JP4501655B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、鋼板内における磁気特性の偏差が小さい方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板の製造に際しては、インヒビターと呼ばれる析出物を使用して最終仕上焼鈍中にゴス方位粒と呼ばれる{110}<001>方位粒を優先的に二次再結晶させることが、一般的な技術として使用されている。
例えば、特許文献1には、インヒビターとしてAlN,MnSを使用する方法が、また特許文献2には、インヒビターとしてMnS,MnSeを使用する方法がそれぞれ開示され、いずれも工業的に実用化されている。
これらのインヒビターを用いる方法は、安定して二次再結晶粒を発達させる上で有用な方法であるが、析出物を微細に分散させる必要があるため、熱間圧延前におけるスラブ加熱を1300℃以上の高温で行うことが要求される。
しかしながら、スラブの高温加熱は、設備コストが嵩むことの他、熱間圧延時に生成するスケールの量も多大になるため歩留りが低下し、また設備のメンテナンスが煩雑になる等の問題がある。
これに対し、MnS,MnSe,AlN等のインヒビターを利用しないで Texture Inhibition効果を用いて二次再結晶させる技術が新たに開発され、特許文献3において開示された。
この技術は、二次再結晶におけるゴス方位粒の優先的成長の本質的要因は、一次再結晶組織中の高エネルギー粒界の分布状態にあり、インヒビターの役割は、高エネルギー粒界であるゴス方位粒と他の粒界の移動速度差を生じさせることにある、という理論に基づくものである。
すなわち、鋼中に存在する不純物元素は、粒界とくに高エネルギー粒界に偏析し易いため、不純物元素を多く含む場合には、高エネルギー粒界と他の粒界の移動速度に差がなくなっているものと考えられる。従って、素材を高純度化し、上記のような不純物元素の影響を排除することにより、高エネルギー粒界の構造に依存する本来的な移動速度差が顕在化し、ゴス方位粒の二次再結晶が可能になる。
なお、上記した粒界易動度差を利用して安定した二次再結晶を可能とするためには、一次再結晶組織をできる限り均一な粒径分布に保つことが重要である。なぜなら、均一な粒径分布が保たれている場合には、ゴス方位粒以外の結晶粒は粒界移動速度の小さい低エネルギー粒界の頻度が高いために、粒成長が抑制されている状態、すなわちTexture Inhibition効果が効果的に発揮され、粒界移動速度が大きい高エネルギー粒界の頻度が最大であるゴス方位粒の選択的粒成長が促進されて、ゴス方位への二次再結晶が実現するからである。
この点、粒径分布が一様でない場合には、隣接する結晶粒同士の粒径差を駆動力とする正常粒成長が起こる、すなわち粒界の易動速度差と異なる要因で成長可能となる結晶粒が選択されるために、上記したTexture Inhibition効果が発揮されずに、ゴス方位粒の選択的粒成長が起こらなくなる。
さらに、発明者らは、上述したようなインヒビター成分を含有しない素材を用いる場合において、一次再結晶焼鈍後、二次再結晶焼鈍前に、地鉄中のS量を増加させる、いわゆる増硫処理を施すことにより、一層安定して二次再結晶を発現させ得ることを見出し、特許文献4において開示した。
この技術によれば、一次再結晶から二次再結晶までに増硫処理を行うことにより、一次再結晶粒界に偏析するS量が増すため、Goss方位以外の方位粒を囲む粒界の移動がさらに抑制され、その結果、二次再結晶が安定化するものと考えられる。
特公昭40−15644号公報 特公昭51−13469号公報 特開2000−129356号公報 特願2003−152452号明細書
しかしながら、特許文献4に開示の技術を適用した場合、仕上焼鈍後のコイル内における磁気特性の偏差が大きくなる場合が散見された。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、特許文献4に開示の増硫処理を施す場合に懸念された、鋼板内での磁気特性の偏差を効果的に低減した方向性電磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)C:0.08mass%以下、Si:2.0〜8.0mass%およびMn:0.005〜3.0mass%を含み、かつAlを100ppm未満、SおよびSeをそれぞれ50ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延後、熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板とし、ついで脱炭焼鈍後、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
上記焼鈍分離剤中に、硫化物および/または硫酸塩を含有させることにより、仕上焼鈍工程の昇温過程において鋼板に対して増硫処理を施すものとし、その際、コイル最内巻部からコイル径がコイル外径の90%となる位置に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度を、コイル径がコイル外径の90%を超えたところから最外巻部までの位置に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度の50%以上 400%以下の範囲で増加させることにより、昇温過程中 800℃でのコイル内における増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)C:0.08mass%以下、Si:2.0〜8.0mass%およびMn:0.005〜3.0mass%を含み、かつAlを100ppm未満、SおよびSeをそれぞれ50ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延後、熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板とし、ついで脱炭焼鈍後、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
上記焼鈍分離剤中に、硫化物および/または硫酸塩を含有させることにより、仕上焼鈍工程の昇温過程において鋼板に対して増硫処理を施すものとし、その際、700℃から800℃までのコイル滞留時間をt(h)、塗布した硫化物および/または硫酸塩中の硫黄分がすべて鋼板中に侵入したと想定した場合の増硫量をΔS(ppm)としたとき、仕上焼鈍工程の昇温過程における700℃から800℃までの滞留時間を、次式
0.837×exp(0.0177×ΔS)+5≦t≦50
を満足する範囲に制御することにより、昇温過程中 800℃でのコイル内における増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)上記(1)または(2)において、前記増硫処埋による鋼板地鉄中のS濃度の増加量が、2ppm 以上、200 ppm 以下であることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
(4)上記(1),(2)または(3)において、前記焼鈍分離剤中に含有させる硫化物および/または硫酸塩の量が 0.2〜15mass%であることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記鋼スラブが、さらに、Ni:0.005〜1.50mass%、Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜1.50mass%、P:0.0050〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50mass%のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
この発明によれば、インヒビターを用いることなく方向性電磁鋼板を製造する場合に、鋼板内における磁気特性の偏差を大幅に低減した方向性電磁鋼板を得ることができる。
以下、この発明を具体的に説明する。
まず、本発明の解明経緯について説明する。
さて、前述したとおり、発明者らは、前掲特許文献4に記載の技術を用いて方向性電磁鋼板コイルを製造した場合に、鋼板内の磁気特性にばらつきが生じる場合があることの知見を得た。
具体的には、コイルの圧延方向を長手方向としてエプスタイン試験片をコイルの各部で切り出し、SST測定を行ったところ、磁化力:800 A/m時におけるの磁束密度(B8)の最大値と最小値の差ΔB8=Max(B8)−Min(B8)が0.06Tと非常に大きくなる場合があることが判明した。
このような磁気特性の偏差が大きいコイルでは、JIS C 2550に定められた磁気特性試験の値よりも特性が劣る部分が存在するようになるため、トランス等の製品に加工した場合、加工品の特性ばらつきが大きくなってしまう不利が生じる。例えば、ΔB8が0.04T超では、B8平均値が2%以上変動するため、 ΔB8は0.04T以下とすることが好ましく、より好ましくは0.02T以下である。
そこで、発明者らは、かような鋼板内における磁気特性偏差の原因を解明すべく、鋭意検討を行ったところ、仕上焼鈍工程中での増硫量がコイル内の位置で異なることが、その原因であることが判明した。
そこで、次に、発明者らは、かような増硫量のコイル内での偏差を回避すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に示す方法により、所期した目的が有利に達成されることを見出した。
なお、いずれの場合も、焼鈍分離剤中に、硫化物および/または硫酸塩を含有させ、仕上焼鈍工程の昇温過程において鋼板に対して増硫処理を施すことを前提としている。
上記の増硫処理を施した場合、コイル内の外巻部分と、それより内側の中巻から内巻にわたる部分とで、磁気特性の差が生じ易いことが明らかとなった。この原因について調査すべく、焼鈍途中でコイルを炉から取り出して解体したところ、二次再結晶前の段階でコイルの外巻部(特にコイル径がコイル外径の90%を超えたところから最外巻部まで)では、それ以外の部分に比べて、短時間で大きな増硫が生じることが判明した。これにより、コイル内で増硫量の差が大きくなって不均一となり、磁気特性も不均一になったものと考えられる。
しかしながら、この問題は、以下に述べる手段を超すことによって、有利に解消できることが判明した。
a)鋼板に焼鈍分離剤を塗布するに際し、コイルの外巻部、すなわちコイル径がコイル外径の90%を超えたところから最外巻部までの部分の焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度に対して、それよりコイル内側の中巻・内巻部での焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度を所定の量だけ高くする。
b)コイル内で、増硫が不十分となり易い部分、すなわちコイルの中巻・内巻部においても、焼鈍分離剤に添加した硫黄分が鋼板中に侵入して、十分に増硫できるよう、増硫処理に適した温度域での滞留時間を適正な範囲内とする。
上述したa法、b法のいずれかまたは両法を併用することによって、コイル内における増硫量の偏差を効果的に低減することができる。
ここに、コイル内における増硫量の偏差、すなわちコイル内での増硫量の最大値と最小値の差は30ppm以下とすることが肝要である。というのは、このコイル内における増硫量の偏差が30ppmを超えると、仕上焼鈍後における磁気特性B8の最大値と最小値の差ΔB8が0.04T超となってしまい、前述したとおり、トランス等の製品においてB8平均値が2%以上変動するからである。
次に、本発明において、鋼スラブの成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.08mass%以下
Cは、一次再結晶集合組織を改善する上で有用な元素であるが、含有量が0.08mass%を超えると、脱炭焼鈍において磁気時効の起こらない50ppm以下まで低減することが困難になるので、0.08mass%以下に限定した。
Si:2.0〜8.0mass%
Siは、電気抵抗を高めて鉄損の向上に有効に寄与するが、含有量が2.0mass%に満たな いと十分な鉄損低減効果が望めず、一方8.0mass%を超えると加工性が劣化するため、Si量は2.0〜8.0mass%の範囲に限定した。
Mn:0.005〜3.0mass%
Mnは、熱間加工性を良好にするために有用な元素であるが、含有量が0.005mass%未満ではその添加効果に乏しく、一方 3.0mass%を超えると磁束密度の低下を招くので、Mnは0.005〜3.0mass%の範囲に限定した。
Al:100 ppm未満、S,Se:それぞれ50 ppm以下
AlやS,Seが、過剰に存在すると二次再結晶が困難となる。この理由は、スラブ加熱によって粗大化したAlN,MnS,MnSe等が一次再結晶組織を不均一にするためである。従って、Alは100 ppm未満、S,Seはそれぞれ50 ppm以下に限定した。
なお、Nについては、純化焼鈍後にSi窒化物の生成を防止するために、50ppm以下にすることが望ましい。また、O量が50 ppm超になると、粗大な酸化物に起因して二次再結晶が困難になるので、50ppm以下とすることが望ましい。
その他の窒化物形成元素であるTi,Nb,B,Ta,V等についても、それぞれ50ppm以下に低減することが、鉄損の劣化を防ぎ、良好な加工性を確保する上で有効である。
以上、必須成分および抑制成分について説明したが、この発明では、その他にも以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Ni:0.005〜1.50mass%
Niは、熱延板組織の均一性を高めることにより、磁気特性を改善する働きがある。しかしながら、含有量が0.005mass%に満たないとその添加効果に乏しく、一方1.50mass%を超えると二次再結晶が不安定となり、磁気特性が劣化するので、Niは0.005〜1.50mass%の範囲で含有させることが望ましい。
Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜1.50mass%、P:0.0050〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50mass%のうちから選んだ一種または二種以上
これらの元素はいずれも、鉄損の改善に有効に寄与するが、含有量が下限値に満たないとその添加効果に乏しく、一方上限値を超えると二次再結晶粒の発達が抑制されるため、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
上記の好適成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気炉などを用いる公知の方法で精錬し、必要が有れば真空処理などを施したのち、通常の造塊法や連続鋳造法でスラブを製造する。また、直接鋳造法を用いて100mm以下の厚さの薄鋳片を直接製造してもよい。
鋼スラブは、通常の方法で加熱して熱間圧延するが、鋳造後、加熱せずに直ちに熱延してもよい。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延を行っても良いし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に供してもよい。
なお、熱間圧延前のスラブ加熱温度は、1250℃以下に抑えることが、熱延時に生成するスケール量を低減する上で特に望ましい。また、結晶組織の微細化および不可避的に混入するインヒビター成分の弊害を無害化して、均一な整粒一次再結晶組織を実現する意味でもスラブ加熱温度は低温化することが望ましい。
ついで、熱延板に、熱延板焼鈍を施す。この際、ゴス組織を製品板において高度に発達させるためには、焼鈍温度は800℃〜1100℃程度とすることが好適である。熱延板焼鈍温度が800℃未満では、最終圧延前の鋼板にバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を実現することが困難になり、二次再結晶の発達が阻害され、一方焼鈍温度が1100℃を超えると、不可避的に混入するインヒビター成分が固溶し冷却時に不均一に再析出するために、整粒一次再結晶組織を実現することが困難となり、やはり二次再結晶の発達が阻害される。また、焼鈍温度が1100℃を超えると、焼鈍後の粒径が粗大化しすぎることも、整粒の一次再結晶組織を実現する上で極めて不利である。
上記の熱延板焼鈍後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板としたのち、脱炭焼鈍を施して、鋼中C量を磁気時効の起こらない50ppm 以下、好ましくは30ppm以下まで低減する。
なお、冷間圧延に際しては、圧延温度を100〜300℃に上昇させて行うこと、および冷間圧延途中で100〜300℃の範囲で時効処理を1回または複数回行うことは、ゴス組織を発達させる上で有効である。
この脱炭焼鈍は、湿潤雰囲気を使用して700〜1000℃の範囲で行うことが好適である。また、この脱炭焼鈍後に、浸珪法によりSi量を増加させる技術を適用してもよい。
ついで、、鋼板の表面にマグネシア(MgO)を主体とする焼鈍分離剤を適用して、最終仕上焼鈍を施すことにより、二次再結晶組織を発達させると共に、フォルステライト被膜を形成させる。
本発明では、この最終仕上焼鈍工程において、均一な二次再結晶組織を発現させるために仕上焼鈍工程の昇温過程において増硫処理を行うが、そのために本発明では、上記の焼鈍分離剤中に、アルカリ金属やアルカリ土類金属や遷移金属の硫化物および/または硫酸塩を含有させる。
ここに、焼鈍分離剤中に添加する硫酸塩や硫化物としては、Ag, Al, Ba, Ca, Co, Cr, Cu, Fe, In, K, Li, Mg, Mn, Na, Ni, Sn, Sb, Sr, ZnおよびZrの硫酸塩または硫化物のうちから選ばれる一種または二種以上が好適である。
また、焼鈍分離剤への硫酸塩や硫化物の添加量としては、0.2 mass%以上、15mass%以下程度とするのが好適である。というのは、硫酸塩や硫化物の添加量が0.2 mass%未満では、地鉄におけるS増加量が少なく、一方15mass%超では地鉄のS増加量が多くなりすぎて、いずれの場合も磁気特性改善効果が小さいからである。
上記した硫酸塩や硫化物を含む焼鈍分離剤の塗布に際し、前記したa法に従って塗布量を調整するか、あるいは前記b法に従って昇温速度を調整することにより、仕上焼鈍工程の昇温過程中での800℃におけるコイル内での増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することができる。
ここに、800℃を超える温度では、一次再結晶の粒成長が顕著に生じてしまうため、一次再結晶の粒成長に対するTexture Inhibition効果を増硫処理により強めることの意味がなくなるため、800℃での増硫量の差を30ppm以下に抑制する必要がある。
また、コイル最内巻部からコイル径がコイル外径の90%となる位置に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度を、コイル径がコイル外径の90%を超えたところから最外巻部までの位置に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度の50%以上 400%以下の範囲で増加させるのは、濃度増加量が50%未満では、増硫の効果が不十分で、増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以内とすることができず、一方400%を超える差をつけると最終仕上焼鈍後のコイルにおいて、被膜の色調差が大きくなり、被膜外観が不均一になるからである。
さらに、仕上焼鈍工程において、700℃から800℃までのコイル滞留時間をt(h)、塗布した硫化物および/または硫酸塩中の硫黄分がすべて鋼板中に侵入したと想定した場合の増硫量をΔS(ppm)としたとき、仕上焼鈍工程の昇温過程における700℃から800℃までの滞留時間を、次式
0.837×exp(0.0177×ΔS)+5≦t≦50
を満足する範囲に制御する必要があるのは、以下の理由による。
まず、硫黄分が鋼板中に侵入を開始する温度は少なくとも700℃以上である。一方、800℃を超える温度では、一次再結晶の粒成長が顕著に生じてしまうため、一次再結晶の粒成長に対するTexture Inhibition効果を増硫処理により強めることの意味がなくなる。
そこで、滞留処理を施すべき温度範囲は、700〜800℃の範囲に定めた。
次に、さまぎまな濃度で硫化物または硫酸塩を含有する焼鈍分離剤を均一に塗布して、700℃から800℃における滞留時間を種々に変更した焼鈍を行った後、ただちにコイルを炉から取り出し解体して調査した。その際、コイル内の各位置での増硫量を測定し、コイルの増硫量の最大値と最小値の差が30ppm以下となった滞留時間を縦軸とし、一方そのときに塗布した焼鈍分離剤中の硫化物または硫酸塩の濃度から求められる、塗布した硫黄分がすべて鋼板中に侵入したと想定した場合の増硫量(ΔS)を横軸としてプロットしたのが図1である。
この図から明らかなように、焼鈍分離剤中の硫化物もしくは硫酸塩の濃度から求まるΔS(横軸)に対して、増硫量の差を30ppm以下とするに必要な最小滞留時間tmin(縦軸)との間には、tmin=0.837×exp(0.0177×ΔS)+5の関係があることが判明した。よって、滞留時間は、このtmin以上とした。一方、滞留時間が50時間を超えると、最終仕上焼鈍後に被膜不良が発生するため、滞留時間の上限は50時間とした。
二次再結晶完了後は、フォルステライト被膜形成のための最終仕上焼鈍を継続する。
そして、最終仕上焼鈍後は平坦化焼鈍にて形状を矯正する。また、鉄損を改善するために、鋼板表面に張力を付与する絶縁コーティングを施すことは有利である。
C:0.045mass%、Si:3.25mass%、Mn:0.070mass%、Al:80ppm、N:40ppm、S:20ppmを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる電磁鋼板用スラブを、1200℃に加熱後、熱間圧延し、2.2mm厚の熱延板コイルとした。ついで、この熱延板に、1000℃の温度で30秒間の熱延板焼鈍を施して、鋼板表面のスケールを除去したのち、冷間圧延により、最終板厚:0.30mmに仕上げた。ついで、脱脂処理後、均熱温度:840℃で120秒間保持する脱炭焼鈍を施したのち、MgOを主体とし、添加剤としてSrSO4を含有する焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃まで25℃/hで昇熱を行う仕上焼鈍を施したのち、平坦化焼鈍を施した。
この時、コイル最内巻部からコイル径がコイル外径の90%となる位置(コイル中・内巻部)に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物(SrSO4)の濃度、およびコイル径がコイル外径の90%を超えたところから最外巻部までの位置(コイル外巻部)に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物(SrSO4)の濃度をそれぞれ表1に示すように種々に変化させることにより、仕上焼鈍工程の昇温過程中 800℃までの増硫量を表1に示すように変化させた。
800℃での増硫量は、仕上焼鈍を中断したコイルについて長手方向:10mおきにエッジ部から30mm間隔で全域にわたって調査した。
仕上焼鈍後の コイルのB8の偏差は、仕上焼鈍後のコイルを10mおきにエッジ部から長手方向を圧延方向にとってエプスタイン試験片を順に切り出し、SST測定にて磁化力:800 A/m時における磁束密度(B8)の平均値および最大値と最小値の差ΔB8=Max(B8)−Min(B8)を測定した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0004501655
同表から明らかなように、本発明に従い、コイル内における増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することにより、ΔB8が0.022T以下という鋼板内での磁気特性の偏差が小さい方向性電磁鋼板を安定して得ることができた。
表2に示す成分組成になる電磁鋼板用スラブを、1200℃に加熱後、熱間圧延し、2.2mm厚の熱延板コイルとした。ついで、この熱延板に、1000℃の温度で30秒間の熱延板焼鈍を施して、鋼板表面のスケールを除去したのち、冷間圧延により、最終板厚:0.30mmに仕上げた。ついで、脱脂処理後、均熱温度:840℃で120秒間保持する脱炭焼鈍を施したのち、MgOを主体とし、添加剤としてSrSO4を含有する焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃まで25℃/hで昇熱を行う仕上焼鈍を施したのち、平坦化焼鈍を施した。
この時、SrSO4を含有する焼鈍分離剤を塗布してから、700℃から800℃まで表2に示す時間だけ滞留させる増硫処理を施した。
800℃での増硫量は、仕上焼鈍を中断したコイルについて長手方向:10mおきにエッジ部から30mm間隔で全域にわたって調査した。
仕上焼鈍後の コイルのB8の偏差は、仕上焼鈍後のコイルを10mおきにエッジ部から長手方向を圧延方向にとってエプスタイン試験片を順に切り出し、SST測定にて磁化力:800 A/m時における磁束密度(B8)の平均値および最大値と最小値の差ΔB8=Max(B8)−Min(B8)を測定した。
得られた結果を表2に併記する。
Figure 0004501655
同表から明らかなように、本発明に従い、コイル内における増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することにより、ΔB8が0.020T以下という鋼板内での磁気特性の偏差が小さい方向性電磁鋼板を安定して得ることができた。
コイルの増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下とするに必要な700〜800℃間の最小滞留時間tminと、そのときに塗布した焼鈍分離剤中の硫化物または硫酸塩の濃度から求められる、塗布した硫黄分がすべて鋼板中に侵入したと想定した場合の増硫量(ΔS)との関係を示したグラフである。

Claims (5)

  1. C:0.08mass%以下、Si:2.0〜8.0mass%およびMn:0.005〜3.0mass%を含み、かつAlを100ppm未満、SおよびSeをそれぞれ50ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延後、熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板とし、ついで脱炭焼鈍後、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    上記焼鈍分離剤中に、硫化物および/または硫酸塩を含有させることにより、仕上焼鈍工程の昇温過程において鋼板に対して増硫処理を施すものとし、その際、コイル最内巻部からコイル径がコイル外径の90%となる位置に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度を、コイル径がコイル外径の90%を超えたところから最外巻部までの位置に塗布される焼鈍分離剤中の硫化物および/または硫酸塩の濃度の50%以上 400%以下の範囲で増加させることにより、昇温過程中 800℃でのコイル内における増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. C:0.08mass%以下、Si:2.0〜8.0mass%およびMn:0.005〜3.0mass%を含み、かつAlを100ppm未満、SおよびSeをそれぞれ50ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延後、熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板とし、ついで脱炭焼鈍後、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    上記焼鈍分離剤中に、硫化物および/または硫酸塩を含有させることにより、仕上焼鈍工程の昇温過程において鋼板に対して増硫処理を施すものとし、その際、700℃から800℃までのコイル滞留時間をt(h)、塗布した硫化物および/または硫酸塩中の硫黄分がすべて鋼板中に侵入したと想定した場合の増硫量をΔS(ppm)としたとき、仕上焼鈍工程の昇温過程における700℃から800℃までの滞留時間を、次式
    0.837×exp(0.0177×ΔS)+5≦t≦50
    を満足する範囲に制御することにより、昇温過程中 800℃でのコイル内における増硫量の最大値と最小値の差を30ppm以下に抑制することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記増硫処埋による鋼板地鉄中のS濃度の増加量が、2ppm 以上、200 ppm 以下であることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 請求項1,2または3において、前記焼鈍分離剤中に含有させる硫化物および/または硫酸塩の量が 0.2〜15mass%であることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記鋼スラブが、さらに、Ni:0.005〜1.50mass%、Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜1.50mass%、P:0.0050〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50mass%のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
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