(1) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球)が進入したときに予め定められた第1実行条件(第1始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)および当該第1実行条件とは異なる第2実行条件(第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)のうちいずれかの実行条件が成立する始動領域(第1始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15、第2始動入賞口16が設けられた入賞球装置17)と、前記第1実行条件が成立しかつ予め定められた第1開始条件(S34で各乱数が読み出され得る状態で、S32において第1保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件)が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1の変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)と、前記第2実行条件が成立しかつ前記第1開始条件とは異なる第2開始条件が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2の変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)とを備え、前記変動表示部のうちいずれかの変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(通常大当り図柄、時短大当り図柄、第1確変大当り図柄、第2確変大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かと、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態(低確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上した第1高確率状態(高確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記第1高確率状態と同一でありかつ該第1高確率状態より前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第2高確率状態(高確高べース状態)に制御するかとを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS35b〜S39、図14のS41〜S42b、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)を備え、
前記事前決定手段は、前記第1高確率状態に制御されているときと前記第2高確率状態に制御されているときとで、前記特定遊技状態終了後に前記第1高確率状態に制御する割合と、前記特定遊技状態終了後に前記第2高確率状態に制御する割合とを異ならせて決定する(図8を参照して、現在の遊技状態が高確低ベース状態であるときに、高確低ベース状態に制御される割合が40%であり、高確高ベース状態に制御される割合が30%である。一方、現在の遊技状態が高確高ベース状態であるときに、高確低ベース状態に制御される割合が20%であり、高確高ベース状態に制御される割合が60%である)。
このような構成によれば、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態として、始動領域への進入しやすさまたは特定表示結果となる確率の高さが異なる通常状態、第1高確率状態、および、第2高確率状態が設けられている。このため、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態に応じて、次に特定遊技状態に制御されるまでの遊技において有利または不利を遊技者に対し実感させることができる。
また、第1高確率状態に制御されているときと第2高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に第1高確率状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に第2高確率状態に制御する割合とを異ならせることができる。このため、どの遊技状態に制御されるのかについて遊技者に強い関心を抱かせることができる。
(2) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球)が進入したときに予め定められた第1実行条件(第1始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)および当該第1実行条件とは異なる第2実行条件(第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)のうちいずれかの実行条件が成立する始動領域(第1始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15、第2始動入賞口16が設けられた入賞球装置17)と、前記第1実行条件が成立しかつ予め定められた第1開始条件(S34で各乱数が読み出され得る状態で、S32において第1保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件)が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1の変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)と、前記第2実行条件が成立しかつ前記第1開始条件とは異なる第2開始条件が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2の変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)とを備え、前記変動表示部のうちいずれかの変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(通常大当り図柄、時短大当り図柄、第1確変大当り図柄、第2確変大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かと、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態(低確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上した第1高確率状態(高確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記第1高確率状態と同一でありかつ該第1高確率状態より前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第2高確率状態(高確高べース状態)に制御するかとを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS35b〜S39、図14のS41〜S42b、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)を備え、
前記事前決定手段は、前記第1高確率状態に制御されているときと前記第2高確率状態に制御されているときとで、前記特定遊技状態終了後に前記通常状態に制御する割合と、前記特定遊技状態終了後に前記第2高確率状態に制御する割合とを異ならせて決定する(図8を参照して、現在の遊技状態が高確低ベース状態であるときに、低確低ベース状態に制御される割合が20%であり、高確高ベース状態に制御される割合が30%である。一方、現在の遊技状態が高確高ベース状態であるときに、低確低ベース状態に制御される割合が5%であり、高確高ベース状態に制御される割合が60%である)。
このような構成によれば、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態として、始動領域への進入しやすさまたは特定表示結果となる確率の高さが異なる通常状態、第1高確率状態、および、第2高確率状態が設けられている。このため、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態に応じて、次に特定遊技状態に制御されるまでの遊技において有利または不利を遊技者に対し実感させることができる。
また、第1高確率状態に制御されているときと第2高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に通常状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に第2高確率状態に制御する割合とを異ならせることができる。このため、どの遊技状態に制御されるのかについて遊技者に強い関心を抱かせることができる。
(3) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球)が進入したときに予め定められた第1実行条件(第1始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)および当該第1実行条件とは異なる第2実行条件(第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)のうちいずれかの実行条件が成立する始動領域(第1始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15、第2始動入賞口16が設けられた入賞球装置17)と、前記第1実行条件が成立しかつ予め定められた第1開始条件(S34で各乱数が読み出され得る状態で、S32において第1保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件)が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1の変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)と、前記第2実行条件が成立しかつ前記第1開始条件とは異なる第2開始条件が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2の変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)とを備え、前記変動表示部のうちいずれかの変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(通常大当り図柄、時短大当り図柄、第1確変大当り図柄、第2確変大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かと、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態(低確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上した第1高確率状態(高確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記第1高確率状態と同一でありかつ該第1高確率状態より前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第2高確率状態(高確高べース状態)に制御するかとを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS35b〜S39、図14のS41〜S42b、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)を備え、
前記事前決定手段は、前記通常状態に制御されているときと前記第1高確率状態に制御されているときとで、前記特定遊技状態終了後に前記第1高確率状態に制御する割合と、前記特定遊技状態終了後に前記第2高確率状態に制御する割合とを異ならせて決定する(図8を参照して、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに、高確低ベース状態に制御される割合が15%であり、高確高ベース状態に制御される割合が5%である。一方、現在の遊技状態が高確低ベース状態であるときに、高確低ベース状態に制御される割合が40%であり、高確高ベース状態に制御される割合が30%である)。
このような構成によれば、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態として、始動領域への進入しやすさまたは特定表示結果となる確率の高さが異なる通常状態、第1高確率状態、および、第2高確率状態が設けられている。このため、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態に応じて、次に特定遊技状態に制御されるまでの遊技において有利または不利を遊技者に対し実感させることができる。
また、通常状態に制御されているときと第1高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に第1高確率状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に第2高確率状態に制御する割合とを異ならせることができる。このため、どの遊技状態に制御されるのかについて遊技者に強い関心を抱かせることができる。
(4) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球)が進入したときに予め定められた第1実行条件(第1始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)および当該第1実行条件とは異なる第2実行条件(第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件)のうちいずれかの実行条件が成立する始動領域(第1始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15、第2始動入賞口16が設けられた入賞球装置17)と、前記第1実行条件が成立しかつ予め定められた第1開始条件(S34で各乱数が読み出され得る状態で、S32において第1保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件)が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1の変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)と、前記第2実行条件が成立しかつ前記第1開始条件とは異なる第2開始条件が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2の変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)とを備え、前記変動表示部のうちいずれかの変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(通常大当り図柄、時短大当り図柄、第1確変大当り図柄、第2確変大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かと、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態(低確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上した第1高確率状態(高確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記第1高確率状態と同一でありかつ該第1高確率状態より前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第2高確率状態(高確高べース状態)に制御するかとを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS35b〜S39、図14のS41〜S42b、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)を備え、
前記事前決定手段は、前記通常状態に制御されているときと前記第1高確率状態に制御されているときとで、前記特定遊技状態終了後に前記通常状態に制御する割合と、前記特定遊技状態終了後に前記第2高確率状態に制御する割合とを異ならせて決定する(図8を参照して、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに、低確低ベース状態に制御される割合が60%であり、高確高ベース状態に制御される割合が5%である。一方、現在の遊技状態が高確低ベース状態であるときに、低確低ベース状態に制御される割合が20%であり、高確高ベース状態に制御される割合が30%である)。
このような構成によれば、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態として、始動領域への進入しやすさまたは特定表示結果となる確率の高さが異なる通常状態、第1高確率状態、および、第2高確率状態が設けられている。このため、特定遊技状態終了後に移行する遊技状態に応じて、次に特定遊技状態に制御されるまでの遊技において有利または不利を遊技者に対し実感させることができる。
また、通常状態に制御されているときと第1高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に通常状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に第2高確率状態に制御する割合とを異ならせることができる。このため、どの遊技状態に制御されるのかについて遊技者に強い関心を抱かせることができる。
(5) 前記事前決定手段は、前記通常状態または前記第1高確率状態に制御されているときより前記第2高確率状態に制御されているときの方が、高い割合で前記特定遊技状態終了後に前記第2高確率状態に制御すると決定する(図8を参照して、現在の遊技状態が通常状態であるときに高確高ベース状態に制御される割合が5%であり、現在の遊技状態が高確低ベース状態であるときに高確高ベース状態に制御される割合が30%であり、現在の遊技状態が高確高ベース状態であるときに高確高ベース状態に制御される割合が60%である。すなわち、現在の遊技状態が通常状態または高確低ベース状態であるときよりも、高確高ベース状態であるときの方が、高確高ベース状態に制御される割合が高い)。
このような構成によれば、一旦、第2高確率状態に制御されると、特定遊技状態終了後に再度第2高確率状態に制御される割合が高い。このため、通常状態または第1高確率状態から第2高確率状態に制御されることに対し、遊技者の期待感をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前記識別情報の変動表示が開始されてからの変動時間を計測する変動時間計測手段(第1特別図柄プロセス処理における図17の第1特別図柄変動処理でのS81、S82、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)と、
前記変動時間計測手段により前記変動時間として前記識別情報の変動表示の開始から表示結果の導出表示までの時間として設定される変動表示時間が計測されたとき(第1特別図柄変動処理でのS82および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいてタイムアウトしたと判断されたとき)に、前記事前決定手段による決定に基づく表示結果を変動表示の表示結果として導出表示する表示結果導出表示手段(第1特別図柄プロセス処理における図18の第1特別図柄停止処理でのS90、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)とをさらに備え、
前記変動時間計測手段は、
前記第1の変動表示部に前記特定表示結果が導出表示され、かつ、前記第2の変動表示部にて前記識別情報の変動表示が行なわれているとき、前記第1の変動表示部にて前記特定表示結果が導出表示された第1の時点で、前記第2の変動表示部における変動時間の計測を中断する計測中断手段(図17の第1特別図柄変動処理のS87でYとなって第1中断フラグをセットして第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせない部分、または、たとえば、第1飾り変動表示部8kに大当り図柄が導出表示され、第2飾り変動表示部9kで飾り図柄9a〜9cの変動表示が実行されているときには、第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄変動処理におけるS84で第1大当り実行中フラグがセットされた時点で、図17の第1特別図柄変動処理のS87でYとなって第1中断フラグをセットして第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせない部分に対応する第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)と、
前記第1の変動表示部にて前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点(たとえば、第1特別図柄プロセス処理の第1大当り終了処理におけるS111〜S113に対応する第2特別図柄プロセス処理における同様のステップで第2大当り実行中フラグ、第1中断フラグ、および第1大当りフラグがリセットされた時点)で、前記計測中断手段により中断された変動時間の計測を再開する計測再開手段(たとえば、第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄変動処理のS80、さらに第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)とを含む。
このような構成によれば、第1の変動表示部で特定表示結果が導出表示されたときに第2の変動表示部における変動表示時間の計測を中断することにより、第1および第2の変動表示部において特定遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、第1の変動表示部に特定表示結果が導出表示されるまで第2の変動表示部にて識別情報の変動表示が行なわれるため、第1の変動表示部に特定表示結果が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(7) 遊技媒体が進入することにより前記第1実行条件を成立させる第1の始動領域(第1始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15)と、遊技媒体が進入することにより前記第2実行条件を成立させる第2の始動領域(第2始動入賞口16が設けられた入賞球装置17)とが前記遊技領域に設けられており、
前記事前決定手段は、
前記第1実行条件が成立したことを条件として、前記第1の変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果として前記特定表示結果を導出表示し前記特定遊技状態に制御するか否かを決定する第1事前決定手段(図13のS35b〜S39)と、
前記第2実行条件が成立したことを条件として、前記第2の変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果として前記特定表示結果を導出表示し前記特定遊技状態に制御するか否かを決定する第2事前決定手段(第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図13のS35b〜S39と同様のステップ)とを含み、
前記第1事前決定手段は、前記第2事前決定手段により前記特定遊技状態に制御すると決定されてから該決定に基づく特定遊技状態が終了するまでの特定期間(第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図13のS39と同様のステップにより第2大当りフラグがセットされてから第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図19のS113と同様のステップにより第2大当りフラグがリセットされるまでの特定期間)には、前記第1の変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果にしない(図13のS35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断された場合、S36〜S39の処理を行なわないようにS35cに移行する)。
このような構成によれば、特定期間には第1の変動表示部において識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果にしないことにより、第1および第2の変動表示部において特定遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、第1の変動表示部に特定表示結果が導出表示されるまで第2の変動表示部にて識別情報の変動表示が行なわれるため、第1の変動表示部に特定表示結果が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(8) 前記識別情報の変動表示の開始から表示結果の導出表示までを示す変動パターンを複数種類(図9に示す通常A〜F変動パターン、リーチA〜F変動パターン、大当りA〜F変動パターン)記憶する変動パターン記憶手段(ROM54)と、
前記変動パターン記憶手段に記憶された複数種類の変動パターンの中から一の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(第1特別図柄プロセス処理における図15の第1変動パターン設定処理、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様の処理)とをさらに備え、
前記変動パターン記憶手段は、前記第1事前決定手段によって前記特定期間に前記第1の変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果にしないときの変動パターンである非制御時変動パターンを複数種類記憶した非制御時変動パターン記憶手段(図9(c)に示す強制はずれ変動パターンを記憶した領域)を含み、
前記変動パターン選択手段は、前記第1事前決定手段によって前記特定期間に前記第1の変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果にしないとき(第1変動パターン設定処理におけるS61aにおいて強制はずれフラグがセットされていると判断されたとき、さらに第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて強制はずれフラグがセットされていると判断されたとき)、非制御時変動パターン記憶手段に記憶された複数種類の非制御時変動パターンの中から一の非制御時変動パターンを選択する(第1変動パターン設定処理におけるS61b、さらに第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)。
このような構成によれば、特定期間であっても、複数種類の非制御時変動パターンの中から選択された非制御時変動パターンで識別情報の変動表示を行なうことができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技領域に設けられ遊技媒体が進入したときに予め定められた第1実行条件および当該第1実行条件とは異なる第2実行条件のうちいずれかの実行条件が成立する始動領域と、前記第1実行条件が成立しかつ予め定められた第1開始条件が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1の変動表示部と、前記第2実行条件が成立しかつ前記第1開始条件とは異なる第2開始条件が成立したときに前記識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2の変動表示部とを備え、前記変動表示部のうちいずれかの変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、遊技球を発射するために操作する打球操作ハンドル5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット50が付設される。
このパチンコ遊技機1では、カードユニット50に受付けられた遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸出遊技媒体である貸し球が払出されることにより遊技球が遊技者に貸出(貸与)される。そして、パチンコ遊技機1においては、上皿としての打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を、打球操作ハンドル5を操作することに応じて弾発発射して、遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる。そして、遊技により入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて、景品として、景品遊技媒体である賞球が払出される。
遊技領域7中には、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とが所定間隔を隔てて配置されている。第1特別図柄表示器8は、遊技球が第1始動入賞口14へ入賞したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示(可変表示ともいう)を開始し表示結果を導出表示する表示部である。第2特別図柄表示器9は、遊技球が第2始動入賞口16へ入賞したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を開始し表示結果を導出表示する表示部である。第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれは、7セグメント表示器により構成されている。第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおける変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示をすることをいう。
また、第1特別図柄表示器8を左右から挟むように、第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。同様に、第2特別図柄表示器9を左右から挟むように、第2特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。
第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。第2特別図柄保留記憶表示器11についても同様に、第2始動入賞口16に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やし、第2特別図柄表示器9で変動表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす。なお、この例では、第2始動入賞口16への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄が数字図柄である場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、そのような数字図柄以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、特別図柄の変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切替えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、7セグメント表示器に限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示、エレクトロルミネセンス、または、ドットマトリックス表示を利用したもの等、画像を表示する画像表示式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、表示結果を導出表示することは、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることができる態様であればよい。
第1特別図柄表示器8の下には、第1特別図柄表示器8に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字から構成された飾り図柄)の変動表示(可変表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する第1飾り変動表示部8kが設けられている。第2特別図柄表示器9の下には、第2特別図柄表示器9に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字から構成された飾り図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2飾り変動表示部9kが設けられている。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、液晶表示装置(LCD)により構成され、スクロール表示等の所定の変動表示態様で飾り図柄を変動表示することが可能である。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、左・中・右の3つの表示領域で飾り図柄が変動表示される。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kは変動表示結果が後述する対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第1変動表示部と呼ぶ場合がある。また、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kは変動表示結果が後述する対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第2変動表示部と呼ぶ場合がある。
なお、この実施の形態では、飾り図柄が数字から構成される例について説明するが、これに限らず、飾り図柄は、文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄、人間,動物,あるいは物等を表わすキャラクタから構成されたキャラクタ図柄、およびこれらを組合せて構成された図柄等であってもよい。また、飾り図柄の変動表示態様には、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するもの、図柄を切替えることにより更新表示するもの、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示する等各種の変動表示態様が含まれる。また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、液晶表示装置に限らず、CRT、プラズマ表示を利用したもの等のように、その他の表示方式で変動表示をするものであってもよい。
第1飾り変動表示部8kの下方には、第1始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。第1始動入賞口14へ遊技球が入賞したときに、後述する第1特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)を抽出する。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図3参照))に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第1保留記憶データとも呼ばれる。この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに遊技球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。
第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。また、可変入賞球装置15には、開閉動作を行なう左右一対の可動片が設けられている。可変入賞球装置15の可動片は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が第1始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
第2飾り変動表示部9kの下方には、第2始動入賞口16を形成する入賞球装置17が設けられている。第2始動入賞口16へ遊技球が入賞したときに、後述する第2特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)を抽出する。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図3参照)に設けられる記憶領域)に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、この第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第2保留記憶データとも呼ばれる。この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに遊技球が第2始動入賞口16に入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、入賞球装置17には、可変入賞球装置15のような可動片が設けられていない。このため、可変入賞球装置15と比べて入賞球装置17は、遊技球の入賞し易さが変化しない。なお、入賞球装置17においては、可変入賞球装置15のような可動片が設けられてもよい。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(乱数)は、第1変動表示部の変動表示を実行するための第1実行条件が成立したことを示すデータである。第1実行条件とは、第1始動入賞口14への遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件をいう。第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2変動表示部の変動表示を実行するための実行条件が成立したことを示すデータである。第2実行条件とは、第2始動入賞口16への遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されることにより成立する条件をいう。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのそれぞれには、抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)のうち未だ後述する第1開始条件または第2開始条件が成立していない数値データが、予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
第1始動入賞口14の下方には、第1変動表示部において予め定められた特定表示結果としての大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、第1特別可変入賞装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第1特別可変入賞装置20の第1大入賞口21には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第1大入賞口21から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切替えるための経路切替え部材(シーソー)を駆動するソレノイド(ここでは図示を省略し、図3にソレノイド73として示す)も設けられている。
入賞球装置17の下方には、第2変動表示部において予め定められた特定表示結果としての大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド75によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備えている。ソレノイド75は、第2特別可変入賞装置22の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第2特別可変入賞装置22の第2大入賞口23には、V入賞領域と、V入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第2大入賞口23から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ69で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ68で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切替えるための経路切替え部材(シーソー)を駆動するソレノイド(ここでは図示を省略し、図3にソレノイド76として示す)も設けられている。
なお、この実施の形態では、第1変動表示部に大当り図柄が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22とを備えている例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞装置としては、1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1変動表示部に大当り図柄が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置とを同一(共通)の特別可変入賞装置を用いて構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8の第1実行条件成立に関わる可変入賞球装置15と、第2特別図柄表示器9の第2実行条件成立に関わる入賞球装置17とをそれぞれ備えている例について説明したが、これに限らず、第1および第2実行条件成立に関わる入賞装置を1つとし、この入賞装置が第1変動表示部および第2変動表示部という2つの変動表示部の第1および第2実行条件の成立に関わるようにしてもよい。その場合には、入賞装置に遊技球が入賞したときにいずれの変動表示部(第1変動表示部と第2変動表示部とのいずれか)にて変動表示を実行するかを選択する構成としてもよく、また、2つの変動表示部について予め定められた所定の順序(たとえば、第1変動表示部と第2変動表示部とを交互に変動表示対象とする)で変動表示を実行するように構成してもよい。
第1飾り変動表示部8kの左下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる第1普通図柄表示器12が設けられている。この第1普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である第1普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第1普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、第1普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、第1普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。第1普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を第1普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、第1普通図柄表示器12のさらに下方には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する第1普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この第1普通図柄保留記憶表示器18は、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、第1普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
この実施の形態では、第1普通図柄表示器12にて、「○」と「×」の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は非時短状態では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。第1普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第1始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
以上、第1普通図柄表示器12および第1普通図柄保留記憶表示器18について説明したが、第2飾り変動表示部9kの右下方に第2普通図柄表示器13および第2普通図柄保留記憶表示器19が設けられている。この第2普通図柄表示器13も、第1普通図柄表示器12と同様に、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。第2ゲート29を遊技球が通過して第2ゲートスイッチ66で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である第2普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第2普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。この記憶数に基づき、第2普通図柄表示器13において変動表示が行なわれる。また、この記憶数に基づき、第2普通図柄保留記憶表示器19において、LEDが点灯される。第2普通図柄表示器13における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第1始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。前面枠における遊技領域7の外周左部および外周右部には、遊技効果ランプ40が複数設けられている。また、左右の遊技効果ランプ40の近傍には、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ(図1では省略し、図3等に示す)と、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ(図1では省略し、図3等に示す)とが、設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な遊技について説明する。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示省略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1変動表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1変動表示部の変動表示を開始する。第1変動表示部の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数を増加させる。
また、遊技球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2変動表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2変動表示部の変動表示を開始する。第2変動表示部の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数を増加させる。
第1変動表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに設定される変動表示時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第1変動表示部で導出表示された表示結果が特定遊技状態(大当り遊技状態)としての大当りの発生する大当り図柄となると、第1大当り遊技状態に移行する。第1大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放されてから一定期間(たとえば、30秒間)経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が第1大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に遊技球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。なお、V入賞領域を設けずに、第1特別可変入賞球装置20の開放を常に大当りに対応する最大許容回数(たとえば、15回)まで許容するようにしてもよい。
第2変動表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに設定される変動表示時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第2変動表示部で導出表示された表示結果が大当り図柄となると、第2の特定遊技状態としての第2大当り遊技状態に移行する。第2大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に遊技球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。なお、V入賞領域を設けずに、第2特別可変入賞球装置22の開放を常に大当りに対応する最大許容回数(たとえば、15回)まで許容するようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9で導出表示(停止)された表示結果が確率変動を伴なう大当り図柄である場合には、確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態に制御される。確変状態に制御されているときには、次に大当りになる確率が、通常状態であるときの確率よりも高くなる。通常状態とは、大当り遊技状態以外であってかつ確変状態以外の遊技状態をいう。本実施の形態においては、確率変動を伴なう大当り図柄を確変大当り図柄といい、確率変動を伴なわない大当り図柄を非確変大当り図柄という。この実施の形態の場合では、たとえば非確変状態よりも大当りになる確率が高い確変状態を高確状態ともいい、逆に、そのような高確状態と比べて大当り確率が低い通常状態のような非確変状態を低確状態ともいう。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されるとともに、第1飾り変動表示部8kに大当り図柄が導出表示されたことにより発生する遊技者にとって有利な大当り遊技状態(以下、第1大当り、または、第1大当り遊技状態という)と、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されるとともに、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄が導出表示されたことにより発生する遊技者にとって有利な大当り遊技状態(以下、第2大当り、または、第2大当り遊技状態という)とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等が同一)の価値が付与される大当り遊技状態としている。しかし、これに限らず、一方の大当り遊技状態を他方の大当り遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっている。しかし、これに限らず、3以上の複数系統の表示部を備え、3以上の複数(任意の自然数)の表示部で識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
さらに、第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9で導出表示された表示結果が確変大当り図柄のうち変動時間を短縮する変動時間短縮制御を伴なう大当り図柄である場合には、確変状態に制御されるとともに変動時間短縮制御を行なう変動時間短縮状態(以下、時短状態と呼ぶ)に制御される。時短状態とは、通常状態に比べて、第1変動表示部、第2変動表示部、第1普通図柄表示器12、および第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。本実施の形態における確変大当り図柄は、確変状態に制御されるが時短状態に制御されない第1確変大当り図柄と、確変状態に制御されるとともに時短状態に制御される第2確変大当り図柄とを含む。また、本実施の形態における非確変大当り図柄は、確変状態および時短状態に制御されない通常大当り図柄と、確変状態に制御されないが時短状態に制御される時短大当り図柄とを含む。
時短状態中では、第1変動表示部、第2変動表示部、第1普通図柄表示器12、および第2普通図柄表示器13において変動表示される図柄の変動時間が短縮されるので、保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示しやすくなる。このため、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、時短状態に制御されるとさらに次の制御が行なわれる。時短状態中では、非時短状態中と比べて、特別図柄、飾り図柄、および普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされる制御が行なわれる。このため、時短状態中は、非時短状態中と比べて、可変入賞球装置15が開放状態となりやすいため、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなる。これにより、時短状態中は、非時短状態中と比べて、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合を高くすることができる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態ともいい、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常状態のような非時短状態を低ベース状態ともいう。
停止時の第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における表示結果が、通常大当り図柄となった場合に制御される通常状態を低確低ベース状態といい、時短大当り図柄となった場合に制御される時短状態を低確高ベース状態といい、第1確変大当り図柄となった場合に制御される確変状態を高確低ベース状態といい、第2確変大当り図柄となった場合に確変状態に制御されるとともに時短状態に制御された状態を高確高ベース状態という。なお、本実施の形態において、低確高ベース状態、高確低ベース状態、あるいは高確高ベース状態に制御された場合、後述するように、制御されてから予め定められた終了回数(たとえば、100回)分の変動表示が行なわれたこと、または通常大当り図柄となったことにより低確低ベース状態に制御される。
第1飾り変動表示部8kにおいて表示される飾り図柄は、第1特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある。同様に、第2飾り変動表示部9kにおいて表示される飾り図柄は、第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。また、第1特別図柄表示器8の表示結果が大当り図柄となる場合には、第1飾り変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する大当り図柄となるように制御されることにより、両表示結果の整合性が保たれるように制御される関係等が含まれる。第2特別図柄表示器9の表示結果が大当り図柄となる場合には、第2飾り変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する大当り図柄となるように制御されることにより、両表示結果の整合性が保たれるように制御される関係等が含まれる。
ここで、図2を参照して、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9において変動表示される特別図柄と、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示される飾り図柄との関係について具体的に説明する。図2は、特別図柄と飾り図柄との関係を説明するための図である。
特別図柄は、大当り図柄、およびはずれ図柄を含む。大当り図柄は、通常大当り図柄、時短大当り図柄、第1確変大当り図柄、および第2確変大当り図柄を含む。特別図柄についての通常大当り図柄は、「0」または「1」が該当する。また、飾り図柄についての通常大当り図柄は、偶数図柄の3つ揃いが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「0」または「1」が導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kに偶数図柄の3つ揃いが表示結果として導出表示される。
特別図柄についての時短大当り図柄は、「2」または「3」が該当する。また、飾り図柄についての時短大当り図柄は、「0」の3つ揃いが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「2」または「3」が導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kに「0」の3つ揃いが表示結果として導出表示される。
特別図柄についての第1確変大当り図柄は、「4」または「5」が該当する。また、飾り図柄についての第1確変大当り図柄は、「1」または「3」の3つ揃いが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「4」または「5」が導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kに「1」または「3」の3つ揃いが表示結果として導出表示される。
特別図柄についての第2確変大当り図柄は、「6」または「7」が該当する。また、飾り図柄についての第2確変大当り図柄は、「5」、「7」、あるいは「9」の3つ揃いが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「6」または「7」が導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kに「5」、「7」、あるいは「9」の3つ揃いが表示結果として導出表示される。
特別図柄についてのはずれ図柄は、「8」または「9」が該当する。また、飾り図柄についてのはずれ図柄は、3つ揃い以外の全ての組合せが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「8」または「9」のいずれかが導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kに3つ揃い以外の組合せが表示結果として導出表示される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおいて、図柄が停止することで当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、第1の変動表示部と第2の変動表示部とのそれぞれについては、大当りとなることが決定されたときに、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
図3は、パチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータまたはCPUについても同様である。
また、主基板31には、スイッチ回路32、ソレノイド回路33、LED駆動回路77、および、情報出力回路34が搭載されている。スイッチ回路32は、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、および、通常入賞スイッチ(図示省略)等の各種検出手段からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。通常入賞スイッチとは、遊技領域7に設けられた通常入賞口と呼ばれる入賞領域に入賞した遊技球を検出するスイッチをいう。
ソレノイド回路33は、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド71、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内の経路切替え部材を駆動するソレノイド73、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、および、第2大入賞口23内の経路切替え部材を駆動するソレノイド76等を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令にしたがって駆動する。LED駆動回路77は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの制御信号に応じて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、第1普通図柄表示器12、第2普通図柄表示器13、第1普通図柄保留記憶表示器18、および、第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれに駆動信号を出力する。情報出力回路34は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータにしたがって、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する。
主基板31には、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれに出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれに出力し制御を行なう。
また、主基板31は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれに出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31には、第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれに出力し制御を行なう。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)等がバックアップRAMに保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50からの球貸要求信号に応じて貸球の払出しを行なうとともに、遊技盤6に設けられた各入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払出しを行なう装置である球払出装置44を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、表示制御基板80に表示制御コマンド、発光制御コマンド、および、音制御コマンドとしての機能を含む演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。表示制御基板80には、各種の演出制御を行なう演出制御手段としての表示制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。表示制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のCPU、RAM、ROM、I/Oポート部(図示省略)を含む。この表示制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに応じて、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kの表示制御、各種発光手段の制御、および、スピーカ27を用いた遊技音発生制御等の各種演出の制御を行なう。表示制御用マイクロコンピュータ800が制御する発光手段には、装飾ランプ25、遊技効果ランプ40、賞球ランプ51、および、球切れランプ52が含まれる。
演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1演出制御コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2演出制御コマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
表示制御用のCPUは、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドにしたがって、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には次のような制御を行なう。表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ800の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)、映像ROM、および、VRAM(Video Ram)が搭載されている(具体的には図4に示す)。
VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、画像データを生成し、変動表示部の表示制御を行なう。映像ROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像データを予め格納しておくためのものである。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。表示制御用のCPUは、受信した演出制御コマンドにしたがって、映像ROMから必要なデータを読出し、そのデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用のCPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。VDPは、表示制御用のCPUから入力されたデータにしたがって、受信した演出制御コマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に表示するための画像データを生成してVRAMに画像データを展開し、演出制御コマンドに応じた変動表示部に画像を表示するための処理を行なう。これらの具体的な構成は、図4を用いて後述する。
また、表示制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35に前述した各種発光手段の駆動信号を出力し、パチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに基づいて、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kでの演出表示に対応して、音の出力および発光を、スピーカ27および前述の発光手段により行なうための制御も行なう。
図4は、表示制御基板80において画像表示のための処理を行なう回路の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、表示制御基板80は、表示制御用マイクロコンピュータ800に加えて、VDP81,91、映像ROM82,92、VRAM83,93、および、LCD駆動回路84,94が設けられている。表示制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のCPU803、制御ROM801、および、RAM802等を含む。VDP81、映像ROM82、VRAM83、および、LCD駆動回路84は、第1飾り変動表示部8kに対応して設けられ、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために設けられている。また、VDP91、映像ROM92、VRAM93、および、LCD駆動回路94は、第2飾り変動表示部9kに対応して設けられ、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために設けられている。
制御ROM801は、CPU803によって利用される各種制御プログラムおよび制御データ等を格納する半導体メモリである。具体的には、制御ROM801は、たとえば、後述する図20〜図26に示すような制御用プログラム等を格納している。
CPU803は、主基板31から表示制御を指示するための演出制御コマンドを受信すると、演出制御コマンドにより指定された飾り変動表示部に画像を表示するために、RAM802を作業領域として用いながら、制御ROM801から表示制御を行なうための表示制御データを読出す。
たとえば、CPU803は、飾り図柄の変動表示を行なう場合に、演出制御コマンドにより指示された変動パターンに応じた表示制御データを読出す。そして、CPU803は、読出した表示制御データに基づいて、表示すべき(展開すべき)画像(スプライト画像の場合スプライト番号;動画像の場合、動画番号およびフレーム番号)や展開レイヤ・位置・サイズ・透明度(画像を半透明にする設定値)・描画順序、施すべきエフェクトの種類(拡大縮小率、回転角度、パレット番号)などを特定した各種設定パラメータであるアトリビュートを含む描画コマンドを作成し、その描画コマンドを、画像を表示する飾り変動表示部に対応するVDPに送る。
VDP81は、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために設けられたVDPである。また、VDP91は、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために設けられたVDPである。各VDPは、CPU803から送られてきた描画コマンドに基づき、画像を生成する際に使用するデータテーブルとしてのアトリビュートテーブルを作成する。また、このようなVDPは、画像表示を行なうための表示制御機能および高速描画機能を有し、アトリビュートテーブルのデータにしたがって、各種画像の変形(拡大縮小、トリミング)や合成などの処理を行なう機能を有する。また、各VDPは、圧縮されている動画データを伸長する機能も有する。
VRAM83は、VDP81が画像を生成する際に、画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。また、VRAM93は、VDP91が画像を生成する際に、画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。各VDPは、CPU803から送信される描画コマンドに基づきアトリビュートテーブルを作成し、対応関係にある映像ROMから必要な画像データを読出して、描画エリアとして、対応関係にあるVRAM内のフレームバッファを利用して、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じた表示用の画像データを生成し、当該画像データを、当該VRAMにおいて展開して当該VRAM内のフレームバッファに一時的に記憶させる。
映像ROM82には、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために用いる各種画像データが記憶されている。映像ROM92には、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために用いる各種画像データが記憶されている。各映像ROMに記憶された画像データは、たとえば、人物、動物または文字(数字)、図形もしくは記号等からなる各種画像を表示するためのデータである。このような画像データには、スプライト画像を表示するためのスプライト画像データ、および、動画像を表示するためのフレーム画像データが含まれている。
なお、各種画像としては、平面な画像であるスプライトの代わりに、3Dオブジェクトによる画像を用いてもよい。3Dオブジェクトのデータは、仮想三次元空間における、複数の座標データからなる。3Dオブジェクトが、たとえば、5つの頂点を有するピラミッドの形状をしている場合、当該3Dオブジェクトのデータは、5つの頂点の座標データとなる。また、動画像としては、たとえば、ビデオCD(Video Compact Disk)に利用されているMPEG1(Moving Picture Experts Group phase 1)、DVD(Digital Video Disc),デジタル放送等に利用されているMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)、一部のデジタル家電に利用されているMPEG4(Moving Picture Experts Group phase 4)、次世代のDVDに採用が予定されているH.264、その他のフレーム間圧縮の原理を利用した符号化方式、各フレーム毎の画像をJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮したモーションJPEG(Motion-JPEG)、その他のフレーム内圧縮の原理を利用した符号化方式のうちのいずれかの方式で圧縮されているものであってもよい。また、動画像としては、圧縮されていない複数のフレーム画像から構成される動画像を用いてもよい。
LCD駆動回路84は、画像データをビデオ信号に変換して第1飾り変動表示部8kに出力する回路である。また、LCD駆動回路94は、画像データをビデオ信号に変換して第2飾り変動表示部9kに出力する回路である。各VDPは、対応するVRAMで展開された画像データに基づいて、対応する飾り変動表示部に画像を表示するために、対応するVRAMから展開された画像データを読出して出力する。各VDPから出力される画像データは、対応するLCD駆動回路によりビデオ信号に変換され、そのビデオ信号が、対応する飾り変動表示部に出力される。
なお、飾り変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ設けられる。すなわち、飾り変動表示部の数に対応した数のVDPが設けられる。また、1つのVDPで複数の飾り変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図5は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図5には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R6のランダムカウンタが示されている。
R1は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれの変動表示について大当り遊技状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「400」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
第1始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されると第1実行条件が成立し、R1が抽出されて第1保留記憶データとしてRAM55に記憶される。同様に、第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると第2実行条件が成立し、R1が抽出されて第2保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、大当り遊技終了後に制御される遊技状態に応じた大当り図柄を変動表示の表示結果として決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定され、遊技状態が変化しない。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、大当り遊技終了後に制御する遊技状態を、低確低ベース状態とするか、低確高ベース状態とするか、高確低ベース状態とするか、あるいは高確高ベース状態とするかの判定(遊技状態判定)するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R2は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎に1ずつ加算更新される。R2は、R1と同じタイミングで抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R2の抽出値は、特別図柄の変動表示を開始する前の所定のタイミングで読出され、後述する遊技状態判定用テーブルを用いて、大当り遊技終了後に制御する遊技状態が決定される。
R3は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として停止させる特別図柄をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「5」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間にそれぞれ1ずつ加算更新される。R3は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽出されたR3の値および遊技状態等に基づき、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として停止させる特別図柄が決定される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
なお、本実施の形態においては、R2の値を用いて遊技状態判定を行ない、R3の値を用いて特別図柄の停止図柄を決定する特別図柄決定を行なう例について説明したが、これに限らず、遊技状態判定および特別図柄決定を1つのランダムカウンタのカウント値を用いて行なうように構成してもよい。大当り判定により大当りとすることが決定されたときには、当該ランダムカウンタからのカウント値に基づき、大当り図柄から停止図柄を決定する特別図柄決定を行なうとともに、当該決定された停止図柄が第1確変大当り図柄であるか、第2確変大当り図柄であるか、時短大当り図柄であるか、通常大当り図柄であるかにより遊技状態判定を行なうように構成してもよい。
R4は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するためのランダムカウンタである。R4は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウント値と変動パターンとの関係に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。
R5は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。R5は、「0」からカウントアップしてその上限である「39」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。変動表示が行なわれる前の段階で、R5の値が抽出され、抽出されたR5の値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しない場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R6は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R6は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「11」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎に1ずつ加算更新される。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
図6は、表示制御用マイクロコンピュータ800が表示制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図6には、ランダムカウンタの一例として、飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3が示されている。
RU−1〜RU−3は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタである。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごと、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
飾り図柄は、予め定められた図柄の配列順序にしたがって変動(更新)表示されていく。複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定(R1による判定)ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の最終表示結果となる停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,中の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−3から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が右図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、遊技状態判定(R2による判定)で低確高ベース状態とすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された数値データに対応する時短大当り図柄が左,中,右の各飾り図柄の表示結果となる停止図柄として決定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、遊技状態判定(R2による判定)で高確高ベース状態とすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された数値データに対応する第2大当り図柄が左,中,右の各飾り図柄の表示結果となる停止図柄として決定される。同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、遊技状態判定(R2による判定)において決定された状態に対応する大当り図柄がが左,中,右の各飾り図柄の表示結果となる停止図柄として決定される。
図7は、大当り判定(R1による判定)に用いる大当り判定値を記憶した大当り判定用テーブルを説明するための図である。大当り判定用テーブルは、通常状態において用いられる通常時大当り判定用テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定用テーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
通常時大当り判定用テーブルは、R1から抽出され得る値が、通常時にルックアップされる値として大当りにする判定を行なう大当り判定値と、はずれにする判定を行なう値とに予め振分けられて構成されている。通常時大当り判定用テーブルは、ランダムR1からの値が、「7」のいずれかであるときに大当りにする判定を行ない「7」以外の値であるときにはずれにする判定を行なうように、振分が設定されている。
また、確変時大当り判定用テーブルは、ランダムR1から抽出され得る値が、確変時にルックアップされる値として大当りにする判定を行なう値と、はずれにする判定を行なう値とに予め振分けられて構成されている。確変時大当り判定用テーブルは、ランダムR1からの値が、「0〜9」のいずれかであるときに大当りにする判定を行ない、「0〜9」以外の値であるときにはずれにする判定を行なうように、振分が設定されている。
図8は、遊技状態判定(R2による判定)に用いる遊技状態判定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における遊技状態判定用テーブルは、前述したROM54に予め記憶されている。
遊技状態判定用テーブルは、低確低ベース状態で発生した大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態の決定に用いられる低確低ベース状態時テーブル、低確高ベース状態で発生した大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態の決定に用いられる低確高ベース状態時テーブル、高確低ベース状態で発生した大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態の決定に用いられる高確低ベース状態時テーブル、および、高確高ベース状態で発生した大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態の決定に用いられる高確高ベース状態時テーブルを含む。図8においては、遊技状態判定用テーブルとして、各確率・ベース状態に用いるテーブルが比較可能な状態でまとめて示されている。
低確低ベース状態で大当りとする判定がされたときには、低確低ベース状態時テーブルを用いて、大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態が選択決定される。より具体的に、R2の抽出値が「0」〜「59」のいずれかのときには、低確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「60」〜「79」のいずれかのときには、低確高ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「80」〜「94」のいずれかのときには、高確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「95」〜「99」のいずれかのときには、高確高ベース状態に制御することが決定される。低確低ベース状態では、低確低ベース状態の選択確率が60%、低確高ベース状態の選択確率が20%、高確低ベース状態の選択確率が15%、高確高ベース状態の選択確率が5%である。
低確高ベース状態で大当りとする判定がされたときには、低確高ベース状態時テーブルを用いて、大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態が選択決定される。より具体的に、R2の抽出値が「0」〜「29」のいずれかのときには、低確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「30」〜「69」のいずれかのときには、低確高ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「70」〜「79」のいずれかのときには、高確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「80」〜「99」のいずれかのときには、高確高ベース状態に制御することが決定される。低確高ベース状態では、低確低ベース状態の選択確率が30%、低確高ベース状態の選択確率が40%、高確低ベース状態の選択確率が10%、高確高ベース状態の選択確率が20%である。
高確低ベース状態で大当りとする判定がされたときには、高確低ベース状態時テーブルを用いて、大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態が選択決定される。より具体的に、R2の抽出値が「0」〜「19」のいずれかのときには、低確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「20」〜「29」のいずれかのときには、低確高ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「30」〜「69」のいずれかのときには、高確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「70」〜「99」のいずれかのときには、高確高ベース状態に制御することが決定される。高確低ベース状態では、低確低ベース状態の選択確率が20%、低確高ベース状態の選択確率が10%、高確低ベース状態の選択確率が40%、高確高ベース状態の選択確率が30%である。
高確高ベース状態で大当りとする判定がされたときには、高確高ベース状態時テーブルを用いて、大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態が選択決定される。より具体的に、R2の抽出値が「0」〜「4」のいずれかのときには、低確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「5」〜「19」のいずれかのときには、低確高ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「20」〜「39」のいずれかのときには、高確低ベース状態に制御することが決定される。R2の抽出値が「40」〜「99」のいずれかのときには、高確高ベース状態に制御することが決定される。高確高ベース状態では、低確低ベース状態の選択確率が5%、低確高ベース状態の選択確率が15%、高確低ベース状態の選択確率が20%、高確高ベース状態の選択確率が60%である。
このように、大当りとするときに、各大当り遊技終了後の遊技状態が選択される割合は、大当りとする判定がされたときの確率・ベース状態により異なるように設定されている。
このような図8では、確率・ベース状態ごとの大当り遊技終了後に制御される遊技状態の選択割合について、次に示すような設定が行なわれている。
大当りとなったときの確率状態と、高ベース状態となる大当りとの関係は、次のとおりである。低ベース状態を例にとると、低ベース状態では、高確率状態に制御されている高確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベース状態となる確率が40%、低確率状態に制御されている低確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベース状態となる確率が25%であり、高確率状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも大当り遊技状態後に高ベース状態に制御すると決定する割合が高い。また、高ベース状態を例にとると、高ベース状態では、高確率状態に制御されている高確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベース状態となる確率が75%、低確率状態に制御されている低確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベース状態となる確率が60%であり、高確率状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも大当り遊技状態後に高ベース状態に制御すると決定する割合が高い。このように、図8のデータテーブルでは、高確率状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも大当り遊技状態後に高ベース状態に制御すると決定する割合が高くなるような設定がされている。
また、大当りとなったときのベース状態と、高ベース状態となる大当りとの関係は、次のとおりである。低確率状態を例にとると、低確率状態では、高ベース状態に制御されている低確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベースとなる確率が60%、低ベース状態に制御されている低確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベースとなる確率が25%であり、高ベース状態に制御されているときの方が低ベース状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高ベース状態に制御すると決定する割合が異なる。また、高確率状態を例にとると、高確率状態では、高ベース状態に制御されている高確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベースとなる確率が75%、低ベース状態に制御されている高確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高ベースとなる確率が40%であり、高ベース状態に制御されているときの方が低ベース状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高ベース状態に制御すると決定する割合が異なる。このように、このように、図8のデータテーブルでは、高ベース状態に制御されているときの方が低ベース状態に制御されているときよりも大当り遊技状態後に高ベース状態に制御すると決定する割合が高くなるような設定がされている。
また、大当りとなったときの確率状態と、高確率状態となる大当りとの関係は、次のとおりである。低ベース状態を例にとると、低ベース状態では、高確率状態に制御されている高確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が70%、低確率状態に制御されている低確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が20%であり、高確率状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高確率状態に制御すると決定する割合が高い。また、高ベース状態を例にとると、高ベース状態では、高確率状態に制御されている高確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が80%、低確率状態に制御されている低確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が30%であり、高確率状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高確率状態に制御すると決定する割合が高い。このように、図8のデータテーブルでは、高確率状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高確率状態に制御すると決定する割合が高くなるような設定がされている。
また、大当りとなったときのベース状態と、高確率状態となる大当りとの関係は、次のとおりである。低確率状態を例にとると、低確率状態では、高ベース状態に制御されている低確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が30%、低ベース状態に制御されている低確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が20%であり、高ベース状態に制御されているときの方が低ベース状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高確率状態に制御すると決定する割合が高い。また、高確率状態を例にとると、高確率状態では、高ベース状態に制御されている高確高ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が80%、低ベース状態に制御されている高確低ベース状態で大当り遊技状態終了後に高確率状態となる確率が70%であり、高ベース状態に制御されているときの方が低ベース状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高確率状態に制御すると決定する割合が高い。このように、図8のデータテーブルでは、高ベース状態に制御されているときの方が低確率状態に制御されているときよりも、大当り遊技状態後に高確率状態に制御すると決定する割合が高くなるような設定がされている。
図9は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)における変動パターンを選択決定するために用いるデータを記憶した変動パターン選択用のデータテーブルを説明するための図である。変動パターン選択用のデータテーブルは、時短状態において用いられる短縮変動パターンを選択決定するために用いられる短縮変動パターンデータテーブルと、非時短状態において用いられる非短縮変動パターンを選択決定するために用いられる非短縮変動パターンデータテーブルと、強制的にはずれとする場合に用いられる強制はずれ変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
図9(a)は、前述した時短状態であるときにルックアップされる非短縮変動パターンデータテーブルである。非短縮変動パターンデータテーブルでは、R1を用いての大当り判定の結果およびR5を用いてのリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、および、大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。この場合における変動パターンという情報には、変動パターンの種類と、変動表示を実行する時間(変動表示時間)とを特定可能な情報が含まれている。
R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「通常A変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「通常B変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「リーチA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「リーチB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「リーチC変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「大当りA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「大当りB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「大当りC変動パターン」が選択決定される。
図9(b)は、前述した時短状態に制御されているときにルックアップされる短縮変動パターンデータテーブルである。短縮変動パターンデータテーブルでは、非短縮変動パターンデータテーブルの場合と同様に、R1を用いての大当り判定の結果およびR5を用いてのリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、および、大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常C変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常D変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチD変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチE変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチF変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りD変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りE変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りF変動パターン」が選択決定される。
図9(c)は、強制的にはずれとする場合にルックアップされる強制はずれ変動パターンデータテーブルである。本実施の形態における強制的にはずれとする場合とは、他方の変動表示部における大当り判定により大当りにする判定がされてから、当該大当り遊技が終了するまでをいう。強制はずれ変動パターンデータテーブルでは、非短縮・短縮変動パターンデータテーブルの場合と異なり、R1を用いての大当り判定の結果、およびR5を用いてのリーチ判定の結果に関わらず、R4の抽出値に基づき、変動パターンが決定される。
R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常E変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「通常E変動パターン」が選択決定される。
なお、本実施の形態における変動表示に用いられる変動パターンは、後述するように第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)または第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)において変動表示が開始されるときに、図12を用いて後述する第1特別図柄プロセス処理におけるS142および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて、図9で説明したデータテーブルをルックアップして、決定される。
次に、確変状態および時短状態における第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)の動作を説明する。
図10では、第2確変大当りとなり高確高ベース状態に制御されてから、変動表示の回数が予め定められた終了回数に到達することにより、高確高ベース状態を終了し、低確低ベース状態に制御される場合における第1変動表示部および第2変動表示部の動作を説明する。図10は、第1変動表示部および第2変動表示部の表示状態に応じてパチンコ遊技機の状態を説明するタイミングチャートである。
図10において、(a)では確変状態と非確変状態とのどちらに制御されているかが示され、(b)では時短状態と非時短状態とのどちらに制御されているかが示され、(c)では大当り遊技状態と非大当り遊技状態とのどちらに制御されているかが示され、(d)では大当り判定により大当りにする判定がされたことを示す大当りフラグ、および大当り遊技中であることを示す大当り実行中フラグの状態が示され、(e)では第1変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示され、(f)では第2変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示されている。なお、図10中の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(f)のそれぞれにおけるタイミングを示しており、以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング4と表示する。
タイミング1は、第1変動表示部で変動表示の表示結果が第2確変大当り図柄となるときの変動表示が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2は、タイミング1で第1変動表示部において開始された変動表示が終了し、第2確変大当り図柄が表示結果として導出表示され大当り遊技状態が発生したときのタイミングを示している。タイミング3は、タイミング2で開始された大当り遊技状態が終了したときのタイミングを示している。タイミング4は、確変状態および時短状態を終了させる終了条件の一つである、所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されたときのタイミングを示している。
タイミング3よりも前においては、確変フラグおよび時短フラグがセットされておらず確変状態および時短状態のいずれでもないため、通常の大当り発生確率に基づき後述する大当り判定が行なわれ、図9(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。したがって、タイミング3よりも前に開始される変動表示については、通常状態での大当り発生確率(通常の大当り発生確率)で大当り判定が行なわれ、図9(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定されている。
タイミング1は、第1変動表示部において今から開始させる変動表示の表示結果を第2確変大当り図柄にする変動表示を開始させるタイミングである。本実施の形態においては、(d)に示すように、タイミング1で大当りフラグがセットされる。
タイミング2は、タイミング1において開始された変動表示が終了し、表示結果として第2確変大当り図柄が導出表示されたタイミングである。本実施の形態においては、(d)に示すように、タイミング2で大当り実行中フラグがセットされる。また、(c)に示すように大当り遊技状態に制御される。なお、タイミング1〜タイミング2の間に、第2変動表示部において開始された変動表示に用いる変動パターンは、図9(c)で説明した強制はずれ変動パターンデータテーブルを用いて決定された変動パターンである。また、(f)に示すように、第2変動表示部における変動表示の変動時間の計時は、タイミング2から大当り遊技終了を示すタイミング3に到るまでの間、中断される。
タイミング3は、(c)に示すように、タイミング2で開始された大当り遊技状態が終了したタイミングである。本実施の形態においては、(d)に示すように、大当りフラグ、および大当り実行中フラグがリセットされる。また、タイミング2で中断されていた第2変動表示部における変動時間の計時が再開される。
また、(a)および(b)に示すように、タイミング3で確変フラグおよび時短フラグがセットされる。確変フラグは、遊技状態を示す状態データであって、フラグのデータがセット状態にあるときに確変状態に制御されていることを示し、フラグのデータがリセット状態にあるときに確変状態に制御されていないことを示す。また、時短フラグは、遊技状態を示す状態データであって、フラグのデータがセット状態にあるときに時短状態に制御されていることを示し、フラグのデータがリセット状態にあるときに時短状態に制御されていないことを示す。これにより、パチンコ遊技機1は、以後開始される変動表示について、高確高ベース状態で大当り判定および変動パターン決定が行なわれる。確変フラグおよび時短フラグ等の遊技制御用マイクロコンピュータ53において用いられる各種フラグのデータは、RAM55に記憶され、更新される。
確変フラグおよび時短フラグの状態は、タイミング3の後において、大当り判定により大当りにすると判定されたときに成立する第1の終了条件成立まで、または、タイミング3の後において所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されることにより成立する第2の終了条件成立まで継続する。第1の終了条件が成立した場合には、図10のタイミング4に示すように、大当り図柄が導出表示されることなく所定回数(たとえば100回)目の変動表示が開始されるときに、確変フラグおよび時短フラグがリセットされる。このように、確変フラグおよび時短フラグは、高確高ベース状態において第1の終了条件または第2の終了条件が成立した場合に、当該第1の終了条件または第2の終了条件を成立させることとなる変動表示の開始時にリセットされる。
なお、タイミング3からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、高確状態に制御されることにより、確変状態での大当り発生確率(高確率の大当り発生確率)で大当り判定が行なわれる。タイミング3からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、高ベース状態に制御されることにより時短状態となるため、図9(b)で説明した短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。
タイミング4は、高確高ベース状態に制御されてから所定回数(たとえば100回)の変動表示が開始されるタイミングである。(a)および(b)で示すように、確変フラグおよび時短フラグがリセットされる。これにより、高確高ベース状態が終了し、低確低ベース状態に制御される。また、(e)で示すように、タイミング4のときに開始される変動表示に用いる変動パターンは、図9(b)で説明した短縮変動パターンデータテーブルを用いて決定された変動パターンである。(f)で示すように、タイミング4以降に開始される変動表示においては、図9(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて決定された変動パターンが用いられる。
以上、高確高ベース状態に制御され、高確高ベース状態を終了し、低確低ベース状態に制御する場合について説明したが、他の遊技状態についても同様である。たとえば、第1変動表示部と第2変動表示部とのうちいずれかの変動表示部での変動表示において時短大当り図柄が導出表示されると、当該時短大当り遊技終了後に、時短フラグがセットされて低確高ベース状態に制御される。第1変動表示部と第2変動表示部とのうちいずれかの変動表示部での変動表示において第1確変大当り図柄が導出表示されると、当該時短大当り遊技終了後に、確変フラグがセットされて高確低ベース状態に制御される。これにより、当該変動表示により発生する大当り遊技の終了後に開始される変動表示について、各々対応する状態に基づき、大当り判定および変動パターン決定等が行なわれる。確変フラグおよび時短フラグは、第1の終了条件(大当り判定により大当りとすると判定されたこと)が成立するまでに第2の終了条件(所定回数の変動表示が行なわれること)が成立すると、当該第2の終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる。また、確変フラグおよび時短フラグは、第1の終了条件が成立すると、当該第1の終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる(タイミング4参照)。
次に、パチンコ遊技機1における制御動作について説明する。図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図11においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御メイン処理においては、まずステップS(以下、単にSという)1において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S2においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S2における乱数更新処理では、前述のR3〜R5の値が更新される。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後、次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S2の処理が繰返し行なわれることとなる。
(b)に示すタイマ割込処理においては、まず、電源基板から電源断信号が出力されているか否かを確認して必要に応じて所定のバックアップ動作を行なう電源断処理(S11)を実行した後、S12〜S25の割込処理である遊技制御処理を実行する。
遊技制御処理において、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等の各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を行なう(S12)。
そして、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S13)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1特別可変入賞装置20等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、S14において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S14の乱数更新処理では、前述のR1〜R6のそれぞれが更新される。
次いで、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S15)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、第1普通図柄プロセス処理を行なう(S16)。第1普通図柄プロセス処理では、第1普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための第1普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次いで、第2普通図柄プロセス処理を行なう(S17)。第2普通図柄プロセス処理では、第2普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための第2普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。第1普通図柄プロセス処理を実行することにより第1普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行され、第2普通図柄プロセス処理を実行することにより第2普通図柄表示器13の表示制御が実行される。
次いで、第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示される第1飾り図柄および第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示される第2飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して、演出制御コマンドを送出する飾り図柄コマンド制御処理を行なう(S18)。さらに、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S19)。
そして、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等の賞球の払出しに関わる各種スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S20)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す賞球制御信号を出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号に応じて球払出装置44を駆動し、賞球を払出させる制御を行なう。
そして、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S21)。また、パチンコ遊技機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S22)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S23)を実行する。可変入賞球装置15、第1特別可変入賞装置20、第2特別可変入賞装置22を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23内の遊技球通路を切替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73,75,76を駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S24)。特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S25)。普通図柄表示制御処理では、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S26)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1変動表示部を構成する第1特別図柄表示器8と第2変動表示部を構成する第2特別図柄表示器9との2つの表示器によって特別図柄の変動表示が実行され、第1変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kと第2変動表示部を構成する第2飾り変動表示部9kとの2つの変動表示部によって飾り図柄の変動表示が実行される。そして、第1変動表示部と第2変動表示部とのうちいずれか一方の変動表示部で、変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このように、変動表示部を複数備えて、それぞれの変動表示部にて図柄の変動表示を行なう遊技機では同時に大当り遊技状態が発生するおそれがある。このため、この実施の形態では、2つの変動表示部にて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御が行なわれる。以下、これらの制御を含めて、第1変動表示部および第2変動表示部での表示制御を主に説明する。なお、以下の説明においては、主に第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kを制御する処理について説明するが、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kを制御する処理についても同様の制御が実行される。
次に、第1特別図柄プロセス処理(S13)および第2特別図柄プロセス処理(S15)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1変動表示部を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2変動表示部を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容についての重複した説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1変動表示部という処理対象を第2変動表示部という処理対象に置換え、かつ、第1特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第1特別図柄プロセス処理(S13)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1変動表示部を制御する処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄プロセス処理において、以下のような処理を行なう。まず、第1始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S131)、第1始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第1始動口スイッチ通過処理では、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(上限が4つの保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、前述の大当り判定用のランダムカウンタR1および遊技状態判定用のランダムカウンタR2から数値データ(乱数)を抽出し、それらを第1保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データを抽出するとは、数値データを生成させるためのカウンタから数値データを読出して、読出した数値データを乱数の値とすることである。
第1特別図柄通常処理(S140):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。また、第1変動表示部において所定時間(60秒)変動表示が行なわれなかったときには、デモ表示開始タイミングとなり、いわゆるデモ画面を第1飾り変動表示部8kにおいて表示させるためのデモ表示処理(たとえば、デモ表示コマンドをセット)が行なわれる。
第1特別図柄停止図柄設定処理(S141):ランダムカウンタR3の抽出値を用いて、変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄を決定する。さらに、導出表示する第1飾り図柄の情報を指定する第1停止図柄情報コマンドがセットされる。ここでセットされた第1停止図柄情報コマンドは、図11のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
第1変動パターン設定処理(S142):変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、図9で説明したデータテーブルを用いて、R4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択決定することにより、第1特別図柄表示器8での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8での変動表示について、変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、第1特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図11のS24において出力される。また、第1飾り図柄の変動表示時間の情報を含む変動パターンを指令するコマンドである第1変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた第1変動パターンコマンドは、図11のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(S143):第1変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S142でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、第1特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(S144):第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kのそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図11のS24において出力される。そして、第1飾り図柄を停止させるための第1図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄停止コマンドは、図11のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、第1大当り遊技状態が開始されることを示す第1大当り開始コマンドがセットされる。ここでセットされた第1大当り開始コマンドは、図11のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1大当り遊技状態が開始されるときには、第1特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。そうでないときには、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(S145):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、第1特別図柄プロセスタイマに第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(S146):第1大当り遊技状態中のラウンド表示を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態の継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、第1特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合、すなわち、第1大当り遊技状態が終了するときには、前述した第1大当り終了コマンドがセットされる。第1大当り終了コマンドとしては、時短大当り遊技状態が終了したときに時短大当り終了コマンドが、第1確変大当り遊技状態が終了したときに第1確変大当り終了コマンドが、第2確変大当り遊技状態が終了したときに第2確変大当り終了コマンドが、通常大当り遊技状態が終了したときに通常大当り終了コマンドが、セットされる。ここでセットされた第1大当り終了コマンドは、図11のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(S147):第1大当り遊技状態が終了するときの表示を表示制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
第1大当り終了処理では、大当り遊技終了後の遊技状態が、低確高ベース状態に制御される場合時短フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。これにより、低確高ベース状態への制御を開始することができる。第1大当り終了処理では、大当り遊技終了後の遊技状態が、高確低ベース状態に制御される場合確変フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。これにより、高確低ベース状態への制御を開始することができる。第1大当り終了処理では、さらに、大当り遊技終了後の遊技状態が、高確高ベース状態に制御される場合、時短フラグおよび確変フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。これにより、高確高ベース状態への制御を開始することができる。第1大当り終了処理では、大当り遊技終了後の遊技状態が、低確低ベース状態に制御される場合、時短フラグおよび確変フラグをリセットする処理が行なわれる。これにより、低確高ベース状態、高確低ベース状態、あるいは高確高ベース状態を終了させて、低確低ベース状態への制御を開始することができる。
図13は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。なお、第1特別図柄通常処理は、第1特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合に実行される。
まず、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S31)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(図示しない)でセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)でリセットされる。
第2大当り実行中フラグがセットされていないときには、第1保留記憶カウンタの値を確認し、第1保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S32)。S31において第2大当り実行中フラグがセットされていると判断されたとき、またはS32において第1保留記憶数が0であると判断されたときは、第1特別図柄通常処理を終了する。
一方、S32において第1保留記憶数が0でないと判断されたときは、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する第1保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S34)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S35a)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。ここで、第1変動表示部における変動表示の開始条件である第1開始条件とは、S34で各乱数が読み出され得る状態で、S32において第1保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件をいう。第2変動表示部における変動表示の開始条件である第2開始条件とは、第2特別図柄通常処理におけるS34に相当する処理において各乱数が読み出され得る状態で、第2特別図柄通常処理におけるS32に相当する処理において第2保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件をいう。
次に、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S35b)。第2大当りフラグは、大当り判定により、第2特別図柄表示器9に大当り図柄を導出表示させて第2大当り遊技状態を開始させると決定されたときに第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄通常処理(図示しない)でセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)でリセットされる。
第2大当りフラグがセットされていると判断されたときには、強制的にはずれにするための強制はずれフラグをセットする処理を行ない(S35c、図10(f)のタイミング1)、S40に進む。このように、S35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断された場合、後述するS36〜S39の処理を行なわないようにS35cに移行する制御を非特定遊技状態制御という。これにより、強制的にはずれ図柄を変動表示の表示結果として停止表示させることができる。
一方、第2大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S36)、大当り判定処理を実行する(S37)。大当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、第1大当り終了処理または第2大当り終了処理において確変フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する。確変フラグがオン状態にセットされているときには、遊技状態が高確状態であると判断し、表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いるテーブルとして、確変時大当り判定用テーブル(図7参照)の大当り判定値を設定する。一方、確変フラグがオン状態にセットされていないときには、遊技状態が低確状態であると判断し、表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いるテーブルとして、通常時大当り判定用テーブル(図7参照)の大当り判定値を設定する。そして、第1特別図柄通常処理のS34で読出した大当り判定用乱数と大当り判定値とを比較し、大当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに大当りとする決定を行ない、これらが一致しないときに大当りとしない(はずれとする)決定を行なう。
大当り判定処理の結果、第1大当りとすることに決定した場合には(S38においてY)、第1大当りフラグをセットする(S39、図10(d)のタイミング1)。一方、第1大当り遊技状態としないことに決定した場合には(S38においてN)、第1大当りフラグをセットしない。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)に対応した値に更新し(S40)、第1特別図柄通常処理を終了する。
以上の第1特別図柄通常処理においては、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されて第2大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、その大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、その大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S140)におけるS31でYが選択され、S31以降の処理が実行されない。このように、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されて第2大当り遊技状態が発生したときには第1変動表示部で特別図柄の変動表示を開始させない制御が行なわれる。
また、第2特別図柄通常処理で第2変動表示部に大当り図柄を導出表示し第2大当り遊技状態を発生させることが決定され第2大当りフラグがセットされてから、その大当り遊技状態が終了し第2大当りフラグがリセットまでの特定期間には、第1特別図柄通常処理(S140)におけるS35bでYが選択され、S35cで強制はずれフラグがセットされる。このように、特定期間には、第1変動表示部で特別図柄の変動表示の表示結果を大当り図柄とさせない強制はずれ制御が行なわれる。
図14は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S41)。第1大当りフラグがセットされていないときにはR3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて第1特別図柄のはずれ図柄を決定する(S46)。すなわち、R3から抽出した乱数に基づいて、「8」または「9」から表示結果として導出表示する第1特別図柄を決定する。なお、強制はずれフラグがセットされているときには、S39の処理が行なわれず第1大当りフラグがセットされていないため、強制的にはずれ図柄を決定することとなる。そして、後述するS47に進む。
一方、第1大当りフラグがセットされているときには、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定用テーブルを設定する処理が行なわれる(S42a)。始動入賞時にR2から抽出しS34により読出したR2の抽出値に基づいて、S42aにおいて設定された遊技状態判定用テーブルをルックアップし、大当り遊技状態が終了した後に制御する遊技状態を決定する処理が行なわれる(S42b)。
そして、S42cにおいては、S42bにおいて高確低ベース状態に制御すると決定されたか否かが判断される。S42bにおいて高確低ベース状態に制御すると判断されたときには、R3から乱数を抽出しその抽出値に基づいて、第1確変大当り図柄である「4」または「5」から大当り図柄を決定し、第1大当りフラグとして第1確変大当りを示す第1確変大当りフラグをセットする処理が行なわれる(S42d)。たとえば、抽出したランダムR3の値が0,2,4のいずれかのときに第1確変大当り図柄である「4」を大当り図柄として決定し、抽出したランダムR3の値が1,3,5のときに第1確変大当り図柄である「5」を大当り図柄として決定する処理が行なわれる。その後は、後述するS47へ進む。
一方、S42cにおいて高確低ベース状態に制御すると判断されなかったときには、S42eにおいて高確高ベース状態に制御すると決定されたか否かを判断する処理が行なわれる。S42eにおいて高確高ベース状態に制御すると判断されたときには、R3から乱数を抽出しその抽出値に基づいて、第2確変大当り図柄である「6」または「7」から大当り図柄を決定し、第1大当りフラグとして第2確変大当りを示す第2確変大当りフラグをセットする処理が行なわれる(S42f)。たとえば、抽出したランダムR3の値が0,2,4のいずれかのときに第2確変大当り図柄である「6」を大当り図柄として決定し、抽出したランダムR3の値が1,3,5のときに第2確変大当り図柄である「7」を大当り図柄として決定する処理が行なわれる。その後は、後述するS47へ進む。
一方、S42eにおいて高確高ベース状態に制御すると判断されなかったときには、S42gにおいて低確高ベース状態に制御すると決定されたか否かを判断する処理が行なわれる。S42gにおいて低確高ベース状態に制御すると判断されたときには、R3から乱数を抽出しその抽出値に基づいて、時短大当り図柄である「2」または「3」から大当り図柄を決定し、第1大当りフラグとして時短大当りを示す時短大当りフラグをセットする処理が行なわれる(S42h)。たとえば、抽出したランダムR3の値が0,2,4のいずれかのときに時短大当り図柄である「2」を大当り図柄として決定し、抽出したランダムR3の値が1,3,5のときに時短大当り図柄である「3」を大当り図柄として決定する処理が行なわれる。その後は、後述するS47へ進む。
一方、S42gにおいて低確高ベース状態に制御すると判断されなかったときには、低確低ベース状態に制御する場合であるため、R3から乱数を抽出しその抽出値に基づいて、通常大当り図柄である「0」または「1」から大当り図柄を決定し、第1大当りフラグとして通常大当りを示す通常大当りフラグをセットする処理が行なわれる(S42i)。たとえば、抽出したランダムR3の値が0,2,4のいずれかのときに通常大当り図柄である「0」を大当り図柄として決定し、抽出したランダムR3の値が1,3,5のときに通常大当り図柄である「1」を大当り図柄として決定する処理が行なわれる。その後は、後述するS47へ進む。
S47では、送信する第1停止図柄情報コマンドを選択する処理が行なわれる。具体的に、S46によりはずれ図柄が決定されたとき、すなわち、第1大当りフラグがセットされていないときには、第1停止図柄情報コマンドとして、はずれ図柄とすることを指定するコマンドを選択する。一方、第1大当りフラグがセットされているときには、次のように第1停止図柄情報コマンドを選択する。第1確変大当りフラグがセットされているときには、第1停止図柄情報コマンドとして、第1確変大当り図柄とすることを指定するコマンドを選択する。また、第2確変大当りフラグがセットされているときには、第1停止図柄情報コマンドとして、第2確変大当り図柄とすることを指定するコマンドを選択する。時短大当りフラグがセットされているときには、第1停止図柄情報コマンドとして、時短大当り図柄とすることを指定するコマンドを選択する。通常大当りフラグがセットされているときには、第1停止図柄情報コマンドとして、通常大当り図柄とすることを指定するコマンドを選択する。
次に、S47により選択された第1停止図柄情報コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S48)。このように第1停止図柄情報コマンドが設定されると、図11のS18において第1停止図柄情報コマンドが出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S142)に対応した値に更新し(S49)、第1特別図柄停止図柄設定処理を終了する。
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S142)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、強制はずれフラグがセットされているか否かを判断する処理が行なわれる(S61a)。強制はずれフラグは、前述したように、第1または第2大当りフラグがセットされているときに第1または第2特別図柄通常処理においてセットされる。強制はずれフラグがセットされていると判断されたときには、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図9(c)の強制はずれ用の強制はずれ変動パターンデータテーブルを選択し(S61b、図10(f)のタイミング2より前に開始された変動パターン)、強制はずれフラグをリセットした後に(S61c)、S69に進む。これにより、強制的にはずれにする場合には、強制はずれ時専用の強制はずれ変動パターンデータテーブルを用いて、変動パターンを決定することができる。
一方、強制はずれフラグがセットされていないと判断されたときには、第1変動表示部側の変動表示について大当りとする決定がされているか否か、すなわち第1大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S61d)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS65に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S62)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、時短状態に制御されていない通常状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図9(a)の非短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S63)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、時短状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図9(b)の短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S64)、S69に進む。
また、S65に進んだときは、変動表示結果をはずれとすることが決定されているので、R5から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてリーチ判定をする(S65)。この場合のリーチ判定結果は、リーチフラグ等のデータにより保存される。そして、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S66)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、通常状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図9(a)の非短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S67)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、時短状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図9(b)の短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S68)、S69に進む。S67およびS68のそれぞれにおいては、S65でリーチとしないことが決定されているときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが選択され、リーチとすることが決定されているときには、リーチはずれ決定時データテーブルが選択される。
S69では、R4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、S61b,S63,S64,S67,S68により選択された変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。そして、確変フラグおよび時短フラグを管理する処理としての特別遊技処理が行なわれる(S70)。特別遊技処理の処理内容についは、図16を用いて後述する。
次に、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S71)。具体的には、第1特別図柄表示器8で第1特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図11のS24で出力される。そして、S69により選択された変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S72)。このように変動パターンコマンドが設定されると、図11のS18において第1変動パターンコマンドが出力される。そして、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8についての変動表示時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S73)。第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄表示器8での変動表示時間を管理するために用いられるタイマである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理(S143)に対応した値に更新し(S74)、第1変動パターン設定処理を終了する。
図16は、特別遊技処理(S70)を示すフローチャートである。特別遊技処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、時短フラグまたは確変フラグの少なくとも一方がセットされているか否かを判断する処理が行なわれる(S710)。時短フラグまたは確変フラグの少なくとも一方がセットされていると判断されたときには、確変状態または時短状態の少なくとも一方に制御されているので、今回実行する変動表示に基づいて、変動回数を1加算する(S711)。そして、変動回数が、予め設定されている終了回数(100回)に到達したか否かを判別する(S712)。S712においては、ROM54から予め定められた終了回数のデータを読込んで終了回数を設定し、判別に用いる。S712により、第2の終了条件の成立が判別されている。到達していないときには、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S714)。S714において、大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、特別遊技処理を終了する。S714により、第1の終了条件の成立が判別されている。一方、S712において到達していると判断されたとき、またはS714において大当りフラグがセットされていると判断されたときには、セットされている時短フラグおよび確変フラグをリセットし(S713、図10(a)および(b)のタイミング4)、特別遊技処理を終了する。
このように、本実施の形態での確変状態や時短状態に制御されているとき、すなわち低確高ベース状態、高確低ベース状態、あるいは高確高ベース状態に制御されているときには、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれが開始される毎にS711において変動回数が1ずつ加算される。そして、S712において変動回数が終了回数に到達したと判断されたとき、または到達していないときであってもS714において大当りフラグがセットされていると判断されたときは、S713においてセットされている時短フラグおよび確変フラグがリセットされる。本実施の形態においては、第1の終了条件、または第2の終了条件が成立した場合に、低確高ベース状態、高確低ベース状態、あるいは高確高ベース状態を終了させる例について説明したが、これに限らず、第1の終了条件および第2の終了条件のいずれか一方のみの成立を判断し、成立した場合に、低確高ベース状態、高確低ベース状態、あるいは高確高ベース状態を終了させるように構成してもよい。
以上のように、本実施の形態においては、確変状態や時短状態に制御されている場合、はずれとなる変動表示が所定回数実行されるときに、確変フラグおよび時短フラグがリセットされて、低確高ベース状態、高確低ベース状態、あるいは高確高ベース状態を終了させ、低確低ベース状態に制御させることができる。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S143)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(S81)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(S82)、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S83)。第1大当りフラグがセットされていれば、第1大当り実行中フラグをセットし(S84)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S144)に対応した値に更新する(S85)。また、前記のS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、第1特別図柄プロセスフラグの値を更新せずに第1特別図柄変動処理を終了する。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が行なわれる。また、S84で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S15)で第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示を中断させる処理が実行される。
一方、S80で第2大当りフラグがセットされていれば、第1中断フラグがセットされているか否か確認する(S86)。第1中断フラグがセットされていなければ、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S87)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、前述のS81に進む。一方、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第1中断フラグをセットする(S88)。そして、第1特別図柄の変動表示を中断するための処理を行なう(S89)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を中断させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図11の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。さらに、第1中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして(S89a)、第1特別図柄変動処理を終了する。第1中断コマンドは、第1飾り変動表示部8kで変動表示を行なっている第1飾り図柄の変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S89aでセットされた第1中断コマンドは、図11の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。すなわち、S87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S81の処理を実行しないため、第1特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、第1中断フラグをセットし、第1中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8で第1特別図柄の変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する第1特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、表示制御基板80に第1飾り図柄の変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が発生してから、当該大当り遊技状態が終了するまでは第1変動表示部における図柄の変動表示を中断させる処理を行なっている(図10(f)のタイミング2〜3参照)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S144)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、第1特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S90)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図11の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。これにより、第1特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、第1図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S91)。第1図柄停止コマンドは、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指示するコマンドである。S91でセットされた第1図柄停止コマンドは、図11の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1図柄停止コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S92)。S92で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(S140)におけるS38で大当りと判定されて第1大当りフラグがセットされたときには、第1大当りが開始されることを示す第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S93)。S93でセットされた第1大当り開始コマンドは、図11の飾り図柄コマンド制御処理(S18)により表示制御基板80に送信される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S145)に対応した値に更新し(S94)、第1特別図柄停止処理を終了する。
表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1大当り開始コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに大当り遊技状態を開始する旨の表示および開放時用の表示等、大当り遊技状態における画像を表示するための制御を行なう。
また、前述のS92で第1大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S95)、第1特別図柄停止処理を終了する。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S147)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1特別図柄停止図柄設定処理または第2特別図柄停止図柄設定処理においてセットされている大当りフラグの種類(第1確変大当りフラグ、第2確変大当りフラグ、時短大当りフラグ、通常大当りフラグ)に対応する確変フラグおよび時短フラグをセットする処理が行なわれる(S110、図10(a)および(b)のタイミング3)。たとえば、第1確変大当りフラグがセットされているときには、確変フラグをオン状態にセットする。第2確変大当りフラグがセットされているときには、確変フラグおよび時短フラグをオン状態にセットする。時短大当りフラグがセットされているときには、時短フラグをオン状態にセットする。通常大当りフラグがセットされているときには、確変フラグおよび時短フラグをリセットする。
次に、第1大当り実行中フラグをリセットする(S111)。S111で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄通常処理が実行されて第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。
そして、第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理でセットされた第2中断フラグをリセットし(S112)、第1大当りフラグをリセットする(S113)。そして、図17の第1特別図柄変動処理と同様の処理を行なう第2特別図柄変動処理において、第1大当りの発生により前述のように中断されていた第2特別図柄の変動表示を再開するための処理を行なう(S114)。具体的には、第2特別図柄表示器9で変動表示を行なっている第2特別図柄の変動表示を再開させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図11の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。
さらに、第2再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S115)。ここで、第2再開コマンドとは、第2飾り変動表示部9kで中断している第2飾り図柄の変動表示の再開を指示するコマンドである。第2再開コマンドを送信するのは、第1変動表示部側で発生した大当り遊技状態によって中断された第2変動表示部側での変動表示を再開させるためである。また、S115でセットされた第2再開コマンドは、図11の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、再開コマンドを受信すると、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄の変動表示を再開する制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S116)、第1大当り終了処理を終了する。
次に、表示制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図20は、表示制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。
初期化処理が終了すると、表示制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、表示制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、表示制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、タイマ割込フラグをクリアし、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。コマンド解析処理の内容については、図21を用いて後述する。次いで、第1演出制御プロセス処理を行なう(S206)。第1演出制御プロセス処理の内容については、図23を用いて後述する。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第1飾り変動表示部8kの表示制御を含む演出制御を実行する。次に、第2演出制御プロセス処理を行なう(S207)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第2飾り変動表示部9kの表示制御を含む演出制御を実行する。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S210)。乱数更新処理においては、たとえば、変動表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いるランダムカウンタRU−1〜RU−3等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、表示制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、表示制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、表示制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAMに設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図20のS205によるコマンド解析処理を説明する。図21は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S211)、受信コマンドがないときには、コマンド解析処理を終了する。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S212)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが前述の停止図柄情報コマンド(第1停止図柄情報コマンド、第2停止図柄情報コマンド)であるか否かを判断する(S213)。受信コマンドが停止図柄情報コマンドであるときには、停止図柄情報コマンドが示す停止図柄情報を示すデータをRAM802に設けられた停止図柄情報格納エリアに格納する(S214)。そして、受信したコマンドに対応して、受信した停止図柄情報コマンドを特定可能な受信フラグである停止図柄情報受信フラグをセットして(S215)、S211に戻る。
また、受信コマンドが停止図柄情報コマンドでないときは、読出した受信コマンドが前述の変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド)であるか否かを判断する(S216)。変動パターンコマンドであるときには、変動パターンコマンドが示す変動パターンを特定するデータを、RAM802に設けられた変動パターンデータ格納エリアに格納する(S217)。そして、受信したコマンドに対応して、受信した変動パターンコマンドを特定可能な受信フラグである変動パターン受信フラグをセットする(S218)。そして、第1飾り図柄および第2飾り図柄のそれぞれについて、表示結果として導出表示させる図柄の組合せを決定する図柄決定処理を行なう(S219)。図柄決定処理の処理内容については、図22を用いて後述する。そして、図柄決定処理において決定した図柄のデータをRAM802に設けられた決定図柄データ格納エリアに格納し(S220)、S211に戻る。
また、受信コマンドが変動パターンコマンドでないときは、読出した受信コマンドが前述の大当り開始コマンド(第1大当り開始コマンド、第2大当り開始コマンド)であるか否かを判断する(S223)。大当り開始コマンドであるときには、受信した大当り開始コマンドを特定可能な受信フラグである大当り開始コマンド受信フラグをセットし(S224)、S211に戻る。
また、前述のS223において受信コマンドが大当り開始コマンドではないと判断されたとき(前述したコマンド以外のその他のコマンドであるとき)には、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応したコマンド受信フラグをセットし(S225)、S211に戻る。すなわち、S225は、前述した停止図柄情報コマンド、変動パターンコマンド、および、大当り開始コマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて示したものである。
図22は、コマンド解析処理における図柄決定処理(S219)を示すフローチャートである。図柄決定処理においては、まず、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S231)。具体的に、大当り図柄とすることを指定する第1停止図柄情報コマンドを受信したときは、表示結果を大当り図柄の組合せとすると判断する。一方、はずれ図柄とすることを指定する第1停止図柄情報コマンドを受信したときは、表示結果を大当り図柄の組合せとしないと判断する。S231により大当り図柄の組合せとしないと判断されたときは、リーチとするか否かに応じて、変動表示の表示結果としてのはずれ図柄の組合せをランダムに決定し(S232)、図柄決定処理を終了する。S232では、次のようにはずれ図柄の組合せを決定する。
まず、RU−1〜3の値を抽出する。変動パターンコマンドとしてリーチA変動パターン等のリーチはずれとなる変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、RU−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,中図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、予め定められたRU−3と右図柄との関係が予め定められた右図柄決定用データテーブルを用いて、RU−3の抽出値から対応する右図柄を選択する。ただし、RU−3の抽出値に対応する右図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように右図柄を変更する補正を行なう。また、変動パターンコマンドとして通常A変動パターン等の非リーチはずれとなる変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、RU−1の値と左図柄との関係が予め定められた左図柄決定用データテーブル、前述の右図柄決定用データテーブル、および、RU−2の値と中図柄との関係が予め定められた中図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RU−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが一致するときには、一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。
また、S231の判断により大当り図柄の組合せとするときには、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を、高確低ベース状態に制御させる第1確変大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S233)。具体的に、第1確変大当り図柄とすることを指定する停止図柄情報コマンドを受信したときは、第1確変大当り図柄の組合せとすると判断する。S233により第1確変大当り図柄の組合せとすると判断されたときは、変動表示の表示結果として、第1確変大当り図柄の組合せからRU−1の抽出値に対応する第1確変大当り図柄を選択し、その第1確変大当り図柄を左,中,右図柄の停止図柄の組合せとして決定し(S234)、図柄決定処理を終了する。
S233の判断により高確低ベース状態に制御しないと判断されたときには、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を、高確高ベース状態に制御させる第2確変大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S235)。具体的に、第2確変大当り図柄とすることを指定する停止図柄情報コマンドを受信したときは、第2確変大当り図柄の組合せとすると判断する。S235により第2確変大当り図柄の組合せとすると判断されたときは、変動表示の表示結果として、第2確変大当り図柄の組合せからRU−1の抽出値に対応する第2確変大当り図柄を選択し、その第2確変大当り図柄を左,中,右図柄の停止図柄の組合せとして決定し(S236)、図柄決定処理を終了する。
S235の判断により高確高ベース状態に制御しないと判断されたときには、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を、低確高ベース状態に制御させる時短大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S236)。具体的に、時短大当り図柄とすることを指定する停止図柄情報コマンドを受信したときは、時短大当り図柄の組合せとすると判断する。S236により時短大当り図柄の組合せとすると判断されたときは、変動表示の表示結果として、時短大当り図柄を左,中,右図柄の停止図柄の組合せとして決定し(S238)、図柄決定処理を終了する。
S237の判断により低確高ベース状態に制御しないと判断されたときには、低確低ベース状態に制御させるときであるため、変動表示の表示結果として、通常大当り図柄の組合せからRU−1の抽出値に対応する通常大当り図柄を選択し、その通常大当り図柄を左,中,右図柄の停止図柄の組合せとして決定し(S238)、図柄決定処理を終了する。
次に、図20のS206による第1演出制御プロセス処理および図20のS207による第2演出制御プロセス処理について説明する。第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2演出制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1演出制御プロセス処理をこれらの演出制御プロセス処理の代表例として説明し、第2演出制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置換え、かつ、第1演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2演出制御プロセス処理の処理内容となる。
図23は、図20のS206による第1演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてS241〜S246のうちいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(S241):第1変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、第1変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、第1演出制御プロセスフラグの値をS242に応じた値に更新する。第1変動パターンコマンド受信待ち処理の内容については、図24を用いて後述する。
第1図柄変動開始処理(S242):第1変動パターンコマンドに応じた飾り図柄の変動パターンを、実際に第1飾り変動表示部8kでの変動表示に使用する変動パターンとして決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動時間を設定し、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄(左,右,中図柄)の変動を開始させる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS243に応じた値に更新する。第1図柄変動開始処理の内容については、図25を用いて後述する。
第1図柄変動中処理(S243):第1飾り変動表示部8kでの飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、第1飾り図柄の左,右,中図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS244に応じた値に更新する。第1図柄変動中処理の内容については、図26を用いて後述する。
第1図柄停止待ち処理(S244):第1変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して第1飾り図柄の全図柄停止を指示するコマンド(第1図柄停止コマンド)を受信したら、図22の図柄決定処理で決定された飾り図柄の組合せを、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示の表示結果として停止表示する制御を行なう。その後、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS245に応じた値に更新し、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS241に応じた値に更新する。
第1大当り表示処理(S245):第1飾り変動表示部8kでの飾り図柄の変動時間の終了後、大当りとなった旨を報知する表示を行なう。具体的に、前述の第1大当り開始コマンドを受信したことに応じて、大当りとなった旨を報知する表示が行なわれる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS246に応じた値に更新する。
第1大当り遊技中処理(S246):大当り遊技状態中の表示制御を行なう。たとえば、前述のように第1大当り開始コマンドを受信したことに応じて、開放時用画像を表示する。また、ソレノイド72によって第1特別可変入賞装置20の大入賞口を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口が開放中であることを示す演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、大当り遊技が終了したときに、大当り遊技状態を終了させるときの演出としての大当り終了表示を行ない、演出制御プロセスフラグの値をS241に応じた値に更新する。
図24は、図23のS241による第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理では、まず、第1変動パターンコマンドを受信したときにセットされる受信フラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S251)。第1変動パターンコマンドを受信したと判断されたときは、その受信フラグをリセットし(S252)。第1演出制御プロセスフラグの値を第1図柄変動開始処理(S242)に対応した値に更新し(S253)、第1変動パターンコマンド受信待ち処理を終了する。
また、前述のS251で第1変動パターンコマンドを受信したと判断したときは、そのまま第1変動パターンコマンド受信待ち処理を終了する。
次に、図23のS242による第1図柄変動開始処理について説明する。図25は、図23の第1図柄変動開始処理(S242)を示すフローチャートである。第1図柄変動開始処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定する(S261)。具体的に、S261では、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターンでの変動表示に用いられるデータが選択されて設定されることにより、変動パターンが設定される。そして、第1飾り変動表示部8kでの変動表示時間を計時するための第1変動時間タイマが変動パターンに対応する変動表示時間にセットされ、計時が開始される(S262)。
次に、S261で設定された変動パターンで、第1飾り変動表示部8kにおいて表示結果を導出表示するための第1飾り図柄の変動表示を開始する(S263)。そして、第1演出制御プロセスフラグを第1図柄変動中処理(S243)に対応した値に更新し(S264)、第1図柄変動開始処理を終了する。
図26は、図23の第1図柄変動中処理(S243)を示すフローチャートである。第1図柄変動中処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、第1変動中断フラグがセットされているか否かを確認し(S271)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1中断コマンドを受信したか否かを確認する(S275)。ここで、変動中断フラグとは、前述した特別図柄の変動表示の中断に合わせて飾り図柄の変動表示を中断する状態であることを示すフラグである。また、中断コマンドには、第1飾り変動表示部8kでの変動表示の中断を指示する第1中断コマンドと、第2飾り変動表示部9kでの変動表示の中断を指示する第2中断コマンドとがある。
そして、S275で第1中断コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(S276)、第1飾り変動表示部8kにおいて、第1飾り図柄の変動表示の進行を中断(停止)させた表示を行なうとともに、第1飾り図柄の変動時間の計測が中断(停止)して変動表示の進行が中断しているが変動表示中である旨を示す変動中メッセージ100を表示する変動中断表示を行ない(S277)、リターンする。この変動中断表示においては、第1飾り図柄がはずれ図柄の組合せで仮停止されることにより、第1飾り図柄の変動表示が中断する。このような変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の変動表示部での変動時間を計測するタイマの更新が中断されている旨を意味する表示でもある。
また、S271で第1変動中断フラグがセットされていれば、第1再開コマンドを受信したか否かを確認する(S272)。S272で第1再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(S273)、第1飾り変動表示部8kで第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行ない(S274)、S278に進む。S272で第1再開コマンドを受信していなければ、リターンする。また、前述のS275で第1中断コマンドを受信していないときは、S278に進む。
S278では、前述の第1変動時間タイマと、第1変動中処理における表示制御を管理するために用いられるプロセスタイマとを更新する。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し(S279)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替えを行なう(S280)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマと演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S281)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、第1図柄変動中処理を終了する。一方、第1変動時間タイマがタイムアウトしていれば、監視タイマをスタートさせ(S282)、第1演出制御プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(S244)に対応した値に更新し(S283)、第1図柄変動中処理を終了する。
以上の処理によって、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄の組合せが導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断コマンドを受信したことに基づいて第1変動中断フラグをセットするとともに、第1飾り変動表示部8kにおいて、変動中断表示を行なう。そして、第1再開コマンドを受信するまでS278〜S283の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を中断する制御がなされる。
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御が行なわれる。また、このような変動表示を中断させる制御が行なわれている状態で、前述した大当り遊技状態が終了するときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ800により、中断されていた変動表示を再開させる制御が行なわれる。
次に、以上に説明した実施の形態の制御を行なったときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示態様について説明する。図27は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの演出表示の一例を示す説明図である。前述したように主基板31からは、表示制御基板80に第1飾り変動表示部8kにおける第1特別図柄8a〜8cの変動態様を指示する第1変動パターンコマンドと、第2飾り変動表示部9kにおける第2特別図柄9a〜9cの変動態様を指示する第2変動パターンコマンドとが送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに応じた変動表示部で飾り図柄の変動表示が行なわれるように制御する。すなわち、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの2つの変動表示部が設けられ、それぞれの変動表示部で飾り図柄の変動表示を並行して行なわれる。
この実施の形態で主基板31から送信される演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄8a〜8cの変動パターンを指示するコマンドと、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄9a〜9cの変動パターンを指示するコマンドとは、MODEまたはEXTを異ならせることにより主基板31から送信される変動パターンコマンドがいずれの変動表示部における特別図柄の変動パターンであるかを特定することが可能となる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図27(A)は、第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示の表示結果が停止表示され、第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示が実行されている表示画面を説明するための図である。第1飾り変動表示部8kにおいては、第1飾り図柄8a〜8cの表示結果として「591」が停止表示されている。ここでは、図27(A)に示す第2飾り変動表示部9kにおいて実行されている変動表示は、第2特別図柄通常処理において第2大当りフラグがセットされ(図13のS39参照)、第2変動パターン設定処理において選択決定された変動パターン(図15のS69参照)に対応する飾り変動パターンが用いられている場合について説明する。よって、第1飾り変動表示部8kで次に開始される変動表示についての第1特別図柄通常処理においては、第2大当りフラグがセットされているため、強制はずれフラグがセットされ(図13のS35c)、強制的にはずれにする非特定遊技状態制御が行なわれる。
図27(B)は、第1飾り変動表示部8kにおいて強制的にはずれにする変動表示が開始され、第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示が継続して実行されている表示画面を説明するための図である。
図27(C)は、第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示の表示結果が停止表示され、第2飾り変動表示部9kにおける変動表示においてリーチが発生した表示画面を説明するための図である。第1飾り変動表示部8kにおいては、第1飾り図柄8a〜8cの表示結果として「486」が停止表示されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄9a,9bの表示結果として同一の「7」が停止表示されリーチが発生している。なお、前述したように、第1飾り変動表示部8kで次に開始される変動表示についての第1特別図柄通常処理においては、未だ第2大当りフラグがセットされているため、強制はずれフラグがセットされ(図13のS35c)、非特定遊技状態制御が再度行なわれる。
図27(D)は、第1飾り変動表示部8kにおいて強制的にはずれにする変動表示が開始されている間に、第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示の表示結果として大当り図柄の組合せが停止表示されている表示画面を説明するための図である。図27(D)に示すように、第1飾り変動表示部8kにおいて第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が実行されている間に、すなわち、図17に示す第1特別図柄変動処理におけるS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないときに、第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(または第2特別図柄停止処理)で第2確変大当り図柄の組合せである「777」が導出表示されたことに基づいて第2大当り実行中フラグがセットされるとともに第2特別図柄停止処理で第2大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。
第2大当り実行中フラグがセットされると、第1特別図柄変動処理(S143)が実行されたときにS87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定され、S88で第1中断フラグがセットされるとともに、S89aで第1中断コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。表示制御用マイクロコンピュータ800は、図26の第1図柄変動中処理におけるS275で第1中断コマンドを受信したときにS276で第1変動中断フラグをセットするとともに、S277で変動中断表示を行なう。
図27(E)〜(G)は、第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示が中断され、第2飾り変動表示部9kにおいて大当り遊技が行なわれている表示画面を説明するための図である。図27(E)に示すように、表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに、「変動中」といったメッセージ表示を行なうとともにはずれ図柄の組合せを仮停止表示させる変動中断表示を行なう。つまり、変動表示を中断する第1飾り変動表示部8kにはずれ図柄を停止表示させる。このように、変動表示を中断する方の変動表示部ではずれ図柄を停止表示することにより遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。このとき、第2飾り変動表示部9kでは、大当り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が発生した旨を報知する表示が行なわれている。
また、図27(F)および(G)に示すように、「変動中」といったメッセージ表示は、大当り遊技状態が終了するまで表示される。このため、大当り遊技状態が終了するまで遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
また、大当り遊技状態が終了するときには、主基板31から第2大当り終了コマンド(時短大当り終了コマンド、第1確変大当り終了コマンド、第2確変大当り終了コマンド、通常大当り終了コマンド)が表示制御基板80に送信される。図27(G)には、第2大当り終了コマンドとしての第2確変大当り終了コマンドの受信に応じて、表示制御用マイクロコンピュータ800が、第2飾り変動表示部9kに、第2確変大当り遊技状態が終了したとともに高確高ベース状態になったことを報知する「高確高ベース!」といったメッセージ表示が行なわれている。このとき、主基板31から表示制御基板80にさらに第1再開コマンドが送信される。
図27(H)は、第1飾り変動表示部8kにおいて中断されていた変動表示が再開され、第2飾り変動表示部9kにおいて新たな変動表示が開始されている表示画面を説明するための図である。図27(H)に示すように、表示制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31からの第1再開コマンドを受信したことに基づいて、図26のS274で変動再開表示103として「変動再開」と表示させるとともに、図26のS278以降の処理が実行されて変動表示を再開させる制御が実行される。
このように、一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった場合には、一方の変動表示部における変動表示を中断する旨を示すメッセージ表示を行なうとともにはずれ図柄を仮停止表示させ、その後、その大当り遊技状態が終了したときに一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示を再開させる旨を示す変動再開表示103を行なうため、遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
図27(I)は、第1飾り変動表示部8kにおいて強制的にはずれにする変動表示の表示結果が停止表示され、第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示が継続して実行されている表示画面を説明するための図である。第1飾り変動表示部8kにおいては、第1飾り図柄8a〜8cの表示結果として「634」が停止表示されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄9aの表示結果として「1」が停止表示されている。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図8等に示すように、大当り遊技状態に制御されたときに移行する遊技状態として、低確低ベース状態、高確低ベース状態、および、高確高ベース状態が設けられているので、始動入賞のしやすさの設定が異なることに基づいてベースが異なる複数の遊技状態がある。このように、ベースが異なる複数の遊技状態があることにより、大当り遊技状態が発生するまでの遊技において、遊技状態が有利であるのか不利であるのかについて、遊技者が実感することができるようになる。
また、図8においては、高確低ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が40%であり、高確高ベース状態となる割合が30%である。一方、高確高ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が20%であり、高確高ベース状態となる割合が60%である。このように、高確低ベース状態に制御されているときと高確高ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に高確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(2) 図8においては、高確低ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が20%であり、高確高ベース状態となる割合が30%である。一方、高確高ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が5%であり、高確高ベース状態となる割合が60%である。このように、高確低ベース状態に制御されているときと高確高ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に低確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(3) 図8においては、低確低ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が15%であり、高確高ベース状態となる割合が5%である。一方、高確低ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が40%であり、高確高ベース状態となる割合が30%である。このように、低確低ベース状態に制御されているときと高確低ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に高確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(4) 図8においては、低確低ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が60%であり、高確高ベース状態となる割合が5%である。一方、高確低ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が20%であり、高確高ベース状態となる割合が30%である。このように、低確低ベース状態に制御されているときと高確低ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に低確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(5) 図8を参照して、大当り遊技終了後に、高確高ベース状態に制御される割合は、遊技状態が低確低ベース状態または高確低ベース状態に制御されているときよりも、高確高ベース状態に制御されているときの方が高くなるように設定されている。このため、低確低ベース状態または高確低ベース状態から高確高ベース状態に制御されることに対し、遊技者の期待感をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態では、たとえば、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄が導出表示され、第1飾り変動表示部8kで第1飾り図柄の変動表示が実行されているときには、図17の第1特別図柄変動処理のS87でYとなって第1中断フラグをセットして第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせないことを示した。また、前述の実施の形態では、たとえば、第1飾り変動表示部8kに大当り図柄が導出表示され、第2飾り変動表示部9kに第2飾り図柄の変動表示が実行されているときには、第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄変動処理におけるS84で第1大当り実行中フラグがセットされた時点で、第2特別図柄変動処理で第1特別図柄変動処理のS87〜S88に相当するステップによって、第1大当り実行中フラグがセットされていると判断されて第2中断フラグをセットして第2特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせないことを示した。このように、一方の変動表示部で大当り図柄が導出表示されたときに他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断することにより、複数の変動表示部で同時に大当り遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されるまで他方の変動表示部で図柄の変動表示が行なわれるため、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(7) 前述した実施の形態では、たとえば、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図13のS39と同様のステップにより第2大当りフラグがセットされてから、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図19のS113と同様のステップにより第2大当りフラグがリセットされるまでの特定期間には、図13のS35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断されて、S36〜S39の処理を行なわないようにS35cに移行する非特定遊技状態制御が行なわれる。また、図13のS39により第1大当りフラグがセットされてから、図19のS113により第1大当りフラグがリセットされるまでの特定期間には、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図13のS35bと同様のステップにより第1大当りフラグがセットされていると判断されて、S36〜S39の処理を行なわないようにS35cに移行する非特定遊技状態制御が行なわれる。このように、一方の変動表示部についての大当り判定で大当りにすることが決定されたときに他方の変動表示部において強制的にはずれにすることにより、複数の変動表示部で同時に大当り遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されるまで他方の変動表示部で図柄の変動表示が行なわれるため、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(8) 前述した実施の形態では、たとえば、第1変動パターン設定処理におけるS61aにおいて強制はずれフラグがセットされていると判断されたときに、S61bにおいて図9(c)の強制はずれ用の強制はずれ変動パターンデータテーブルを選択し、S69において一の変動パターンが選択される。また、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち、第1変動パターン設定処理におけるS61aと同様のステップにおいて強制はずれフラグがセットされていると判断されたときに、S61bと同様のステップにおいて図9(c)の強制はずれ用の強制はずれ変動パターンデータテーブルを選択し、S69と同様のステップにおいて一の変動パターンが選択される。このため、強制的にはずれにする非特定遊技状態制御が行なわれているときであっても、複数種類の強制はずれ専用の変動パターンの中から選択された変動パターンで変動表示を行なうことができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、図13のS35b〜S39および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて大当り判定を行ない、図14のS41〜S42bおよび第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて、低確低べース状態に制御するか、低確高べース状態に制御するか、高確低べース状態に制御するか、高確高ベース状態に制御するかを決定する例について説明した。すなわち、特定遊技状態に制御するか否かと、特定遊技状態終了後に特定遊技状態と異なる通常状態よりも変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御するか否か、および、特定遊技状態終了後に通常状態よりも始動領域へ遊技媒体が進入しやすい高進入状態に制御するか否かとを変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段を備える構成について説明した。
しかし、これに限らず、図13のS35b〜S39および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて大当り判定を行ない、図14のS41〜S42bおよび第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて、低確低べース状態に制御するか、低確高べース状態に制御するか、高確高べース状態に制御するかを決定するように構成してもよい。具体的には、特定遊技状態に制御するか否かと、特定遊技状態終了後に特定遊技状態と異なる通常状態に制御するか、特定遊技状態終了後に変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が通常状態よりも向上した第1高確率状態に制御するか、特定遊技状態終了後に変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が第1高確率状態と同一でありかつ第1高確率状態より始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第2高確率状態に制御するかとを変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段を備えるように構成してもよい。
(2) また、図13のS35b〜S39および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて大当り判定を行ない、図14のS41〜S42bおよび第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて、低確低べース状態に制御するか、低確高べース状態に制御するか、高確低べース状態に制御するかを決定するように構成してもよい。具体的には、特定遊技状態に制御するか否かと、特定遊技状態終了後に特定遊技状態と異なる通常状態に制御するか、特定遊技状態終了後に変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が通常状態よりも向上した第1高確率状態に制御するか、特定遊技状態終了後に通常状態より始動領域へ遊技媒体が進入しやすい高ベース状態に制御するかとを変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段を備えるように構成してもよい。この場合、図8を参照して説明したように、事前決定手段は、次に説明する割合で遊技状態を決定する。
(2−1) 高確低ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が40%であり、低確高ベース状態となる割合が10%である。一方、低確高ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が10%であり、低確高ベース状態となる割合が40%である。すなわち、事前決定手段は、第1高確率状態に制御されているときと高ベース状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に第1高確率状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に高ベース状態に制御する割合とを異ならせて決定する。このように、高確低ベース状態に制御されているときと低確高ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に高確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に低確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(2−2) 高確低ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が20%であり、低確高ベース状態となる割合が10%である。一方、低確高ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が30%であり、低確高ベース状態となる割合が40%である。すなわち、事前決定手段は、第1高確率状態に制御されているときと高ベース状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に通常状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に高ベース状態に制御する割合とを異ならせて決定する。このように、高確低ベース状態に制御されているときと低確高ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に低確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に低確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(2−3) 低確低ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が15%であり、低確高ベース状態となる割合が20%である。一方、高確低ベース状態で大当りが発生したときは、高確低ベース状態となる割合が40%であり、低確高ベース状態となる割合が10%である。すなわち、事前決定手段は、通常状態に制御されているときと第1高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に第1高確率状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に高ベース状態に制御する割合とを異ならせて決定する。このように、低確低ベース状態に制御されているときと高確低ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に高確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に低確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(2−4) 低確低ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が60%であり、低確高ベース状態となる割合が20%である。一方、高確低ベース状態で大当りが発生したときは、低確低ベース状態となる割合が20%であり、低確高ベース状態となる割合が10%である。すなわち、事前決定手段は、通常状態に制御されているときと第1高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に通常状態に制御する割合と、特定遊技状態終了後に高ベース状態に制御する割合とを異ならせて決定する。このように、低確低ベース状態に制御されているときと高確低ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に低確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に低確高ベース状態に制御すると決定する割合とを異ならせることができる。このため、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
(3) また、前述したものに限らず、低確低べース状態に制御するか、第1低確高べース状態に制御するか、第1低確高ベース状態よりも遊技者にとって有利な第2低確高ベース状態に制御されるように構成してもよい。具体的には、特定遊技状態に制御するか否かと、特定遊技状態終了後に特定遊技状態と異なる通常状態に制御するか、特定遊技状態終了後に通常状態より始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第1高ベース状態に制御するか、特定遊技状態終了後に第1高ベース状態より始動領域へ遊技媒体が進入しやすい第2高ベース状態に制御するか、とを変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段を備えるように構成してもよい。第2高ベース状態は、第1高ベース状態よりも、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率がさらに高められた状態、当り時における可変入賞球装置15の開放時間がさらに長くされる状態、あるいは当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされる状態のいずれか、またはこれらを選択的に組合せた状態であってもよい。
(4) また、前述したものに限らず、低確低べース状態に制御するか、第1高確低べース状態に制御するか、第1高確低ベース状態よりも遊技者にとって有利な第2高確低ベース状態に制御されるように構成してもよい。具体的には、特定遊技状態に制御するか否かと、特定遊技状態終了後に特定遊技状態と異なる通常状態に制御するか、特定遊技状態終了後に特定遊技状態と異なる通常状態よりも変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した第1高確状態に制御するか、特定遊技状態終了後に第1高確状態よりも変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した第2高確状態に制御するか、とを変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段を備えるように構成してもよい。
(5) 前述した実施形態においては、非特定遊技状態制御として、S35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断された場合に、S36〜S39の処理を行なわないようにし、S35cに移行する制御を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、非特定遊技状態制御としては、大当り遊技状態に制御すると決定しない制御であればよく、たとえば、常にはずれに決定される大当り判定用テーブルを用いて大当り判定を行なうように構成してもよい。
(6) 前述した実施形態においては、図13のS35b〜S39等で説明したように第1または第2大当りフラグがセットされていると判断された場合、S36〜S39等の大当り判定処理を行なわないようにS35cに移行する非特定遊技状態制御を行なうとともに、図17のS86〜S88等で説明したように第1または第2大当り実行中フラグがセットされていると判断された場合、第1または第2中断フラグがセットされ、以降S86の判別処理によりS81の処理が行なわれないようにする中断制御を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、非特定遊技状態制御または中断制御のいずれか一方を行なうように構成してもよい。
(7) 前述した実施の形態では、確変状態および時短状態の終了条件として、第1の終了条件と、第2の終了条件とを組合せた例を示した。しかし、これに限らず、確変状態および時短状態の終了条件としては、これらの条件に替えて、または、これらの条件に加えて、複数の変動表示部(第1変動表示部および第2変動表示部)で変動表示が実行されるごとに、確変状態および時短状態を終了させるか否かを抽選によりランダムに判定し(たとえば、所定のランダムカウンタから数値データを抽出して、その数値データが終了判定値と一致するときに時短状態を終了させる旨の判定をする、所謂パンク抽選)、その抽選により終了条件が成立したことというような抽選終了条件を採用してもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、複数の変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kとして、別個に構成された2つの表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、複数の変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kとしては、1つの表示装置の表示領域を画面上で複数(たとえば、2つ)の表示領域に分けて用い、表示制御用マイクロコンピュータ800が、そのように画面上で複数に分けられた表示領域を対象として、前述したような各種の表示制御を行なうようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、遊技の演出を制御する手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な表示制御用マイクロコンピュータを設けた。しかし、これに限らず、表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(10) また、前述した実施の形態に示す遊技機としては、遊技機において表示部を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(11) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(12) 前述した実施の形態では、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれについて、特別図柄表示器と飾り変動表示部とで構成される例を説明した。しかし、これに限らず、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれは、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、飾り変動表示部と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(13) 前述した実施の形態では、図19のS110で説明したように、高確高ベース状態に制御する場合、確変フラグをセットし、かつ、時短フラグをセットすることにより、確変状態と時短状態との両方の状態に制御されていることを示す例を説明した。しかし、これに限らず、高確高ベース状態に制御する場合、一つのフラグのみをセットすることにより、たとえば高確高ベース用フラグをセットすることにより、確変状態と時短状態との両方の状態に制御されていることを示すようにしてもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限
的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8 第1特別図柄表示器、8k 第1飾り変動表示部、9 第2特別図柄表示器、9k 第2飾り変動表示部、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、800 表示制御用マイクロコンピュータ、54 ROM。