以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3列の表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が可変表示されるように構成されている。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再抽選演出実行前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、図2に示すように、「一」〜「八」,「春」,「夏」,「秋」,「冬」の数字の図柄と文字の図柄とを用いている。図2には示していないが、「一」〜「八」,「春」,「夏」,「秋」,「冬」の飾り図柄は「花札」となっており、各々の図柄に「花札」の絵が付されている。具体的には、「一」は「藤にほととぎす」の札、「二」は「蒲(アヤメ)に八ツ橋」の札、「三」は「梅にうぐいす」の札、「四」は「菊に盃」の札、「五」は「小野道風にカエル」の札、「六」は「萩に猪」の札、「七」は「桐に鳳凰」の札、「八」は「牡丹に蝶」の札、「春」は「桜に幕」の札、「夏」は「ススキ(または坊主)に月」の札、「秋」は「紅葉に鹿」の札、「冬」は「松に鶴」の札となっている。
飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、「一」「二」「三」・・・「冬」の飾り図柄が順番に表示される。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示は、花札が回転することにより札に付された数字や文字が順番に表示される。なお、左の表示領域に表示される飾り図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される飾り図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される飾り図柄を「右図柄」ということがある。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
始動入賞口14の下方には、大当り遊技状態または小当り遊技状態においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。また、遊技機内部の遊技状態(後述する通常遊技状態、確変状態、時短状態)を遊技者に報知するための状態表示灯が、遊技盤6の所定の箇所に設けられている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了、小当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当りともいう))に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、停止時の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。なお、突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が開放される期間が短く、特別可変入賞装置の開放中に10個の遊技球が入賞しないので、10個の遊技球が大入賞口に入賞するまでを1ラウンドと定義する必要はない。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、可変表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、停止時の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間(可変表示時間)が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8における表示結果(特別図柄の停止図柄)と可変表示装置9における表示結果(飾り図柄の停止図柄)とは対応している。なお、両図柄の対応関係については後述する。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
確変状態(確率変動状態)とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が通常遊技状態および時短状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。なお、この実施の形態において、「確変状態」というときは、明示した場合を除き後述する確変時短状態を含まないものとする。
また、時短状態(時間短縮状態)とは、特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9における飾り図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。また、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態および確変状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態および確変状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。また、時短状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、この実施の形態において、「時短状態」というときは、明示した場合を除き後述する確変時短状態を含まないものとする。
確変時短状態とは、確変状態でかつ時短状態である遊技状態のことをいう。確変時短状態は、遊技者にとってきわめて有利な状態である。
この実施の形態では、以下のように遊技状態が遷移する。
(1)通常遊技状態および時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変時短状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(2)確変状態および確変時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変時短状態に移行され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変時短状態が変化しないで維持される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(3)通常遊技状態および時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(4)確変状態および確変時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変状態が変化しないで継続され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(5)通常遊技状態および時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態であったときは通常遊技状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(6)確変状態および確変時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態および確変時短状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(7)通常遊技状態および確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常遊技状態および確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(8)時短状態および確変時短状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、時短状態および確変時短状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態では、左図柄と右図柄が同一図柄で揃ったときにリーチとなる。リーチが発生したときの左右図柄をリーチ図柄という。そして、中図柄がリーチ図柄と同じ図柄で停止表示されると、大当りとなる。
この実施の形態では、リーチが成立した際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄の対応関係(両図柄のはずれ図柄、確変図柄、非確変図柄、突然確変図柄および小当り図柄)について説明する。
(1)特別図柄の停止図柄:
上述したように、特別図柄表示器8にて可変表示される特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「3」,「8」,「9」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄であり、「6」が非確変図柄であり、「5」が突然確変図柄であり、「4」が小当り図柄である。
(2)飾り図柄の停止図柄:
上述したように、左中右の飾り図柄は、それぞれ、「一」「二」「三」・・・「冬」の図柄である。
(2−1)飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄の組み合わせが同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「三五八」など:なお、後述する突然確変図柄および小当り図柄を除く。)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
(2−2)飾り図柄の大当り図柄は、左中右の飾り図柄の組み合わせが同一図柄で揃った状態の図柄である。大当り図柄のうち、左中右の飾り図柄の組み合わせが特定の図柄(「三」「五」「七」「春」「夏」「秋」「冬」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。また、大当り図柄のうち、左中右の飾り図柄の組み合わせが特定の図柄以外の図柄(「一」「二」「四」「六」「八」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。
なお、この実施の形態では、大当り後再抽選演出を行う場合は、変動停止時に導出表示される停止図柄が特別図柄と飾り図柄とで対応しない。例えば、変動停止時に導出表示される特別図柄の停止図柄が確変図柄「7」であったとしても、大当り後に再抽選演出を実行する場合には、変動停止時に導出表示される飾り図柄の停止図柄は非確変図柄「一」等となる。この場合は、大当り後の再抽選演出にて飾り図柄の停止図柄として確変図柄が導出表示されることになる。
(2−3)この実施の形態では、大当りとなること又は大当りとなる可能性が高いことを遊技者に報知(予告)するために、飾り図柄の変動の開始前(開始時)や飾り図柄の変動の途中で、左中右の飾り図柄を停止表示する演出を実行する。飾り図柄の変動の開始前に停止表示される飾り図柄の仮停止図柄を「変動開始前図柄」あるいは「伏せ前出目」という。また、飾り図柄の変動の途中で停止表示される飾り図柄の仮停止図柄を「変動中図柄」という。遊技者に大当りとなること又は大当りとなる可能性が高いこと報知するときは、左中右の変動開始前図柄や変動中図柄の組み合わせを特殊な図柄の組み合わせにする。このような左中右の図柄の特殊な組み合わせを、演出上のチャンス目と呼んでいる。この実施の形態では、演出上のチャンス目として、チャンス目Aとチャンス目Bとが設けられている。
図3に示すように、チャンス目Aとして、12種類のチャンス目(「1C」〜12C」)が設けられている。また、図4に示すように、チャンス目Bとして、3種類のチャンス目(「13C」〜「15C」)が設けられている。なお、各チャンス目に付されている記号(C)は、Chanceの略である。遊技者は、チャンス目A,Bが停止表示されることにより、大当りの発生を期待するようになる。なお、図3および図4には示していないが、この実施の形態では、変動開始前図柄として、大当り図柄と同じ「四四四」や「五五五」も仮停止表示される。そして、「四四四」や「五五五」が仮停止表示されると、大当りの発生が確定したこととしている。
なお、チャンス目Aは、花札の「三光」の役が成立している飾り図柄の組み合わせである。三光の役は、花札で20点札である「松に鶴(冬)」「桜に幕(春)」「ススキに月(夏)」「小野道風にカエル(五)」「桐に鳳凰(七)」のうちの「小野道風にカエル」を除く3枚の札の組み合わせで成立する。従って、チャンス目Aは、「冬」「春」「夏」「七」のうちの3つの図柄の組み合わせとなっている。また、チャンス目Bは、花札の「猪鹿蝶」の役が成立している飾り図柄の組み合わせである。猪鹿蝶の役は、「萩に猪(六)」「紅葉に鹿(秋)」「牡丹に蝶(八)」の札の組み合わせで成立する。従って、チャンス目Bは、「六」「秋」「八」の図柄の組み合わせとなっている。
はずれ図柄を決定したときに、決定したはずれ図柄が偶然にチャンス目Aまたはチャンス目Bになってしまうことが起こり得る。この場合、チャンス目Aまたはチャンス目Bが導出表示されると、大当りの可能性が高くないのに遊技者に大当りの可能性が高いとの誤解を与えてしまうおそれがある。このような誤解を回避するために、この実施の形態では、チャンス目Aまたはチャンス目Bと同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
(2−4)飾り図柄の突然確変図柄は、図5に示すように、左中右の飾り図柄の組み合わせが「夏冬春」の図柄である。この実施の形態では、突然確変図柄として、1種類の図柄「夏冬春」しか設けていない。突然確変図柄「夏冬春」も、三光の役の組み合わせである。なお、突然確変図柄のことを突確用のチャンス目ともいう。
突然確変図柄も大当り図柄の一種であるが、突然、確変状態に移行されたように見せるためには、突然確変図柄によって大当りの発生を容易に認識させないようにするのが望ましい。このため、上記のように、突然確変図柄を他の大当り図柄とは異なる図柄としている。
はずれ図柄を決定したときに、決定したはずれ図柄が偶然に突然確変図柄になってしまうことが起こり得る。この場合、突然確変図柄が導出表示されると、確変状態に移行されないのに遊技者に確変状態に移行されたとの誤解を与えてしまうおそれがある。このような誤解を回避するために、この実施の形態では、突然確変図柄と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
(2−5)飾り図柄の小当り図柄も、突然確変図柄と同じで、左中右の飾り図柄の組み合わせが「夏冬春」の図柄である。小当り図柄も、1種類の図柄「夏冬春」しか設けていない。なお、小当り図柄のことを小当り用のチャンス目ともいう。
このように、飾り図柄の小当り図柄を突然確変図柄と同じ図柄としているので、遊技者が飾り図柄の停止図柄から突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識し難いことになる。また、上述したように、突然確変大当り状態のときと小当り状態のときは同じ特別な演出が実行されるので、遊技者は演出の内容からも突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。さらに、突然確変大当りおよび小当りの終了後において確変状態または通常遊技状態のいずれかに制御された場合、確変状態および通常遊技状態のいずれの場合も、特別図柄および飾り図柄の変動時間は短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も向上されず、普通図柄の変動時間も短縮されないため、遊技者は遊技状態がどの状態に移行されたかについて認識することもできない。よって、突然確変大当りまたは小当りの終了後に、遊技者による確変状態への移行に対する期待を持続させることができることとなる。なお、特別図柄に関しては、突然確変図柄が「5」で小当り図柄が「4」であり、異なる図柄である。
はずれ図柄を決定したときに、決定したはずれ図柄が偶然に小当り図柄になってしまうことが起こり得る。この場合、小当り図柄が導出表示されると、遊技者に突然確変が発生したかもしれない(確変状態に移行されたかもしれない)と誤解を与えてしまうおそれがある。このような誤解を回避するために、この実施の形態では、小当り図柄と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
なお、この実施の形態では、図5に示すように、飾り図柄の突然確変図柄と小当り図柄とを同じ図柄(「夏冬春」)としていたが、各々別の図柄(例えば、突然確変図柄が「夏冬春」、小当り図柄が「夏春冬」)としてもよい。
図6は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、I/Oポート部57とを含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されていてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、I/Oポート部も含まれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞装置(開閉板20)を開閉するソレノイド21および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄保留記憶表示器18の表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための電源信号は、電源基板(図示せず)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、カードユニット50から接続信号(VL信号)がインタフェース基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号とカードユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、カードユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が操作ノブ5に触れていないことによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときは、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図7は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図7に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力される。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図7には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図8は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8に表示される特別図柄のはずれ図柄を決定するための乱数や、図柄の変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを判定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、遊技制御処理について説明する。図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図9に示すステップS20〜S37のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41および状態表示灯(図示せず)の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8、普通図柄表示器10および状態表示灯については、ステップS34〜S36で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か(および小当りを発生させるか否か)決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム3:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図9に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いられている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8や特別可変入賞装置(大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を作成し出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS31)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS32:出力処理)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS33)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態に応じて状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS36)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、状態表示灯の表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS37)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S36の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図10および図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS313では、上記の各乱数のうち、ランダム1〜ランダム4が抽出される。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS314)。なお、図10には示していないが、保留記憶数カウンタの値を1増やしたときは、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、大当りとするか否か(特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りなど)を決定する。大当りとしない場合には、小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には、小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄を停止表示してから小当り遊技を開始するまでの時間(小当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、小当り図柄を停止表示した後に小当り遊技における特別な演出(2ラウンド用演出;なお、2ラウンド用演出は突然確変大当りが発生した場合に実行される演出と同じ演出である)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS307に応じた値に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):小当り表示時間またはインターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに小当り開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大入賞口制御タイマに小当り終了処理の実行時間(小当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS310に応じた値に更新する。
小当り開放中処理(ステップS309):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。そして、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態をステップS308に応じた値に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):小当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
図12および図13は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図12に示す例において、コマンド8000(H)〜806C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C06(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り3指定コマンド)である。
ここで、「再抽選演出」とは、可変表示装置9において大当り図柄を停止表示させた後に大当り図柄を再抽選して導出表示するように見せかける演出のことをいう。具体的には、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄で停止表示し、その後に非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出である(図131参照)。再抽選演出としては、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合(非確変図柄を停止表示した後に確変図柄を導出表示する場合)と、非確変図柄から確変図柄に昇格させない場合(非確変図柄を停止表示した後に再び非確変図柄を導出表示する場合)とがある。なお、非確変図柄から確変図柄に昇格させる再抽選演出のことを「昇格演出」または「成り上がり演出」という。
この実施の形態では、再抽選演出を実行するタイミングを「図柄の変動中」、「大当り遊技中」、「大当り遊技の終了後」としている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「図柄の変動中」に再抽選演出を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させる場合は、変動パターンコマンドで再抽選演出の実行を指定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「大当り遊技中」または「大当り遊技の終了後」に再抽選演出を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させる場合は、図柄情報指定コマンドで「大当り遊技中」または「大当り遊技の終了後」の再抽選演出の実行を指定する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドまたは図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、所定のタイミングで再抽選演出を実行する。なお、この実施の形態では、大当り遊技中または大当り遊技の終了後の再抽選演出では、非確変図柄から確変図柄に昇格させる再抽選演出のみ実行される。
コマンド8C05(H)は、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンド9500(H)〜9503(H)は、可変表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、可変表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、可変表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、可変表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、可変表示装置9におけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。なお、チャンスモードは、突然確変大当りおよび小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図13に示す例において、コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ4指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、突然確変大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ5指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、突然確変大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング5指定コマンド)である。なお、コマンドA302(H)とコマンドA303(H)とを共通のコマンドとしてもよい。この場合、共通のコマンドは、確変大当りが決定され、かつ、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンドとされる。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンドを指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」にはラウンド数が設定される。
コマンドA600(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り用ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図12および図13に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図12および図13に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、可変表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図14および図15は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図14および図15において、「拡張データ」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」または「確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「確変図柄」となる場合の変動パターン(確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「突然確変図柄」となる場合の変動パターン(突然確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「小当り図柄」となる場合の変動パターン(小当り専用の変動パターン)とに区別されている。
通常の演出モード(チャンスモード以外の演出モード)のときのはずれ専用の変動パターンとして、通常遊技状態のときのリーチを伴わない通常変動の変動パターンと、時短状態(確変時短状態を含む)のときのリーチを伴わない時短時通常変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設けられている。また、チャンスモードのときのはずれ専用の変動パターンとして、チャンスモード中における通常遊技状態のときのリーチを伴わないチャンスモード通常変動の変動パターンと、チャンスモード中における時短状態(確変時短状態を含む)のときのリーチを伴わないチャンスモード時短時通常変動の変動パターンとが設けられている。
ここで、「ノーマルリーチ」は、リーチ成立前の通常変動と同様にリーチ成立後も中図柄が高速変動する場合や、リーチ成立後に中図柄の変動速度・変動方向が変化する場合や、リーチ成立後にキャラクタが登場する場合や、リーチ成立後に背景が変化する場合などがある。但し、ノーマルリーチの場合は、演出の態様は比較的単純である。これに対し、「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチの演出を複数組み合わせたり、ノーマルリーチから別の演出に発展させたり、ストーリー性のある演出を実行したりする。スーパーリーチの場合は、ノーマルリーチよりも大当りの発生を期待させる演出が行われる。一般に、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が変動時間は長く設定されている。
通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンとして、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設けられている。また、同じ内容の変動パターンが、図柄の変動中に再抽選演出を実行する変動パターンと実行しない変動パターンとに分けられている。
確変大当り専用の変動パターンとして、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設けられている。また、同じ内容の変動パターンが、図柄の変動中に再抽選演出を実行する変動パターンと実行しない変動パターンとに分けられている。
通常大当り専用の変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンだけである。なお、同じ内容の変動パターンが、図柄の変動中に再抽選演出を実行する変動パターンと実行しない変動パターンとに分けられている。
突然確変大当り専用の変動パターンとして、2種類の突然確変突入変動の変動パターンが設けられている。また、小当り専用の変動パターンとして、2種類の小当り突入変動の変動パターンが設けられている。この実施の形態では、突然確変大当り専用の変動パターンおよび小当り専用の変動パターンは、変動中の演出は同じとなる。なお、突然確変大当り専用の変動パターンと小当り専用の変動パターンを共通の変動パターン(突確/小当り共通の変動パターン)としてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドの内容にもとづいて、突然確変図柄または小当り図柄を決定するのではなく、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、突然確変図柄または小当り図柄を決定することになる。
なお、図14および図15に示す変動パターンの内容において、「すべり」とは、変動している図柄が一旦仮停止した後に順方向に所定コマ数進むことをいい、「戻り」とは、変動している図柄が一旦仮停止した後に逆方向に所定コマ数戻ることをいう。
なお、図14および図15には示していないが、変動パターン毎に所定の変動時間が予め設定されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて変動パターンとともに変動時間を特定することが可能である。
図16〜図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中・小当り遊技中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態など)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS55)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するコマンドセット処理(図33)を実行する(ステップS56)。なお、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば、通常状態背景指定コマンドを送信し、現在の遊技状態が確変時短状態であれば、確変状態背景指定コマンドを送信し、現在の遊技状態が時短状態であれば、時短状態背景指定コマンドを送信する。また、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後にチャンスモードに移行したときは、チャンス状態背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS57)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS58)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が高確率状態(確変状態、確変時短状態)の場合は、遊技状態が低確率状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高確率状態であるか否かを確認し、遊技状態が高確率状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が低確率状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、高確率状態のときの方が低確率状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態および確変時短状態)であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態および確変時短状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かにより行われる。
図19(A)(B)に、この実施の形態における大当り判定テーブルにおける判定値の振分率を示す。図19(A)は低確率状態(通常遊技状態および時短状態)のときの大当り判定テーブルにおける判定値の振分率を示し、図19(B)は高確率状態(確変状態、確変時短状態)のときの大当り判定テーブルにおける判定値の振分率を示している。図19(A)(B)に示すように、この実施の形態では、大当り判定用乱数値の数は65536とされている。すなわち、大当り判定用乱数値の範囲は0〜65535とされている。また、低確率時の大当り判定値数は165であり、低確率時の大当り確率は0.0025177(1/397.2)とされている。また、高確率時の大当り判定値数は低確率時の大当り判定値数の10倍の1650であり、高確率時の大当り確率は0.0251770(1/39.7)とされている。
大当り判定モジュールで大当りとしないことに決定した場合には(ステップS59のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図17のステップS64の処理に移行する。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS59のY)、大当りフラグをセットする(ステップS60)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、大当り遊技中に再抽選演出を実行する確変大当り、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する確変大当り、突然確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS62)。
大当り種別の決定処理は、大当り種別決定テーブルを用いて行う。大当り種別決定テーブルには、図19(C)に示すように、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。具体的には、大当り種別決定用乱数値の数は100(すなわち大当り種別決定用乱数値の範囲は0〜99)とされ、そのうち、0〜32が「通常」に振り分けられ、33〜69が「確変1」に振り分けられ、70〜74が「確変2」に振り分けられ、75〜79が「確変3」に振り分けられ、80〜99が「突然確変(2R)」に振り分けられている。ここで、「通常」は通常大当りを示し、「確変1」は確変大当り(再抽選演出なし)を示し、「確変2」は確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)を示し、「確変3」は確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)を示し、「突然確変(2R)」は突然確変大当りを示している。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS61で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、大当り種別、すなわち、通常大当り、確変大当り(再抽選演出なし)、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)および突然確変大当りのいずれかを決定する。このように、大当り種別の決定処理によって、大当りを通常大当り、確変大当り、突然確変大当りにするかだけでなく、大当り遊技開始後の再抽選演出(昇格演出)を実行するかどうかと、再抽選演出をどのようなタイミングで実行するかについても決定されることになる。
飾り図柄のうち特定の図柄(有効ライン上に揃ったときに確変大当りとなる図柄)が含まれる割合は、7/12≒58.3%である。すなわち、上述したように、「一」「二」「三」「四」「五」「六」「七」「八」「春」「夏」「秋」「冬」の漢数字の12図柄が揃った場合に大当りとなるが、そのうち、「三」「五」「七」「春」「夏」「秋」「冬」の7図柄が揃った場合に確変大当りになるので、飾り図柄のうち特定の図柄が含まれる割合は7/12=58.3%となる。
これに対し、15ラウンドの大当り(15ラウンドの通常大当りおよび15ラウンドの確変大当り)になる確率に対する確変大当り(突然確変大当りを除く。)になる確率、すなわち、「通常」「確変1」「確変2」「確変3」が決定される割合に対する「確変1」「確変2」「確変3」が決定される割合は、図19(C)に示したように、(37+5+5)/(33+37+5+5)=47/80=58.75%である。また、飾り図柄の変動停止時に15ラウンドの大当りを示す大当り図柄が導出表示される確率に対する飾り図柄の変動停止時に確変図柄が導出表示される確率、すなわち、「通常」「確変1」「確変2」「確変3」が決定される割合に対する「確変1」が決定される割合は、図19(C)に示したように、(37)/(33+37+5+5)=37/80=46.25%である。つまり、15ラウンドの大当り(「通常」「確変1」「確変2」「確変3」)が決定された場合のうち、通常大当りが決定されたとき(「通常」が決定されたとき)は、通常大当り専用の変動パターンコマンドが送信され、そのコマンドにもとづいて変動停止時の停止図柄として非確変図柄が決定されるか、または確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドが送信されるとともに通常大当り指定の図柄情報指定コマンドが送信され、それらのコマンドにもとづいて変動停止時の停止図柄として非確変図柄が決定される。また、大当り遊技の開始後の再抽選演出にて確変大当りに昇格させると決定されたとき(「確変2」または「確変3」が決定されたとき)は、通常大当り専用の変動パターンコマンドが送信され、そのコマンドにもとづいて変動停止時の停止図柄として非確変図柄が決定されるか、または確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドが送信されるとともに確変大当り2指定または確変大当り3指定の図柄情報指定コマンドが送信され、それらのコマンドにもとづいて変動停止時の停止図柄として非確変図柄が決定される。一方、15ラウンドの大当り(「通常」「確変1」「確変2」「確変3」)が決定された場合のうち、確変大当り(再抽選演出なし)が決定されたとき(「確変1」が決定されたとき)は、確変大当り専用の変動パターンコマンドが送信され、そのコマンドにもとづいて変動停止時の停止図柄として確変図柄が決定されるか、または確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドが送信されるとともに確変大当り1指定の図柄情報指定コマンドが送信され、それらのコマンドにもとづいて変動停止時の停止図柄として確変図柄が決定される。このように、「確変1」が決定された場合以外は、変動停止時の停止図柄として非確変図柄が決定されるので、15ラウンドの大当りになる確率に対する飾り図柄の変動停止時に確変図柄が導出表示される確率は、(37)/(33+37+5+5)=37/80=46.25%となる。
以上のように、飾り図柄のうち特定の図柄が含まれる割合(特定の図柄の比率)と、15ラウンドの大当りになる確率に対する確変大当りが決定される確率(確変大当りの比率)と、15ラウンドの大当りを示す大当り図柄が導出表示される確率に対する確変図柄が導出表示される確率(確変図柄の導出表示の比率)とはそれぞれ異なる。しかし、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特定の図柄の比率とは無関係に大当りの種別を決定し(ステップS62)、大当りの種別に応じた演出制御コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドの内容にもとづいて大当りの種別(再抽選演出の有無や再抽選演出の実行タイミングを含む)に応じた大当り図柄を決定し変動停止時に導出表示する(ステップS620、S626参照)。従って、遊技機の仕様に合わせて容易に特定の図柄の比率を増減させたり、確変大当りの比率を変更したり、大当り遊技開始後の再抽選演出を設定することができる。
なお、図16には示していないが、特別図柄の大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。具体的には、通常大当り(非確変大当り)のときは非確変図柄「6」が決定され、確変大当りのときは確変図柄「7」が決定され、突然確変大当りのときは突然確変図柄「5」が決定されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62にて決定した大当り種別に応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS63)、図18のステップS72の処理に移行する。
なお、ステップS63において、飾り図柄情報バッファに大当り種別に応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28、図32)が実行され、コマンドセット処理(図33)が実行され、コマンド送信処理(図34)が実行される。これにより、大当り種別に応じた図柄情報指定コマンド(通常大当り指定コマンド、確変大当り1指定コマンド、確変大当り2指定コマンド、確変大当り3指定コマンド、突然確変大当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
図17のステップS64において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS57で読み出した大当り判定用乱数の値にもとづいて小当りとするか否かを決定する小当り判定モジュールを実行する(ステップS64)。小当り判定モジュールは、小当り判定テーブルにおいてあらかじめ決められている小当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
図19(A)(B)に、この実施の形態における小当り判定テーブルにおける判定値の振分率を示す。図19(A)は低確率状態(通常遊技状態および時短状態)のときの小当り判定テーブルにおける判定値の振分率を示し、図19(B)は高確率状態(確変状態、確変時短状態)のときの小当り判定テーブルにおける判定値の振分率を示している。図19(A)(B)に示すように、この実施の形態では、大当り判定用乱数値の数は65536とされている。すなわち、大当り判定用乱数値の範囲は0〜65535とされている。上述したように、大当り判定値数は、低確率時よりも高確率時の方が10倍多かったが、小当り判定値数は、低確率時も高確率時も同じ数である。すなわち、低確率時も高確率時も小当り判定値数は同じ59とされている。従って、小当り確率については、低確率時も高確率時も同じ0.000902(1/1110.8)となっている。なお、高確率時の方が小当り判定値数を多くして、小当り確率も高確率時の方が高くなるようにしてもよい。
小当り判定モジュールで小当りとすることに決定した場合には(ステップS65のY)、小当りに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアし(ステップS66)、小当りフラグをセットする(ステップS67)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68)。なお、図17には示していないが、小当りになると決定されたときは小当り図柄「4」が自動的に決定されることになる。
なお、ステップS66において、飾り図柄情報バッファに小当りに応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28、図32)が実行され、コマンドセット処理(図33)が実行され、コマンド送信処理(図34)が実行される。これにより、小当りを指定する図柄情報指定コマンド(小当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
小当り判定モジュールで小当りとしないことに決定した場合には(ステップS65のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し(ステップS69)、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS70)。特別図柄のはずれ図柄として、「0」〜「3」,「8」,「9」のいずれかの図柄が決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68)。
図18のステップS72において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62で決定した大当り種別が確変大当りであるかどうかを確認し、確変大当りでなかったときは(ステップS72のN)、大当りの種別を示すフラグのセットを行わずに、ステップS82の処理に移行する。
確変大当りであったときは(ステップS72のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS73)。そして、確変大当りが突然確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS74)。突然確変大当りであったときは(ステップS74のY)、突然確変大当りが発生することを示す突然確変フラグをセットし(ステップS75)、ステップS82の処理に移行する。
突然確変大当りでなかったときは(ステップS74のN)、再抽選演出が実行されるかどうかを確認する(ステップS76)。再抽選演出が実行されないときは(ステップS76のN)、ステップS82の処理に移行し、再抽選演出が実行されるときは(ステップS76のY)、再抽選演出が実行されることを示す再抽選実行フラグをセットして(ステップS77)、再抽選演出が大当り中に実行されるかどうかを確認する(ステップS78)。大当り中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS78のY)、大当り中に再抽選演出が実行されることを示す大当り中実行フラグをセットし(ステップS79)、ステップS82の処理に移行する。大当り中に実行されないときは(ステップS78のN)、再抽選演出がエンディング中に実行されるかどうかを確認する(ステップS80)。エンディング中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS80のY)、エンディング中に再抽選演出が実行されることを示すエンディング実行フラグをセットし(ステップS81)、ステップS82の処理に移行する。ステップS82では、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS82)。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS202)。突然確変フラグがセットされているときは(ステップS202のY)、突然確変大当りが発生することになるので、突然確変用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS203)。
突然確変用変動パターン決定テーブルには、予め図15に示した突然確変大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「104」,「105」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
突然確変フラグがセットされていないときは(ステップS202のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204A)。確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS204AのY)、再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204B)。確変大当りフラグがセットされ、再抽選実行フラグがセットされていないときは(ステップS204BのN)、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しない確変大当りが発生することになるので、確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。
確変大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図14および図15に示した確変大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「43」〜「46」,「51」〜「76」,「79」〜「103」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS204AのN)、通常大当り(非確変大当り)が発生することになるので、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。また、確変大当りフラグがセットされているが、再抽選実行フラグもセットされているときは(ステップS204BのY)、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行する確変大当りが発生することになる。この場合は、飾り図柄の変動停止時において非確変図柄が導出表示されるので、通常大当り用の変動パターンを選択する必要がある。従って、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。
通常大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図14および図15に示した通常大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「47」〜「70」,「77」〜「99」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、突然確変用変動パターン決定テーブル、確変大当り用変動パターン決定テーブルまたは通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが次に可変表示される図柄の変動パターンと決定される。そして、ステップS213の処理に移行する。
ステップS201において、大当りフラグがセットされていないと判定されたときは(ステップS201のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS208)。小当りフラグがセットされているときは(ステップS208のY)、小当りが発生することになるので、小当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS209)。
小当り用変動パターン決定テーブルには、予め図15に示した小当りのときに選択される変動パターン(変動番号「106」,「107」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
小当りフラグがセットされていないときは(ステップS208のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出モードがチャンスモードに制御されていることを示すチャンスモードフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS210)。チャンスモードフラグがセットされていないとき(ステップS210のN)、つまり、通常の演出モードのときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS211A)。時短フラグがセットされていないときは(ステップS211AのN)、通常遊技状態のときに使用する通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS211B)。
通常時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図14に示した通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「1」,「3」〜「42」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、時短フラグがセットされているときは(ステップS211AのY)、時短状態のときに使用する時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS211C)。
時短時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図14に示した時短状態(確変時短状態も含む)においてはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「2」〜「42」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
ステップS210において、チャンスモードフラグがセットされているとき(ステップS210のY)、つまり、演出モードがチャンスモードであるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS212A)。時短フラグがセットされていないときは(ステップS212AのN)、チャンスモード中における通常遊技状態のときに使用するチャンスモード用の通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212B)。
チャンスモード用の通常時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図14および図15に示したチャンスモード中の通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「3」〜「42」,「108」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、時短フラグがセットされているときは(ステップS212AのY)、チャンスモード中における時短状態のときに使用するチャンスモード用の時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212C)。
チャンスモード用の時短時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図14および図15に示したチャンスモード中の時短状態(確変時短状態も含む)においてはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「3」〜「42」,「109」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述したように、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、小当り用変動パターン決定テーブル、通常時はずれ用変動パターン決定テーブル、時短時はずれ用変動パターン決定テーブル、チャンスモード用の通常時はずれ用変動パターン決定テーブル、またはチャンスモード用の時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いて、図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。そして、ステップS213の処理に移行する。
なお、確変状態のときは、通常遊技状態のときと同様に、通常時はずれ用変動パターン決定テーブル、またはチャンスモード中はチャンスモード用の通常時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられて、変動パターンが決定される。確変時短状態のときは、時短状態のときと同様に、時短時はずれ用変動パターン決定テーブル、またはチャンスモード中はチャンスモード用の時短時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられて、変動パターンが決定される。
ステップS213では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS207において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドデータを変動パターンバッファにストアする(ステップS213)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS214)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS215)。この処理が行われたことに応じて、飾り図柄コマンド制御処理(図9のステップS28、図32)において変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数監視処理を実行する(ステップS216)。
変動回数監視処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に時短状態(確変時短状態を除く)に移行された場合(時短フラグがセットされた場合)、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数を変動回数カウンタでカウントする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数カウンタのカウント値が時短状態を継続可能な所定の変動回数(例えば100回)を示す値となったかどうかを確認し、カウント値が所定の変動回数を示す値になったときに、時短フラグをリセットする。これにより、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定の変動回数になったときに時短状態から通常遊技状態に移行されることになる。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS217)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS352)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、そのまま処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS353)。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS361)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS362)、コマンドセット処理を実行する(ステップS363)。これによって、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS364)。大当りフラグがセットされていれば(ステップS364のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS365)。なお、大当り表示時間において、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)が実行される。
なお、15ラウンドの大当りのときと2ラウンドの大当りのときとで異なる大当り表示時間をセットするように構成されていてもよい。この場合、例えば、15ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が3秒で、2ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が5秒とされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS366)、コマンドセット処理を実行する(ステップS367)。これによって、大当り種別に応じたファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。なお、大当り種別は、確変大当りフラグがセットされているか、突然確変フラグがセットされているか、再抽選実行フラグがセットされているか、大当り中実行フラグがセットされているか、エンディング実行フラグがセットされているかどうかにもとづいて確認することができる。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS368)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS364のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS369)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS369のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、小当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(小当り表示時間)をセットする(ステップS370)。なお、上述したように、飾り図柄の小当り図柄は突然確変図柄と同じ図柄である。また、小当り遊技が開始されると、突然確変大当りが開始されたときと同じ2ラウンド用演出が開始される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りのファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS371)、コマンドセット処理を実行する(ステップS372)。これによって、小当り用のファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS373)。
小当りフラグがセットされていなければ(ステップS369のN)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS374)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS401)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるか2ラウンドであるかを判定する(ステップS403)。なお、確変大当りフラグがセットされていない場合および確変大当りフラグがセットされているが突然確変フラグがセットされていない場合は、15ラウンドの大当りであると判断することができ、確変大当りフラグおよび突然確変フラグがセットされている場合は、2ラウンドの大当りであると判断することができる。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS403のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS404)、コマンドセット処理を実行する(ステップS405)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行う(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS406において出力ポートの出力状態に応じたRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32の出力処理において出力ポートの出力状態に応じたRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS407)。なお、ステップS407においてラウンド数カウンタの値が+1されるので、ステップS404,S405では、ラウンド数カウンタの値が0のときに第1ラウンドを示す大入賞口開放中コマンドが送信されるが、ステップS407の処理をステップS404の処理の前に実行し、ラウンド数カウンタの値が1のときに第1ラウンドを示す大入賞口開放中コマンドが送信されるようにしてもよい。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS408)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS414)。
ステップS403において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS403のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS409)、コマンドセット処理を実行する(ステップS410)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS411)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS412)。なお、ステップS412においてラウンド数カウンタの値が+1されるので、ステップS409,S410では、ラウンド数カウンタの値が0のときに第1ラウンドを示す大入賞口開放中コマンドが送信されるが、ステップS412の処理をステップS409の処理の前に実行し、ラウンド数カウンタの値が1のときに第1ラウンドを示す大入賞口開放中コマンドが送信されるようにしてもよい。
また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS413)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は短い時間であり、例えば5秒とされている。従って、2ラウンドの大当りでは、ラウンド中に大入賞口へ10個の遊技球(入賞可能な最大個数の遊技球)が入賞することはない。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS414)。
図25は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りであるか2ラウンドの大当りであるか)を確認する(ステップS422)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS422のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS423)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS423のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS424)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS424のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS424のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS425)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS423のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS426のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS427)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS428)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS429)、コマンドセット処理を実行する(ステップS430)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS431)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS432)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
2ラウンドの大当りであれば(ステップS422のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS433)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS433のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS433のY)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS434)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド用の大入賞口開放後表示コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS435)、コマンドセット処理を実行する(ステップS436)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS437)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS432)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、15ラウンド用のインタバール時間と同じで、例えば5秒とされている。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS441)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りか2ラウンドの大当りか)を判定する(ステップS443)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15になっているかどうかを確認する(ステップS444)。ラウンド数カウンタの値が15になっていなければ(ステップS444のN)、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS445)、コマンドセット処理を実行する(ステップS446)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS447)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS448)。なお、ステップS448においてラウンド数カウンタの値が+1されるので、ステップS445,S446の処理の時点では、ラウンド数カウンタの値が次に開始されるラウンドの回数−1を示していることになる。しかし、ステップS448の処理をステップS445,S446の処理の前に実行するようにすれば、ステップS445,S446の処理の時点で、ラウンド数カウンタの値が次に開始されるラウンドの回数を示すようにすることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに15ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS449)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS450)。
ラウンド数カウンタの値が15になっていれば(ステップS444のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS451)、コマンドセット処理を実行する(ステップS452)。これによって、大当り種別に応じたエンディングコマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り終了を遊技者に報知する大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)をセットし(ステップS453)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS454)。
ステップS453で大当り終了時間をセットするときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、エンディング中に再抽選演出を実行するかどうかをエンディング実行フラグがセットされているかどうかによって確認し、エンディング中に再抽選演出を実行しない場合は、エンディング中に再抽選演出を実行する場合よりも短い時間を大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)としてセットする。例えば、再抽選演出を実行するエンディング演出の実行時間として10秒をセットし、再抽選演出を実行しないエンディング演出の実行時間として3秒をセットする。このように、再抽選演出を実行しないエンディング演出の実行時間を、再抽選演出を実行するエンディング演出の実行時間よりも短くなるようにすることにより、確変状態への移行を報知する必要がないときに、無駄に演出が長く実行されるのを回避することができる。
ステップS443において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS443のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(図27のステップS455)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS455のN)、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS456)、コマンドセット処理を実行する(ステップS457)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS458)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS459)。なお、ステップS459においてラウンド数カウンタの値が+1されるので、ステップS456,S457の処理の時点では、ラウンド数カウンタの値が次に開始されるラウンドの回数−1を示していることになる。しかし、ステップS459の処理をステップS456,S457の処理の前に実行するようにすれば、ステップS456,S457の処理の時点で、ラウンド数カウンタの値が次に開始されるラウンドの回数を示すようにすることができる。
また、大入賞口制御タイマに2ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS460)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS461)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS455のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り用のエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS462)、コマンドセット処理を実行する(ステップS463)。これによって、突然確変大当り用のエンディングコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS464)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS465)。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS472のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS472のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS473)。
大当り後遊技状態設定処理では、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた確変フラグ・時短フラグのセット・リセットの処理が実行される。具体的には、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行されるときは、時短フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行されるときは、確変フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行されるときは、確変フラグおよび時短フラグをセットする。また、突然確変大当り遊技の終了後に演出モードがチャンスモードに移行されるときは、チャンスモードフラグをセットする。また、大当り遊技の終了後に演出モードがチャンスモードから通常の演出モードに移行されるときは、チャンスモードフラグをリセットする。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットし(ステップS474)、確変大当りフラグがセットされている場合は確変大当りフラグをリセットし(ステップS475)、突然確変フラグがセットされている場合は突然確変フラグをリセットし(ステップS476)、再抽選実行フラグがセットされている場合は再抽選実行フラグをリセットし(ステップS477)、大当り中実行フラグがセットされている場合は大当り中実行フラグをリセットする(ステップS478)。さらに、エンディング実行フラグがセットされている場合はエンディング実行フラグをリセットする(ステップS479)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値に更新する(ステップS480)。
図29は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS501)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS502)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS502のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS502のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS503)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS503のN)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS504)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS505)。
また、大入賞口制御タイマに、小当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(小当り用のラウンド時間)をセットする(ステップS506)。なお、小当り用のラウンド時間は、2ラウンド用のラウンド時間と同じ時間(例えば5秒)とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS507)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS503のY)、560は、大入賞口制御タイマに、小当り終了を遊技者に報知する小当り終了時間をセットし(ステップS508)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS509)。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放中コマンドを送信するための制御は実行されない。
図30は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS511)。大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS512)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS512のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS512のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS513)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの小当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(小当り用のインターバル時間)をセットし(ステップS514)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に応じた値に更新する(ステップS515)。なお、小当り用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放後コマンドを送信するための制御は実行されない。
図31は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS531)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS532)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS532のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS532のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS533)。
小当り後遊技状態設定処理では、小当り遊技の終了後に演出モードがチャンスモードに移行されるように、チャンスモードフラグをセットする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグをリセットし(ステップS534)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値に更新する(ステップS535)。
図32は、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)を示すフローチャートである。飾り図柄コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードする(ステップS552)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、変動パターンコマンドを送信するタイミングであれば、特別図柄プロセス処理(ステップS26)における変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS215において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは変動コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが変動コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、変動パターンコマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
変動パターンコマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図33)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが変動コマンド送信テーブルのアドレスから図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、図柄情報指定コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図33)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスから始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御が実行される。なお、始動入賞記憶指定コマンドは、現在の始動入賞記憶数(保留記憶数)を指定(通知)する演出制御コマンドであるが、始動入賞記憶数は記憶処理(ステップS33)で確認されて、その数が始動入賞記憶指定コマンドで指定される値として設定される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
この場合は、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図33)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されると、ポインタの指すアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスを示さないようになっている。従って、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンドの送信タイミングであるかどうかを判定するが(ステップS553)、ステップS553において、飾り図柄コマンドの送信タイミングでないと判定されることになる。
図33は、コマンドセット処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンドセット処理は、ステップS56,S363,S367,S372,S405,S410,S430,S436,S446,S452,S457,S463,S554において実行される。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。
コマンドセット処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスの指すコマンドデータ1をロードし(ステップS561)、図34に示すコマンド送信処理を実行(コール)する(ステップS562)。
図34に示すコマンド送信処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、送信コマンド(演出制御コマンド)を出力ポート1に出力する(ステップS581)。これにより、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータが出力ポート1から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号INT出力ビットをポートバッファにセットし(ステップS582)、ポート2バッファをロードする(ステップS583)。この実施の形態では、例えば、演出制御信号INT出力ビットとしてポートバッファに「1」がセットされ、ポート2バッファのデータ「0」がロードされる。そして、ポート2バッファとポートバッファの論理和をとり(ステップS584)、演算結果を出力ポート2に出力する(ステップS585)。この実施の形態では、演算結果が「1」となることにより、オン状態(ハイレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。オン状態の演出制御INT信号が出力されたことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100が送信コマンドを受信する(取り込む)処理を実行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS586)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS587,S588)。この処理は、演出制御INT信号のオン期間(ハイレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS588のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポート2バッファをロードし(ステップS589)、ポート2バッファを出力ポート2に出力する(ステップS590)。これにより、オフ状態(ローレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS591)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS592,S593)。この処理は、演出制御INT信号のオフ期間(ローレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS593のY)、図33のコマンドセット処理に戻る。
図33の説明に戻ると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS563)。そして、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS564)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビット(ビット7)をテストし(ステップS565)、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビットの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS566)。0でなければ(ステップS566のN)、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS567)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS568)。そして、そのアドレス(ポインタ)の指すエリアのデータ(コマンド拡張データ)をロードする(ステップS569)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出され得るEXTデータ(2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のデータ)が順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照指定ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照指定ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信処理ルーチンを実行(コール)する(ステップS570)。従って、図34に示した処理によって、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータと演出制御INT信号とが送出される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS571)、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS572)。なお、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されたときに、そのアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスであれば、上述したように、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行され、飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスでなければ、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行されない。
以上のようにして、2バイト構成の演出制御コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、取込信号としての演出制御INT信号の立ち上がりを検出すると演出制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、取り込み処理が完了する前に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号の立ち下がりで演出制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、演出制御INT信号の極性を逆にしてもよい(コマンドの取り込みを指示するときにローレベルとしてもよい)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングについて説明する。
図35は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図35に示すように、始動入賞が発生して、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、小当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドが飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)にて送信される。続いて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)において、特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、小当りに応じた図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは変動開始により始動入賞記憶数が−1されたことを示すコマンドである)が送信される。なお、図35に示す例では、変動パターンコマンドとして大当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、図柄情報指定コマンドとして15ラウンドの大当りを指定する演出制御コマンド(突然確変大当りおよび小当りを指定するコマンド以外の演出制御コマンド)が送信されたものとする。そして、特別図柄変動中処理(ステップS302)で特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが、はずれ専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、通常大当り専用の変動パターン、突然確変大当り専用の変動パターン、小当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、そのコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。一方、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄の変動を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにて再抽選演出の実行が指定されている場合は、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示中に再抽選演出を実行する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄情報指定コマンドにもとづいて、はずれか大当りか小当りかを確認し、大当りであるときは大当り種別を確認し、再抽選演出の実行の有無および実行タイミングも確認する。
特別図柄停止処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間が経過すると、飾り図柄停止指定コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
特別図柄の停止図柄が大当り図柄であれば、特別図柄停止処理(ステップS303)において、大当り種別に応じたファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、可変表示装置9において大当り遊技の開始を報知するファンファーレ演出を実行する。
大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において第1ラウンドのラウンド表示を表示する。
大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後のインターバル表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、次のラウンド(第2ラウンド)が開始されるまで可変表示装置9においてインターバル表示を表示する。
大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において第2ラウンドのラウンド表示を表示する。
以上のような大入賞口開放中処理および大入賞口開放後処理が繰り返し実行されることにより、各ラウンドのラウンド表示およびラウンド間のインターバル表示が表示され、ラウンドが順に進んでいく。なお、特別図柄通常処理(ステップS300)において、大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、予め定められた所定のラウンド中(図35の例では第15ラウンド中)に再抽選演出が実行される。
第15ラウンド目の大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大当り種別に応じたエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9において大当り遊技が終了したことを報知するエンディング演出を実行する。なお、特別図柄通常処理(ステップS300)において、エンディング中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、エンディング中に(エンディング演出において)再抽選演出が実行される。図35に示す例では、エンディング演出においても再抽選演出が実行されている。なお、再抽選演出は、大当り遊技開始後に複数回実行してもよいが、この実施の形態では、大当り遊技開始後に再抽選演出が実行されると常に確変大当りに昇格するようにしているので、1回だけ実行されることになる。従って、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中には再抽選演出が実行されない。
その後、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
図36は、2ラウンドの大当り遊技(突然確変大当り遊技)および小当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図35に示した場合と同様に、始動入賞が発生して、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、小当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドが飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)にて送信される。続いて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)において、特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、小当りに応じた図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、始動入賞記憶指定コマンドが送信される。なお、図36に示す例では、変動パターンコマンドとして突然確変用または小当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、図柄情報指定コマンドとして突然確変大当りまたは小当りを指定する演出制御コマンドが送信されたものとする。そして、特別図柄変動中処理(ステップS302)で特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが突然確変大当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、そのコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが小当り大当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、そのコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄の変動を開始する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄情報指定コマンドにもとづいて、突然確変大当りまたは小当りを確認する。なお、突然確変大当りおよび小当りのときは、再抽選演出が実行されることはない。
特別図柄停止処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間が経過すると、飾り図柄停止指定コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
特別図柄の停止図柄が突然確変図柄であれば、特別図柄停止処理(ステップS303)において、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であれば、特別図柄停止処理(ステップS303)において、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、突然確変大当り遊技または小当り遊技を開始する。なお、突然確変大当り遊技または小当り遊技が開始されたときは、2ラウンド用演出が実行される。2ラウンド用演出は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の開始から終了までの間に実行される一連の特別な演出である。例えば、飾り図柄の停止図柄として突然確変図柄または小当り図柄が停止表示されると、突然、キャラクタを登場させたりムービー画像を再生したりするような特別な2ラウンド用演出が開始される。そして、2ラウンド用演出が終了すると、演出モードが確変状態の移行を期待させるチャンスモードに移行する。
突然確変大当り遊技が開始された場合は、大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド目の大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第2ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド後の大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、突然確変大当りの終了を指定するエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
その後、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
また、小当り遊技が開始された場合は、小当り開放前処理(ステップS308)において、小当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放される。
小当り開放中処理(ステップS309)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖される。
第1ラウンド後の小当り開放前処理(ステップS308)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放される。
第2ラウンド目の小当り開放中処理(ステップS309)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖される。
第2ラウンド後の小当り開放前処理(ステップS308)において、インターバル時間が経過すると、小当り終了処理に移行される。
その後、小当り終了処理(ステップS310)において、小当り終了時間が経過すると、小当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
なお、小当り遊技(突然確変大当り遊技でも同様であるが)におけるラウンド中は大入賞口の開放時間(ラウンド時間)が短い。このため、大入賞口に10個の遊技球が入賞しないので、ラウンド時間内に大入賞口が閉鎖されることがない。従って、遊技の開始から終了までの時間が一定であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドの受信にもとづかずに、2ラウンド用演出の表示状態を切り替えていくことができる。よって、小当り遊技では、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わない。なお、突然確変大当りの場合も、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わないようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図37は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。さらに、飾り図柄の停止図柄を決定するための各種乱数(左図柄決定用乱数、右図柄決定用乱数など)を生成するためのカウンタのカウント値などを更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図38〜図40は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS613のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの内容にもとづいて遊技状態を確認し、確認した遊技状態をRAMの所定領域に設定する(ステップS614)。そして、遊技状態に応じた背景画像を可変表示装置9に表示する制御を実行する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜806C(H))であれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS617)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS618)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであるかどうかを確認し(ステップS619)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドでなければ(ステップS619のN)、第1の飾り図柄決定処理を実行する(ステップS620)。なお、第1の飾り図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図41参照)。通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであれば(ステップS619のY)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンであることを示す兼用フラグをセットする(ステップS621)。
受信した演出制御コマンドが、図柄情報を指定する演出制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C06(H))であれば(ステップS623のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信したことを示す図柄情報コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。そして、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認する(ステップS625A)。ここで、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定するコマンドでなければ、第1の飾り図柄決定処理において既に飾り図柄の停止図柄が決定されている。従って、兼用フラグがセットされているかどうかによって、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認することができる。
飾り図柄の停止図柄が未だ決定されていないときは(ステップS625AのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2の飾り図柄決定処理を実行する(ステップS626)。なお、第2の飾り図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図113、図114参照)。飾り図柄の停止図柄が既に決定されているときは(ステップS625AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが大当り後に再抽選演出を実行して非確変図柄を確変図柄に昇格させることを指定するコマンド、つまり、確変大当り2指定コマンド(8C03(H))または確変大当り3指定コマンド(8C04(H))であるかどうかを確認する(ステップS625B)。大当り後に昇格させることを指定する図柄情報指定コマンドであれば(ステップS625BのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り後に再抽選演出を実行することを示す再抽選演出実行フラグをセットする(ステップS625C)。なお、確変大当り2指定コマンドであれば、大当り中に再抽選演出を実行することを示す大当り中再抽選演出実行フラグをセットし、確変大当り3指定コマンドであれば、エンディングにおいて再抽選演出を実行することを示すエンディング再抽選演出実行フラグをセットする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS625D)、抽出した乱数値に従って、図103に示す確変図柄選択用テーブルを用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS625E)。このように決定された確変図柄が、大当り遊技開始後に実行される再抽選演出にて導出表示される確変図柄である。なお、確変図柄選択用テーブルの内容については後述する。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド:C0XX(H))であれば(ステップS627のY)、始動入賞記憶表示制御処理を実行する(ステップS628)。始動入賞記憶表示制御処理は、始動入賞記憶数を特定可能な表示(始動入賞記憶表示)を可変表示装置9の所定領域に表示する制御を行う処理である。当該処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて、始動入賞記憶数を確認し、確認した数の始動入賞記憶表示を可変表示装置9に表示する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドが変動開始時に送信される始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうか、つまり、飾り図柄コマンド制御処理において、図柄情報指定コマンドの次に送信される始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかを判定する(ステップS629)。ここで、始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかは、例えば、始動入賞記憶表示制御処理において、始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数を記憶しておき、次に受信した始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数が−1となっているかどうかを確認することにより判定可能である。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドでなければ(ステップS629のN)、ステップS611の処理に戻る。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであれば(ステップS629のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報コマンド受信フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS630)、そのフラグがセットされていれば(ステップS630のY)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されたことを示しているので、ステップS611の処理に戻る。
図柄情報コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS630のN)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されていないことを示している。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図柄情報指定コマンドを取りこぼしたことを意味する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS620で既に飾り図柄の停止図柄が決定されているかどうかを確認し(ステップS631)、既に決定されていれば(ステップS631のY)、ステップS611の処理に戻る。未だ飾り図柄の停止図柄が決定されていなければ(ステップS631のN)、仮決定図柄決定処理を実行する(ステップS632)。仮決定図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合に非確変図柄を仮決定する処理である。仮決定図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図117参照)。
なお、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合として、図柄情報指定コマンドを完全に受信し損なった場合、つまり、図柄情報指定コマンドのMODEデータおよびEXTデータを双方または一方を受信できなかった場合のほかに、データ化けしたコマンド等であって図柄情報指定コマンドでないコマンドを受信した場合も含まれる。例えば、図柄情報指定コマンドのMODEデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドでないコマンド(演出制御用マイクロコンピュータ100において認識不可能なコマンドも含む)を受信した場合や、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドとして定義されていないEXTデータのコマンド(図12参照)を受信した場合などである。
なお、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたが、図柄情報指定コマンドとして定義されているコマンドを受信したときは、図柄情報指定コマンドであるが制御処理上、不整合な図柄情報指定コマンドを受信したことになる。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを受信したと認識することにより図柄情報コマンド受信フラグがセットされ(ステップS624)、ステップS630でフラグのセットが確認されることにより(ステップS630のY)、仮決定図柄決定処理が実行されないおそれもある(ステップS632)。しかし、データ化けした図柄情報指定コマンドが、通常大当り指定コマンド(8C01(H))や確変大当り指定コマンド(8C02(H)〜8C04(H))以外のコマンドであれば、飾り図柄がまだ決定されていないにもかかわらず(ステップS631のN)、そのような図柄情報指定コマンドを受信したことによって、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドが整合していないと判断することができる。よって、このような場合は、仮決定図柄決定処理(ステップS632)を実行するようにするのが好ましい。
受信した演出制御コマンドが、大当りまたは小当りの開始(ファンファーレ)を指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H)〜A004(H),A600(H))であれば(ステップS633のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容に応じたファンファーレ受信フラグをセットする(ステップS634)。例えば、ファンファーレコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、突然確変大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、小当りの開始を示すファンファーレ受信フラグをセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信していないことを示すコマンド未受信フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS635)。コマンド未受信フラグは、仮決定図柄決定処理においてセットされる(図117のステップS632B参照)。このとき、コマンド未受信フラグがセットされているということは、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを正常に受信しておらず、確変大当りか通常大当りかを判断できないため、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定していない状態であることを意味する。
コマンド未受信フラグがセットされていないときは(ステップS635のN)、ステップS611の処理に戻る。コマンド未受信フラグがセットされているときは(ステップS635のY)、ファンファーレ受信フラグなどにもとづいて大当りが確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS636)。確変大当りでない場合は(ステップS636のN)、ステップS611の処理に戻る。確変大当りである場合は(ステップS636のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄として確変図柄を決定する第2の確変図柄決定処理を実行する(ステップS637)。第2の確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図118参照)。第2の確変図柄決定処理にて決定し格納した確変図柄が、コマンド未受信フラグがセットされた場合(図柄情報指定コマンドが未受信の場合)において、大当り遊技開始後の再抽選演出にて導出表示される飾り図柄の停止図柄である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグにもとづいて大当り遊技の開始後に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS638)。再抽選演出を実行する必要がない場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していなかった場合であっても(ステップS638のN)、再抽選演出を実行しなければならない。なぜなら、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを受信していない場合は、仮決定図柄決定処理において仮の大当り図柄として非確変図柄が決定され(図117参照)、その非確変図柄が既に導出表示されているから、本当の大当りの種別が確変大当り(突然確変大当りを除く)であったときは、遊技者に不利益を与えないように確変図柄を再抽選演出で導出表示する必要があるからである。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行タイミング決定用乱数を抽出し(ステップS639)、抽出した実行タイミング決定用乱数の値に従って、再抽選演出の実行タイミングを決定する(ステップS640)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS642)。具体的には、再抽選演出が大当り中に実行されると決定されたときは、大当り中再抽選実行フラグがセットされ、再抽選演出がエンディングにおいて実行されると決定されたときは、エンディング再抽選実行フラグがセットされる。
なお、ステップS640で再抽選演出がエンディングにおいて実行されると決定された場合には、本来、エンディングにおいて再抽選演出が実行されない予定であったのに、図柄情報指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100にて受信されなかったためにエンディングにおいて再抽選演出を実行しなければならなくなったことになる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドの未受信時用のエンディング演出(再抽選演出を実行する3秒の実行時間のエンディング演出)を実行するようにしてもよい。この実施の形態では、再抽選演出を実行するエンディング演出の実行時間を10秒とし、再抽選演出を実行しないエンディング演出の実行時間を3秒としていたので、ステップS640においてエンディングで再抽選演出を実行することに決定されると10秒の実行時間のエンディング演出が実行されることになるが、図柄情報指定コマンドの未受信のときに10秒の実行時間のエンディング演出を実行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の制御タイミングと合わなくなってしまうからである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間のエンディング演出の実行時間の同期をとるために、そもそもステップS640で再抽選演出の実行タイミングとしてエンディングを決定しない(常に再抽選演出の実行タイミングとして大当り中を決定する)ようにしてもよい。
一方、再抽選演出を実行する必要がある場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していた場合は(ステップS638のY)、ファンファーレコマンドで指定されたタイミングを再抽選演出の実行タイミングに決定する(ステップS641)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが、大当りの終了(エンディング)を指定する演出制御コマンド(エンディングコマンド:A301(H)〜A305(H))であれば(ステップS643のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドの内容に応じたエンディング受信フラグをセットする(ステップS644)。例えば、エンディングコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、突然確変大当りの終了を示すエンディング受信フラグをセットする。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS645)。
図41は、第1の飾り図柄決定処理(ステップS620)を示すフローチャートである。第1の飾り図柄決定処理において、受信した変動パターンコマンドがはずれ専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS651のY)、はずれが決定されたことを示すはずれ決定フラグをセットするとともに(ステップS652)、変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS653)。リーチを伴う変動パターンでなければ(ステップS653のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ無ハズレ決定処理を実行する(ステップS654)。なお、リーチ無ハズレ決定処理の詳しい内容については後述する(図42参照)。
リーチを伴う変動パターンであれば(ステップS653のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ有ハズレ決定処理を実行する(ステップS655)。なお、リーチ有ハズレ決定処理の詳しい内容については後述する(図60参照)。
はずれ専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS651のN)、確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS656のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが決定されたことを示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS657)。そして、第1の確変図柄決定処理を実行する(ステップS658)。なお、第1の確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図101参照)。
確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS656のN)、通常大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS659のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが決定されたことを示す通常大当り決定フラグをセットする(ステップS660)。そして、非確変図柄決定処理を実行する(ステップS661)。なお、非確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図102参照)。
通常大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS659のN)、突然確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS662のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りが決定されたことを示す突然確変大当り決定フラグをセットする(ステップS663)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を突然確変図柄「夏冬春」に決定し格納する(ステップS664)。突然確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS662のN)、小当り専用の変動パターンであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが決定されたことを示す小当り決定フラグをセットする(ステップS665)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を小当り図柄「夏冬春」に決定し格納する(ステップS666)。このように、この実施の形態では、突然確変図柄と小当り図柄は、同じ1種類の図柄としている(図5参照)。
図42は、リーチ無ハズレ決定処理(ステップS654)を示すフローチャートである。リーチ無ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1001)。現在の演出モードがチャンスモードであるかどうかは、演出モードがチャンスモード中であることを示すチャンスモード中フラグがセットされているかどうかを確認することにより行う。チャンスモード中フラグは、例えば、背景指定コマンドとしてチャンス状態背景指定コマンド(9503(H))を受信したときにセットし、チャンスモード中においてチャンス状態背景指定コマンド以外のコマンドを受信したときにリセットする(ステップS614参照)。または、突然確変大当りや小当りが終了するときにセットし、チャンスモードの終了条件が成立したとき(例えば、チャンスモード中に大当りが発生し、その大当りが終了したとき)にリセットする(ステップS807,S808参照)。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1001のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1002)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、左図柄選択用テーブル(図43、図49、図50、図51)を用いてはずれ図柄の左図柄を決定し格納する(ステップS1003)。左図柄選択用テーブルは、図43、図49、図50および図51に示すように、各左図柄に複数の判定値が略均等に割り振られている。なお、各左図柄に対応つけられた数字は、割り振られた判定値の数を示している。演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数値と一致する判定値の図柄を左図柄と決定する。なお、決定された左図柄はRAMの所定領域に格納される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1004)。そして、変動パターンに応じた右図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1005)。具体的には、「通常変動」の変動パターン(8000(H))や「時短時通常変動」の変動パターン(8001(H))であれば、図43に示す右図柄加算値決定テーブルを選択する。また、「2コマすべりガセ」の変動パターン(8002(H))であれば、図49に示す右図柄加算値決定テーブルを選択する。また、「3コマすべりガセ」の変動パターン(8003(H))であれば、図50に示す右図柄加算値決定テーブルを選択する。また、「4コマすべりガセ」の変動パターン(8004(H),8005(H))であれば、図51に示す右図柄加算値決定テーブルを選択する。
ここで、「○コマすべりガセ」とは、左図柄が停止した後に右図柄が仮停止し、その後に右図柄が所定コマ数すべって停止する演出を実行する変動パターンである。「○コマすべりガセ」では、右図柄がすべって停止したときに左図柄と同一図柄にならない(リーチが成立しない)のに対し、後述する「○コマすべり」では、右図柄がすべって停止したときに左図柄と同一図柄になる(リーチが成立する)。
右図柄加算値決定テーブルにおいて、「加算値」とは、ステップS1003で決定された左図柄に加算される図柄番号の値である。例えば、決定された左図柄が「一」で加算値が「3」であれば、右図柄は「四」と決定される。なお、「○コマすべりガセ」の変動パターンの場合は、図49〜図51の右図柄加算値決定テーブルを用いて仮停止される右図柄が決定される。例えば、決定された左図柄が「一」で加算値が「9」であれば、仮停止される右図柄は「夏」となり、導出表示される右図柄は変動パターンで示される○コマすべりの「○コマ」をさらに加算した図柄(2コマすべりであれば「夏」に2コマ加算した「冬」)となる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1004にて抽出した乱数値に従って、ステップS1005で選択した右図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の右図柄を決定し格納する(ステップS1006)。右図柄加算値決定テーブルは、図43、図49、図50および図51に示すように、原則として、各加算値に対して複数の判定値が割り振られる。但し、加算値「0」に対して判定値は割り振られていない。加算値「0」の右図柄を決定すると、リーチが成立してしまうからである。また、すべりガセの演出(左図柄が停止し右図柄が停止した後に、右図柄が所定コマ数すべって停止する演出)が実行される場合は、リーチが成立しそうになる右図柄を選択するために、図49〜図51に示すように、「1」や「9」「10」「11」などの加算値に対して判定値が割り振られている。一方、右図柄のすべりコマ数に応じた加算値に対して判定値は割り振られていない。例えば、図50に示す「3コマすべりガセ」の右図柄加算値決定テーブルにおいて、加算値「9」に対して判定値は割り振られていない。左図柄が「一」で加算値が「9」であると、右図柄が「夏」となるが、3コマすべりによって「夏」が「一」になると、リーチが成立してしまうからである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1005で右図柄加算値決定テーブルを選択し、ステップS1004で抽出した乱数値と一致する左図柄に対する加算値を決定し、決定した加算値を左図柄の図柄番号に加算した図柄番号の右図柄を決定し、決定した右図柄をRAMの所定領域に格納する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1007)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した左右図柄がチャンス目禁則パターン(チャンス目が生じ得る左図柄と右図柄の配置パターン)であるかどうかを判定する(ステップS1008)。
上述したように、はずれ図柄を導出表示するときにチャンス目が導出表示されたと誤解が生じるのを回避するために、この実施の形態では、チャンス目(チャンス目A、チャンス目B、突確用のチャンス目(突然確変図柄)、小当り用のチャンス目(小当り図柄))と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御を実行する。ここで、チャンス目禁則パターンに該当するときは、チャンス目が生じ得ることになる。例えば、左図柄「七」で右図柄「夏」のときは、図3に示すチャンス目(1C)が生じ得ることになる。この場合は、チャンス目とならないように、中図柄として「春」を決定しないようにする必要がある。そこで、ステップS1008でチャンス目禁則パターンに該当すると判断したときは(ステップS1008のY)、チャンス目禁則用の中図柄加算値決定テーブルを用いることにする(ステップS1011)。一方、ステップS1008でチャンス目禁則パターンに該当しないと判断したときは(ステップS1008のN)、チャンス目禁則用でない通常の中図柄加算値決定テーブルを用いることにする(ステップS1009)。
ステップS1009では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1006で決定した右図柄加算値に応じた中図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1009)。右図柄加算値に応じた中図柄加算値決定テーブルとして、図44〜46に示すように、右図柄加算値が「1」〜「11」のときのテーブルがそれぞれ用意されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1007にて抽出した乱数値に従って、ステップS1009で選択した中図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の中図柄を決定し格納する(ステップS1010)。
図44〜46に示す右図柄加算値に応じた中図柄加算値決定テーブルでは、中図柄が右図柄と同図柄になるような右図柄に対する中図柄の加算値(加算値「0」)に対して判定値が割り振られていない(すなわち、割り振られる判定値の数が0である)。また、中図柄が左図柄と同図柄になるような右図柄に対する中図柄の加算値に対して判定値が割り振られていない(すなわち、割り振られる判定値の数が0である)。例えば、図44に示す右図柄加算値が「1」のときの中図柄加算値決定テーブルにおいて、右図柄に対する加算値「11」に対して判定値が割り振られていない。これは以下の理由による。
通常の演出モードのときは、左図柄が停止し、右図柄が停止した後に、中図柄が停止する(すなわち、最後に停止する図柄は中図柄である)。これに対し、チャンスモードのときは、後述するように、最後に停止する図柄は中図柄に限られず、左図柄や右図柄の場合もある。この場合、中図柄および右図柄が同一図柄になったときや、左図柄および中図柄が同一図柄になったときでもリーチが成立することになる。ここで、例えば図44に示す右図柄加算値が「1」のときの中図柄加算値決定テーブルにおいて、左図柄が例えば「一」のとき、右図柄加算値が「1」であるので右図柄が「二」となり、中図柄加算値が「0」であると中図柄が「二」になる。この場合、左中右のはずれ図柄は「一二二」となってしまう。この図柄は通常の演出モードではリーチが成立していない「はずれ図柄」であるが、チャンスモード中ではリーチが成立しているので、「一二二」のような図柄を導出表示すると、リーチが成立したと遊技者に誤解を与えてしまうおそれがある。同じように、例えば図44に示す右図柄加算値が「1」のときの中図柄加算値決定テーブルにおいて、左図柄が例えば「一」のとき、右図柄加算値が「1」であるので右図柄が「二」となり、中図柄加算値が「11」であると中図柄が「一」になる。この場合、左中右のはずれ図柄は「一一二」となってしまう。この図柄は通常の演出モードではリーチが成立していない「はずれ図柄」であるが、チャンスモード中ではリーチが成立しているので、「一一二」のような図柄を導出表示すると、リーチが成立したと遊技者に誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、右図柄加算値に応じた中図柄加算値決定テーブルにおいて、中図柄が右図柄や左図柄と同図柄になるような右図柄に対する中図柄の加算値に対して判定値を割り振らないようにしている。なお、常に左右図柄でリーチとなる場合は、右図柄加算値0〜11の全てに対して判定値を割り振るようにしてもよい。
ステップS1011では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1003,S1006で決定した左右図柄に応じたチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1011)。左右図柄に応じたチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルとして、図47および図48に示すように、チャンス目禁則パターン毎のテーブルがそれぞれ用意されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1007にて抽出した乱数値に従って、ステップS1011で選択したチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の中図柄を決定し格納する(ステップS1012)。
図47および図48に示すチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルでは、図3〜5に示すチャンス目(チャンス目A(1C〜12C)、チャンス目B(13C〜15C)、突確用・小当り用共通のチャンス目(16C))になるような右図柄に対する中図柄の加算値に対して判定値が割り振られていない(すなわち、割り振られる判定値の数が0である)。例えば、図47に示す左図柄が「七」で右図柄が「春」の場合・左図柄が「冬」で右図柄が「春」の場合・左図柄が「夏」で右図柄が「春」の場合のテーブルでは、右図柄に対する加算値「1」と「3」と「10」に対して判定値が割り振られていない。右図柄に対する加算値「1」であると、「七夏春」または「冬夏春」のチャンス目(5Cまたは12C)に該当する可能性があり、右図柄に対する加算値「3」であると、「七冬春」または「夏冬春」のチャンス目(9Cまたは16C)に該当する可能性があり、右図柄に対する加算値「10」であると、「夏七春」のチャンス目(3C)に該当する可能性があるからである。このように、チャンス目禁則用の中図柄加算値決定テーブルを用いて中図柄を決定することにより、確実にチャンス目が成立してしまうのを防止することができる。
なお、図47および図48に示すチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルでは、図3〜5に示すチャンス目ではないがチャンス目に似ている三光・猪鹿蝶の出目(例えば「七春冬」や「六八秋」等:チャンス目類似出目)が出現しないように、そのようなチャンス目類似出目になるような右図柄に対する中図柄の加算値に対しても判定値が割り振られていない。チャンス目類似出目が表示されると、遊技者にチャンス目が表示されたと誤解を与えてしまうおそれがあるが、図47および図48のテーブルにおいてチャンス目類似出目の禁則をかけることにより、チャンス目類似出目についても表示しないようにすることができ、遊技者に誤解を与えてしまうのを確実に防止することができる。
ステップS1001において、演出モードがチャンスモード中である場合は(ステップS1001のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始前図柄(変動開始前に一瞬表示される図柄のことをいう。伏せ前出目ともいう)を決定するための変動開始前図柄決定処理を実行する(ステップS1013)。変動開始前図柄決定処理については図52を用いて説明する。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ無はずれのときの変動停止図柄(変動停止時の停止図柄)を決定するためのリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理を実行する(ステップS1014)。なお、リーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理の詳しい内容は後述する(図55参照)。
図52は、変動開始前図柄決定処理を示すフローチャートである。変動開始前図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、出目種類選択用乱数を抽出する(ステップS1021)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図53に示すリーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルを用いて変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択する(ステップS1022)。
リーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルは、図53に示すように、変動開始前図柄の種類の各々に対して複数の判定値が割り振られている。変動開始前図柄の種類としては、「通常」「三光札」「猪・鹿・蝶」「四・四・四」「五・五・五」の5種類が設けられている。上述したように、この実施の形態では、飾り図柄が「花札」となっているが、「通常」は、花札の役が成立しておらず、かつ大当り図柄(ゾロ目)でもない飾り図柄の組み合わせである。「三光札」は、花札の三光の役が成立している飾り図柄の組み合わせ(「小野道風にカエル」を除く20点札4枚のうちの3枚の組み合わせ)である。「猪・鹿・蝶」は、花札の猪鹿蝶の役が成立している飾り図柄の組み合わせ(「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の札の組み合わせ)である。「四・四・四」は、「四」の図柄が揃っている状態である。「五・五・五」は、「五」の図柄が揃っている状態である。
図53に示すように、リーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルでは、「通常」に対して数多くの判定値が割り振られ、「三光札」「猪・鹿・蝶」には数少ない判定値しか割り振られていない。また、「四・四・四」「五・五・五」には判定値が割り振られていない。従って、リーチ無はずれのときは、変動開始前図柄として、「四・四・四」または「五・五・五」が選択されることはない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1022にて選択した変動開始前図柄の種類(出目種類)が「通常」であるか否かを判定する(ステップS1023)。「通常」であれば(ステップS1023のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ハズレ目決定用乱数を抽出する(ステップS1024)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図54に示すハズレ目決定テーブルを用いてハズレ目を決定し格納する(ステップS1025)。ここで、「ハズレ目」とは、「通常」のときに選択される花札の役が成立しておらず、かつ大当り図柄(ゾロ目)でもない飾り図柄の組み合わせのことをいう。図54に示すハズレ目決定テーブルでは、各ハズレ目に対して複数の判定値が略均等に割り振られている。
ステップS1023で「通常」でなければ(ステップS1023のN)、ステップS1022にて選択した変動開始前図柄の種類(出目種類)が「三光札」または「猪鹿蝶」であるか否かを判定する(ステップS1026)。「三光札」または「猪鹿蝶」であれば(ステップS1026のY)、「三光札」または「猪鹿蝶」の出目として予め定められた「チャンス目A」または「チャンス目B」を決定し格納する(ステップS1027)。ここで、「三光札」の出目として予め定められたチャンス目Aは1種類の「冬夏春」であり、「猪鹿蝶」の出目として予め定められたチャンス目Bは1種類の「六秋八」である。
次に、ステップS1026で「三光札」または「猪鹿蝶」でなければ(ステップS1026のN)、ステップS1022で選択した変動開始前図柄の種類(出目種類)が「四・四・四」「五・五・五」であると判定し、変動開始前図柄として「四・四・四」「五・五・五」を決定し格納する(ステップS1028)。なお、リーチ無はずれのときは、「四・四・四」「五・五・五」に判定値が割り振られていないので、変動開始前図柄として「四・四・四」「五・五・五」が決定されることはない。
図55および図56は、リーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理を示すフローチャートである。ここで、変動停止図柄とは、リーチ無はずれのときは、図柄の変動停止時に導出表示される飾り図柄の停止図柄のことをいう。なお、リーチ無はずれのときの変動停止図柄をハズレ目ともいう。リーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ハズレ目種類選択用乱数を抽出する(ステップS1031)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図57に示すハズレ目種類選択テーブルを用いてハズレ目の種類(変動停止図柄の種類)を選択する(ステップS1032)。
リーチ無はずれのときのハズレ目種類選択テーブルは、図57に示すように、ハズレ目(変動停止図柄)の種類の各々に対して複数の判定値が割り振られている。ハズレ目の種類としては、「通常変動系」「ガセ三光札」「ガセ猪・鹿・蝶」の3種類が設けられている。上述したように、この実施の形態では、飾り図柄が「花札」となっているが、「通常変動系」は、花札の役が全く成立していない飾り図柄の組み合わせである。「ガセ三光札」は、3つの飾り図柄のうちの2つの図柄が花札の三光の役の図柄であるが、1つの図柄(右図柄)だけが三光の役の図柄でない飾り図柄の組み合わせである。「ガセ猪・鹿・蝶」は、3つの飾り図柄のうちの2つの図柄が花札の猪鹿蝶の役の図柄であるが、1つの図柄(右図柄)だけが猪鹿蝶の役の図柄でない飾り図柄の組み合わせである。なお、チャンスモード中は、原則として、左図柄、中図柄、右図柄の順に図柄が停止される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1032にて選択した変動停止図柄の種類(ハズレ目種類)が「通常変動系」であるか否かを判定する(ステップS1033)。「通常変動系」であれば(ステップS1033のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図42のステップS1002〜S1012の処理と同様の処理によって左中右のはずれ図柄を決定する(ステップS1034〜S1044)。
すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1034)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、左図柄選択用テーブル(図43、図49、図50、図51)を用いてはずれ図柄の左図柄を決定し格納する(ステップS1035)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1036)。そして、変動パターンに応じた右図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1037)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、ステップS1037で選択した右図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の右図柄を決定し格納する(ステップS1038)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1039)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した左右図柄がチャンス目禁則パターン(チャンス目が生じ得る左図柄と右図柄の配置パターン)であるかどうかを判定する(ステップS1040)。ステップS1040でチャンス目禁則パターンに該当すると判断したときは(ステップS1040のY)、チャンス目禁則用の中図柄加算値決定テーブルを用いることにする(ステップS1043)。一方、ステップS1040でチャンス目禁則パターンに該当しないと判断したときは(ステップS1040のN)、チャンス目禁則用でない通常の中図柄加算値決定テーブルを用いることにする(ステップS1041)。
ステップS1041では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1038で決定した右図柄加算値に応じた中図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1041)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1039にて抽出した乱数値に従って、ステップS1041で選択した中図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の中図柄を決定し格納する(ステップS1042)。
ステップS1043では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1035,S1038で決定した左右図柄に応じたチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1043)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1039にて抽出した乱数値に従って、ステップS1043で選択したチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の中図柄を決定し格納する(ステップS1044)。
ステップS1033において、ステップS1032にて選択した変動停止図柄の種類(ハズレ目種類)が「通常変動系」でなければ(ステップS1033のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ガセチャンス目決定用乱数を抽出する(ステップS1046)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1032にて選択した変動停止図柄の種類(ハズレ目種類)が「ガセ三光札」であるか否かを判定する(ステップS1047)。「ガセ三光札」であれば(ステップS1047のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1046で抽出した乱数値に従って、図58に示すガセチャンス目A選択用テーブルを用いて左中図柄(左図柄と中図柄)を決定し格納する(ステップS1048)。ガセチャンス目A選択用テーブルは、図58に示すように、左図柄と中図柄の組み合わせとして三光役の図柄の組み合わせが設定され、それらの図柄の組み合わせに対して複数の判定値が略均等に割り振られている。なお、図58の左図において、最も左側の数字(15や16)が判定値の数を示し、その数字の右側の2つの図柄がガセチャンス目の左図柄と中図柄(例えば、「七春」「七夏」など)を示し、最も右側の丸で囲んだ数字(1)のところに図58の右図を用いてステップS1050で決定されるガセチャンス目の右図柄が入る。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1049)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図58に示すガセチャンス目A用の右図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄(ガセチャンス目)の右図柄を決定する(ステップS1050)。ガセチャンス目A用の右図柄加算値決定テーブルは、図58に示すように、「七」「春」「夏」「冬」の図柄以外の図柄に対して複数の判定値が略均等に割り振られている。「七」「春」「夏」「冬」の図柄に判定値が割り振られていないのは、チャンス目Aを成立させないためである。
ステップS1047において、ステップS1032にて選択した変動停止図柄の種類(ハズレ目種類)が「ガセ三光札」でなければ(ステップS1047のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動停止図柄の種類(ハズレ目種類)が「ガセ猪・鹿・蝶」であると判断する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1046で抽出した乱数値に従って、図59に示すガセチャンス目B選択用テーブルを用いて左中図柄(左図柄と中図柄)を決定し格納する(ステップS1051)。ガセチャンス目B選択用テーブルは、図59に示すように、左図柄と中図柄の組み合わせとして猪・鹿・蝶の役の図柄の組み合わせが設定され、それらの図柄の組み合わせに対して複数の判定値が略均等に割り振られている。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1052)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図59に示すガセチャンス目B用の右図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄(ガセチャンス目)の右図柄を決定する(ステップS1053)。ガセチャンス目B用の右図柄加算値決定テーブルは、図59に示すように、「六」「八」「秋」の図柄以外の図柄に対して複数の判定値が略均等に割り振られている。「六」「八」「秋」の図柄に判定値が割り振られていないのは、チャンス目Bを成立させないためである。チャンスモード中は、チャンス目のテンパイを一定割合で出現させるので、チャンス目に対する興味(チャンス目になるか否か)を持たせることができる。
図60は、リーチ有ハズレ決定処理(ステップS655)を示すフローチャートである。リーチ有ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1061)。現在の演出モードがチャンスモードであるかどうかは、演出モードがチャンスモード中であることを示すチャンスモード中フラグがセットされているかどうかを確認することにより行う。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1061のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1062)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図61に示すリーチ図柄選択用テーブルを用いてリーチ図柄(左右図柄)を決定し格納する(ステップS1063)。リーチ図柄選択用テーブルは、図61に示すように、各左右図柄に複数の判定値が略均等に割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数値と一致する判定値の図柄をリーチ図柄と決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて中図柄を決定し格納する(ステップS1064)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図14に示したように、リーチはずれのときの変動パターンコマンドとして8006(H)〜8029(H)の変動パターンコマンドを受信する。これらの変動パターンコマンドによって、リーチの態様が特定されるとともに、リーチ図柄に対する図柄差も特定される。図14に示す例では、(−3)が図柄差−3コマであることを示し、(−2)が図柄差−2コマであることを示し、(−1)が図柄差−1コマであることを示し、(+1)が図柄差+1コマであることを示し、(+2)が図柄差+2コマであることを示している。例えば、リーチ図柄が「七」と決定され、変動パターンコマンドで特定されるリーチ図柄に対する図柄差が(−2)であれば、中図柄は「五」となり、変動停止図柄は「七五七」となる。
ステップS1061において、演出モードがチャンスモード中である場合は(ステップS1061のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始前図柄(伏せ前出目ともいう)を決定するための変動開始前図柄決定処理を実行する(ステップS1065)。
この実施の形態では、ステップS1065の変動開始前図柄決定処理は、図42のステップS1013と同内容の処理である(すなわち、同じサブルーチンの処理である)。但し、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択するときに用いる出目種類選択テーブルとして、図53に示したリーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルを用いる代わりに、図62に示すリーチ有はずれのときの出目種類選択テーブルを用いて、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択する。なお、図62に示すように、リーチ有はずれのときの出目種類選択テーブルでは、「四・四・四」「五・五・五」には判定値が割り振られていない。従って、リーチ有はずれのときは、変動開始前図柄として、「四・四・四」または「五・五・五」が選択されることはない。
なお、この実施の形態では、図53に示すテーブルと図62に示すテーブルとでは、出目種類に対する判定値の振り分けは同じとしているが、例えば、リーチ有はずれのときの出目種類選択テーブルの方が、「三光札」や「猪鹿蝶」に対する判定値の振り分けを多くするなど、振り分け率を異ならせるようにしてもよい。このような構成によれば、変動開始前図柄(伏せ前出目)の種類によってリーチ予告を行うことができるようになる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ有はずれのときの変動停止図柄(変動停止時の停止図柄)を決定するためのリーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理を実行する(ステップS1066)。
図63および図64は、リーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理を示すフローチャートである。リーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1071)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図61に示したリーチ図柄選択用テーブルを用いてリーチ図柄を決定し格納する(ステップS1072)。なお、チャンスモード中においては、リーチ図柄は左右図柄に限らず、左図柄と中図柄、中図柄と右図柄となる場合もある。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて最終停止図柄を決定し格納する(ステップS1073)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図14に示したように、リーチはずれのときの変動パターンコマンドとして8006(H)〜8029(H)によってリーチ図柄に対する図柄差を特定し、特定した図柄差より最終停止図柄(最後に停止する図柄)を決定する。なお、最終停止図柄は、チャンスモード中においては、中図柄に限らず左図柄または右図柄となる場合もある。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目種類選択用乱数を抽出する(ステップS1074)。ここで、変動途中出目とは、飾り図柄の変動の途中で仮停止される出目(飾り図柄の仮停止図柄の組み合わせ)である。この実施の形態では、通常変動が行われた後に変動途中出目が仮停止表示されずに所定のリーチに発展し、あるいは、通常変動が行われた後に変動途中出目が仮停止表示され、その後に所定のスーパーリーチに発展する。変動途中出目のことを変動途中図柄ともいう。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンおよびリーチ図柄に応じた変動途中出目種類選択テーブルを図65〜図72の中から選択する(ステップS1075)。
図65は、変動パターンがノーマルはずれ(8006(H)〜800E(H))で、リーチ図柄が非確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図66は、変動パターンがノーマルはずれ(8006(H)〜800E(H))で、リーチ図柄が確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図67は、変動パターンがスーパーAはずれ(800F(H)〜801A(H))で、リーチ図柄が非確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図68は、変動パターンがスーパーAはずれ(800F(H)〜801A(H))で、リーチ図柄が確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図69は、変動パターンがスーパーBはずれ(801B(H)〜801E(H))で、リーチ図柄が非確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図70は、変動パターンがスーパーBはずれ(801B(H)〜801E(H))で、リーチ図柄が確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図71は、変動パターンがスーパーCはずれ(801F(H)〜8029(H))で、リーチ図柄が非確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。図72は、変動パターンがスーパーCはずれ(801F(H)〜8029(H))で、リーチ図柄が確変図柄であるときの変動途中出目種類選択テーブルである。
リーチ有はずれのときの変動途中出目種類選択テーブルは、図65〜図72に示すように、変動途中図柄の種類(リーチに発展するパターン)の各々に対して複数の判定値が割り振られている。変動途中図柄の種類としては、「通常」「三光札」「鹿先頭」「鹿先頭以外」の4種類が設けられている。「通常」は、通常変動から変動途中図柄が仮停止表示されずにノーマルリーチに発展するパターンである。「三光札」は、通常変動から三光役の飾り図柄の組み合わせで変動途中図柄が仮停止表示された後にスーパーリーチに発展するパターンである。「鹿先頭」は、通常変動から先頭の図柄が「鹿(秋)」である猪鹿蝶の役の飾り図柄の組み合わせで変動途中図柄が仮停止表示された後にスーパーリーチに発展するパターンである。「鹿先頭以外」は、通常変動から先頭の図柄が「鹿(秋)」以外の図柄である猪鹿蝶の役の飾り図柄の組み合わせで変動途中図柄が仮停止表示された後にスーパーリーチに発展するパターンである。
変動パターンがノーマルリーチのときの変動途中出目種類選択テーブル(図65、図66)では、変動途中図柄の種類として、常に「通常」が選択される。すなわち、変動途中出目としてチャンス目が仮停止表示されることがない。また、変動パターンがスーパーリーチのときの変動途中出目種類選択テーブルでは、図67〜図72に示すように、リーチ図柄が確変図柄か非確変図柄かによって、変動途中図柄の特定の種類に対して判定値が割り振られない。例えば、リーチ図柄が非確変図柄の場合、図65、図67、図69および図71に示すように、「三光札」「鹿先頭」に判定値が割り振られておらず、リーチ図柄が確変図柄の場合、図66、図68、図70および図72に示すように、「鹿先頭」に判定値が割り振られていない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1074で抽出した乱数値に従って、ステップS1075で選択した変動途中出目種類選択テーブルを用いて、変動途中出目種類を選択する(ステップS1076)。例えば、変動パターンが「スーパーAはずれ(0or1コマすべり)」(800F(H)、8012(H)、8015(H)または8018(H))で、ステップS1072で決定されたリーチ図柄が確変図柄の場合、図68に示すスーパーAはずれ確変リーチのときの「0or1コマすべり」のテーブルが選択される。そして、乱数値に対応する変動途中図柄の種類(リーチに発展するパターン)として「通常」「三光札」「鹿先頭以外」の「いずれかが選択される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1076にて選択した変動途中出目の種類が「通常」であるかどうかを判定する(ステップS1077)。「通常」であれば、通常変動から変動途中図柄が仮停止表示されずにノーマルリーチに発展することになる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、テンパイ動作選択用乱数を抽出する(ステップS1078)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図73〜図76に示す変動パターンに応じたテンパイ動作選択テーブルを選択する(ステップS1079)。ここで、「テンパイ動作」とは、リーチに発展するまでの動作をいう。テンパイ動作の態様により、左・中・右の飾り図柄のうちのいずれかの図柄が最終停止図柄となるかについても決定される。
図73は、変動パターンが0or1コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図74は、変動パターンが2or3コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図75は、変動パターンが4コマすべりまたは5コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図76は、変動パターンが6コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1078で抽出した乱数値に従って、ステップS1079で選択したテンパイ動作選択テーブルを用いてテンパイ動作を選択する(ステップS1080)。
図73〜図76に示すテンパイ動作選択テーブルにおいて、「右あおり」とは、最終停止図柄が右図柄であることを意味し、「中あおり」とは、最終停止図柄が中図柄であることを意味し、「左あおり」とは、最終停止図柄が左図柄であることを意味する。また、「中1燃え」とは、中図柄が1コマすべってリーチが発生することを意味し、「中2燃え」とは、中図柄が2コマすべってリーチが発生することを意味し、「中3燃え」とは、中図柄が3コマすべってリーチが発生することを意味し、「中0燃え」とは、すべりなしでリーチが発生することを意味する。また、「停止後左右1燃え」とは、飾り図柄の停止後に左右図柄が1コマすべってリーチが発生することを意味する。また、「中1燃え停止後左右1燃え」とは、中図柄が1コマすべった後に飾り図柄が停止し、その後に左右図柄が1コマすべってリーチが発生することを意味する。なお、燃え演出としては、札(図柄)が燃えて違う札(図柄)が出現する演出が行われる。また、チャンスモード中の燃え演出において図柄のすべるコマ数は、変動パターンで指定される「○コマすべり」の「○コマ」と必ずしも一致しているわけではない。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パターン選択用乱数を抽出し(ステップS1081)、抽出した乱数値に従って、図77に示すパターン選択テーブルを用いてテンパイ動作のパターンとしてパターン1(P1)またはパターン2(P2)を選択する(ステップS1082)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1080で選択したテンパイ動作にもとづいて、図柄移行パターンを決定するための図柄移行パターン決定テーブルを選択する(ステップS1083)。図柄移行パターンは、テンパイ動作中に図柄が移行していくパターンである。図柄移行パターン決定テーブルを図78〜図82に示す。
図柄移行パターン決定テーブルは、ステップS1080で選択したテンパイ動作の種別毎に分けられている。図78に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中燃え右あおり系のテンパイ動作のときに用いられる。図79に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中燃え中あおり系のテンパイ動作のときに用いられる。図80に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中燃え左あおり系のテンパイ動作のときに用いられる。図81に示す図柄移行パターン決定テーブルは、停止後左右1燃え中あおりのテンパイ動作のときに用いられる。図82に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中1燃え停止後左右1燃え中あおりのテンパイ動作のときに用いられる。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1083で選択した図柄移行パターン決定テーブルを用いて、図柄移行パターンを決定する(ステップS1084)。図柄移行パターン決定テーブルでは、図78〜図82に示すように、リーチ図柄によって図柄移行パターンが分けられ、さらに、同じリーチ図柄の図柄パターンがステップS1082で選択されたパターン(P1またはP2)で分けられている。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ステップS1072で決定したリーチ図柄を確認し、ステップS1082で選択したパターンを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄移行パターン決定テーブルを用いて、リーチ図柄およびパターンに応じた図柄移行パターンを選択して決定する。
例えば、ステップS1083で選択した図柄移行パターン決定テーブルが図78に示す中燃え右あおり系のテーブルであり、リーチ図柄が「五」であり、パターンが「P1」であるとする。この場合、左図柄が「五」で仮停止するとともに、中図柄が「春」で仮停止し、中図柄が「春」から「七」に、「七」から「秋」に、「秋」から「五」に移行して、リーチとなる。その後、変動パターンコマンドで指定されたリーチの動作(演出)が実行される。
また、例えば、ステップS1083で選択した図柄移行パターン決定テーブルが図80に示す中燃え左あおり系のテーブルであり、リーチ図柄が「一」であり、パターンが「P1」であるとする。この場合、左図柄が「四」で仮停止し、中図柄が「三」で仮停止し、右図柄が「一」で仮停止し、その後、中図柄が「三」から「六」に、「六」から「一」に移行して、中図柄と右図柄が「一」のリーチとなる。その後、変動パターンコマンドで指定されたリーチの動作(演出)が実行される。
また、例えば、ステップS1083で選択した図柄移行パターン決定テーブルが図81に示す停止後左右1燃え中あおり系のテーブルであり、リーチ図柄が「一」であり、パターンが「P1」であるとする。この場合、左図柄が「六」で仮停止し、中図柄が「夏」で仮停止し、右図柄が「三」で仮停止し、その後、左図柄が燃えて「六」から「一」に、右図柄が燃えて「三」から「一」に移行して、左図柄と右図柄が「一」のリーチとなる。その後、変動パターンコマンドで指定されたリーチの動作(演出)が実行される。
また、例えば、ステップS1083で選択した図柄移行パターン決定テーブルが図82に示す中1燃え停止後左右1燃え中あおり系のテーブルであり、リーチ図柄が「一」であり、パターンが「P1」であるとする。この場合、左図柄が「六」で仮停止し、中図柄が「夏」で仮停止し、右図柄が「三」で仮停止し、その後、中図柄が燃えて「夏」から「四」に移行し、そして、左図柄が燃えて「六」から「一」に、右図柄が燃えて「三」から「一」に移行して、左図柄と右図柄が「一」のリーチとなる。その後、変動パターンコマンドで指定されたリーチの動作(演出)が実行される。
ステップS1077において、変動途中出目の種類が「通常」でない場合は(ステップS1077のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、テンパイ動作選択用乱数を抽出する(ステップS1085)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目の種類が「三光札」であるかどうかを判定する(ステップS1086)。「三光札」であれば(ステップS1086のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図83〜図86に示す変動パターンに応じたチャンス目A用のテンパイ動作選択テーブルを選択する(ステップS1087A)。ここで、「テンパイ動作」とは、チャンス目A(三光札)が成立するまでの動作をいう。
図83は、変動パターンが0or1コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図84は、変動パターンが2or3コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図85は、変動パターンが4コマすべりまたは5コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図86は、変動パターンが6コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1085で抽出した乱数値に従って、ステップS1087Aで選択したチャンス目A用のテンパイ動作選択テーブルを用いてテンパイ動作を選択する(ステップS1088A)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目選択用乱数を抽出する(ステップS1089A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図87に示すチャンス目A選択テーブルを用いてチャンス目Aを決定する(ステップS1090A)。図87に示すように、チャンス目A選択テーブルには、各チャンス目A(三光札)に対して複数の判定値が略均等に割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1089Aで抽出した判定値と一致するチャンス目Aを仮停止する変動途中出目(変動途中図柄)とする。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パターン選択用乱数を抽出し(ステップS1091A)、抽出した乱数値に従って、図88に示すパターン選択テーブルを用いてテンパイ動作のパターンとしてパターンA(PA)またはパターンB(PB)を選択する(ステップS1092A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1088Aで選択したテンパイ動作にもとづいて、図柄移行パターンを決定するための図柄移行パターン決定テーブルを選択する(ステップS1093A)。図柄移行パターンは、テンパイ動作中に図柄が移行していくパターンである。図柄移行パターン決定テーブルを図89〜図91に示す。
図柄移行パターン決定テーブルは、ステップS1088Aで選択したテンパイ動作の種別毎に分けられている。図89に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中燃え系のテンパイ動作のときに用いられる。図90に示す図柄移行パターン決定テーブルは、停止後左右燃え系のテンパイ動作のときに用いられる。図91に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中1燃え停止後左右燃え系のテンパイ動作のときに用いられる。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1093Aで選択した図柄移行パターン決定テーブルを用いて、図柄移行パターンを決定する(ステップS1094A)。図柄移行パターン決定テーブルでは、図89〜図91に示すように、ステップS1092Aで選択されたパターン(PAまたはPB)によって分けられ、さらに、同じパターンの図柄移行パターンがステップS1090Aで決定されたチャンス目Aの内容で分けられている。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ステップS1090Aで決定されたチャンス目Aの内容を確認し、ステップS1092Aで選択されたパターンを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄移行パターン決定テーブルを用いて、パターンおよびチャンス目Aに応じた図柄移行パターンを選択して決定する。
例えば、ステップS1093Aで選択した図柄移行パターン決定テーブルが図89に示す中燃え系のテーブルであり、パターンが「PA」であり、チャンス目Aが「七春夏」であるとする。この場合、左図柄が「七」で仮停止(左停止)した後、中図柄が「八」から「秋」に、「秋」から「三」に、「三」から「春」に移行し、右図柄が「夏」で仮停止(右停止)して、チャンス目A「七春夏」となる。その後、変動パターンコマンドで指定されたスーパーリーチに発展し、スーパーリーチの動作(演出)が実行される。
また、例えば、ステップS1093Aで選択した図柄移行パターン決定テーブルが図90に示す停止後左右燃え系のテーブルであり、パターンが「PA」であり、チャンス目Aが「七春夏」であるとする。この場合、左図柄が「五」で仮停止(左停止)し、中図柄が「春」で仮停止(中仮停止)し、右図柄が「六」で仮停止(右停止)した後、左図柄が燃えて「五」から「七」に、右図柄が燃えて「六」から「夏」に移行して、チャンス目A「七春夏」となる。その後、変動パターンコマンドで指定されたスーパーリーチに発展し、スーパーリーチの動作(演出)が実行される。
また、例えば、ステップS1093Aで選択した図柄移行パターン決定テーブルが図91に示す中1燃え停止後左右燃え系のテーブルであり、パターンが「PA」であり、チャンス目Aが「七春夏」であるとする。この場合、左図柄が「三」で仮停止(左停止)し、中図柄が「秋」で仮停止(中仮停止)し、中図柄が燃えて「秋」から「春」に移行するとともに、右図柄が「一」で仮停止(右停止)し、その後、左図柄が燃えて「三」から「七」に、右図柄が燃えて「一」から「夏」に移行して、チャンス目A「七春夏」となる。その後、変動パターンコマンドで指定されたスーパーリーチに発展し、スーパーリーチの動作(演出)が実行される。
ステップS1086において、変動途中出目の種類が「三光札」でない場合は(ステップS1086のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目の種類が「猪・鹿・蝶(鹿先頭または鹿先頭以外)」であると判断する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図92〜図95に示す変動パターンに応じたチャンス目B用のテンパイ動作選択テーブルを選択する(ステップS1087B)。ここで、「テンパイ動作」とは、チャンス目B(猪鹿蝶)が成立するまでの動作をいう。
図92は、変動パターンが0or1コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図93は、変動パターンが2or3コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図94は、変動パターンが4コマすべりまたは5コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。図95は、変動パターンが6コマすべりのときのテンパイ動作選択テーブルである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1085で抽出した乱数値に従って、ステップS1087Bで選択したチャンス目B用のテンパイ動作選択テーブルを用いてテンパイ動作を選択する(ステップS1088B)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目選択用乱数を抽出する(ステップS1089B)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図96に示すチャンス目B選択テーブルを用いてチャンス目Bを決定する(ステップS1090B)。図96に示すように、チャンス目B選択テーブルは、「鹿先頭」選択時のテーブルと「鹿先頭以外」選択時のテーブルとに分かれている。「鹿先頭」選択時のテーブルには、鹿の図柄(秋)が先頭の猪・鹿・蝶の役の組み合わせの図柄が設定されている。また、「鹿先頭以外」選択時のテーブルには、鹿の図柄(秋)以外の図柄が先頭の猪・鹿・蝶の役の組み合わせの図柄(1種類の「猪鹿蝶」)が設定されている。そして、各図柄に対して複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目として「鹿先頭」が選択されたか「鹿先頭以外」が選択されたかを判定してテーブルを選択し、ステップS1089Bで抽出した判定値と一致するチャンス目Bを仮停止する変動途中出目(変動途中図柄)とする。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パターン選択用乱数を抽出し(ステップS1091B)、抽出した乱数値に従って、図97に示すパターン選択テーブルを用いてテンパイ動作のパターンとしてパターンA(PA)またはパターンB(PB)を選択する(ステップS1092B)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1088Bで選択したテンパイ動作にもとづいて、図柄移行パターンを決定するための図柄移行パターン決定テーブルを選択する(ステップS1093B)。図柄移行パターンは、テンパイ動作中に図柄が移行していくパターンである。図柄移行パターン決定テーブルを図98〜図100に示す。
図柄移行パターン決定テーブルは、ステップS1088Bで選択したテンパイ動作の種別毎に分けられている。図98に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中燃え系のテンパイ動作のときに用いられる。図99に示す図柄移行パターン決定テーブルは、停止後左右燃え系のテンパイ動作のときに用いられる。図100に示す図柄移行パターン決定テーブルは、中1燃え停止後左右燃え系のテンパイ動作のときに用いられる。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1093Bで選択した図柄移行パターン決定テーブルを用いて、図柄移行パターンを決定する(ステップS1094B)。図柄移行パターン決定テーブルでは、図98〜図100に示すように、ステップS1092Bで選択されたパターン(PAまたはPB)によって分けられ、さらに、同じパターンの図柄移行パターンがステップS1090Bで決定されたチャンス目Bの内容で分けられている。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ステップS1090Bで決定されたチャンス目Bの内容を確認し、ステップS1092Bで選択されたパターンを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄移行パターン決定テーブルを用いて、パターンおよびチャンス目Bに応じた図柄移行パターンを選択して決定する。
例えば、ステップS1093Bで選択した図柄移行パターン決定テーブルが図98に示す中燃え系のテーブルであり、パターンが「PA」であり、チャンス目Bが「猪鹿蝶」であるとする。この場合、左図柄が「猪(六)」で仮停止(左停止)し、中図柄が「五」から「冬」に、「冬」から「四」に、「四」から「鹿(秋)」に移行し、右図柄が「蝶(八)」で仮停止(右停止)して、チャンス目B「猪鹿蝶」となる。その後、変動パターンコマンドで指定されたスーパーリーチに発展し、スーパーリーチの動作(演出)が実行される。
図101は、第1の確変図柄決定処理(ステップS658)を示すフローチャートである。なお、第1の確変図柄決定処理は、図14および図15に示す変動番号43〜46,71〜76,100〜103の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信したときに実行される処理である。第1の確変図柄決定処理(導出表示される飾り図柄をいずれかの確変図柄に決定する処理)は、ステップS62で確変大当り(再抽選演出なし)つまり図19(C)に示す「確変1」が決定されたときに実行される。
第1の確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1101)。現在の演出モードがチャンスモードであるかどうかは、演出モードがチャンスモード中であることを示すチャンスモード中フラグがセットされているかどうかを確認することにより行う。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1101のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されているかどうかを判定する(ステップS1102)。変動中の再抽選演出の実行が指定されていないときは(ステップS1102のN)、ステップS1106の処理に移行する。変動中の再抽選演出の実行が指定されているときは(ステップS1102のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選選択用乱数を抽出する(ステップS1103)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに応じた確変大当り時の再抽選選択テーブルを選択する(ステップS1104)。確変大当り時の再抽選選択テーブルを図106、図108および図110に示す。
図106は、8コマ確変系(仮当り図柄が8コマ進んで停止する再抽選演出)の再抽選選択テーブルである。図108は、7コマ確変系(仮当り図柄が7コマ進んで停止する再抽選演出)の再抽選選択テーブルである。図110は、5コマ確変系(仮当り図柄が5コマ進んで停止する再抽選演出)の再抽選選択テーブルである。図15に示すように、変動パターンコマンドで「再抽選8コマ」が指定されたときに8コマ確変系の再抽選選択テーブルが選択される。変動パターンコマンドで「再抽選7コマ」が指定されたときに7コマ確変系の再抽選選択テーブルが選択される。変動パターンコマンドで「再抽選5コマ」が指定されたときに5コマ確変系の再抽選選択テーブルが選択される。
図106、図108および図110に示す再抽選選択テーブルでは、各再抽選パターン毎に複数の判定値が割り振られている。再抽選パターンは、所定の仮当り図柄から確変図柄に至るまでの図柄の移行パターンが定義されている。例えば、図106に示す8コマ確変系の再抽選選択テーブルにおいて、仮当り図柄「一」から確変図柄「春」まで図柄が変動する(進んでいく)再抽選パターンや、仮当り図柄「六」から確変図柄「冬」(「一」に進もうとして「冬」に戻る)まで変動する再抽選パターンなどが定義されている。なお、図106に示す再抽選選択テーブルでは、原則として、仮当り図柄が8コマ進んで停止する再抽選演出が設定されているが、8コマ進まないで停止する再抽選演出(7コマしか進まない再抽選演出)も設定されている。同様に、図108に示す再抽選選択テーブルでも、原則として、仮当り図柄が7コマ進んで停止する再抽選演出が設定されているが、7コマ進まないで停止する再抽選演出(6コマしか進まない再抽選演出)も設定され、図110に示す再抽選選択テーブルでも、原則として、仮当り図柄が5コマ進んで停止する再抽選演出が設定されているが、5コマ進まないで停止する再抽選演出(4コマしか進まない再抽選演出)も設定されている。なお、図106、図108および図110に示すように、再抽選選択テーブルでは、各再抽選パターンに振り分けられた判定値の数は不均一になっている。従って、特定の再抽選パターンが他の再抽選パターンよりも決定される割合が高くなっている。また、再抽選演出が行われた後に停止表示される最終停止図柄についても、特定の確変図柄が他の確変図柄よりも決定される割合が高くなっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1103で抽出した乱数値に従って、図106、図108または図110に示す変動パターンに応じた再抽選選択テーブルを用いて再抽選パターン(仮当り図柄)と確変図柄を決定し格納する(ステップS1105)。例えば、図110に示す再抽選選択テーブル(5コマ確変系)が選択された場合において、乱数値と一致する再抽選パターンが仮当り図柄「一」で、非確変図柄「六」に進もうとして戻るパターンであったとする。この場合は、「仮当り図柄」が非確変図柄「一」で再抽選演出実行後の確変図柄が「五」と決定されることになる。
ステップS1102において、変動中の再抽選演出の実行が指定されていないときは(ステップS1102のN)、ステップS1106の処理を実行する。ステップS1106では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1106)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図103に示す確変図柄選択用テーブルを用いて変動停止時の確変図柄を決定し格納する(ステップS1107)。なお、図103に示すように、確変図柄選択用テーブルでは、各確変図柄に振り分けられた判定値の数は不均一になっている。従って、特定の確変図柄が他の確変図柄よりも決定される割合が高くなっている。
ステップS1101において、演出モードがチャンスモード中である場合は(ステップS1101のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始前図柄(伏せ前出目ともいう)を決定するための変動開始前図柄決定処理を実行する(ステップS1108)。
この実施の形態では、ステップS1108の変動開始前図柄決定処理は、図42のステップS1013および図60のステップS1065と同内容の処理である(すなわち、同じサブルーチンの処理である)。但し、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択するときに用いる出目種類選択テーブルとして、図53に示したリーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルや図62に示したリーチ有はずれのときの出目種類選択テーブルを用いる代わりに、図112に示す確変大当りのときの出目種類選択テーブルを用いて、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択する。なお、図112に示すように、確変大当りのときの出目種類選択テーブルでは、「四・四・四」「五・五・五」にも判定値が割り振られている。従って、変動開始前図柄として、「四・四・四」または「五・五・五」が選択され得ることになる。「四・四・四」または「五・五・五」が選択されたときは、100パーセント大当りが確定したことになる。なお、「四・四・四」「五・五・五」を大当り目という場合もある。
なお、「五・五・五」は確変大当りのときにしか選択されないので(図111に示すように非確変大当りのときは「五・五・五」に対して判定値が割り振られていないので)、「五・五・五」が選択されたときは、100パーセント確変大当りが確定したことになる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りのときの変動停止図柄(変動停止時の停止図柄)を決定するための大当り時変動停止図柄決定処理を実行する(ステップS1109)。なお、大当り時変動停止図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図115および図116参照)。
図102は、非確変図柄決定処理(ステップS661)を示すフローチャートである。なお、非確変図柄決定処理は、図14および図15に示す変動番号47〜50,77〜78の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信したときに実行される処理である。非確変図柄決定処理(導出表示される飾り図柄をいずれかの非確変図柄に決定する処理)は、ステップS62で通常大当りまたは確変大当り(再抽選演出あり)つまり図19(C)に示す「通常」「確変2」「確変3」が決定されたときに実行される。
非確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1111)。現在の演出モードがチャンスモードであるかどうかは、演出モードがチャンスモード中であることを示すチャンスモード中フラグがセットされているかどうかを確認することにより行う。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1111のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されているかどうかを判定する(ステップS1112)。変動中の再抽選演出の実行が指定されていないときは(ステップS1112のN)、ステップS1116の処理に移行する。変動中の再抽選演出の実行が指定されているときは(ステップS1112のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選選択用乱数を抽出する(ステップS1113)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに応じた非確変大当り(通常大当り)時の再抽選選択テーブルを選択する(ステップS1114)。非確変大当り時の再抽選選択テーブルを図105、図107および図109に示す。
図105は、8コマカス系(仮当り図柄が8コマ進んで停止する再抽選演出)の再抽選選択テーブルである。図107は、7コマカス系(仮当り図柄が7コマ進んで停止する再抽選演出)の再抽選選択テーブルである。図109は、5コマ確変系(仮当り図柄が5コマ進んで停止する再抽選演出)の再抽選選択テーブルである。図15に示すように、変動パターンコマンドで「再抽選8コマ」が指定されたときに8コマカス系の再抽選選択テーブルが選択される。変動パターンコマンドで「再抽選7コマ」が指定されたときに7コマカス系の再抽選選択テーブルが選択される。変動パターンコマンドで「再抽選5コマ」が指定されたときに5コマカス系の再抽選選択テーブルが選択される。
図105、図107および図109に示す再抽選選択テーブルでは、各再抽選パターン毎に複数の判定値が割り振られている。再抽選パターンは、所定の仮当り図柄から非確変図柄(カス図柄ともいう)に至るまでの図柄の移行パターンが定義されている。例えば、図105に示す8コマカス系の再抽選選択テーブルにおいて、仮当り図柄「一」から非確変図柄「八」まで図柄が変動する(進んでいく)再抽選パターンや、仮当り図柄「六」から非確変図柄「一」まで変動する再抽選パターンなどが定義されている。なお、図105に示す再抽選選択テーブルでは、原則として、仮当り図柄が8コマ進んで停止する再抽選演出が設定されているが、8コマ進まないで停止する再抽選演出(7コマしか進まない再抽選演出や6コマしか進まない再抽選演出)も設定されている。同様に、図107に示す再抽選選択テーブルでも、原則として、仮当り図柄が7コマ進んで停止する再抽選演出が設定されているが、7コマ進まないで停止する再抽選演出(6コマしか進まない再抽選演出)も設定され、図109に示す再抽選選択テーブルでも、原則として、仮当り図柄が5コマ進んで停止する再抽選演出が設定されているが、5コマ進まないで停止する再抽選演出(4コマしか進まない再抽選演出)も設定されている。なお、図105、図107および図109に示すように、再抽選選択テーブルでは、各再抽選パターンに振り分けられた判定値の数は不均一になっている。従って、特定の再抽選パターンが他の再抽選パターンよりも決定される割合が高くなっている。また、再抽選演出が行われた後に停止表示される最終停止図柄についても、特定の非確変図柄が他の非確変図柄よりも決定される割合が高くなっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1113で抽出した乱数値に従って、図105、図107または図109に示す変動パターンに応じた再抽選選択テーブルを用いて再抽選パターン(仮当り図柄)と非確変図柄を決定し格納する(ステップS1115)。例えば、図109に示す再抽選選択テーブル(5コマカス系)が選択された場合において、乱数値と一致する再抽選パターンが仮当り図柄「一」で、非確変図柄「六」まで進むパターンであったとする。この場合は、「仮当り図柄」が非確変図柄「一」で再抽選演出実行後の非確変図柄が「六」と決定されることになる。
ステップS1112において、変動中の再抽選演出の実行が指定されていないときは(ステップS1112のN)、ステップS1116の処理を実行する。ステップS1116では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1116)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図104に示す非確変図柄選択用テーブルを用いて変動停止時の非確変図柄を決定し格納する(ステップS1117)。なお、図104に示すように、非確変図柄選択用テーブルでは、各非確変図柄に振り分けられた判定値の数は不均一になっている。従って、特定の非確変図柄が他の非確変図柄よりも決定される割合が高くなっている。
ステップS1111において、演出モードがチャンスモード中である場合は(ステップS1111のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始前図柄(伏せ前出目ともいう)を決定するための変動開始前図柄決定処理を実行する(ステップS1118)。
この実施の形態では、ステップS1118の変動開始前図柄決定処理は、図42のステップS1013、図60のステップS1065および図101のステップS1108と同内容の処理である(すなわち、同じサブルーチンの処理である)。但し、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択するときに用いる出目種類選択テーブルとして、図53に示したリーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルや図62に示したリーチ有はずれのときの出目種類選択テーブル、図112に示した確変大当りのときの出目種類選択テーブルを用いる代わりに、図111に示す非確変大当り(カス当り)のときの出目種類選択テーブルを用いて、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択する。なお、図111に示すように、非確変大当りのときの出目種類選択テーブルでは、「三光札」「五・五・五」に判定値が割り振られていない。従って、変動開始前図柄として、「三光札」または「五・五・五」が選択されることはない。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りのときの変動停止図柄(変動停止時の停止図柄)を決定するための大当り時変動停止図柄決定処理を実行する(ステップS1119)。なお、大当り時変動停止図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図115および図116参照)。
図113および図114は、第2の飾り図柄決定処理(ステップS626)を示すフローチャートである。なお、第2の飾り図柄決定処理は、図14および図15に示す変動番号51〜70,79〜99の変動パターン(確変大当り/通常大当り兼用の変動パターン)の変動パターンコマンドを受信した場合に、15ラウンドの大当りを指定する図柄情報指定コマンドを受信したときに実行される処理である。
第2の飾り図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、図柄情報指定コマンドが確変大当り指定コマンド(変動停止時の停止図柄が確変図柄であることを指定する確変大当り1指定コマンド(8C02(H))であるかどうかを確認し(ステップS671)、確変大当り1指定コマンドであるときは(ステップS671のY)、ステップS672〜S681において、導出表示される飾り図柄をいずれかの確変図柄に決定する。ステップS672では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が確変図柄であること)を示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS672)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS673)。現在の演出モードがチャンスモードであるかどうかは、演出モードがチャンスモード中であることを示すチャンスモード中フラグがセットされているかどうかを確認することにより行う。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS673のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されているかどうかを判定する(ステップS674)。変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されていないときは(ステップS674のN)、ステップS678の処理に移行する。変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されているときは(ステップS674のY)、再抽選選択用乱数を抽出し(ステップS675)、変動パターンに応じた再抽選選択テーブルを選択する(ステップS676)。なお、確変大当りのときの再抽選選択テーブルは、図106、図108および図110に示したテーブルを用いる。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、変動パターンに応じた再抽選選択テーブルを用いて再抽選パターン(仮当り図柄)と確変図柄を決定し格納する(ステップS677)。
ステップS678では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS678)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄選択用テーブルを用いて変動停止時の確変図柄を決定し格納する(ステップS679)。なお、確変図柄選択用テーブルは、図103に示したテーブルを用いる。
ステップS673において、演出モードがチャンスモード中である場合は(ステップS673のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始前図柄(伏せ前出目ともいう)を決定するための変動開始前図柄決定処理を実行する(ステップS680)。
この実施の形態では、ステップS680の変動開始前図柄決定処理は、図42のステップS1013などと同内容の処理である(すなわち、同じサブルーチンの処理である)。但し、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択するときに用いる出目種類選択テーブルとして、図53に示したリーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルなどを用いる代わりに、図112に示す確変大当りのときの出目種類選択テーブルを用いて、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りのときの変動停止図柄(変動停止時の停止図柄)を決定するための大当り時変動停止図柄決定処理を実行する(ステップS681)。なお、大当り時変動停止図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図115および図116参照)。
ステップS671において、図柄情報指定コマンドが確変大当り1指定コマンドでないとき、すなわち、通常大当り指定コマンド(8C01(H))、確変大当り2指定コマンド(8C03(H))または確変大当り3指定コマンド(8C04(H))であるときは(ステップS671のN)、ステップS686〜S695において、導出表示される飾り図柄をいずれかの非確変図柄に決定する。
まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが確変大当り2指定コマンド(8C03(H))または確変大当り3指定コマンド(8C04(H))であるかどうか、すなわち、大当り遊技の開始後に再抽選演出の実行を指定する図柄情報指定コマンドであるかどうかを確認する(ステップS682)。図柄情報指定コマンドが確変大当り2指定コマンド(8C03(H))または確変大当り3指定コマンド(8C04(H))であるときは(ステップS682のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技開始後の再抽選演出の実行を示す再抽選演出実行フラグをセットする(ステップS683)。なお、確変大当り2指定コマンドであれば、大当り中に再抽選演出を実行することを示す大当り中再抽選演出実行フラグをセットし、確変大当り3指定コマンドであれば、エンディングにおいて再抽選演出を実行することを示すエンディング再抽選演出実行フラグをセットする。そして、大当り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS684)、確変図柄選択用テーブル(図103)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS685)。このように決定した確変図柄は、大当り遊技開始後(ラウンド中またはエンディング中)に実行される再抽選演出にて導出表示される確変図柄である。その後、ステップS686の処理に移行する。一方、ステップS682において、図柄情報指定コマンドが確変大当り2指定コマンドまたは確変大当り3指定コマンドでないときは(ステップS682のN)、図柄情報指定コマンドが通常大当り指定コマンド(8C01(H))ということになる。この場合は、ステップS683〜ステップS685の処理を実行せずに、ステップS686の処理に移行する。
ステップS686では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が非確変図柄であること)を示す非確変大当り決定フラグをセットする(ステップS686)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS687)。演出モードがチャンスモード中でないときは(ステップS687のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されているかどうかを判定する(ステップS688)。変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されていないときは(ステップS688のN)、ステップS692の処理に移行する。変動パターンコマンドで変動中の再抽選演出の実行が指定されているときは(ステップS688のY)、再抽選選択用乱数を抽出し(ステップS689)、変動パターンに応じた再抽選選択テーブルを選択する(ステップS690)。なお、非確変大当りのときの再抽選選択テーブルは、図105、図107および図109に示したテーブルを用いる。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、変動パターンに応じた再抽選選択テーブルを用いて再抽選パターン(仮当り図柄)と非確変図柄を決定し格納する(ステップS691)。
ステップS692では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS692)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変図柄選択用テーブルを用いて非確変図柄を決定し格納する(ステップS693)。なお、非確変図柄選択用テーブルは、図104に示したテーブルを用いる。
ステップS687において、演出モードがチャンスモード中である場合は(ステップS687のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始前図柄(伏せ前出目ともいう)を決定するための変動開始前図柄決定処理を実行する(ステップS694)。
この実施の形態では、ステップS694の変動開始前図柄決定処理は、図42のステップS1013などと同内容の処理である(すなわち、同じサブルーチンの処理である)。但し、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択するときに用いる出目種類選択テーブルとして、図53に示したリーチ無はずれのときの出目種類選択テーブルなどを用いる代わりに、図111に示す非確変大当り(カス当り)のときの出目種類選択テーブルを用いて、変動開始前図柄の種類(出目種類)を選択する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りのときの変動停止図柄(変動停止時の停止図柄)を決定するための大当り時変動停止図柄決定処理を実行する(ステップS695)。なお、大当り時変動停止図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図115および図116参照)。
図115および図116は、大当り時変動停止図柄決定処理を示すフローチャートである。大当り時変動停止図柄決定処理は、ステップS1109,S1119,S681,S695のサブルーチンとして実行される。大当り時変動停止図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1201)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りが確変大当りであるか(変動停止時の停止図柄が確変図柄であるか)どうかを確認する(ステップS1202)。確変大当りであるかどうかは、確変大当り決定フラグがセットされているかどうか(あるいは非確変大当り決定フラグがセットされているかどうか)によって判断できる。
確変大当りであれば(ステップS1202のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄選択用テーブル(図103)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS1203)。一方、確変大当りでなく非確変大当り(通用大当り)であれば(ステップS1202のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変図柄選択用テーブル(図104)を用いて非確変図柄を決定し格納する(ステップS1204)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目種類選択用乱数を抽出し(ステップS1205)、変動パターンの内容や大当りの種別(確変大当りか非確変大当りか)に応じた変動途中出目種類選択テーブルを選択する(ステップS1206)。変動途中出目種類選択テーブルとしては、リーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理で使用したテーブル(図65〜図72)を用いることが可能である。但し、各テーブルにおける変動途中出目の種類に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。このように各テーブルにおける変動途中出目の種類に対する判定値の振り分け率を異ならせるようにすれば、変動途中出目によって大当り予告を行うことが可能となる。また、図65〜図72に示すテーブルでは、「鹿先頭」に対して判定値が割り振られていなかったので、大当りのときに使用するテーブルにおいて「鹿先頭」に判定値を割り振ることにより、変動途中出目として「鹿先頭」の出目を出現させることによって大当り確定を遊技者に認識させることができるようになる。また、確変大当りのときに使用するテーブルにおいて「鹿先頭」に判定値を割り振ることにより、変動途中出目として「鹿先頭」の出目を出現させることによって確変大当り確定を遊技者に認識させることができるようになる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1205で抽出した乱数値に従って、ステップS1206で選択した変動途中出目種類選択テーブルを用いて、変動途中出目種類を選択する(ステップS1207)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1207にて選択した変動途中出目の種類が「通常」であるかどうかを判定する(ステップS1208)。「通常」であれば、通常変動から変動途中図柄が仮停止表示されずにノーマルリーチに発展することになる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、テンパイ動作選択用乱数を抽出する(ステップS1209)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに応じたテンパイ動作選択テーブルを選択する(ステップS1210)。テンパイ動作選択テーブルとしては、リーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理で使用したテーブル(図73〜図76)を用いることが可能である。但し、各テーブルにおけるテンパイ動作に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。このように各テーブルにおけるテンパイ動作に対する判定値の振り分け率を異ならせるようにすれば、テンパイ動作によって大当り予告を行うことが可能となる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1209で抽出した乱数値に従って、ステップS1210で選択したテンパイ動作選択テーブルを用いてテンパイ動作を選択する(ステップS1211)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パターン選択用乱数を抽出し(ステップS1212)、抽出した乱数値に従って、パターン選択テーブルを用いてテンパイ動作のパターンとしてパターン1(P1)またはパターン2(P2)を選択する(ステップS1213)。なお、パターン選択テーブルとしては、リーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理で使用したテーブル(図77)を用いることが可能である。但し、テーブルにおける各パターン(P1、P2)に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1211で選択したテンパイ動作にもとづいて、図柄移行パターンを決定するための図柄移行パターン決定テーブルを選択する(ステップS1214)。図柄移行パターン決定テーブルとしては、図78〜図82に示すテーブルを用いることが可能である。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄移行パターン決定テーブルを用いて、図柄移行パターンを決定する(ステップS1215)。
ステップS1208において、変動途中出目の種類が「通常」でない場合は(ステップS1208のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、テンパイ動作選択用乱数を抽出する(ステップS1216)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目の種類が「三光札」であるかどうかを判定する(ステップS1217)。「三光札」であれば(ステップS1217のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに応じたチャンス目A用のテンパイ動作選択テーブルを選択する(ステップS1218A)。チャンス目A用のテンパイ動作選択テーブルとしては、図83〜図86に示すテーブルを用いることが可能である。なお、各テーブル(図85、図86)におけるテンパイ動作に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1216で抽出した乱数値に従って、ステップS1218Aで選択したチャンス目A用のテンパイ動作選択テーブルを用いてテンパイ動作を選択する(ステップS1219A)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目選択用乱数を抽出する(ステップS1220A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、チャンス目A選択テーブルを用いてチャンス目Aを決定する(ステップS1221A)。チャンス目A選択テーブルとしては、図87に示したテーブルを用いることが可能である。なお、図87に示したテーブルにおけるチャンス目Aに対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パターン選択用乱数を抽出し(ステップS1222A)、抽出した乱数値に従って、パターン選択テーブルを用いてテンパイ動作のパターンとしてパターンA(PA)またはパターンB(PB)を選択する(ステップS1223A)。パターン選択テーブルとしては、図88に示したテーブルを用いることが可能である。但し、テーブルにおける各パターン(P1、P2)に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1219Aで選択したテンパイ動作にもとづいて、図柄移行パターンを決定するための図柄移行パターン決定テーブルを選択する(ステップS1224A)。図柄移行パターン決定テーブルとしては、図89〜図91に示したテーブルを用いることが可能である。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄移行パターン決定テーブルを用いて、図柄移行パターンを決定する(ステップS1225A)。
ステップS1217において、変動途中出目の種類が「三光札」でない場合は(ステップS1217のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動途中出目の種類が「猪・鹿・蝶(鹿先頭または鹿先頭以外)」であると判断する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに応じたチャンス目B用のテンパイ動作選択テーブルを選択する(ステップS1218B)。チャンス目B用のテンパイ動作選択テーブルとしては、図92〜図95に示したテーブルを用いることが可能である。なお、各テーブル(図94、図95)におけるテンパイ動作に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1216で抽出した乱数値に従って、選択したチャンス目B用のテンパイ動作選択テーブルを用いてテンパイ動作を選択する(ステップS1219B)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目選択用乱数を抽出する(ステップS1220B)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、チャンス目B選択テーブルを用いてチャンス目Bを決定する(ステップS1221B)。チャンス目B選択テーブルとしては、図96に示したテーブルを用いることが可能である。なお、図96に示したテーブルにおけるチャンス目Bに対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パターン選択用乱数を抽出し(ステップS1222B)、抽出した乱数値に従って、パターン選択テーブルを用いてテンパイ動作のパターンとしてパターンA(PA)またはパターンB(PB)を選択する(ステップS1223B)。パターン選択テーブルとしては、図97に示したテーブルを用いることが可能である。但し、テーブルにおける各パターン(P1、P2)に対する判定値の振り分け率を異ならせてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1219Bで選択したテンパイ動作にもとづいて、図柄移行パターンを決定するための図柄移行パターン決定テーブルを選択する(ステップS1224B)。図柄移行パターン決定テーブルとしては、図98〜図100に示したテーブルを用いることが可能である。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄移行パターン決定テーブルを用いて、図柄移行パターンを決定する(ステップS1225B)。
図117は、仮決定図柄決定処理(ステップS632)を示すフローチャートである。仮決定図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、非確変図柄決定処理を実行する(ステップS632A)。非確変図柄決定処理は、図102で説明した処理と同じ処理である。従って、その説明を省略する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが未受信であること(取りこぼしたこと)を示すコマンド未受信フラグをセットする(ステップS632B)。そして、処理を終了する。
図118は、第2の確変図柄決定処理(ステップS637)を示すフローチャートである。第2の確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS637A)、抽出した乱数値に従って、確変図柄選択用テーブルを用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS637B)。このように決定された確変図柄が大当り遊技後の再抽選演出にて導出表示される確変図柄である。なお、確変図柄選択用テーブルとしては、図103に示したテーブルを使用することが可能である。
図119は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理におけるステップS618で設定される。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。また、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、2ラウンド用演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、所定のラウンド中に再抽選演出を実行することもある。この実施の形態では、再抽選演出を実行するラウンドは予め決められているものとする(例えば7ラウンドあるいは15ラウンド)。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディング演出中に再抽選演出を実行することもある。
小当り演出処理(ステップS808):変動時間の終了後、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、小当り中の演出である2ラウンド用演出を実行する。
図120は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図120に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図121は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS813)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図122は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS821)。そして、選択したプロセスデータ1におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS823)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS824)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS825)。
図123は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS831)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS838)。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS832)、変動時間タイマを1減算する(ステップS833)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS834)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するためのプロセスデータ(再抽選演出が含まれているプロセスデータ)の内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行することにより、変動中の再抽選演出を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS835)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS836)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS837)。
図124は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。飾り図柄停止指定コマンドを受信していれば、コマンド解析処理において格納された飾り図柄の停止図柄を停止表示させる制御を行う(ステップS842)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS842で停止表示された飾り図柄の停止図柄が小当り図柄である場合(ステップS843のY)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS844)。小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS844のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、2ラウンド用演出を選択する(ステップS845)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した2ラウンド用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS846)。そして、プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS847)、2ラウンド用演出の実行時間を計測する2R用演出時間タイマをスタートさせる(ステップS848)。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り演出処理(ステップS808)に対応した値に設定する(ステップS849)。
ステップS842で停止表示された飾り図柄の停止図柄が小当り図柄でなく大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)である場合は(ステップS850のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS851)。ファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS851のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、ファンファーレ演出または2ラウンド用演出のいずれかを選択する(ステップS852)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出または2ラウンド用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS853)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS854)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS855)。
ステップS850で停止表示された飾り図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS850のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS856)。例えば、飾り図柄停止指定コマンドに応じたフラグがセットされるときは、そのようなフラグなどをリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS857)。
図125は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。なお、大入賞口開放中フラグは、コマンド解析処理でセットされる(ステップS645参照)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、15ラウンド大当りの場合は、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを受信したときは、ラウンド中も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド毎に2ラウンド用演に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド毎に新たに選択するようにしてもよい。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図126は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる(ステップS645参照)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS921のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS922)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS923)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。なお、大当り遊技中に再抽選演出を実行することとされているとき(大当り中再抽選実行フラグがセットされているとき)は、所定のラウンド(例えば7ラウンドや15ラウンドなど)のラウンド中演出において再抽選演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS924)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS925)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS926)。
ステップS921において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS921のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS928)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを受信したときは、ラウンド後も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド後に2ラウンド用演出に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド後に新たに選択するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS928)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS929)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS930)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS931)。
図127および図128は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS940)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS940のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS941のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS942)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS943)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS944)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS945)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS946)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS941のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中(ラウンド中)に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS947)。具体的には、大当り中再抽選実行フラグや大当り中再抽選演出実行フラグがセットされているとき(さらに再抽選演出を実行すると予め定められたラウンドであるとき)は、大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断したとき(かつ再抽選演出を実行するラウンドのとき)は(ステップS947のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するラウンド中演出を選択する(ステップS948)。そして、再抽選実行済フラグをセットする(ステップS949)。一方、大当り中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS947のN)、再抽選演出を実行しないラウンド中演出を選択する(ステップS950)。
次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS951)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS952)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS953)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS954)。
ステップS940においてエンディング受信フラグがセットされたときは(ステップS940のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS955)。具体的には、エンディング再抽選実行フラグやエンディング再抽選演出実行フラグがセットされているとき、また大当り中再抽選実行フラグや大当り中再抽選演出実行フラグがセットされているにもかかわらず、再抽選演出を大当り中(ラウンド中)に実行したことを示す再抽選実行済フラグがセットされていないときは(ステップS949参照)、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS955のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するエンディング演出を選択する(ステップS956)。一方、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS955のN)、再抽選演出を実行しないエンディング演出を選択する(ステップS957)。
ここで、再抽選演出を実行しないエンディング演出の実行時間は、再抽選演出を実行するエンディング演出の実行時間よりも短くなるようにしている。例えば、再抽選演出を実行するエンディング演出の実行時間は10秒で、再抽選演出を実行しないエンディング演出の実行時間は3秒としている。このように設定することにより、確変状態への移行を報知する必要がないときに、無駄に演出が長く実行されるのを回避することができる。
なお、ステップS957で再抽選演出を実行しないエンディング演出を選択する場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りか通常大当りかをフラグ(確変大当り決定フラグ、通常大当り決定フラグ)で確認し、確変大当りか通常大当りかによって異なるエンディング演出を選択する。例えば、確変大当りの場合は大当り終了後に確変状態に移行することを遊技者に報知する演出(再抽選演出のように非確変図柄から確変図柄に昇格することを報知するのではなく、確変大当りにもとづいて確変状態に移行することを報知する演出)を実行するエンディング演出を選択し、通常大当りの場合は大当り終了後に時短状態に移行することを遊技者に報知する演出を実行するエンディング演出を選択する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング受信フラグをリセットし(ステップS958)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS959)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS960)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS961)。
図129は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS971)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS972)。例えば、大当りが終了することを表示したり、エンディング演出において再抽選演出が含まれているときは、再抽選演出を実行する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS973)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、所定のフラグ(確変大当り決定フラグ、通常大当り決定フラグ、突然確変大当り決定フラグ、大当り中再抽選実行フラグ、エンディング再抽選実行フラグなど)をリセットし(ステップS974)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS975)。
図130は、演出制御プロセス処理における小当り演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。小当り演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS981)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS982)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2R用演出時間タイマの値を1減算する(ステップS983)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2R用演出時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS984)。タイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS985)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS986)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS987)。
2R用演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS984のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(小当りフラグなど)をリセットし(ステップS988)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS989)。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の再抽選演出の演出態様について説明する。図131は、可変表示装置において実行される大当り図柄の再抽選演出の表示例を示す説明図である。図131に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。なお、図131における表示例は、エンディング演出中に再抽選演出が実行される場合を示す。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のN)、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれ、大当り、小当り、および大当り種別を判定して、それに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS620、図41)。一方、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のY)、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、確変大当りか通常大当りかを判定し、それに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS626、図113)。
しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまうこともある。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、確変大当りか通常大当りかを判断することができず、大当り種別に応じた飾り図柄の停止図柄を決定することができないことになってしまう。そこで、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS629のY、S630のN、S631のN)、仮に停止表示する飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定する(ステップS632、図117)。このように非確変図柄を決定するようにしたのは、飾り図柄の変動終了時に非確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が確変大当りであったと判別したときは、その後の再抽選演出で非確変図柄を確変図柄に昇格させればよいが、飾り図柄の変動終了時に確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が通常大当りであったと判別したときは、確変図柄を非確変図柄に降格させなければならず、このような演出は遊技者を落胆させ、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがあるからである。
図131の例では、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄「四四四」を仮に決定し、飾り図柄の変動終了時に非確変図柄「四四四」を導出表示(仮停止表示)している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、大当り後に再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS635,S636)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、大当り後の再抽選演出にて導出表示する確変図柄を決定し(ステップS637)、再抽選演出を実行するタイミングを決定する(ステップS638〜S642)。なお、図131の例では、エンディング演出中に再抽選演出を実行することに決定されたものとする。
図131に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの受信にもとづいて大当り遊技を開始し、そして大入賞口開放中コマンドの受信にもとづいて各ラウンドの演出(ラウンド中演出)を順に実行し、また大入賞口開放後コマンドの受信にもとづいてラウンド間の演出(インターバル演出)を順に実行していく。そして、エンディングコマンドの受信にもとづいて大当り終了を報知するエンディング演出を実行する。図131に示す例では、エンディング演出において再抽選演出が実行される。具体的には、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で再変動が開始され、その後に確変図柄(図131の例では「七七七」)が導出表示される演出が実行されている。そして、確変状態に突入(移行)することが遊技者に報知されている。
以上のように、この実施の形態1では、リーチ無ハズレ決定処理(通常の演出モードの処理)およびリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(チャンスモード中の処理)において、最終停止図柄(中図柄)を決定するときに、最終停止図柄以外の図柄(左右図柄)がチャンス目禁則パターンに該当するか否かを判定する。チャンス目禁則パターンに該当する場合に、左右図柄に応じたチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを選択し、選択したチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを用いて最終停止図柄以外の図柄(実施の形態では右図柄)に対する加算値を決定して中図柄を決定する。このような構成によれば、左中右の図柄の組み合わせがチャンス目にならないと判定されたときに、はずれ図柄としてチャンス目が導出表示されるのを確実に防止することができる。よって、チャンス目が表示されたと遊技者に誤解を与えてしまうのを回避することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は、仮に停止表示する飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定し、決定した飾り図柄を導出表示するように構成した。このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを取りこぼしても大当り遊技が発生するか否かを遊技者に認識させることができるとともに、飾り図柄の指定に関する演出制御コマンドのコマンド数が削減されることにより遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を仮に決定して表示した場合に、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、再抽選演出にて導出表示する確変図柄を決定し、再抽選演出を実行するタイミングを決定し、決定した実行タイミングで再抽選演出を実行して、確変図柄を導出表示するように構成した。このような構成によれば、遊技機内部の制御状態と可変表示装置9に表示される飾り図柄の停止図柄との整合をとることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当り遊技の終了後に確変状態に移行させるか否かと再抽選演出を実行するか否かとを示すエンディングコマンドを送信し(ステップS451〜S452)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの内容にもとづいて再抽選演出の実行を特定したときは(ステップS955のY)、大当り遊技の終了後に再抽選演出を実行する(ステップS956,S972)ように構成した。このような構成によれば、大当り遊技の終了後においても次の図柄の可変表示が開始されるまで再抽選演出が実行される可能性があるため、確変状態への移行に対する期待感を一層長期間にわたって持続させることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、エンディングコマンドの内容にもとづいて昇格演出を実行しないことを特定したときに(ステップS955のN)、大当り遊技の終了後に昇格演出を実行しないエンディング演出を実行する(ステップS957,S972)ように構成した。このような構成によれば、大当り遊技の終了後においても昇格演出が行われないことがわかり、遊技者が大当り遊技の終了後の遊技状態を把握しやすくなる。
なお、上記の実施の形態では、大当り遊技が開始された後に再抽選演出が実行されると、常に非確変図柄から確変図柄に昇格させるようにしていたが、非確変図柄から確変図柄に昇格しない再抽選演出が実行されるようにしてもよい。この場合、再抽選演出の途中までは確変図柄に昇格させる場合と同じ演出(非確変図柄の再変動)が実行され、その後に確変大当りの報知(確変図柄の停止表示)の代わりに確変大当りにならない旨の報知(非確変図柄の停止表示)が行われることになる。また、確変図柄に昇格しない再抽選演出の実行時間は、確変図柄に昇格する再抽選演出の実行時間(例えば10秒)と同じにする。
また、確変状態に移行されるときに、再抽選演出を実行しないエンディング演出の実行時間は、再抽選演出を実行するエンディング演出の実行時間よりも短くなるようにしているので、確変状態への移行を報知する必要がないときに、無駄に演出が長く実行されるのを回避することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りになると決定されたことを条件に、大当りの開始と確変状態に移行させるか否かとを示すファンファーレコマンドを送信し(ステップS366,S367)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄情報指定コマンドを受信できなかった場合に(ステップS635のY)、非確変図柄が仮決定され、かつ、確変状態に移行させると決定されたことを示すファンファーレコマンド(ファンファーレ2〜4指定コマンド)を受信したときは(ステップS636のY)、所定のタイミングで確変状態に移行させる旨を報知する昇格演出を実行する(ステップS642の再抽選実行フラグのセットにもとづいてステップS947またはステップS955で再抽選演出の実行必要と判定し、ステップS948,S923またはステップS956,S972を実行する)ように構成されているので、遊技機内部の制御状態と可変表示装置9に表示される表示結果との整合をとることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、大当り遊技を開始してから終了するまでに昇格演出を実行したときは、大当り遊技を終了してから新たに図柄の可変表示を開始するまでに昇格演出を実行することを禁止する(大当りのラウンド中に再抽選演出を行うときにステップS949で再抽選実行済フラグをセットすることにより、ステップS955でエンディングにおいて再抽選演出を実行する必要がないと判定する)ように構成されているので、昇格演出を実行した後に再び昇格演出を実行してしまうという無駄な制御を防止することができる。
なお、上記の実施の形態では、再抽選演出の実行タイミングは、大当り遊技中(ラウンド中)または大当り遊技終了後のエンディング演出中とされていたが、大当り遊技が開始された後から大当り遊技が終了して新しく変動が開始されるまでの間であれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、ファンファーレ演出中であってもよいし、インターバル表示中であってもよい。そして、そのような再抽選演出の実行タイミングを図柄情報指定コマンドで指定するように構成されていてもよい。また、この場合、再抽選演出の有無により、ファンファーレ演出の実行時間やインターバル表示の表示時間などを異ならせてもよい。また、大当り遊技の開始後の再抽選演出の回数は1回や3回以上でもよい。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合において、非確変図柄を決定して表示し、その後に受信するファンファーレコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを確認していたが(ステップS635,S636)、エンディングコマンドを受信したときに、エンディングコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無を確認するように構成されていてもよい。このような構成によっても、遊技機内部の制御状態と可変表示装置9に表示される表示結果との整合をとることができる。この場合、図40のステップS635〜637の処理をエンディングコマンドを受信したときに実行すればよい。なお、エンディングコマンドを受信したときに再抽選演出を実行する必要があるときは、エンディング演出中に再抽選演出を実行しなければならないので、再抽選演出の実行タイミングを決定する処理(ステップS638〜S642)は不要である。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドで再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するように構成されていたが、図柄情報指定コマンドでは再抽選演出の実行の有無等を指定しないように構成してもよい。このような構成であれば、図柄情報指定コマンドの種類を少なくすることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。このような構成の場合、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定することになる。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドで確変大当りが指定されているときは、所定の乱数を用いて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定し、決定結果にもとづいて再抽選演出を所定のタイミングで実行する。
また、図柄情報指定コマンドで再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定するように構成されていてもよい。このような構成では、図柄情報指定コマンドでエンディング中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100は大当り中に再抽選演出を実行すると独自に決定することや、逆に、図柄情報指定コマンドで大当り中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100はエンディング中に再抽選演出を実行すると独自に決定することが考えられる。この場合、大当り中に再抽選演出が実行され確変図柄に昇格したにもかかわらず、エンディングでも再抽選演出が実行されてしまうと、再抽選演出の実行タイミングの整合が取れなくなってしまう。そこで、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中での再抽選演出の実行を禁止する処理が実行される。具体的には、大当り中に再抽選演出を実行したときに、そのことを示すフラグをセットし、当該フラグがセットされたことにもとづいて、エンディング中に再抽選演出を実行することに決定されていても、再抽選演出を実行しないように制御する。
また、上記の実施の形態では、大当り後に再抽選演出が実行されたときは常に非確変図柄から確変図柄に昇格するように構成されていたが、確変図柄に昇格させない再抽選演出を所定の割合で実行するようにしてもよい。例えば、図柄情報指定コマンドで通常大当りが指定されている場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出を実行することを所定の乱数を用いて決定するように構成されていてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560では変動パターンコマンドまたは図柄情報指定コマンドで昇格タイミング(変動中、大当り中、またはエンディング)のみ指定し、演出制御用マイクロコンピュータ100はコマンドで指定されたタイミングにおいて必ず再抽選演出(昇格あり)を実行し、昇格前のその他の再抽選演出の実行タイミングや昇格しない場合(通常大当りの場合)の再抽選演出の実行タイミングについては、演出制御用マイクロコンピュータ100が再抽選演出(昇格なし)を行うか否かを抽選にて決定するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、チャンスモード中のときに、変動開始前図柄決定処理(ステップS1013、S1065、S1108、S1118)および変動停止図柄決定処理(ステップS1014、S1066、S1109、S1119)において、チャンス目(ハズレ目を含む)を表示するかどうかを判定し(ステップS1022、S1032、S1076、S1207参照)、チャンス目を表示すると判定した場合に、所定のチャンス目を選択して表示するようにしていた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、チャンス目を表示させることを変動パターンコマンドで指定して、演出制御用マイクロコンピュータ100にチャンス目を表示させるようにしてもよい。
具体的には、図14および図15に示した変動パターンコマンドを、チャンス目の表示を指定しない変動パターンコマンドと、チャンス目の表示を指定する変動パターンコマンドとに分ける。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出モードがチャンスモードのときは、チャンス目の表示を指定する変動パターンコマンドおよびチャンス目の表示を指定しない変動パターンコマンドの中から所定のコマンドを選択し、演出モードがチャンスモードでないときは、チャンス目の表示を指定しない変動パターンコマンドの中から所定のコマンドを選択する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドでチャンス目の表示が指定されているときは、所定のチャンス目を選択して表示する処理を実行する。
また、変動パターンコマンドでチャンス目の表示を指定する場合に、チャンス目の種類(チャンス目AまたはB)を指定しないようにしてもよいし、チャンス目の種類まで指定するようにしてもよい。チャンス目の種類を指定しない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドでチャンス目の表示が指定されていることにもとづいて、チャンス目の種類を決定し、決定した種類のチャンス目を選択することになる。一方、チャンス目の種類を指定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された種類のチャンス目を選択することになる。
また、チャンス目の表示を指定するコマンドとチャンス目の表示を指定しないコマンドとに分ける変動パターンコマンドとして、通常変動の変動パターンを含む全ての変動パターンコマンドとしてもよいし、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC)を伴う全ての変動パターンコマンドとしてもよいし、大当りのときの変動パターンコマンド(確変大当り専用の変動パターンコマンド、通常大当り専用の変動パターンコマンド、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンド)としてもよい。また、チャンス目の表示を指定するコマンドとチャンス目の表示を指定しないコマンドとに分ける変動パターンコマンドとして、一部の変動パターンコマンドのみとしてもよい。例えば、確変大当り専用の変動パターンコマンドのみ、通常大当り専用の変動パターンコマンドのみ、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドのみ、などとしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、チャンスモード中にのみ、変動開始前図柄および変動途中図柄として、チャンス目を停止表示するようにしていたが、チャンスモード中でなく通常の演出モードのときも、変動開始前図柄および変動途中図柄として、チャンス目を停止表示するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100がチャンスモード以外のときにもチャンス目を表示するかどうかを判定し、チャンス目を表示すると判定した場合に、所定のチャンス目を選択し表示することになる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンコマンドでチャンス目の表示を指定する場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がチャンスモード以外のときにもチャンス目の表示を指定する変動パターンコマンドを選択し送信することになる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、リーチ無ハズレ決定処理において、左右図柄がチャンス目禁則パターンに該当するかどうかを判定し、該当する場合にチャンス目禁則パターン用の中図柄加算値決定テーブルを用いて中図柄加算値を決定して中図柄を決定していた。しかし、このような構成に限られず、左右図柄がチャンス目禁則パターンに該当するかどうかを判定せずに中図柄を決定し、決定したはずれ図柄の組み合わせがチャンス目に該当するときに、はずれ図柄を変更するように構成してもよい。
図132は、実施の形態2におけるリーチ無ハズレ決定処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2におけるリーチ無ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1301)。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1301のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1302)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図133に示す左図柄選択用テーブルを用いてはずれ図柄の左図柄を決定し格納する(ステップS1303)。左図柄選択用テーブルは、図133に示すように、各左図柄に複数の判定値が略均等に割り振られている。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1304)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図133に示す右図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の右図柄を決定し格納する(ステップS1305)。なお、右図柄加算値決定テーブルは、リーチ無はずれのときの変動パターンの内容に応じて複数用意されていてもよい(図43、図49〜図51参照)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1306)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図133に示す中図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の中図柄加算値を決定することにより中図柄を決定し格納する(ステップS1307)。なお、中図柄加算値決定テーブルは、右図柄加算値に応じて複数用意されていてもよい(図44〜図46参照)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1303,S1305,S1307で決定した左中右の図柄がチャンス目に該当しているかどうかを判定する(ステップS1308)。左中右の図柄がチャンス目に該当している場合は(ステップS1308のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄を+1加算して変更し格納する(ステップS1309)。例えば、最初に決定された左中右の図柄がチャンス目「春七冬」であった場合、右図柄「冬」を+1加算することによって「一」の図柄に変更し、チャンス目でない図柄「春七一」にする。このような構成によっても、はずれ図柄としてチャンス目が導出表示されるのを確実に防止することができる。よって、チャンス目が表示されたと遊技者に誤解を与えてしまうのを回避することができる。
なお、図132に示す変動開始前図柄決定処理(ステップS1310)およびリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1311)については、図42で説明した変動開始前図柄決定処理(ステップS1013)およびリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1014)と同じ処理であるため、説明を省略する。
なお、図132のステップS1308,S1309の処理は、リーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1311)において実行するようにしてもよい。すなわち、リーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理において、図55のステップS1034〜S1044の処理に代えて図132のステップS1302〜S1309の処理を実行するようにしてもよい。
また、ステップS1309では、チャンス目に該当した場合に、右図柄を+1加算するようにしていたが、左図柄または中図柄を+1加算するようにしてもよい。また、所定の図柄を+1加算しても、再びチャンス目に該当する可能性もあるが、その場合は、再度チャンス目に該当するかどうかを判定し、該当する場合に所定の図柄を1加算するようにするのが好ましい。さらに、ステップS1308でチャンス目に該当すると判定した場合に、左・中・右のどの図柄を+1加算するかについて乱数を用いて抽選により決定するようにしてもよい。また、加算値をいくつにするかについても乱数を用いて抽選により決定するようにしてもよい。このような構成によれば、はずれ図柄のランダム性を向上させることができる。
実施の形態3.
図134は、実施の形態3における飾り図柄の図柄配列を示す説明図である。この実施の形態3では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、図134に示すように、「1」〜「8」の数字の図柄と、数字の図柄間のブランクを示す「*」の記号の図柄とを用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、左の表示領域は、「8」「*」「7」・・・「*」の飾り図柄が番号順に表示され、中及び右の表示領域は、「1」「*」「2」・・・「*」の飾り図柄が番号順に表示される。なお、左の表示領域に表示される飾り図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される飾り図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される飾り図柄を「右図柄」という。
図135は、実施の形態3におけるリーチ図柄の配列パターンを示す説明図である。図135に示すように、可変表示装置9は、左・中・右の表示領域に分けられている。そして、各列の表示領域には、連続した3コマの飾り図柄が停止表示される。従って、可変表示装置9には、3行×3列(=9図柄)の飾り図柄が停止表示され、遊技者に視認される。
可変表示装置9において、左・中・右の飾り図柄が可変表示され、その後に導出表示された左・中・右の飾り図柄(「*」の図柄を除く。)の組み合わせが有効ライン上にて同一図柄で揃ったときに大当りとなる。この実施の形態3では、有効ラインとして、「上段」、「中段」、「下段」、「右下がり」および「右上がり」の5ラインが設けられている。
この実施の形態3では、左図柄と右図柄(「*」の図柄を除く。)が所定の有効ライン上にて同一図柄で揃ったときにリーチが成立する。例えば、図135に示すように、左図柄と右図柄が上段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1UH」)、左図柄と右図柄が下段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1LH」)、左図柄と右図柄が中段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1CH」)、左図柄と右図柄がダブルライン(右下がりおよび右上がり)において同一図柄「1」「8」で揃ったときに(「1WH」)、リーチが成立する。
なお、各リーチ図柄に付されている記号(1UH、1LHなど)は、3桁目が図柄番号(「1」「2」「3」・・・)を示し、2桁目がライン表示(「上段」、「中段」、「下段」、「ダブルライン」)を示し、1桁目「H」が「はずれ」(Hazure)の状態を示している。また、2桁目のライン表示において、「U」は「上段」Upperの略であり、「C」は「中段」Centerの略であり、「L」は「下段」Lowerの略であり、「W」は「ダブルライン」を示している。例えば、「7CH」は、図柄が「7」で「中段のライン」で「はずれ」という意味である。
図136は、実施の形態3における大当り図柄の配列パターンを示す説明図である。図136に示すように、左中右の飾り図柄(「*」の図柄を除く。)の組み合わせが有効ライン上にて同一図柄で揃った状態となったときに大当りとなる。例えば、図136に示すように、左中右の飾り図柄の組み合わせが上段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1UF」)、左中右の飾り図柄の組み合わせが下段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1LF」)、左中右の飾り図柄の組み合わせが中段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1CF」)、左中右の飾り図柄の組み合わせが右下がりのラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1SF」)、左中右の飾り図柄の組み合わせが右上がりのラインにおいて同一図柄「1」で揃ったときに(「1AF」)、大当りとなる。
なお、各大当り図柄に付されている記号(1UF、1LFなど)は、3桁目が図柄番号(「1」「2」「3」・・・)を示し、2桁目がライン表示(「上段」、「中段」、「下段」、「右下がり」、「右上がり」)を示し、1桁目「F」が「大当り」(Fever)の状態を示している。また、2桁目のライン表示において、「U」は「上段」Upperの略であり、「C」は「中段」Centerの略であり、「L」は「下段」Lowerの略であり、「S」は「右下がり」SAGARIの頭文字であり、「A」は「右上がり」AGARIの頭文字である。例えば、「7AF」は、図柄が「7」で「右上がりのライン」で「大当り」という意味である。
この実施の形態3では、図136に示す大当り図柄のうち、左中右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特定の図柄(「1」「3」「5」「7」「8」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。具体的には、図136において、「1UF」「1LF」「1CF」「1SF」「1AF」、「3UF」「3LF」「3CF」「3SF」「3AF」、「5UF」「5LF」「5CF」「5SF」「5AF」、「7UF」「7LF」「7CF」「7SF」「7AF」、「8UF」「8LF」「8CF」「8SF」「8AF」の図柄が確変図柄である。また、図136に示す大当り図柄のうち、左中右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特定の図柄以外の図柄(「2」「4」「6」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。具体的には、図136において、「2UF」「2LF」「2CF」「2SF」「2AF」、「4UF」「4LF」「4CF」「4SF」「4AF」、「6UF」「6LF」「6CF」「6SF」「6AF」の図柄が非確変図柄である。
図137は、実施の形態3における演出上のチャンス目Aを示す説明図である。また、図138は、実施の形態3における演出上のチャンス目Bを示す説明図である。図137に示すように、チャンス目Aとして、40種類のチャンス目(「1C」〜40C」)が設けられている。また、図138に示すように、チャンス目Bとして、32種類のチャンス目(「41C」〜「72C」)が設けられている。なお、各チャンス目に付されている記号(C)は、Chanceの略である。
図139は、実施の形態3における突然確変大当り用のチャンス目(突然確変図柄)を示す説明図である。この実施の形態3では、図139に示すように、突然確変図柄として、10種類の図柄(太枠で囲われた図柄:「73C」「78C」「113C」「118C」「123C」「128C」「133C」「138C」「143C」「148C」)が設けられている。具体的には、中段のライン上に「135」「571」「185」「318」「387」「578」「753」「783」「835」「873」が停止表示された状態の図柄が突然確変図柄である。なお、突然確変図柄のことを突確用のチャンス目ともいう。
突然確変図柄も大当り図柄の一種であるが、突然、確変状態に移行されたように見せるためには、突然確変図柄によって大当りの発生を容易に認識させないようにするのが望ましい。このため、上記のように、突然確変図柄を大当り図柄とは異なる図柄としている。なお、上記の実施の形態1では、突然確変大当りになると判定したときは(図41のステップS662のY)、突然確変図柄が1種類(「夏冬春」)しか設けられていなかったので、1種類の突然確変図柄を自動的に決定するようにしていたが(図41のステップS664)、この実施の形態3では、図139に示すように、突然確変図柄として10種類の図柄を設けているので、ステップS664の処理に代えて、10種類の図柄から突然確変図柄を選択し決定する処理を行う必要がある。具体的には、10種類の図柄に対して判定値を割り振っておき、突然確変図柄を決定するための乱数値と一致する判定値の図柄を突然確変図柄とする処理を行う。
図139には、突然確変図柄以外の図柄(「74C」〜「77C」など;以下、「突確類似図柄」という。)も示している。これらの突確類似図柄は、突然確変図柄と数字の並び(組み合わせ)は同じであるが、突然確変図柄が停止表示されるラインとは異なるラインに停止表示されている。すなわち、「135」の例では、突然確変図柄は中段のラインに停止表示されるが、突確類似図柄は上段や下段などのラインに停止表示されている。このような図柄は突然確変図柄に似ているので、はずれ図柄として導出表示すると、遊技者に突然確変図柄が導出表示されたと誤解を与えてしまうおそれがある。このため、突然確変図柄と同様に、突確類似図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
図140は、実施の形態3における小当り用のチャンス目(小当り図柄)を示す説明図である。この実施の形態3では、図140に示すように、小当り図柄として、10種類の図柄(太枠で囲われた図柄:「83C」「88C」「153C」「158C」「163C」「168C」「173C」「178C」「183C」「188C」)が設けられている。具体的には、中段のライン上に「531」「175」「317」「357」「378」「518」「713」「815」「853」「875」が停止表示された状態の図柄が小当り図柄である。なお、小当り図柄のことを小当り用のチャンス目ともいう。なお、上記の実施の形態1では、小当りになると判定したときは(図41のステップS662のN)、小当り図柄が1種類(「夏冬春」)しか設けられていなかったので、1種類の小当り図柄を自動的に決定するようにしていたが(図41のステップS666)、この実施の形態3では、図140に示すように、小当り図柄として10種類の図柄を設けているので、ステップS666の処理に代えて、10種類の図柄から小当り図柄を選択し決定する処理を行う必要がある。具体的には、10種類の図柄に対して判定値を割り振っておき、小当り図柄を決定するための乱数値と一致する判定値の図柄を小当り図柄とする処理を行う。
図140には、小当り図柄以外の図柄(「84C」〜「87C」など;以下、「小当り類似図柄」という。)も示している。これらの小当り類似図柄は、小当り図柄と数字の並び(組み合わせ)は同じであるが、小当り図柄が停止表示されるラインとは異なるラインに停止表示されている。すなわち、「531」の例では、小当り図柄は中段のラインに停止表示されるが、小当り類似図柄は上段や下段などのラインに停止表示されている。このような図柄は小当り図柄に似ているので、はずれ図柄として導出表示すると、遊技者に小当り図柄と似ている突然確変図柄が導出表示されたと誤解を与えてしまうおそれがある。このため、小当り図柄と同様に、小当り類似図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
図141は、実施の形態3におけるリーチ無ハズレ決定処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3におけるリーチ無ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1401)。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1401のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1402)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図142に示す左図柄選択用テーブルを用いてはずれ図柄の左図柄を決定し格納する(ステップS1403)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1404)。そして、左図柄に応じた右図柄加算値決定テーブルを選択する(ステップS1405)。具体的には、左の表示領域の中段に数字の図柄(「1」〜「8」)になると決定されたときは、図143の上段のテーブルを選択する。このテーブルを用いれば、左図柄に対する加算値「0」に対する判定値が0となっているので、中段の左右図柄が同一図柄となってリーチが成立してしまうことがない。また、左の表示領域の中段にブランクの図柄(「*」)になると決定されたときは、図143の下段のテーブルを選択する。このテーブルを用いれば、左図柄に対する加算値「2」「4」「6」に対する判定値が0となっているので、シングルリーチおよびダブルリーチが成立してしまうことがない。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1404にて抽出した乱数値に従って、ステップS1405で選択した右図柄加算値決定テーブルを用いてはずれ図柄の右図柄を決定し格納する(ステップS1406)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1407)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図146に示すチャンス目禁則用テーブルを用いて中図柄加算値決定テーブル(図147)を選択する(ステップS1408)。
実施の形態3におけるチャンス目禁則パターン(チャンス目となり得る左右図柄の組み合わせ)を図144および図145に示す。チャンス目禁則用テーブルは、図146に示すように、左図柄と右図柄のマトリックスにチャンス目禁則パターンの番号(「LR1」〜「LR80」)が割り当てられている。例えば、左図柄(左の表示領域の中段の図柄)が「8」で、右図柄(右の表示領域の中段の図柄)が「2」のときは、チャンス目禁則パターン「LR40」に該当する。なお、「LR0」は、チャンス目禁則パターンに該当しないことを示す。例えば、左図柄が「8」で、右図柄が「1」のときは、図144および図145に示すチャンス目禁則パターンに該当しないので、「LR0」が割り当てられている。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目禁則用テーブルを用いてチャンス目禁則パターン(LR1〜LR80)のうちいずれのパターンに該当するかを確認し、またはチャンス目禁則パターンに該当しないこと(LR0)を確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、LR0〜LR80に対応する中図柄加算値決定テーブルを選択する。例えば、左図柄と右図柄の組み合わせがチャンス目禁則パターン「LR1」に該当する場合、図147に示すように、「LR1」に対応つけられた中図柄加算値決定テーブルを用いることに決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1408で選択した中図柄加算値決定テーブルを用いて、右図柄に対する中図柄の加算値を決定し、決定した加算値にもとづいて中図柄を決定し格納する(ステップS1409)。
なお、図141に示す変動開始前図柄決定処理(ステップS1410)およびリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1411)については、図42で説明した変動開始前図柄決定処理(ステップS1013)およびリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1014)と同じ処理であるため、説明を省略する。
なお、リーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1411)において変動停止図柄を決定する際にも、上記した処理でリーチ無のはずれ図柄を決定することができる。
図148は、実施の形態3におけるリーチ有ハズレ決定処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3におけるリーチ有ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、現在の演出モードがチャンスモード中であるかどうかを確認する(ステップS1421)。
演出モードがチャンスモードでなく通常の演出モードである場合は(ステップS1421のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ種別決定用乱数を抽出する(ステップS1422)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、リーチ種別決定用テーブル(図示せず)を用いてリーチ種別を決定する(ステップS1423)。リーチ種別として、シングルリーチとダブルリーチとに分けている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1424)、抽出した乱数値に従って、ステップS1423で決定したリーチ種別に応じたリーチ図柄選択テーブルを用いて、リーチ図柄を決定し格納する(ステップS1425)。例えば、リーチ種別がシングルリーチであれば、図149に示すシングルリーチ用のリーチ図柄選択テーブルを用いてリーチ図柄を決定する。また、リーチ種別がダブルリーチであれば、図150に示すダブルリーチ用のリーチ図柄選択テーブルを用いてリーチ図柄を決定する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいてリーチ図柄に対する図柄差を特定し、特定した図柄差にもとづいて中図柄を決定し格納する(ステップS1426)。
なお、図148に示す変動開始前図柄決定処理(ステップS1427)およびリーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1428)については、実施の形態1で説明した変動開始前図柄決定処理およびリーチ無ハズレ時変動停止図柄決定処理と同じ処理であるため、説明を省略する。なお、リーチ有ハズレ時変動停止図柄決定処理(ステップS1428)については、ステップS1422〜S1426と同様の処理としてもよい。
以上のように、この実施の形態3によれば、複数のライン上に図柄が停止可能な可変表示装置9であっても、はずれ図柄としてチャンス目が導出表示されるのも確実に防止することができ、遊技者にチャンス目が導出表示されたと誤解を与えないようにすることができる。
また、中図柄を決定するときに、チャンス目禁則用テーブルを用いて左右図柄に応じたチャンス目に類似の図柄(突確類似図柄、小当り類似図柄)とならない中図柄加算値決定テーブルを選択し、選択した中図柄加算値決定テーブルを用いて中図柄を決定するように構成されているので、はずれ図柄としてチャンス目に似ている図柄が導出表示されるのも確実に防止することができ、遊技者にチャンス目が導出表示されたと誤解を与えないようにすることができる。
実施の形態4.
上記の実施の形態1では、遊技状態にかかわらず、飾り図柄のうち特定の図柄が含まれる割合(特定の図柄の比率)は、7/12≒58.3%とされていたが、遊技状態が確変状態(確変時短状態を含む)のときは、飾り図柄のうち特定の図柄が含まれる割合を高めるようにしてもよい。例えば、通常遊技状態のときは、上述したように、「三」「五」「七」「春」「夏」「秋」「冬」の7図柄が揃った場合に確変大当りとするが、確変状態のときは、「一」「三」「五」「七」「春」「夏」「秋」「冬」の8図柄が揃った場合に確変大当りとする。この場合、通常遊技状態のときの特定の図柄の比率は58.3%であるが、確変状態のときの特定の図柄の比率は8/12≒66.7%となる。なお、15ラウンドの大当りになる確率に対する確変大当り(突然確変大当りを除く)になる確率(確変大当りの比率)は通常遊技状態のときと同じである。
上記のように、確変大当りを生じさせる特定の図柄として「一」を含める場合は、図103に示す確変図柄選択用テーブルにおいて「一」の図柄に対しても判定値を振り分け、図104に示す非確変図柄選択用テーブルにおいて「一」の図柄に対して判定値を振り分けないようにする。また、図105〜図110に示す再抽選選択テーブルにおいて仮当り図柄「一」についての再抽選パターンに対して判定値を振り分けないようにする。また、図105,図107,図109に示すカス系の再抽選選択テーブルにおいて最終停止図柄が「一」とならないようにするか、あるいは最終停止図柄が「一」となる再抽選パターンに対して判定値を振り分けないようにする。なお、図106,図108,図110に示す確変系の再抽選選択テーブルにおいては最終停止図柄が「一」となる再抽選パターンを設けてもよい。確変状態のときに、このようなテーブルを用いることにより、「一」の図柄を特定の図柄に含めることができるようになる。その他の処理については実施の形態1で説明した処理と同様である。
このような構成によれば、確変状態のときに特定の図柄が導出表示されて確変大当りになる割合(確変状態が継続される割合)が高いと遊技者に思わせることができ、遊技の興趣を高めることができるようになる。すなわち、通常遊技状態や時短状態のときは、通常大当り(非確変大当り)であっても大当りとなれば遊技者は嬉しいが、確変状態のときは、通常大当りになると確変状態が終了してしまうため、遊技者はただ大当りを望むだけでなく、確変大当りになることを望む。従って、遊技者が確変状態のときの方が確変大当りを期待するので、確変状態のときに特定の図柄の比率を増加させる方が遊技者の関心を引き、遊技の興趣をより一層高めることができる。
実施の形態5.
図151は、実施の形態5における中継基板、音/ランプ制御基板、表示制御基板の回路構成例を示すブロック図である。図7に示した基板構成では、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示装置9の表示状態を制御するとともに、ランプドライバ基板35および音声出力基板70に制御信号を出力して各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御するように構成されていた。しかし、図151に示す基板構成では、音/ランプ制御基板80Aに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aが各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御し、表示制御基板80Bに搭載されている表示制御用マイクロコンピュータ100Bが可変表示装置9の表示状態を制御するように構成されている。そして、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンド(以下、音/ランプ制御コマンド)が先に音/ランプ制御基板80Aの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aに送信され、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aが受信した音/ランプ制御コマンドに対応した制御コマンド(以下、表示制御コマンド)を表示制御基板80Bの表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの音/ランプ制御コマンドにもとづいて各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御し、表示制御用マイクロコンピュータ100Bは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aからの表示制御コマンドにもとづいて可変表示装置9の表示状態を制御する。
図152は、実施の形態5における音/ランプ制御用マイクロコンピュータが実行する音/ランプ制御メイン処理を示すフローチャートである。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS711)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS712)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、そのフラグをクリアし(ステップS713)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(音/ランプ側コマンド解析処理:ステップS714)。次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、音/ランプ制御プロセス処理を行う(ステップS715)。音/ランプ制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応した処理を選択して各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力の制御等を実行する。さらに、各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS716)。その後、ステップS712に移行する。
図153は、音/ランプ制御メイン処理における音/ランプ側コマンド解析処理(ステップS714)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された音/ランプ制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。音/ランプ側コマンド解析処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS721)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS722)。
受信した音/ランプ制御コマンドが、変動パターンを指定する制御コマンド(変動パターンコマンド)であれば(ステップS723)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS724)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS725)。そして、変動パターンに対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS726)。
受信した音/ランプ制御コマンドが、図柄情報を指定する制御コマンド(図柄情報指定コマンド)であれば(ステップS727)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、図柄情報に対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS728)。また、受信した音/ランプ制御コマンドが、その他の制御コマンドであれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、その他のコマンドに対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS729)。
表示制御用マイクロコンピュータ100Bは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aからの表示制御コマンドを受信すると、受信コマンドにもとづいて、上記の各実施の形態で説明した演出制御手段の処理と同内容の処理を実行する。すなわち、図37〜図130において「演出制御」とあるのを「表示制御」と置き換えた場合の処理を実行する。
なお、実施の形態1〜4では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられ、実施の形態5では、音/ランプ制御基板80Aおよび表示制御基板80Bが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出装置を制御する回路を2つの基板に搭載する場合、各々の基板に搭載する演出装置を制御する回路の分け方は任意である。例えば、可変表示装置9およびランプ等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示/ランプ制御基板)と、その他の演出装置(スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態5では、音/ランプ制御基板80Aにおいて遊技制御用マイクロコンピュータ560からの音/ランプ制御コマンドに対応する表示制御コマンドを表示制御基板80Bに送信するとしていたが、表示制御コマンドを音/ランプ制御コマンドと同内容のデータとしてもよいし、例えば簡略化したコマンドに変更して表示制御コマンドとして送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
なお、特別図柄表示器8に表示される大当り図柄および小当り図柄を共通の図柄(例えば「7」)としてもよい。このようにすれば、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、大当りか小当りかや、大当り種別などを遊技者に悟られることがない。従って、再抽選演出における確変状態への移行に対する期待感を損なうことがない。また、突然確変大当りか小当りかに対する期待感も損なうことがない。
また、特別図柄表示器8に表示される特別図柄の停止図柄として、15ラウンド当り(確変大当り、非確変大当り)のときの図柄を共通の大当り図柄としてもよい。このような構成によっても、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、確変大当りか非確変大当りかを遊技者に悟られなくすることができる。また、特別図柄表示器8に表示される特別図柄の停止図柄として、2ラウンド当り(突然確変大当り、小当り)のときの図柄を共通の図柄としてもよい。このような構成によっても、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、突然確変大当りか小当りかを遊技者に悟られなくすることができる。
また、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドが専用の変動パターンコマンド(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドでない変動パターンコマンド)であるときは、その専用の変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていた。しかし、通常時には図柄情報指定コマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定し、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合にのみ変動パターンコマンドの内容を参照し、飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
また、確変大当り専用の変動パターンコマンド、通常大当り専用の変動パターンコマンド、はずれ専用の変動パターンコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したときに、図柄情報指定コマンドを受信できなかった場合は、変動パターンコマンドの内容にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
また、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドとを分けていたが、1つのコマンドとしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、図柄の変動開始時に変動パターンと図柄情報(はずれ、通常大当り、または確変大当り)とを示す1つのコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、その共通のコマンドにもとづいて、図柄の変動を開始し、変動パターン(変動時間を含む)を特定し、さらに飾り図柄の停止図柄等を決定する。
なお、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドで図柄変動中の再抽選演出の有無を指定(図柄変動中の再抽選演出のある変動パターンと再抽選演出のない変動パターンとを区別)するとともに、図柄情報指定コマンドで大当り遊技開始後の再抽選演出の有無や再抽選演出(昇格演出)の実行タイミングを指定していたが、このような構成に限られるわけではなく、図柄情報指定コマンドでは大当り遊技開始後の再抽選演出の有無等を指定せずに、変動パターンコマンドで図柄変動中の再抽選演出の有無とともに大当り遊技開始後の再抽選演出の有無や再抽選演出(昇格演出)の実行タイミングを指定するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドにおいて、はずれ、通常大当り、確変大当りを指定(はずれ、通常大当り、確変大当り毎に変動パターンを区別)するとともに、図柄変動中の再抽選演出の有無を指定し、図柄情報指定コマンドにおいて、変動停止時の停止図柄としてはずれ図柄、非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄、小当り図柄を指定するようにしてもよい。なお、ステップS62で確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)や確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)が決定されたときは、内部的には確変大当りが決定されているが変動停止時の停止図柄は非確変図柄であるので、非確変図柄を指定する図柄情報指定コマンドが送信される。このようなコマンドの指定方法の場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りかどうかと、大当りの場合は大当り種別(通常大当りか確変大当りか)とを認識し、図柄情報指定コマンドにもとづいて、変動停止時の停止図柄をはずれ図柄とすべきか、非確変図柄とすべきか、確変図柄とすべきか、突然確変図柄とすべきか、小当り図柄とすべきかを認識する。そして、大当り(突然確変大当りを除く)の場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドにもとづいて、大当り遊技開始後の再抽選演出の有無を認識する。例えば、図柄情報指定コマンドで変動停止時の停止図柄を非確変図柄にすると認識するとともに、変動パターンコマンドで確変大当りを認識したときは、大当り遊技開始後の再抽選演出で確変大当りに昇格させる必要があると判断する。
なお、上記の各実施の形態では、大当り遊技後の再抽選演出において、図柄を再変動させた後、確変図柄を導出表示させるようにしていたが、図柄を用いずに「確変」というような文字を表示することにより確変大当りになったこと(確変状態に移行されること)を遊技者に報知するようにしてもよい。この場合は、ステップS625E,S685,S637Bで確変図柄を決定する代わりに「確変」を表示する旨を決定することになる。
また、上記の各実施の形態では、大当り図柄は、「1・1・1」などのようにゾロ目としていたが、ゾロ目以外の図柄の組み合わせであってもよい。例えば、有効ライン上にて左・中・右の図柄が「大・当・り」で揃ったときに大当りにするようにしてもよい。その場合、有効ライン上にて大当り図柄の一部が左右の図柄として揃ったときにリーチとなる。
また、上記の各実施の形態では、変動開始時に通常大当り終了後の変動回数をカウントし、変動回数が所定回数になったときに時短フラグをリセットするようにしていたが、変動終了時に通常大当り終了後の変動回数をカウントし、変動回数が所定回数になったときに時短フラグをリセットするようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、15ラウンドの大当り時の変動パターンを指定する変動パターンコマンドとして、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドと確変大当り専用の変動パターンコマンドと通常大当り専用の変動パターンコマンドとが設けられていたが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドと確変大当り専用の変動パターンコマンドのみ(通常大当り専用の変動パターンコマンドはなし)としてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、リーチ無ハズレ決定処理において、中図柄を決定する際に、右図柄に対する加算値が設定された中図柄加算値決定テーブルを用いて右図柄に対する加算値を決定し、決定した加算値にもとづいて中図柄を決定するように構成されていた。しかし、左図柄に対する加算値が設定された中図柄加算値決定テーブルを用いて左図柄に対する加算値を決定し、決定した加算値にもとづいて中図柄を決定するようにしてもよい。また、リーチ無ハズレ決定処理において、左図柄を決定した後に、左図柄に対する加算値にもとづいて中図柄(中図柄が最後に停止する最終停止図柄である)を決定し、決定した左図柄または中図柄に対する加算値にもとづいて右図柄を決定するようにしてもよい。この場合、中図柄は左図柄と同一図柄であってもよいが、右図柄は左図柄または中図柄と同一図柄とならないように、判定値が割り振られたテーブル(中図柄加算値決定テーブル、右図柄加算値決定テーブル)を用いて各図柄(中図柄、右図柄)を決定するものとする。なお、図柄を決定する順序や加算値の基準となる図柄については、上記の例に限れらず任意である。例えば、中図柄を先に決定し、中図柄に対する加算値にもとづいて左図柄を決定し、中図柄または左図柄に対する加算値にもとづいて右図柄を決定するような構成であってもよい。
なお、図15に示す「突然確変突入変動」や「小当り突入変動」を、タイムミッションに突入することを示す「タイムミッション突入変動」としてもよい。ここで、タイムミッションとは、ミッション(指令)を提示し所定時間中にミッションが達成されると大当り等とする演出のことをいう。そして、タイムミッション突入変動は、ミッションを提示するとともにタイムミッションに突入することを示す特別な演出を実行する変動である。タイムミッション突入変動が実行されたときは、突然確変図柄または小当り図柄が導出表示され、その後にミッション提示中の演出(チャンスモード中の演出)を実行する状態に移行される。
具体的には、ミッション突入変動が実行されてチャンス目(突然確変図柄または小当り図柄)が導出表示された後に、「所定の出目(例えば、左の表示領域の中段に「7」、特定のリーチ、図3〜図5に示した所定のチャンス目など)を所定時間内に出せ」というミッション(指令)を提示し、ミッション中の演出において、そのミッションが達成されたとき(時間内に所定の出目が導出表示されたとき)に遊技者にとって有利な状態に制御する(例えば大当りとしたり、確変状態に移行させたり、スーパーリーチに発展させたりする)ようにしている。
ここで、ミッション突入時において、例えば「左図柄に7を出せ」というミッションを提示した場合であって、ミッションを達成させない場合は、「7」に対して判定値が割り振られていない左図柄選択用テーブルを用いて左図柄を決定することになる。また、ミッション突入時において、例えば「5のリーチを出せ」というミッションを提示した場合であって、ミッションを達成させない場合は、リーチ図柄「5」に対して判定値が割り振られていないリーチ図柄選択用テーブルを用いてリーチ図柄を決定することになる。
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560がチャンスモードフラグのセット/リセットを行うことにより、演出モードがチャンスモードであるかどうかを判断するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100も、チャンスモード中フラグのセット/リセットを行うことにより、演出モードがチャンスモードであるかどうかを判断するようにしていた。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100だけがチャンスモード中フラグのセット/リセットを行い、演出モードがチャンスモードであるかどうかを判断するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100が突然確変大当りや小当たりの終了時にチャンスモード中フラグをセットし、チャンスモードの終了条件(例えばチャンスモードに移行してから所定回数の変動が終了したときや、大当りなどは発生したとき等)が成立したときにチャンスモード中フラグをリセットする。
上記の各実施の形態において、15ラウンドの大当り終了後の遊技状態が確変状態(または確変時短状態)に移行したか否かを遊技者に報知しない確変非報知演出(確変状態・通常遊技状態共通の演出、または確変時短状態・時短状態共通の演出;例えば確変状態(確変時短状態)に移行された場合でも背景などを変化させずに確変状態かどうかをわからないようにする演出)を15ラウンドの大当り終了後における変動が開始された後に実行するようにしてもよい。このような確変非報知演出を実行する場合、確変大当り・非確変大当りに関わらず、大当り図柄は非確変図柄とし(あるいは確変図柄と非確変図柄を共通とし)、再抽選演出を行うときは昇格演出を行わないようにする。
また、上記の各実施の形態において、図柄の変動終了時に確変図柄を導出表示した場合であっても、大当り遊技開始後に再抽選演出(例えば、確変図柄を再変動した後、確変図柄を再度停止表示させる演出や、「確変」という文字を表示する演出)を実行するようにしてもよい。この場合、再抽選演出に先立って図柄の導出表示により確変大当りとなることを遊技者に報知しているため、再抽選演出は昇格演出ではない。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。