JP4498697B2 - 伝動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、装飾性に優れた伝動装置に関し、時計の指針や装飾用の飾り等を駆動する装置として好適に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
装飾に利用される伝動装置は、見た目の面白さが重要とされる。例えば特許文献1には、透明板に指針を設けた時計であって、その指針を駆動する機構が見た目からは解らないように構成されたものが提案されている。つまり、時計を見る者にとっては、なぜ指針が動くのかと興味をそそる不思議なものである。特許文献1に記載された時計の場合、指針を駆動する手段としては、透明板と組み合わせたラチェット機構が採用されている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭49−18563号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、この種の伝動装置については、その趣向を凝らすとともに、被駆動部の駆動効率の向上、設計の自由度の向上等が重要な課題とされており、前述した指針を駆動する機構が解らないように構成された時計についても、これらの諸条件を考慮しつつ更なる構造的工夫が求められている。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装飾性に優れ且つ合理的に構成された伝動装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願第1請求項に記載した発明は、被駆動部に動力を伝達する伝動装置において、前記被駆動部を駆動可能に装着した第1透明板と、前記第1透明板と向かい合うとともに前記被駆動部と係合した第2透明板と、前記第2透明板を前記第1透明板に対して公転させる駆動手段と、前記第2透明板の縁部の移動領域を覆う枠体と、前記駆動手段を収納するとともにその上部に前記枠体を搭載するケース体と、前記第1透明板との間に前記第2透明板を介在する第3透明板と、前記第2透明板の荷重に対する前記駆動手段の負荷を軽減する駆動負荷軽減手段とを備え、前記被駆動部が前記第2透明板の公転に連動して駆動するものであり、前記第1透明板、前記第2透明板、及び前記第3透明板は、前記ケース体の内部に延出する延出部をそれぞれ備え、前記駆動負荷軽減手段は、前記第1透明板の延出部と前記第3透明板の延出部との間に架設された支持体と、前記支持体に設けられた上下方向のスライド軸と、前記スライド軸に沿って上下移動可能に設けられた重りと、前記第1透明板の延出部と前記第3透明板の延出部との間に設けられた滑車と、前記第2透明板の延出部の要所に設けられた支持部材と、前記滑車に掛け回されるとともに前記重りと前記支持部材とを連結する紐体とを備え、前記スライド軸、前記重り、前記滑車、前記紐体、及び前記支持部材が左右対称に設けられている構成の伝動装置である。このような構成によると、装飾性に優れ且つ合理的に構成された伝動装置が得られる。すなわち、本発明の伝動装置によると、第2透明板が第1透明板に対して公転し、被駆動部が第2透明板の公転に連動して駆動する。第1透明板及び第2透明板が透明であるため、被駆動部を駆動する機構は見た目からは解らない。つまり、伝動装置を見る者にとっては、なぜ被駆動部が動くのかと興味をそそる不思議なものとなる。また、被駆動部が第2透明板と連動することによれば、被駆動部には動力を連続して円滑に伝達することが可能となる。仮にラチェット機構を採用すると、被駆動部の動きは間欠的にならざるを得ないところ、本発明によれば、連続した被駆動部の動きを得ることが可能となる。
【0006】
更に、前記駆動手段は、前記第2透明板を枢支する回転駆動部を備えたものであるとよい。すなわち、第1透明板に対して第2透明板を公転する場合は、駆動手段に回転駆動部を設け、第2透明板はその回転駆動部に枢支するとよい。第2透明板は、回転駆動部の回転と同じ周期で公転する。
【0007】
更に、当該伝動装置は、前記第2透明板を枢支するローラを備えたものであるとよい。すなわち、第1透明板に対して第2透明板を公転する場合は、伝動装置の要所にローラを設け、第2透明板はそのローラに枢支するとよい。このような構成によると、第2透明板の公転をより安定化させることが可能となる。
【0008】
更に、当該伝動装置は、前記第2透明板の縁部の移動領域を覆う枠体を備えている。すなわち、第2透明板の縁部の移動領域を覆うことによれば、1透明板に対して第2透明板が公転していることを隠すことができ、被駆動部を駆動する機構を解らないようにする点で効果的である。
【0009】
更に、当該伝動装置は、前記駆動手段を収納するケース体を備え、前記第2透明板は、前記ケース体の内部に延出する延出部を備えている。前記駆動手段は、前記第2透明板の延出部を操作するものであるとよい。すなわち、駆動手段は、これを収納するケースの内部に延出した延出部を操作して第2透明板を公転するように構成するとよい。このような構成によると、第2透明板及び駆動手段のレイアウトの簡素化が達成される。
【0010】
更に、当該伝動装置は、前記第1透明板との間に前記第2透明板を介在する第3透明板を備えている。すなわち、ごみや埃等が付着して第2透明板が汚れてしまうと、第1透明板に対して第2透明板が公転していることを露顕してしまう場合がある。また、傍観者が第2透明板を手で触りこれが公転していることを確認してしまう場合も考えられる。この点、第3透明板によれば、第2透明板を外部から保護することにより、これらの事態を防止することが可能となる。
【0011】
尚、当該伝動装置は、前記第2透明板との間に前記第1透明板を介在する第4透明板を備えたものであるとよい。すなわち、被駆動部を駆動可能に装着した第1透明板は、第4透明板にて外部から保護するとよい
【0012】
本発明のように、第2透明板の荷重に対する駆動手段の負荷を軽減することによれば、駆動手段の動力を省力化することができ、より合理的である。例えば、比較的大きな第2透明板を上下方向に公転する場合は、第2透明板の荷重を持ち上げるのに必要な動力が非常に大きくなり、一定速度の維持が困難になる等の不都合が考えられるところ、本発明によれば、そのような不都合を回避し、より安定した第2透明板の公転を確保することが可能となる。
【0013】
本願第2請求項に記載した発明は、被駆動部に動力を伝達する伝動装置において、前記被駆動部を駆動可能に装着した第1透明板と、前記第1透明板と向かい合うとともに前記被駆動部と係合した第2透明板と、前記第2透明板を前記第1透明板に対して公転させる駆動手段と、前記第2透明板の縁部の移動領域を覆う枠体と、前記駆動手段を収納するとともにその上部に前記枠体を搭載するケース体と、前記第1透明板との間に前記第2透明板を介在する第3透明板と、前記第2透明板の公転を安定化させる公転安定化手段とを備え、前記被駆動部が前記第2透明板の公転に連動して駆動するものであり、前記第1透明板、前記第2透明板、及び前記第3透明板は、前記ケース体の内部に延出する延出部をそれぞれ備え、前記公転安定化手段は、前記第2透明板の延出部に摺接する樹脂製の第1摺接体及び第2摺接体を備え、前記第1摺接体は、前記第1透明板の延出部又は前記第3透明板の延出部に支持され、前記第2摺接体は、弾性部材の弾性力により前記第2透明板を前記第1摺接体側へ付勢するものであり、前記弾性部材は、前記第3透明板の延出部又は前記第1透明板の延出部に支持されたシリンダの内部に収納されており、前記第2摺接体は、前記シリンダに対して移動可能に設けられたロッドに支持されており、前記弾性部材の弾性力は、前記シリンダの内部に収納したスライダ部の位置を移動することによって調整されるものとし、前記スライダ部は、前記ロッドとの間に前記弾性部材を挟むものであり、その位置は、前記シリンダの底部に螺合した雄ねじ部品を回して移動するようにした構成の伝動装置である。すなわち、第2透明板は、その公転に伴い微妙なガタツキ等が生じる場合もある。このような場合は、公転安定化手段を設けることにより、その公転を安定化すると一層合理的である。第2透明板のガタツキは、例えば、これを上下方向に公転する場合において、第2透明板が上昇から下降又は下降から上昇に転じる際に生じる場合が考えられる。
【0014】
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1又は2において、前記被駆動部は、時計の指針である構成の伝動装置である。すなわち本発明は、装飾性に優れ且つ合理的に構成された伝動装置であり、時計の指針を駆動する装置として好適に利用することが可能である。本発明によれば、なぜ指針が動くのかと興味をそそる不思議な時計が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1具体例を図1乃至図9に基づいて説明する。図1乃至図6に示す本例の伝動装置1は、時針210及び分針220をそれぞれ所定の速度で回転する時計の指針機構部200に動力を伝達するものである。そして、指針機構部200を配置した時刻表示部100は透明となっており、伝動装置1の手前側からは奥側、奥側からは手前側が透けて見える構成となっている。指針機構部200には歯車等が連結されていないことが一目で解る。つまり、伝動装置1を見る者にとっては、なぜ指針が動くのかと興味をそそる不思議なものとなる。
【0016】
この伝動装置1は、被駆動部たる時計の指針機構部200と、指針機構部200を駆動可能に装着した第1透明板310と、第1透明板310と向かい合うとともに指針機構部200と係合した第2透明板320と、第1透明板310との間に第2透明板320を介在する第3透明板330と、第2透明板320との間に第1透明板310を介在する第4透明板340と、第2透明板320の縁部の移動領域を覆う枠体400と、第2透明板320をそれぞれ枢支する複数のローラ500と、第2透明板320を第1透明板310に対して公転させる駆動手段600と、駆動手段600を収納するケース体700とを備えている。各透明板310,320,330,340は、ガラス製又は樹脂製の透明又は半透明の板材である。第1透明板310及び第3透明板330の間には、適宜間隔でスペーサ301が設けられている。枠体400は、第2透明板320の移動領域を覆うとともに、第1透明板310、第3透明板330、及び第4透明板340の縁部を支持するものである。時刻表示部100は、枠体400で囲まれた部位であり、各透明板310,320,330,340が重ねられた状態となっている。第1透明板310、第3透明板330、及び第4透明板340のいずれかには、時刻の指標部101が設けられている。指針機構部200は、第2透明板320の公転に連動して駆動する。
【0017】
本例の場合、第1透明板310、第2透明板320、及び第3透明板330は、ケース体700の内部に延出する延出部311,321,331をそれぞれ備えている。
【0018】
ケース体700は、上部に枠体400を搭載するものであり、ケース体700の内部と枠体400の内部とを連通する連通部710と、枠体400を支える支柱720とを備えている、第1透明板310、第2透明板320、及び第3透明板330の延出部311,321,331は、連通部710を貫通して枠体700の内部に延出している。
【0019】
駆動手段600は、モータを内蔵した時計用のムーブメント610と、ムーブメント610に連結された輪列機構620と、第3透明板330の延出部331に回転可能に装着されるとともに第2透明板320の延出部321を枢支する回転駆動部630と、輪列機構620の要所に噛合された針合せカナ640とを備え、ムーブメント610が出力する動力(つまりトルク)が輪列機構620を介して回転駆動部630に伝わり、この回転駆動部630が第2透明板320の延出部321を操作して第2透明板320を上下方向に公転する構成となっている。第2透明板320は1時間に1回転する。針合せカナ640は、これを手動で回転すると回転駆動部630がその回転に応じて回転するものであり、具体的には、時針210及び分針220の位置を任意に調整する場合に用いられる。
【0020】
第2透明体320を枢支する各ローラ500は、第1透明板310及び第3透明板330の間にそれぞれ装着されている。図例では、枠体400にて覆われる複数のローラ500と、ケース体700の内部に位置する1つのローラ500とを設けている。各ローラ500は、外部から見えることはない。
【0021】
尚、回転駆動部630における回転軸631と第2透明板320の枢支軸632との間隔は、ローラ500における回転軸501と第2透明板320の枢支軸502との間隔と等しく設定されている。回転駆動部630の枢支軸632とローラ500の枢支軸502とは、同一周期且つ同一半径にて回転する(図5中矢印A、B方向)。第2透明板320は、回転駆動部630の枢支軸632及び各ローラ500の枢支軸520が回転するとともに第1透明板310に対して公転する(図5中矢印C方向)。
【0022】
指針機構部200は、第1透明板310に対して回転可能に設けられるとともに第2透明板320を枢支する回転入力部230と、分針220を支持するとともに回転入力部230と同期回転する分針パイプ240と、指針パイプの回転を減速する日ノ裏車250と、時針210を支持するとともに日ノ裏車250と噛合するギア261を備えた時針パイプ260とを備えている。回転入力部230における回転軸231と第2透明板320の枢支軸232との間隔は、回転駆動部630における回転軸631と第2透明板320の枢支軸632との間隔、並びにローラ500における回転軸501と第2透明板320の枢支軸502との間隔と等しく設定されている。回転入力部230の枢支軸232は、回転駆動部630の枢支軸632、並びにローラ500の枢支軸502と同一周期且つ同一半径にて回転する。回転駆動部630、ローラ500、及び回転入力部230の配置関係は、第2透明板320の公転がきしむことがないように設定している。時針は12時間に1回転し、分針は1時間に1回転する。
【0023】
尚、伝動装置1の輸送時等においては、振動の影響による破損や故障をまねく場合が考えられる。そのような破損や故障を防止する場合は、例えば図7に示すように、ロック手段800を設けるとよい。同図に示すロック手段800は、所要の部材にそれぞれ設けた孔部に棒体を挿通してそれらの相対移動を抑止することにより、振動の影響を回避するものである。或いは、所要の部材には雌ねじ部を形成し、これに棒体を螺合するように構成してもよい。伝動装置1は、棒体を抜いた後に使用される。
【0024】
以上のように本例は、装飾性に優れ且つ合理的に構成された伝動装置1であり、時計の指針210,220を駆動する装置として好適に利用することができる。特に本例は、時針210及び分針220を駆動するものであるが、第2透明板320を1分間で1回転させる等して、更に秒針を駆動するように構成することも可能である。また、本例の構成は、標準時刻電波等の時刻情報を受信するとともに指針による表示時刻をその時刻情報に基づいて自動修正する自動修正時計に応用することも可能である。自動修正時計の場合は、時刻情報を受信する受信手段や、ムーブメント610を制御する所定のプログラムを格納したマイコン等を設ける。
【0025】
更に、本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例したものに限定されないことは勿論である。例えば枠体400及び各透明板310,320,330,340の形状等については、図8及び図9に示すように様々な形態が考えられる。
【0026】
また、被駆動部としては、指針機構部200の他、装飾用の飾り等を駆動するように構成することも可能である。更に、第1透明板310に複数の被駆動部を設けるとともに各被駆動部をそれぞれ第2透明板320に係合し、複数の被駆動部を駆動するように構成することも可能である。或いは、被駆動部を設けた第1透明板310及び第2透明板320を複数対重ねて配置することも可能である。更には、第1透明板310の前後にそれぞれ第2透明板320を設け、1つ又は複数の被駆動部を複数の第2透明板320にて駆動するように構成することも可能である。複数の第2透明板320を設ける場合は、各第2透明板320の公転速度や公転の大きさが互いに異なるように設定することにより、より複雑な被駆動部の駆動形態を得ることが可能となる。
【0027】
次に、本発明の第2具体例を図10乃至図14に基づいて説明する。図10に示すように、本例の伝動装置1は、第2透明板320の荷重に対する駆動手段600の負荷を軽減する駆動負荷軽減手段900を備えたものである。第1透明板310の延出部311と第3透明板330の延出部331との間には支持体302が架設されている。そして、この駆動負荷軽減手段900は、支持体302に設けられた上下方向のスライド軸901と、スライド軸901に沿って上下移動可能に設けられた重り902と、第1透明板310の延出部311と第3透明板330の延出部331との間に設けられた滑車903と、第2透明板320の延出部321の要所に設けられた支持部材905と、滑車903に掛け回されるとともに重り902と支持部材905とを連結する紐体904とを備えたものである。スライド軸901、重り902、滑車903、紐体904、及び支持部材905は、バランスを確保するべく左右対称に設けられている。駆動手段600の負荷は、第2透明板320の荷重と重り902の荷重とが相殺されることにより軽減される。また、伝動装置1の輸送時等においては、振動の影響による駆動負荷軽減手段900の破損や故障をまねく場合が考えられる。そのような破損や故障を防止する場合は、例えば図11に示すように、第2ロック手段810を設けるとよい。同図に示す第2ロック手段810は、支持体302に設けた雌ねじ部に雄ねじ部品を螺合するものであり、その雄ねじ部品が重り902をスライド軸901の移動領域最上部に拘止する構成となっている。伝動装置1は、雄ねじ部品を抜いた後に使用される。尚、その他の基本構成は前述した具体例と同様である。
【0028】
このように、第2透明板320の荷重に対する駆動手段600の負荷を軽減することによれば、駆動手段600の動力を省力化することができ、より合理的である。尚、駆動負荷軽減手段900の構成は、図10に示すものの他、図12乃至図14に示すように、様々な構成が考えられる。
【0029】
図12に示す駆動負荷軽減手段900は、第1透明板310の延出部311と第3透明板330の延出部331との間に設けられた軸体906と、第2透明板320の延出部321の要所に設けられた支持部材905と、軸体906と支持部材905とを連結する弾性部材907(図例はコイルばね)とを備えたものである。駆動手段600の負荷は、弾性部材907がその弾性力にて第2透明板320を上方に付勢することにより軽減される。
【0030】
図13に示す駆動負荷軽減手段900は、第1透明板310の延出部311と第3透明板330の延出部331との間に設けられた軸体908と、軸体908に枢支された梃子909と、梃子909の一方の端部に設けられるとともに第2透明板320の延出部321の下端に当接するローラ910と、梃子909の他方の端部に設けられた重り911とを備えたものである。第2透明板320の延出部321の下端は、ローラ910を当接する所定の形状となっている。駆動手段600の負荷は、第2透明板320の荷重と重り911の荷重とが相殺されることにより軽減される。
【0031】
図14に示す駆動負荷軽減手段900は、第1透明板310の延出部311と第3透明板330の延出部331との間に設けられた軸体908と、軸体908に枢支された梃子909と、梃子909の一方の端部に設けられるとともに第2透明板320の延出部321の下端に当接するローラ910と、梃子909の他方の端部に設けられた軸体912と、支持体302に設けられた軸体913と、それらの軸体912,913を連結する弾性体914とを備えたものである。駆動手段600の負荷は、弾性部材914がその弾性力にて第2透明板320を上方に付勢することにより軽減される。
【0032】
次に、本発明の第3具体例を図15に基づいて説明する。本例の伝動装置1は、第2透明板320の公転を安定化させる公転安定化手段915を備えたものである。同図に示す公転安定化手段915は、第2透明板320の延出部321に摺接する樹脂製の第1摺接体916及び第2摺接体917を設けることにより、公転に伴う第2透明板320の微妙なガタツキを防止する構成となっている。第1摺接体916は、第1透明板310の延出部311又は第3透明板330の延出部331に支持されている。一方、第2摺接体917は、弾性部材918(図例はコイルばね)の弾性力により第2透明板320を第1摺接体916側へ付勢する構成となっている。弾性部材918は、第3透明板330の延出部331又は第1透明板310の延出部311に支持されたシリンダ919の内部に収納されており、第2摺接体917は、そのシリンダ919に対して移動可能に設けられたロッド920に支持されている。弾性部材918の弾性力は、シリンダ919の内部に収納したスライダ部921の位置を移動することによって調整される。スライダ部921は、ロッド920との間に弾性部材918を挟むものであり、その位置は、シリンダ919の底部に螺合した雄ねじ部品922を回して移動する構成となっている。
【0033】
このように、本例の伝動装置1は、第2透明板320の公転を安定化させる公転安定化手段915を備えたものである。本例の場合は、第2透明板320を上下方向に公転するので、第2透明板320が上昇から下降又は下降から上昇に転じる際には、輪列機構620等におけるバックラッシュの影響により、第2透明板320に微妙なガタツキが生じる場合が考えられる。公転安定化手段915は、かかる第2透明板320のガタツキを防止するものである。尚、第2透明板320の公転を安定化させる公転安定化手段915の構成は、適宜に設計変更が可能であり、図例したものに限定されないことは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、被駆動部に動力を伝達する伝動装置において、被駆動部を駆動可能に装着した第1透明板と、第1透明板と向かい合うとともに被駆動部と係合した第2透明板と、第2透明板を第1透明板に対して公転させる駆動手段とを備え、被駆動部が第2透明板の公転に連動して駆動する構成の伝動装置である。このような構成によると、装飾性に優れ且つ合理的に構成された伝動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す斜視図である。
【図2】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す透視正面図である。
【図3】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す透視上面図である。
【図4】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す透視側面図である。
【図5】 本発明の具体例に係り、図2の要部拡大図であって、駆動部を示す透視正面図である。
【図6】 本発明の具体例に係り、図4の要部拡大図であって、被駆動部周辺を示す透視側面図である。。
【図7】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す透視側面図である。
【図8】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す斜視図である。
【図9】 本発明の具体例に係り、伝動装置を示す斜視図である。
【図10】 本発明の具体例に係り、駆動負荷軽減手段を示す透視正面図である。
【図11】 本発明の具体例に係り、駆動負荷軽減手段を示す透視正面図である。
【図12】 本発明の具体例に係り、駆動負荷軽減手段を示す透視正面図である。
【図13】 本発明の具体例に係り、駆動負荷軽減手段を示す透視正面図である。
【図14】 本発明の具体例に係り、駆動負荷軽減手段を示す透視正面図である。
【図15】 本発明の具体例に係り、公転安定化手段を示す透視側面図である。
【符号の説明】
1 伝動装置
100 時刻表示部
101 指標部
200 指針機構部
210 時針
220 分針
230 回転入力部
231 回転軸
232 枢支軸
240 分針パイプ
250 日ノ裏車
260 時針パイプ
261 ギア
301 スペーサ
302 支持体
310 第1透明板
311 延出部
320 第2透明板
321 延出部
330 第3透明板
331 延出部
340 第4透明板
400 枠体
500 ローラ
501 回転軸
502 枢支軸
600 駆動手段
610 ムーブメント
620 輪列機構
630 回転駆動部
631 回転軸
632 枢支軸
640 針合せカナ
700 ケース体
710 連通部
720 支柱
800 ロック手段
810 第2ロック手段
900 駆動負荷低減手段
901 スライド軸
902 重り
903 滑車
904 紐体
905 支持部材
906 軸体
907 弾性体
908 軸体
909 梃子
910 ローラ
911 重り
912 軸体
913 軸体
914 弾性体
915 公転安定化手段
916 第1摺接体
917 第2摺接体
918 弾性部材
919 シリンダ
920 ロッド
921 スライダ部
922 雄ねじ部品
Claims (3)
- 被駆動部に動力を伝達する伝動装置において、
前記被駆動部を駆動可能に装着した第1透明板と、
前記第1透明板と向かい合うとともに前記被駆動部と係合した第2透明板と、
前記第2透明板を前記第1透明板に対して公転させる駆動手段と、
前記第2透明板の縁部の移動領域を覆う枠体と、
前記駆動手段を収納するとともにその上部に前記枠体を搭載するケース体と、
前記第1透明板との間に前記第2透明板を介在する第3透明板と、
前記第2透明板の荷重に対する前記駆動手段の負荷を軽減する駆動負荷軽減手段とを備え、
前記被駆動部が前記第2透明板の公転に連動して駆動するものであり、
前記第1透明板、前記第2透明板、及び前記第3透明板は、前記ケース体の内部に延出する延出部をそれぞれ備え、
前記駆動負荷軽減手段は、前記第1透明板の延出部と前記第3透明板の延出部との間に架設された支持体と、前記支持体に設けられた上下方向のスライド軸と、前記スライド軸に沿って上下移動可能に設けられた重りと、前記第1透明板の延出部と前記第3透明板の延出部との間に設けられた滑車と、前記第2透明板の延出部の要所に設けられた支持部材と、前記滑車に掛け回されるとともに前記重りと前記支持部材とを連結する紐体とを備え、
前記スライド軸、前記重り、前記滑車、前記紐体、及び前記支持部材が左右対称に設けられていることを特徴とする伝動装置。 - 被駆動部に動力を伝達する伝動装置において、
前記被駆動部を駆動可能に装着した第1透明板と、
前記第1透明板と向かい合うとともに前記被駆動部と係合した第2透明板と、
前記第2透明板を前記第1透明板に対して公転させる駆動手段と、
前記第2透明板の縁部の移動領域を覆う枠体と、
前記駆動手段を収納するとともにその上部に前記枠体を搭載するケース体と、
前記第1透明板との間に前記第2透明板を介在する第3透明板と、
前記第2透明板の公転を安定化させる公転安定化手段とを備え、
前記被駆動部が前記第2透明板の公転に連動して駆動するものであり、
前記第1透明板、前記第2透明板、及び前記第3透明板は、前記ケース体の内部に延出する延出部をそれぞれ備え、
前記公転安定化手段は、前記第2透明板の延出部に摺接する樹脂製の第1摺接体及び第2摺接体を備え、
前記第1摺接体は、前記第1透明板の延出部又は前記第3透明板の延出部に支持され、
前記第2摺接体は、弾性部材の弾性力により前記第2透明板を前記第1摺接体側へ付勢するものであり、
前記弾性部材は、前記第3透明板の延出部又は前記第1透明板の延出部に支持されたシリンダの内部に収納されており、
前記第2摺接体は、前記シリンダに対して移動可能に設けられたロッドに支持されており、
前記弾性部材の弾性力は、前記シリンダの内部に収納したスライダ部の位置を移動することによって調整されるものとし、
前記スライダ部は、前記ロッドとの間に前記弾性部材を挟むものであり、その位置は、前記シリンダの底部に螺合した雄ねじ部品を回して移動するようにしたことを特徴とする伝動装置。 - 前記被駆動部は、時計の指針であることを特徴とする請求項1又は2記載の伝動装置。
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