状態であることが示され、その状態で飾り図柄8a、8b、8cが可変開始し、左飾り図柄8a、右飾り図柄8c、中飾り図柄8bの順に停止していき、「777」の確変大当り図柄の組合せで確定表示された後、Aの報知態様が選択されている場合には、図29(d)に示すように、ドラムを模したキャラクタが表示されるとともに「確変GET!」のメッセージ表示がなされる。一方、Bの報知態様が選択されている場合には、図29(h)に示すように、V表示をしている女性キャラクタと「やったね確変だよ!」のメッセージ表示がなされる。
図30(a)〜(d)は、図13(b)に示すCの報知態様が選択されている場合の画面図であり、図30(e)〜(h)は、図13(b)のDの報知態様が選択されている場合の画面図である。山の背景が図画表示されて確変状態でない通常確率時の状態であることが示され、その状態で飾り図柄8a、8b、8cが可変開始して、順次停止し、「777」の確変大当り図柄の組合せで確定表示された場合に、Cの報知態様が選択されている場合には、図30(d)に示す女性キャラクタと「確変だ〜!」のメッセージ表示がなされる。一方、Dの報知態様が選択されている場合には、図30(h)に示す「確変!」のメッセージ表示がなされる。
図31は、S879の確変中報知の具体例を示す画面図である。図31に示すように、確変中であるために、確変中であることを示す海の背景が画像表示されている。この状態で、各飾り図柄8a、8b、8cが可変表示して順次停止され、確定表示された段階で、報知態様に対応するキャラクタ表示がなされる。たとえば、Aの報知態様が選択されている場合には、図31(g)に示すドラムを模したキャラクタが画面を横切るが図画表示され、Bの報知態様が選択された場合には、図29(h)で表示されたV表示をしている女性キャラクタと同じ女性キャラクタが画面を横切る表示がなされる(図31(f)参照)。
図32も、S879の確変中報知の具体例を示す画面図である。背景には、確変状態を示す海の画像が表示され、図柄が変動表示した後確定表示された段階で、Cの報知態様が選択されている場合には図30(d)で表示された女性キャラクタと同じ女性キャラクタが画面を横切る画像が表示される(図32(c)参照)。一方、Dの報知態様が選択されている場合には、図32(f)に示すように、確定表示された「349」を囲む表示を行なって強調表示する画像が表示される。
なお、図31、図32は、図36〜図38の別実施の形態での確変報知中の具体例を示す画面図にも兼用されており、この場合には確変終了条件が変更されたことを示唆する役割を担った画面図となる。これについては後述する。
図33は、S215により予告する旨の判定がなされた場合に第1飾り変動表示部8kにより表示される確変状態の終了予告報知演出の具体的表示画面を示す図である。第2飾り変動表示部9kにも同様の演出表示がなされるが、ここでは、第1飾り変動表示部8kについて代表して説明し、第2飾り変動表示部9kの方の説明の繰返しを省略する。第1保留記憶カウンタの値が「4」となっており第1特別図柄保留記憶表示領域10の4つのLEDすべてが点灯している状態において、保留記憶カウンタの値が「4」のときに抽出されて乱数記憶エリア(図6(b)参照)のR5の値が「1〜M」の範囲のいずれかの値であった場合において、図33(a)の図柄停止状態から(b)に示すように、第1飾り特別図柄8a,8b,8cが一斉に可変開始する。その段階で、第1特別図柄保留記憶表示領域10の4番目のLEDが消灯状態になるとともに、「あと4回で確変終わるよ!」のメッセージが第1飾り変動表示部8kにより表示される。
次に、(c)に示すように、変動が停止され、さらに保留記憶に基づいて(d)に示すように変動が開始される。その段階では、さらに第1特別図柄保留記憶表示領域10の3番目のLEDが消灯するとともに、「あと3回で確変終わるよ!」が表示される。
このように、変動が繰返されるごとに第1特別図柄保留記憶表示領域10の点灯数が1つずつ少なくなっていき、かつ、あと何回で確変が終わるかの回数表示も1つずつ減算表示されていく。
そして、今回の変動で確変状態が終わる場合には、図33(h)に示すように、「今回で確変終わるよ!」の表示がなされた後、(i)に示すように、第1飾り特別図柄8a,8b,8cが停止表示される。この(a)から(i)までの確変中においては、第1飾り変動表示部8kの背景として海の画像が表示され、(i)で確変状態が終了して次の変動のときには、(j)に示すように、確変状態でない通常確率の状態のときに背景として表示される山の画像が第1飾り変動表示部8kに表示される。
図34は、S220によりYESの判断がなされた場合に実行される確変終了に関する予告報知演出の具体的表示画面を示す図である。(a)から(h)までは、図33の(a)から(h)の表示画面と同じである。そして「今回で確変終わるよ!」のメッセージ表示がなされて各飾り図柄が停止する段階で、(i)に示すように、女性のキャラクタが第1飾り変動表示部8kに表示される。これは、S857に従って表示されるものである。次に(j)に示すように、次の変動が開始された段階で「ラッキーまだ確変だよ!」のメッセージ表示がなされる(S928参照)。
前述したように、実際には確変状態が終了しないにもかかわらず確変終了に関する予告報知演出を行なった場合には高い確率でキャラクタを表示させるように制御すれば、図34(i)に示すキャラクタが表示された段階で、遊技者は、まだ確変状態が継続するかもしれないという期待を持つことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図35は、第1飾り変動表示部8kの変動によって確変状態が終了する場合に第2飾り変動表示部9kの方を変動させるように狙って打球操作をする旨のメッセージ画面を示す図である。第1飾り変動表示部8kの方は、変動表示によって確変状態が終了するために、前述したように、1回の変動が40秒間という長い変動表示の制御がなされる。一方、第2飾り変動表示部9kの方は、前述したように、1回の変動が3秒という短い変動の制御が行なわれる。そして、第2飾り変動表示部9kの変動中において、(2c)、(2e)に示すように、「こちらを狙って!」のメッセージ表示がなされる。遊技者は、これを見ることにより、第2飾り変動表示部9kの方を変動表示させるべく第2始動入賞口16の方を狙って打球操作する状態となる。
図36〜図38は、確変終了条件に関する制御の別実施の形態を示す図である。前述した実施の形態では、確変状態が発生したときに確変終了条件および確変終了条件報知態様を選択し、その確変状態が終了するまでまたは次の確変状態が発生するまで、その選択された確変終了条件と確変終了条件報知態様とを用いて制御を行なうものであったが、この別実施の形態では、確変状態が発生したときに確変終了条件と確変終了条件報知態様とを選択するまでは同じであるが、その選択された確変終了条件と確変終了条件報知態様とを用いた制御を所定回数(たとえば20回)実行する毎に、新たに確変終了条件と確変終了条件報知態様とを選択し直し、選択し直された確変終了条件と確変終了条件報知態様とを用いて制御を行なうものである。
図36は、図17に示した第1特別図柄停止処理の別実施の形態を示すフローチャートである。相違点は、S93のステップの前に、S92kによるNを「20」に設定する処理が行なわれる。このNは、選択された確変終了条件および確変終了条件報知態様を何回用いて特別図柄変動表示制御を実行したかの実行回数を記憶するカウンタである。S92により第1大当りフラグがセットされている場合には、停止図柄が確変図柄の場合には再度確変が発生する状態となり、停止図柄が確変図柄でない場合には確変状態が発生しているときにはその確変状態が終了することとなる。ゆえに、S92kにより、Nの値を初期値である「20」に設定し直すのである。S92kの処理の次に、CPU56は、確変終了条件フラグをクリアする処理を行なう(S92l)。この確変終了条件フラグは、選択された確変終了条件および確変終了条件報知態様を用いた制御を実行する遊技状態であることを記憶するフラグであり、予定停止図柄が確変大当り図柄の場合にS951によりセットされる。
また、S99の処理の後、表示制御用CPUは、Nの値を「20」にセットし(S99a)、さらに、確変終了条件フラグをクリアする(S99b)。この処理は、前述した乱数R5の値に従って確変状態を終了させることが抽選決定され、その抽選決定に従って実際に確変状態が終了した場合に、Nの値を初期値「20」に設定し直し、確変終了条件フラグをクリアするものである。
図37は、図12に示した確変終了条件関連処理の別実施の形態を示すフローチャートである。CPU56は、今回の予定停止図柄が確変大当り図柄であるか否か判定する(S950)。確変大当り図柄の場合には、確変終了条件フラグをセットする処理を行なう(S951)。そして、Nの値を「20」の初期値にセットする処理を行なう(S952)。S941〜S946は、図12に示したS940〜S946と同じ処理である。
一方、S950により予定停止図柄が確変大当り図柄でないと判断された場合には、CPU56は、確変終了条件フラグがセットされているか否か判定する(S953)。セットされていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、セットされている場合には、Nの値が「0」になっているか否か判断し、なっていない場合にはNの値を「1」減算更新する処理を行なう(S955)。すなわち、確変終了条件フラグがセットされている場合には、選択された確変終了条件に従って確変終了制御が行なわれるとともに、選択された確変終了条件報知態様による報知が行なわれるのであり、その制御に基づいた第1特別図柄8、8a、8b、8cの変動制御が実行される毎に、S955よりNの値が「1」ずつ減算更新される。そして、20回実行された段階でNの値が「0」となるために、S954によりYESの判断がなされ、制御がS952に進むこととなる。
したがって、今回の変動表示の予定停止図柄が確変大当り図柄である場合には、S941〜S946の確変終了条件決定処理および確変終了条件報知態様決定処理がなされ、それ以降においては、変動表示が20回なされてNが「0」となるたびにS954によりYESの判断がなされてS941〜S946の確変終了条件の決定および確変終了条件報知態様の決定処理が行なわれることとなる。
この別実施の形態に従った具体的な画面表示の例が、図38に示されている。まず、確変状態でない山の背景が表示された状態で、第1飾り図柄8a、8b、8cが変動表示して順次停止表示され、「777」の確変大当り図柄が表示された段階で、Bの確変終了条件報知態様が選択されている場合に、V表示をしている女性キャラクタが表示されるとともに「やったね確変だよ!」のメッセージ表示がなされる(図38(d)参照)。以降、確変状態となりその状態で20回目の変動表示が、図38(e)〜(g)に示されている。20回目の変動表示において順次飾り特別図柄8a、8b、8cが停止し、「349」のはずれ図柄で確定表示された段階で、新たに選択された確変終了条件および確変終了条件報知態様に従ったS879の表示制御がなされる。図38(g)は、新たな選択がなされた結果Aの確変終了条件報知態様が選択された場合の画面図であり、ドラムを模したキャラクタが画面を横切る画像すなわち図31(c)の画像と同じ画像が表示される。遊技者は、この横切るキャラクタの種類により、確変終了条件が再抽選されて変化したことを推測することが可能となる。また、前述の新たな選択がなされた結果Bの確変終了条件報知態様が選択された場合には、図31(f)の画像が表示される。同様に、新たな選択がなされた結果Cの確変終了条件報知態様が選択された場合には、図32(c)の画像が表示され、新たな選択がなされた結果Dの確変終了条件報知態様が選択された場合には、図32(f)の画像が表示される。遊技者は、この4種類の画面図31(c)、図31(f)、図32(c)、図32(f)のうちのどの画像が表示されるかにより、確変終了条件が再抽選されてどのように変化したかを推測することが可能となる。つまり、図31、図32は、この別実施の態様においては、確変終了条件が変更されたことを示唆する役割を担った画面図となる。
なお、このS952によりセットされる「20」のNの値は、常に「20」という一定値ではなく、乱数等を抽出してランダムな値に設定するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技の変化性が向上し、興趣を向上させることができる。また、現在のNの値を飾り変動表示部8k、9kにより表示させるようにしてもよい。
前述のS955により減算更新されたNの値が現在の保留記憶数未満となったときには、その現在の保留記憶数がすべて変動表示に用いられて消化される前に、Nの値が「0」となりS941〜S945による再抽選が行なわれて、新たな確変終了条件が再決定されることとなる。その場合に、既に確変終了に関する報知演出を実行していた場合には、その報知演出が終了する以前の段階でS206による終了判定値1〜Mが新たな終了判定値に切換えられるために、新たな終了判定値による判定結果と既に行なっている報知演出の内容とが食い違ってしまう場合が生ずる。これを回避するために、図8に示した確率変動状態判定処理において、Nの値が保留記憶数の上限(たとえば「4」)以下になったときに、S218〜S222、S213〜S216の処理を行なわないようにする。その結果、Nの値が保留記憶の上限数であるたとえば「4」以下になったときに、報知演出が行なわれないために、前述した不都合を回避することができる。
他の回避方法として、次のような制御を行なってもよい。
(i) 図37のS954によりNの値が「0」であると判定されたときに、終了予告回数Kの値をチェックし、Kの値が「0」以外のときには、現在の保留記憶数のうちKの値以下の部分(K値以下の保留記憶部分)の第1乱数記憶エリアR5内に、S943により新たに記憶された終了判定値1〜Mの範囲内のいずれかの値が存在するか否かの新たな条件によるチェックを行なう。この新たな条件によるチェックは、図37の確変終了条件関連処理により実行する。
(ii) この新たな条件によるチェックを行なう以前の段階でS215による予告を行なう旨の判定がなされておりかつこの新たな条件によるチェックの結果第1乱数記憶エリアR5内に新たな終了判定値1〜Mの範囲内の値が存在しないと判定されたときには、前述のガセ予告コマンドを表示制御用マイクロコンピュータへ送信する。
(iii) その結果、表示制御用マイクロコンピュータは、S913aによりYESの判断を行なってS913bによりガセ終了予告フラグをセットし、S928により「ラッキーまだ確変だよ!」のメッセージ表示が行なわれ、制御内容と表示内容との整合性を保つことができる。
(iv) 一方、前述の新たな条件によるチェックを行なった結果、第1乱数記憶エリアR5内に新たな終了判定値1〜Mの範囲内のいずれかの値が存在すると判定された場合でかつ既に前述のガセ予告コマンドが送信されている場合には、そのガセ予告を取消すガセ予告取消コマンドを表示制御用マイクロコンピュータへ送信する。
(v) 表示制御用マイクロコンピュータは、そのガセ予告取消コマンドが送信されてきた場合に、S913bにより既にセットしているガセ終了予告フラグをクリアする処理を行なう。その結果、S928による「ラッキーまだ確変だよ!」のメッセージ表示が行なわれなくなり、制御内容と表示内容との整合性を保つことができる。
(vi) なお、前述のガセ予告コマンドが既に送られているか否かの判定は、ガセ予告コマンドを送信したときにガセ予告コマンド送信済みフラグをセットし、そのガセ予告送信済みフラグがセットされているか否かをチェックすることにより判定する。
次に、以上説明した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図6(b)に示すたとえば第1保留バッファのR5の第1乱数記憶エリアに記憶されている乱数値中に確変状態を終了させる特定値(「1〜M」の範囲のいずれかの値)が存在するか否かチェックし、存在する場合には確変終了に関する予告報知演出を実行するか否か判定して予告演出を実行する場合には「あと4回で確変終りよ!」のメッセージ表示を行なって特定の演出を実行するために、成立した始動条件に対応する開始条件の成立以前の早い段階から特定の演出を行なうことができ、それ以降の残りの変動表示に対する遊技者の興味を向上させ、遊技に対する興趣を高めることができる。
(2) 確変の終了に関する予告報知演出を実行する場合に、その確率変動が終了することとなる始動条件が成立してからその始動条件に対応する開始条件の成立まで、複数回の変動表示において連続して実行されるために、より一層遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 確変状態が終了していないときであっても、確変状態の終了に関する特定の演出が行なわれる場合があるため(S220によりYESの判断がなされてS221により第1終了予告フラグを「2」にセットする場合)、特定の演出が実行されたとき確率変動状態が終了するのか否かの興味を遊技者に持たせることができ、遊技に対する興趣をより一層高めることができる。なお、そのような特定の演出を行なった後に確変状態が継続している旨の報知が行なわれることで(S928により「ラッキーまだ確変だよ!」のメッセージが表示されることで)、確変状態に伴う大当り発生への高い期待感を再度遊技者が持つことができ、遊技に対する興趣をさらに一層高めることができる。
(4) 未だ開始条件が成立していない未変動開始始動条件を保留記憶している保留記憶毎に対応して設けられたR5の第1乱数記憶エリア(図6(b)参照)に格納されているR5の抽出値中に特定値「1〜M」の範囲のいずれかの値が存在するか否かを開始条件が成立したときに判定するために(S206参照)、変動開始時に最新の情報に基づいて確変状態の終了に関する予告報知の特定演出を実行するか否かの判定を行なうことができる。
(5) 変動表示時間を短縮する時短制御よりも優先して確変制御が行なわれる場合には(S100fによりNOの判断がなされる場合には)、確変制御が実行されている最中普通図柄表示器12による変動が実行される毎に時短カウンタが減算され(S100g参照)、確変制御が終了した時点で(S243aによりNOの判断がなされた時点、S150によりNOの判定がなされた時点で)減算された残りの時短カウンタの値だけ、時短制御が実行されることとなるために(S100f〜S100i、S243c、S159、S160、S155、S156参照)、時短制御の実行回数が不定期になり、変化性に富んだ面白味のある遊技を提供することができる。
(6) 第1図柄変動中処理(S802)のS824でYESとなりS827以降の処理を実行しない制御を行ない、または第2実施形態の第1図柄変動中処理のSA824でYESとなりSA827以降の処理を実行しないことにより、たとえば、第2特別図柄表示器9にて特定表示結果が導出表示されたときに第1特別図柄表示器8における変動表示時間の計測を中断するので、複数の変動表示部にて同時に特定遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、第1実施形態の第1図柄変動中処理(S802)のS821でYESとなりS827以降の処理を実行する制御を行なう、または、第2実施形態の第1図柄変動中処理のSA821でYESとなりSA827以降の処理を実行する制御を行なうことにより、たとえば、第2特別図柄表示器9に特定表示結果が導出表示されるまで第1特別図柄表示器8にて特別図柄の変動表示が行なわれるため、たとえば、第2特別図柄表示器9に特定表示結果が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。さらに、複数の変動表示部各々における表示結果の決定に共通の乱数更新処理を用いることにより、複数の変動表示部を制御するために必要となるデータ量を最小限度に抑えたときであって、たとえば第1特別図柄表示器8に関する大当り判定用ランダムカウンタの抽出条件である第1抽出条件と、たとえば第2特別図柄表示器9に関する大当り判定用ランダムカウンタの抽出条件である第2抽出条件とが同時に成立した場合であっても、図4のS23〜S25に示されるように、タイマ割込処理を一回実行する間に、第1特別図柄プロセス処理により大当り判定用ランダムカウンタによる数値データの更新(S24)が実行される前に第1特別図柄表示器8に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行され(S23)、大当り判定用ランダムカウンタによる数値データの更新が実行された後に第2特別図柄プロセス処理により第2特別図柄表示器9に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行される(S25)。これにより、タイマ割込処理を一回実行する間に第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理により抽出された数値データが異なることとなり、複数の変動表示部の表示結果として大当りを発生させる表示結果を同時に決定してしまうことを確実に防ぐことができる。また、第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理により同時に抽出された数値データを強制的に異ならせるために、第1抽出条件と第2抽出条件とが成立しているときの割込処理により第1特別図柄プロセス処理による抽出のみを実行し、次回の割込処理により第2特別図柄プロセス処理による抽出を実行する必要がない。すなわち、一回の割込処理を実行することにより第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理による数値データの抽出を実行することができるため、遊技の公平性を担保することができる。さらに、第1抽出条件と第2抽出条件とが成立しているときのタイマ割込処理により第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理による数値データの抽出を実行することができるため、第1抽出条件や第2抽出条件がデータ化けして第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理による数値データの抽出が実行されなくなる可能性を最小限に抑えることができる。また、第1始動口スイッチ62,第2始動口スイッチ67の入賞検出の有無を「0」(検出なし)または「1」(検出あり)というデータで長い間記憶しておくよりも、大当り判定用ランダムカウンタの抽出「0」〜「658」のデータで記憶しておく方が、データ化けが生じたときのデータの損害を少なくすることができる。
(7) たとえば、第2特別図柄表示器9で大当りの表示結果が表示されたときに、第1実施形態の第1図柄変動中処理(S802)のS824で中断コマンドを受信したことに基づいてS827以降の処理を実行しない制御を行なうことにより、表示制御用マイクロコンピュータが中断コマンドを受信したときに表示制御用マイクロコンピュータにより、たとえば、第1特別図柄8、8a〜8cの変動表示が中断される。そして、第1実施形態の第1図柄変動中処理(S802)のS821でYESとなりS827以降の処理を実行する制御を行なうことにより、再開コマンドを受信したときに表示制御用マイクロコンピュータにより、たとえば、第1特別図柄8、8a〜8cの変動表示が再開されるため、遊技制御用マイクロコンピュータの制御負担を軽減させることができる。
(8) たとえば、第2特別図柄表示器9で大当りの表示結果が表示されたときに、第2実施形態の第1図柄変動中処理(S802)のSA824で第2大当り開始コマンドを受信したことに基づいてS827以降の処理を実行しない制御を行なうことにより、表示制御用マイクロコンピュータが第2大当り開始コマンドを受信したときに、表示制御用マイクロコンピュータにより第1飾り特別図柄表示器8kにおける特別図柄の変動表示が中断される。そして、第2実施形態の第1図柄変動中処理(S802)のSA821でYESとなりS827以降の処理を実行する制御を行なうことにより、大当り終了コマンドを受信したときに表示制御用マイクロコンピュータにより、第1飾り特別図柄表示器8kにおける特別図柄の変動表示を再開するため、遊技制御用マイクロコンピュータの制御負担を軽減させることができる。また、1つの制御信号(コマンド)で複数の指示を与えるので、制御信号を兼用して制御を行なうことができ、制御信号の数を軽減できる。
(9) 図14のS826または図18のSA826に示されるように、変動表示部における変動表示時間の計測を中断したときにその旨を報知するため、遊技者に不信感を与えることなく、変動表示部における識別情報の変動表示を中断させることができる。
(10) たとえば、第1特別図柄表示器8に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開始される大当り遊技状態における複数回の特定制御のそれぞれの回で、同時に複数の第1特別可変入賞装置20および第2特別可変入賞装置22を開放状態にさせずに、いずれの特別可変入賞装置を対象として特定制御を実行するのかを示す大入賞口決定テーブルに設定されている大入賞口開放パターンに従って複数の第1特別可変入賞装置20および第2特別可変入賞装置22を第1の状態に制御するので、大当り遊技状態中に、遊技者が狙うべき特別可変入賞装置が変更され、遊技の興趣をより向上させることができる。
(11) 図19(C)および図20(C)に示されるように、一方の変動表示部にて大当り図柄の組合せが導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が開始され、他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断しているときには、他方の変動表示部においてはずれ図柄の組合せが停止表示されるので、遊技者を大当り図柄の組合せが導出表示された方の変動表示部に注目させることができる。
(12) 遊技球の始動入賞に基づいて抽出されたR5の値が特定値(たとえば「1〜M」の範囲のいずれかの値)に相当するものであるか否かに基づいて確率変動状態を終了させるか否かをS27により判定し、その特定値に相当すると判定されたR5が抽出される契機となった始動入賞が、第1特別図柄8、8a、8b、8cまたは第2特別図柄9、9a、9b、9cのうちのいずれについて成立したかが判定され(S209〜S211)、その判定された方の特別図柄の変動表示時間を長い所定時間にするとともに当該特別図柄以外の特別図柄の変動表示時間を前記所定時間よりも短い時間に制御されるために、確率変動状態が終了するまでに確率変動状態が終了しない方の特別図柄によって極力多くの回数表示結果を導出表示させることができ、その分遊技者にとって有利な遊技状態となり、興趣を向上させることができる。
(13) 変動表示時間を短い時間に選択された方の特別図柄に対応する始動入賞口を狙って打球発射することを促す報知(図35の「こちらを狙って!」のメッセージ表示)が行なわれるために(S859)、遊技者はその報知に従って打球操作することにより、さらに遊技者に有利な状態となり、興趣を向上させることができる。
(14) 未だ変動開始の条件が成立していない未変動開始始動条件を保留記憶している保留記憶カウンタのカウント値毎に対応して設けられた乱数記憶エリア(図6(b)参照)に、確率変動状態を終了させるか否かの判定に用いられるR5の値を格納しておき、変動開始の条件が成立したときにそのR5の乱数記憶エリア中に記憶されているR5の値の中に確率変動状態を終了させるように定められた特定値(たとえば「1〜M」の範囲のいずれかの値)に相当するものがあるか否か判定を行なうために(S53)、変動開始時に最新の情報に基づいて変動表示時間の制御を行なうことができ、確率変動状態が終了するまでの期間を利用して確率変動状態が終了しない方の特別図柄による極力多くの表示結果を導出表示させることができる。
(15) 第1特別図柄8、8a、8b、8cにて大当り図柄の組合せが導出表示されかつ第2特別図柄9、9a、9b、9cにて識別情報の変動表示が実行されているときには、第1特別図柄8、8a、8b、8cにて大当り図柄の組合せが導出表示されたことに基づく大当り状態が開始された第1の時点で第2特別図柄9、9a、9b、9cにおける変動表示時間の計測を中断し(S86〜S89、S824、S825)、第1特別図柄8、8a、8b、8cにて大当り図柄の組合せが導出表示されたことに基づく大当り状態が終了した第2の時点で変動表示時間の計測を再開し(S105、S106、S107、S820〜S822、S824)、その再開された変動表示時間が経過した段階で表示結果を導出表示するために(S82、S85、S831、S831)、第1特別図柄8、8a、8b、8cと第2特別図柄9、9a、9b、9cとで同時に大当り図柄の組合せが導出表示されることを確実に防止できる。その結果、第1特別図柄8、8a、8b、8cと第2特別図柄9、9a、9b、9cとの両方で特定表示結果が導出表示されて射好性を煽りすぎる不都合を防止できる。
(16) 変動表示時間の計測が中断されている期間中、その中断されている方の特別図柄の変動表示を停止させて大当り図柄の組合せ以外の表示結果(はずれ図柄)を表示させる制御が行なわれるために(S832a)、遊技者は、中断されている特別図柄以外の特別図柄の変動表示中の演出に注目することができる。
(17) 変動表示時間の計測が中断されている期間中、その中断されている特別図柄の変動表示が継続されるために、中断されている特別図柄と中断されていない特別図柄とによる変動表示の演出のバリエーションを増加させることができる。
(19) 確変状態が終了する終了確率が異なる複数の確率変動終了条件(図13(a)の確変終了条件選択テーブルの4種類の条件)の中から選択された確率変動終了条件に従って確変状態を終了させるか否かの抽選がS206、S207により行なわれるために、いずれの確率変動終了条件下で確率変動状態を終了させるか否かの抽選が行なわれているかに遊技者が興味を持つことができ、興趣が向上する。
(20) 次の特別条件の成立まで(S701により決定された当たり予定停止図柄が確変大当り図柄でS940によりYESの判定がなされるまで)、所定条件が成立したときにS941、S942により選択された確率変動終了条件が、継続して使用されて、同一の条件で抽選が行なわれるため、制御上の処理が容易となる。
(21) 確変状態の制御が開始されたときから変動表示の実行が所定回数になる毎に(「20」からダウンカウントして「0」になる毎に)S941、S942により確率変動終了条件が選択されて終了判定に使用されるために、現在用いられている確率変動終了条件がいずれの確率変動終了条件であるか遊技者が興味を持ち、さらに興趣が向上する。
(22) 選択された確率変動終了条件に応じて、図13(b)の確変終了条件報知態様選択テーブルに記憶された複数種類の終了条件報知データ(報知態様A〜D)から使用する終了条件報知データ(報知態様A〜D)が選択され、その選択された終了条件報知データを用いて報知されるために、いずれの確率変動終了条件が選択されたかを遊技者が予測でき、興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、確変状態において非確変図柄による大当り図柄が停止表示されたときには、確変状態が終了するように制御しているが、非確変図柄による大当り図柄が停止表示されたとしても、確変状態を終了させないように制御してもよい。
(2) 前述の実施の形態では、基本回路53のCPU56において、予定停止図柄を事前決定してその内容をコマンドで表示制御基板80に送信するようにしているが、その予定停止図柄コマンドの送信を行なわないようにしてもよい。その場合には、CPU56は、大当りになるか否かのコマンドと確変図柄で大当りになるか否かのコマンドと飾り変動表示部8k、9kの変動表示時間を特定する変動時間表示コマンドと、リーチが成立するか否かを指定するリーチコマンドとを表示制御基板80へ送信する。表示制御基板80では、それらコマンドに基づいて、今回の変動表示により停止表示させる予定停止図柄を乱数等を利用してランダム決定し、その決定された予定停止図柄で停止表示するように制御する。
(3) 図16、図17に示した変動時間設定処理では、第1,第2終了予告フラグの値に基づいて変動時間テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定している(S241、S243参照)。この第1,第2終了予告フラグの値は、R5の乱数記憶エリア中に確変状態を終了させる特定値「1〜M」の範囲のいずれかの値があるか否かの判定結果に基づいて決定される(S206のチェックに結果特定値「1〜M」の範囲のいずれかの値があるか否かS207により判定され、ある場合には終了予告テーブルの終了テーブルを参照し、ない場合には終了予告テーブルの非終了テーブルを参照して、第1,第2終了予告フラグの値を決定する(S214〜S216、S219〜S221参照))。すなわち、R5の乱数記憶エリア中に確変状態を終了させる特定値「1〜M」の範囲のいずれかの値があるとの判定が、第1または第2の特別図柄のいずれの特別図柄についての判定かという成立変動表示手段判定の結果を、第1,第2終了予告フラグの値を介して間接的に利用して特別図柄の変動時間を決定している。しかし、これに代えて、成立変動表示手段判定の結果を、直接的に利用して特別図柄の変動時間を決定してもよい。具体的には、S241のステップを「確変第1終了フラグセット?」に変更し、S243のステップを「確変第2終了フラグセット?」に変更する。そして、変更後のS241によりYESの判断がなされたときに100%の確率でS242に進み、変更後のS243によりYESの判断がなされたときに100%の確率でS244に進んでもよいが、YESの判断がなされたときに90%等の高い確率でS242、S244に進み、残りの10%等の低い確率でS245へ進むように制御してもよい。
(4) 前述の実施の形態の時短制御では、確変状態を優先させる制御により時短制御よりも優先して実行されている確変状態が終了した時点(たとえば、S243aによりNOの判断がなされた時点、S150によりNOの判定がなされた時点)での短縮実行回数減算手段(S100g)により減算された残りの短縮実行回数だけ、時短制御を実行する(たとえば、S100f〜S100i、S243c、S159、S160、S155、S156)が、短縮実行回数減算手段(S100g)による減算(ダウンカウント)の代わりに、時短実行回数を加算してカウントする短縮実行回数加算計数手段を設けて、確変状態を優先させる制御により時短制御よりも優先して実行されている確変状態が終了した時点(たとえば、S243aによりNOの判断がなされた時点、S150によりNOの判定がなされた時点)での短縮実行回数加算計数手段の計数値から所定の時短実行回数(たとえば、100回)までの残りの短縮実行回数だけ、時短制御を実行するように構成してもよい。
(5) 前述の実施の形態では、ランダムカウンタR2の抽出値に従って、特別図柄表示器8、9ばかりでなく飾り変動表示部8k,9kに表示される大当り図柄も決まるものを示したが、それに代えて、特別図柄表示器8、9の表示結果を特定するコマンドをCPU56から送ってもらった表示制御基盤80の表示制御用CPUが、そのコマンドに基づいて飾り変動表示部8k,9kに表示される大当り図柄を決定するようにしてもよい。
(6) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
14 第1始動入賞口、16 第2始動入賞口、8 第1特別図柄表示器、9 第2特別図柄表示器、8k 第1飾り変動表示部、9k 第2飾り変動表示部、56 CPU、62 第1始動口スイッチ、67 第2始動口スイッチ、80 表示制御基板、54 ROM、55 RAM、57 I/Oポート部。