JP4502470B2 - ワイパ装置におけるブレード取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車、バス、トラック等の車両に取り付けられるワイパ装置におけるブレード取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種ワイパ装置においては、必要に応じてワイパブレードが交換可能なように、ワイパアームの先端にブレードを着脱自在に取付る構成となっている。このような取付構造としては、例えば、ワイパアームの先端部に形成された凹溝に、ブレード側の取付ピンを圧入嵌合させるものが知られている。ここでは、凹溝を、入口側が幅狭で奥側が幅広になる所謂蟻溝状に形成する。一方、ブレード側のワイパアーム取付部位には、凹溝の溝奥側寸法と略同じ径に設定された取付ピンを設ける。そして、この取付ピンに凹溝を無理嵌め状に嵌め込むことにより、ブレードをワイパアームに取り付けるようにしている。
【0003】
また、国際公開WO99/02381号公報には、回り継手状の接続構造を用いてワイパアームに取り付けられるワイパブレードが開示されている。そこでは、ワイパアーム側に、側壁が一部切り欠かれた円筒形状の取付部が設けられている。これに対し、ブレード側には、取付部内径と略同寸法(若干小さい)直径を有する円柱からなる継手軸が設けられている。この継手軸には、その両側部を平行に切り欠いた平面部が形成されている。
【0004】
取付部の切欠は、取付部の内径寸法よりも小さい寸法にて開口している。この切欠開口寸法は、継手軸の平面部間の寸法より若干大きくなっている。すなわち、平面部を切欠端面と対向させることにより、継手軸を取付部内に挿入できるようになっている。そして、継手軸を取付部に挿入した後、継手軸を回転させると、切欠の開口寸法は継手軸の直径よりも小さいため、継手軸は切欠開口から抜け出ることなく揺動自在に保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、凹溝に取付ピンを圧入嵌合するタイプのものでは、ブレードが不用意にワイパアームから外れないようにするため、凹溝の入口側の溝幅寸法を小さくする必要がある。しかしながら、入口寸法を小さくすると、ブレードを交換する際に、取付ピンを凹溝に抜き差しする作業が容易にできなくなるという問題がある。さらに、ワイパアームを樹脂材で形成した場合、このような抜き差し作業を繰返し行うと凹溝が摩耗したり破損することも想定される。凹溝が摩滅等すると、もはや使用不能となりワイパ装置全体の交換を余儀なくされ、その改善が望まれていた。
【0006】
一方、回り継手状のものでは摩耗などの問題は少ないが、切欠を形成する分だけ揺動角度が制限される。すなわち、平面部が切欠に揃うとブレードがアームから脱落するおそれがあるため、抜け出ない位置でしか揺動運動させることができない。この場合、揺動角度を大きく取るためには、切欠を小さくする必要があるが、切欠寸法は、継手軸径と取付部の内径とで決まるため、その自由度は少なく、揺動角度の制約を甘受せざるを得なかった。
【0007】
本発明の目的は、ワイパアームの揺動角度を拡大し得るワイパ装置におけるブレード取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイパ装置におけるブレード取付構造は、ワイパアームの先端部に設けた取付溝に、窓面を払拭するためのブレードに設けられた連結軸を着脱自在かつ回動自在に支持してなるワイパ装置におけるブレード取付構造であって、前記取付溝は、大径な溝奥部と前記溝奥部よりも幅狭な溝入口部とを有し、前記連結軸は、前記ブレードに設けられた固定軸に回動自在に外嵌され、前記固定軸回りの回動に伴い、前記溝入口部から抜け止めされる連結姿勢と前記溝入口部から出入り自在な着脱姿勢とに姿勢が変化する円筒摺動部を有し、前記円筒摺動部は、前記固定軸が挿通する内径部と、前記内径部に対して偏心形成された外径部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、内径部と外径部の偏心量対応分だけ取付溝の溝入口寸法を小さく設定することができる。従って、取付溝の内周面の距離をより長く設定することが可能となり、ブレードがワイパアームから脱落することなく揺動可能な角度をより大きくとることができる。これにより、追従性に優れ安定した払拭動作を行い得るワイパ装置を提供することが可能となる。
【0010】
一方、前記発明において、前記円筒摺動部の前記外径部に弦状の面取部を形成し、前記面取部により、前記外径部に大径部と小径部を形成しても良い。この場合、前記円筒摺動部を前記固定軸回りで回動させ、前記円筒摺動部の前記小径部を前記溝入口部に出入り自在な位置に配設して前記着脱姿勢を構成し、前記大径部を前記溝奥部に嵌合させると共に前記小径部が前記溝入口部に対向する位置に配設して抜け止めすることで前記連結姿勢を構成しても良い。
【0011】
また、前記大径部を前記取付溝の溝奥部と略同径に形成し、前記小径部を前記取付溝の溝入口部と略同寸に形成しても良い。なお、この場合の略同径、略同寸とは、同一寸法若しくはそれよりも若干小さい寸法(例えば、マイナス10%程度)を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態であるワイパブレード取付構造を適用したワイパ装置の全体正面図、図2は本発明の一実施の形態であるワイパブレード取付構造の要部正面図、図3は同要部平面図である。
【0013】
図1において、符号1は合成樹脂製のワイパアームである。ワイパアーム1は、その基端部が車両本体に設けられたピボット軸Pの上部に固定され、ピボット軸Pの正逆回転に伴い往復の払拭揺動を行う。ワイパアーム1の先端部には、ブレード2が連結軸Jに対して回動自在、かつ着脱自在に取付られて(支持されて)いる。
【0014】
ワイパアーム1の先端部には、図3に示すように、下側(ブレード2側)が開口した取付溝3が設けられている。この取付溝3は、下側ほどアーム先端側(図中左側)に傾斜する状態で形成されている。取付溝3の溝奥側は溝奥部3aとなっており、直径Rの内円筒状に形成されている。また、溝奥部3aに続く内周の一方側(アーム先端側)は、第1溝辺3bとなっている。この第1溝辺3bは、溝奥部3aからアーム先端側に傾斜する形で、溝奥部3aの接線に一致するようにして直線状に形成されている。これに対し、他方側(アーム基端側)は第2溝辺3cとなっている。この第2溝辺は、第1溝辺3bの傾斜方向に沿う接線位置を越えて、先端側に位置ズレするように形成される。これにより、溝入口部3dの溝幅Sが前記径Rより小さい設定(R>S)となり、取付溝3は側面視において蟻溝形状となる。
【0015】
一方、ブレード2は、合成樹脂製のプライマリーレバー4、セカンダリーレバー5、そしてブレートラバー6等の部材を用いて構成されている。プライマリーレバー4の長手方向中央部には、周囲を囲綾する状態で形成された取付ブラケット7が固定されている。この取付ブラケット7には、左右の取付壁7aが形成されている。取付壁7aの間には、取付溝溝奥部3aの径Rより小径(径X<R)に設定された円柱状の固定軸8が固着されている。なお、図1には示されていないが、プライマリーレバー4やセカンダリーレバー5をゴム製のカバー等にて覆った耐雪仕様のブレードにも本発明は適用可能である。
【0016】
また、固定軸8には、固定軸8と共に連結軸Jを構成するスペーサ9が組み込まれている。スペーサ9は合成樹脂材で形成され、レバー部9aと円筒摺動部9bとを備えている。図4(a)はスペーサ9の正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。
【0017】
レバー部9aは、取付ブラケット7の少なくとも一方の取付壁7aに隣接して設けられる。レバー部9aの基端部には、円筒形状の円筒摺動部9bが突出形成されており、固定軸8が軸回り方向に摺動自在に内嵌されている。円筒摺動部9bには、固定軸8が挿通される内径部9gと、スペーサ9を取付溝3に挿入したとき取付溝溝奥部3aと嵌合する外径部9hとを有する。内径部9gは、固定軸8の径(外径)Xと同径の内径Xに設定され、外径部9hは、取付溝溝奥部3aの径(内径)Rと同径の外径Rに設定されている。
【0018】
また、スペーサ9は、固定軸8と円筒摺動部9bとの摺動部を回動支点として回動(摺動)する。すなわち、スペーサ9は、レバー部9aの先端が取付ブラケット7に対して起立状に突出する起立姿勢と、取付ブラケット7に収容される倒伏姿勢との間を揺動変姿自在に構成されている。これにより、連結軸Jは、溝入口部3dから抜け止めされる連結姿勢と、溝入口部3dから出入り自在な着脱姿勢とに姿勢が変化する。
【0019】
ここで、当該実施の形態におけるスペーサ9では、円筒摺動部9bの内径と外形とが偏心形成されている。図5は取付溝3と連結軸Jとの連結状態を示す説明図である。当該スペーサ9では、図5に示すように、内径部9gの中心は中心線O1上に位置し、外径部9gの中心は中心線O2上に位置しており、両者の間には偏心量eが存在する。
【0020】
この場合、円筒摺動部9bの内外径の中心を一致させると、図5において一点鎖線Mにて示したように円筒摺動部9bの外形が存在する。そして、これに対応して、取付溝3の第2溝辺3cもまた、円筒摺動部9bが通過できるように一点鎖線Mのように形成される。ところが、当該スペーサ9では、円筒摺動部9bの内外径が偏心形成されているため、図5に破線にて示したように、偏心量eの分だけ円筒摺動部9bの外形が図中左に寄っている。このため、第2溝辺3cの偏心量e分だけさらに内側に張り出すことが可能となる。
【0021】
すなわち、当該取付構造では、取付溝3の内周面の距離をより長く設定することが可能となる。従って、ブレード2がワイパアーム1から脱落することなく揺動可能な角度をより大きくとることができ、摺面距離の増加により安定した追従性にも優れるワイパ装置を提供することが可能となる。
【0022】
一方、円筒摺動部9bには、固定軸8の径Xよりも幅狭寸法Y(X>Y)に形成された開口9cが切欠き形成されている。開口9cは、その両端縁9d同士を結ぶ仮想直線L(図4(a)参照)に固定軸8の外周が略接する位置設定になっている。なお、ここで略接とは、仮想直線Lと固定軸8の外周が丁度接しても良いし仮想直線Lから許される範囲で多少出没しても良いことを意味する。
【0023】
このように、固定軸8の外周が開口9cの仮想直線Lと略接する構成としたことにより、固定軸8は円筒摺動部9bから容易に抜け出すことがない。従って、固定軸8には、スペーサが抜け止め状に組み付けられる。また、スペーサ9をこのように固定軸8に取り付けることで、連結軸Jの外周には、円筒摺動部9bの開口9cに基づき実質的に弦状の面取部9eが形成された状態となる。これにより、連結軸Jには、外径Rを有する大径部と、面取部9eにおける外径、即ち仮想直線Lに直交しかつ固定軸8軸心を通過する小径部とが形成される。
【0024】
この場合、小径部は、取付溝3の溝入口部3dの溝幅Sに略一致するか、これよりも小さい径T(T≦S)となるように寸法設定されている。なお、仮想直線Lと固定軸8の外周とが丁度接する構成、あるいは固定軸8の外周の方が僅かに突出する構成の場合には、小さい径(小径部寸法)Tは、一点鎖線Mの場合に比して偏心量分だけ少ない「T={(R+X)/2}−e」となる(なお、T≦S)。そして、本発明によれば、前記小径部が、前述のように一点鎖線Mに示した偏心なしの場合に比してeだけ小さくなるため、その分溝幅Sを小さく設定でき、取付溝3の周面距離を増加させることができる。
【0025】
連結軸Jは、レバー部9aを倒伏姿勢にした場合には開口9c(面取部9e)が取付溝3の溝入口部3d側を向くように設定されている。また、起立姿勢にした場合には開口9cが取付溝3の第1溝辺3bと対向する側に向くように設定されている。
【0026】
さらに、レバー部9aには、円筒摺動部9bの筒穴および開口9cに連続する状態の貫通孔が形成されている。また、レバー部9aには、ガイド溝9fが前記貫通孔に連続する状態で形成されており、レバー部9aが倒伏姿勢のとき、このガイド溝9fは、取付溝3と同じ方向を向く形となる。ガイド溝9fの溝幅は下端(レバー部9aが倒伏姿勢状態のときブレード2側)に至るほど広くなるように設定されている。
【0027】
スペーサ9は、ワイパアーム1に取り付けられる前のブレード2に予め組込まれる。そこではまず、固定軸8にガイド溝9fの溝端部をあてがい、この状態からレバー部9aを押し下げる。そして、円筒摺動部9bを固定軸8に無理嵌め状に嵌め込む。これにより、スペーサ9は固定軸8に対して外径方向に抜け止めされた状態で組み込まれ、外周にDカット状の面取部9eを備えた連結軸Jが形成される。
【0028】
次に、前述のような取付溝3を有するワイパアーム1に、スペーサ9を用いてブレード2を着脱する手順について説明する。図5〜図7は、取付溝と連結軸との連結状態を示す説明図である。まず、ブレード2を装着する場合、ブレード2の固定軸8に予めスペーサ9を組込み、外周に面取部9eが形成された連結軸Jを形成しておく。そして、スペーサ9のレバー部9aを起立姿勢として面取部9e(円筒摺動部9bの開口9c)が取付溝3の第1溝辺3b側を向くようにセットする。そして、図5に示すように、連結軸Jを取付溝3の溝入口部3dに近接させ挿入する。
【0029】
この際、ブレード2は、取付溝3の形状から、図5において右下側を下げた形で、ワイパアーム1に近接される。このため、固定軸8を中心として回動自在に設けられたスペーサ9が、自重により図5において時計方向に回動してしまうおそれがある。スペーサ9がこのように回動してしまうと、連結軸Jの向きが変わってしまい、それを取付溝3に挿入することができなくなる。従って、その位置を再度調整した後、改めて挿入作業をやり直さなければならないことになる。
【0030】
そこで、本実施の形態のスペーサ9では、図4,5に示すように、スペーサ9の回動を制限する半球状のストッパ10が設けられている。このストッパ10は、図4に示すように、レバー部9aの側面に突設されており、スペーサ9を起立姿勢にしたとき、一方の取付壁7aの上縁に当接するようになっている。すなわち、スペーサ9を起立位置とすると、このストッパ10によりスペーサ9がさらに時計方向には回動するのが阻止される。このため、ブレード2の右下側を下げた状態としても、スペーサ9が起立した図5の状態を維持できる。従って、ブレード2取り付けの度に、スペーサ9を押さえつつ作業したり、起立位置に戻したりする必要がなく、作業能率の改善が図られる。
【0031】
一方、連結軸Jを取付溝3に挿入するに際しては、連結軸Jの面取部9eと直線状の取付溝第1溝辺3bとを対向させる。すなわち、円筒摺動部9bを着脱姿勢に設定する。この状態では、連結軸Jは小さい径Tを有した小径部が、小さい径Tと一致するか、それよりも大きい溝幅Sを有した溝入口部3dに対向する。そして、連結軸Jを第1溝辺3bに沿って挿入し(図6の仮想線(二点鎖線)で示される位置)、ワイパアーム1の基端側に向けて位置ずれさせながら挿入する。
【0032】
その後、図6に実線で示すように、連結軸Jを取付溝3の奥まで挿入し、円筒摺動部9bを溝奥部3aに嵌合させる。このように、当該ブレード2では、レバー部9aを起立姿勢として取付溝3に挿入するだけ(差し込むだけ)の操作で連結軸Jを溝奥部3aに嵌合できる。
【0033】
このようにして連結軸Jを取付溝3に挿入した後、この状態でレバー部9aを略90度回転させて倒伏姿勢とする。これにより、円筒摺動部9bは連結姿勢に設定される。スペーサ9を回転させ取付ブラケット7に収納すると、図7に破線にて示したように、連結軸Jは面取部9eが溝入口部3d側を向く状態となる。この状態となると、連結軸Jは取付溝3から抜け止めされ、ブレード2がワイパアーム1に対して揺動自在に連結される。
【0034】
なお、当該スペーサ9では、図4に示すように、レバー部9aの先端にフック11が設けられており、スペーサ9を倒伏姿勢とすると、レバー部9aはブレード2の先端部に固定される。すなわち、倒伏位置では、フック11がワイパアーム1の先端部に形成される図示しない係合部に引っ掛かるようになっている。このため、一旦、スペーサ9を倒伏姿勢とすると、フック11の作用により、レバー部9aが容易には起立位置に戻らないようになっている。そしてこれにより、スペーサ9が不用意に起立位置に戻り、ブレード2がワイパアーム1から脱落し易い状態となるのを防止している。
【0035】
ところで、当該スペーサ9は、前述のように円筒摺動部9bの外内径が偏心して形成されている。このため、スペーサ9を図7に二点差線にて示した起立姿勢から、実線にて示した倒伏姿勢に回転させると、円筒摺動部9bがカムとして働きブレード2がワイパーアーム1側に引き寄せられる。図8は、円筒摺動部9bのカム作用を示す説明図であり、(a)は起立状態、(b)は倒伏状態の円筒摺動部9bの様子を示している。
【0036】
この場合、図8において、円筒摺動部9bの外周は溝奥部3aに沿って回転する。つまり、円筒摺動部9bは、その中心が一定の位置(O2)からずれることなく回転する。一方、円筒摺動部9b内周および固定軸8は偏心状態にて回転し、図8に示すように、固定軸8は図(a)から図(b)の状態へとその中心位置(O1)が2eだけ上に移動する。すなわち、ブレード2が図7において、寸法2e分、上方に移動し、ブレード2とワイパアーム1がより近接する形となる。
【0037】
従って、組み付け時にはブレード2とワイパアーム1との間の距離に余裕を持たせて組み付け性を確保しつつ、組み付け後には両者の密着性を高めることができる。このため、組み付け性を損なうことなく、ブレード2とワイパアーム1の一体性を向上させることができ、結合部分の強度や外観の向上が図られる。また、ブレード2とワイパアーム1との間の隙間を小さくするよう設定でき、耐雪性の点においても有利となる。
【0038】
このように連結軸Jを取付溝3に嵌合させスペーサ9を倒すことにより、スペーサ9は、ワイパアーム1側(取付溝3側)に一体化される。そして、当該ワイパ装置では、この状態でブレード2によって窓面の払拭作動がなされる。このとき、窓面は曲面となっているため、ブレード2はワイパアーム1に対して微妙に揺動しながら払拭する。すなわち、取付溝3と連結軸Jとの連結部は、ブレード2の曲面通過に応じて円滑に摺動できることが要求され、そのためには互いの接触面積を大きく確保することが必要となる。この点、本発明によるワイパブレード取付構造では、前述のように、偏心対応分だけ取付溝3の内周面を延長させることができ、より安定した払拭動作を確保することが可能となる。
【0039】
なお、面取部9eが溝入口部3dに対向する状態は、固定軸8と円筒摺動部9bとの連結部が溝入口部3dの開口部に対向する状態となることでもある。しかしながら、前述のように、固定軸8と円筒摺動部9bとは抜け止め状に無理嵌めして組込まれている。また、円筒摺動部9bの外周は取付溝3の内周面にて囲繞されている。従って、この状態で開口9cが開き固定軸8が円筒摺動部9bから脱落することはなく、ワイパアーム1とブレード2とが容易に外れてしまうこともない。
【0040】
また、ワイパアーム1は図示しない付勢弾機により窓面側に向けて付勢されている。この場合、本実施の形態では、取付溝3の溝形状が、レバー部9aを倒伏姿勢としたときに面取部9eが溝入口部3dに対向するよう設定されている。このため、付勢弾機によって固定軸8が窓面側から受ける押圧力は、開口9c側に作用することがない(反開口側に作用する)。すなわち、付勢弾機による力も固定軸8を開口9cから押し出す方向には作用せず、これによりブレード2がワイパアーム1から外れてしまうことはない。
【0041】
一方、連結状態のブレード2をワイパアーム1から取り外す場合は、次のような操作を行う。まず、スペーサ9のフック11の係合を解除し、倒伏姿勢のレバー部9aを起立姿勢とする。これにより、連結軸Jの面取部9eは取付溝3の第1溝辺3bに対向し、連結軸Jの小さな径Tの小径部が溝入口部3dに対向する着脱姿勢となる。この状態でブレード2の連結軸Jをワイパアーム1の先端側に位置ずれさせつつ引き出す。これにより、連結軸Jと取付溝3との連結が解除され、ブレード2をワイパアーム1から取り外すことができる。
【0042】
このようにワイパアーム1にブレード2を着脱するには、スペーサ9のレバー部9aを起立姿勢として、単にブレード2を挿入、抜き出しするだけで容易に行うことができる。このため、ブレード2の取替え作業の作業性を向上できる。また、単に抜き差しするだけの動作のため、取付溝3や連結軸Jに嵌合負荷を作用させることがなくブレード2の着脱ができる。従って、合成樹脂製のワイパアーム1であっても、取付溝3が摩耗してしまうような不具合もなく、製品の耐久性を向上させ、信頼性の高いものにできる。
【0043】
なお、ワイパアーム1に対してブレード2を反時計回り方向に略90度回動させると、面取部9eが第1溝辺3bに対向し、連結軸Jが取付溝3から抜け易くなる。しかしながら、ブレード2の反時計回り方向への揺動は、ブレード2側のプライマリーレバー4がワイパアーム1に当接することで略90度の揺動は規制されている。従って、例えば車両の洗浄時にワイパアーム1を窓面に沿う状態から起立させブレード2を揺動させたような場合でも、不用意にワイパアーム1から外れてしまうような不具合を確実に防止できる。しかも、ブレード2の時計回り方向への揺動では、ブレード2がワイパアーム1から外れることはない。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0045】
たとえば、本実施の形態のスペーサ9では、その回動を制限するために、半球状のストッパ10が設けられているが、レバー部9aの側面に突片状のストッパ12を突設しても良い。図9は、このようなストッパの変形例を示す説明図である。このストッパ12は、スペーサ9を起立姿勢にしたとき、取付壁7aの上縁に、ストッパ12の図9(a)において右端面が当接するようになっており、スペーサ9が起立位置からさらに時計方向に回動するのを防止している。
【0046】
【発明の効果】
本発明のブレード取付構造によれば、円筒摺動部の外径部を内径部に対して偏心形成したので、この偏心量に対応する分だけ取付溝の溝入口寸法を小さく設定することができる。従って、取付溝の内周面の距離をより長く設定することが可能となり、ブレードの揺動可能な角度をより大きくとることができる。これにより、ブレードの追従性や払拭動作の安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワイパブレード取付構造を適用したワイパ装置の全体正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるワイパブレード取付構造の要部正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるワイパブレード取付構造の要部平面図である。
【図4】スペーサの構成を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。
【図5】取付溝と連結軸との連結状態を示す説明図である。
【図6】取付溝と連結軸との連結状態を示す説明図である。
【図7】取付溝と連結軸との連結状態を示す説明図である。
【図8】円筒摺動部のカム作用を示す説明図であり、(a)は起立状態、(b)は倒伏状態の円筒摺動部の様子を示している。
【図9】ストッパの一変形例を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。
【符号の説明】
1 ワイパアーム
2 ブレード
3 取付溝
3a 溝奥部
3b 第1溝辺
3c 第2溝辺
3d 溝入口部
4 プライマリーレバー
5 セカンダリーレバー
6 ブレートラバー
7 取付ブラケット
7a 取付辺
8 固定軸
9 スペーサ
9a レバー部
9b 円筒摺動部
9c 開口
9d 両端縁
9e 面取部
9f ガイド溝
9g 内径部
9h 外径部
10 ストッパ
11 フック
12 ストッパ
J 連結軸
L 仮想直線
M 一点鎖線
1 中心線
2 中心線
P ピボット軸
R 円筒摺動部の外径、溝奥部の内径
S 溝幅
T 小さい径
X 固定軸の外径、円筒摺動部の内径
Y 開口寸法
e 偏心量

Claims (4)

  1. ワイパアームの先端部に設けた取付溝に、窓面を払拭するためのブレードに設けられた連結軸を着脱自在かつ回動自在に支持してなるワイパ装置におけるブレード取付構造であって、
    前記取付溝は、大径な溝奥部と前記溝奥部よりも幅狭な溝入口部とを有し、
    前記連結軸は、前記ブレードに設けられた固定軸に回動自在に外嵌され、前記固定軸回りの回動に伴い、前記溝入口部から抜け止めされる連結姿勢と前記溝入口部から出入り自在な着脱姿勢とに姿勢が変化する円筒摺動部を有し、
    前記円筒摺動部は、前記固定軸が挿通する内径部と、前記内径部に対して偏心形成された外径部とを有することを特徴とするワイパ装置におけるブレード取付構造。
  2. 請求項1記載のワイパ装置におけるブレード取付構造において、前記円筒摺動部の前記外径部は弦状の面取部を有し、前記面取部により前記外径部に大径部と小径部が形成されることを特徴とするワイパ装置におけるブレード取付構造。
  3. 請求項2記載のワイパ装置におけるブレード取付構造において、前記着脱姿勢では、前記円筒摺動部の前記小径部が前記溝入口部に出入り自在な位置に配設され、前記連結姿勢では、前記大径部が前記溝奥部と嵌合し前記小径部が前記溝入口部に対向する位置に配設されることを特徴とするワイパ装置におけるブレード取付構造。
  4. 請求項2または3記載のワイパ装置におけるブレード取付構造において、前記大径部は前記取付溝の溝奥部と略同径に形成され、前記小径部は前記取付溝の溝入口部と略同寸に形成されることを特徴とするワイパ装置におけるブレード取付構造。
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