JP2874526B2 - 小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置 - Google Patents

小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置

Info

Publication number
JP2874526B2
JP2874526B2 JP18741193A JP18741193A JP2874526B2 JP 2874526 B2 JP2874526 B2 JP 2874526B2 JP 18741193 A JP18741193 A JP 18741193A JP 18741193 A JP18741193 A JP 18741193A JP 2874526 B2 JP2874526 B2 JP 2874526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crucible
mold
ingot
casting
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18741193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0716708A (ja
Inventor
公司 佐々木
英雄 塩崎
光良 高橋
文雄 児玉
健一 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP18741193A priority Critical patent/JP2874526B2/ja
Publication of JPH0716708A publication Critical patent/JPH0716708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2874526B2 publication Critical patent/JP2874526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型金属インゴットの
鋳造方法および鋳造装置に関し、特に、金などの貴金属
を精度良く溶解・鋳造して金インゴット等を製造する
際、鋳造工程およびその他の工程を自動化するのに適し
た鋳造方法および鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型の金属インゴット、特に、100g
バー、500gバー、1000gバー等の小型の金イン
ゴットは、その表面に正確な重量が刻印されないので、
高い精度が要求される。例えば、金の1000gバーの
場合には、単に1kgと刻印されるだけであるが、秤量
器の最小目盛り分(現状では0.01g)でも不足すれ
ば、商品価値が無くなるので、再度溶解・鋳造をやり直
したり、予め多めに秤量して欠量が無いようにする。後
者の場合には、過剰に付加する分だけは製造者の経済的
損失になる。また、金インゴットの場合には、鋳込み面
の光沢が乏しかったり、引け巣やしわが顕著であると刻
印ができなかったり、商品価値が無くなるといった厳し
い条件が課されている。
【0003】このため、作業者が注意深く手作業で溶解
・鋳造を行ってきた。この作業者の手作業では、効率が
悪く、作業者によってバラツキが生じる問題があった。
この対策として、特開平1−239384号公報記載の
ように、ルツボをロボットハンドで把持する形式の多関
節ロボットと、ルツボを載置したルツボ台を移動させな
がら溶解させる溶解装置と、鋳型を載置して回転させる
テーブルを用い、鋳型に離型材を噴霧し、乾燥し、溶解
装置においてルツボ内の金を溶解し、溶解した金を離型
材が塗布された鋳型に注入して金を鋳造し、鋳造後、鋳
型を傾けて金インゴットを水中に入れて冷却することに
よって自動的に金インゴットを製造する方法が提案され
ている。
【0004】また、特開平4−305359号公報に記
載のように、C字状に配置された高周波コイルを用いて
金を溶解し、黒鉛またはセラミックから作られた鋳型を
用い、鋳造前に予熱扉が付いた鋳型予熱器によって鋳型
を予熱し、またルツボを3点支持するロボットハンドと
鋳型用のロボットハンドを交換しながら用いるロボット
を使用して、金を鋳造する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の特開平
1−239384号公報記載の発明では、複雑な構造の
溶解炉を使用するので、温度の制御はよいが、装置が複
雑なため、設備の維持管理が大変であり、溶解速度を増
加させるには制限が伴う。またテーブルでの作業時間が
かかり、このため、溶解・鋳造工程全体に時間的制約を
与える。また水中に金インゴットを入れるので金インゴ
ットの表面が悪くなる恐れがある。
【0006】一方、後者の特開平4−305359号公
報記載の発明では、ルツボが高周波コイルの切り欠き部
に出たときに、ロボットがルツボを挟持してルツボ中の
金属を鋳型に注入し、空のルツボを同じコイルの切り欠
き部に戻し、金属を所定量ルツボに装入し、再度基台が
回転してルツボが高周波コイルで溶解されるために、時
間的に制限され、溶解・鋳造等の全体の工程が前述の工
程にかかる時間によって時間的制約を受ける問題があ
る。さらに、扉付きの鋳型予熱器を使用しているので、
鋳型を鋳込み台まで移動するのに時間がかかり、さらに
またロボットハンドを交換するための時間がかかり、ロ
ボットの制御がより複雑になるといった問題もある。
【0007】したがって、本発明の目的は、小型の金属
インゴット、特に金などの貴金属のインゴットを精度良
く溶解・鋳造し、得られるインゴットの鋳込み面を損な
うことなく、1つのロボットによって溶解・鋳造の多数
の作業工程を効率的に自動化できる簡単な構成の小型金
属インゴットを鋳造する小型金属インゴットの鋳造方法
および鋳造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、複数の高周波コイル内に金属地金を収
容したルツボを順次装入して金属地金を溶解し、溶解し
た湯面の温度を検出する放射温度計の指示が予め設定し
た温度となったとき、前記ルツボを前記高周波コイルか
ら順次取り出し、予め離型材が付着され、その後所定の
温度に予熱された鋳型に前記ルツボ内の金属を順次鋳込
むことを特徴とする小型金インゴットの鋳造方法を採用
するものである。
【0009】また、本発明は、複数の高周波コイルと、
該高周波コイルの中心線の上方に設けられた放射温度計
と、ルツボを前記高周波コイルの内部に装入しまたは内
部から排出するための手段とから成る溶解炉と、鋳型を
予熱する第1加熱装置と、鋳型にルツボからの金属地金
を鋳込む状態に鋳型を載置するための鋳込台と、鋳込台
の近傍に配置され鋳型内の金属地金を緩やかに冷却する
ように金属地金を加熱する第2加熱装置と、ルツボを前
記高周波コイルに供給するためにルツボを載置しておく
ルツボ供給装置と、鋳型に離型材を付着させる離型材付
着層置と、鋳込まれた小型金属インゴットを反転して離
型し、載置するための反転台と、小型の金属インゴット
を収容するインゴットストック台と、ルツボ、鋳型およ
び小型金属インゴットを前記各装置の間で移送するため
の多関節ロボットと、該多関節ロボットをシーケンス制
御する制御装置と、を有することを特徴とする小型金属
インゴットの鋳造装置を採用するものである。
【0010】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の鋳造装置で用いる溶解炉を概略的
に示す側面図であり、図2は、鋳造装置を構成する個々
の装置の配置を示す概略配置図である。
【0011】図1において、金属地金を収容したルツボ
1を加熱する高周波コイル2は、複数個が直列に接続さ
れて電源3(図2参照)に接続されている。ルツボ1
は、円柱状耐火物4の上に載置された状態で押上シリン
ダ5によって昇降されて高周波コイル内に挿入された
り、コイルから排出されたりするように構成されてい
る。高周波コイル2の縦方向の中心線上方には放射温度
計6が設置されており、これらの放射温度計6によって
ルツボ1内の金属地金の溶解温度(溶解状況)を監視す
ることができる。
【0012】図2において、鋳型を載置する鋳込み台
(図示せず)と、鋳型に対して炎が噴出するように鋳込
み台の近傍に設けられた鋳造用バーナ装置(図示せず)
からなる鋳込装置7は高周波コイルに一番近い位置に設
置されている。鋳込装置7で鋳込まれ、凝固した金属地
金が入っている鋳型を反転して離型して載置台で受ける
反転台8は鋳込装置7の近傍に配置されている。ロボッ
ト9を中心として高周波コイル2から死角(ロボットア
ームが単純に旋回するだけでは移動できない領域、この
実施例では60°)を隔てて離型材付着装置10が配置
されており、この離型材付着装置10によって鋳型に自
動的に離型材を付着させるようになっている。また、離
型材を付着させた鋳型を予熱するために、鋳型を平板上
に載置し平板の下面を加熱する構造の上部開放型ホット
プレート11は鋳込装置7の近傍で反転台8の上方に設
けられている。金属地金を収容したルツボ1を高周波コ
イル2に順次供給できるように、複数のルツボを載置し
ておくルツボ供給装置12が反転台8の隣に配置されて
おり、また、反転台8から金属地金、即ち金属インゴッ
トを順次載置するためのストック台13がルツボ供給装
置12と前述の離型材付着装置10の間に配置されてい
る。
【0013】要約すると、図2に示すように、高周波コ
イル2、鋳込装置7、反転台8、上部開放型ホットプレ
ート11、ルツボ供給装置12、インゴットストック台
13および離型材付着装置10は、多関節ロボット9を
中心としてほぼ同一円周上に配置されており、これらの
装置と多関節ロボット9の動作は制御装置14によって
シーケンス制御される構造になっている。
【0014】前述の反転台、鋳込装置、ルツボ供給装
置、インゴットストック台、離型材付着装置、多関節ロ
ボットのロボットハンドの詳細な説明(これらに関連す
る説明)が、本出願人による本出願と同日出願の特許出
願((1)整理番号:05−0030P、発明の名称:
金インゴット位置決め装置および金インゴット処理方
法、(2)整理番号:05−0031P、発明の名称:
金インゴット鋳造用ロボットハンドおよび該ロボットハ
ンドで把持するのに適した鋳型、(3)整理番号:05
−0032P、発明の名称:鋳型への離型材付着方法お
よび装置、(4)整理番号:05−0033P、発明の
名称:小型金インゴットのストック台および該ストック
台への金インゴットの載置方法、(5)整理番号:05
−0034P、発明の名称:ルツボ供給装置、および
(6)整理番号:05−0035P、発明の名称:金イ
ンゴット鋳造用バーナ装置および鋳造方法)に記載され
ているので、参照されたい。
【0015】次に、本発明の鋳造装置の動作(鋳造方
法)について説明する。最初に、ルツボ供給装置12に
準備された金属地金を収容しているルツボ1を多関節ロ
ボット9のアーム(図示せず)の先端にあるハンド(図
示せず)で挟持して加熱されている高周波コイル2の上
方まで移動させ、押上シリンダ5の動作により予め上昇
している円柱状耐火物4の上面に載置する。次いで、押
上シリンダ5を動作させてルツボ1を降下させ、高温域
にセットする。一方、鋳型は離型材付着装置10によっ
てその表面に離型材を施され、次いで多関節ロボット9
のハンドによって上部開放型ホットプレート11に載置
されて、金属地金を金属質鋳型に鋳込む際に金属質鋳型
が所定の温度(T2 )になるように温度調節しながら予
熱されている。前述の高周波コイルの高温域にセットさ
れたルツボ1中の金属地金が溶解し、放射温度計6の指
示が所定の温度(T1 )になったとき、予熱された鋳型
を鋳込装置7の鋳込台上に多関節ロボット9のハンドに
よって運ぶ。
【0016】次に、金属の温度を指示する放射温度計6
の指示が所定の温度(T3 )になったとき、押上シリン
ダ5を動作させ、ルツボ1を上昇させて高周波コイル1
から出す。予め高周波コイル2の上方に移動させて待機
している多関節ロボット9のハンドがこのルツボ2を挟
持して既に鋳込装置の鋳込台に載置してある金属質鋳型
の上方まで移動させ、次いでルツボ1を傾斜させてルツ
ボ内で溶融している金属地金を鋳込む。
【0017】鋳込み終了後に多関節ロボット9のハンド
が退避すると同時に、鋳込装置7の鋳造用バーナ装置が
作動して金属地金を徐々に冷却するようにして凝固させ
る。凝固が終了し、鋳造用バーナ装置の動作が停止した
とき、多関節ロボット9のハンドが金属質鋳型を挟持し
てこれを反転台8まで移動し、金属質鋳型を反転させて
金属地金から作られたインゴットを離型させ、この反転
台上でインゴットを冷却させる。
【0018】その後、インゴットを離型された金属質鋳
型は、多関節ロボット9のハンドに挟持されたまま離型
材付着装置10に移送され、再び離型材を付着された後
上部開放型ホットプレート11に移送されて予熱され
る。一方、反転台8上で十分冷却されたインゴットは、
多関節ロボット9のハンドによって挟持されてインゴッ
トストック台13に移送されてインゴットストック台1
3上に落下されて貯蔵される。
【0019】以上が一連の操作であり、次に高周波コイ
ル2に金属地金を収容したルツボを装入するのは、前回
の一連の操作に支障のないようにほぼ一定の時間的間隔
を開けながら順次装入するようにシーケンス制御され
る。
【0020】この場合、溶解炉は常に同じ加熱状態に制
御されているので、金属地金を収容したルツボ1を高周
波コイル2に装入してから排出するまでの時間はほぼ同
一であると推定して、時間的なシーケンスのみで制御す
ることも考えられるが、実際には、金属地金の重量は同
じでも金属地金の形状の違いによって溶解時間が異な
り、ルツボ1の寸法の僅かな違いおよび高周波コイル2
内のルツボの位置の僅かな違いによっても溶解時間がか
なり異なるので、単に時間的なシーケンス制御だけでは
十分でなく、温度による制御も併用することが好まし
い。しかし、このような上方が開放された高周波コイル
2による加熱では高周波コイルの縦方向および横方向の
均熱性が非常に悪く、温度の変動が大きいので、放射温
度計6によって測定した温度がルツボ1の内の金属地金
の全体の実質的な温度を示さず、単に大まかな温度指示
値を示しているものである。しかし、このような問題を
持つ放射温度計の温度指示でも本発明のように使用する
と、ほとんど支障がないことが見いだされている。
【0021】金属地金が金地金である1kgバーのイン
ゴット(概略寸法116×50×8mm)を製造する場
合には、ルツボ1を上昇させて高周波コイル2から排出
される放射温度計6の指示の好ましい所定温度(T3
は1250〜1300°Cであり、金属質鋳型を上部開
放型ホットプレート11から鋳込装置7の鋳込台に載置
する指示がなされるときの放射温度計6の指示の所定の
温度(T1 )は1170〜1200°Cである。温度
(T3 )が1250°C未満では、鋳造後の金インゴッ
ト表面の鋳込み面のシワが深くなり、商品価値が低下
し、温度(T3 )が1300°Cを越えると、金が揮発
したり、鋳込む際に金の微粒子が飛散して金インゴット
の重量が規定値より低下してしまい商品とならなくなっ
てしまったり、凝固時間が長くなり、結果的に比重が規
定値(19.2g/cm3 )より低くなって商品となら
なくなったりする。
【0022】また、金属地金を金属質鋳型に鋳込む際の
金属質鋳型の温度も、得られるインゴットの出来具合い
に大きく影響するので、所定の温度(T2 )になるよう
に調整することが望ましく、金属地金が金地金である1
kgバーのインゴットを製造する場合には、望ましい所
定温度(T2 )は220〜270°Cであり、温度(T
2 )が220°C未満では凝固時間が短くなるために鋳
造後の金インゴット表面の鋳込み面のシワが深くなり、
商品価値が低下してしまい、温度(T2 )が270°C
を越えると、インゴットの鋳型と接していた面が変色し
たり、小さい窪みが多数発生したり、鋳込む際に金の微
粒子が飛散してインゴットの重量が規定値より低下して
しまい、または凝固時間が長くなるため、結果的に比重
が規定値より低くなり商品とならなくなってしまう。温
度(T3 )と(T2 )は金属地金の種類およびインゴッ
トの重量、寸法により異なるので、適宜設定する必要が
ある。
【0023】本発明では、伝熱性のよい金属質鋳型を用
いるので、上部開放型ホットプレートで金属質鋳型を十
分予熱でき、特開平4−305359号公報に記載され
ているようなセラミック質の鋳型を用いて扉付きの鋳型
予熱炉で予熱する方法と比べると、ロボットによる鋳型
の挟持がやり易く、制御に時間的な余裕を与えることが
できる。金属質鋳型として通常の形状のものでも使用可
能であるが、前述した本出願人の特許出願に記載のよう
にロボットハンドで挟持し易い特殊な形状の把手を有す
る鋳型が好ましく、また鋳込み時の熱ショックに対して
強い耐熱鋳鉄質の鋳型が好ましい。
【0024】上部開放型ホットプレート11上から金属
質鋳型を鋳込装置7の鋳込台に載置し、高周波コイル2
で押上シリンダ5によって排出されたルツボ1を挟持
し、これを鋳込装置7の鋳込台上で金属質鋳型に鋳込む
といった一連の作業では、ロボットハンドがルツボおよ
び鋳型を挟持するが、この際、特開平4−305359
号公報に記載のようにロボットのハンドを交換しながら
行うことも可能であるが、これらの工程は相互に関連し
ているので、短時間にスムーズに行うことが好ましく、
前述した本出願人の特許出願に記載のようにロボットア
ームの先端にルツボを挟持する部分と鋳型を挟持する部
分とインゴットを挟持する部分を持つロボットハンドを
用い、これらの部分を切り替えて使用することが好まし
い。
【0025】また、図2に示すように、鋳込装置7を中
心におき、両側に高周波コイル2と上部開放型ホットプ
レート11を配置した方が作業の流れをスムーズにでき
るので好ましい。
【0026】なお、多関節ロボットには、必ずアームを
単純に旋回するたけでは到達できない死角の部分があ
り、複雑なアームの動きをすればこの死角の領域にもア
ームを移動させることができるが、本発明が対象として
いる高熱の物体を扱う場合には危険を伴うので、そのよ
うなアームの動きを避けることが好ましい。
【0027】反転台8、離型材付着装置10、ルツボ供
給装置12、インゴットストック台装置13については
自動化し易い構造のものであれば、どのような構造でも
構わない。
【0028】次に、本発明の具体的な実施例および比較
例について説明する。
【0029】(実施例1)重度99.99重量%の金を
1000.07〜1000,09g秤量したルツボ
(6.2cmφ×7.1cmH)を、内径9.5cmφ
×5cmHの高周波コイルを4個直列に連結した、周波
数9kHz、電圧400V、電流35Aで加熱している
高周波炉の高周波コイルに順次装入し、放射温度計の指
示(T1 )が1170°Cのとき、予め離型材を付着さ
せ、上部開放型ホットプレート上で予熱していた耐熱鋳
鉄製鋳型を鋳込台に載置する。放射温度計の指示が12
50°Cとなると、ロボットハンドが定位置から炉上に
移動する信号が出され、その後2〜3秒後にロボットハ
ンドが炉上にきたのをセンサで検知して、押上シリンダ
を作動させてルツボを高周波コイルから排出させ(この
とき、放射温度計の指示、T3 は1270°C)、温度
(T2 )が220°Cの耐熱鋳鉄製鋳型にルツボから金
を鋳込み、鋳込装置の鋳造用バーナ装置を作動させなが
ら金を凝固させる。凝固した後は、反転台の上方で鋳型
を反転させてインゴットを離型させ、冷却終了後にイン
ゴットストック台にインゴットを載置した。
【0030】これらの工程において、ルツボ、鋳型、イ
ンゴットの移動は、ルツボ用挟持部分、鋳型用挟持部分
およびインゴット用挟持部分を持つ1つのロボットハン
ドを備えた多関節ロボットを使用した。なお、放射温度
計の指示(T1 )で上部開放型ホットプレートから耐熱
鋳鉄製鋳型を持ち上げ、その後金地金を耐熱鋳鉄製鋳型
に鋳込むまでの時間は45秒であった。
【0031】金インゴットは6分間隔で製造され、得ら
れた金インゴットの重量は1000.02〜1000.
07gで、比重は19.22〜19.30g/cm3
あり、大きな引け巣や、強いシワがなく、光沢もあり、
商品価値の高いものであった。
【0032】(実施例2)T3 を1250°Cとし、T
2 を270°Cとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。得られた金インゴットの重量、比重のバラツキは実
施例1と同様であり、問題はなく、インゴットの表面は
実施例1よりシワはやや深いが商品価値には問題がなか
った。
【0033】(実施例3)T3 を1300°Cとし、T
2 を220°Cとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。得られた金インゴットの重量、比重のバラツキは実
施例1と同様であり、問題はなく、インゴットの表面は
実施例1よりは引け巣がやや深いが商品価値には問題が
なかった。
【0034】(比較例1)T3 を1230°Cとし、T
2 を210°Cとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。得られた金インゴットの重量、比重のバラツキは実
施例1と同様であり、問題はないが、インゴットの表面
はシワが深過ぎて、商品価値はダメであった。
【0035】(比較例2)T3 を1320°Cとし、T
2 を210°Cとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。ルツボを高周波コイルから排出させたときに金の微
粒子がかなり飛散するのが観察され、また金を鋳型に鋳
込む際にも同様の現象が観察された。得られた金インゴ
ットの重量は、999.08〜1000.05gであ
り、比重が19.18〜19.25g/cm3 であり、
製品規格(1000g以上、19.2g/cm3 以上)
を満足しないものが製造され、金インゴットの表面は引
け巣が大きく、鋳型と接する面、特に鋳湯部がやや赤く
変色する現象が観察された。このように、商品価値がな
いものが多く製造された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
金属地金、特に金などの貴金属の重量精度が良く、引け
巣や強いシワの無いきれいなインゴットが製造でき、ま
た簡単な構造で自動化できる鋳造装置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の鋳造装置で用いる溶解炉を概略
的に示す側面図である。
【図2】図2は、鋳造装置を構成する個々の装置の配置
を示す概略配置図である。
【符号の説明】
1 ルツボ 2 高周波コイル 7 鋳込装置 8 反転台 11 上部開放型ホットプレート 12 ルツボ供給装置 13 インゴットストック台 10 離型材付着装置 9 多関節ロボット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−249067(JP,A) 特開 平4−305359(JP,A) 特開 昭59−33067(JP,A) 特開 平7−16738(JP,A) 特開 平7−16735(JP,A) 特開 平7−16734(JP,A) 実開 昭61−102359(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 5/00 B22D 39/00 B22D 47/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の高周波コイル内に金属地金を収容
    したルツボを順次装入して金属地金を溶解し、溶解した
    湯面の温度を検出する放射温度計の指示が予め設定した
    温度となったとき、前記ルツボを前記高周波コイルから
    順次取り出し、予め離型材が付着され、その後所定の温
    度に予熱された鋳型に前記ルツボ内の金属を順次鋳込む
    ことを特徴とする小型金インゴットの鋳造方法。
  2. 【請求項2】 複数の高周波コイルと、該高周波コイル
    の中心線の上方に設けられた放射温度計と、ルツボを前
    記高周波コイルの内部に装入しまたは内部から排出する
    ための手段とから成る溶解炉と、鋳型を予熱する第1加
    熱装置と、鋳型にルツボからの金属地金を鋳込む状態に
    鋳型を載置するための鋳込台と、鋳込台の近傍に配置さ
    れ鋳型内の金属地金を緩やかに冷却するように金属地金
    を加熱する第2加熱装置と、ルツボを前記高周波コイル
    に供給するためにルツボを載置しておくルツボ供給装置
    と、鋳型に離型材を付着させる離型材付着装置と、鋳込
    まれた小型金属インゴットを反転して離型し、載置する
    ための反転台と、小型の金属インゴットを収容するイン
    ゴットストック台と、ルツボ、鋳型および小型金属イン
    ゴットを前記各装置の間で移送するための多関節ロボッ
    トと、該多関節ロボットをシーケンス制御する制御装置
    と、を有することを特徴とする小型金属インゴットの鋳
    造装置。
JP18741193A 1993-06-30 1993-06-30 小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置 Expired - Lifetime JP2874526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18741193A JP2874526B2 (ja) 1993-06-30 1993-06-30 小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18741193A JP2874526B2 (ja) 1993-06-30 1993-06-30 小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0716708A JPH0716708A (ja) 1995-01-20
JP2874526B2 true JP2874526B2 (ja) 1999-03-24

Family

ID=16205574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18741193A Expired - Lifetime JP2874526B2 (ja) 1993-06-30 1993-06-30 小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2874526B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005007093A (ja) 2003-06-23 2005-01-13 Katsushika:Kk 粉状化粧料容器
DE102006049869A1 (de) * 2006-10-23 2008-04-24 Bdw Technologies Gmbh & Co. Kg Verfahren und Anlage zur Herstellung eines Gussbauteils
JP6242645B2 (ja) * 2013-09-30 2017-12-06 中部電力株式会社 プラズマ溶解装置及びプラズマ溶解方法
WO2015149052A1 (en) * 2014-03-28 2015-10-01 Inductotherm Corp. Clean cell environment roll-over electric induction casting furnace system
KR101707316B1 (ko) * 2015-06-18 2017-02-15 현대제철 주식회사 인고트 처리장치 및 그 제어방법
WO2018185530A1 (en) * 2017-04-07 2018-10-11 Topcast Srl Method and device for the production of ingots of precious metal
CN109047740B (zh) * 2018-08-09 2020-06-12 盐城宝风机械科技有限公司 一种金属加工用多位模具浇铸装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0716708A (ja) 1995-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4178986A (en) Furnace for directional solidification casting
JP3211754B2 (ja) 半溶融成形用金属の製造装置
US4287932A (en) Process for the precision molding of castings
JP2874526B2 (ja) 小型金属インゴットの鋳造方法および鋳造装置
EP0471798B1 (en) Induction skull melt spinning of reactive metal alloys
JP3499123B2 (ja) 小ロット混合生産用自動注湯装置
US3754592A (en) Method for producing directionally solidified cast alloy articles
JP3949208B2 (ja) 連続鋳造体を製造するための金属の再溶解方法およびそれに用いる装置
JPH077706B2 (ja) るつぼを使用せずに金属を誘導溶解する方法及び装置
JP2002336946A (ja) 金属成形品の製造装置
JPH0225701B2 (ja)
US3381742A (en) Metal casting and solidification
US5484008A (en) Thermocouple positioner for directional solidification apparatus/process
JPS564350A (en) Tundish for continuous casting
JP2826867B2 (ja) アルミインゴットの急速溶解方法と装置
JP2576685B2 (ja) 精密鋳造装置
CN206869046U (zh) 一种高纯镍、钴及其合金锭真空感应熔铸用装置
JPH0399752A (ja) 高融点且つ活性な金属の連続鋳造用鋳型
CN213841734U (zh) 一种真空悬浮熔炼炉自动翻锭装置
JPS62246870A (ja) 溶融鋳込み耐火物及びその製造方法
JPH06182525A (ja) 活性金属の溶解・注入方法及びその装置
JPH0422562A (ja) Ti,Ti合金の精密鋳造方法および精密鋳造装置
JPH04305359A (ja) 金地金バーの鋳造方法
JPH05104209A (ja) 水平連続鋳造方法とその装置
JP2984174B2 (ja) 鋳造装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110114

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120114

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120114

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 15

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

EXPY Cancellation because of completion of term