JP4502647B2 - 導電性樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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このような要求に対し、これら用途において導電性を付与するためにカーボンブラック等の導電性カーボンを樹脂に配合した樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、これら導電性カーボンの添加は成形時の流動性、熱安定性を著しく低下させ、かつとりわけ薄肉、大型の成形体の成形を困難にする。また導電性カーボンは極めて高価なため、使用量が増加すると高コスト化を招くという問題があった。
このため目的に応じた導電性を確保しつつ導電性カーボンの添加量の低減が求められている。
しかしながら、該方法により得られた樹脂組成物は高い熱時剛性や塗膜密着性、静電塗装可能な導電性は有するものの、流動性が低く薄肉大型の成形品を成形しようとする場合、樹脂温度を高めねばならず、またその熱安定性の低さから、シルバー等の外観不良や物性低下を生じやすく、量産において満足できるものではなかった。さらに該不良を解消するために導電性カーボン量を低減しようとすると、静電塗装に必要な導電性が得られないという問題がある。
すなわち、本発明は、
[1]ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂および導電性カーボンを少なくとも有する、体積固有抵抗値が107Ω・cm以下である樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂が、[A]ポリアミド66と、[B]ポリアミド612からなることを特徴とする導電性樹脂組成物、
[A]+[B] 30〜95重量部
[A]/([A]+[B]) 0.3〜0.95
[C] 0.3〜5重量部
[C]/([A]+[C]) 0.01〜0.1
[D] 5〜70重量部
[3] さらに、ゴム状重合体[E]を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の導電性樹脂組成物、
[4] [E]ゴム状重合体を、[A]+[B]+[D]100重量部に対して0.5〜30重量部含有することを特徴とする[3]に記載の導電性樹脂組成物、
[5] [1]〜[4]のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物を成形してなる成形体、
である。
本発明の導電性樹脂組成物は、少なくともポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂および導電性カーボンを有する樹脂組成物であり、その体積固有抵抗値が107Ω・cm以下、好ましくは体積固有抵抗値が105Ω・cm以下、より好ましくは104Ω・cm以下である。下限に特に制限はないが、通常、10もしくは102Ω・cm以上である。
本発明の導電性樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂は、繰り返し単位中に存在する式(1)で示されるメチレン基の繰返し数nの全てが6以下である[A]ポリアミド樹脂と、繰り返し単位中に存在する式(1)で示されるメチレン基の繰返し数nの少なくとも1つが7以上である[B]ポリアミド樹脂からなる。
本発明に用いられる導電性カーボン[C]としては、導電性カーボンブラック、微細な繊維状カーボンが挙げられる。
導電性カーボンブラックとしてはアセチレンブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。具体的にはライオン社製「ケッチエンブラックEC」「ケッチエンブラックEC600JD」、キャボット社製「バルカンXC−72」「バルカンSC」等があり、通常、微球状の基本粒子(数十ナノメーター)が数個から数十個で、数十〜数百ナノメーターサイズの一次凝集体(ストラクチャー)を形成し導電性を発現するものである。
本発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂[D]は、下記一般式
を繰り返し単位とし構成単位が(1)からなる単独重合体または(1)および(2)からなる共重合体などである。
ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,6−ジメチルフェノールとオルトクレゾールまたは下記一般式
また該[D]ポリフェニレンエーテル樹脂はクロロホルム中で測定した25℃の固有粘度が0.2〜0.8dl/gのものが用いることができるが、好ましくは0.2〜0.7dl/gであり、さらに好ましくは0.2〜0.6dl/gである。
[A]+[B] 30〜95重量部
[A]/([A]+[B]) 0.3〜0.95
[C] 0.3〜5重量部
[C]/([A]+[C]) 0.01〜0.1
[D] 5〜70重量部
さらに好ましくは、
[A]+[B] 30〜90重量部
[A]/([A]+[B]) 0.4〜0.9
[C] 0.3〜4重量部
[C]/([A]+[C]) 0.01〜0.05
[D] 10〜70重量部
である。
すなわち、構成成分である[A]成分、[B]成分、[C]成分、[D]成分および[E]成分を一括混練しても良いし、あらかじめ2成分以上を予備混練したブレンド物に残りの成分を混練しても良い。好ましくは[A]成分に[C]成分を高濃度で分散させたマスターバッチ、例えば[C]/([A]+[C])が0.1のマスターバッチを作製し、該マスターバッチが本発明の樹脂組成物中の[C]成分の必要濃度になるようにその他の成分を添加する。また[D]成分と[E]成分の混練後に[A]成分、[B]成分および[A]成分に[C]成分を高濃度で分散させたマスターバッチを添加する等がある。
本発明の樹脂組成物には所望に応じ他のポリマー、相溶化剤、可塑剤、難燃剤、染料、顔料等の着色剤、酸化防止剤、離型剤、あるいはガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、マイカ、シリカ、タルク、ワラストナイト、クレー等を単独でも2種類以上ブレンドしても、本発明の目的を損なわない範囲であれば添加することができる。
特に剛性補強が必要な場合に用いるガラス繊維は、通常のガラス繊維強化樹脂に使用されるものであり、ガラス繊維の形状には特に制限はない。またガラス繊維の配合割合は用途によって任意に選べる。
本発明の特徴は、ポリアミド樹脂として[A]ポリアミド樹脂と[B]ポリアミド樹脂を併用することで、[C]導電性カーボンの添加量が同じであっても高い導電性を示すことにある。すなわち、導電性を維持しつつ[C]導電性カーボンの添加量を減らすことが可能となった。
<体積固有抵抗値の測定>
樹脂組成物ペレットを、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ダンベルバーとしてISO294の記載の如く成形した。この試験片の両端を折り取って均一な断面積10×4mm、長さ約70mmで両端に破断面をもつ部分を得た。ただし、試験片の折り取り方については、−75〜−70℃のドライアイス/メタノールの中に、予めカッターナイフでキズをつけた試験片を1時間浸漬後、折り取る方法で行った。この両端の破断面に銀塗料を塗布し、デジタル絶縁抵抗計[DG525:三和電気計器(株)製]を用いて、250Vの印加電圧で両方の破断面間の体積抵抗率を測定した。測定は5個の異なる試験片に対して実施し、その加算平均をもって、体積抵抗率とした。
実施例1,2,3において、あらかじめ[A]ポリアミド66樹脂(旭化成(株)製 相対粘度ηr=2.5)に[C]導電性カーボンを10重量%になるように2軸押出機を用いマスターバッチを作製した。導電性カーボンとしては導電性カーボンブラック(ライオン(株)製 ケッチエンブラックEC600JD)を用いた。次に[D]ポリフェニレンエーテル樹脂(旭化成(株)製 還元粘度が0.52dl/g(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)) ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、[E]ゴム状重合体(SEBS)(シェル社製 クレイトンG1650)とマレイン酸0.35重量部を2軸押出機により混練し、つづいて[A]ポリアミド66樹脂、[B]ポリアミド612樹脂(旭化成(株)製 相対粘度ηr=2.68)および上記導電性カーボンを含有したマスターバッチを表1に示す所定の比率になるように添加し樹脂ペレットを作製した。
実施例1〜3と同様な方法で作製したペレットに市販のガラス繊維(日本電気硝子製 、平均短繊維直径13μm、3mm長チョップドストランドタイプ)を25重量部添加、表1に示す所定の比率の樹脂ペレットを作製した。
[B]ポリアミド612樹脂を用いない他、実施例1〜3と同様の方法で、表1に示す所定の比率の樹脂ペレットを作製した。
Claims (5)
- ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂および導電性カーボンを少なくとも有する、体積固有抵抗値が107Ω・cm以下である樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂が、[A]ポリアミド66と、[B]ポリアミド612からなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- [A]ポリアミド66、[B]ポリアミド612、[D]ポリフェニレンエーテル樹脂、[C]導電性カーボンが、[A]+[B]+[D]を100重量部としたとき、下記条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[A]+[B] 30〜95重量部
[A]/([A]+[B]) 0.3〜0.95
[C] 0.3〜5重量部
[C]/([A]+[C]) 0.01〜0.1
[D] 5〜70重量部 - [E]ゴム状重合体を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の導電性樹脂組成物。
- ゴム状重合体[E]を、[A]+[B]+[D]100重量部に対して0.5〜30重量部含有することを特徴とする請求項3記載の導電性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物を成形してなる成形体。
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