JP4502087B2 - 断熱発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビルの屋上に使用される有機樹脂発泡ボードの断熱発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン樹脂やフェノール樹脂等の有機樹脂発泡体は、軽量にして、断熱性や施工性に優れているため、一般家屋やビルディングなどの建築材料として大量に使用されている。これらの有機樹脂発泡断熱体には、その目的に応じて種々の性能の表面材が適用されている。例えば、クラフトパルプ紙、炭酸カルシウム内添紙等は一般的な壁の断熱発泡体用表面材として、また、難燃剤処理パルプ紙、水酸化アルミニウム内添紙等は難燃発泡体用表面材として使用されている。
【0003】
ところが、これらの表面材は天然パルプを主体としているため、有機発泡樹脂の漏れがなく生産性は良好であるが、パルプの吸湿性により発泡体のセル荒れを生じたり、周囲環境によりボードに反りや歪みが発生しやすく、これらは施工現場におけるトラブルとなっている。
【0004】
このため、最近、特に寸法安定性が要求される用途については、ガラス繊維を主体にした混抄紙を表面材として使用することが多くなってきた。しかし、通常、ガラス繊維混抄紙は空隙が多いため、そのままでは有機発泡樹脂が洩れやすく使用が困難である。そこで、有機発泡樹脂の漏れを防ぐ方法として、例えば特開平1−198336号公報に示されているように、空隙をコンパウンド塗布によって目詰めする方法が提案されている。また、有機発泡樹脂を塗布する面にポリエチレン樹脂ラミネート加工を施して漏れを防ぐ方法、あるいは特開平9−310284号公報のように、フッ素系撥水撥油剤を含浸させることによって、ガラス混抄紙の有機発泡樹脂液の浸透性を調節する方法等が検討されている。しかしながら、これらの方法では下記のような問題点があり、まだ実用性ある性能を得難いものであった。
【0005】
すなわち、コンパウンドによる目詰め方法ではコンパウンドと発泡体の接着性が悪く表面材と発泡体が剥離しやすいという問題があり、また、ポリエチレン樹脂ラミネート法では、屋上断熱用途の場合、施工の際のアスファルトの熱により発生するガスが外部に逃げないために表面に膨れが発生しやすく、均質な施工ができないという問題があった。更に、フッ素系撥水撥油剤を含浸する方法ではフッ素系撥水撥油剤が経時劣化するために防水性等の性能を長期間維持することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術の問題点をいずれも解決し、有機樹脂発泡体の製造中において樹脂漏れによる製造ラインの汚染がなく、シート状表面材との接着性が良好であり、更にアスファルトとの接着性も良好で、長期的に安定なシート状表面材を用いて製造された有機樹脂発泡ボードの断熱発泡体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、シート状表面材が、ガラス繊維と天然パルプを含有するシート基材の片面に合成樹脂含浸層を形成し、前記シート基材の合成樹脂を含浸していない面上に、熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層を形成することによって、前記合成樹脂含浸層と熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層を前記シート基材を介在して離れたものであり、さらに前記シート状表面材の前記合成樹脂含浸層の形成面に有機発泡樹脂を塗布・発泡して製造することによって、上記課題を解決した。
【0008】
即ち、本発明では、合成樹脂含浸層を、シート基材片面に塗布された合成樹脂がシート基材の片面側にのみ含浸し、シート基材の他面には合成樹脂が含浸していない状態に形成することを特徴とするものであり、シート基材の他面に形成される熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層は、合成樹脂含浸層とは異なり塗布された熱可塑性ゴム化アスファルトがシート基材中には少量しか含浸されず、その大半が表面に薄い層を形成するため、合成樹脂含浸層と熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層が、樹脂含浸されていないシート基材を介在して離れたものとなっている。
【0009】
このような構造を有する本発明のシート状表面材では、発泡体製造中の樹脂漏れがなく、しかも、施工の際のアスファルトとの接着性が良好で、かつ防湿性、寸法安定性に優れたものとなる。さらに、有機発泡樹脂が合成樹脂含浸層から浸透した場合にも、熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層との直接的な接触がなく、セル荒れのない均一な発泡体を得ることが可能となる。
【0010】
本発明におけるシート基材とは、ガラス繊維と天然パルプを含む繊維ウエブであり、長網式抄紙機や傾斜式抄紙機等の一般的な不織布用抄紙機で湿式抄造して得ることができる。
【0011】
本発明に使用するガラス繊維の繊維径は6〜10μmであるのが好ましい。繊維径6μm未満では繊維単体の剛性が弱く表面材としてのシート基材の強度が不足し、逆に、繊維径10μmを越えると人体への刺激性が大きくなり好ましくない。
【0012】
次に、本発明に使用する天然パルプは、ガラス繊維と混抄できるものであればよく、一般的な天然パルプは全て使用できる。また、シート基材の目詰め性の点からフィブリル化の進んだものを使用するのが良いが、天然パルプの場合、機械的に高叩解度にすると吸湿による寸法収縮が大きくなるため好ましくない。そのため、機械的に叩解した天然パルプを使用する場合には叩解度がカナディアンフリーネスで400〜600ccの範囲であることが必要である。さらに、広葉樹系クラフトパルプ(LBKP)等のように短く細い繊維であれば、未叩解でも良好な目詰め性を発揮するので本発明で使用される天然パルプとして最適である。天然パルプの配合量はガラス繊維の配合量の0.2倍以上、1.5倍未満であるのが好ましい。これは、天然パルプの配合量がガラス繊維の配合量の1.5倍以上になると寸法安定性が著しく低下し、また吸湿も多くなるため表面材としての性能が低下するからであり、また、天然パルプの配合量がガラス繊維の配合量の0.2倍以上含有されていないと充分な目詰め性を発揮しないからである。
【0013】
本発明において、シート基材には、必要に応じて無機充填剤を配合することができる。無機充填剤はシート基材の空隙を小さくする目的で配合されるものであり、製紙用の一般的な填料であれば全て使用できる。例えば、カオリンクレー、炭酸カルシウム、タルク等が用いられる。また、無機充填剤の配合量はあまり多いと、シート基材の強度の低下、表面不良、合成樹脂の含浸不良などの性能低下を起こすため、好適にはシート基材の重量に対して1〜30重量%の範囲にすることが必要である。
【0014】
更に、シート基材には、必要に応じて有機結合剤を配合することもできる。有機結合剤は、シート基材に後工程で合成樹脂エマルジョンを塗布含浸可能な強度を付与することを目的として配合されるため、耐水性のよいものが好ましく、代表的にものとしては、例えばスチレン・ブタジエンゴム、アクリル酸エステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、有機結合剤の配合量は、シート基材の重量に対して1〜15重量%であるのが好ましい。
【0015】
次に、合成樹脂含浸層を形成する合成樹脂としては、例えば、合成樹脂エマルジョンとしてスチレン・ブタジエン系ゴム(SBR)、アクリルニトリル・ブタジエン系ゴム(NBR)、アクリル酸エステル系樹脂等の合成樹脂エマルジョンを使用するのが好ましく、これら合成樹脂エマルジョンの中でもガラス転移点30℃以下のものを使用するのが特に好ましい。なぜなら、ガラス転移点が30℃を越えると合成樹脂含浸層が硬くなり過ぎ、有機発泡樹脂との接着性が低下し、シート基材が剥離することがあるため、好ましくない。
【0016】
また、合成樹脂の付着量は、固形分で20g/m2 以上であるのが好ましく、30g/m2 以上であるのがより好ましい。20g/m2 未満の付着量では、有機樹脂発泡体の製造中において、樹脂が洩れやすく、製造ラインを汚染する危険性がある。
【0017】
更に、合成樹脂含浸層および熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層がシート基材を介在して離れたものとなるためには、前述のように合成樹脂をシート基材の片面側にのみ含浸させ、シート基材の他面側は、合成樹脂が含浸されない状態で存在するようにしなければならない。このような状態を作り出すには、合成樹脂エマルジョンの塗布量及び塗布圧を微妙にコントロールしてシート基材に塗布しなければならない。そのため、合成樹脂エマルジョンの塗布方法としては、キスコーターやリバースロールコーター等を使用する方法が好ましい。
【0018】
本発明のシート状表面材には、熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層が形成されるが、これは、屋上断熱施工時のように、塗布アスファルトの熱により発泡体から二次ガスが発生しても、この被覆層のアスファルトが溶融して、発生ガスを外部に逃がして断熱材表面に膨れを生じないようにするためである。
【0019】
かかる熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層の形成には、シート基材への塗布性を考慮してエマルジョンタイプのものを使用することが好ましい。この熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンはストレートアスファルトに熱可塑性エラストマーとスチレン・ブタジエン系ゴム(SBR)やアクリル樹脂等の合成ゴムを配合しエマルジョン化させたものであり、改質アスファルトとして一般的に使用されているものである。
【0020】
熱可塑性ゴム化アスファルトのシート基材表面への付着量は、固形分で30g/m2 以下であるのが好ましく、20g/m2 以下であるのがより好ましい。付着量が30g/m2 を越えると粘着性が強くなるため、有機樹脂発泡体の製造中に、製造ラインを汚染する危険性があり、好ましくない。更に、前述のように、合成樹脂含浸層および熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層がシート基材を介在して離れたものとなるためには、大半の熱可塑性ゴム化アスファルトがシート基材の表面に存在するようにする必要がある。そのため、熱可塑性アスファルトエマルジョンは、シート基材の表面に薄く塗布する必要があり、ナイフコーター、ブレードコーターおよびキャストコーター等の塗布圧を低くできる方法で塗布するのが好ましい。
【0021】
前記のように、本発明のシート状表面材はガラス繊維および天然パルプを含有するシート基材の片面に合成樹脂を半含浸させ、他面を熱可塑性ゴム化アスファルトで被覆することによって、合成樹脂含浸層と熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層の間にシート基材の層を有する3層構造に形成されている。このような構成からなる本発明のシート状表面材は、下記の点で良好な性能を有するようになる。
【0022】
本発明のシート状表面材を用いて発泡体を製造する場合、合成樹脂含浸層面に有機発泡樹脂を塗布・発泡させることにより、有機発泡樹脂が合成樹脂含浸層より浸透してもシート基材の層でその浸透が止められ、熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層に直接接触することがない。従って、有機発泡樹脂が表面材から漏れ出て製造ラインを汚染することはなく、また発泡体がセル荒れを起こすこともない。
【0023】
更に、前述したように、本発明のシート状表面材の合成樹脂含浸層にガラス転移点が30℃以下の樹脂を使用すると、有機発泡樹脂との接着性が従来のものと比べて飛躍的に向上し、発泡体と基材シートとの剥離性が問題になることがない。
【0024】
本発明のシート状表面材は、片面が熱可塑性ゴム化アスファルト層で被覆されているため、表面からの吸湿が少なく寸法安定性が良好となる。また、屋上断熱用途において施工時に熱可塑性ゴム化アスファルト被覆面に熱アスファルトを塗布できるので塗布アスファルトと表面材の接着性も良好である。更に、前述したように、本発明のシート状表面材では被覆されているアスファルトが熱可塑性ゴム化アスファルトであるので、施工時の塗布アスファルトの熱により溶融しやすく、発泡体から発生するガスが熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層を通じて外部に逃げやすく、表面に膨れが発生しない。
【0025】
なお、本発明のシート状表面材は撥水撥油剤等の経時劣化しやすいポリマーを使用していないため、長期的に安定して使用できる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、実施例、比較例、従来例における重量%、付着量および坪量は全て乾燥重量を意味する。
【0027】
実施例1
図1のシート状表面材1を、次の方法で製造した。
まず、繊維径7μm、繊維長13mmのガラス繊維60重量%、LBKP30重量%、アクリル酸エステル樹脂10重量%からなる繊維ウェブを長網式抄紙機にて湿式抄造し、坪量60g/m2 のシート基材2を得た。このシート基材2の片面にガラス転移点0℃のアクリル酸エステル樹脂エマルジョンをキスコート法にて45g/m2 塗布・含浸後、乾燥して、シート基材2の片面側に合成樹脂含浸層3を形成した。その後、シート基材2の他面に、アクリル系熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンをキャストコート法にて15g/m2 塗布・乾燥して、図1に示す如く、シート基材2の合成樹脂を含浸していない面に、熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層4を形成した。このシート状表面材1は、合成樹脂含浸層3と熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層4がシート基材2(合成樹脂が含浸されていない部分)を介在して離れたものとなっていることにより、3層構造をなすもので、厚さ0.27mm、坪量120g/m2 であった。
【0028】
実施例2
図1と同様のシート状表面材1を、次の方法で製造した。
繊維径9μm、繊維長13mmのガラス繊維40重量%、LBKP30重量%、カオリンクレー20重量%、アクリル酸エステル樹脂10重量%からなる繊維ウェブを傾斜式抄紙機にて抄造し、坪量65g/m2 のシート基材2を得た。このシート基材2の片面にガラス転移点10℃のスチレン・ブタジエンゴム(SBR)系樹脂エマルジョンをリバースロール法にて35g/m2 塗布含浸し乾燥した後、シート基材2の他面にスチレン・ブタジエン(SB)系熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンをキャストコート法にて10g/m2 塗布し、乾燥して、合成樹脂含浸層3と熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層4がシート基材2(合成樹脂が含浸されていない部分)を介在して離れたものとなっていることにより、3層構造をなす、厚さ0.28mm、坪量110g/m2 のシート状表面材1を得た。
【0029】
比較例1
実施例2で用いた坪量65g/m2 のシート基材の片面にガラス転移点40℃のSBRエマルジョンをリバースロール法にて35g/m2 塗布含浸し乾燥した後、シート基材の他面にスチレン・ブタジエン(SB)系熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンをロッドコート法にてSBR含浸層に浸透するまで塗布含浸した後、乾燥して、シート基材がSBRと熱可塑性ゴム化アスファルトで含浸された厚さ0.30mm、坪量140g/m2 の2層構造からなるシート状表面材を得た。
このシート状表面材は、目詰りは良いが粘着性の強いものであった。なお、スチレン・ブタジエン(SB)系熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンの付着量は40g/m2 であった。
【0030】
比較例2
実施例2で用いた坪量65g/m2 のシート基材の片面からガラス転移点40℃のSBRエマルジョンをリバースロール法にて他面に到達するまで塗布含浸した後乾燥して、厚さ0.27mm、坪量110g/m2 の1層構造からなるシート状表面材を得た。
このシート状表面材は他面にピンホールの多いものであった。尚、ガラス転移点40℃のSBRエマルジョンの付着量は45g/m2 であった。
【0031】
上述の実施例及び比較例で得られたシート状表面材の性能評価を、下記の試験によりを行った。
【0032】
試験1─有機発泡樹脂の漏れおよび発泡体のセル荒れ試験─
図2に示す如く、シート状表面材1の合成樹脂含浸層3の面を上にしてボトム用表面材として設置し、2液反応型ウレタン発泡樹脂を上から流し込み、次にその上からもう一枚のシート状表面材を合成樹脂含浸層3の面を下にしてトップ用表面材として重ねた後、加圧発泡成型し、厚さ20mmの板状の発泡体5とした。このようにして得た発泡体5について、トップおよびボトム用表面材1からのウレタン樹脂の漏れ及び発泡体のセル状態を目視にて判定評価した。
【0033】
試験2─発泡体との接着性試験─
有機発泡樹脂の漏れ試験で成型した板状発泡体5において、片面側の表面材1に50mm幅の切り目を付け、板状発泡体5に対して垂直に表面材1を剥離して、その剥離の状態から接着性を目視判定し、下記の3段階の評価をした。
A・・・表面材の層間剥離
B・・・表面材と発泡体との界面剥離
C・・・発泡体の破壊
【0034】
試験3─アスファルトとの接着性試験─
ガラス繊維織布にアスファルトを充分含浸させてガラス繊維織布補強アスファルトシートを作成し、この補強アスファルトシートを有機発泡樹脂の漏れ試験で成型した板状発泡体のトップ面またはボトム面に加熱加圧接着した後、50mm幅に切断し、接着したガラス繊維織布補強アスファルトシートを剥離させたときの状態から、接着性を目視判定し、下記の4段階の評価をした。
A・・・アスファルトシートと表面材との界面で剥離
B・・・表面材の層間剥離
C・・・表面材と発泡体との界面で剥離
D・・・発泡体の破壊
【0035】
試験4─熱アスファルト塗布後の膨れ試験─
有機発泡樹脂の漏れ試験で成型した板状発泡体のトップ面またはボトム面に加熱溶融させておいたアスファルトを厚さが3mm程度になるように塗布し、その後の発泡体上部の状態を目視判定し、下記の3段階の評価をした。
○・・・膨れなし
△・・・僅かに膨れあり
×・・・膨れ有り
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明のシート状表面材は、これを用いてウレタン樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂発泡体を製造しても、樹脂漏れがないため、製造ラインを汚染することがなく、発泡体との良好な接着性を可能とする。更に、本発明のシート状表面材は、片面を熱可塑性ゴム化アスファルトで被覆しているため表面からの吸湿が少なく、寸法安定性が良い。
【0039】
また、屋上断熱用途においてはアスファルトとの接着性も良好である。更に、アスファルト塗布時には被覆している熱可塑性ゴム化アスファルトが溶融して発泡体からの発生ガスが逃げやすいため表面に膨れを発生することがない。
【0040】
また、撥水撥油剤等の経時劣化しやすいポリマーを使用していないため、長期的な安定性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状表面材の断面図
【図2】本発明のシート状表面材を使用した板状ウレタン発泡体の断面図
【符号の説明】
1 表面材
2 シート基材
3 合成樹脂含浸層
4 熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層
5 発泡体
Claims (4)
- ビルの屋上に使用される有機樹脂発泡ボードの断熱発泡体であって、ガラス繊維および天然パルプを含有されているシート基材の片面に合成樹脂含浸層を形成し、且つ、前記シート基材の合成樹脂を含浸していない面上に、熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層を形成することにより、前記合成樹脂含浸層と前記熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層が前記シート基材を介在して離れたものとなっているシート状表面材に対し、さらに前記シート状表面材の前記合成樹脂含浸層の形成面に有機発泡樹脂を塗布・発泡して製造することを特徴とする断熱発泡体。
- 前記合成樹脂がガラス転移点30℃以下の合成樹脂エマルジョンからなり、その付着量が固形分で20g/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載の断熱発泡体。
- 前記熱可塑性ゴム化アスファルトが熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンからなり、その付着量が固形分で30g/m2以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱発泡体。
- ビルの屋上に使用される有機樹脂発泡ボードの断熱発泡体の製造方法であって、ガラス繊維および天然パルプを含有する繊維素材を湿式抄造してなるシート基材の片面に合成樹脂エマルジョンを塗布・乾燥して、前記シート基材の片面側にのみ合成樹脂含浸層を形成し、且つ前記シート基材の他面に熱可塑性ゴム化アスファルトエマルジョンを塗布・乾燥して熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層を形成することにより、前記合成樹脂含浸層と前記熱可塑性ゴム化アスファルト被覆層が前記シート基材を介在して離れたものとなっているシート状表面材に対し、さらに前記シート状表面材の前記合成樹脂含浸層の形成面に有機発泡樹脂を塗布・発泡して製造することを特徴とする断熱発泡体の製造方法。
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