JP4500835B2 - シート収納箱 - Google Patents
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Description
この産業用ワイパーは、例えば、上面の開口部内にスリット入りフィルムが配されている収納箱内に納めて、使用時に前記スリットから一枚を取り出すと、次の一枚の一部がスリット外に露出される、いわゆるポップアップ式に取り出されるようにするのが一般的である(例えば、特許文献1)。
このようにポップアップ式とする理由の一つに、取り出し時と同時に、折り畳まれて収納されていた産業用ワイパーの折りが解消されて広がった状態で手元に得られ、拭き取り作業に移行しやすいという利点がある。
しかし、ポップアップ式とすると、常に次に使用する産業用ワイパーの一部がスリットから露出するため、その露出部分に塵・埃が付着するおそれがある。産業用ワイパーのような塵・埃の付着を特に嫌うシート製品では、これは望ましいことではない。
また、一度に多くの枚数を必要とする場合には、数十回のポップアップ作業を繰り返す必要があり、さらに折り畳み状態で使用したい場合には、一度取り出した後に、再度折り畳む作業を要する。特に、産業用ワイパーのサイズが大きい場合、例えば大判サイズとされる47cm×42.5cm前後の産業用ワイパーの場合には、この再度の折り畳みを要する。
なお、これらの露出部分への塵・埃が付着する問題は、例示の産業用ワイパーで特に問題視されるが、それに限らず、紙製や布製のランチョンマット、膝掛け、口拭きナプキン、便座シート等のシート、特に比較的大判のシートを納めた収納箱においても生じうる問題である。
<請求項1記載の発明>
折り畳んで積層したシートが収納されたシート収納箱であって、
この収納箱は、一対の平行な長手縁とこれらよりも短い一対の平行な短手縁とで構成される長方形の上面を有する、直六面体形状であり、
その上面に、長さの異なる2本の前記短手縁と平行な裂開用ミシン目線と、
前記裂開用ミシン目線の一方端同士を結ぶ裂開用ミシン目線と、
前記平行な2本の裂開用ミシン目線の他方端同士を結び前記平行な2本の裂開用ミシン目線に垂直であって前記上面の長手縁と平行をなす折り線と、
を有し、
前記平行な2本の裂開用ミシン目線の長さの比が1:1.5〜1:4であり、
平行な2本の裂開用ミシン目線間の距離と上面長手縁との比が1:1.1〜1:1.5であり、
平行な2本の裂開用ミシン目線と上面短手縁との距離が20〜50mmであり、
折り線と長手縁との間の距離が0〜30mmであり、
前記裂開用ミシン目線の裂開により、上面にヒンジ蓋を有する略台形状の取出し口が形成される、ことを特徴とするシート収納箱。
本発明では、略台形状の取出し口が形成され、この取出し口から内部のシートを上方に向かって引き出すと、その引き出しにともなって当該シートが、前記ヒンジ部分と取出し口の斜辺とのガイドによって略台形の狭窄方向側が残りつつ引き出されるようになる。そして、その狭窄部分に行くに従って当該引き出されているシートの収納箱内で折り畳み状態が維持されなくなり、もって引き出し時に効果的にシートが広がるようになる。
方形のシートをZ折りした後そのZ折り線に直行する折り線でさらに二つ折りした折り畳みシートを、
その二つ折りの折返し縁が重なるように複数積層した、シート束が、
その二つ折返し縁を前記平行な2本の裂開用ミシン目線のうちの短い方の裂開用ミシン目線側に位置するようにして収納されている、請求項1記載のシート収納箱。
収納箱に対して大きなシートがコンパクトに収納されているとともに、このような大きなサイズのシートを効率良く広げつつ引き出すことが可能となる。
前記Z折りは、シートの側縁よりも、Z折りの折縁が外方に位置している、請求項2記載のシート収納箱。
取出し口からシートの縁部を摘みやすくなる。
前記上面の短手縁を稜線として接する二側面のうち、平行な2本の裂開用ミシン目線の短い方の裂開用ミシン目線に近い方の側面に、
裂開時に前記側面と底面との間の稜線をヒンジとする蓋を形成しつつ第2の取出し口を形成する裂開用ミシン目線が設けられている、請求項2又は3記載のシート収納箱。
シートを束として、又は折り畳み状態で取り出すことが容易となる。特に収納箱に折り畳まれている収納されているシートに適し、さらに、請求項3記載の折り畳み形状のシートが収納された収納箱に適する。
図1は、本実施形態のシート収納箱X1の上面10U側からの斜視図であり、図2は、取出し口を形成する裂開用ミシン目線の他の例を示す斜視図である。図3は、取出し口を形成する裂開用ミシン目線の別の例を示す斜視図である。図4は、本実施形態の上面の取出し口を使用したときの状態を示す斜視図である。図5は、本実施形態におけるシートの収納態様を説明するための斜視図である。
構造としては、例えば、底面、上面及びこれらを連接する側面と、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片、側面端面片、上面側端面片とを有し、前記側面端面片を箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片と底面側端面片とを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着材等により接着して構成される構造を採用できる。
なお、図2に示す例のように、前記平行な2本の裂開用ミシン目線13,14を結ぶ裂開用ミシン目線15の途中には、ヒンジ蓋の開閉及びミシン目の裂開を簡易に行うための半円状の易押し込み部15a,15aを設けてもよい。
本実施形態では、このように取出し口21にヒンジ蓋20が形成されるため、内部に収納されたシートSを塵等から保護することができる。
本実施形態では、好適な例として、前記平行な2本の裂開用ミシン目線13,14が、前記上面短手縁12,12と平行とされているが、必ずしもこれには限定されない。平行な2本の裂開用ミシン目線13,14が、前記上面長手縁11,11と平行となる形態も採り得る。
この広がりは、後述の折り畳み態様、収納態様のシートSにおいて特に効果的である。
まず、前記取出し口21は、箱内部に手又は指をいれて触れて摘んでシートSを取り出すものであるから、平行な2本の裂開用ミシン目のうちの短い方の裂開用ミシン目線13の長さは25〜85mm、ヒンジとなる折り線16の長さは150〜300mm程度あるのがよい。
さらに前記平行な2本の裂開用ミシン目線13,14の長さの比は、1:1.5〜1:4とするのがよい。1:1.5未満であると、内部に納めたシートSを取り出した時の広がりが、広がっている所と広がりが不十分な所とができやすく、1:4を超えると、広がらないまま出てくる恐れがある。
平行な2本の裂開用ミシン目線13,14のうちの短いほうの裂開用ミシン目線13の長さと、上面短手縁12の長さにほぼ平行に収納されるシートSの側縁との比は、1:4〜1:7とするのがよい。1:4未満であると、シートSを取り出した時に広がらないまま出てくる恐れがあり、1:7を超えると、取出し口21の略台形の狭窄方向側でシートSが引っ掛かり易く取りづらくなる。
また、平行な2本の裂開用ミシン目線間13,14の距離L1と上面長手縁11との比は、1:1.1〜1:1.5とするのがよい。1:1.1未満であると、シートSを取り出した時に広がらないまま出てくる恐れがあり、1:1.5を超えると、広がっている所と広がりが不十分な所とができやすくなる。
さらに、平行な2本の裂開用ミシン目線13,14と上面短手縁12との距離L2は、20〜50mmとするのがよい。20mm未満であると、上面短手縁12に加わった外力が衝撃により平行な2本の裂開用ミシン目線13,14に波及し易くなり、使用前にこれらミシン目線が裂開してしまう恐れがある。50mmを超えると、シートSの側縁、特に上面短手縁12の長さにほぼ平行に収納されるシートSの側縁が取出し口21に引っ掛かり易く取りづらくなる。
他方、ヒンジとなる折り線16と長手縁12との間の距離L3は0〜30mmとするのがよい。0mmである場合には上面10Uの長手縁11、すなわち収納箱の上面と長手側面との稜線が折り線となる。30mmを超えるとシートSの側縁を摘んで取り出しにくくなる。
本実施形態では、この第2の取出し口31を形成する裂開用ミシン目線17,17,18は、前記側面12Sと底面との間の稜線32の所定範囲の両端から、その稜線に平行な反対側の稜線に向かって延在する一対の裂開ミシン目線17,17と、この一対の裂開用ミシン目線17,17の上端同士を結ぶ裂開ミシン目線18とで構成されている。
ここで、本実施形態において、前記第2の取出し口31は、箱内部に手又は指をいれて適当量のシート束S,S…又は折り畳み状態のシートSを取り出すことを目的とするから、ヒンジ19の長さは具体的には、100〜200mm程度とするのがよい。ヒンジ19の長さが100mm未満であるとシートSが取り出しづらくなる。また、200mmを超えると裂開用ミシン目線17,17を開封しづらくなる。
また、前記裂開用ミシン目線18と、ヒンジと反対側の稜線12との間の距離L4を5mm以下とするのがよい。手や指が入る大きさの開口を形成し難くなる。
なお、第2の取出し口31は、例えば、特開2007−55683、特開2002−29580、特開平8−258877、特開平8−253275に開示されるような、ティシュカートンの廃棄を簡易に行うための側面開口構造をそのまま採用することもできる。
シートの具体的な組成及び物性、プライ数については特に限定されない。産業用ワイパーとするならば、特に、クレープ処理や原料選択により表面特性を調整したり、紙粉を発生し難くした低発塵性の薄葉紙が適する。これらは用途に応じて適宜設計することができる。
また、この例においては、NBKP以外の構成繊維が有る場合にはLBKP(広葉樹クラフトパルプ)であるのがよいが、その他ケナフパルプ、マニラ麻等の非木材パルプ、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維等の合成繊維であってもよい。
シートSの大きさ、形状も適宜とすることができるが、特に本発明を採用するのに適するのは、形状が方形であり、大きさが200〜600mm×200〜600mmである。本実施形態においてもその形状は方形を採用している。
その折り畳み及び積層態様について特に図5を参照しながら説明すると、折り畳み態様は、特に図5の(a)、(b)に示されるように、方形のシートをZ折りした後そのZ折り線に直行する折り線でさらに二つ折りした折り畳み態様をしている。
本実施形態では、特にZ折りの折り縁50よりもシートの縁51が内側になるようにZ折りしている。このようにすると、シートSの縁部を取出し口21から摘みやすくなり、取り出し易くなる。特に、Z折り縁50とシートの縁51との間の距離L5は5〜40mmとするのがよい。確実に摘み易く取り出しやすいものとなる。
ここで、折り畳み状態のシートSの形状は、収納箱上面10Uと略相似形をなす長方形形状とするのがよい。これは、シートSの折り畳み時の大きさに応じてシート収納箱X1を設計するか、又はシート収納箱X1に応じてシートSの大きさを定めればよい。
このような折り畳み、積層態様であると上記説明のシート収納箱X1内に収納した際に取り出し時の広がりが効果的になされる。また、使用しない時に、その一部がシート収納箱X1外に露出されて塵等が付着するということもない。加えて、本実施形態のように第2の取出し口31を設け、そこから取り出す際に、ポップアップ式であると上下の隣接する産業用ワイパーとの関係で一枚のみを取り出すことが困難であるが、この積層形態であると、一枚のみを取り出すことが容易である。
このようにすると、取り出し時の広がりがより効果的になされるとともに、第2の取出し口31から取り出す時に折り縁52を摘むことで確実に所望の枚数を取り出すことができる。
なお、取り出し性の点から、シートの束S,S…と収納箱内面とのクリアランスは、概ね3〜10mm程度とするのがよい。クリアランスがないと、取出し口から引きしづらくなり、クリアランスが大きいと収納箱内で移動して、型くずれなどの原因となる。
Claims (4)
- 折り畳んで積層したシートが収納されたシート収納箱であって、
この収納箱は、一対の平行な長手縁とこれらよりも短い一対の平行な短手縁とで構成される長方形の上面を有する、直六面体形状であり、
その上面に、長さの異なる2本の前記短手縁と平行な裂開用ミシン目線と、
前記裂開用ミシン目線の一方端同士を結ぶ裂開用ミシン目線と、
前記平行な2本の裂開用ミシン目線の他方端同士を結び前記平行な2本の裂開用ミシン目線に垂直であって前記上面の長手縁と平行をなす折り線と、
を有し、
前記平行な2本の裂開用ミシン目線の長さの比が1:1.5〜1:4であり、
平行な2本の裂開用ミシン目線間の距離と上面長手縁との比が1:1.1〜1:1.5であり、
平行な2本の裂開用ミシン目線と上面短手縁との距離が20〜50mmであり、
折り線と長手縁との間の距離が0〜30mmであり、
前記裂開用ミシン目線の裂開により、上面にヒンジ蓋を有する略台形状の取出し口が形成される、ことを特徴とするシート収納箱。 - 方形のシートをZ折りした後そのZ折り線に直行する折り線でさらに二つ折りした折り畳みシートを、
その二つ折りの折返し縁が重なるように複数積層した、シート束が、
その二つ折返し縁を前記平行な2本の裂開用ミシン目線のうちの短い方の裂開用ミシン目線側に位置するようにして収納されている、請求項1記載のシート収納箱。 - 前記Z折りは、シートの側縁よりも、Z折りの折縁が外方に位置している、請求項2記載のシート収納箱。
- 前記上面の短手縁を稜線として接する二側面のうち、平行な2本の裂開用ミシン目線の短い方の裂開用ミシン目線に近い方の側面に、
裂開時に前記側面と底面との間の稜線をヒンジとする蓋を形成しつつ第2の取出し口を形成する裂開用ミシン目線が設けられている、請求項2又は3記載のシート収納箱。
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