JP4500277B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、車両等の動力伝達装置に関し、特に駆動力の伝達、遮断を切り換えるクラッチ構造の改良技術に関する。
従来の車両の動力伝達装置として、特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のものでは、クラッチを挟んで両側に、内燃機関に接続されたトルクコンバータの出力軸と、モータの回転軸と、が配設され、該クラッチの接続または切り離しによって、トルクコンバータと、モータと、を動力伝達または遮断する構成である。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、クラッチをトルクコンバータモータとの間の位置に配設せざるを得ないため、これらトルクコンバータおよびモータが障害となって、軸方向(トルクコンバータの出力軸およびモータの回転軸の軸方向、以下同様)からクラッチの点検やメンテナンス等が困難となるという問題点があった。
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、クラッチの点検やメンテナンス等を容易にした動力伝達装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、内燃機関と、該内燃機関の動力を伝達するトルクコンバータと、を含んで車両の原動機を構成し、該原動機の回転軸である前記トルクコンバータの出力軸を、中空状に形成したモータのロータの回転軸に嵌挿して同心上に配設すると共に、前記トルクコンバータの出力軸と一体に回転する第1クラッチ板と、前記ロータの回転軸と一体に回転する第2クラッチ板と、を軸方向相対移動自由に配設し、前記第1クラッチ板と前記第2クラッチ板とを軸方向に相対移動させて、前記第1クラッチ板と前記第2クラッチ板とを接続し、または切り離すことにより、前記原動機と前記ロータとの間で駆動力を伝達または遮断するように構成し、かつ、前記ロータの本体の内部に空洞を形成すると共に、前記トルクコンバータの出力軸の内部を通って該トルクコンバータの作動油を該空洞に供給する油通路を形成する構成とした。
以上の構成によって、モータのロータの配設位置は、原動機と、第1クラッチ板および第2クラッチ板と、の間となり、第1クラッチ板および第2クラッチ板を、原動機ロータとの間から外部へ移すことが可能となるため、原動機またはロータが障害となることなく、容易に軸方向から第1クラッチ板および第2クラッチ板の点検やメンテナンス等が可能となる。
また、空洞に導かれたトルクコンバータの作動油により、ロータの本体が内側から効率よく冷却される。これにより、簡易な構成によって、モータの運転によって昇温したロータの本体が効果的に冷却され、モータの性能劣化を抑制できる。
さらに、トルクコンバータの出力軸の内部に形成された油通路を介して、トルクコンバータからロータの本体の空洞へ作動油を供給することにより、煩雑なオイル供給路を備えることなく、簡易な構成によって効果的に、ロータの本体を冷却することができる。
以下、本発明に係る実施形態について説明する。
図1は、FF車またはRR車のハイブリッド原動機2の実施形態の概要を示す。ハイブリッド原動機2は、内燃機関4と、トルクコンバータ6と、電動式のモータ8と、電磁クラッチ10と、変速機12と、を主たる原動機要素としている。
内燃機関4は、その駆動力を、図示右側のトルクコンバータ6へ伝達する。なお、内燃機関4の回転速度が一定値以上となった際には、トルクコンバータ6の作動油を介さずに、内燃機関4から直接的に変速機12へトルクを伝達する構成(ロックアップ)とするのがよい。
モータ8は、環状のステータ14と、ステータ14の内側で回転可能なロータ16と、を備え、ステータ14の外周を覆うモータハウジング18内に収納支持されている。ロータ16は、ロータ本体16aと、ロータ本体16aの夫々左右側面から突出する筒状の回転軸20,22と、を有する。回転軸20は変速機ハウジング24内部に取り付けられたベアリング26,28に軸受けされ、回転軸22はモータハウジング18に取り付けられたベアリング30に軸受けされている。
ステータ14は、夫々両端部が左右側面から軸方向(回転軸20,22の軸方向、以下同様)へ突出した状態で、回転軸20,22を中心として環状に並んだ複数のコイル32を備えている。一方、ロータ本体16aには、ステータ14と近接した部分に、複数のマグネット(永久磁石)34が埋め込まれている。
モータ8への運転指令により、複数のコイル32に夫々位相の異なる交流電圧が印加され、ステータ14内には回転磁界が発生し、この回転磁界がマグネット34に作用してロータ本体16aを回転駆動する。
ロータ本体16a内部のマグネット34より内周側には、マグネット34と近接して空洞36が形成されている。また、ロータ本体16aの回転軸20,22外側の左右両側壁には、夫々外側に突出する突出部16bが設けられ、該突出部16bには空洞36と連通した噴油ノズル16cが形成され、噴油ノズル16cの噴口はステータ14へ向けて開放されている。そして、回転軸20,22は、空洞36と連通して、夫々、軸方向に貫通する孔20a,22aを形成している。
そして、トルクコンバータ6の出力軸であるリレーシャフト38は、外周スプライン38aを形成した右端部が孔20aを経て孔22aに挿入され、孔22aを貫通し、回転軸20,22と同心となるように、外周スプライン38aより左側の外周面が孔22a内周面に取り付けられたベアリング40に軸受けされている。
また、リレーシャフト38には、その中心軸に沿って、トルクコンバータ6内と空洞36とを連通する油通路38bが形成されている。一方、回転軸20の内周面と、リレーシャフト38外周面と、の間には、空洞36と連通した環状の隙間42が形成されている。
回転軸20の左側のシュラウド部材44は、軸方向と直交するフランジ部44aと、フランジ部44aから左側のトルクコンバータ6内へ突出する筒状の筒部44bを有し、フランジ部44aが変速機ハウジング24内壁に複数のボルト46の締結によって固定されている。筒部44bの左右両端部は開放され、筒部44bには同心のリレーシャフト38が貫通状態で回動可能に挿入され、筒部44bの左端部からトルクコンバータ6内へ突出したリレーシャフト38の左端部は、トルクコンバータ6の出力羽根車からトルクの供給を受ける。
そして、フランジ部44aを軸方向に貫通して、複数の油孔44cが、環状の隙間42と、トルクコンバータ6内と、を連通して形成されている。なお、変速機ハウジング24とトルクコンバータ6との境界には、油孔44cとトルクコンバータ6内との間のオイルをシールするオイルシール48が配設されている。
モータハウジング18の右側のクラッチハウジング50に格納された電磁クラッチ10は、左側から、夫々同心同径の環状のコイル収納ケース10a、回転ピース10b、浮動ピース10cを備えて構成されている。
コイル収納ケース10aは、クラッチハウジング50内へ露出したモータハウジング18外壁に固定され、内部のベアリング52によって貫通する同心の回転軸22を回動可能に支持している。
回転ピース10bは、内周面が回転軸22の右端部外周面に固定され、回転軸22と一体に回転する。
浮動ピース10cは、左端面に浮動ピース10cより小径の環状部材54が固定されると共に、右端面に浮動ピース10cより小径かつリレーシャフト38より大径でリレーシャフト38と同心の円盤状のフランジ部56が固定されている。そして、環状部材54および浮動ピース10c夫々の内周スプライン54a,10dが外周スプライン38aに嵌合するように、環状部材54が右側から孔22aに回動可能に挿入されている。これにより、浮動ピース10cはリレーシャフト38に対して、一体に回転するが軸方向には所定量相対移動可能に取り付けられる。
オイルシール58は、外周スプライン38aとベアリング40との間の位置で環状部材54左端部の内周面に取り付けられ、環状部材54とリレーシャフト38との間をシールしている。
さらに、変速機ハウジング24内で、モータハウジング18に近接する位置に、回転軸20に係合して回転駆動されるオイルポンプ60が設けられている。オイルポンプ60は、変速機ハウジング24およびモータハウジング18の下方のオイルパン(図示せず)からオイル吸引通路62を介してオイルを吸引すると共に、オイル吐出通路64を介してハイブリッド原動機2の外部に設けられたオイルクーラー(図示せず)へオイルを圧送する。そして、前記オイルクーラーを通過したオイルは、ハイブリッド原動機2の外部に設けられ運転により過熱したインバータ(図示せず)などを冷却し、その後変速機ハウジング24内のトルクコンバータ6と近接する位置に形成された作動油戻し穴66を経てトルクコンバータ6へ送られる。
なお、前記オイルクーラーおよびインバータのような原動機外部の装置を備えない場合、オイル吐出通路64は省略し、オイルポンプ60を一般的な自動変速機のように作動油戻し穴66付近(シュラウド部材44とベアリング26との間)に設けてもよい。また、オイルポンプ60は、変速機12の歯車の潤滑などにも用いられる。
変速機ハウジング24内で、変速機12の入力軸となる回転軸20には、低速運転用のドライブギア12aと、ドライブギア12aより右側の高速運転用のドライブギア12bと、が夫々回転軸20に対して相対回動可能に取り付けられている。さらに、ドライブギア12a,12b間には、これらドライブギア12a,12bのいずれかを回転軸20に対して固定して一体回転させるようにシフト可能なドッグクラッチ12cが配設されている。なお、ドッグクラッチ12cがドライブギア12a,12bのいずれをも回転軸20に対して固定しなければ、ニュートラルとなる。
ドライブギア12a,12bの下方には、夫々ドライブギア12a,12bと噛合する低速運転用のドリブンギア12d、高速運転用のドリブンギア12eが配設されている。
反転軸12fは、両端部が変速機ハウジング24に取り付けられたベアリング68,70に夫々軸受けされ、ドリブンギア12d,12eおよびドリブンギア12dより左側のカウンタギア12gの回転中心軸となって、ドリブンギア12d,12e、カウンタギア12gと一体回転する。
カウンタギア12gは、その下方のファイナルギア12hと噛合し、ファイナルギア12hには差動歯車装置71に接続されている。そして、差動歯車装置71から夫々左右へ、ハーフシャフトであるドライブシャフト72a,72bが、夫々ベアリング74,76に支持されて延びている。なお、ドライブシャフト72a,72bと、変速機ハウジング24と、と間は、夫々オイルシール78,80によってシールされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、電磁クラッチ10の作用について説明する。
コイル収納ケース10a内のコイルを通電すると、回転ピース10bが磁化され、この磁力によって浮動ピース10cを吸着し、これにより、電磁クラッチ10が接続状態となり、内燃機関4のトルクがトルクコンバータ6からリレーシャフト38、浮動ピース10c、回転ピース10bを介してモータ8の回転軸20,22に伝達される。
一方、前記コイルの非通電時は、回転ピース10bと浮動ピース10cとが離れて、電磁クラッチ10が遮断状態となり、内燃機関4のトルクのモータ8への伝達は遮断される。
ここで、モータ8を発電機とした減速時に電磁クラッチ10を遮断するのがよく、これにより、車両の運動エネルギーをエンジンブレーキとして消費せず、モータ8によってより多くの電気エネルギーへ変換でき、回生時の電力をより多く蓄電池(図示せず)に確保できる。
また、モータ8のみによる運転時(内燃機関4の停止時)も電磁クラッチ10を遮断するのがよく、これにより、モータ8の電力をトルクコンバータ6の作動油を流動させるための運動エネルギーとして消費せず、効果的に車両の運動エネルギーに変換できる。
このようなエネルギーの効率化は、トルクコンバータの回転軸とモータの回転軸とがクラッチを挟んで両側に配設された従来の構成においても、該クラッチの遮断により行われている。
しかし、従来の構成では、トルクコンバータの作動油をモータのロータへ冷却油として供給する目的で、クラッチを迂回してトルクコンバータ内とロータ本体内とを連通する油通路を配設しようとする試みもあったが、その配設が煩雑になるという理由からこのような油通路は実現に至っていなかった。
さらに、従来の構成では、クラッチの配設位置はトルクコンバータとモータとの間となるため、トルクコンバータまたはモータが障害となって、軸方向両側からクラッチの点検やメンテナンス等が困難になる懸念もあった。
これに対し、本実施形態のハイブリッド原動機2では、トルクコンバータの回転軸とモータの回転軸との間の位置に配設されこれらの駆動力を伝達または遮断するクラッチを省略することで、図1に示すように、トルクコンバータ6の回転軸(リレーシャフト38)の内部に形成された油通路38bを介して、トルクコンバータ6からモータ8の空洞36へ冷却用のオイルを供給する構成とした。これにより、煩雑なオイル供給路を備えることなく、簡易な構成によって効果的に、運転によって過熱したロータ本体16aを冷却できる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、リレーシャフト38を中空状の回転軸20,22の内部に貫通状態で挿入し、電磁クラッチ10に対していずれも左側にリレーシャフト38および回転軸20,22を配設する構成とすることで、電磁クラッチ10をハイブリッド原動機2の最も右側の位置に配設することが可能となった。このため、運転によって電磁クラッチ10の摩擦面が磨耗するなどしても、トルクコンバータ6やモータ8が障害となることなく、右側から容易に電磁クラッチ10の点検やメンテナンス等が可能である。
また、本実施形態では、電磁クラッチ10をオイルが飛沫しやすい変速機ハウジング24やモータハウジング18の外部に設けることができるため、回転ピース10bおよび浮動ピース10cの摩擦面にオイルが付着することによる機能劣化をより確実に回避できる。
次に、変速機12の作用について説明する。
低速運転時は、ドライブギア12aが回転軸20と一体回転し、ドライブギア12aからドリブンギア12dを介して反転軸12fへトルクが伝達され、一方、高速運転時は、ドライブギア12bが回転軸20と一体回転し、ドライブギア12bからドリブンギア12eを介して反転軸12fへトルクが伝達される。そして、反転軸12fのトルクはカウンタギア12g、ファイナルギア12h、差動歯車装置71を介して、ドライブシャフト72a,72bへ伝達される。
従来のハイブリッド原動機のように、内燃機関と、トルクコンバータと、クラッチと、モータと、変速機と、を順に直列に並べて配設する構成では、原動機全体のサイズが車幅方向に大きくなり過ぎると共に、変速機の車幅方向位置が左右のいずれかに片寄らざるを得ない。このため、このようなハイブリッド原動機をFF車やRR車に適用しようとしても、差動歯車装置の車幅方向位置も左右のいずれかに片寄らざるを得ず、左右のドライブシャフト(ハーフシャフト)の長さに大きな差が生じ、短い側のドライブシャフトに設けられたユニバーサルジョイント(図示せず)の走行中における最大折れ角が過大となって安定走行が妨げられる懸念があり、実用に至っていなかった。
これに対し、本実施形態のハイブリッド原動機2では、リレーシャフト38および回転軸20の長さの調整によって、トルクコンバータ6とモータ8との車幅方向距離を任意に調整できることから、図1に示すように、内燃機関4(トルクコンバータ6)と、モータ8と、の間の位置、つまり車幅方向中央部付近に変速機12を配設できる。このため、ファイナルギア12hと隣接する差動歯車装置71も車幅方向中央部付近に配設でき、ハイブリッド原動機2をFF車やRR車へ適用しても、左右のドライブシャフト72a,72bの長さを同程度に揃えやすいことから、左右のドライブシャフト72a,72bに夫々設けられたユニバーサルジョイントの走行中における最大折れ角を最小限に抑えることができ、より走行を安定させることが可能となる。
なお、本実施形態の変速機12は、オートマティック車に用いられるような自動変速機ではなく、歯車同士を噛合させてトルクを伝達する変速機である。この理由は、自動変速機では、変速比切り換え用のバンドサーボや多板クラッチがトルクコンバータの作動油に浸かっているため多板クラッチの摩擦面の摩擦力が低下しやすく、このような環境でも動力伝達できるように、摩擦面への大きな圧着力つまりオイルポンプの大きな制御油圧が必要となり、エネルギーを効率的に利用できない懸念があるからである。
次に、本実施形態のオイルによるモータ8の冷却方法について説明する。なお、図1では矢印によってオイルの流れる方向を示す。
モータ8の駆動に伴って駆動するオイルポンプ60から吐出されたオイルは、上述のようにオイル吐出通路64、前記オイルクーラー、前記インバータ、作動油戻し穴66、トルクコンバータ6内、油通路38bを順に経て、空洞36に供給される。
空洞36に導かれ、空洞36内を満たしたオイルは、空洞36の広い壁面から熱を奪うことで、ロータ本体16aが内側から効率よく冷却される。これにより、簡易な構成によって、モータ8の運転によって昇温したマグネット34が効果的に冷却され、マグネット34の過熱による磁力劣化をより確実に回避し、モータ8の性能劣化を抑制できる。
空洞36に到達したオイルの一部は、ロータ16の回転に伴う遠心力によって、噴油ノズル16cへ向けて移動することで噴油ノズル16c内のオイル圧力を上昇させる。そして、該オイルは噴油ノズル16c噴口から回転軌道の外方へ噴出し、モータ8の運転によって過熱したコイル32に衝突する。これにより、簡易な構成によって、コイル32はオイルによって冷却され、コイル32の過熱による性能劣化を防ぐことができる。
ここで、ロータ本体16aの回転に伴って噴油ノズル16cからオイルが噴出することから、ステータ14にはその全周に均一にオイルが散布される。ステータの冷却方法には、ステータの上部上面に供給されたオイルを、重力によってステータの周面に沿って流下させる方法もあるが、オイルの流下経路がコイルやその絶縁材の形状や配設位置、絶縁塗料のムラの状態などの影響を受けるため、ステータには冷却の不十分な部分が残った。しかし、本実施形態によって、ステータ14の全周をより確実に冷却可能となり、コイル32のほか、コイル32の鉄心など周辺部品をも冷却し、これらの性能維持も可能となる。
モータ8をさらに高出力化させようとする場合、モータ8への通電量も増加することから、ステータ14およびロータ16はより過熱される懸念がある。しかし、上述のように、簡易な構成によって、かつ、より確実に、ステータ14およびロータ16を冷却できることから、上記過熱の懸念は解消され、モータ8をさらに高出力化することが可能となる。
なお、コイル32に衝突したオイルは、その後ステータ14の下方へ移動し、前記オイルパンに溜まり、オイルポンプ60によってオイル吸引通路62の内部を吸い上げられて再びオイル吐出通路64へと圧送されることで循環する。
一方、空洞36から環状の隙間42へと流入したオイルは、油孔44cを経てトルクコンバータ6内へ作動油として戻されることで、トルクコンバータ6内と空洞36との間でオイルが還流する。なお、該還流の方向は逆でもよい。
本発明は上記実施形態に限られず、以下のような構成としてもよい。
まず、オイルポンプ60は、必ずしも回転軸20に係合して駆動される必要はなく、別の駆動源を使用してもよく、モータ8の停止時であっても駆動可能としてもよい。あるいは、モータ8の停止時にオイルを上記と同様に還流させるように駆動可能な第2のオイルポンプを設けてもよい。
オイルポンプ60は、回転軸20に係合して駆動される場合、モータ8の停止に伴って空洞36へのオイル供給を停止するため、ロータ本体16aおよびステータ14は、モータ8の停止直後に高温状態であるにもかかわらず十分に冷却されない懸念がある。そこで、オイルポンプ60または前記第2のオイルポンプをモータ8の停止時にも駆動可能とすることで、モータ8の停止後にも上記オイルの還流を続行できることから、運転によって過熱したロータ本体16aおよびステータ14をより確実に冷却してこれらの性能劣化を回避できる。
さらに、回転軸20の周壁を貫通する孔を開口し、回転軸20内(環状の隙間42)を流れるオイルの一部を、該孔からベアリング26,28の被潤滑部へ供給することで、簡易な構成によってベアリング26,28の潤滑を行ってもよい。
さらに、第1クラッチ板82および第2クラッチ板84は、必ずしも電磁クラッチを構成する必要はなく、一般的な通電を行わない摩擦クラッチを構成してもよい。
また、本発明に係る動力伝達装置は、図2に示す第1模式図のように、第1クラッチ板82(浮動ピース10cに相当)と、第2クラッチ板(回転ピース10bに相当)84と、原動機の回転軸であるトルクコンバータの出力軸(リレーシャフト38に相当)86と、モータのロータの回転軸(回転軸22に相当)88と、を含んで構成されるその他様々な車両の動力伝達装置にも適用可能である。ここで、トルクコンバータの出力軸86は、第1クラッチ板82に対して軸方向へ相対移動自在にスプライン結合されている。
図2に示した例では、トルクコンバータの出力軸86は、第1クラッチ板82を貫通して図示右方(第1クラッチ板82に対してロータの回転軸88と反対側)へ延長し、該延長部86aに他の回転体を接続することができる。
また、図3に示す第2模式図のように、ロータの回転軸88と同期回転する回転軸を、クラッチ部を挟んで反対側に延長して配設する構成とすることもできる。すなわち、トルクコンバータの出力軸86に固定した第1クラッチ板82を間に挟んで、ロータの回転軸88と第3回転軸88aを配設し、該第1クラッチ板82を覆う円筒状の第2クラッチ板90の内周フランジ部をロータの回転軸88の図示右端部外周面と第3回転軸88aの左端部外周面に軸方向移動自由にスプライン結合させて、ロータの回転軸88の回転に同期させて第3回転軸88aを回転させ、第3回転軸88a介して他の回転体を接続することができる。
また、図示のように第3回転軸88aも中空軸として、図2同様に、トルクコンバータの出力軸86の延長部86aを第1クラッチ板82の反対側に配設して他の回転体を接続することもできるが、延長部86aが不要で省略した場合は、第3回転軸88aは中実軸で形成することができる。
そして、第2クラッチ板90を軸方向に移動して第1クラッチ板82と接続または遮断することにより、トルクコンバータの出力軸86及び延長部86aと、ロータの回転軸88及び第3回転軸88aと、の間で駆動力の伝達、遮断を切り換えることができる。
本発明に係る実施形態の概要 本発明に係る動力伝達装置の第1模式図 本発明に係る動力伝達装置の第2模式図
符号の説明
原動機
4 内燃機関
6 トルクコンバータ
8 モータ
10b 回転ピース(第2クラッチ板)
10c 浮動ピース(第1クラッチ板)
12 変速機
16 ロータ
16a ロータ本体
20 回転軸(ロータの回転軸
22 回転軸(ロータの回転軸
36 空洞
38 リレーシャフト(トルクコンバータの出力軸
38b 油通路
71 差動歯車装置
82 第1クラッチ板
84 第2クラッチ板
86 トルクコンバータの出力軸
88 ロータの回転軸
90 第2クラッチ板

Claims (6)

  1. 内燃機関と、該内燃機関の動力を伝達するトルクコンバータと、を含んで車両の原動機を構成し、
    該原動機の回転軸である前記トルクコンバータの出力軸を、中空状に形成したモータのロータの回転軸に嵌挿して同心上に配設すると共に、
    前記トルクコンバータの出力軸と一体に回転する第1クラッチ板と、前記ロータの回転軸と一体に回転する第2クラッチ板と、を軸方向相対移動自由に配設し、
    前記第1クラッチ板と前記第2クラッチ板とを軸方向に相対移動させて、前記第1クラッチ板と前記第2クラッチ板とを接続し、または切り離すことにより、前記原動機と前記ロータとの間で駆動力を伝達または遮断するように構成し
    かつ、前記ロータの本体の内部に空洞を形成すると共に、前記トルクコンバータの出力軸の内部を通って該トルクコンバータの作動油を該空洞に供給する油通路を形成したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記第1クラッチ板および前記第2クラッチ板は、電磁力で駆動されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記車両はFF車またはRR車であると共に、前記トルクコンバータの出力軸および前記ロータの回転軸を車幅方向に配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第1クラッチ板および前記第2クラッチ板の配置位置を、車幅方向の隅としたことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 車幅方向の中央部に配置され差動歯車装置に接続された変速機は、入力軸が前記ロータの回転軸と一体であると共に、前記原動機と前記ロータとの間に位置することを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
  6. 前記第1クラッチ板と前記第2クラッチ板との接続は、減速時および前記原動機の運転停止時に遮断可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の動力伝達装置。
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