JP4499939B2 - 金属薄帯の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属薄帯の製造装置および製造方法関するものであり、更に詳しくは、溶解炉からタンディッシュへ溶湯を供給する場合のヒートショックによるタンディッシュの損傷や、タンディッシュから冷却ロールへ注湯するノズル部の詰まりを発生させないタンディッシュの予熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば厚さ0.1mm以下の金属薄帯を製造する場合には、一般的には溶解炉で原料金属を溶解させ、溶解炉から高温度(例えば温度1400℃)の溶湯をタンディッシュ(または同等の容器)へ出湯し、タンディッシュの底部に設けられたノズル部のスリットから溶湯を冷却ロールの表面へ定量的に注湯し急冷することが行われる。
【0003】
図6は従来例の金属薄帯製造装置10の溶解鋳造室2を概略的に示す断面図である。溶解鋳造室2は隔壁3によって溶解室4と、鋳造室5とに画成されており、溶解室4には真空排気配管28、不活性ガスとしてのアルゴン(Ar)ガス導入配管29が接続され、鋳造室5には真空排気配管48、Arガス導入配管49が接続されている。また、隔壁3に設けられた開口3hに上方からタンディッシュ20が装入されており、その外周に誘導加熱コイル27が巻装されている。タンディッシュ20は耐熱性のセラミクスを材料として作製され、例えばSm−Fe系非晶質合金の温度1400℃の溶湯Mが収容される。そして、タンディッシュ20の上端部の外周に設けたフランジ20fと隔壁3の開口3hの周縁部との間に、シーリング部材24を介在させて溶解室4と鋳造室5との間がシールされており、溶解室4と鋳造室5とはタンディッシュ20のノズル部22に設けられた後述のスリット23によって連通される。
【0004】
溶解室4内には、ルツボ25を備えた溶解炉体26が設けられており、図の実線で示す姿勢で金属類の溶解が行われ、図示を省略した機構によって一点鎖線で示すように傾動されて、溶湯量の減少したタンディッシュ20内へ溶湯が補給される。鋳造室5には、タンディッシュ20のノズル部22の直下に直径400mmφで水冷の冷却ロール41が設けられており、ノズル部22の下端と冷却ロール41の外周冷却面との間隔は0.5mmとされている。冷却ロール41は矢印で示す方向へ回転速度1600rpmで回転されるので、その周速度は33.5m/secと算出される。また、タンディッシュ20のノズル部22内に設けられたスリット23の細長い矩形状の開口(例えば縦0.5mm×横50mm)が冷却ロール41の外周冷却面の回転方向と直角に設けられている。
【0005】
そして、鋳造室5は真空排気して1×10-1Paの圧力に維持され、タンディッシュ20内の溶湯Mのヘッドも考慮して、溶解室4の圧力を鋳造室5の圧力よりは常に5kPaだけ高いように調整し、溶湯Mをノズル部22のスリット23から冷却ロール41の外周冷却面へ供給することによって、厚さと幅が長さ方向に均一で表面の平滑なSm−Fe系やNd−Fe−B系の非晶質合金の金属薄帯Mを連続する長尺のリボン状として製造する装置である。
【0006】
タンディッシュは、当初、石英(SiO2 )を材料としノズル部と一体的に作製されたが、長時間の使用によって軟化し変形すること、また溶湯と反応して不純物を形成することから、最近では、耐熱性および溶湯の保温性を考慮してセラミックス、例えば、アルミナ(Al2 3 )、窒化珪素(Si3 4 )、窒化ホウ素(BN)等を材料とするものが使用されている。
【0007】
しかし、上記のようなセラミックスによるタンディッシュであっても、溶解炉から高温度の溶湯を常温のタンディッシュへ供給すると、ヒートショックによってクラック等の損傷を招き易く、またノズル部の狭幅のスロット内で溶湯が凝固して詰りを生じ易いのが実情である。従って、金属薄帯の製造に当っては、タンディッシュの予熱は重要な事項となっている。
【0008】
この予熱ついて、特開昭57ー137057号公報には、耐熱材料による溶湯容器の例えば側壁に加熱コイルを埋設すると共に、容器の下方に設けるセラミックス製ノズル部を通電可能な導電性耐熱材(例えば黒鉛)からなる支持板によって嵌着支持してノズル部を予熱する装置が開示されている。また、特開昭62ー220252号公報には、セラミックス製のノズル部を予熱するために、例えばノズル部の外周に巻き付けた抵抗線のような加熱手段を備えた装置が開示されている。更には特開平5ー123835号公報には、ノズル部のスリットの近傍にノズル部予熱用発熱体を埋め込んだ製造装置が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭57ー137057号公報によるノズル部の予熱は支持板の抵抗による発熱をノズル部に対して均等化させることに難がある。また、特開昭62ー220252号公報によるノズル部の加熱手段は水冷された金属製ルツボを使用することを前提とするものであり、かつ抵抗線を巻き付ける加熱手段は何ら新しい技術ではない。更には、特開平5ー123835号公報によるノズル部の予熱はノズル部のスリットの近傍に埋め込む発熱体として炭化珪素を使用した場合が例示されているが、ノズル部材料と発熱体材料との熱膨張率が異なる場合には、発熱体の膨張が大でノズル部に割れを生じたり、ノズル部の膨張が大で発熱体からノズル部への熱伝達が不均等になったりすることがある。
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、溶解炉体からの溶湯を収容した時に、タンディッシュに損傷やノズル部に詰りを発生させない金属薄帯の製造装置および製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は請求項1または請求項7の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば、次の如くである。
【0012】
請求項1の金属薄帯の製造装置は、溶解炉からの金属類の溶湯をタンディッシュに収容し、タンディッシュのノズル部のスリット又は小孔から冷却ロールの表面へ注湯し凝固させる金属薄帯の製造装置において、タンディッシュの本体部およびノズル部の内面に近接して装入され得る立体形状を有し誘導加熱の可能な加熱体と、タンディッシュの外周側に巻装される誘導加熱コイルとからなるタンディッシュの予熱装置が設けられているものである。このような金属薄帯の製造装置は、タンディッシュ内へ装入した加熱体を誘導加熱コイルによって加熱することにより、加熱体からの熱伝達によって、タンディッシュの本体部およびノズル部を任意の温度に予熱することができる。
【0013】
請求項1に従属する請求項2の金属薄帯の製造装置は、加熱体がタンディッシュ内へ装入された状態で、タンディッシュの装入開口から外周側へ張り出された形状のフランジ部を有している装置である。このような金属薄帯の製造装置は、加熱体をタンディッシュ内へ装入した状態で、フランジ部がタンディッシュの装入開口を塞ぐので、異物がタンディッシュ内へ落下、侵入することを防ぐ。また、タンディッシュからの熱拡散を防止する。
請求項1に従属する請求項3の金属薄帯の製造装置は、加熱体が炭素系材料の成型物からなる装置である。このような金属薄帯の製造装置は、加熱体をタンディッシュの内部形状に即して成型することが容易であり、かつ金属類と比較して軽量で取扱いを容易化させる。
【0014】
請求項1に従属する請求項4の金属薄帯の製造装置は、加熱体内の、タンディッシュの少なくともノズル部に対応する部分に温度計測用端子が挿入されている装置である。このような金属薄帯の製造装置は、タンディッシュのノズル部を任意の予熱温度に高い精度で把握することができ、ノズル部の温度管理を可能にする。
【0015】
請求項1に従属する請求項5の金属薄帯の製造装置は、誘導加熱コイルが加熱体の、タンディッシュの本体部に対応する部分を加熱するコイルと、ノズル部に対応する部分を加熱するコイルとによって構成されているものである。このような金属薄帯の製造装置は、タンディッシュの本体部とは独立してノズル部の加熱が可能であり、ノズル部の厳密な温度管理を可能ならしめる。
請求項1に従属する請求項6の金属薄帯の製造装置は、加熱体を加熱するための誘導加熱コイルが金属薄帯の製造中におけるタンディッシュ内の溶湯を加熱するための誘導加熱コイルと兼用されている装置である。このような金属薄帯の製造装置は、溶解鋳造室内の構成を簡素化させる。
【0016】
請求項7の金属薄帯の製造方法は、溶解炉から出湯される金属類の溶湯をタンディッシュに収容し、タンディッシュのノズル部のスリット又は小孔から冷却ロールの表面へ注湯し凝固させる金属薄帯の製造方法において、タンディッシュおよびノズル部の内面に近接して装入され得る立体形状を有し誘導加熱の可能な加熱体を、タンディッシュの本体部およびノズル部へ装入し、タンディッシュの外周側に巻装された誘導加熱コイルによって加熱体を加熱し、温度上昇した加熱体からの熱伝達によってタンディッシュおよびノズル部を予熱する方法である。
【0017】
このような金属薄帯の製造方法は、溶解炉からの出湯前の常温にあるタンディッシュ内へ加熱体を装入し誘導加熱することによってタンディッシュ本体部およびノズル部を予熱し得るので、任意の予熱温度に達した後に溶解炉から出湯させることにより、タンディッシュがサーマルショックによって損傷を受けたり、溶湯がノズル部内で凝固して詰りを生ずることを防止し得る。
【0018】
請求項7に従属する請求項8の金属薄帯の製造方法は、加熱体の上端部に連結される昇降機構によって、加熱体を下降させてタンディッシュ内へ装入し、加熱体を誘導加熱することによってタンディッシュの本体部およびノズル部を所定の温度に予熱した後、昇降機構によって加熱体をタンディッシュ内から引き上げて、溶解炉体から溶湯をタンディッシュへ供給する方法である。このような金属薄帯の製造方法はタンディッシュの予熱を円滑に進行させる。
【0019】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明の金属薄帯の製造装置および製造方法は、溶湯が供給されるタンディッシュの本体部およびノズル部の内面に近接して装入される立体形状を有し誘導加熱される加熱体と、タンディッシュの本体部およびノズル部の外周側に巻装された誘導加熱コイルとからなる予熱装置によって、タンディッシュの内面に近接して装入した状態の加熱体を誘導加熱して温度上昇させ、加熱体からの熱伝達によってタンディッシュの本体部およびノズル部を予熱するものである。
【0020】
タンディッシュの形状は特に限定されず、円筒形状、角筒形状、逆円錐台形状等であってもよく、また、タンディッシュに設けられるノズル部の位置や形状も特に限定されない。タンディッシュの材料には、耐熱性のセラミックスであるAl2 3 、Si3 4 、BN等が使用されるが、これらは何れも電気絶縁体であり、誘導加熱ができない。そのために加熱体を装入するのであるから、加熱体は容易に装入し、また取り出し得る形状であることが望まれる。そして、本発明における加熱体はタンディッシュの本体部およびノズル部の内面には接触しない程度の大きさで、内容積部分に対応する立体形状を持つように成型される。加熱体の材料は誘導加熱が可能で、所定の加熱湿度より高い融点を持つものであればよく炭素系材料や高融点金属が使用される。
【0021】
誘導加熱が可能な加熱体の材料として、炭素、中でも黒鉛は、高融点金属であるタングステン(W)、モリブデン(M)、タンタル(Ta)等と比較して、廉価、軽量であり、機械加工が容易で、誘導加熱され易いことから好適な材料である。加熱体はタンディッシュへ出し入れされることを考えると、一体として成型されたものであることが望ましいが、勿論、分割された部材をタンディッシュ内で組み立てる構成のものであってもよい。
【0022】
また、加熱体はタンディッシュに巻装される誘導加熱コイルによって予熱されるが、誘導加熱コイルは加熱体のタンディッシュに相当する部分とノズル部に相当する部分とを共に加熱するように巻装されていることが望ましい。すなわち、ノズル部では溶湯量に比してノズル部材料の量が大であり、更には、タンディッシュの材料にBNが使用される場合には、BNは熱伝導率が大であることから、ノズル部は温度低下し易く、十分な予熱は必須の要件である。従って、誘導加熱コイルは1本のコイルによって、加熱体のタンディッシュの本体部に相当する部分とノズル部に相当する部分とを加熱するように巻装してもよいが、2本のコイルを使用し、一方は本体部に相当する部分を加熱し、他方はノズル部に相当する部分を加熱するものとしてもよい。
【0023】
従ってまた、加熱体はタンディッシュの本体部に相当する部分とノズル部に相当する部分との温度を正確に求めて温度制御することが必要である。そのためには、温度計測用端子、例えば熱電対の測温端子をタンディッシュの本体部に取り付けると共にノズル部に相当する加熱体の部分に、少なくとも1本を埋め込んだものとするとが必要である。なおタンディッシュの本体部には複数個の温度計測用端子を取りつけることによって詳しい温度分布の把握が可能になる。
【0024】
なお、タンディッシュの予熱が完了し、溶解炉からタンディッシュへ出湯されノズル部のスリット又は小孔から冷却ロールへ注湯される金属薄帯の製造時には、タンディッシュの本体部の溶湯、ノズル部の溶湯を加熱して一定の温度に維持することを要するが、その加熱は一般的には誘導加熱によって行われるので、溶湯加熱用の誘導加熱コイルを出湯前における上記の加熱体の加熱、すなわちタンディッシュの予熱に兼用することができる。勿論、溶湯の加熱とタンディッシュの予熱とに独立した誘導加熱コイルを使用してもよい。
【0025】
加熱体はその加熱前にタンディッシュの装入開口から装入されるが、加熱体は一体物として装入してもよく、また分割された部材を装入開口からタンディッシュ内へ搬入し組み立てるようにしてもよい。何れにしても、加熱体は所定の温度まで誘導加熱され、タンディッシュは温度上昇した加熱体からの熱伝達によって予熱される。従って、加熱体は所定の湿度に上昇した状態でタンディッシュの本体部およびノズル部の内面に可及的に近接した状態となるように装入されることが望ましい。そして、タンディッシュの予熱が完了すると、加熱体はタンディッシュから取り出されるが、この加熱体の出し入れは、加熱体を一体物とし、上方に設けた昇降機構によってタンディッシュ内へ装入し、引き上げるようにすることによってを簡易化される。昇降機構にはチェインブロックや空気圧または油圧のシリンダーを使用し得る。
【0026】
【実施例】
次に、本発明の金属薄帯の製造装置および製造方法を実施例によって、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
(実施例)
図1は実施例の金属薄帯製造装置1の溶解鋳造室2を概略的に示す断面図である。その基本的な構成は図6に示した従来例の金属薄帯製造装置10の溶解鋳造室2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してそれらの説明は省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0028】
図1は、金属薄帯製造装置1のタンディッシュ20内に収容された溶湯Mがノズル部22のスリット23から冷却ロール41の外周冷却面へ供給されて金属薄帯Fが製造されている状態を示すが、溶解室4の天井面のレール11に水平方向へ走行可能に取り付けられたチェインブロック12のチェイン13のフック13fに加熱体14がその吊り手部15を引っ掛けられて懸吊されている。この加熱体14は、金属薄帯製造装置1の起動時等において、タンディッシュ20の本体部21およびノズル部22の温度が低い場合に、高温度の溶湯Mをタンディッシュ20へ供給して生ずるタンディッシュ20の本体部21のクラックやノズル部22の詰まりを回避するべく、溶湯Mの供給前に上方からタンディッシュ20内へ挿入して、これらを予熱することに使用される。
【0029】
図2は、図1に示した金属薄帯製造装置1の例えば起動前に、懸吊されている加熱体14がチェイン13によって下降されて、温度が低いタンディッシュ20内へ装入され、誘導加熱コイル27によって加熱されており、温度上昇した加熱体14からの熱伝達によってタンディッシュ20が予熱されている状態を示す。
【0030】
図3はタンディッシュ20の本体部21およびノズル部22の内部へ装入された加熱体14を拡大して示す縦断面図である。加熱体14はグラファイトの成型物であり、タンディッシュ20の本体部21に対応する部分14aとノズル部22に対応する部分14bとからなり、装入された状態でタンディッシュ20の本体部21とノズル部22との内面に近接する立体形状とされている。また、上端側はカーボン繊維の成型物であり、タンディッシュ20の側壁上に被さって外周側へ張り出すフランジ部14fとされているが、このフランジ部14fは断熱作用を持たせると共にタンディッシュ20の装入開口を塞いで、異物等がタンディッシュ20内へ落下するのを防止している。
【0031】
更には、加熱体14には中央の上端部から下方へ向けて1本の垂直孔16が穿設されており、底部には保護管を被せた熱電対の温度計測用端子17が挿入されている。すなわち、タンディッシュ20のノズル部22に対応する部分14bの温度の計測用である。なお、タンディッシュ20の本体部21には熱電対の温度計測用端子17’が取り付けられている。
【0032】
図3に示すような状態において、誘導加熱コイル27に高周波が通電されて、温度計測用端子17によって計測される加熱体14の温度が所定の温度、例えばタンディッシュ20へ供給される溶湯Mの温度と同じ温度(Sm−Fe系非晶質合金の場合では約1400℃)に達するまで加熱される。従って、その熱が伝達されることにより、タンディッシュ20の本体部21およびノズル部22が予熱される。そして、図示を省略した温度計によって、タンディッシュ20の本体部21およびノズル部22が所定の温度に予熱されたことが確認されると、図1を参照し、加熱体14はチェインブロック12によって引き上げられて待機場所へ移動された後、溶解炉体26からタンディッシュ20内へ溶湯Mが供給される。従って、溶湯Mが高温度であってもタンディッシュ20の本体部21にクラックを生じたり、ノズル部22のスロット23内で溶湯Mが凝固して詰まりを発生することはない。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0034】
例えば本実施の形態においては、加熱体14が一体物である場合を示したが、水平方向または垂直方向に分割されたもので、タンディッシュ31内で組立てるような加熱体であってもよい。
【0035】
また本実施の形態においては、加熱体14の内部に1本の温度計測用端子17を挿入して加熱温度を計測するようにしたが、少なくともタンディッシュ本体部21とノズル部22とに各1本を設けるようにしてもよい。
【0036】
また本実施の形態においては、図3に示したように、タンディッシュ20の外周側に巻装する誘導加熱コイル27を1本のコイルからなるものとしたが、図4に示すように、タンディッシュ20の本体部21に対応する加熱体14の部分14aを加熱する誘導加熱コイル27Aと、ノズル部22に対応する加熱体の部分14bを加熱する誘導加熱コイル27Bとの2本のコイルに分割してもよい。
【0037】
また本実施の形態においては、タンディッシュの本体部21とノズル部22とが一体物であるタンディッシュ20を例示したが、図5に示すように、タンディッシュ20’がAl23 製の本体部21’とBN製のノズル部22’の組み合わせとされている場合を含む。
【0038】
【発明の効果】
本発明の金属薄帯の製造装置および製造方法は以上に説明したような形態で実施され、次に述べるような効果を奏する。
【0039】
請求項1の金属薄帯の製造装置によれば、タンディッシュの内へ装入される加熱体とタンディッシュの外周側に巻装される誘導加熱コイルとによって、タンディッシュの本体部およびノズル部を任意の温度に予熱することができるので、予熱し、加熱体を取り出した後、溶解炉体から溶湯を供給しても、タンディッシュが溶湯との温度差によるクラック等の損傷や、ノズル部での溶湯の凝固による詰まりを解消することができる。
請求項2の金属薄帯の製造装置によれば、加熱体には、タンディッシュ内へ装入された状態で、タンディッシュの装入開口を塞いで外周側へ張り出したフランジ部が設けられているので、予熱時に異物がタンディッシュ内へ落下、侵入することを防ぐ。
【0040】
請求項3の金属薄帯の製造装置によれば、加熱体が炭素系材料の成型物であるので、タンディッシュ内の形状に即した加熱体の成型が容易であり、金属と比べて軽量で取扱いが容易である。
請求項4の金属薄帯の製造装置によれば、加熱体内の、タンディッシュの少なくともノズル部に対応する部分に温度計測用端子が挿入されているので、タンディッシュのノズル部の予熱温度を高い精度で把握し得る。
【0041】
請求項5の金属薄帯の製造装置によれば、誘導加熱コイルが、加熱体のタンディッシュの本体部に対応する部分を加熱するコイルと、ノズル部に対応する部分を加熱するコイルとによって構成されているので、タンディッシュの本体部とは独立してノズル部を加熱することが可能であり、ノズル部の厳密な温度管理を可能にする。
請求項6の金属薄帯の製造装置によれば、加熱体用の誘導加熱コイルが金属薄帯の製造中におけるタンディッシュ内の溶湯を加熱するための誘導加熱コイルと兼用されているので、金属薄帯の製造装置の溶解、鋳造室が簡素化される。
【0042】
請求項7の金属薄帯の製造方法によれば、タンディッシュの内面に近接して装入される加熱体と、タンディッシュの外周側に巻装された誘導加熱コイルによって加熱体を加熱し、温度上昇した加熱体によってタンディッシュの本体部およびノズル部を予熱するので、溶解炉体から高温度の溶湯を供給しても、サーマルショックによってタンディッシュが損傷を受けたり、ノズル部内で溶湯が凝固し詰りを生ずることを防ぎ得る。
請求項8の金属薄帯の製造方法によれば、加熱体の上端部に連結される昇降機構によって加熱体を下降させてタンディッシュ内へ装入し、加熱してタンディッシュを予熱し、予熱の終了後は昇降機構によって加熱体をタンディッシュ内から引き上げるので、タンディッシュの予熱を円滑に進行させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の金属薄帯の製造装置によって金属薄帯が製造されている状態を示す図である。
【図2】同装置において、タンディッシュが予熱される状態を示す図である。
【図3】タンディッシュ内に装入された加熱体が誘導加熱コイルによって加熱されることにより、タンディッシュが予熱される状態を示す図である。
【図4】誘導加熱コイルの変形例を示す図である。
【図5】本体部とノズル部とが異なる材料でなるタンディッシュを示す図である。
【図6】従来例の金属薄帯の製造装置を示す図であり、図1に対応する図である。
【符号の説明】
1 実施例の金属薄帯の製造装置
12 チェインブロック
13 チェイン
14 加熱体
17 温度計測用端子
20 タンディッシュ
21 本体部
22 ノズル部
23 スロット
25 ルツボ
26 溶解炉体
27 誘導加熱コイル

Claims (8)

  1. 溶解炉からの金属類の溶湯をタンディッシュに収容し、前記タンディッシュのノズル部のスリット又は小孔から冷却ロールの表面へ注湯し凝固させる金属薄帯の製造装置において、
    前記タンディッシュの本体部および前記ノズル部の内面に近接して装入され得る立体形状を有し誘導加熱の可能な加熱体と、前記タンディッシュの外周側に巻装される誘導加熱コイルとからなる前記タンディッシュの予熱装置が設けられている
    ことを特徴とする金属薄帯の製造装置。
  2. 前記加熱体が、前記タンディッシュ内へ装入された状態で、前記タンディッシュの装入開口から外周側へ張り出されたフランジ部を有している
    請求項1に記載の金属薄帯の製造装置。
  3. 前記加熱体が炭素系材料の成型物からなる
    請求項1または請求項2に記載の金属薄帯の製造装置。
  4. 前記加熱体内の、前記タンディッシュの少なくとも前記ノズル部に対応する部分に温度計測用端子が挿入されている
    請求項1から請求項3までの何れかに記載の金属薄帯の製造装置。
  5. 前記誘導加熱コイルが前記加熱体の前記タンディッシュの前記本体部に対応する部分を加熱するコイルと、前記ノズル部に対応する部分を加熱するコイルとによって構成されている
    請求項1から請求項4までの何れかに記載の金属薄帯の製造装置。
  6. 前記誘導加熱コイルが前記金属薄帯の製造中における前記タンディッシュ内の溶湯を加熱するための誘導加熱コイルと兼用されている
    請求項1から請求項5までの何れかに記載の金属薄帯の製造装置。
  7. 溶解炉から出湯される金属類の溶湯をタンディッシュに収容し、前記タンディッシュのノズル部のスリット又は小孔から冷却ロールの表面へ注湯し凝固させる金属薄帯の製造方法において、
    前記タンディッシュの本体部および前記ノズル部の内面に近接して装入され得る立体形状を有し誘導加熱の可能な加熱体を、前記タンディッシュ内へ装入し、前記タンディッシュの外周側に巻装された誘導加熱コイルによって前記加熱体を加熱し、温度上昇した前記加熱体からの熱伝達によって前記タンディッシュの前記本体部および前記ノズル部を予熱する
    ことを特徴とする金属薄帯の製造方法。
  8. 前記加熱体の上端部に連結される昇降機構によって、前記加熱体を下降させて前記タンディッシュ内へ装入し、前記加熱体を誘導加熱して前記タンディッシュの前記本体部および前記ノズル部を所定の温度に予熱した後、前記昇降機構によって前記加熱体を前記タンディッシュ内から引き上げ、前記溶解炉から溶湯を前記タンディッシュ内へ供給する
    請求項7に記載の金属薄帯の製造方法。
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