JP2007160012A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変表示装置における複数の図柄の可変表示が別々の始動条件の成立にもとづいて実行される遊技機において、始動条件の成立に対して不利な印象を遊技者に与えないようにする。
【解決手段】 第1始動入賞または第2始動入賞が無効な始動入賞(保留記憶数が上限値4個であるときに発生した始動入賞)であっても、背景図柄の保留記憶数が上限値8個に達していない限り、可変表示装置9のメモリ表示領域9cにおける背景図柄の保留記憶数表示を点灯する。
【選択図】図39
【解決手段】 第1始動入賞または第2始動入賞が無効な始動入賞(保留記憶数が上限値4個であるときに発生した始動入賞)であっても、背景図柄の保留記憶数が上限値8個に達していない限り、可変表示装置9のメモリ表示領域9cにおける背景図柄の保留記憶数表示を点灯する。
【選択図】図39
Description
本発明は、可変表示の第1の実行条件が成立した後に可変表示の第1の開始条件の成立にもとづいて第1識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1の可変表示部と、可変表示の第2の実行条件が成立した後に可変表示の第2の開始条件の成立にもとづいて第2識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第2の可変表示部とを備え、第1の可変表示部と第2の可変表示部のいずれかに特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能になるように構成されたものがある。
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば特別可変入賞装置の状態を打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態になるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの所定の遊技価値が付与された状態である。
そのような遊技機では、識別情報としての特別図柄を表示する可変表示装置における表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せ(特定表示結果)になることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了するように構成されていることもある。
下記の特許文献1には、2つの特別図柄を同時に可変表示可能で、2つの特別図柄の可変表示の進行に応じて識別情報としての1つの報知図柄を可変表示する可変表示装置を備えた遊技機が開示されている。この遊技機では、可変表示装置には、2つの特別図柄の可変表示の始動条件の成立数(保留記憶数)を別々に表示する表示領域と、2つの特別図柄の可変表示の始動条件の合成の成立数(つまり、報知図柄の可変表示の保留記憶数)を表示する表示領域とが設けられている。
特許文献1に記載された遊技機では、2つの特別図柄の始動条件の成立として共通の始動入賞口への遊技球の入賞とされている。そして、2つの特別図柄のいずれの始動条件が成立するとするかは始動入賞口への入賞が発生した際の始動条件の成立数の少ない方に振り分けることとされている。このような構成では、遊技者は単純に一つの始動入賞口に向けて遊技球を打ち込めばよいため、面白みに欠け、特別図柄が2つあることが活かされていない。他方において、2つの特別図柄に対応させて2つの始動入賞口を設けた場合、それぞれに成立数の上限があるときには始動条件の成立数の偏りが生じやすく、せっかく始動入賞口に遊技球が入賞したのにその入賞が無効になってしまう可能性が高くなる。その結果、始動条件の成立に対して不利な印象を遊技者に与えてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、可変表示装置における複数の識別情報の可変表示が別々の始動条件の成立にもとづいて実行される遊技機において、始動条件の成立に対して不利な印象を遊技者に与えないようにすることを目的とする。
本発明による遊技機は、可変表示の第1の実行条件が成立(例えば、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したこと)した後に可変表示の第1の開始条件の成立(例えば、第1特別図柄および第1飾り図柄が変動中でなく大当り中でもないこと)にもとづいて第1識別情報(例えば、第1特別図柄、第1飾り図柄)の可変表示を開始し表示結果(例えば停止図柄)を導出表示する第1の可変表示部(例えば、第1特別図柄表示器8a、可変表示装置9における第1飾り図柄表示領域9b)と、可変表示の第2の実行条件が成立(例えば、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したこと)した後に可変表示の第2の開始条件の成立(例えば、第2特別図柄および第2飾り図柄が変動中でなく大当り中でもないこと)にもとづいて第2識別情報(例えば、第2特別図柄、第2飾り図柄)の可変表示を開始し表示結果(例えば停止図柄)を導出表示する第2の可変表示部(例えば、第2特別図柄表示器8b、可変表示装置9における第2飾り図柄表示領域9c)とを備え、第1の可変表示部と第2の可変表示部のいずれかに特定表示結果(例えば大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に移行させる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、第1の開始条件が成立していない第1の実行条件の成立数(例えば、第1特別図柄保留記憶数)を第1の上限数(例えば4個)まで計数する第1計数手段(例えば、第1保留記憶カウンタ)と、第2の開始条件が成立していない第2の実行条件の成立数(例えば、第2特別図柄保留記憶数)を第2の上限数(例えば4個)まで計数する第2計数手段(例えば、第2保留記憶カウンタ)と、第1計数手段により計数された成立数と第2計数手段により計数された成立数とを合算した合算成立数(例えば、背景図柄保留記憶数)を演算する合算成立数演算手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における有効始動入賞指定コマンドの受信に応じてステップS632を実行する部分)と、第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数であるときに第1の実行条件が成立したか否かを判定する無効成立判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS311を実行する部分)と、第1の可変表示部および第2の可変表示部よりも視認することが容易な第3の可変表示部において合算成立数演算手段の演算した合算成立数を特定可能な表示を行う合算成立数表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における有効始動入賞指定コマンドの受信に応じてステップS633を実行する部分)と、第1識別情報または第2識別情報の可変表示が開始されるときに、第3の可変表示部において第1識別情報または第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を実行し、所定の可変表示時間が経過したときに第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果に対応付けた表示結果を第3の可変表示部に導出表示する可変表示実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS623,S902〜S905を実行する部分)とを備え、合算成立数表示手段は、無効成立判定手段によって第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数であるときに第1の実行条件が成立したと判定されたときに、合算成立数演算手段の演算した合算成立数が所定の合算成立数まで達していないことを条件に、合算成立数を特定可能な表示を加算更新する特別表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS631のNであることを条件に、無効始動入賞指定コマンドの受信に応じてステップS632,S633を実行する部分)を含むことを特徴とする。
可変表示実行手段が実行する第3識別情報の可変表示は、第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果に対応付けた表示結果を第3の可変表示部に導出表示する前の第3識別情報の可変表示を開始してから所定時間経過後の特定時点において第3識別情報の可変表示を仮停止表示し、第3識別情報の可変表示を再度開始する特殊態様(図33等参照)を含み、特別表示手段が合算成立数を特定可能な表示を加算更新しているときに(例えば、ステップS963AのY、ステップS963BのY)、第3の可変表示部において実行する第3識別情報の可変表示の態様として特殊態様を選択する可変表示態様選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS965,S966を実行する部分)とを備え、特別表示手段は、可変表示態様選択手段により特殊態様が選択されたときは、第3識別情報の可変表示が開始されるとき、または仮停止表示され可変表示を再度開始するときに、加算更新した表示を減算更新する特殊時特別表示更新手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS914,S915,S972の処理を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560)を搭載した遊技制御基板(例えば主基板31)と、第3の可変表示部の表示制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用マイクロコンピュータ100)を搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板80)とを備え、遊技制御マイクロコンピュータは、第1計数手段と、第2計数手段と、第1の実行条件が成立したときに第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数に達しているか否かを判定する第1上限数判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS311を実行する部分)と、第1上限数判定手段により第1の上限数に達していないと判定されたときに、有効実行条件コマンド(例えば、有効始動入賞指定コマンド)を送信する有効実行条件コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS312Aを実行する部分)と、第1上限数判定手段により第1の上限数に達していると判定されたときに、無効実行条件コマンド(例えば、無効始動入賞指定コマンド)を送信する無効実行条件コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS312Bを実行する部分)と、第1識別情報の可変表示または第2識別情報の可変表示の開始を示す可変表示コマンド(例えば、変動パターンコマンド)を送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS115を実行する部分)とを含み、演出制御用マイクロコンピュータは、可変表示実行手段と、合算成立数演算手段と、無効成立判定手段と、無効実行条件コマンドを受信したときに、合算成立数演算手段が演算する合算成立数が所定の合算成立数(例えば8個)まで達しているか否かを判定する合算上限数判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS631を実行する部分)とを含み、可変表示実行手段は、可変表示コマンドを受信したことにもとづいて、第3の可変表示部における第3識別情報の可変表示を開始し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動パターンコマンドを受信したことに応じて(ステップS621のY)、ステップS644,S664の処理を実行するとともに、ステップS911でYとなることによって背景図柄の変動を開始し)、特別表示手段は、合算上限数判定手段により合算成立数が所定の合算成立数に達していないと判定されたことを条件に合算成立数を特定可能な表示を加算更新し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS631のYのときにステップS632,S633を実行し)、特別表示手段は、可変表示実行手段により第3識別情報の可変表示が開始されたときに、加算更新した表示を減算更新する特別表示更新手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS917,S918を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。
第3識別情報の可変表示を開始してから特定時点までの所定時間は、第1識別情報または第2識別情報における可変表示時間のうちの最も短い時間(例えば通常遊技状態のときの10秒や、確変状態・時短状態のときの5秒)よりも短い時間(例えば通常遊技状態のときに5秒、確変状態・時短状態のときに2.5秒)としてもよい(例えば図61参照)。
合算成立数演算手段による演算結果を記憶する合算成立数記憶手段(例えば、保留記憶表示数カウンタ)を備え、可変表示実行手段は、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始してから所定時間経過後の特定時点(例えば切替ポイント)までに第2の開始条件が成立したとき(例えばステップS665〜S667のY)、該特定時点にて第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を停止し(例えば、背景図柄を仮停止表示し)、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始する表示制御を実行する表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS668,S947,S963B〜S967,S981を実行する部分)を含み、合算成立数表示手段は、合算成立数記憶手段の記憶にもとづいて合算成立数を表示し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS633,S915,S974の処理を実行し)、合算成立数演算手段は、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときおよび第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときに、合算成立数記憶手段の記憶する合算成立数を減算する合算成立数減算手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS914,S972の処理を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。
特定時点が経過してから第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されるまでに第2の開始条件が成立したときにその旨を記憶する開始条件記憶手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS671を実行する部分)を備え、表示制御手段は、開始条件記憶手段が第2の開始条件の成立を記憶している状態で新たに特定時点となったとき(例えば、ステップS963AのYで、ステップS964のY)、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を停止し(例えば、ステップS965にて最初に仮停止表示を行う変動パターンを決定し、ステップS966にて選択されたプロセスデータにもとづいてステップS981にて背景図柄の仮停止表示制御を実行し)、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始する表示制御を実行し(例えば、ステップS966にて選択されたプロセスデータにもとづいてステップS981にて背景図柄の変動表示制御を実行し)、合算成立数減算手段は、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときに、合算成立数記憶手段の記憶する合算成立数を減算する(例えば、ステップS972,S973の処理を実行する)ように構成されていてもよい。
第1事前決定手段の決定結果にもとづいて複数種類の予告演出の中から予告演出を選択し第3の可変表示部にて選択された予告演出を実行する予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS922,S923,S944を実行する部分)と、特定時点で停止された第3識別情報の可変表示中に予告演出実行手段により選択された予告演出の種類を記憶する予告演出記憶手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS925,S946を実行する部分)とを備え、予告演出実行手段は、予告演出記憶手段が予告演出の実行を記憶している状態で特定時点になったとき(例えば、ステップS975のY)、該特定時点から開始される第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示中に、記憶されている予告演出の種類にもとづいて予告演出を選択し実行する(例えば、ステップS977〜S979の処理を実行する)ように構成されていてもよい。
可変表示実行手段は、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始してから特定時点までに第2の開始条件が成立したとき(例えば、ステップS672のYで、ステップS673のY)、第1識別情報の残り可変表示時間と第2の開始条件にもとづく第2識別情報の可変表示時間のどちらが長いかを判定する可変表示時間判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS675〜S678を実行する部分)と、特定時点から開始される第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示の可変表示時間に可変表示時間判定手段により長いと判定された可変表示時間を設定する可変表示時間設定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS952〜S957を実行する部分)とを含む構成とされていてもよい。
請求項1記載の発明では、第1計数手段により計数された成立数と第2計数手段により計数された成立数とを合算した合算成立数を演算する合算成立数演算手段と、第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数であるときに第1の実行条件が成立したかを判定する無効成立判定手段と、第1の可変表示部および第2の可変表示部よりも視認することが容易な第3の可変表示部において合算成立数演算手段の演算した合算成立数を特定可能な表示を行う合算成立数表示手段と、第1識別情報または第2識別情報の可変表示が開始されるときに、第3の可変表示部において第1識別情報または第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を実行し、所定の可変表示時間が経過したときに第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果に対応付けた表示結果を第3の可変表示部に導出表示する可変表示実行手段とを備え、合算成立数表示手段が、無効成立判定手段によって第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数であるときに第1の実行条件が成立したと判定されたときに、合算成立数演算手段の演算した合算成立数が所定の合算成立数まで達していないことを条件に、合算成立数を特定可能な表示を加算更新する特別表示手段を含む構成とされているので、複数の識別情報の可変表示が別々の実行条件(始動条件)の成立にもとづいて実行される遊技機において、実行条件の成立に対して不利な印象を遊技者に与えないようにすることができる。
請求項2記載の発明では、可変表示実行手段が実行する第3識別情報の可変表示は、第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果に対応付けた表示結果を第3の可変表示部に導出表示する前の第3識別情報の可変表示を開始してから所定時間経過後の特定時点において第3識別情報の可変表示を仮停止表示し、第3識別情報の可変表示を再度開始する特殊態様を含み、特別表示手段が合算成立数を特定可能な表示を加算更新しているときに、第3の可変表示部において実行する第3識別情報の可変表示の態様として特殊態様を選択する可変表示態様選択手段とを備え、特別表示手段が、可変表示態様選択手段により特殊態様が選択されたときは、第3識別情報の可変表示が開始されるとき、または仮停止表示され可変表示を再度開始するときに、加算更新した表示を減算更新する特殊時特別表示更新手段を含む構成とされているので、実行条件の成立数の合計と実際に表示されている合算成立数とのずれが生じたときでも、遊技者に違和感を与えることなく整合させることができる。
請求項3記載の発明では、遊技制御マイクロコンピュータが、第1計数手段と、第2計数手段と、第1の実行条件が成立したときに第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数に達しているか否かを判定する第1上限数判定手段と、第1上限数判定手段により第1の上限数に達していないと判定されたときに、有効実行条件コマンドを送信する有効実行条件コマンド送信手段と、第1上限数判定手段により第1の上限数に達していると判定されたときに、無効実行条件コマンドを送信する無効実行条件コマンド送信手段と、第1識別情報の可変表示または第2識別情報の可変表示の開始を示す可変表示コマンドを送信する可変表示コマンド送信手段とを含み、演出制御用マイクロコンピュータが、可変表示実行手段と、合算成立数演算手段と、無効成立判定手段と、無効実行条件コマンドを受信したときに、合算成立数演算手段が演算する合算成立数が所定の合算成立数まで達しているか否かを判定する合算上限数判定手段とを含み、可変表示実行手段は、可変表示コマンドを受信したことにもとづいて、第3の可変表示部における第3識別情報の可変表示を開始し、特別表示手段は、合算上限数判定手段により合算成立数が所定の合算成立数に達していないと判定されたことを条件に合算成立数を特定可能な表示を加算更新し、特別表示手段は、可変表示実行手段により第3識別情報の可変表示が開始されたときに、加算更新した表示を減算更新する特別表示更新手段を含む構成とされているので、実行条件(始動条件)の成立に対して不利な印象を遊技者に与えないようにする構成を遊技制御用マイクロコンピュータに制御負担をかけることなく実現することができる。
請求項4記載の発明では、第3識別情報の可変表示を開始してから特定時点までの所定時間を、第1識別情報または第2識別情報における可変表示時間のうちの最も短い時間よりも短い時間としたので、第1計数手段および第2計数手段により計数された成立数の合計と合算成立数表示手段が表示している合算成立数とに差が大きくなるのを防止することができる。
請求項5記載の発明では、合算成立数演算手段による演算結果を記憶する合算成立数記憶手段を備え、可変表示実行手段が、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始してから所定時間経過後の特定時点までに第2の開始条件が成立したとき、該特定時点にて第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を停止し、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始する表示制御を実行する表示制御手段を含み、合算成立数表示手段が、合算成立数記憶手段の記憶にもとづいて合算成立数を表示し、合算成立数演算手段が、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときおよび第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときに、合算成立数記憶手段の記憶する合算成立数を減算する合算成立数減算手段を含む構成とされているので、第3識別情報の可変表示の開始タイミングと合算成立数の更新表示のタイミングを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
請求項6記載の発明では、特定時点が経過してから第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されるまでに第2の開始条件が成立したときにその旨を記憶する開始条件記憶手段を備え、表示制御手段が、開始条件記憶手段が第2の開始条件の成立を記憶している状態で新たに特定時点となったとき、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を停止し、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始する表示制御を実行し、合算成立数減算手段が、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときに、合算成立数記憶手段の記憶する合算成立数を減算するように構成されているので、第3識別情報の可変表示の開始タイミングと合算成立数の更新表示のタイミングを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
請求項7記載の発明では、第1事前決定手段の決定結果にもとづいて複数種類の予告演出の中から予告演出を選択し第3の可変表示部にて選択された予告演出を実行する予告演出実行手段と、特定時点で停止された第3識別情報の可変表示中に予告演出実行手段により選択された予告演出の種類を記憶する予告演出記憶手段とを備え、予告演出実行手段が、予告演出記憶手段が予告演出の実行を記憶している状態で特定時点になったとき、該特定時点から開始される第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示中に、記憶されている予告演出の種類にもとづいて予告演出を選択し実行するように構成されているので、予告演出のバリエーションを増やすことができる。
請求項8記載の発明では、可変表示実行手段が、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始してから特定時点までに第2の開始条件が成立したとき、第1識別情報の残り可変表示時間と第2の開始条件にもとづく第2識別情報の可変表示時間のどちらが長いかを判定する可変表示時間判定手段と、特定時点から開始される第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示の可変表示時間に可変表示時間判定手段により長いと判定された可変表示時間を設定する可変表示時間設定手段とを含む構成とされているので、第1識別情報および第2識別情報の可変表示の終了タイミングと第3識別情報の可変表示の終了タイミングを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の演出用の背景図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第1飾り図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第2飾り図柄とを可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が設置されている。この実施形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)で構成されている。可変表示装置9における表示領域は、背景図柄を可変表示するための背景図柄表示領域(画面中央の領域)9aと、第1飾り図柄を可変表示するための第1飾り図柄表示領域(画面の左隅の小さな領域)9bと、第2飾り図柄を可変表示するための第2飾り図柄表示領域(画面の右隅の小さな領域)9cと、始動入賞口13,14に入った入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示するためのメモリ表示領域(画面下側の領域)9dとに分けられている。図1に示すように、メモリ表示領域9dには、8個の始動記憶表示エリアが設けられ、最大8個の保留記憶数(始動記憶数)を表示することができる。なお、図1に示す例では、背景図柄表示領域9aとメモリ表示領域9dとは、それらの領域が境界線で区切られていないが、境界線で区切られていてもよい。
第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cにおいて、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字の飾り図柄が可変表示可能に表示制御される。そして、第1飾り図柄表示領域9bでは、可変表示の第1の有効実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口13に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第1の開始条件の成立(第1飾り図柄が可変表示中でなく、第1飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でもないとき)にもとづいて第1飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。また、第2飾り図柄表示領域9cでは、可変表示の第2の有効実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第2の開始条件の成立(第2飾り図柄が可変表示中でなく、第2飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でもないとき)にもとづいて第2飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。
背景図柄表示領域9aでは、図1に示すように、左・中・右の背景図柄が可変表示可能に表示制御される。この実施の形態では、左・中・右の背景図柄は、それぞれ、「0」〜「9」の数字の図柄とされている。背景図柄は、第1飾り図柄および第2飾り図柄と同様に、第1の有効実行条件の成立および第2の有効実行条件の成立にもとづいて可変表示が実行されるのであるが、背景図柄の可変表示は、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示と常に同期して開始されるわけではない。すなわち、第1の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第1の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。同様に、第2の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第2の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。背景図柄の可変表示が開始可能な条件を第3の開始条件という。第3の開始条件については後述する(図32、図35〜図38等参照)。
図1に示すように、背景図柄表示領域9aの面積は、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cの面積や、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの面積よりも大きい。従って、背景図柄表示領域9aに表示される背景図柄が、飾り図柄や特別図柄よりも遊技者にとって最も視認しやすい図柄である。よって、遊技者は、背景図柄に最も注目することになる。
メモリ表示領域9dでは、原則として、第1の有効実行条件および第2の有効実行条件が成立する毎(つまり、始動入賞口13,14への有効始動入賞がある毎)に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化する)始動記憶数表示エリアを1増やす。ただし、例外として、第1の無効実行条件および第2の無効実行条件が成立したとき(例えば、打球が始動入賞口13または始動入賞口14に入賞したが、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していたとき:これを無効始動入賞という)であっても、一定の条件下において表示色が変化する始動記憶数表示エリアを1増やすこともある。また、第3の開始条件が成立する毎(つまり、背景図柄の可変表示が開始される毎)に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。このような保留記憶数の表示制御の詳細については後述する。
なお、この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示するように構成しているが、背景図柄の保留記憶数を表示する表示器(背景図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数の上限値を8とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が大当り図柄のときに確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
可変表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1飾り図柄表示領域9bにおいて装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第1特別図柄の可変表示と第1飾り図柄の可変表示とは同期しており、第1特別図柄の可変表示が開始されるときに第1飾り図柄の可変表示も開始され、第1特別図柄の可変表示が終了するときに第1飾り図柄の可変表示も終了する。また、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2飾り図柄表示領域9cにおいて装飾用の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第2特別図柄の可変表示と第2飾り図柄の可変表示とは同期しており、第2特別図柄の可変表示が開始されるときに第2飾り図柄の可変表示も開始され、第2特別図柄の可変表示が終了するときに第2飾り図柄の可変表示も終了する。
第1特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄の可変表示を行う第2特別図柄表示器8bは、遊技制御基板(主基板)31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
第1特別図柄表示器8aの下側には、第1の開始条件の成立していない第1の実行条件の成立数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの下側には、第2の開始条件の成立していない第2の実行条件の成立数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、保留記憶数を表示する表示器(特別図柄保留記憶表示器)が可変表示装置9とは別個に設けられているが、例えば、可変表示装置9の表示領域の一部を特別図柄保留記憶表示領域にしてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aは第1特別図柄表示器8aの可変表示についての保留記憶数を表示し、第2特別図柄保留記憶表示器18bは第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数を表示し、さらに、第1特別図柄表示器8aの可変表示および第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数(上限値を8)を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいてまとめて表示するように構成されている。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数の上限値を4とし、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数の上限値を4としているが、上限値をより大きい値にしてもよい。この場合は、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示される背景図柄の保留記憶数の上限値も大きな値(特別図柄の保留記憶数の上限値×2)となる。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態では、可変表示装置9の画面の左隅の小さな領域に第1飾り図柄が表示され、画面の右隅の小さな領域に第2飾り図柄が表示され、画面の下側に保留記憶数が表示され、画面のほぼ中央に背景図柄が表示される。第1飾り図柄が第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄に対応し(両図柄の停止図柄が完全に一致する場合に限らず、両図柄の停止図柄が意味するはずれ、非確変大当り(通常大当り)、確変大当りの内容が一致する場合も含まれる。)、第2飾り図柄が第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄に対応する。そして、背景図柄は、2つの飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは、はずれとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃わない状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が大当り図柄となるときは、大当りとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が確変大当り図柄のときは、確変大当りとなる(左中右の背景図柄が同一の確変図柄(例えば777)で揃った状態になる)。このような画面表示によれば、見た目上、1つの図柄(背景図柄)に対して保留記憶数が8つあるように見せることができる。従って、実際は2つの図柄が並行して可変表示されるとしても、遊技者は、単純に1つの図柄に注目すればよいことになり、画面の見た目が煩雑であるような印象や遊技の進行が複雑であるような印象を遊技者に与えてしまうのを回避することができる。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能となり(あるいは入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを離れた位置に設けてもよい。例えば、第1始動入賞口13を可変表示装置9の下方左側に設け、第2始動入賞口14を可変表示装置9の下方右側に設けてもよい。その場合も、一方の始動入賞口にのみ可変入賞球装置を設ける構成としてもよい。
第2始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の下方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、1つの普通図柄表示器10と1つの可変入賞球装置15が設けられているが、2つの可変入賞球装置を設けた場合(第1始動入賞口13にも可変入賞球装置を設けた場合)に、2つの普通図柄表示器を設けてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。なお、後述するように、第1特別図柄の保留記憶数が上限値に達しているときは、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数は増やされないが、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が増やされることもある。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。なお、後述するように、第2特別図柄の保留記憶数が上限値に達しているときは、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数は増やされないが、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が増やされることもある。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定期間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態(通常遊技状態ともいう。)および時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される遊技状態である時間短縮状態、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の一例)よりも高い確変状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合すなわち確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。なお、大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態および時短状態における確率よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に特別遊技状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態および時短状態より高められる。また、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。さらに、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される。その場合には、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになる。
なお、確変状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、第2始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示回数が増加して第2特別図柄が大当り図柄になる可能性が通常状態よりも高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいても大当り図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で背景図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいても大当り図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で背景図柄が停止表示される。以下、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で停止表示されることを、背景図柄の大当り図柄が表示されるというように表現する。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいても確変図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて確変図柄を想起させるような背景図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいても確変図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて確変図柄を想起させるような背景図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる背景図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に、遊技状態の遷移について説明する。この実施の形態では、通常遊技状態または時短状態のときに確変大当りが発生すると、遊技状態が通常遊技状態または時短状態から確変状態に移行される。確変状態は、確変大当り発生後(確変大当りになると決定された後)からの変動回数が所定回数(例えば50回〜150回の間の回数)になるまで継続される。確変状態が継続可能な所定回数分の変動が行われたとき、その変動回数が特定回数(例えば100回)を超えていれば、確変状態から通常遊技状態に移行される。変動回数が特定回数を超えていなければ、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、確変大当りの終了後からの変動回数が特定回数になるまで継続される。なお、次回の大当りが発生するまで確変状態を継続させる構成であってもよい。また、確変状態が所定回数(例えば50回〜150回)だけ継続する構成とされた場合に、所定回数の変動が行われた後は、次回の大当りが発生するまで時短状態を継続させる構成であってもよい。
ここで、時短状態は、上述したように、大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される遊技状態である。特別図柄の可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。さらに、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、時短状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、可変入賞球装置15の所定時間当たりの開放回数が高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
確変状態のときに確変大当りが発生すると、新たに所定の変動回数(例えば50回〜150回の間の回数)だけ確変状態が継続される。確変状態のときに非確変大当り(通常大当り)が発生すると、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、非確変大当り発生後から所定回数(例えば100回)になるまで継続される。
確変状態のときに抽選によって確変状態を終了させる旨の判定が行われたときは(後述するステップS46参照)、そのときの変動回数が確変大当り発生後から特定回数(例えば100回)を超えていれば、確変状態から通常遊技状態に移行される。特定回数を超えていなければ、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、確変大当り発生後からの変動回数が特定回数になるまで継続される。
時短状態のときに非確変大当りが発生すると、時短状態から通常遊技状態に移行される。また、時短状態が継続可能な回数分の変動が終了すると、時短状態から通常遊技状態に移行される。また、通常遊技状態のときに通常大当りが発生しても、遊技状態は通常遊技状態のまま変わらない。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄や背景図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bの表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行うとともに、普通図柄の保留記憶数を表示する普通図柄保留記憶表示器41の表示制御も行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置の数に対応した数のVDPを演出制御基板80に搭載するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのカウンタやバッファ、フラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第1特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:確変状態を終了させるか否か判定する(確変状態終了判定用)
(9)ランダム9:確変回数を決定する(回数決定用)
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:確変状態を終了させるか否か判定する(確変状態終了判定用)
(9)ランダム9:確変回数を決定する(回数決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、(3)のはずれ図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、(8)の確変状態終了判定用乱数、および(9)の回数決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を作成して出力する処理である第1試験端子処理および第2試験端子処理を実行する(ステップS34,S35)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される試験信号は、遊技制御処理において様々に変化する遊技制御の状態、例えば大当り状態や確変状態、時短状態、エラー状態等を示す信号である。これらの信号は、遊技制御処理においてオン/オフされるフラグ(大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)の状態に応じて作成される。なお、第1試験端子処理では、第1特別図柄プロセス処理において変化する遊技制御の状態を示す信号が作成・出力され、第2試験端子処理では、第2特別図柄プロセス処理において変化する遊技制御の状態を示す信号が作成・出力される。その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図7は、大当り判定用乱数と大当り判定値との関係の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。なお、CPU56は、通常状態では、大当り判定用乱数値と図7における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図7における右欄に記載されている数値とを比較する。図7における左欄に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図7における右欄に記載されている数値は確変時大当り判定値としてROM54に設定されている。
図8は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図8に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図8に示す例では、第1飾り図柄用の第1変動パターン#1〜#10の10種類と、第2飾り図柄用の第2変動パターン#1〜#10の10種類とが用いられる。なお、第1変動パターン#1〜#10のそれぞれは、第2変動パターン#1〜#10のそれぞれと同じであるが、演出制御コマンドとして別になっているので、図8において別個に示されている。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜10)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図8に示すように、通常遊技状態(通常状態)のときに変動パターン#1〜#5が用いられ、時短状態のときに変動パターン#6〜#10が用いられる。なお、確変状態のときも時短状態のときの変動パターン#6〜#10が用いられる。
図8に示すように、この実施の形態では、通常遊技状態のときの通常変動(停止図柄が大当り図柄にならず、かつ、リーチにもならない変動)よりも、時短状態(および確変状態)のときの通常変動の方が変動時間は短い。すなわち、変動パターン#1よりも変動パターン#6の方が変動時間は5秒短い。また、図8に示すように、通常遊技状態のときのリーチ(リーチA,B,C)を伴う変動よりも、時短状態(および確変状態)のときのリーチを伴う変動の方が変動時間は短い。すなわち、変動パターン#2〜#4よりも変動パターン#7〜#9の方が変動時間は5秒短い。なお、この実施の形態では、リーチを伴う変動パターンは、変動開始後に通常変動が行われ、通常変動の変動時間(通常遊技状態では10秒、時短状態では5秒)の経過後にリーチとなり、その後にリーチ変動(リーチ状態での図柄の変動)が所定時間(リーチAは10秒、リーチBは20秒、リーチCは30秒)行われる。このように、変動パターン#2〜#4と変動パターン#7〜#9とは、それぞれ、リーチ変動の部分の変動時間は同じであるが、通常変動の部分の変動時間は変動パターン#2〜#4よりも変動パターン#7〜#9の方が5秒短い。
また、図8に示すように、変動パターン#5と変動パターン#10とは、変動時間が同じである。なお、変動パターン#5および変動パターン#10は、後述する強制はずれと判定されたときに使用される。また、変動パターン#5および変動パターン#10の変動時間(この例では40秒)は、大当りとするときに使用されうる変動パターン#2〜#4および#7〜#9の変動時間よりも長い。
図9は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図9に示す例では、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「3」、「7」である場合には、遊技状態が確変状態に変化する。特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄という。また、遊技状態が確変状態に変化するような図柄を確変図柄という。また、確変図柄ではない大当り図柄(「1」、「5」、「9」)を非確変図柄または非確変大当り図柄という。この実施の形態では、特別図柄の大当り図柄を決定することによって確変状態(特別遊技状態)と通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが決定される。
なお、確変図柄と非確変図柄とを区別せず、単に、大当り図柄とはずれ図柄とに分けてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選によって決定した図柄に応じて確変状態に移行させるか否か決定するのではなく、乱数等を用いて確変状態に移行させるか否かの抽選を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが発生した場合に、大当り遊技が開始された後(例えば、大当り遊技中や大当り遊技の終了時)に、遊技機に設けられている電気部品によって確変大当りの報知を行うようにしてもよい。そのように構成した場合には、遊技者は停止図柄から遊技状態の変化を把握することができなくなり報知によって初めて遊技状態の変更を把握することができるので遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係についても、図9に示した内容と同じである。すなわち、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、飾り図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「3」、「7」である場合には、遊技状態が確変状態に変化する。そして、飾り図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄といい、遊技状態が確変状態に変化するような図柄を確変図柄といい、確変図柄ではない大当り図柄(「1」、「5」、「9」)を非確変図柄または非確変大当り図柄という。
なお、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とが常に一致するわけではない。しかし、停止図柄が意味する内容(はずれ、非確変大当り、確変大当り)については、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とは同じになるようにする。例えば、特別図柄の停止図柄がはずれを意味する図柄(例えば「2」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、はずれを意味する「0」「2」「4」「6」「8」の図柄のいずれかが選択される。また、特別図柄の停止図柄が非確変大当りを意味する図柄(例えば「1」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、非確変大当りを意味する「1」「5」「9」の図柄のいずれかが選択される。また、特別図柄の停止図柄が確変大当りを意味する図柄(例えば「7」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、確変大当りを意味する「3」「7」の図柄のどちらかが選択される。なお、飾り図柄の停止図柄は、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)を示す演出制御コマンドにもとづいて選択される。
なお、図9では、特別図柄(飾り図柄も同様)として、数字の図柄を例示していたが、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。
図10および図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
また、この実施の形態では、遊技状態として通常状態、確変状態および時短状態がある。そして、所定の移行条件が成立することにより、3つの遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行するように制御される。遊技状態の移行に関する制御は、確変フラグおよび時短フラグのオン/オフ(セット/リセット)にもとづいて行われる。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS310)、第1保留記憶数が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS311)。
第1保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS311のN)、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、かつ保留記憶数が上限値に達していないこと(つまり、第1始動入賞口13に有効始動入賞があったこと、第1の有効実行条件が成立したこと)を示す第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS312A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS313)。一方、第1保留記憶数が上限値に達しているときは(ステップS311のY)、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、かつ第1保留記憶数が上限値に達していること(つまり、第1始動入賞口13に無効始動入賞があったこと、第1の無効実行条件が成立したこと)を示す第1無効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS312B)。
なお、第1保留記憶カウンタの値を1増やす際に、CPU56は、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや第1保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値であるか否かを確認する(ステップS314)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314のY)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜9)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技(大当りが発生してから終了するまでの処理)の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信したか否か確認する。送信済みの場合(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、まだ送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。また、ステップS317では、CPU56は、中断コマンドを送信した後(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS317の処理が実行される場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して再開コマンドを送信した後に、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56において、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS304の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かも、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、再開コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、遊技状態が確変状態であるか否か確認し、確変状態であるときは確変状態の終了の判定を行う。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)と確変大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。また、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御基板80に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
第1遊技状態移行制御処理(ステップS303):遊技状態が確変状態に移行された後であって、遊技状態が確変状態または時短状態に制御されているときに、確変状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(状態回数)が所定回数になったか否か確認する。そして、状態回数が所定回数になったことを確認すると、そのときの遊技状態が確変状態から時短状態に移行されているか否か確認し、時短状態に移行されているときは遊技状態を時短状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。また、遊技状態が確変状態に移行された後に、確変状態に移行されてから確変状態における第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(確変回数)が所定回数になったか否か確認する。そして、確変回数が所定回数になったことを確認すると、既に状態回数が所定回数になっているか否か確認し、状態回数が所定回数になっているときは遊技状態を確変状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行し、状態回数が所定回数になっていないときは遊技状態を確変状態から時短状態に移行させる移行制御を実行する。
また、確変状態に制御されているときに非確変図柄での大当り(非確変大当りまたは通常大当りという)にすると決定されたことにもとづいて遊技状態が時短状態に移行された後に、時短状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(時短回数)が所定回数になったか否か確認し、所定回数になったことを確認すると、遊技状態を時短状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。また、大当り判定において大当りにすると決定されたときは、大当りが確変大当りか否かを確認し、確変大当りの場合は、遊技状態を確変状態に移行させる移行制御を実行する。確変大当りでない場合(非確変大当り(通常大当り)の場合)は、そのときの遊技状態が確変状態のときは時短状態に移行させる移行制御を実行し、そのときの遊技状態が時短状態のときは通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。さらに、第1特別図柄の変動を開始させるとともに、第1変動パターン設定処理で決定された変動パターンにもとづいて、第1特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を第1変動時間タイマにセットした後、第1変動時間タイマをスタートさせる。その後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS303でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305またはステップS306に応じた値に更新する。なお、特別図柄の表示結果を大当り図柄とすることに決定している場合にステップS306に応じた値に更新し、特別図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定している場合にステップS305に応じた値に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS306):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。なお、演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を受信すると可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するが、変動時間が経過すると独自に第1飾り図柄の可変表示を停止させるように制御してもよい。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御やラウンド数をカウントする処理、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したときに、ラウンド数が所定回数(例えば15ラウンド)に達していなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新し、ラウンド数が所定回数に達していれば、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図12は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図13に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図14は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド8000(H)〜8019(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bまたは第2飾り図柄表示領域9cにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8019(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bまたは第2飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、第1変動パターン指定#1〜#10のコマンドを、8000(H)〜8009(H)とし、第2変動パターン指定#1〜#10のコマンドを、8010(H)〜8019(H)とする。
コマンド9000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)を確変図柄(確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第1確変大当り指定コマンド)である。コマンド9001(H)は、第1飾り図柄の可変表示の表示結果を非確変図柄(非確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第1通常大当り指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、第1飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(第1はずれ指定コマンド)である。
コマンド9100(H)は、第2飾り図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)を確変図柄(確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第2確変大当り指定コマンド)である。コマンド9101(H)は、第2飾り図柄の可変表示の表示結果を非確変図柄(非確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第2通常大当り指定コマンド)である。コマンド9102(H)は、第2飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(第2はずれ指定コマンド)である。なお、コマンド9000(H)〜9102(H)を表示結果コマンドということもある。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドA100(H)は、第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンドであり、コマンドA101(H)は、第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンドである。
コマンドA200(H)は、第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンドであり、コマンドA201(H)は、第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンドである。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)は、第1特別図柄(第1飾り図柄)にもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド)であり、コマンドB001(H)は、第1特別図柄(第1飾り図柄)にもとづく大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、第2特別図柄(第2飾り図柄)にもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド)であり、コマンドB003(H)は、第2特別図柄(第2飾り図柄)にもとづく大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放中表示(ラウンド中のラウンド表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放時表示コマンド)である。コマンドB2XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放後表示(大入賞口の開放後におけるランド間のインターバル表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドC100(H)は、第1保留記憶数が上限値(4個)に達していないとき(未満タン時)に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC101(H)は、第1保留記憶数が上限値(4個)に達しているとき(満タン時)に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第1無効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第2保留記憶数が上限値(4個)に達していないとき(未満タン時)に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC201(H)は、第2保留記憶数が上限値(4個)に達しているとき(満タン時)に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第2無効始動入賞指定コマンド)である。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図14に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図14に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドや確変状態を示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1大当り遊技(第1特別図柄が大当り図柄になったことにもとづく大入賞口の所定回の開放が行われる遊技)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS41)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS42)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS43)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次に、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認することによって、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否か確認する(ステップS44)。確変フラグは、現在の遊技状態が確変状態であること示すデータであり、確変状態を開始するときにセットされ(図22のステップS204参照)、確変状態を終了するときにリセットされる(図15のステップS51、図22のステップS215参照)。
確変フラグがセットされていないときは、CPU56は、ステップS45〜S54の処理を実行せずに、ステップS55に移行する。確変フラグがセットされているときは、CPU56は、乱数バッファ領域から確変状態終了判定用乱数(ランダム8)を読み出し(ステップS45)、確変状態の終了の判定を行う(ステップS46)。すなわち、CPU56は、あらかじめ定められている確変状態終了判定値と確変状態終了判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら確変状態を終了させることに決定する。
確変状態を終了させることに決定したときは、CPU56は、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS51)。そして、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS52)。なお、ステップS46の判定(抽選)をパンク抽選という。
状態フラグは、確変状態を開始するときにセットされ、確変状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)になったとき、また所定回数になる前に大当り図柄を非確変図柄にすることが決定されたときにリセットされるフラグである。
ステップS52において状態フラグがセットされているということは、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達していない状態であることを示している。よって、CPU56は、状態フラグがセットされていることを確認したときは、時短フラグをセットして時短状態を開始させる(ステップS53)。
すなわち、この実施の形態では、パンク抽選の結果が当選(確変状態を終了させる)であれば、状態回数の残り回数だけの可変表示が行われるまで時短状態に制御される。
なお、時短フラグは、現在の遊技状態が時短状態であることを示すデータであり、時短状態を開始するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。また、第1変動パターン設定処理(ステップS302)において、CPU56は、時短フラグがセットされているときには、時短フラグがセットされていないときよりも変動時間の短い変動パターンを選択する。
そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS55)。
図16および図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS60)。第2大当りフラグがセットされていれば、強制はずれフラグをセットした後(ステップS66)、ステップS64に移行する。なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動が実行されているか、または、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて大当り遊技が実行されていることを意味する。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、ステップS63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。通常状態または時短状態では、大当り判定用乱数値と図7における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図7における右欄に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて第1特別図柄のはずれ図柄(この例では偶数図柄)を決定する(ステップS65)。そして、ステップS84に移行する。
ステップS81では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1特別図柄の大当り図柄(この例では奇数図柄)を決定する(ステップS83)。そして、演出制御基板80に、確変大当りとすることに決定された場合(大当り図柄決定用乱数の値が確変図柄を示す値である場合)には確変大当り指定の演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)を送信し、非確変大当りとすることに決定された場合(大当り図柄決定用乱数の値が非確変図柄を示す値である場合)には通常大当り指定の演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を送信し、大当りとすることに決定されなかった場合(はずれ図柄にすると決定された場合;ステップS60のYまたはステップS63のN)にははずれ指定の演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を送信するように制御した後(ステップS84)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS85)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。そして、これから開始される第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とすることを示す第1大当りフラグがセットされ、かつ、時短フラグがセットされている場合には(ステップS102,S103)、時短時大当り変動パターンテーブル(図20参照)から変動パターンを選択する(ステップS104)。すなわち、時短時大当り変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時大当り変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS115に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、通常時大当り変動パターンテーブル(図20参照)から変動パターンを選択する(ステップS105)。すなわち、通常時大当り変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時大当り変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS115に移行する。
第1大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、強制はずれフラグがセットされているか否か確認する(ステップS106)。強制はずれフラグがセットされている場合にはステップS111に移行する。
強制はずれフラグがセットされていない場合には、時短フラグがセットされているときには(ステップS107)、時短時はずれ変動パターンテーブル(図20参照)から変動パターンを選択する(ステップS108)。すなわち、時短時はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS115に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、通常時はずれ変動パターンテーブル(図20参照)から変動パターンを選択する(ステップS109)。すなわち、通常時はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS115に移行する。
ステップS111では、CPU56は、強制はずれフラグをリセットする。そして、時短フラグがセットされている場合には(ステップS112)、時短時強制はずれ変動パターンテーブル(図20参照)から変動パターンを選択する(ステップS113)。すなわち、時短時強制はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時強制はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS115に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、通常時強制はずれ変動パターンテーブル(図20参照)から変動パターンを選択する(ステップS114)。すなわち、通常時強制はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時強制はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS115に移行する。
なお、強制はずれフラグがセットされているときと強制はずれフラグがセットされていないとき(すなわちステップS63においてNoと判定されたとき)とで同じはずれ変動パターンテーブルを選択するように構成されていてもよい。すなわち、ステップS106の判定を実行せずに、ステップS102においてNoと判定されたときは、時短フラグのセット状況に応じて時短時はずれ変動パターンテーブルまたは通常時はずれ変動パターンテーブルのいずれかを選択するように構成されていてもよい。共通のルーチンで変動パターンテーブルを選択する処理を実行することができるため、制御プログラムにおいて強制はずれ用の処理を作成する必要がなくなり、プログラム容量を削減することができる。
ステップS115では、CPU56は、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態移行制御処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS116)。
なお、図18および図19には示していないが、CPU56は、確変フラグがセットされているときは、時短フラグがセットされているときと同様に、時短時用の変動パターンテーブルを選択し、その変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。この実施の形態では、確変状態のときの変動パターンと時短状態のときの変動パターンとは同じ変動パターン(変動時間)を使用するようにしているからである。
図20は、第1変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。変動パターンテーブルは、ROM54に格納されている。図20に示す変動パターンテーブルにおいて、判定値数は、対応する変動パターンを選択することになる判定値の数である。判定値数が多いほど、対応する変動パターンが選択されやすいことを示す。なお、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルも、図20に例示された構成と同様に構成される。ただし、その変動パターンテーブルには、第2変動パターン#1〜#10が設定される。つまり、図20に示す例において、「第1変動パターン」を「第2変動パターン」に置き換えた形式になる。また、第1変動パターン#1〜#10のそれぞれと、第2変動パターン#1〜#10のそれぞれとが同じ変動パターンである場合には、第1変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルと第2変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルとを共通のものにしてもよい。
また、図20に示すように、第1変動パターン#5および第1変動パターン#10は、強制はずれフラグがセットされているときに使用される時短時強制はずれ変動パターンテーブルおよび通常時強制はずれ変動パターンテーブルのみにおいて設定されている。すなわち、この実施の形態では、強制フラグがセットされているときにのみ、第1変動パターン#5および第1変動パターン#10が選択可能である。
そして、時短時強制はずれ変動パターンテーブルおよび通常時強制はずれ変動パターンテーブルにおいて、第1変動パターン#5および第1変動パターン#10が選択される確率は、他の変動パターンが選択される確率よりも高い。
なお、確変状態のときは、図20(A)(C)(E)に示された時短時の変動パターンテーブルが用いられる。
また、この実施の形態では、強制はずれ(無条件で、すなわち抽選による大当り判定を行わず、抽選結果をはずれにすること)時に用いられる変動パターンテーブル(図20(E),(F))と、非強制はずれ(抽選による大当り判定の結果、はずれに決定されたこと)時に用いられる変動パターンテーブル(図20(C),(D))とを別個に設けたが、それらを共通化してもよい。つまり、強制はずれ/非強制はずれに関わらず、はずれ時に共通に用いられる変動パターンテーブルを設けてもよい。その場合には、CPU56は、例えば、非強制はずれ時に第1変動パターン#5または第1変動パターン#10が選択されたときには、他の変動パターンに変更する。さらに、この実施の形態では、変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択しているが、強制はずれ時に用いられる変動パターンを固定的なものにしてもよい。その場合、例えば、第1変動パターン#5を示すデータおよび第1変動パターン#10を示すデータをROM54に格納し、ステップS113でROM54から第1変動パターン#10を示すデータを読み出し、ステップS114で第1変動パターン#5を示すデータを読み出すようにする。
図21および図22は、第1遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。第1遊技状態移行制御処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS171)。セットされている場合には、ステップS201に移行する。
第1大当りフラグがセットされていない場合すなわちはずれとすることに決定されている場合には、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS172)。状態フラグがセットされているということは、現在の遊技状態が確変状態または時短状態であることを意味する。状態フラグがセットされていれば、CPU56は、状態回数カウンタの値を−1する(ステップS173)。状態回数は、状態フラグがセットされているときに、確変状態または時短状態を継続可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を示す。状態回数カウンタは、状態回数をカウントするためのカウンタである。例えば、ステップS46のパンク抽選によって確変状態を終了させる条件が成立した場合に、状態回数カウンタの値が0でなければ、状態回数カウンタの値が示す回数だけ第1特別図柄および第2特別図柄の変動が実行されるまで時短状態が継続する(ただし、非確変大当りが発生した場合を除く)。この実施の形態では、状態回数として例えば100回が確変状態の開始時にセットされる(ステップ203参照)。
そして、CPU56は、状態回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS174)。状態回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達したことを意味する。CPU56は、状態回数カウンタの値が0であれば、状態フラグをリセットする(ステップS175)。状態回数カウンタの値が0でなければ、ステップS190に移行する。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS176)。時短フラグがセットされているということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が100回に達する前に、所定の移行条件が成立したこと(確変状態終了の判定において確変状態を終了させる旨の決定がされたこと、または確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が確変回数に達したこと)により、遊技状態が確変状態から時短状態に移行されていることを意味する。そして、状態回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達したことを意味する。この実施の形態では、可変表示の回数が所定回数に達していれば時短状態を終了させるので、時短フラグがセットされていれば、CPU56は、時短フラグをリセットして遊技状態を通常状態に移行させる(ステップS177)。時短フラグがセットされていなければ、ステップS190に移行する。
ステップS178では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされているということは、確変状態に制御されているときに非確変図柄での大当りとなったことによって時短状態に移行され、時短状態が継続している状態であることを意味する。時短フラグがセットされていなければ、ステップS190に移行する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動回数カウンタの値を−1する(ステップS179)。このとき、変動回数カウンタには、時短状態の場合にその状態を継続可能な残り変動回数が設定されている。
次に、CPU56は、変動回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS180)。変動回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態から時短状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば50回)に達したことを意味する。そこで、変動回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグをリセットして遊技状態を時短状態から通常状態に移行させる(ステップS181)。そして、ステップS196に移行する。
ステップS190では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変フラグがセットされていなければ、ステップS196に移行する。確変フラグがセットされていれば、変動回数カウンタの値を−1し(ステップS191)、変動回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS192)。
確変フラグがセットされ、かつ、変動回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が確変状態を継続可能な確変回数に達したことを意味する。なお、確変回数は、遊技状態が確変状態になっているときに、あと何回の第1特別図柄および第2特別図柄の変動がなされたら確変状態を終了するかを示す回数(可変表示可能回数)、すなわち、確変状態に移行した後に実行可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数である。この実施の形態では、確変回数は所定の範囲の回数(例えば、50回〜150回)から抽選によって決定される。
変動回数カウンタの値が0になった場合、CPU56は、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS193)。そして、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS194)。状態フラグがセットされているということは、確変状態に移行してから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達していない場合を意味する。逆に、状態フラグがセットされていないということは、確変状態に移行してから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)以上になっていることを意味する。状態フラグがセットされていれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態を開始させる(ステップS195)。そして、ステップS196に移行する。
ステップS196では、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値をセットする(ステップS197)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS198)。
ステップS201では、CPU56は、ステップS83で決定された停止図柄が確変図柄(例えば「3」「7」)であるか否か判定する。すなわち、確変大当りとするか否か判定する。なお、この実施の形態では、ステップS83で決定された停止図柄によって確変大当りとするか否か決定されることになるが、例えば、乱数を発生させ、発生させた乱数と判定値とを比較することによって確変大当りとするか否か決定してもよい。
確変大当りとしない場合にはステップS211に移行する。確変大当りとする場合には、CPU56は、状態フラグをセットし(ステップS202)、状態回数カウンタに状態回数として100回をセットする(ステップS203)。そして、確変フラグがセットされていない場合には確変フラグをセットし(ステップS204)、時短フラグがセットされている場合は時短フラグをリセットする(ステップS205)。なお、確変フラグおよび時短フラグは、RAM55に形成されている。
また、CPU56は、所定の範囲(例えば50回から150回の範囲)から抽選によって確変回数を選択する処理を実行する(ステップS206)。ステップS206では、乱数バッファ領域から回数決定用乱数(ランダム9)を読み出し、読み出した回数決定用乱数値に対応する回数を確変回数に決定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変回数を変動回数カウンタにセットする(ステップS207)。なお、上記のような確変回数の抽選によれば、確変回数として150回(最多確変継続回数)が選ばれる割合が低くなってしまうおそれがあるが、あらかじめ150回の確変回数に対応する回数決定用乱数値を多く設定しておくことによって、確変回数として150回が選ばれる割合を高くすることができる。そして、ステップS196に移行する。
ステップS211では、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する。状態フラグがセットされている場合には、状態フラグをリセットし(ステップS212)、状態回数カウンタの値をクリアする(ステップS213)。
なお、この実施の形態では、確変大当りに決定された場合、特別図柄の可変表示が開始されるときに確変フラグがセットされて遊技状態が確変状態に移行するが、大当り遊技の終了後に、確変フラグをセットして確変状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、例えば、ステップS201〜S220の処理を、ステップS309の第1大当り終了処理において実行するように構成すればよい。
次いで、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS214)。確変フラグがセットされていない場合にはステップS218に移行する。確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットし(ステップS215)、時短フラグをセットする(ステップS216)。これにより、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。そして、CPU56は、変動回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS217)。なお、時短回数は、遊技状態が時短状態になっているときに、あと何回の第1特別図柄および第2特別図柄の変動がなされたら時短状態を終了するかを示す回数(可変表示可能回数)、すなわち、時短状態に移行した後に時短状態が継続可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数である。この実施の形態では、時短回数として例えば50回が設定される。その後、ステップS196に移行する。
ステップS218では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS219)。よって、遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。また、変動回数カウンタの値をクリアする(ステップS220)。そして、ステップS196に移行する。
以上のような処理によって、確変状態において非確変大当りとなることに決定されたときに、遊技状態は時短状態に制御され、時短状態において50回の可変表示を実行可能になる(ステップS214〜S217)。時短状態において非確変大当りとなることに決定されたときに、遊技状態は通常状態に制御される(ステップS218〜S220)。
また、確変状態において状態回数カウンタの値が0にならないうちに変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態は時短状態に制御される(ステップS190〜S195)。確変状態において状態回数カウンタの値が0になった後に、変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態が通常状態に制御される(ステップS190〜S194)。時短状態において状態回数カウンタの値が0になった後に、変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態が通常状態に移行される(ステップS178〜S181)。
次に、第1遊技状態移行制御処理におけるフラグのセット時期およびリセット時期を、図23および図24を用いて説明する。
図23には、確変状態に制御されるときに、ステップS202において状態フラグがセットされ、ステップS203において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、また、ステップS204において確変フラグがセットされ、ステップS206において確変回数として150回が抽選によって決定され、ステップS207において変動回数カウンタに150回の回数がセットされた例が示されている。
確変状態に制御されると、CPU56は、状態フラグがセットされることによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の開始時に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。また、確変フラグがセットされることによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の開始時に、変動回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS190,S191)。なお、図23において、カッコ内の数字は状態回数カウンタのカウント数を示し、カッコ外の数字は変動回数カウンタのカウント数を示す。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから100回目の変動を開始する時点で、状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。CPU56は、状態フラグをリセットしたときに、時短フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS176)。図23に示す例では、時短フラグがセットされていないので、時短フラグのリセットは行われない。すなわち、遊技状態の移行制御は行われない。状態フラグがリセットされると、CPU56は、状態回数カウンタによる第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数のカウントを停止する(ステップS172参照)。
その後も、CPU56は、変動回数カウンタで、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS190,S191)。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が150回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから150回目の変動を開始する時点で、確変フラグがリセットされる(ステップS192,S193)。CPU56は、確変フラグをリセットしたときに、状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS194)。図23に示す例では、状態フラグが既にリセットされているので、時短フラグのセットは行われない。すなわち、CPU56は、状態フラグがセットされていないことによって、確変状態に制御されてから100回以上の第1特別図柄および第2特別図柄の変動が行われたことを認識し、時短状態に制御する必要がないと判断し、時短状態に移行する制御を行わない。その結果、遊技状態が確変状態から通常状態に移行される。
図24には、確変状態に制御されるときに、ステップS202において状態フラグがセットされ、ステップS203において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、また、ステップS204において確変フラグがセットされ、ステップS206において確変回数として50回が抽選によって決定され、ステップS207おいて変動回数カウンタに50回の回数がセットされた例が示されている。
この場合も、図23に示す例と同様に、状態フラグがセットされることによって、CPU56は、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントし(ステップS172,S173)、また、確変フラグがセットされることによって、変動回数カウンタが第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS190,S191)。その後、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が50回に達した時点で、すなわち、確変フラグがセットされてから50回目の変動を開始する時点で、変動回数カウンタの値が0になると、確変フラグがリセットされる(ステップS192,S193)。CPU56は、確変フラグをリセットしたときに、状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS194)。図24に示す例では、状態フラグがまだセットされているので、時短フラグのセットが行われる(ステップS195)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態フラグがセットされていることによって、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動が100回未満であることを認識し、時短状態に制御する必要があると判断して、時短状態に移行する制御を行う。この結果、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。
その後も、CPU56は、状態フラグがセットされていることにもとづいて、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから100回目の変動を開始する時点で状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。CPU56は、状態フラグをリセットしたときに、時短フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS176)。図24に示す例では、時短フラグがセットされているので、時短フラグのリセットが行われる。その結果、遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
なお、遊技状態が確変状態に制御されているときに、確変状態終了の判定(ステップS46)で確変状態を終了する旨の決定がされ、確変状態から時短状態に移行した場合(ステップS51,S53)についても、図24に示す例が該当する。
例えば、確変状態に制御されるときに、ステップS203において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、ステップS206において確変回数として80回が抽選によって決定され、ステップS207において変動回数カウンタに80回の回数がセットされた場合を考える。その場合において、確変状態に制御されてから50回目の変動の開始時に確変状態終了の判定(ステップS46)で確変状態を終了する旨の決定がされると、確変フラグがリセットされるとともに時短フラグがセットされて(ステップステップS51,S53)、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。そして、変動回数カウンタの値がクリアされる(ステップS54)。この場合においても、それ以降、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。そして、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点で状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。そして、時短フラグもリセットされる(ステップS176,S177)。その結果、遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。
次に、フラグのセット時期およびリセット時期の他の例を、図25および図26を用いて説明する。
図25に示す例では、現在の遊技状態が確変状態であって確変フラグがセットされている場合において、大当り図柄として非確変図柄(通常大当り図柄)が決定されたとき(ステップS201のN)、確変フラグがリセットされるとともに(ステップS214,S215)、時短フラグがセットされ(ステップS216)、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。従って、その後に行われる第1特別図柄停止図柄設定処理または第2特別図柄停止図柄設定処理における大当りの判定は、低確率(時短状態)で行われる。
また、図26に示す例では、現在の遊技状態が時短状態であって時短フラグがセットされている場合において、大当り図柄として非確変図柄(通常大当り図柄)が決定されたとき(ステップS201のN)、時短フラグがリセットされ(ステップS218,S219)、遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。
なお、図25に示す例において、第1特別図柄の変動が終了して大当り図柄が停止表示されると大当り遊技(第1大当り遊技)が開始されるが、この実施の形態では、大当り図柄が停止表示されてから第1大当り遊技が終了するまで、第2特別図柄の変動時間の計測は中断される(図10におけるステップS314の判定が「Y」になることによってステップS304の処理が実行されないからである。なお、図10には第1特別図柄プロセス処理が示されているが、第2特別図柄プロセス処理も同様に実行されている。)。そして、第1大当り遊技が終了すると、第2特別図柄の変動時間の計測が再開され、変動時間が経過すると第2特別図柄の変動が終了する。
また、この実施の形態では、現在の遊技状態が確変状態であって確変フラグがセットされている場合において、特別図柄の変動開始時に、確変状態の終了条件が成立したときには、確変フラグがリセットされる(例えば、ステップS45〜S47,S51、S191〜S193参照)。例えば、確変状態が120回分の変動回数だけ継続する場合、120回目の変動開始時に確変フラグがリセットされる。このように確変フラグがリセットされることにより遊技状態が確変状態から通常遊技状態に移行する。この場合、その後に他方の特別図柄の変動が開始されたときには、すでに確変フラグがリセットされているので、大当りとするか否かが低確率で判定されることになる。ところで、120回目の変動の終了時に確変フラグをリセットする構成とした場合は、120回目の変動が開始されてから終了するまでに他方の特別図柄の変動が開始されたときには、大当りとするか否かが高確率で判定される。この場合、120回目の変動が開始されてから終了するまでの間に開始される他方の特別図柄の変動回数は、2つの特別図柄の変動時間の長短によって多くなったり少なくなったりする。従って、高確率で大当り判定される変動回数に差が生じ、結果として、遊技者に有利、不利が生じる。しかし、特別図柄の変動開始時に、確変状態の終了条件が成立した場合に確変フラグをリセットすると、そのような有利、不利は生じない。
また、時短フラグがセットされている場合において、特別図柄の変動開始時に、時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる(例えば、ステップS174〜S177,S178〜S181参照)。例えば、時短状態において変動開始回数が状態回数に達したことにより時短フラグをリセットする場合、その後に他方の特別図柄の変動が開始されたときには、すでに時短フラグがリセットされているので、変動時間の長い変動パターンが選択されることになる。ところで、変動開始回数が状態回数に達したときの変動の終了時に時短フラグをリセットする構成とした場合は、その変動が終了するまでに他方の特別図柄の変動が開始されたときには、まだ時短フラグがリセットされていないので、変動時間の短い変動パターンが選択される。この場合、変動開始回数が状態回数に達した変動が開始されてから終了するまでの間に開始される他方の特別図柄の変動回数は、2つの特別図柄の変動時間の長短によって多くなったり少なくなったりする。従って、単位時間当たりの大当りの確率に差が生じ、結果として、遊技者に有利、不利が生じる。しかし、特別図柄の変動開始時に、時短状態の終了条件が成立した場合に時短フラグをリセットすると、そのような有利、不利は生じない。
なお、大当りになると決定されたとき(変動開始時)に確変フラグや時短フラグをセット・リセットして遊技状態を変更すると、その後に変動開始される他方の特別図柄の変動時間によって大当りの発生や大当りの種別(確変大当り、非確変大当り)がばれてしまうおそれがある。例えば、時短状態において非確変大当り(通常大当り)になると決定されたとき(変動開始時)に時短フラグをリセットする場合、その後に他方の特別図柄の変動が開始されたときには、変動時間の長い変動パターンが選択されることになり、変動時間の短い変動パターンから変動時間の長い変動パターンに切り替わることによって、非確変大当りが発生することが遊技者にばれてしまうおそれがある。また、通常遊技状態において確変大当りになると決定されたとき(変動開始時)に確変フラグをセットする場合、その後に他方の特別図柄の変動が開始されたときには、変動時間の短い変動パターンが選択されることになり、変動時間の長い変動パターンから変動時間の短い変動パターンに切り替わることによって、確変大当りが発生することが遊技者にばれてしまうおそれがある。
従って、大当りになることによって遊技状態が変更される場合は、変動の終了後または大当り遊技の終了後に確変フラグ・時短フラグをセット・リセットして遊技状態を移行させるようにするのが望ましい。具体的には、ステップS201〜S220の処理を、第1大当り図柄停止処理または第1大当り終了処理にて実行するようにする構成するのが望ましい。
図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS306)に対応した値に更新し(ステップS123,S124)、第1大当り図柄表示時間タイマをセットする(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS126)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS306)の処理を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を既に終了させた場合にはステップS143に移行する(ステップS140)。まだ終了させていない場合には、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS141)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142)。
そして、第1大当り図柄表示時間タイマの値を−1し(ステップS143)、第1大当り図柄表示時間タイマの値が0になった場合には(ステップS144)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS145)。
以上のような第1大当り図柄停止処理によって、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、ステップS125で設定された値に応じた所定時間(例えば、0.6秒)継続する。また、第2特別図柄プロセス処理が実行されるときにも、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、所定時間(例えば、0.6秒)継続する。なお、そのような所定時間を設けることは必須のことではない。
図29は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS151)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS153)。
図30は、以上に説明したような遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)の制御例を示すタイミング図である。CPU56は、第2始動口14に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りとするか異な否か決定する(すなわち、抽選する)ときに、大当りにすることに決定した場合には、第2大当りフラグをセットする(図17のステップS81参照。図17は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)。
図30に示すA〜Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)のそれぞれにおいて、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理で、大当り判定用乱数にもとづく抽選処理により大当りとするか否か決定するが(ステップS61,S62,S63参照)、第2大当りフラグがセットされているときには、抽選処理を実行しないようにする(ステップS61,S62,S63の処理をスキップする)。図30に示す例では、B,Cのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、無条件で抽選結果をはずれにする。無条件で抽選結果をはずれにすることが強制はずれである。なお、A,Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、第2大当りフラグはセットされていないので、抽選結果が大当りとなることもある。
そして、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動が停止して停止図柄が導出表示されることが防止される。なぜなら、大当り図柄が第2飾り図柄および第2特別図柄の停止図柄として導出表示されるときには第2特別図柄プロセスフラグの値は第2大当り図柄停止処理に応じた値であり(図27のステップS124参照。図27は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)、その場合には、図10に示すステップS314の処理によって、ステップS300〜S309の処理(特に、ステップS304の処理)が実行されず、処理が中断されるからである。つまり、ステップS304の処理が中断されることによって、ステップS121,S122の処理は実行されず、その結果、ステップS141,S142,S151,S152の処理が実行されない。よって、第1特別図柄の変動が停止することはない。また、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることはない。
なお、第1飾り図柄については、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。そして、ステップS316の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100には中断コマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける飾り図柄の変動を中断する。また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を中断しているときにその旨を報知する。
また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を中断しているときに、例えば、第1飾り図柄をはずれ図柄で揺れ表示させるように制御してもよい。なお、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの第1飾り図柄の変動を続行し、その他の表示(キャラクタ等)のみを止めるように制御してもよい。
図31は、第1変動パターン#5および#10の第1飾り図柄の変動態様(特殊変動ともいう。)の一例を示す説明図である。第1変動パターン#5および#10では変動期間(変動時間)中に、図31(A)に示すように、5つの期間(第1期間〜第5期間)において第1飾り図柄を可変表示する。それぞれの期間の間には、停止期間が設けられている。停止期間では、第1飾り図柄のはずれ図柄が仮停止表示される。「仮停止表示」とは、最終停止図柄(確定図柄)を停止表示する「導出表示」と異なり、最終停止図柄でない図柄を変動の途中で一旦停止表示することをいう。なお、この実施の形態では、第1変動パターン#5および#10の第1飾り図柄の変動態様を図31に例示された変動態様とするが、図31に例示された変動態様は、第1変動パターン#5および#10とは異なる変動パターンが指定されたときに用いられる変動態様としてもよい。
また、各期間において、可変表示装置9(の例えば背景図柄表示領域9a)では、それぞれ異なる予告演出が実行される。例えば、各期間において、異なるキャラクタが可変表示装置9において表示(静止表示または運動表示)される。
そして、図31(B)に示すように、第1変動パターン#5および#10の第1飾り図柄の可変表示が行われているときに可変表示の中断がなされると、可変表示の再開後のそれぞれの期間において、予告演出は実行されなくなる。
なお、図31(B)には、可変表示の再開時に予告演出が中止される例(以降の期間において予告演出を実行しない)が示されているが、以降の期間の間の変動停止期間をなくすことによって、遊技者に、予告演出がなくなったように見せてもよい。
次に、背景図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、切替ポイントの概念および保留記憶表示の表示制御などについて説明する。
背景図柄の変動は、第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらかの変動開始と同期して開始される。すなわち、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第1飾り図柄の変動が開始されると、その第1飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。また、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第2飾り図柄の変動が開始されると、その第2飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。
背景図柄の変動は、原則として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらか)の変動終了と同期して終了する。すなわち、背景図柄の変動が第1飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第1飾り図柄の変動終了と同期して終了する。また、背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第2飾り図柄の変動終了と同期して終了する。ただし、例外として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄とは別の飾り図柄の変動終了と同期して終了することもある。これについては図37および図38を用いて後で説明する。
図32は、背景図柄の変動中の切替ポイントおよび保留記憶表示の表示制御タイミングを示すタイミング図である。図32に示すように、背景図柄は、第1飾り図柄の変動開始と同期して変動を開始したものとする。また、第1飾り図柄の変動時間は40秒であったものとする。なお、背景図柄の変動開始と同期している第1飾り図柄の変動時間が40秒であるため、背景図柄の変動時間も40秒が選択されている。
第1特別図柄の変動が開始されたときに(第1特別図柄と同期して第1飾り図柄も変動が開始される)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(図32中、メモリ表示と示している)が1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたとき、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示も1つ消去される(例えば始動記憶数表示エリアの赤色の表示色を青色の表示色に1つ変化させる)。
なお、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したのと同時に第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されたときは、保留記憶数表示が点灯されずに第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されるのが一般的である。しかし、この実施の形態では、説明を解りやすくするために、そのような場合であっても保留記憶数表示の点灯と消去(消灯)とが瞬時に行われるものとして説明する。
第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(例えば5秒)経過後に第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の変動が開始されるものとする。このとき、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにより、第2特別図柄表示器18bにおける保留記憶数表示が点灯され、第2特別図柄の変動が開始されたことにより、第2特別図柄表示器18bにおける保留記憶数表示が消去される。一方、背景図柄は変動中であり、第2特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されなかったため、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示が1つ点灯される(例えば始動記憶数表示エリアの青色の表示色を赤色の表示色に1つ変化させる)。
本来、背景図柄の変動時間が40秒の場合は、背景図柄の変動開始後に通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して30秒のリーチCを伴う変動が行われる。ところが、背景図柄の変動が開始されてから特定時間(例えば10秒)経過するまでに、背景図柄と変動が同期した特別図柄(図32では第1特別図柄)とは別の特別図柄(図32では第2特別図柄)の変動が開始されたときは、図32に示すように、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄の停止図柄として事前に決定された停止図柄(ステップS616で決定される停止図柄)が仮停止表示され、そして再び通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して20秒のリーチBを伴う変動が行われる。すなわち、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄が仮停止された後に背景図柄の変動パターンが切り替えられる。このように背景図柄の変動パターンを切り替える時点(背景図柄の変動開始後10秒経過した時点)を「切替ポイント」という。
図32に示す例では、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでは、背景図柄の変動は、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされ、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされる。従って、切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示、つまり、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける始動記憶数表示エリアが1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動と第2特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動との切れ目を遊技者に認識させやすくするために、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示させる制御が行われる。
このように、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでに第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて第1特別図柄の変動開始にもとづく変動から第2特別図柄の変動開始にもとづく変動に切り替え、さらに切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶数(第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計)を1つ減少させるように構成したことにより、遊技者に違和感を与えることなく、並行して変動が行われる第1特別図柄(第1飾り図柄)および第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動に対応した背景図柄の変動表示(可変表示)を効率よく実現することができる。その結果、並行して実行される第1特別図柄および第2特別図柄の変動の停止タイミングと、第1特別図柄および第2特別図柄に対応して実行される背景図柄の変動の停止タイミングとのずれを少なくすることができるようになる。
上述したように、図32に示す例では、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄の変動開始にもとづく変動であるため、第2特別図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は、背景図柄の停止図柄もはずれ図柄にすべきである。しかし、図32に示す例では、第1特別図柄(つまり第1飾り図柄)の停止図柄を大当り図柄にすると決定され、第1特別図柄の変動が終了するときに大当り図柄が停止表示(導出表示)されており、また、背景図柄は第1特別図柄の変動終了と同期して変動が終了している。従って、遊技者にとって最も視認しやすい背景図柄の停止図柄が大当り図柄にならないと、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示されたにもかかわらず大当り遊技が開始されてしまうことになり、背景図柄の停止図柄と遊技状態との整合がとれないことになってしまう。そこで、この実施の形態では、背景図柄と同期して変動が終了する特別図柄の停止図柄の種別(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて、背景図柄の停止図柄の種別を決定し、決定した種別の停止図柄を停止表示(導出表示)する制御が行われる。
図32に示す例では、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示される前に、第2特別図柄の変動が開始され、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示されたときに、第2特別図柄の変動が継続中である。この場合は、上述したように、第2特別図柄の変動が中断される(ステップS314〜ステップS316参照)。また、第2特別図柄の変動が中断中において、第2特別図柄の変動は一旦中断しているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知する制御が行われる。
なお、この実施の形態では、第1飾り図柄は第1特別図柄と完全に同期して変動が実行され、また、第2飾り図柄は第2特別図柄と完全に同期して変動が実行されるので、第1特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第1飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致し、また、第2特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第2飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致する。従って、以下の説明において、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される第1特別図柄の保留記憶数のことを第1飾り図柄の保留記憶数と表現し、また、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される第2特別図柄の保留記憶数のことを第2飾り図柄の保留記憶数と表現している箇所もある。
図33および図34は、図32に示した各図柄の変動実行タイミングにおける表示例を示す説明図である。図33および図34には、可変表示装置9と第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとが示されている。また、可変表示装置9の画面は、背景図柄表示領域9aと第1飾り図柄表示領域9bと第2飾り図柄表示領域9cとメモリ表示領域9dとに分けられている。
図33に示すように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動の開始と同期して背景図柄の変動が開始される。背景図柄の変動は、変動開始後から所定時間(10秒)経過するまでは通常変動(図柄が高速に変動する高速変動)が行われる。その後、第2飾り図柄の変動が開始されるが、背景図柄は変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動は開始されない。ただし、背景図柄の保留記憶数表示は1つ点灯される。その後、切替ポイントになると、図33に示すように、背景図柄は仮停止表示される。なお、仮停止の図柄は、はずれ図柄(図33では「527」)である。このとき、第1飾り図柄(第1特別図柄)および第2飾り図柄(第2特別図柄)は変動中である。
背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動パターンの切り替えが行われ、切替ポイント以降に再び背景図柄の通常変動(高速変動)が行われる。背景図柄の通常変動の再開時に、背景図柄の保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数に対応する保留記憶数表示)が1つ消去される。
そして、所定時間(10秒)経過後、左右の背景図柄が揃うことによりリーチになる。このとき、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動はすでに終了し停止図柄が表示されている。なお、第2特別図柄と第2飾り図柄の停止図柄は同じ種別の図柄(はずれ図柄、非確変図柄、確変図柄)であればよく、図柄の数字が完全に一致している必要はない。図33に示す例では、第2特別図柄は、はずれ図柄「0」が表示され、第2飾り図柄は、はずれ図柄「8」が表示されている。
その後、リーチを伴う変動が所定時間行われ、第1飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動が終了し、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄が導出表示される。このとき、図33に示す例では、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、第1飾り図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、背景図柄の停止図柄として大当り図柄「777」が導出表示されている。
第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄に大当り図柄が導出表示されたとき、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が中断され、はずれ図柄が停止表示される。これにより、第1特別図柄にもとづく大当り遊技中に第2特別図柄にもとづく大当りが発生してしまうのを防止することができる。なお、図33に示す例では、第2特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄「4」が停止表示され、第2飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄「6」が停止表示されている。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されると、大当り遊技が開始されて大当り遊技状態に移行する。具体的には、図34に示すように、大当りが発生したこと(大当り遊技が開始されること)を遊技者に報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「大当り!」の文字が表示され、その後に、大入賞口の開放に伴うラウンドの遊技が所定回数実行される。この実施の形態では、大当り遊技中において、第2飾り図柄の変動は中断されているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知するために、背景図柄表示領域9aにおける第2飾り図柄表示領域9cの真上に「変動継続中」という文字が表示されている。
図34に示すように、大当り遊技が終了するときに、大当り遊技の終了を報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「またね」という文字が表示される。その後、大当り遊技が終了すると、第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されるとともに、中断していた第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が再開される。
次に、様々な状況における各図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、各図柄に対応した保留記憶表示の消去タイミングおよび背景図柄の変動時間の変更などについて説明する。
図35は、切替ポイントの前後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図35に示す例では、図32に示した例と同じように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数表示)が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。
その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間が経過すると、第2飾り図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第2始動入賞口14に遊技球が入賞していた場合は、第2飾り図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、第2飾り図柄の変動が開始される。図35に示すように、第2飾り図柄の変動が開始されたときのタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに1つ点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
再び、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、第1特別図柄の第1保留記憶数が0のときは、第1飾り図柄と同期した背景図柄の変動は行われないが、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなっているので、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が開始される。なお、背景図柄の変動が開始されるときに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の飾り図柄の変動が消化されて、未消化の飾り図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図35において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図36は、切替ポイント後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図36に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
変動が開始されてから切替ポイントに至るまで背景図柄の通常変動が行われ、その後にリーチAを伴う変動が行われる。図36に示す例では、第2飾り図柄の変動が開始されるタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(10秒)経過すると、切替ポイントに至る。このとき、未消化の飾り図柄の変動が残っているので、切替ポイントにおいて未消化の飾り変動を消化させるために、背景図柄を仮停止表示し、背景図柄の変動パターンを切り替える制御が行われる。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。これにより、未消化の飾り図柄の変動が消化されて、未消化の飾り図柄の変動が存在しない状態になる。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過することにより、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図36において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
次に、背景図柄の変動時間の変更について説明する。図37は、先に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図37に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。
上述したように、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であり、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間も20秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動の方が先に開始されているので、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が先に開始され、また切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを後に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
なぜなら、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要があるからである。そこで、図37のような状況が生じた場合には、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、先に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、先に変動開始された飾り図柄(図37では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、先に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、背景図柄の変動開始後10秒経過した時点に設けられている切替ポイントを後ろにずらし、切替ポイントまでの通常変動(高速変動)の時間を延長することにより行われる。例えば、図37に示す例において、第2飾り図柄の変動が背景図柄(および第1飾り図柄)の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、背景図柄の変動終了タイミングと第2飾り図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、切替ポイントを背景図柄の変動開始後15秒経過した時点にずらし、切替ポイントまでの通常変動の時間を5秒延長し、切替ポイント以降の変動時間は一定のままにする。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、次の理由による。この実施の形態では、切替ポイントまでは常に通常変動が行われるように構成されている。通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがない。また、リーチを伴う変動のように図柄が低速または中速に変動している場合、その変動時間を延長し、かつ、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が困難であるが、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第1飾り図柄の変動が先に終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄の変動が背景図柄の変動と同期せずに開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示は1つ消去されるが、背景図柄の保留記憶数表示は点灯されたままとなる。背景図柄および第2飾り図柄の変動が終了したときに第2始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、背景図柄と第2飾り図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動が終了すると、まだ未消化の保留記憶が存在しているので、その保留記憶を消化するために、背景図柄の変動が開始される。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の飾り図柄の変動が消化されて、未消化の飾り図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図37において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図38は、後に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図38に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
図38に示すように、第2飾り図柄の変動は、第1飾り図柄および背景図柄の変動における切替ポイント(変動開始後10秒経過した時点)以降に開始されている。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動が終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。ここで、第1飾り図柄の変動時間が10秒であるものとする。従って、通常は、背景図柄の変動時間として10秒が選択される。また、第1飾り図柄および背景図柄は、第2飾り図柄の変動開始後5秒経過した時点で変動が開始されたものとする。
上述したように、第2飾り図柄の変動時間は20秒であり、第1飾り図柄の変動時間は10秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒後に開始されている。従って、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始後10秒経過する前に開始され、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が後に開始され、また第2飾り図柄の変動開始後10秒経過までに第1飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、後に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを先に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
このように背景図柄の変動時間を延長する理由も、図37において説明した理由と同様である。すなわち、背景図柄と同期せずに第2飾り図柄が先に変動開始され、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過するまでに第1飾り図柄が背景図柄と同期して変動開始された場合は、背景図柄の変動において効率よく第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を消化させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した時点(ここが切替ポイントになる)で、背景図柄の変動を第1飾り図柄の変動にもとづく変動から第2飾り図柄の変動にもとづく変動に切り替えるのが好ましい。そして、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要がある。そこで、図38のような状況が生じた場合には、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄と同期して変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、第2飾り図柄よりも後に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、後に変動開始された飾り図柄(図38では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、後に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、先に変動開始された第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した後の変動時間と一致させることにより行われる。例えば、図38に示す例において、背景図柄(および第1飾り図柄)の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、第2飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点(背景図柄の変動開始後5秒の時点)を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒を経過した後の残り変動時間(図38では10秒)と一致させる。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
なお、図38に示す例において、先に変動開始される第2飾り図柄の変動時間が30秒であり、後に変動開始される第1飾り図柄の変動時間が20秒である場合は、図37に示した例と同様に、第1飾り図柄の変動開始後10秒の時点の切替ポイントが5秒後ろにずらされることにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、図37において説明した理由と同様の理由による。すなわち、通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがなく、また、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合(図38の例では切替ポイントが新たに追加された場合)は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過すると、第2飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図38に示す例において、例えば、第2飾り図柄の変動が開始されてから9.8秒後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始される場合、背景図柄の変動開始から切替ポイントまで0.2秒しかないことになる。このような場合、切替ポイントまでの時間が短すぎて通常変動を実質的に実行できないことになる。従って、第2飾り図柄の変動が開始されてから例えば8秒以上経過した後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されても、背景図柄の変動時間を延長しないように構成されていてもよい。このような構成によれば、切替ポイントまでの時間として少なくとも2秒の通常変動の時間を確保することができる。
なお、図38において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図39は、ダミーの背景図柄保留記憶表示の点灯条件を示す説明図である。図39の上図では、第1特別図柄保留記憶表示器18aにおける第1特別図柄保留記憶表示が4個点灯されており、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおける第2特別図柄保留記憶表示が1個点灯されており、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける背景図柄保留記憶表示は5個点灯されている。そして、差数カウンタは±0となっている。なお、差数カウンタは、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と、背景図柄の保留記憶表示の数との差をカウントするカウンタである。つまり、第1保留記憶カウンタのカウント値と第2保留記憶カウンタのカウント値の合計と、背景図柄の保留記憶表示として実際に表示されている表示数との差をカウントするカウンタである。
上図の状態において、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、第1始動入賞が発生したとする。この場合、図10に示したように、第1保留記憶カウンタのカウント値はすでに4であるため(ステップS311のY)、新たな第1始動入賞は無効となり、この第1始動入賞にもとづく第1特別図柄(および第1飾り図柄)の変動は開始されないが、第1無効始動入賞コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS312B)。そして、図39の下図に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1無効始動入賞コマンドの受信に応じて、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて背景図柄の保留記憶表示を新たに1つ点灯する。そして、差数カウンタの値を+1する。
このように、無効な始動入賞にもとづく無効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、そのコマンドに応じて背景図柄の保留記憶表示を点灯させるようにしているのは、次の理由による。遊技者は、視認度の高い背景図柄と背景図柄保留記憶表示に注目し、背景図柄と背景図柄保留記憶表示にもとづいて残り変動回数と保留可能な残り始動入賞数を認識する。従って、図39の上図の状態では、遊技者は残り5回の背景図柄の変動が行われ、まだ3回分の始動入賞が保留可能であると認識する。このとき、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しても、上述したように、その始動入賞は無効になってしまう。この場合、従来通りに背景図柄の保留記憶表示を点灯させない構成であると、遊技者は、3回分の始動入賞が保留可能であるのにどうして背景図柄の保留記憶表示が点灯しないのか疑問に感じてしまう。あるいは、8個分の始動入賞の保留記憶があり、かつ、まだ5個の保留記憶表示しか点灯していないのに、保留記憶表示が点灯されないと遊技条件(始動条件の成立)が不利なように感じてしまう。そこで、この実施の形態では、無効な始動入賞であっても、背景図柄の保留記憶表示を点灯させることにより、遊技者に始動条件の成立に対して不利な印象を与えないようにしている。
差数カウンタが+1された場合は、その後に現れる切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶表示を1つ消去することにより、または、無効始動入賞にもとづく背景図柄の変動を開始する時点において背景図柄の保留記憶表示を1つ消去することにより、実際に表示されている背景図柄の保留記憶数と背景図柄の変動回数とを整合させるようにしている。
なお、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおける第2特別図柄保留記憶表示が4個点灯されており、そのときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動入賞が発生した場合も、第2無効始動入賞コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信され、その第2無効始動入賞コマンドに応じて背景図柄の保留記憶表示が点灯される。
なお、差数カウンタは、無効な始動入賞が発生した場合だけでなく、図35や図36などに示したように、未消化の変動が生じた場合、つまり、飾り図柄の変動が行われているが、それに対応する背景図柄の変動がまだ行われていない状態になったときにも+1される。
図40は、予告演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図40に示すように、この実施の形態では、背景図柄の変動中に大当りが発生することやリーチが発生することを予告する予告演出が実行されることがある。例えば、変動開始から10秒以内の通常変動の実行中に、大当りのチャンスがあることを予告する予告演出を実行し、変動開始後10秒から20秒までのリーチAを伴う変動の実行中に、大当りの可能性が高いことを予告する予告演出を実行し、そして、変動開始後20秒から30秒までのリーチBを伴う変動を経た後に、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を停止表示するような態様が考えられる。
このような変動態様が選択された場合であっても、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われることがある。例えば、図40に示す例では、背景図柄と第1飾り図柄とが同期して変動開始され、そして、通常変動中に予告演出が実行されている。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されたことにより、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われている。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出が実行されているので、切り替え後の変動においても、すでに実行した予告演出に態様に応じた予告演出を実行しなければ、演出の整合性がとれないことになる。そこで、切替ポイントの前に実行した予告演出の有無や演出態様を記憶しておき、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われても、すでに予告演出が実行されていたときはその予告演出の態様に応じた予告演出を切り替え後の変動において実行するように構成されている。
図41は、予告演出の表示例を示す説明図である。図41に示すように、背景図柄と第1飾り図柄(および第1特別図柄)とが同期して変動開始され、その後、通常変動の実行中に予告演出として「もしかして・・」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されると、切替ポイントにおいて背景図柄の仮停止表示が行われ、変動パターンの切り替えが行われる。そして、通常変動が再び開始される。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出(「もしかして・・」の表示)が実行されているので、切り替え後の通常変動においても、すでに実行した予告演出に態様に応じた予告演出を実行する。図41に示す例では、「大当りかも?」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。その後、左右の背景図柄が「7」で揃うことによりリーチが発生して、リーチAを伴う変動が実行される。そして、変動時間が経過したときに、背景図柄の停止図柄(図41示す例でははずれ図柄「767」)が停止表示(導出表示)される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図42は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cの表示制御を実行する。また、背景図柄プロセス処理を行う(ステップS707)。背景図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(背景図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の背景図柄表示領域9aの表示制御を実行する。さらに、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存される。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
図43は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞(有効始動入賞および無効始動入賞)が発生したことを指定する始動入賞指定コマンド(C100(H)〜C201(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、背景図柄保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS614)。なお、背景図柄保留記憶表示制御処理の具体的な内容については後述する(図44参照)。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の可変表示の表示結果(確変大当り、非確変大当り、はずれ)を指定する演出制御コマンド(9000(H)〜9102(H))であれば(ステップS615)、第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄を決定し格納する処理を実行する(ステップS616)。
具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果コマンドを受信すると、表示結果コマンドが第1飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する演出制御コマンドであるか、第2飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する演出制御コマンドであるかを確認し、また、表示結果の内容が確変大当り、非確変大当り、はずれのいずれであるかを確認する。そして、飾り図柄決定用乱数および背景図柄決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値にもとづいて、第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄を決定する。例えば、第1飾り図柄の表示結果を指定する演出制御コマンドであり、表示結果の内容がはずれであるときは、飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれ図柄である第1飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、背景図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれ図柄である背景図柄の停止図柄を決定する。また、第2飾り図柄の表示結果を指定する演出制御コマンドであり、表示結果の内容が確変大当りであるときは、飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、確変図柄である第2飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、背景図柄決定用乱数の値にもとづいて、確変図柄である背景図柄の停止図柄を決定する。そして、上記のように決定した第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄をそれぞれ第1飾り図柄格納領域、第2飾り図柄格納領域、背景図柄格納領域に格納する。これらの格納領域は演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当り(確変大当り、非確変大当り)であるか否かを確認し(ステップS617)、表示結果の内容が大当りのときは(ステップS617のY)、背景図柄が変動中であるか否かを確認する(ステップS618)。背景図柄が変動中であるか否かは、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値であるときは、背景図柄は変動中ではなく、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値でないときは、背景図柄は変動中である。なお、背景図柄プロセスフラグの値が大当り表示処理および大当り遊技中処理を示す値のときは、表示結果コマンドが送信されない(図10のステップS314参照)。
表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当りであり、かつ、背景図柄が変動中である場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期せずに開始されることになる。この場合は、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。例えば、図38において、第2飾り図柄の変動が開始されるときには、背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄は背景図柄と同期せずに変動が開始される。第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は、第1飾り図柄と同期して変動が開始された背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する必要があり、また、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる必要がある。そこで、図柄強制同期変更フラグをセットする(ステップS619)。この図柄強制同期変更フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動終了タイミングが停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動終了タイミングと同期される。
表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当りであり、かつ、背景図柄が変動中でない場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期して開始されることになる。この場合においても、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。通常は、飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたときは、飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動も終了するが、図37に示したように、背景図柄の変動時間が延長されて、飾り図柄と背景図柄とが同期して変動終了しないこともある。そこで、変動時間変更禁止フラグをセットする(ステップS620)。この変動時間変更禁止フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動時間の変更が禁止される。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を指定する演出制御コマンド(8000(H)〜8019(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS622)、背景図柄の変動を制御するための図柄変動制御処理を実行する(ステップS623)。なお、図柄変動制御処理の具体的な内容については後述する(図45および図46参照)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS624)。
図44は、背景図柄保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。背景図柄保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに実際に表示されている背景図柄保留記憶表示の数をカウントする保留記憶表示数カウンタの値が8であるか否かを確認する(ステップS631)。なお、保留記憶表示数カウンタは背景図柄保留記憶表示の数を最大8までカウントすることができる。
保留記憶表示数カウンタの値が8でないときは(ステップS631のN)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を+1し(ステップS632)、メモリ表示領域9dに背景図柄保留記憶表示を1つ点灯する制御を実行する(ステップS633)。このとき、保留記憶表示数カウンタの値が8でなければ、有効始動入賞指定コマンドを受信した場合のみならず、無効始動入賞指定コマンドを受信した場合でも、背景図柄保留記憶表示が1つ点灯されることになる。無効始動入賞指定コマンドにもとづく背景図柄保留記憶表示は、図39の下図に示したダミーの保留記憶表示である。
次いで、演出制御用CPU101は、受信した始動入賞指定コマンドが無効始動入賞指定コマンドであるかどうかを確認し(ステップS634)、無効始動入賞指定コマンドであるときは(ステップS634のY)、差数カウンタを+1する(ステップS635)。また、無効始動入賞にもとづくダミーの保留記憶表示の数をカウントするダミー表示数カウンタの値を+1する(ステップS636)。
ステップS631において、保留記憶表示数カウンタの値が8であるときは(ステップS631のY)、演出制御用CPU101は、受信した始動入賞指定コマンドが有効始動入賞指定コマンドであるかどうかを確認し(ステップS637)、有効始動入賞指定コマンドであるときは(ステップS637のY)、ダミー表示数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS638)。ダミー表示数カウンタの値が1以上であるときは(ステップS638のY)、差数カウンタの値を−1するとともに(ステップS639)、ダミー表示数カウンタの値を−1する(ステップS640)。
保留記憶表示数カウンタの値が8であるとき、すなわち、メモリ表示領域9dに背景図柄の保留記憶表示が8つ表示されているときであっても、その8つの保留記憶表示の中にダミーの保留記憶表示が含まれていることがある。その場合において、ステップS637〜S640の処理では、有効始動入賞が発生したときに、8つの保留記憶表示の中に含まれるダミーの保留記憶表示をダミーでない保留記憶表示(有効始動入賞にもとづく保留記憶表示)に入れ替えるように構成したものである。
なお、図44に示した例では、保留記憶表示数カウンタにて有効始動入賞および無効始動入賞を区別せずに始動入賞の数(保留記憶数)をカウントしていたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、有効始動入賞の数をカウントするカウンタ(有効始動入賞数カウンタ)と、無効始動入賞の数をカウントするカウンタ(無効始動入賞数カウンタ)とを別々に設ける構成であってもよい。この場合、図44に示す例において、まず、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドを受信すると、有効始動入賞数カウンタの値が8であるか否かを判定し、その値が8であるときは、処理を終了する。有効始動入賞数カウンタの値が8でないときは、演出制御用CPU101は、有効始動入賞数カウンタの値と無効始動入賞数カウンタの値を足し合わせた値が8であるか否かを判定し、その値が8であるときは、ステップS637の処理に移行し、その値が8でないとき(8以下であるとき)は、ステップS632の処理に移行するように構成されていてもよい。このような構成であっても、図44に示す処理を実現することができる。
また、図44に示した例では、演出制御用CPU101が保留記憶数カウンタの値が8でない(8以下である)と判定したことを条件に、有効な保留記憶表示および無効な保留記憶表示を表示させるように構成されていたが、このような構成に限られるわけではなく、CPU56において保留記憶表示を表示可能であるかどうかを判断し、表示可能であると判断した場合にのみ、有効始動入賞指定コマンドまたは無効始動入賞指定コマンドを送信するように構成されていてもよい。具体的には、図44の保留記憶表示数カウンタのように可変表示装置9のメモリ表示領域9dに実際に表示されている背景図柄保留記憶表示の数をカウントするカウンタ(メイン側保留記憶表示数カウンタ)を遊技制御側(つまりRAM55)に設ける。そして、CPU56は、背景図柄の保留記憶表示の点灯条件が成立する毎に(有効始動入賞指定コマンドおよび無効始動入賞指定コマンドを送信する度に)メイン側保留記憶表示数カウンタの値を+1する。また、背景図柄の保留記憶表示の消去(消灯)条件が成立する毎に(背景図柄の変動の開始、切替ポイントの時点;なお、CPU56においても演出制御用CPU101と同様の処理を実行することにより消去条件の成立を判断することは可能である)メイン側保留記憶表示数カウンタの値を−1する。そして、メイン側保留記憶表示数カウンタの値が8であるときは、始動入賞指定コマンドを送信しない制御を実行する。このような構成によれば、演出制御用CPU101において背景図柄の保留記憶表示数が8であるか否かを判定する必要がなくなる。
図45および図46は、図柄変動制御処理を示すフローチャートである。図柄変動制御処理において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンコマンドであるか否かを確認する(ステップS641)。第1変動パターンコマンドでないときは(ステップS641のN)、第2変動パターンコマンドを受信したときの処理であるステップS662以降の処理に移行する。
第1変動パターンコマンドを受信したときは(ステップS641のY)、演出制御用CPU101は、第1変動パターンを受信したことを示す第1変動パターン受信フラグをセットする(ステップS642)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS643)。なお、背景図柄が変動中であるか否かは、ステップS618と同様に、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄が変動中でないということは(ステップS643のN)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS644)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS645)。なお、第2飾り図柄が変動中であるか否かは、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第2飾り図柄は変動中ではなく、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第2飾り図柄は変動中である。なお、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2大当り表示処理および第2大当り遊技中処理を示す値のときは、第1変動パターンコマンドが送信されない(図10のステップS314参照)。
第2飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用CPU101は、変動中の第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS646)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS647)。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図38に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図38に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS648)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS649)、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS649のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS650)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図38に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS643において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS643のY)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第1有効始動入賞指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS633参照)、また、直ちに第1特別図柄(および第1飾り図柄)の変動が開始されることにより第1特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第1保留記憶カウンタの値が1減算される:ステップS43参照)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する(ステップS651)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS652)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS653)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第1飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS654)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS655)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図37に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS656)。背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第2飾り図柄の変動時間を計測する第2変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図37に示すように、第2飾り図柄(図37では第1飾り図柄)と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第1飾り図柄(図37では第2飾り図柄)の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS657)、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS657のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS658)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図37に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS641において、第1変動パターンコマンドではなく第2変動パターンコマンドであると判定されたときは(ステップS641のN)、演出制御用CPU101は、図45に示したステップS641〜S658の処理と同内容の第2変動パターンコマンドを受信した場合の処理を実行する。すなわち、演出制御用CPU101は、第2変動パターンを受信したことを示す第2変動パターン受信フラグをセットする(ステップS662)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS663)。背景図柄が変動中でないということは(ステップS663のN)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS664)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS665)。なお、第1飾り図柄が変動中であるか否かは、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第1飾り図柄は変動中ではなく、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第1飾り図柄は変動中である。
第1飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用CPU101は、変動中の第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS666)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS667)。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図38に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図38に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS668)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS669)、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS669のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS670)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図38に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS663において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS663のY)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第2有効始動入賞指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS633参照)、また、直ちに第2特別図柄(および第2飾り図柄)の変動が開始されることにより第2特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第2保留記憶カウンタの値が1減算される)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する(ステップS671)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS672)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS673)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第2飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS674)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドで指定された第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS675)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図37に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS676)。背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第1飾り図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図37に示すように、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第2飾り図柄の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS677)、第1飾り図柄よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS677のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS678)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図37に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
図47は、図42に示されたメイン処理における第1飾り図柄プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2飾り図柄プロセス処理(ステップS706)も、制御対象が可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cで可変表示される第2飾り図柄であるという違いはあるが、第1飾り図柄プロセス処理と同様に構成される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、ステップS642の処理にてセットされる。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間を確認して決定する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801):第1飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS803):第1飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):大当り表示の制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放時表示や大入賞口開放後表示(大入賞口閉鎖中表示)の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図48は、第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターン受信フラグがセットされたか否かを確認し(ステップS811)、そのフラグがセットされたときは、第1変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、第1変動パターンコマンドで指定された内容にもとづいて第1飾り図柄の変動時間を決定し(ステップS813)、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS814)。なお、変動停止時に導出表示される第1飾り図柄の停止図柄は、ステップS616の処理にて既に決定され格納されている。演出制御用CPU101は、このように設定された第1飾り図柄の停止図柄と変動時間とにもとづいて、第1飾り図柄の変動する制御を開始することになる。
図49は、第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS815)。そして、ステップS813にて決定した第1飾り図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットしてスタートさせる(ステップS816)。その後、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理を示す値に更新する(ステップS817)。
図50は、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821)、変動中断フラグがセットされていなければ、中断コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS822)。中断コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマの値を−1し(ステップS823)、第1飾り図柄の変動表示を継続して実行する(ステップS824)。また、演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認し(ステップS825)、タイムアウトしたときは、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS826)。
中断コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグをセットし(ステップS827)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにはずれ図柄を停止表示する(ステップS828)。また、第1飾り図柄の変動が継続中であることを報知する表示を第1飾り図柄表示領域9bにおいて行うように構成されていてもよい(ステップS829)。なお、図34に示した例では、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて飾り図柄(図34では第2飾り図柄)の変動が継続中であることを報知する表示が行われている。なお、ステップS828の処理で飾り図柄を停止表示させる場合に、演出制御用CPU101は、飾り図柄を完全に停止させるのではなく、飾り図柄をゆれ変動(例えば、上下方向に移動したり戻ったりするような変動が繰り返されること)させるようにしてもよい。
また、ステップS821で変動中断フラグがセットされていることを確認したら(ステップS821のY)、演出制御用CPU101は、再開コマンドを受信したか否か確認する(ステップS830)。再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS831)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動を再開させる(ステップS832)。そして、ステップS823〜S826の処理を実行する。再開コマンドを受信していなければ(ステップS830のN)、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
以上のように、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことにもとづいて第1変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、再開コマンドを受信するまでステップS823〜S826の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動を行わない制御がなされる。
図51は、図42に示されたメイン処理における背景図柄プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。背景図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S907のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件(第3の開始条件)が成立したかどうかを確認する。具体的には、ステップS644またはステップS664において背景図柄変動開始フラグがセットされたときは、第1飾り図柄または第2飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始できると判断する。また、背景図柄変動開始フラグがセットされていない場合でも、差数カウンタの値が1以上であれば、未消化またはダミーの背景図柄の変動を開始しなければならないと判断する。背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄の変動時間および変動態様(変動期間中の背景図柄の変動速度や、背景、キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期など)を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS901)に対応した値に更新する。
予告選択処理(ステップS901):予告演出を実行するか否かと、実行する場合の予告演出の演出態様を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理(ステップS902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS902):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄の変動開始時に変動時間の変更を行う必要がある場合には、背景図柄の変動時間を変更する処理も行う。
背景図柄変動中処理(ステップS903):背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行すると決定された場合には、所定のタイミングで予告演出を実行する。また、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行う必要がある場合には、変動パターンの切り替えを行う。変動パターンの切り替えを行ったときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)に対応した値に更新する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御も行う。
背景図柄切替後変動中処理(ステップS904):変動パターンの切り替え後における背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行する必要がある場合には、所定のタイミングで所定の演出態様の予告演出を実行する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄切替後変動中処理においても、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御を行う。
背景図柄停止処理(ステップS905):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、停止図柄がはずれ図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新し、停止図柄が大当り図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS906):大当り表示の制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS907)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS907):大当り遊技中の制御を行う。例えば、ラウンド数の表示制御やラウンド間のインターバル表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新する。
図52は、背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、まず、図柄強制同期フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS910A)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS619参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば(ステップS910AのY)、演出制御用CPU101は、大当りになる飾り図柄の残り変動時間にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS960A)。例えば、第1飾り図柄と背景図柄の変動における切替ポイントの経過後に、大当りになる第2飾り図柄の変動が開始され、その第2飾り図柄の変動時間が30秒であった場合に、第1飾り図柄と背景図柄の変動が終了した後に、新たに第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動が開始される。このとき、ステップS910AにおいてYとなり、ステップS910Bにおいて第2飾り図柄の残り変動時間(例えば25秒)に応じた変動パターンが決定される。その後、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
図柄強制同期フラグがセットされていないときは(ステップS910AのN)、演出制御用CPU101は、背景図柄変動開始フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS911)。背景図柄変動開始フラグがセットされているということは、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味する。背景図柄変動開始フラグがセットされているときは(ステップS911のY)、背景図柄変動開始フラグをリセットする(ステップS912)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド(背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド)の内容にもとづいて背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS913)。
なお、背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄が第1飾り図柄であるか第2飾り図柄であるかは、例えば、背景図柄変動開始フラグを第1背景図柄変動開始フラグ(ステップS644でセットされるフラグ)と第2背景図柄変動開始フラグ(ステップS664でセットされるフラグ)とに分けて、いずれのフラグがセットされたかによって識別するようにしてもよい。
なお、ステップS913において、差数カウンタの値が所定値(例えば3)以上であるかどうかを判定して、所定値以上であるときは、変動時間(CPU56からの変動パターンコマンドにもとづく変動時間:例えば10秒)内に2回停止して3回の変動が実行されたように見せる特別な変動パターンを選択するように構成されていてもよい。この場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
そして、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を−1し(ステップS914)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS915)。その後、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
ステップS911において、背景図柄変動開始フラグがセットされていないときは(ステップS911のN)、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS917)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の背景図柄の変動が存在しているか、または無効始動入賞にもとづくダミーの背景図柄の変動を行う必要があることを意味する。この場合は、差数カウンタの値を−1するとともに(ステップS918)、なるべく早く未消化の変動やダミーの変動を消化させるために、変動時間が最も短い変動パターン(通常遊技状態のときは10秒の変動パターン、時短状態のときは5秒の変動パターン)を決定する(ステップS919)。そして、上述したステップS914〜ステップS916の処理を実行する。
図53は、予告選択処理(ステップS901)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、これから変動を開始する変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS921)。リーチを伴う変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数を抽出し(ステップS922)、予告決定用乱数と予告決定テーブルとにもとづいて、予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の演出態様を決定する(ステップS923)。
図54は、予告決定テーブルの一例を示す説明図である。図54に示す例では、予告決定用乱数(この例では、0〜7のいずれか)の値が0、1、3であれば、予告演出Aという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が5であれば、予告演出Bという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が7であれば、予告演出Cという演出態様の予告演出を行うことに決定される。そして、予告決定用乱数の値が2または4であれば、予告演出を行わないことに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS923にて予告演出を実行することに決定されたときは(ステップS924)、決定された予告態様をRAMにおける所定の記憶領域(例えば予告態様記憶領域)に記憶する(ステップS925)。そして、予告演出の実行タイミングを計測する予告実行タイマをスタートさせ、予告演出を実行することを示す予告実行フラグをセットする(ステップS926、S927)。その後、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS928)。
図55は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で背景図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図55に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じた変動態様のそれぞれに応じて用意されている。なお、この実施の形態では、背景図柄の変動中に予告演出の実行タイミングになると、複数種類の予告演出の中から選択された所定の演出態様の予告演出が可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにて実行されるが、演出制御用CPU101は、背景図柄表示領域9aに表示されている画像に予告演出用の文字やキャラクタなどの画像を合成して表示し、また変動音よりも優先して予告音を音声出力することにより予告演出を実行する。なお、予告演出の実行の有無や演出態様に応じて異なるプロセステーブルを用意しておき、予告演出を実行するときは、演出制御用CPU101が予告演出を実行するプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいて予告演出を所定のタイミングで実行するように構成されていてもよい。
図56は、背景図柄変動開始処理(ステップS902)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS931)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS932)。また、演出制御用CPU101は、使用する背景図柄の変動パターンに応じた変動時間を背景図柄変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS933)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS934)。変動時間変更禁止フラグがセットされているということは、これから開始する変動において大当りになることを示している。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS935A〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。
変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間変更Aフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS935A)。変動時間変更Aフラグがセットされていなければ、ステップS935B〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。変動時間変更Aフラグがセットされていれば、図38に示した状況(一方の飾り図柄の変動中に他方の飾り図柄の変動が開始され、他方の飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用CPU101は、変動時間変更Aフラグをリセットする(ステップS935B)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS935C)。
具体的には、図38に示す例では、背景図柄の変動を開始する時点において、第2飾り図柄の残り変動時間は15秒であり、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒である。図38で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の変動時間は15秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用CPU101は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS935D)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS935E)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップ936)。例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS903)を示す値に更新する(ステップS937)。
図57および図58は、背景図柄変動中処理(ステップS903)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。予告実行フラグがセットされていれば、予告実行タイマの値を−1し(ステップS942)、予告実行タイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS943)。予告実行タイマがタイムアウトしていれば、予め決められている態様の予告演出を実行する(ステップS944)。例えば、図41に示したような予告演出(「もしかして・・」という文字の表示)を実行する。そして、演出制御用CPU101は、予告実行フラグをリセットし(ステップS945)、予告実行済フラグをセットする(ステップS946)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、ランプ/LED、スピーカ27)を制御する(ステップS947)。そして、プロセスデータの値を−1とし(ステップS948)、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS949)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS950)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS951)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS952)。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS953〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間変更Bフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS953)。変動時間変更Bフラグがセットされていなければ、ステップS954〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更Bフラグがセットされていれば、図37に示した状況(一方の飾り図柄が背景図柄と同期して変動している最中に他方の飾り図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用CPU101は、変動時間変更Bフラグをリセットする(ステップS955)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS956)。
具体的には、図37に示す例では、第2飾り図柄の変動を開始する時点において、第1飾り図柄および背景図柄の残り変動時間は15秒であり、第2飾り図柄の変動時間も20秒である。図37で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の残り変動時間は20秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用CPU101は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS956)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS957)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1する(ステップS958)。そして、演出制御用CPU101は、図柄強制同期フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS959)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS619参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、大当りになる飾り図柄の変動時間にもとづいて新たに背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS960A)。例えば、大当りになる第2飾り図柄の変動時間が30秒であれば、30秒の変動時間の変動パターンを決定する。ステップS960Aの処理を実行する時点では、背景図柄は通常変動(高速変動)されているので、新たに変動パターンを決定し、その変動パターンにもとづく背景図柄の変動を実行しても、遊技者に違和感を与えるおそれはない。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS960Aにて決定した変動パターンに応じたプロセスデータを選択し(ステップS960B)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS960C)。また、演出制御用CPU101は、ステップS960Aにて決定した変動パターンの変動時間を背景変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS960D)。
なお、このように新たに設定された変動パターンにもとづく背景図柄の変動が実行される場合は、背景図柄の停止図柄も大当り図柄に変更される。例えば、背景図柄の変動を開始するときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの表示結果コマンドにもとづいて背景図柄の停止図柄(はずれ図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域に格納する(ステップS616参照)。その後、背景図柄の変動が開始された後に、大当りを指定する表示結果コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたときは、背景図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域(既に格納されているはずれ図柄とは別の領域)に格納するとともに(ステップS616参照)、図柄強制同期フラグをセットする(ステップS617〜S619参照)。そして、背景図柄停止処理において、図柄強制同期フラグがセットされたと判定したときは、変動停止時に導出表示する背景図柄の停止図柄として背景図柄格納領域に格納されているはずれ図柄を大当り図柄に変更する。
次いで、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS961)。タイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS962)。
タイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS963A)。差数カウンタの値が1以上であるときは、ステップS964の処理に移行する。差数カウンタの値が1以上でない(0である)ときは、切替フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS963B)。このとき、切替フラグがセットされているということは、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを実行する必要があることを示している。
切替フラグがセットされていれば、切替ポイントに達したか否かを判定する(ステップS964)。切替ポイントは、変動時間が延長されていなければ、変動開始後10秒が経過した時点であり、変動時間が変更されていれば、変動開始後10秒に延長分の時間を加えた時間が経過した時点(図38に示すように、延長前の変動時間が10秒の場合は、変動が開始されてから延長分の時間が経過した時点)である。従って、切替ポイントに達したかどうかは、例えば、背景変動時間タイマの値にもとづいて、上記の時点に達したかどうかを確認することにより行うことができる。
切替ポイントに達していれば(ステップS964のY)、演出制御用CPU101は、残り変動時間に応じた変動パターンを決定する(ステップS965)。例えば、残り変動時間が10秒のときは、10秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定し、残り変動時間が20秒のときは、20秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定する。なお、図33等に示したように、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示するために、ステップS965にて決定される変動パターンの先頭(つまり、新たに通常変動が開始される前)に背景図柄を仮停止表示する変動態様が設定されている必要がある。
演出制御用CPU101は、ステップS965にて決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS966)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS967)。そして、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS968)、予告実行済フラグがセットされていれば、予告実行タイマをスタートさせる(ステップS969)。
なお、予告実行済フラグがセットされている場合に、必ず予告演出を実行する構成に限られるわけではなく、予告実行済フラグがセットされている場合であっても、一定の割合で変動パターンの切替後に予告演出を実行しないように構成されていてもよい。この場合、変動パターンの切替後の変動において大当り図柄が導出表示されるときは、予告演出が実行される確率が高くなるように構成されているのが好ましい。具体的には、予告の実行の有無を決定するテーブルとして大当りになるときのテーブルと大当りにならないときのテーブルとに分けて用意しておく。そして、大当りにならないときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数よりも大当りになるときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数を多くする。このような構成によれば、切替後の変動において大当りになるときは、大当りにならないときよりも、予告演出が実行される確率が高くなる。なお、予告演出の態様も、図41に示した態様に限られるわけではなく、切替前に出現させたキャラクタを再び切替後に出現させるような予告演出や、切替前後で段階的に発展させていくような予告演出などであってもよい。
そして、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄切替後変動中処理を示す値に更新する(ステップS970)。
なお、図柄強制同期フラグがセットされている場合において、ステップS961において背景変動時間タイマがタイムアウトしていないとき(ステップS961のN)、ステップS963A〜S969の処理が実行されずに、ステップS970の処理に移行される。
図59は、背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)を示すフローチャートである。背景図柄切替後変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、差数カウンタの値が1以上かどうかを確認する(ステップS971)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の変動やダミーの変動を実行する必要があることを示している。差数カウンタの値が1以上であれば、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を−1とし(ステップS972)、差数カウンタの値を−1とし(ステップS973)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS974)。
なお、この実施の形態では、背景図柄切替後変動中処理が実行される場合は、常に差数カウンタの値が1以上であると考えられるので、ステップS971の処理は設けられていなくてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS975)。予告実行済フラグがセットされていなければ、ステップS976〜S980の処理を実行せずにステップS981の処理に移行する。予告実行済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、予告実行タイマの値を−1し(ステップS976)、予告実行タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS977)。
予告実行タイマがタイムアウトしたときは、演出制御用CPU101は、予告態様記憶領域に記憶されている実行済の予告演出の態様を確認する(ステップS978)。そして、演出制御用CPU101は、実行済の予告演出の態様に応じた予告演出を実行する(ステップS979)。例えば、図41に示したように、切替ポイントの前に「もしかして・・」という文字が表示されたときは、切替ポイントの後に「大当りかも?」という文字を表示する予告演出を実行する。そして、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグをリセットする(ステップS980)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置を制御する(ステップS981)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を−1とし(ステップS982)、プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS983)。プロセスタイマがタイムアウトしたときは、プロセスデータの切替を行う(ステップS984)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS985)。
また、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1とし(ステップS986)、変動時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS987)。背景変動時間タイマがタイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS988)。
以上のように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータは、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技が実行されているときに第1特別図柄の変動制御(第1特別図柄プロセス処理)を停止させる(ステップS314〜S316)ことにより、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることと、第2特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができ、また、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1特別図柄の停止図柄を強制的にはずれにする制御(ステップS60,S66)を実行するので、はずれ図柄が停止図柄として導出表示されることを遊技者に認識され難くすることができる。その結果、従来技術のように、2つの特別図柄の変動が同時に実行されているか否かにより、大当りになるかはずれになるかが遊技者に悟られてしまうのを回避することができる。
また、第2大当りフラグがセットされているときは、大当りの判定(抽選処理)を行わないように構成されているので、大当りの判定処理がソフトウェアによって実現されている場合に、大当り判定のプログラムをスキップするだけで強制的にはずれにする制御を実現することができ、プログラム容量を増大させないようにすることができる。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に対応した値になったときに第1特別図柄の変動が停止されるように構成されているので(ステップS314)、簡便な処理によって、早めに第1特別図柄の変動を停止させることができる。
また、特別図柄の変動が停止されているときに(変動時間の計測が中断されているときに)、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動が継続している旨を遊技者に報知することにより(図34参照)、遊技者に不信感を与えなくすることができる。
また、特別図柄の変動が停止されているときに(変動時間の計測が中断されているときに)、はずれ図柄を停止表示することにより(図33、図34参照)、2つの図柄が同時に大当り図柄になったと勘違いされないようにすることができる。
また、背景図柄の変動開始後所定時間経過した時点に切替ポイントを設け、背景図柄の変動開始から切替ポイントまでに飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計を示す背景図柄の保留記憶表示数を1つ消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイント以降に飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、差数カウンタにて未消化の飾り図柄の変動を記憶しておき、その後に背景図柄の切替ポイントになったときに、背景図柄の保留記憶数表示を消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイントまでに予告演出が実行されたときは、予告演出が実行されたことと予告演出の態様とを記憶しておき、切替ポイント以降に実行済みの予告演出の態様に応じた予告演出を実行するように構成されているので、整合性のある連続的な予告演出の実行することができるとともに、予告演出のバリエーションを増やすことができる。
また、一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に背景図柄の切替ポイントまでに他方の飾り図柄の変動が開始された場合、または他方の飾り図柄の変動が開始されてから所定時間経過するまでに一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に、背景図柄の変動終了タイミングよりも他方の飾り図柄の変動終了タイミングの方が後であるときは、他方の飾り図柄の変動終了タイミングに合わせて背景図柄の変動が終了するように背景図柄の変動時間を変更するように構成されているので(図37、図38参照)、他方の飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを一致させることができ、効率よく2つの飾り図柄の変動を1つの背景図柄の変動で消化することができるとともに、遊技者に違和感を与えることなく飾り図柄の変動と背景図柄の変動とを同期させることができる。
また、第1始動入賞または第2始動入賞が無効な始動入賞(保留記憶数が上限値4であるときに発生した始動入賞)であっても、背景図柄の保留記憶数が上限値8に達していない限り、背景図柄の保留記憶数表示を点灯するように構成されているので、2つの飾り図柄の変動が別々の始動入賞にもとづいて実行される遊技機において、始動入賞が発生したのに保留記憶数が増加しないといった不利な印象を遊技者に与えなくすることができる。
また、無効始動入賞にもとづく背景図柄の保留記憶表示の点灯が行われた場合は、背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶表示を消去(消灯)するように構成されているので、第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタでカウントされている保留記憶数の合計と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが生じたときでも、遊技者に違和感を与えることなく整合させることができる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、無効始動入賞が発生したときに、無効始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、無効始動入賞指定コマンドにもとづいてダミーの背景図柄の保留記憶表示を点灯させるように構成されているので、始動入賞に対して不利な印象を遊技者に与えないようにする構成を遊技制御用マイクロコンピュータ560に制御負担をかけることなく実現することができる。
さらに、一方の飾り図柄と背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに他方の飾り図柄の変動が開始されたときに、切替ポイントにおいてリーチの変動を通常変動に切り替えることにより遊技者に違和感を与えることなく複数回の変動を効率よく実行できるように構成されているので、複数回の変動を消化させるための特別な変動パターンをあらかじめ用意しておく必要がなく、プログラム容量を削減することができる。
なお、上記の実施の形態では、次のような構成も開示されている。第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において第1識別情報の可変表示が実行される可変表示時間を計測する計測手段と、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されているときに計測手段の計測を中断させる計測中断手段とを含む。このような構成によって、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されるまでは第1の可変表示部における可変表示を継続でき、第1の可変表示部における可変表示を中断する場合に比べて、早めに第1の可変表示部における可変表示を終了させることができる。よって、可変表示の終了までの時間を長引かせて遊技者に不利益を与えることを防止できる。
また、遊技制御基板に、中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段が設けられ、中継基板に、演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段が設けられている。このような構成によって、遊技制御基板以外の基板から周辺基板への信号線を利用して周辺基板を経由して遊技制御基板に不正信号が送り込まれることを防止できる。
なお、本願には、さらに上記の発明以外に以下の発明も開示されている。
第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において第1識別情報の可変表示が実行される可変表示時間(例えば変動時間)を計測する計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS121を実行する部分)を含み、制御手段は、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されたときに計測手段の計測を中断させることにより第1の開始条件を成立させない制御を実行する計測中断手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS314を実行する部分)を含み、第2可変表示実行手段は、第2の可変表示部において特定表示結果を導出表示する特定表示結果導出処理手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS306を実行する部分)と、当該処理を実行することを示す実行データ(例えば第2特別図柄プロセスフラグ)を記憶手段(例えばRAM55)に設定する特定表示結果導出設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS124を実行する部分)と、第2の可変表示部において特定表示結果以外の表示結果(例えば、はずれ図柄)を導出表示する非特定表示結果導出処理手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS305を実行する部分)とを含み、計測中断手段は、実行データが設定されていることを検出したときに計測手段の計測を中断させる(例えば、ステップS314において第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に対応した値になったときにステップS300〜S309の処理の実行を停止させる)ように構成されていてもよい。このような構成によれば、計測中断手段は、簡便な処理によって、早めに第1の可変表示部における可変表示を終了させることができる。
第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において第1識別情報の可変表示が実行される可変表示時間(例えば変動時間)を計測する計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS121を実行する部分)を含み、規制制御手段は、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されたときに計測手段の計測を中断させることにより第1の開始条件を成立させない制御を実行する計測中断手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS314を実行する部分)を含み、第1可変表示実行手段は、計測中断手段が計測手段の計測を中断させているときに、第1識別情報の可変表示が継続している旨を報知する継続報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS829を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。このような構成によれば、遊技者に不信感を与えなくすることができる。
第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において第1識別情報の可変表示が実行される可変表示時間を計測する計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS121を実行する部分)を含み、規制制御手段は、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されたときに計測手段の計測を中断させることにより第1の開始条件を成立させない制御を実行する計測中断手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS314を実行する部分)を含み、第1可変表示実行手段は、計測中断手段が計測手段の計測を中断させているときに、第1の可変表示部において特定表示結果とは異なる表示態様である非特定表示結果(例えば、はずれ図柄)を表示する非特定表示結果表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS828を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。2つの可変表示部において同時に特定表示結果が導出表示されたと勘違いされないようにすることができる。
次に、本願発明の変形例について説明する。図60は、背景図柄の変動中に設けられた複数の切替ポイントを示すタイミング図である。上述した実施の形態では、切替ポイントは、背景図柄の変動が開始されてから10秒経過した時点にのみ設けられていたが、図60に示す例では、40秒の変動時間の中に3つの切替ポイントが設けられている。すなわち、背景図柄の変動開始後10秒の時点に第1の切替ポイントが設けられ、背景図柄の変動開始後20秒の時点に第2の切替ポイントが設けられ、背景図柄の変動開始後30秒の時点に第3の切替ポイントが設けられている。このような構成によれば、図60に示すように、背景図柄の変動が開始されてから10秒までに飾り図柄の変動が開始され、10秒から20秒までに新たに飾り図柄の変動が開始され、20秒から30秒までに新たに飾り図柄の変動が開始されるような場合であっても、背景図柄の変動中における3つの切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示し、変動パターンを切り替え、さらに背景図柄の保留記憶表示を消去していくことができるので、より一層効率よく飾り図柄の変動を消化していくことができるようになる。その結果、第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタでカウントされている保留記憶数の合計と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが大きくなるのを防止することができる。
図61は、変動開始後からの時間が短縮された切替ポイントを示すタイミング図である。上述した実施の形態では、背景図柄の変動が開始されてから10秒経過した時点を切替ポイントとしていたが、図61に示す例では、背景図柄の変動が開始されてから5秒経過した時点を切替ポイントとしている(なお、遊技状態が確変状態や時短状態のときは、背景図柄の変動が開始されてから例えば2.5秒経過した時点を切替ポイントとする)。このような構成によれば、図61に示すように、変動時間10秒の背景図柄の変動が開始されたすぐ後(変動開始後5秒まで)に飾り図柄の変動が開始された場合であっても、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示し、変動パターンを切り替え、さらに背景図柄の保留記憶表示を消去することができるので、効率よく飾り図柄の変動を消化していくことができることとなる。その結果、第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタでカウントされている保留記憶数の合計と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが大きくなるのを防止することができる。また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動が全て終了しているのに、背景図柄の変動が長く(複数回)継続されてしまうような事態を回避することもできる。
なお、図60に示すように切替ポイントを複数設ける構成において、切替ポイントの間隔を短く(例えば5秒)にするようにしてもよい。また、図61では、切替ポイントが変動開始後5秒の時点とされていたが、もっと短い時点とされていてもよい。
また、遊技状態が時短状態および確変状態のときは、通常変動(高速変動)の時間が変動開始後5秒とされているので(図8参照)、切替ポイントも変動開始後5秒の時点とされるのが好ましい。ただし、異なるタイミングであってもよい。
また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動が全て終了しているのに、背景図柄の変動が長く(複数回)継続されてしまうような事態が生じた場合には、短縮された変動パターン(変動時間が例えば5秒の変動パターン)の変動を複数回実行して早く変動を消化させるようにしてもよい。また、差数カウンタの値が所定数(例えば3)以上であるか否かを判定して、所定数以上のときは短縮された変動パターンの変動を複数回実行して早く変動を消化させるように構成されていてもよい。そのような構成の場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
また、例えば40秒の変動パターンが所定期間毎にリーチ態様が発展していく変動パターンである場合、例えば、最初に通常変動が10秒間行われ、その後にリーチAを伴う変動が10秒間行われ、その後にリーチAが発展したリーチBを伴う変動が10秒間行われ、最後にリーチBが発展したリーチCを伴う変動が10秒間行われる場合に、それぞれのリーチの終了時に例えば「767」のような出目(左中右の背景図柄)で一旦仮停止表示されるような演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、「767」で仮停止表示されるポイントも切替ポイントとして用いることができる。その結果、大当りに発展する可能性が高い一連の変動において複数の切替ポイントを設けることができ、効率よく飾り図柄の変動を消化させることができるとともに、大当りに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
なお、上記の実施の形態では、強制はずれフラグを用いて、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときには第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないように制御したが、第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないようにするための手段は、そのようなものに限られない。例えば、CPU56は、特別図柄の変動開始時に大当りとするか否かの判定を常に行い、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が大当り変動(停止図柄を大当り図柄とする変動)中であるときには、第1の判定結果が大当りである場合には判定結果をはずれに変更するようにしてもよい。また、CPU56は、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1の大当り判定の処理を実行する前に、乱数バッファに格納されている大当り判定用乱数の値をはずれに相当する値に変更するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、時短状態は、確変状態の終了後にのみ移行されるように構成されているが、そのような構成に限られず、例えば大当り図柄のうち時短状態になる大当り図柄(時短図柄)を定め、時短状態になる大当り図柄で大当りとなった後に時短状態に制御されるように構成されていてもよい。そのように構成されている場合には、時間状態が、通常遊技状態よりも高い割合で第1事前決定手段および第2事前決定手段により特定表示結果とする旨が決定される特別遊技状態に相当する。また、大当り図柄の全てを時短図柄(すなわち、「1」「3」「5」「7」「9」の全ての図柄を時短図柄)にしてもよい。さらに、確変図柄と時短図柄とは区別されていても重複していてもよい。確変図柄と時短図柄とが重複しているときは、そのような図柄で大当りとなると、確変状態でかつ時短状態に制御されることになる。
また、上記の実施の形態では、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信して、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断したが、他の時点においても、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると決定された時点から大当り図柄が導出表示されるまでに開始される他方の特別図柄の停止図柄を強制的にはずれ図柄とするように制御されるとともに、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技が開始されるときに他方の特別図柄の変動が停止され、大当り遊技が終了したときに他方の特別図柄の変動が再開されるように構成されていたが、大当り遊技が開始されたとき(または大当り遊技の途中や終了時)に他方の特別図柄の変動を終了させるように構成されていてもよい。この場合は、大当り遊技の終了後にあらためて2つの特別図柄の変動が開始されることになる。
なお、上記の実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄は、「0」〜「9」の数字の図柄とされていたが、このような図柄に限られるわけではなく、数字以外の図柄(例えば星や三角などの図形)であってもよい。また、図柄である必要もなく、大当りかはずれかを識別できる情報であれば、ランプやLEDの点灯/消灯などの情報であってもよい。また、一方の識別情報を図柄とし、他方の識別情報をランプとしてもよい。第1飾り図柄および第2飾り図柄についても同様である。
また、上記の実施の形態では、保留記憶数を表示する方法として、特別図柄の保留記憶数は、点灯する表示器の数を増やしたり減らしたりすることにより表示し、また、背景図柄の保留記憶数は、メモリ表示領域9dに表示される保留記憶表の表示色の数を増やしたり減らしたりすることにより表示していた。しかし、このような構成に限られず、例えば、7セグメントLEDにより数字で保留記憶数を表示する(例えば、保留記憶数が3のときは数字の「3」を表示する)ような構成であってもよい。また、表示器や表示色の数ではなく、キャラクタの数によって保留記憶数を表示するような構成であってもよい。
また、上記の実施の形態では、第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタがカウント可能な保留記憶数はいずれも4であったが、4以上であっても4以下であってもよい。また、第1保留記憶カウンタがカウント可能な保留記憶数と第2保留記憶カウンタがカウント可能な保留記憶数とが異なる値であってもよい。
なお、上記の実施の形態において、変動パターン(変動時間)を選択するときに2つの特別図柄の保留記憶数の合計が所定数以上であるときに、変動時間の短い変動パターンを選択する構成であってもよい。具体的には、CPU56が第1特別図柄の変動パターンを選択するときに第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計、つまり第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタの値の合計が例えば6個以上(この値に限られない)であれば、第1特別図柄の変動パターンとして保留記憶数の合計が2個(この値に限られない)のときよりも短い変動時間の変動パターンを選択する。このような構成によれば、特別図柄の変動時間自体が短くなることにより、背景図柄の変動時間も短くなって、より一層効率よく図柄の変動を消化することができるようになる。また、変動パターン(変動時間)を選択するときに2つの特別図柄の保留記憶数の合計が所定数以上であるときに、選択した変動パターンの変動時間を短縮する構成であってもよい。具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計、つまり第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタの値の合計が例えば6個以上(この値に限られない)であれば、CPU56は選択した特別図柄の変動パターンの変動時間を所定時間(例えば2秒)だけ短縮する。このような構成によっても、特別図柄の変動時間自体が短くなることにより、背景図柄の変動時間も短くなって、より一層効率よく図柄の変動を消化することができるようになる。
また、2つの特別図柄の保留記憶数の合計が多くなればなるほど特別図柄の変動時間を短くする構成であってもよい。具体的には、CPU56が第1特別図柄の変動パターンを選択するときに第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計が3個、4個、5個、6個・・と変化していくごとに、第1特別図柄の変動パターンとして短い変動時間の変動パターン(例えば、3個のときは10秒の変動パターン、4個のときは9秒の変動パターン、5個のときは8秒の変動パターン、6個のときは7秒の変動パターン;なお、このような変動パターンの変動時間は一例であって、この時間に限られない)を選択してもよく、また、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計が3個、4個、5個、6個・・と変化していくごとに、CPU56は選択した特別図柄の変動パターンの変動時間を0.5秒、1秒、1.5秒、2秒・・(このような時間に限られない)と短縮していくものでもよい。このような構成によっても、特別図柄の変動時間自体が短くなることにより、背景図柄の変動時間も短くなって、効率よく図柄の変動を消化することができる。なお、保留記憶数ごとに変動時間を異ならせるものでなく、例えば0〜5個のときは短縮した変動パターンを選択せず、6,7個のときには5秒の変動時間(この時間に限られない)を選択し、8個のときには3秒の変動時間(この時間に限られない)を選択する構成であってもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技に適用可能であり、特に、可変表示装置における複数の識別情報の可変表示が別々の始動条件の成立にもとづいて実行される遊技機に適用可能である。
1 パチンコ遊技機
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 可変表示装置
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
15 可変入賞球装置
31 主基板
56 CPU
77 中継基板
80 演出制御基板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 可変表示装置
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
15 可変入賞球装置
31 主基板
56 CPU
77 中継基板
80 演出制御基板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
Claims (8)
- 可変表示の第1の実行条件が成立した後に可変表示の第1の開始条件の成立にもとづいて第1識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1の可変表示部と、可変表示の第2の実行条件が成立した後に可変表示の第2の開始条件の成立にもとづいて第2識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第2の可変表示部とを備え、前記第1の可変表示部と前記第2の可変表示部のいずれかに特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であって、
前記第1の開始条件が成立していない前記第1の実行条件の成立数を第1の上限数まで計数する第1計数手段と、
前記第2の開始条件が成立していない前記第2の実行条件の成立数を第2の上限数まで計数する第2計数手段と、
前記第1計数手段により計数された成立数と前記第2計数手段により計数された成立数とを合算した合算成立数を演算する合算成立数演算手段と、
前記第1計数手段により計数された成立数が前記第1の上限数であるときに前記第1の実行条件が成立したか否かを判定する無効成立判定手段と、
前記第1の可変表示部および前記第2の可変表示部よりも視認することが容易な第3の可変表示部において前記合算成立数演算手段の演算した合算成立数を特定可能な表示を行う合算成立数表示手段と、
第1識別情報または第2識別情報の可変表示が開始されるときに、前記第3の可変表示部において第1識別情報または第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を実行し、所定の可変表示時間が経過したときに第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果に対応付けた表示結果を前記第3の可変表示部に導出表示する可変表示実行手段とを備え、
前記合算成立数表示手段は、前記無効成立判定手段によって前記第1計数手段により計数された成立数が前記第1の上限数であるときに前記第1の実行条件が成立したと判定されたときに、前記合算成立数演算手段の演算した合算成立数が所定の合算成立数まで達していないことを条件に、前記合算成立数を特定可能な表示を加算更新する特別表示手段を含む
ことを特徴とする遊技機。 - 可変表示実行手段が実行する第3識別情報の可変表示は、第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果に対応付けた表示結果を第3の可変表示部に導出表示する前の第3識別情報の可変表示を開始してから所定時間経過後の特定時点において第3識別情報の可変表示を仮停止表示し、第3識別情報の可変表示を再度開始する特殊態様を含み、
特別表示手段が合算成立数を特定可能な表示を加算更新しているときに、前記第3の可変表示部において実行する第3識別情報の可変表示の態様として前記特殊態様を選択する可変表示態様選択手段とを備え、
前記特別表示手段は、前記可変表示態様選択手段により前記特殊態様が選択されたときは、第3識別情報の可変表示が開始されるとき、または仮停止表示され可変表示を再度開始するときに、加算更新した表示を減算更新する特殊時特別表示更新手段を含む
請求項1記載の遊技機。 - 遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
第3の可変表示部の表示制御を行う演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板とを備え、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
第1計数手段と、第2計数手段と、
第1の実行条件が成立したときに前記第1計数手段により計数された成立数が第1の上限数に達しているか否かを判定する第1上限数判定手段と、
前記第1上限数判定手段により前記第1の上限数に達していないと判定されたときに、有効実行条件コマンドを送信する有効実行条件コマンド送信手段と、
前記第1上限数判定手段により前記第1の上限数に達していると判定されたときに、無効実行条件コマンドを送信する無効実行条件コマンド送信手段と、
第1識別情報の可変表示または第2識別情報の可変表示の開始を示す可変表示コマンドを送信する可変表示コマンド送信手段とを含み、
前記演出制御用マイクロコンピュータは、
可変表示実行手段と、
合算成立数演算手段と、
無効成立判定手段と、
前記無効実行条件コマンドを受信したときに、前記合算成立数演算手段が演算する合算成立数が所定の合算成立数まで達しているか否かを判定する合算上限数判定手段とを含み、
前記可変表示実行手段は、前記可変表示コマンドを受信したことにもとづいて、前記第3の可変表示部における第3識別情報の可変表示を開始し、
特別表示手段は、前記合算上限数判定手段により前記合算成立数が所定の合算成立数に達していないと判定されたことを条件に前記合算成立数を特定可能な表示を加算更新し、
前記特別表示手段は、前記可変表示実行手段により第3識別情報の可変表示が開始されたときに、加算更新した表示を減算更新する特別表示更新手段を含む
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - 第3識別情報の可変表示を開始してから特定時点までの所定時間は、第1識別情報または第2識別情報における可変表示時間のうちの最も短い時間よりも短い時間である
請求項2または請求項3記載の遊技機。 - 合算成立数演算手段による演算結果を記憶する合算成立数記憶手段を備え、
可変表示実行手段は、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始してから所定時間経過後の特定時点までに第2の開始条件が成立したとき、該特定時点にて第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を停止し、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始する表示制御を実行する表示制御手段を含み、
合算成立数表示手段は、前記合算成立数記憶手段の記憶にもとづいて合算成立数を表示し、
前記合算成立数演算手段は、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときおよび第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときに、前記合算成立数記憶手段の記憶する合算成立数を減算する合算成立数減算手段を含む
請求項2から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 特定時点が経過してから第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されるまでに第2の開始条件が成立したときにその旨を記憶する開始条件記憶手段を備え、
表示制御手段は、前記開始条件記憶手段が第2の開始条件の成立を記憶している状態で新たに特定時点となったとき、第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を停止し、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始する表示制御を実行し、
合算成立数減算手段は、第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示が開始されるときに、合算成立数記憶手段の記憶する合算成立数を減算する
請求項5記載の遊技機。 - 第1事前決定手段の決定結果にもとづいて複数種類の予告演出の中から予告演出を選択し第3の可変表示部にて選択された予告演出を実行する予告演出実行手段と、
特定時点で停止された第3識別情報の可変表示中に前記予告演出実行手段により選択された予告演出の種類を記憶する予告演出記憶手段とを備え、
前記予告演出実行手段は、前記予告演出記憶手段が予告演出の実行を記憶している状態で特定時点になったとき、該特定時点から開始される第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示中に、記憶されている予告演出の種類にもとづいて予告演出を選択し実行する
請求項5または請求項6記載の遊技機。 - 可変表示実行手段は、
第1識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示を開始してから特定時点までに第2の開始条件が成立したとき、第1識別情報の残り可変表示時間と第2の開始条件にもとづく第2識別情報の可変表示時間のどちらが長いかを判定する可変表示時間判定手段と、
前記特定時点から開始される第2識別情報の可変表示に対応付けた第3識別情報の可変表示の可変表示時間に前記可変表示時間判定手段により長いと判定された可変表示時間を設定する可変表示時間設定手段とを含む
請求項5から請求項7のうちのいずれかに記載の遊技機。
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