JP4503153B2 - 自動車のサスペンション支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサスペンション支持構造に関し、特にサイドフレームとサスペンション構成部材を取付支持するサスペンションクロスメンバとの間に車高調整用の嵩上げスペーサを介在させた自動車のサスペンション支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のサスペンション支持構造は、例えば図8に要部分解斜視図を示すように車体1の下面両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドフレーム2間にサスペンションクロスメンバ3を掛け渡し、両端近傍を各々取付ボルト4によって固定して架設し、このサスペンションクロスメンバ3にトランスバースリンク6等のサスペンション構成部材を取付支持している。
【0003】
一方、各車種の仕様間において、使用目的等に応じて異なる車高の自動車が要望させることがある。この対策として各仕様に従ってその車高に応じたサスペンションに代えることによって車高を調整したり、またサスペンションに設けられた車高調整機構の調整によって行われる。しかし車種毎にサスペンションを代えることは製造コストの増大を招くことになる。また、車高調整機構による車高調整においてもその調整のための作業空間が制限されると共に、厄介なホイールアライメント調整を必要とすることから作業の煩雑化を招くことが懸念される。
【0004】
この対策として、図8に示すように標準的な車高の車両のサイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との間に嵩上げスペーサ100を介在させることによってアライメントに及ぼす影響を極力抑えた車高調整が行われている。
【0005】
嵩上げスペーサ100は、サスペンションから繰り返し入力される入力荷重をサスペンションクロスメンバ3からサイドフレーム2に確実に伝達するために十分な強度が要求され、剛性強度に優れた鋳鉄品が使用されている。
【0006】
この嵩上げスペーサ100は、図9の(a)に斜視図を示し、かつ同図(b)にそのIV−IV線断面図を示すように、サイドフレーム2の下面及びサスペンションクロスメンバ3の上面に接面する平坦な上面100a及び下面100bを有して前後方向に長い棒状であって、前端近傍及び後端近傍に各々上下方向に貫通するボルト挿通孔102が穿設されている。
【0007】
更に、両ボルト挿通孔102の間に工具挿入孔103及び位置決めピン挿入孔104が形成されている。工具挿入孔103は、搭載時に工具等を挿入する孔であって、上部103aが上面100aに大きく開口すると共に、底部に貫通孔103bが穿設されている。一方、位置決めピン挿入孔104は下部104aが車幅方向に連続して下面100bから凹陥して形成され、上部にピン挿通孔104bが穿設されている。
【0008】
このように形成された嵩上げスペーサ100は、鋳鉄製であることから防錆のため表面処理が施され、かつ精度が要求される上面100a、下面100b、ボルト挿通孔102、ピン挿通孔104b等には機械加工が施される。なお、符号105は機械加工時に加工機械のベッドに固定するためのクランプ部である。
【0009】
一方、嵩上げスペーサ100を介在してサスペンションクロスメンバ3が取り付けられるサイドフレーム2は、車体前後方向に延在する断面略コ字状であって、図10に組付状態を示すように下面部2a及び上面部2b間にリンホース7によって連結された一対のパイプスペーサ8が架設されている。そして、サイドフレーム2の下面部2aの下面に嵩上げスペーサ100の上面100aが接面し、嵩上げスペーサ100がピン挿通孔104b及びサイドフレーム2の下面部2aに穿設されたピン基準孔2eに嵌入する位置決めピン25によってサイドフレーム2の下面部2aの取付位置に位置決めされ、かつ嵩上げスペーサ100の下面部100bにサスペンションクロスメンバ3が当接し、サイドフレーム2の下面部2a及び上面部2bに穿設されたボルト挿通孔2c、2d、パイプスペーサ8、嵩上げスペーサ100のボルト挿通孔102及びサスペンションクロスメンバ3に穿設されたボルト挿通孔3a内を貫通する取付ボルト4及びナット4aによって取り付けられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の自動車のサスペンション支持構造によると、標準的な車両のサイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との間に嵩上げスペーサ100を介在させることによってアライメントに及ぼす影響を極力抑えた車高調整が行われている。
【0011】
しかし、例えばサイドフレーム2の前部に前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、サイドフレーム2は前端部から次第に押し潰されるものの、サスペンションクロスメンバ3の取付部は、車体前後方向に延在してサイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との間に介在する鋳鉄製の嵩上げスペーサ100によって剛性が増大され、該部の変形が抑制されて円滑なサイドフレーム2の潰れ変形が妨げられて十分なクラッシュストローク確保に影響を及ぼすことが懸念される。
【0012】
また、嵩上げスペーサ100が鋳鉄によって形成されることから重量が大きく車体重量の増大を招くと共に、防錆処理及び精度が要求される上面100a、下面100b、ボルト挿通孔102、ピン挿通孔104b等の機械加工に工数を要し製造コストの増大を招くことが懸念される。
【0013】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、重量及び製造コストの増加を招くことなく円滑なサイドフレームの潰れ変形及び十分なクラッシュストロークが確保できる安全性に優れた自動車のサスペンション支持構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の自動車のサスペンション支持構造の発明は、車体の下面両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドフレームの各下面に、各々嵩上げスペーサを介在して結合されてサスペンション構成部材を支持するサスペンションクロスメンバが上記左右のサイドフレームに掛け渡された自動車のサスペンション支持構造において、上記嵩上げスペーサは、軽金属或いは軽合金製であって上面及び下面が各々上記サイドフレームの下面及びサスペンションクロスメンバの上面に接面して前後方向に延在し、前端近傍及び後端近傍に各々上記サイドフレーム及びサスペンションクロスメンバにボルト結合するためのボルト挿通孔が穿設され、かつ上記両ボルト挿通孔間に脆弱部が形成されたスペーサ本体を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項1の発明によると、嵩上げスペーサを軽金属或いは軽合金製であることから従来の鋳鉄の嵩上げスペーサに比べ軽量でかつ、防錆処理を省略することができ製造コストの削減が得られると共に、前端近傍及び後端近傍に穿設されるボルト挿通孔間に脆弱部を形成するために該部の断面2次モーメントを小さく設定し、サイドフレームに所定値以上の衝撃荷重が作用した際にも、サイドフレームの潰れ変形によって嵩上げスペーサの脆弱部が容易に折曲変形してサイドフレームの円滑な潰れ変形が確保される。この結果、サイドフレームの潰れ変形による十分なクラッシュストロークが確保でき、衝撃の緩和が有効的に行われる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1の自動車のサスペンション支持構造において、上記嵩上げスペーサは、更に、上記スペーサ本体の上縁外周に沿って突出して上面が上記スペーサ本体の上面と面一に連続するフランジ部を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明によると、スペーサ本体にスペーサ本体の上面と面一に連続する上面を有するフランジ部を設けることから嵩上げスペーサとサイドフレームとの接触面積の増大が得られ、この接触部の面圧の低減が得られてサスペンションからの入力荷重をサイドフレームにより確実に分散伝達することができ、かつサイドフレームに衝撃荷重が作用した際、サイドフレームの潰れ変形により脆弱部の折曲変形に先立ってフランジ部を破損させることによってより円滑なサイドフレームの潰れ変形がもたらされてより衝撃を緩和することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の自動車のサスペンション支持構造において、上記脆弱部は、スペーサ本体の上面と下面とを連通する肉抜き部によって形成されたことを特徴とする。この請求項3の発明によると、スペーサ本体に上面と下面とを連通する肉抜き部を形成することによって嵩上げスペーサの軽減を図りつつ容易に脆弱部を形成することができる。
【0019】
請求項4の発明によると、請求項3の自動車のサスペンション支持構造において、上記肉抜き部の上下方向の略中央に該肉抜き部を上下に区画する棚部が形成されたことを特徴とする。この請求項4の発明によると、肉抜き部に棚部を形成する際に、この棚部を肉抜き部の上下方向の略中央に設定することによって断面二次モーメントの増加を極力抑制しつつ棚部を形成することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4いずれか1項の自動車のサスペンション支持構造において、上記嵩上げスペーサは、ダイカストによって製造されたことを特徴とする。請求項5の発明によると、嵩上げスペーサをダイカストによって製造することによって嵩上げスペーサの精度が確保され、上面、下面、ボルト挿通孔等比較的高精度が要求される部分においても機械加工を省略、或いは機械加工の大幅な削減が可能になり、製造コストの大幅な低減が期待できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による自動車のサスペンション支持構造の実施の形態を図1乃至図7によって説明する。なお、図1乃至図7において上記図8乃至図10と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。また、各図において矢印Fは車体前方方向を示している。
【0024】
図1及び図2は、標準的な車両のサイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との間に介在させることによって車高調整する嵩上げスペーサ10の説明図であり、図3は取付状態を示す要部側面図である。
【0025】
嵩上げスペーサ10について図1及び図2によって説明する。図1の(a)は嵩上げスペーサ10の概要を示す斜視図あり、(b)及び(c)は各々(a)のII−II線断面図及びIII−III線断面図である。また、図2の(a)は嵩上げスペーサ10の側面図であり、(b)及び(c)は各々(a)のA矢視図及びB矢視図である。
【0026】
嵩上げスペーサ10は、軽金属或いは軽合金、本実施の形態では耐食性に優れたアルミニウム或いはアルミニウム合金のダイカスト製品であって、前後方向延在して対向する両側縁の各前端及び後端を略円弧上に連結する平面状の上面12、この上面12に対向して前後方向延在する両側縁の各前端及び後端を略円弧上に連結する平面状の下面13及び上面12と下面13の各外縁に上縁及び下縁が連続する外周面14を有して前後方向に延在するスペーサ本体11を有している。
【0027】
スペーサ本体11の上縁に沿って幅方向及び前後方向にスペーサ本体11から若干突出する平面視略矩形のフランジ部15が形成され、かつこのフランジ部15の上面はスペーサ本体11の上面12と連続して面一に形成されて嵩上げスペーサ10とサイドフレーム2の下面との接触面積の増大を図ると共に、外縁15aは図1の(b)及び(c)、図2の(a)、(c)に示すように断面略円弧状で、フランジ部15の先端高さ位置に沿ってダイカストの際の型割面、即ちパーティングラインaが設定されている。
【0028】
スペーサ本体11の前端近傍及び後端近傍に各々上下方向に軸線が延在して上面12と下面13との間を貫通するボルト挿通孔16が穿設され、両ボルト挿通孔16の間にスペーサ本体11の断面二次モーメントの低減を図り脆弱部20を形成する肉抜き部21が設けられている。肉抜き部21は前方から後方に順に形成された抜き孔22、工具挿入孔23、位置決めピン挿入孔24によって形成されている。
【0029】
抜き孔22は、図1の(a)及び(b)に示すように上面12と下面13との間を連通する断面略矩形の貫通孔である。
【0030】
工具挿入孔23は、搭載時に工具等を案内挿入する孔であって、図1の(a)及び(c)に示すように、抜き孔22と隔壁を介して隣接すると共に、上面12と下面13との間を連通する断面矩形の貫通孔であって、上面12と下面13との略中央に工具挿入孔23内を上下に区画する棚部23aが形成され、棚部23aに工具案内孔23bが開口している。
【0031】
位置決めピン挿入孔24は、下部24aが下面13から外側面14の下部に亘って車幅方向に連続して凹陥して形成され、かつ下部24aの中央から上面12に貫通するピン挿通孔24bが穿設されている。
【0032】
これら抜き孔22、工具挿入孔23及び位置決めピン挿入孔24の形成によって剛性が要求されるボルト挿通孔16の周囲の剛性を維持しつつ、比較的剛性を要しない部分、即ち、ボルト挿通孔16周辺を除く嵩上げスペーサ10の前後方向の中間部に断面二次モーメントが小さく設定された脆弱部20が形成されると共に、軽量化がもたらされる。また、工具挿通孔23に形成される棚部23aを上面12と下面13との略中央に位置せしめることによって棚部23aを形成する場合においても極力断面二次モーメントの増大が抑制されると共に、鋳造性の向上が得られる。なお、図2において符号11aはダイカスト成形時に使用される押出ピン跡であるが本発明とは関係がないので説明は省略する。
【0033】
このように形成された嵩上げスペーサ10は、図3に取付状態を示すように、サイドフレーム2の下面部2aの下面に嵩上げスペーサ10の上面12が接面し、嵩上げスペーサ10がピン挿通孔24b及びサイドフレーム2の下面部2aに穿設されたピン基準孔2eに嵌入する位置決めピン25によってサイドフレーム2の下面部2aの取付位置に位置決めされ、かつ嵩上げスペーサ10の下面13にサスペンションクロスメンバ3の上面が当接し、サイドフレーム2の下面部2a及び上面部2bに穿設されたボルト挿通孔2c、2d、パイプスペーサ8、嵩上げスペーサ10のボルト挿通孔16及びサスペンションクロスメンバ3に穿設されたボルト挿通孔3a内を貫通する取付ボルト4及びナット4aによって取り付けられる。
【0034】
このようにサイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との間に介装された嵩上げスペーサ10によって車高調整された本実施の形態によるサスペンション取付構造によると、嵩上げスペーサ10がダイカストによって製造されることから、従来の鋳鉄による嵩上げスペーサに比較して大幅な重量の軽減が得られ、かつ高精度の嵩上げスペーサ10が得られることからその上面12、下面13、ボルト挿通孔16、ピン挿通孔24b等の機械加工を省略或いは機械加工を大幅に削減することができ、かつ防錆処理を廃止することができ製造コストの大幅な低減がもたらされる。
【0035】
また、走行に伴うサスペンションからサスペンションクロスメンバ3に繰り返される入力荷重は、サスペンションクロスメンバ3とサイドフレーム2との間し介装された嵩上げスペーサ10を介し、フランジ部15によって接触面積が増大された面圧が減少して上面12からサイドフレーム2の下面部2aの広範囲に分散伝達すると共に、サイドフレーム2の下面部2aと上面部2bに架設されたパイプスペーサ8を介して上面部2bにも分散伝達され、更にリンホース7からサイドフレーム2の広範囲に分散伝達されてサスペンションの支持剛性が確保される。また、嵩上げスペーサ10のサイドフレーム2とが接触する嵩上げスペース10の上面12の車幅方向に幅が比較的小さく設定され、サイドフレーム2のねじれ方向の変形が嵩上げスペーサ10による拘束が抑制されてサイドフレーム2のねじれ変形が許容されて車体の振動エネルギーの効率的な吸収がもたらされる。
【0036】
次に、サイドフレーム2の前部に前方から衝撃荷重が作用した際のサイドフレーム2の変形を図4乃至図6に示す変形モード説明図によって説明する。
【0037】
図4は正常時のサイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3の結合部を示している。この状態でサイドフレーム2の前部に前方から衝撃荷重Pが作用すると、サイドフレーム2の前端から順次押しつぶされてサイドフレーム2の前部によって衝撃エネルギーを吸収する。
【0038】
一方、サイドフレーム2の前部に前方から所定値以上の衝撃荷重Pが作用すると、サイドフレーム2の前端から順次押しつぶされ、サイドフレーム2の潰れ変形によって図5示すように、サイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との間に介装された嵩上げスペーサ10のスペーサ本体11から突出したフランジ部15を押圧してスペーサ本体11から突出するフランジ部15を破損させて脱落させ、サイドフレーム2とサスペンションクロスメンバ3との結合部においてもサイドフレーム2の該部の変形を可能にしてサイドフレーム2の円滑な押し潰れによるクラッシュストロークが確保される。
【0039】
更に、大なる衝撃荷重Pがサイドフレーム2の前端に前方から作用すると、サイドフレーム2の前端から順次押しつぶされ、図6に示すようにサイドフレーム2の潰れ変形によってフランジ部15を押圧して破損させて脱落させると共に、抜き孔22、工具挿入孔23及び位置決めピン挿入孔24等の肉抜き部21の形成によって断面二次モーメントが小さく設定された脆弱部20、即ち嵩上げスペーサ10の中間部bを折曲変形させて、その折曲変形に対応するサイドフレーム2の下部及びサスペンションクロスメンバ3の部位の折れ曲がりを誘発させてサイドフレーム2を円滑に潰し変形させることによって、更にサイドフレーム2の潰れ変形による十分なクラッシュストロークを確保してより衝撃の緩和を図ることによって乗員の安全性が確保される。
【0040】
また、嵩上げスペーサ10のフランジ部15の先端部が連続する断面略円弧に形成され、その厚さ方向に中央部に型割面aが設定されることから、サイドフレーム2に接触する上面の周縁全周に滑らかな円弧状の面取り、いわゆるRが連続形成されてサイドフレーム2の塗膜面を損傷せしめることが回避されると共に、輸送や取り扱いの際の不慮の怪我等の発生を未然に防止することができる。また、湯口や型割面に発生するバリ等がサイドフレーム2との接面に影響を及ぼすことが回避される。
【0041】
また、上記嵩上げスペーサ10は、前後中間部の強度特性を極力小さくするために、縦弾性係数の小さい、例えば上記アルミニウム及びアルミニウム合金の他に、亜鉛、マグネシウム等の軽金属や該軽金属の合金を使用することができ、これらの軽金属を使用することによっても防錆処理が不要になると共に、ダイカストにより製造することによって機械加工が不要になり製造コストの低減がもたらされる。
【0042】
なお、少量生産時においては、ダイカストの型償却費が割高になることから、アルミ砂型鋳造により、嵩上げスペーサ10を製造することができる。アルミ砂型鋳造により嵩上げスペーサ10を製造する場合には、例えば図7に嵩上げスペーサ10の側面図を示し、かつ鋳造による素材形状を二点鎖線10aで示すと共に図2及び図3と対応する部分に同一符号を付するように、素材は、上面12に対応する部分12a、下面13のボルト挿通孔16の周囲に対応して突出形成されたする部分13a、精度が要求されるボルト挿通孔16、ピン挿通孔24b等を機械加工するが、上面12の外周縁及び下面13の外周縁には素材のRが残るように削り代を設定することが好ましい。
【0043】
上記実施の形態では、車体前部において左右のサイドフレームと、このサイドフレーム間に架設されるサスペンションクロスメンバとの間に嵩上げスペーサを介在させたが、例えば車体後部、即ちリヤサスペンションの取付構造においてサイドフレームとサスペンションクロスメンバとの間に同様の嵩上げスペーサを介在させる場合にも適用することが可能であり、本発明は上記実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した本発明によると、左右のサイドフレームの各下面に嵩上げスペーサを介在して結合されてサスペンション構成部材を支持するサスペンションクロスメンバが掛け渡された自動車のサスペンション支持構造において、嵩上げスペーサを、軽金属或いは軽合金によって製造することによって重量の軽減が得られると共に、防錆処理の省略が可能になり製造コストの削減が期待でき、かつサイドフレーム及びサスペンションクロスメンバにボルト結合するため前端部及び後端部近傍に穿設された両ボルト挿通孔間に脆弱部を形成することによって、サイドフレームに所定値以上の衝撃荷重が作用した際に、サイドフレームの潰れ変形によって嵩上げスペーサの脆弱部が容易に折曲変形してサイドフレームの円滑な潰れ変形が確保されてサイドフレームの潰れ変形による十分なクラッシュストロークが確保でき、衝撃の緩和が有効的に行われる。
【0045】
また、スペーサ本体にスペーサ本体の上面と面一に連続する上面を有するフランジ部を設けることによって嵩上げスペーサとサイドフレームとの接触面積の増大が得られ、この接触部の面圧の低減が得られサスペンションからの入力荷重をサイドフレームにより確実に分散伝達することができ、かつサイドフレームに衝撃荷重が作用した際、サイドフレームの潰れ変形により脆弱部の折曲変形に先立ってフランジ部を破損させることによってより円滑なサイドフレームの潰れ変形がもたらされる。特に、嵩上げスペーサをダイカストによって製造することによって、嵩上げスペーサの精度が確保され、上面、下面、ボルト挿通孔等比較的高精度が要求される部分においても機械加工を省略、或いは機械加工の大幅な削減が可能になり、製造コストの大幅な低減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車のサスペンション支持構造の実施の形態を説明する嵩上げスペーサの説明図であり、(a)は嵩上げスペーサの斜視図、(b)及び(c)は各々(a)のII−II線断面図及びIII−III線断面図である。
【図2】同じく、嵩上げスペーサの説明図であり、(a)は嵩上げスペーサの側面図、(b)及び(c)は各々(a)のA矢視図及びB矢視図である。
【図3】同じく、サイドフレームとサスペンションクロスメンバの結合状態を示す説明図である。
【図4】同じく、変形モード説明図である。
【図5】同じく、変形モード説明図である。
【図6】同じく、変形モード説明図に
【図7】アルミ砂型鋳造による嵩上げスペーサの製造を説明する図である。
【図8】従来のサスペンション支持構造の概要を示す分解斜視図である。
【図9】従来の嵩上げスペーサの説明図であり、(a)は斜視図、(b)はIV−IV線断面図である。
【図10】従来のサイドフレームとサスペンションクロスメンバの結合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 サイドフレーム
3 サスペンションクロスメンバ
4 取付ボルト
8 パイプスペーサ
10 嵩上げスペーサ
11 スペーサ本体
12 上面
13 下面
14 外周面
15 フランジ部
15a 外縁
16 ボルト挿通孔
20 脆弱部
21 肉抜き部
22 抜き孔
23 工具挿入孔
23a 棚部
24 位置決めピン挿入孔
25 位置決めピン
a 型割面(パーティングライン)

Claims (5)

  1. 車体の下面両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドフレームの各下面に、各々嵩上げスペーサを介在して結合されてサスペンション構成部材を支持するサスペンションクロスメンバが上記左右のサイドフレームに掛け渡された自動車のサスペンション支持構造において、
    上記嵩上げスペーサは、
    軽金属或いは軽合金製であって上面及び下面が各々上記サイドフレームの下面及びサスペンションクロスメンバの上面に接面して前後方向に延在し、前端近傍及び後端近傍に各々上記サイドフレーム及びサスペンションクロスメンバにボルト結合するためのボルト挿通孔が穿設され、かつ上記両ボルト挿通孔間に脆弱部が形成されたスペーサ本体を備えたことを特徴とする自動車のサスペンション支持構造。
  2. 上記嵩上げスペーサは、
    更に、上記スペーサ本体の上縁外周に沿って突出して上面が上記スペーサ本体の上面と面一に連続するフランジ部を有することを特徴とする請求項1に記載の自動車のサスペンション支持構造。
  3. 上記脆弱部は、
    スペーサ本体の上面と下面とを連通する肉抜き部によって形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のサスペンション支持構造。
  4. 上記肉抜き部の上下方向の略中央に該肉抜き部を上下に区画する棚部が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の自動車のサスペンション支持構造。
  5. 上記嵩上げスペーサは、
    ダイカストによって製造されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車のサスペンション支持構造。
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