JP4498007B2 - ファン装置及び発熱体冷却装置 - Google Patents

ファン装置及び発熱体冷却装置 Download PDF

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Description

本発明は、ファン装置及びこのファン装置を用いて電子部品等の発熱体を冷却する発熱体冷却装置に関するものである。
裏面に冷却されるべき発熱体が装着されるベース及びこのベースに対して固定された複数枚の放熱フィンからなるヒートシンクと、ヒートシンクの上方側に配置されて少なくとも複数枚の放熱フィンに沿って空気を流して放熱フィンからの放熱を促進するファン装置とを具備する発熱体冷却装置が知られている。この発熱体冷却装置では、発熱体から発生した熱がベースから複数枚の放熱フィンに伝達され、ファン装置から複数枚の放熱フィンに沿って流れる空気により、放熱フィンの熱を奪って発熱体を冷却する。
例えば米国特許第6,407,913号公報、米国特許第6,621,699号公報等には、ベースの上に平行に並ぶ複数枚の放熱フィンを備えたヒートシンクをファン装置で冷却する電子部品冷却装置が示されている。これらの装置では、ファン装置がヒートシンクに対して取付用係合構造を介して取り付けられている。またモータを支持するモータ支持手段とファンーケースとを連結する複数本のウエブのうちの1本のウエブに沿って複数本のリード線が配置されている。
また米国特許第6,671,172号公報には、ファン装置の回転軸の軸線方向に延びるベースを中心にして、ベースの径方向に放射状に延びる複数枚の放熱フィンを備えた電子部品冷却装置が示されている。複数枚の放熱フィンの隣接する二枚の放熱フィンの間に形成される流路は、軸線方向の両側と径方向の外側に開口している。またこの公報には、ファン装置のファンケースから延びる4本の係合部が、それぞれヒートシンクの放熱フィン間に形成される流路内に挿入されてファンケースがヒートシンクに対して回動するのを防止する構造が示されている。さらこの公報に示された複数枚の放熱フィンは周方向の一方の方向に湾曲しており、ファン装置から供給される空気は放熱フィンが湾曲する方向とは逆の方向に回転する。
また米国特許第6,480,383号公報の図3には、ファンケースに設けた複数の突起を複数枚の放熱フィンの隣接する二枚の放熱フィンの間に形成された流路内に挿入して、ファンケースが移動するのを防止する技術が示されている。
さらに米国特許公開2002−75649号公報には、複数枚の放熱フィンに複数の取付用被係合部が設けられ、ファン装置のファンケースに設けられた複数の取付用係合部を複数の取付用被係合部に係合させて、ファン装置をヒートシンクに取り付ける取付用係合構造が開示されている。この公報に示された取付用被係合部は、複数枚の放熱フィンの一部の複数枚の放熱フィンの径方向外側端部にそれぞれ形成された切り欠き部により構成されている。またファンケースに設けられた複数の取付用係合部には複数の切り欠き部にそれぞれ係合されるフックが一体に設けられている。
また特開2002−280780号公報には、ファン装置をヒートシンクに取り付けるためにヒートシンクに対して装着されるファンホルダに、ファン装置から延びる複数本のリード線を部分的に嵌入する溝を設け、複数本のリード線がファンホルダから離れないようにした集積回路冷却ユニットが示されている。
米国特許第6,407,913号公報の図面 米国特許第6,621,699号公報の図面 米国特許第6,671,172号公報の図面 米国特許第6,480,383号公報の図3 米国特許公開2002−75649号公報の図面 特開2002−280780号公報の図面
特開2002−280780号公報に示された冷却ユニットでは、ファン装置をヒートシンクに取り付けるためのファンホルダに設けた溝にファン装置の複数本のリード線を嵌入している。そのためファン装置単体で搬送する場合には、複数本のリード線を複数回折り曲げて紐またはゴムバンド等で縛っておく必要がある。またこの公報に示された構成では、複数本のリード線はファンホルダの側壁に蛇行するように曲げられている。複数本のリード線を蛇行するように曲げる作業は面倒であり、馴れないと作業時間が長くなる。また短い間隔で複数本のリード線を曲げるとリード線に無理な力が加わったり大きな変形が加えられるため、リード線で断線が発生するおそれがある。さらにこの構成では、リード線の長さがあまり長くなると、リード線を邪魔にならない状態でファンホルダに保持することができない。
本発明の目的は、搬送する場合に、複数本のリード線の存在が邪魔になることがないファン装置及び発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明の目的は、複数本のリード線に無理な力や大きな変形を加えることなく、複数本のリード線をファンケースから離れない状態にしてファンケースに対して装着できるファン装置及び発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数本のリード線をファンケースの外壁部の輪郭に沿って巻き付ける作業をする過程で、複数本のリード線を複数のリード線係合部のリード線挿入口から挿入する作業だけで、複数本のリード線をファンケースに対して装着することができるファン装置及び発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複数本のリード線をファンケースの外壁部の輪郭に沿って巻き付ける作業をする際に、複数本のリード線とモータ側の端子との接続部に無理な力が加わることのない、ファン装置及び発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、隣り合う2つのリード線係合部間にリード線支持部を設けて複数本のリード線の移動を阻止し、複数本のリード線を複数のリード線係合部から外れ難くしたファン装置及び発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明の 他の目的は、特別にリード線支持部を設けることなく、既存の取付用係合部をリード線支持部として利用して、構造を簡単した発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ファンケースの外壁部に沿って巻き付けた複数本のリード線の端部をファン装置よりも前方向に位置させて、その端部が収納の邪魔にならないようにすることができるファン装置及び発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、ファン装置をヒートシンクに対してがたつき無くしっかりと装着することができる発熱体冷却装置を提供することにある。
本発明のファン装置は、回転軸を有するモータと、モータ支持部材と、インペラとファンケースとを備えている。モータ支持部材は、モータの回転軸が延びる二つの軸線方向のうち一方の軸線方向を前方向と定義し且つ他方の軸線方向を後ろ方向と定義したときに、回転軸よりも前方向に位置して前記モータを支持する。またインペラは、複数枚のブレードを備えて回転軸に取り付けられて回転し、モータ支持部材よりも後ろ方向に位置する。そしてインペラは、回転可能にファンケースに収納されている。なお一般的には、回転軸の周方向に間隔をあけて設けられた複数本のウエブによりモータ支持部材とファンケースとは連結されている。そしてモータに接続された複数本のリード線が、モータ支持部材の外に延び出ている。通常、複数本のリード線の各一端は、モータ支持部材内に配置されるかモータに取り付けられたモータ駆動回路に設けられた複数の端子部に半田付け接続されている。複数本のリード線は、各リード線が離れていてもよいが、各リード線が相互に結合されたワイヤーハーネスの構造を有していてもよい。また複数本のリード線の他端には、コネクタが接続されていてもよい。
本発明においては、ファンケースを前方向の所定位置から見たときのファンケースの外壁部の輪郭に沿って所定の間隔をあけた状態で、複数のリード線係合部を外壁部に対して設ける。これら複数のリード線係合部は、複数本のリード線とそれぞれ部分的に係合して複数本のリード線が少なくとも搬送時にファンケースから離れないようにするために利用可能に構成されている。本発明によれば、ファンケースの外壁部の輪郭に沿って配置した複数のリード線係合部に対して複数本のリード線を係合させていく作業をするだけで、複数本のリード線に無理な力を加えることなく、また複数本のリード線に大きな変形を加えることなく、複数本のリード線をファンケースに対して装着することができる。したがってファン装置単体で搬送する場合や、ファン装置を他の部品と組み合わせた状態で搬送する場合のいずれにおいても、複数本のリード線が邪魔になることがない。特に、本発明では、ファン装置側に複数本のリード線が保持されているため、ファン装置の搬送時だけでなく、ファン装置をファンホルダや、ヒートシンク等の他の部品と組み合わせる作業を行う場合においても、複数本のリード線が作業の邪魔になることがない。
複数のリード線係合部の構造は任意である。例えば、複数のリード線係合部のそれぞれを、複数本のリード線の一部分が挿入されるリード線挿入口と、リード線挿入口と連続して形成され、リード線挿入口から複数本のリード線の一部が挿入される方向と交差する方向の両側に位置して複数本のリード線がそこから延び出る一対のリード線延出口とを備えた構造にすることができる。このような構造にすると、複数本のリード線をリード線挿入口から挿入する作業だけで、複数本のリード線を複数のリード線係合部に対して順次係合させていくことができる。またこの場合において、リード線挿入口から挿入された複数本のリード線に対して複数本のリード線の一部分をリード線挿入口から引き出す力が積極的に加えられない状態では、複数本のリード線の一部分との係合状態を維持するように複数のリード線係合部のそれぞれを構成するのが好ましい。このようにすれば、複数本のリード線の脱落を確実に防止できる。
ファンケースをモータ支持部材よりも後ろ方向に位置させる場合において、ファンケースの外壁部が軸線方向と回転軸の周囲を囲む周方向の両方に延びる外周面を備えている場合には、複数のリード線係合部の全部を外壁部の外周面に対して周方向に間隔をあけて設けるのが好ましい。この場合において、複数のリード線係合部は、複数本のリード線が最初に挿入される最初のリード線係合部と、最初のリード線係合部の隣に配置されて複数本のリード線が最後に挿入される最後のリード線係合部と、最初のリード線係合部と最後のリード線係合部との間に配置された1以上の中間のリード線係合部とを含んで構成する。そして最初のリード線係合部を、リード線挿入口が後ろ方向に向かって開口し且つ一対のリード線延出口が外壁部の周方向の両側に向かって開口する構造にする。このような構造を採用すると、モータから延び出た複数本のリード線はモータ支持部材側からファンケース側に引き回された後、最初のリード線係合部内に挿入された複数本のリード線が、一方のリード線延出口近傍でL字状に曲げられ、その後は外壁部の外周面に沿って配置されることになる。最初のリード線係合部において、複数本のリード線がL字状に曲がって複数本のリード線と最初のリード線係合部とがしっかりと係合する。その結果、後の作業で複数本のリード線に引っ張り力が加わっても、その引っ張り力は曲がり角部で受けることになる。そのため、複数本のリード線とモータ側の端子部との間の接続部に直接的に引っ張り力が加わることがなく、複数本のリード線の接続不良が発生することがない。なお複数本のリード線が複数本のウエブのうちの1本のウエブに沿って配置されている場合には、最初のリード線係合部は、この1本のウエブに隣接して配置するのが好ましい。このようにすると、複数本のリード線を不自然にまた必要以上に長く引き回すことなく、ファンケースの外周面に沿って巻き付けていくことができる。
なお中間のリード線係合部は、リード線挿入口が後ろ方向に向かって開口し且つ一対のリード線延出口が外壁部の周方向の両側に向かって開口する構造にするのが好ましい。この構造であれば、複数本のリード線を簡単に中間のリード線係合部に挿入することができて、しかも複数本のリード線をファンケースの外壁部の外周面にスムーズに沿わせることができる。
具体的な最初のリード線係合部及び中間のリード線係合部は、それぞれファンケースの外壁部の外周面から径方向外側に突出する突出部と、該突出部の先端に一体に設けられて後ろ方向に延びる挟持部とを備えた構造を有しているのが好ましい。この場合、挟持部と外周面との間に複数本のリード線の一部分が挟まれた状態になる。これによって複数本のリード線の一部分が最初のリード線係合部または中間のリード線係合部と係合することになる。この場合、挟持部の先端面とファンケースの外周面との間にリード線挿入口が構成され、突出部及び挟持部の周方向の両側に位置する2つの端面とファンケースの外周面とによって囲まれ二つの空間部分が、一対のリード線延出口を構成する。最初のリード線係合部及び中間のリード線係合部が、前述の構造を有していれば、複数本のリード線を最初のリード線係合部及び中間のリード線係合部に対して簡単に係合させることができる。また、この構造であれば、複数本のリード線をファンケースから解き外す際にも、複数本のリード線を簡単に最初のリード線係合部及び中間のリード線係合部から外すことができる。
なお最初のリード線係合部及び最後のリード線係合部を含んで最初のリード線係合部から最後のリード線係合部までの間に位置する隣り合う二つのリード線係合部の間に、複数本のリード線が後ろ方向に移動しないように複数本のリード線の一部分と接触して該一部分を支持する1以上のリード線支持部をそれぞれ設けてもよい。このようなリード支持部を設けると、例えばリード線係合部から抜け出ようとするリード線をリード線支持部で支持することになるため、ファン装置をどのような姿勢にして搬送したとしても、複数本のリード線がファンケースから離れるのを防止できる。
なおファン装置がヒートシンクに対して装着されて発熱体冷却装置を構成する場合には、ファン装置をヒートシンクに対して取り付けるために使用する複数の取付用係合部をリード線支持部として兼用してもよい。このようにするとファンケースの構造を複雑にすることなく、複数本のリード線支持部を設けることができる。
最後のリード線係合部の構造は任意である。例えば、最後のリード線係合部を最初のリード線係合部が位置する方向に向かって(周方向の一方の方向に向かって)リード線挿入口が開口し且つ一対のリード線延出口が前方向と後ろ方向の両方向に向かって開口する構造にするこのが好ましい。このような構造にすると、複数本のリード線の自由端部側の一部分を最後のリード線係合部のリード線挿入口から挿入することにより、自由端部を前方向または後ろ方向に向けて配置することができる。その結果、自由端部がL字状に曲がった状態で最後のリード線係合部に係合されることになって、自由端部が最後のリード線係合部から外れ難くなる。また自由端部を常に前方向または後ろ方向のいずれかの方向に向けて配置することができるので、例えば、複数のファン装置または複数の発熱体冷却装置を集めて搬送する場合においては、複数本のリード線の自由端部を前方向に向けるようにして最後のリード線係合部に係合させることができる。このようにすると、自由端部が隣接する他のファン装置または発熱体冷却装置とぶつかることがない状態で、複数のファン装置または複数の発熱体冷却装置を集めて搬送することができる。その結果、搬送途中において、複数本のリード線の自由端部に設けたコネクタ等が破損するのを有効に防止することができる。
なおこのような最後のリード線係合部は、外周面から径方向外側に突出する突出部と、突出部の先端に一体に設けられて周方向に延びる挟持部とを備えた構造にするのが好ましい。このようにすると挟持部とファンケースの外周面との間に複数本のリード線の一部分が挟まれた状態で該一部分が最後のリード線係合部と係合することになる。また挟持部の先端面とファンケースの外周面との間にリード線挿入口が構成される。そして突出部及び挟持部の前方向と後ろ方向の両側に位置する2つの端面とファンケースの外周面とによって囲まれ二つの空間部分により一対のリード線延出口が構成される。
最後のリード線係合部の挟持部の先端には、ファンケースの外周面側に向かって突出して、挟持部と外周面との間に位置する複数本のリード線の一部分がリード線挿入口から抜け出るのを阻止する突起を一体に設けてもよい。このようにすれば、複数本のリード線の自由端部にバネ性または元の形状に戻ろうとする復元性があっても、突起の存在により複数本のリード線の一部分が最後のリード線係合部から抜け出るのを阻止することができる。
なお複数本のリード線を沿わせる1つのウエブには、該ウエブが延びる方向の両側と前方向とに向かって開口して複数本のリード線を収納するリード線収納溝を形成するのが好ましい。そしてこの1つのウエブの径方向外側に位置する端部には、複数本のリード線がリード線収納溝内に収納されることを許容するが、複数本のリード線が後ろ方向に曲げられた際に複数本のリード線がリード線収納溝から飛び出すのを阻止するリード線飛び出し阻止構造を一体に設けるのが好ましい。
なお本発明のファン装置を備えた本発明の発熱体冷却装置の構造は、次の通りである。発熱体からの熱を吸収するベースと、全部または一部が前記ベースに対して固定された複数枚の放熱フィンとを備えてなるヒートシンクと、ヒートシンクの上方側に配置されて複数枚の放熱フィンに沿って空気を流して放熱フィンからの放熱を促進するファン装置とを具備する。そしてファン装置は、回転軸を有するモータと、回転軸よりも前方向に位置してモータを支持するモータ支持部材と、複数枚のブレードを備えて回転軸に取り付けられて回転し、モータ支持部材よりも後ろ方向に位置するインペラと、インペラが回転可能に収納される筒状のベンチュリを備えたファンケースと、前記モータに接続された複数本のリード線とを備えた軸流ファン装置である。そしてファンケースを前方向の所定位置から見たときの、ファンケースの外壁部の輪郭に沿って所定の間隔をあけた状態で複数のリード線係合部を外壁部に設ける。複数のリード線係合部は、複数本のリード線とそれぞれ部分的に係合して複数本のリード線が少なくとも搬送時にファンケースから離れないようにするために利用可能に構成する。
なおファン装置はヒートシンクに対して取付用係合構造を介して取り付けられる。この取付用係合構造は、ファンケースに一体に設けられた複数の取付用係合部と、ヒートシンクに設けられて複数の取付用係合部が係合する複数の取付用被係合部とから構成される。複数の取付用係合部は、複数のリード線係合部の隣り合う二つのリード線係合部の間に配置されている。複数の取付用係合部のうち、1本のウエブに隣接して配置されて複数本のリード線が最初に挿入される最初のリード線係合部及び該最初のリード線係合部の隣に配置されて複数本のリード線が最後に挿入される最後のリード線係合部までの間に位置する隣り合う二つのリード線係合部の間に位置する複数の取付用係合部は、複数本のリード線が後ろ方向に移動しないように複数本のリード線の一部分と接触して該一部分を支持するリード線支持部を構成する。
なおヒートシンクの複数の放熱フィンは、前方向及び後ろ方向並びにこれら二方向と交差し且つ外側に向かう外向き方向に開口する空気流路が、隣接する二枚の放熱フィン間に形成されるように構成されているのが好ましい。この場合、複数の取付用係合部は、ファンケースの外壁部に一体に設けられ且つ複数の放熱フィンの外向き方向に位置する端縁に沿って後ろ方向に延びる複数の第1のタイプの取付用係合部及び複数の第2のタイプの取付用係合部から構成することができる。第1のタイプの取付用係合部は、基部が外壁部に一体に固定されており、先端部に複数の放熱フィンに形成された取付用被係合部と係合してファンケースがヒートシンクに対して前方向に移動するのを阻止するフックを備えた構造を有している。また第2のタイプの取付用係合部は、基部がファンケースの外壁部に一体に固定され、複数の放熱フィンの隣接する二枚の放熱フィン間に形成された空気流路内に嵌入されてファンケースが回転軸の軸線を中心にして回動するのを阻止する1以上の突起を備えた構造を有している。複数の第1のタイプの取付用係合部の他に複数の第2のタイプの取付用係合部を設けることにより、ガタツキ無くファン装置をヒートシンクの放熱フィンに対して取り付けることが可能になる。
特に一対の第2のタイプの取付用係合部を、ヒートシンクを間に挟むように対向させて配置する。そして第2のタイプの取付用係合部の基部に隣接した位置に1以上の突起を一体に設ける。さらに第2のタイプの取付用係合部の1以上の突起が設けられた部分よりも後ろ方向に位置する部分の内面を、後ろ向き方向に向かうに従って放熱フィンから離れるように傾斜させる。このようにするとファン装置をヒートシンクに向かって相対的に移動させると、前述の傾斜する内面と複数枚の放熱フィンの角部とが接触しながらガイドされた状態で、1以上の突起は二枚の放熱フィン間に形成された空気流路に向かって移動し、スムーズに空気流路内に進入することができる。
またこの場合においては、一対の第1のタイプの取付用係合部を、ヒートシンクを間に挟むように対向して配置するのが好ましい。そして一対の第1のタイプの取付用係合部を結ぶ第1の仮想連結線と一対の第2のタイプの取付用係合部を結ぶ第2の仮想連結線とが直交するように、一対の第1のタイプの取付用係合部及び一対の第2のタイプの取付用係合部を配置する。このようにすると最も少ない数の第1及び第2のタイプの取付用係合部を用いて、ファン装置をヒートシンクに対して取り付けることができる。
複数の被取付用係合部は、複数枚の放熱フィンのうちの隣り合う何枚かの放熱フィンの端縁が複数枚の放熱フィンが並ぶ方向に切り欠かれて形成された構造とすることができる。このようにすると別部材として被取付用係合部を用意する必要が無くなる。
またヒートシンクの構造は任意であるが、ベースを軸線方向に延ばし、複数枚の放熱フィンをベースから放射状に外向き方向に延ばしてもよい。この場合に、複数枚の放熱フィンはそれぞれ軸線の周方向の一方の方向に湾曲させるのが好ましい。そしてファン装置のインペラに設けられた複数枚のブレードを、周方向の他方の方向に回転しながら軸線方向に流れる空気の流れを発生するようにその形状を定める。このようにすると冷却性能を上げることができる。
本発明によれば、ファンケースの外壁部の輪郭に沿って配置した複数のリード線係合部に対して複数本のリード線を係合させていく作業をするだけで、複数本のリード線に無理な力を加えることなく、また複数本のリード線に大きな変形を加えることなく、複数本のリード線をファンケースに対して装着することができる。したがって、ファン装置単体で搬送する場合や、ファン装置を他の部品と組み合わせた状態で搬送する場合のいずれにおいても、複数本のリード線が邪魔になることがないという利点が得られる。特に、本発明では、ファン装置側に複数本のリード線が保持されているため、ファン装置の搬送時だけでなく、ファン装置をファンホルダや、ヒートシンク等の他の部品と組み合わせる作業を行う場合においても、複数本のリード線が作業の邪魔になることはないという利点がある。
以下図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1(A)は、本発明のファン装置の実施の形態の一例をヒートシンクに装着した本発明の発熱体冷却装置の実施の形態の一例の斜視図であり、図1(B)は図1(A)の実施の形態において複数本のリード線を途中で切断した状態を示す斜視図である。また図2(A)は図1に示した実施の形態の平面図、図2(B)は図2(A)の実施の形態においては複数本のリード線を途中で切断した状態を示す平面図である。さらに図3(A)は図1の実施の形態の底面図、図3(B)は図3(A)の実施の形態においては複数本のリード線を途中で切断した状態を示す底面図である。そして図4乃至図7は、複数本のリード線を切断した実施の形態の正面図、背面図、左側面図及び右側面図である。各図に示すように、本例の発熱体冷却装置(または電子部品冷却装置)1は、ヒートシンク3とファン装置5とを有している。図8に示すように、このファン装置5は、モータ6の回転軸6aに取り付けられた後述するインペラ11の回転によって発生する空気の流れが回転軸6aの軸線方向に向かう軸流ファン装置である。なお本願明細書においては、回転軸6aが延びる二つの軸線方向のうち一方の軸線方向(図面上では上に向かう方向)を“前方向”と定義し且つ他方の軸線方向(図面上では下に向かう方向)を“後ろ方向”と定義する。したがってこの実施の形態では、ファン装置5がヒートシンク3よりも前方向に位置している。
ヒートシンク3は、図3によく示されるように、ベース7とベース7に対して固定された複数枚の放熱フィン9とを有している。ベース7は、図8に示すように、モータ6の回転軸6aの方向に延び且つ内部に空洞を有する円筒形の中空部7aと、空洞内に嵌合されて中空部7aに対して熱伝導可能に配置された高熱伝導率体7bとから構成されている。高熱伝導率体7bは、中空部7aを形成するために用いる材料よりも熱伝導率の高い材料により形成されている。具体的には、高熱伝導率体7bは、放熱フィン9及び中空部7aの材質(アルミニウム)より熱伝導度の高い銅から形成されている。
図3に示されるように、ベース7の外周には、複数枚の放熱フィン9が一体に固定されている。ベース7の裏面(軸流ファン装置5が位置する側とは反対の面、即ち、底面7c)には、冷却されるべき電子部品からなる発熱体が装着されることになる。このヒートシンク3では、複数枚の放熱フィン9の全部の基部が、ベース7の外周部に一体に固定されている。複数枚の放熱フィン9は、それぞれ回転軸6の軸線に対して周方向の一方の方向に湾曲している。そして各放熱フィン9は途中から先端側に向かって二股に分かれている。
図1、図2及び図8に示すように、ファン装置5は、モータ6の回転軸に取り付けられたインペラ11と、インペラ11を回転可能に収納するベンチュリ13を備えたファンケース15と、モータ6を支持するモータ支持部材17と、モータ支持部材17とファンケース15とを連結する3本のウエブ19〜23とを備えている。インペラ11は、9枚のブレード12とカップ状のブレード取付部14とを備えて、モータ6によって回転駆動される。このファン装置5は、ウエブ19〜23側から空気を吸い込んで、放熱フィン9に向かって空気を吹き付けるように動作する。
回転軸6aの周方向に間隔をあけて設けられた3本のウエブ19〜23のうち1本のウエブ19には、モータ6に接続されてモータ支持部材17の外に延び出た4本のリード線24が、ウエブ19に沿うように配置されている。4本のリード線24の各一端は、モータ支持部材17内に配置されたモータ駆動回路18に設けられた複数の端子部に半田付け接続されている。この例では4本のリード線24は、それぞれ離れている。しかし各リード線24が相互に結合されてワイヤーハーネスを構成してもよいのは勿論である。4本のリード線24の他端には、コネクタ26[図1(A)及び図2(A)参照)]が接続されている。図1及び図2に示すように、4本のリード線24を沿わせるウエブ19には、ウエブ19が延びる方向の両側と前方向とに向かって開口して4本のリード線24を収納するリード線収納溝20が形成されている。ウエブ19の径方向外側に位置する端部には、4本のリード線24がリード線収納溝20内に収納されることを許容するが、4本のリード線24が後ろ方向に曲げられた際に4本のリード線24がリード線収納溝20から飛び出すのを阻止するリード線飛び出し阻止構造を構成する一対の係止片26が一体に設けられている。
なおファン装置5のインペラ11に設けられた複数枚のブレード12の形状は、回転軸6aの回転により発生する空気の流れが、前述のヒートシンク3の複数枚の放熱フィン9が湾曲する方向とは逆の方向に向かって回転するように定められている。なおこの構成はすでに公知であるので説明は省略する。本例では、ファンケース15、モータ支持部材17及びウエブ19〜23等は合成樹脂材料を主原料とする成形材料により一体に形成されている。回転軸6aの回転中心とヒートシンク3のベース7の中心とがほぼ一致するように、ファン装置5はヒートシンク3に対して取り付けられている。
ファンケース15は、図1〜図3及び図8に詳細に示すように、インペラ11を回転可能に収納する筒状のベンチュリ13と、ベンチュリ13の外側に位置してヒートシンク3の上側端部の縁部と対向する筒状の外壁部25と、外壁部25に一体に設けられた4個のリード線係合部27〜33と、外壁部25に一体に設けられた一対の第1のタイプの取付用係合部35及び37と、外壁部25に一体に設けられた一対の第2のタイプの取付用係合部39及び41とから構成される。4個のリード線係合部27〜33は、ファンケース15を前方向の所定位置(前方向に延長した軸線が通る位置)から見たときのファンケース15の外壁部25の輪郭(実質的に円形の輪郭)に沿って所定の間隔をあけた状態で外壁部25に対して一体に設けられている。
4個のリード線係合部27〜33は、4本のリード線24が最初に挿入される最初のリード線係合部27と、最初のリード線係合部27の隣に配置されて4本のリード線24が最後に挿入される最後のリード線係合部33と、最初のリード線係合部27と最後のリード線係合部33との間に配置された2つの中間のリード線係合部29及び31を含んでいる。これらのリード線係合部27〜33は、4本のリード線24の一部分が挿入されるリード線挿入口27a〜33aと、リード線挿入口27a〜33aと連続して形成され、リード線挿入口27a〜33aから4本のリード線24の一部が挿入される方向と交差する方向の両側に位置して4本のリード線24がそこから延び出る一対のリード線延出口27b〜33bとを備えた構造を有している。
具体的な最初のリード線係合部27及び中間のリード線係合部29及び32は、図2及び図3に示すように、それぞれファンケース15の外壁部25の外周面25aから径方向外側に突出する突出部27A〜31Aと、この突出部27A〜31Aの先端に一体に設けられて後ろ方向に延びる挟持部27B〜31Bとを備えている。挟持部27B〜31Bとファンケース15の外周面25aとの間に4本のリード線24の一部分が挟まれた状態になる。これによって4本のリード線24の一部分が最初のリード線係合部27または中間のリード線係合部29及び31と係合することになる。この場合、挟持部27B〜31Bの先端面とファンケース15の外周面25aとの間にリード線挿入口27a〜31aが構成される。また突出部27A〜31A及び挟持部27B〜31Bにおける周方向の両側に位置する2つの端面とファンケース15の外周面25aとによって囲まれ二つの空間部分が、一対のリード線延出口27b〜31bを構成している。
また最後のリード線係合部33は、最初のリード線係合部27が位置する方向に向かって(外壁部25の周方向の一方の方向に向かって:図2及び図3に示した状態では時計回り方向に向かって)リード線挿入口33aが開口し且つ一対のリード線延出口33bが前方向と後ろ方向の両方向に向かって開口する構造を有している。このような構造にすると、4本のリード線24の自由端部(コネクタ26が設けられている端部)側の一部分を最後のリード線係合部33のリード線挿入口33aから挿入することにより、自由端部(コネクタ26)を前方向または後ろ方向に向けて配置することができる。その結果、自由端部がL字状に曲がった状態で最後のリード線係合部33に係合されることになる。これによって自由端部(コネクタ26)が最後のリード線係合部33から外れ難くなる。また自由端部(コネクタ26)を常に前方向または後ろ方向のいずれかの方向に向けて配置することができるので、例えば、複数のファン装置または複数の発熱体冷却装置を集めて搬送する場合においては、各ファン装置または各発熱体冷却装置のリード線24の自由端部(コネクタ26)を前方向に向けるようにして最後のリード線係合部33に係合させることができる。このようにすると、コネクタ26が隣接する他のファン装置または発熱体冷却装置とぶつかることがない状態で、複数のファン装置または複数の発熱体冷却装置を集めて搬送することができる。その結果、途中において、リード線24の自由端部に設けたコネクタ26等が破損するのを有効に防止できる。
具体的には、最後のリード線係合部33は、ファンケース15の外周面25aから径方向外側に突出する突出部33Aと、突出部33Aの先端に一体に設けられて周方向に延びる挟持部33Bとを備えている。挟持部33Bとファンケース15の外周面25aとの間に、4本のリード線24の一部分が挟まれた状態で該一部分が最後のリード線係合部33と係合する。挟持部33Bの先端面と外周面25aとの間にリード線挿入口が構成される。また突出部33A及び挟持部33Bの前方向と後ろ方向の両側に位置する2つの端面とファンケース15の外周面25aとによって囲まれ二つの空間部分により一対のリード線延出口33bが構成される。
図2及び図3に示すように、この例における最後のリード線係合部33の挟持部33Bの先端には、ファンケース15の外周面25a側に向かって突出して、挟持部33Bと外周面25aとの間に位置するリード線24の一部分がリード線挿入口33aから抜け出るのを阻止する突起33Cが一体に設けられている。
本実施の形態のように、最初のリード線係合部27及び中間のリード線係合部29及び31並びに最後のリード線係合部33が、前述の構造を有していれば、4本のリード線24を最初のリード線係合部27及び中間のリード線係合部29及び31並びに最後のリード線係合部33に対して簡単に係合させることができる。また上記構造であれば、4本のリード線24をファンケース15から解き外す際にも、4本のリード線24を簡単に各リード線係合部から外すことができる。
また前述のように、最初のリード線係合部27が、リード線挿入口27aが後ろ方向(ヒートシンク3が位置する方向)に向かって開口し且つ一対のリード線延出口27bが外壁部25の周方向の両側に向かって開口する構造を有していると、次のような効果が得られる。すなわち、4本のリード線24がウエブ19の外側端部からファンケース15側に引き回された後、最初のリード線係合部27内に挿入された4本のリード線24は、ウエブ19側に位置するリード線延出口27b近傍でL字状に曲げられる。その後、リード線24は、外壁部25の外周面25aに沿って配置される。最初のリード線係合部27において、4本のリード線24がL字状に曲がって4本のリード線24と最初のリード線係合部27とがしっかりと係合する。その結果、後の作業で4本のリード線24に引っ張り力が加わっても、その引っ張り力は曲がり角部で受けることになる。そのため、4本のリード線24とモータ6側の端子部との間の接続部に直接的に引っ張り力が加わることがなくなり、リード線の接続不良が発生することがない。
本実施例では、最初のリード線係合部27と中間のリード線係合部29との間の第2のタイプの取付用係合部39と、中間のリード線係合部29と中間のリード線係合部31との間の第1のタイプの取付用係合部37と、中間のリード線係合部31と最後のリード線係合部33との間の第2のタイプの取付用係合部41とが、4本のリード線24が後ろ方向に移動しないように4本のリード線24の一部分と接触して該一部分を支持するリード線支持部を構成している。このようなリード支持部を設けると、例えばリード線係合部27〜31から抜け出ようとするリード線24をリード線支持部(35〜39)で支持することになるため、ファン装置をどのような姿勢にして搬送したとしても、リード線24がファンケース15から離れるのを防止できる。
なおリード線係合部27〜31のそれぞれは、リード線挿入口27a〜31aから挿入されたリード線24に対してリード線24の一部分をリード線挿入口27a〜31aから引き出す力が積極的に加えられない状態では、リード線24の一部分との係合状態を維持するように構成するのが好ましい。具体的には、リード線24が両側から強く挟まれた状態になるように、挟持部27B〜31Bとファンケース15の外周面25aとの間の間隙寸法を定めればよい。なお本実施の形態のように、前述のリード線支持部(37,39、41)を設ければ、リード線係合部27〜31はリード線24を強く挟持しなくてもよい。
ファン装置5はヒートシンク3に対して取付用係合構造を介して取り付けられている。この取付用係合構造は、ファンケース15に一体に設けられた前述の4つの取付用係合部35〜41と、ヒートシンク3に設けられて4つの取付用係合部35〜41が係合する4つの取付用被係合部とから構成される。4つの取付用係合部35〜41は、それぞれリード線係合部27〜33の隣り合う二つのリード線係合部の間に配置されている。前述のようにこれら4つの取付用係合部35〜41のうち、3つの取付用係合部35〜39が、4本のリード線24が後ろ方向に移動しないように4本のリード線24の一部分と接触して該一部分を支持するリード線支持部を構成している。
4つの取付用係合部35〜41は、ファンケース15の外壁部25に一体に設けられ且つ複数の放熱フィン9の外向き方向に位置する端縁に沿って後ろ方向(図では下方向)に延びる一対の第1のタイプの取付用係合部35及び37と一対の第2のタイプの取付用係合部39及び41とから構成することができる。第1のタイプの取付用係合部35及び37は、その基部が外壁部25に一体に固定されU字形状を呈している。そして図8及び図9に示すように、その先端部には、フック35a及び37aが設けられている(図8及び図9参照)。これらフック35a及び37aは、複数の放熱フィン9に形成された取付用被係合部43及び45(図6〜図8参照)と係合してファンケース15がヒートシンク3に対して前方向(図では上方向)に移動するのを阻止する。これら被取付用係合部43及び45は、複数枚の放熱フィン9のうちの隣り合う何枚かの放熱フィン9の端縁が複数枚の放熱フィン9が並ぶ方向に切り欠かれて形成された構造を有している。
また図9に示すように、第2のタイプの取付用係合部39及び41は、基部がファンケース15の外壁部25に一体に固定されており、基部に隣接した内面部に突起39a及び41aを有している。これら突起39a及び41aは、複数の放熱フィン9の隣接する二枚の放熱フィン9,9間に形成された空気流路内に嵌入されてファンケース15が回転軸6の軸線を中心にして回動するのを阻止する。したがって第二のタイプの取付用係合部39及び41に対しては、突起39a及び41aが挿入される空気流路の両側に位置する二枚の放熱フィンが取付用被係合部を構成することになる。第1のタイプの取付用係合部35及び37の他に第2のタイプの取付用係合部39及び41を設けることにより、ガタツキ無くファン装置5をヒートシンク3の放熱フィン9に対して取り付けることが可能になる。
特に本実施の形態では、一対の第2のタイプの取付用係合部39及び41を、ヒートシンク3を間に挟むように対向して配置している。そして第2のタイプの取付用係合部39及び41の突起39a及び41aが設けられた部分よりも後ろ方向(図では下方向)に位置する部分39b及び41bの内面を、後ろ方向(図では下方向)に向かうに従って放熱フィン9から離れるように傾斜させている。このようにするとファン装置5をヒートシンク3に向かって相対的に移動させたときに、前述の傾斜する内面と複数枚の放熱フィン9の角部とが接触しながらガイドされた状態で、突起39a及び41aは二枚の放熱フィン9,9間に形成された空気流路に向かって移動し、スムーズに空気流路内に進入することができるようになる。なお突起39a及び41aの数は、1つの取付用係合部に対して1つに限定されるものではなく、複数個設けても良いのは勿論である。
また本実施の形態では、一対の第1のタイプの取付用係合部35及び37を、ヒートシンク3を間に挟むように対向して配置してある。そして一対の第1のタイプの取付用係合部35及び37を結ぶ第1の仮想連結線L1と一対の第2のタイプの取付用係合部39及び41を結ぶ第2の仮想連結線L2とが直交するように、一対の第1のタイプの取付用係合部35及び37と一対の第2のタイプの取付用係合部39及び41を配置している。このようにすると最も少ない数の第1及び第2のタイプの取付用係合部35〜41を用いて、ファン装置5をヒートシンク3に対して取り付けることが可能になる。
本発明で用いるヒートシンクは、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、ベースを軸線方向に延ばし、複数枚の放熱フィンをベースからすべて径方向に真っ直ぐ延ばすようにしてもよい。またベースがモータの軸線と直交する方向に延び、複数枚の放熱フィンがこのベースの表面に一体に設けられる構造のヒートシンクを用いることができるのは勿論である。
(A)は本発明のファン装置の実施の形態の一例をヒートシンクに装着した本発明の発熱体冷却装置の実施の形態の一例の斜視図であり、(B)は図1(A)の実施の形態においては複数本のリード線を途中で切断した状態を示す斜視図である。 (A)は図1の実施の形態の平面図であり、(B)は図2(A)の実施の形態においては複数本のリード線を途中で切断した状態を示す平面図である。 (A)は図1の実施の形態の底面図であり、(B)は図3(A)の実施の形態においては複数本のリード線を途中で切断した状態を示す底面図である。 複数本のリード線を切断した実施の形態の正面図である。 複数本のリード線を切断した実施の形態の背面図である。 複数本のリード線を切断した実施の形態の左側面図である。 複数本のリード線を切断した実施の形態の左側面図である。 図3(B)のVIII−VIII線概略断面図である。 (A)乃至(C)は、ファン装置の正面図、右側面図及び底面図である。
符号の説明
1 発熱体冷却装置
3 ヒートシンク
5 ファン装置
6 モータ
7 ベース
9 放熱フィン
11 インペラ
15 ファンケース
19〜23 ウエブ
24 リード線
25 外壁部
25a 外周面
27〜33 リード線係合部
35〜41 取付用係合部
43,45 取付用被係合部

Claims (8)

  1. 回転軸を有するモータと、
    前記回転軸が延びる二つの軸線方向のうち一方の軸線方向を前方向と定義し且つ他方の軸線方向を後ろ方向と定義したときに、前記回転軸よりも前記前方向に位置して前記モータを支持するモータ支持部材と、
    複数枚のブレードを備えて前記回転軸に取り付けられて回転し、前記モータ支持部材よりも前記後ろ方向に位置するインペラと、
    前記インペラが回転可能に収納されるファンケースと、
    前記回転軸の周方向に所定の間隔をあけて配置されて前記モータ支持部材と前記ファンケースとを連結する複数本のウエブとを備え、
    前記モータに接続された複数本のリード線が、前記複数本のウエブのうちの1本の前記ウエブに沿って配置されているファン装置であって、
    前記ファンケースを前記前方向の所定位置から見たときの前記ファンケースの外壁部の輪郭に沿って所定の間隔をあけた状態で、複数のリード線係合部が前記外壁部に対して設けられ、
    前記複数のリード線係合部は、前記複数本のリード線とそれぞれ部分的に係合して前記複数本のリード線が少なくとも搬送時に前記ファンケースから離れないようにするために利用可能に構成されており、
    前記複数のリード線係合部のそれぞれは、前記複数本のリード線の一部分が挿入されるリード線挿入口と、前記リード線挿入口と連続して形成され、前記リード線挿入口から前記複数本のリード線の一部が挿入される方向と交差する方向の両側に位置して前記複数本のリード線がそこから延び出る一対のリード線延出口とを備えており、
    前記複数のリード線係合部のそれぞれは、前記リード線挿入口から挿入された前記複数本のリード線に対して前記複数本のリード線の一部分を前記リード線挿入口から引き出す力が積極的に加えられない状態では、前記複数本のリード線の一部分との係合状態を維持するように構成されており、
    前記ファンケースは前記モータ支持部材よりも前記後ろ方向に位置し、
    前記ファンケースの前記外壁部は、前記軸線方向と前記回転軸の周囲を囲む周方向の両方に延びる外周面を備え、
    前記複数のリード線係合部の全部が前記外壁部の前記外周面に対して前記周方向に間隔をあけて設けられ、
    前記複数のリード線係合部は、前記1本のウエブに隣接して配置されて前記複数本のリード線が最初に挿入される最初のリード線係合部と、前記最初のリード線係合部の隣に配置されて前記複数本のリード線が最後に挿入される最後のリード線係合部と、前記最初のリード線係合部と前記最後のリード線係合部との間に配置された1以上の中間のリード線係合部とを含んでおり、
    前記最初のリード線係合部は、前記リード線挿入口が前記後ろ方向に向かって開口し且つ前記一対のリード線延出口が前記外壁部の前記周方向の両側に向かって開口しており、
    前記最初のリード線係合部及び前記最後のリード線係合部を含んで前記最初のリード線係合部から前記最後のリード線係合部までの間に位置する隣り合う二つの前記リード線係合部の間には、前記複数本のリード線が前記後ろ方向に移動しないように前記複数本のリード線の一部分と接触して該一部分を支持する1以上のリード線支持部がそれぞれ設けられていることを特徴とするファン装置。
  2. 前記最後のリード線係合部は、前記最初のリード線係合部が位置する方向に向かって前記リード線挿入口が開口し且つ前記一対のリード線延出口が前記前方向と前記後ろ方向の両方向に向かって開口していることを特徴とする請求項に記載のファン装置。
  3. 前記中間のリード線係合部は、前記リード線挿入口が前記後ろ方向に向かって開口し且つ前記一対のリード線延出口が前記外壁部の前記周方向の両側に向かって開口していることを特徴とする請求項に記載のファン装置。
  4. 前記最初のリード線係合部及び前記中間のリード線係合部は、それぞれ前記外周面から前記径方向外側に突出する突出部と、該突出部の先端に一体に設けられて前記後ろ方向に延びる挟持部とを備えており、
    前記挟持部と前記外周面との間に前記複数本のリード線の前記一部分が挟まれた状態になっており、
    前記挟持部の先端面と前記外周面との間に前記リード線挿入口が構成され、前記突出部と前記挟持部の前記周方向の両側に位置する2つの端面と前記外周面とによって囲まれた二つの空間部分により前記一対のリード線延出口が構成されている請求項に記載のファン装置。
  5. 前記最後のリード線係合部は、前記外周面から前記径方向外側に突出する突出部と、該突出部の先端に一体に設けられて前記周方向に延びる挟持部とを備えており、
    前記挟持部と前記外周面との間に前記複数本のリード線の前記一部分が挟まれた状態で前記一部分が前記最後のリード線係合部と係合しており、
    前記挟持部の先端面と前記外周面との間に前記リード線挿入口が構成され、前記突出部と前記挟持部の前記前方向と前記後ろ方向の両側に位置する2つの端面と前記外周面とによって囲まれ二つの空間部分により前記一対のリード線延出口が構成されている請求項に記載のファン装置。
  6. 前記挟持部の先端には前記外周面側に向かって突出して、前記挟持部と前記外周面との間に位置する前記複数本のリード線の前記一部分が前記リード線挿入口から抜け出るのを阻止する突起が一体に設けられている請求項に記載のファン装置。
  7. 前記1つのウエブには、該ウエブが延びる方向の両側と前記前方向とに向かって開口して前記複数本のリード線を収納するリード線収納溝が形成され、
    前記1つのウエブの前記径方向外側に位置する端部には、前記複数本のリード線が前記リード線収納溝内に収納されることを許容するが、前記複数本のリード線が前記後ろ方向に曲げられた際に前記複数本のリード線が前記リード線収納溝から飛び出すのを阻止するリード線飛び出し阻止構造が一体に設けられている請求項に記載のファン装置。
  8. 発熱体からの熱を吸収するベースと、全部または一部が前記ベースに対して固定された複数枚の放熱フィンとを備えてなるヒートシンクと、
    前記ヒートシンクの上方側に配置されて前記複数枚の放熱フィンに沿って空気を流して前記放熱フィンからの放熱を促進するファン装置とを具備する発熱体冷却装置であって、
    前記ファン装置は、回転軸を有するモータと、前記回転軸が延びる二つの軸線方向のうち一方の軸線方向を前方向と定義し且つ他方の軸線方向を後ろ方向と定義したときに、前記回転軸よりも前記前方向に位置して前記モータを支持するモータ支持部材と、複数枚のブレードを備えて前記回転軸に取り付けられて回転し、前記モータ支持部材よりも前記後ろ方向に位置するインペラと、前記インペラが回転可能に収納される筒状のベンチュリを備えたファンケースと、前記回転軸の周方向に所定の間隔をあけて配置されて前記モータ支持部材と前記ファンケースとを連結する複数本のウエブとを備え、前記モータに接続された複数本のリード線が、前記複数本のウエブのうちの1本の前記ウエブに沿って配置されている軸流ファン装置であり、
    前記ファンケースを前記前方向の所定位置から見たときの、前記ファンケースの外壁部の輪郭に沿って所定の間隔をあけた状態で複数のリード線係合部が前記外壁部に設けられ、
    前記複数のリード線係合部が、前記複数本のリード線とそれぞれ部分的に係合して前記複数本のリード線が少なくとも搬送時に前記ファンケースから離れないようにするために利用可能に構成されおり、
    前記複数のリード線係合部のそれぞれは、前記複数本のリード線の一部分が挿入されるリード線挿入口と、前記リード線挿入口と連続して形成され、前記リード線挿入口から前記複数本のリード線の一部が挿入される方向と交差する方向の両側に位置して前記複数本のリード線がそこから延び出る一対のリード線延出口とを備えており、
    前記複数のリード線係合部のそれぞれは、前記リード線挿入口から挿入された前記複数本のリード線に対して前記複数本のリード線の一部分を前記リード線挿入口から引き出す力が積極的に加えられない状態では、前記複数本のリード線の一部分との係合状態を維持するように構成されており、
    前記回転軸の周方向に所定の間隔をあけて配置されて前記モータ支持部材と前記モータケースとを連結する複数本のウエブとを備え、
    前記複数本のリード線は、前記複数本のウエブのうちの1本の前記ウエブに沿って配置され、
    前記ファンケースは前記モータ支持部材よりも前記後ろ方向に位置し、
    前記ファンケースの前記外壁部は、前記軸線方向と前記回転軸の周囲を囲む周方向の両方に延びる外周面を備え、
    前記複数のリード線係合部の全部が前記外壁部の前記外周面に対して前記周方向に間隔をあけて設けられ、
    前記複数のリード線係合部は、前記1本のウエブに隣接して配置されて前記複数本のリード線が最初に挿入される最初のリード線係合部と、前記最初のリード線係合部の隣に配置されて前記複数本のリード線が最後に挿入される最後のリード線係合部と、前記最初のリード線係合部と前記最後のリード線係合部との間に配置された1以上の中間のリード線係合部とを含んでおり、
    前記最初のリード線係合部は、前記リード線挿入口が前記後ろ方向に向かって開口し且つ前記一対のリード線延出口が前記外壁部の前記周方向の両側に向かって開口しており、
    前記最初のリード線係合部及び前記最後のリード線係合部を含んで前記最初のリード線係合部から前記最後のリード線係合部までの間に位置する隣り合う二つの前記リード線係合部の間には、前記複数本のリード線が前記後ろ方向に移動しないように前記複数本のリード線の一部分と接触して該一部分を支持する1以上のリード線支持部がそれぞれ設けられていることを特徴とする発熱体冷却装置。
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