JP4496993B2 - 楽音制御装置 - Google Patents
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Description
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る楽音制御装置1の外観図である。
楽音制御装置1の本体10には、液晶ディスプレイなどの表示部11と、複数のスイッチを備えた操作部12と、複数のLED(Light Emitting Diode)13とが設けられている。また、本体10には通信ケーブルを介して脈拍センサ14や加速度センサ15a,15bなどの各種センサ群が接続されている。脈拍センサ14は、利用者の脈拍を検知するために用いられるものであり、利用者の耳たぶをクリップで挟むようにして取り付けられる。加速度センサ15a,15bは、取り付けられた部位の身体状態を検知するために利用されるものであり、例えば利用者の左右の肘の部分の衣服などをクリップで挟むようにして取り付けられる。さらに、本体10には、通信ケーブルを介してインナー型イヤーヘッドホン16(以下、イヤホンという)が接続されるほか、ループ状のストラップ17が設けられている。利用者は、このストラップ17を自身の首に掛け、イヤホン16を左右の耳穴に挿入し、脈拍センサ14や加速度センサ15a,15bを所定の部位に取り付けた状態で楽音制御装置1を利用する。
楽音制御装置1は、前述した脈拍センサ14や加速度センサ15a,15bのほかに、ジャイロセンサ18を内蔵している。このジャイロセンサ18は、利用者の体の向きがどのように変化したかを検知するために利用される。制御部100は、自身が記憶したコンピュータプログラムを実行することによって、上述したセンサ群(脈拍センサ14、加速度センサ15a,15b及びジャイロセンサ18)からの出力信号を解析して利用者(運動体)の身体の状態を判定し、その判定結果に応じたMIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式の楽曲データを生成する。
図3は、制御部100の構成を示すブロック図である。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、不揮発性記憶部103とを備えたマイクロコンピュータである。不揮発性記憶部103は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)や、バックアップ電源が確保されたSRAM(Static Random Access Memory)であり、CPU101によって実行される制御プログラム200や、そのプログラム実行時に使用される各種の情報を記憶している。不揮発性記憶部103に記憶されている情報には、身体状態判定テーブル201と、作曲テーブル202と、ジャンル別テンプレート203と、楽曲要素ライブラリ204とが含まれている。以下、これらの情報の内容について具体的に説明する。
次に、第1実施形態の動作について説明する。
図7は、制御プログラム200に記述されたCPU101の処理手順を示すフローチャートである。利用者が操作部12を用いて所定の操作を行い、楽曲の演奏を開始すべき旨の指示を与えると、CPU101は、不揮発性記憶部103に記憶された制御プログラム200を実行することによって図7に示す一連の処理を開始する。
CPU101は、アメリカンロックのジャンル別テンプレート203に含まれる各種パターンのうち、身体状態「止まっている」に対応する作曲テーブル(図6参照)によって指定されるループパターンAと、音程パターンCと、音色パターンBと、効果パターンAと、音量パターンAとを選択する。
図11において、利用者が止まっている状態では、比較的遅いテンポのパターンループがドラムによって演奏される。次に、利用者が歩き始めると、ドラムのパターンループが変化するとと共に、そのドラムのパターンループに、ピアノのフレーズループとベースのフレーズループが重ね合わされる。利用者がさらにジョギングを開始すると、テンポが速いパターンループがドラムによって演奏されるとともに、電子音によるテンポが速いビートが刻まれる。そして、利用者が右に曲がると、ドラムのパターンループが変わると共に、ギターのフレーズループが加わる。利用者が右に曲がり終えると、再びジョギングの楽曲に戻る。また、利用者が右手を上げると、そのときだけ、ホーンが鳴り響く。そして、例えば信号待ちなどで利用者がジョギングを中断し、止まっている状態になると、今度はベースのソロのみが進行する。そして、利用者が再びジョギングを開始すると、それ以前のピアノのパターンループとは異なるパターンループが演奏される。ただし、ドラムのパターンループは、それ以前のパターンループと同じである。
上述した第1実施形態では、楽音制御装置1が利用者の身体状態に応じて楽曲データを生成するものであったが、第2実施形態では、複数の楽音制御装置どうしが互いに情報をやり取りし、その情報に応じて楽曲要素データ、音程、音色、効果及び音量を変更することで楽曲データを加工する。例えば、ジョギング中の利用者と、止まっている利用者がすれ違うような場合であれば、前者(ジョギング中)が利用している楽音制御装置が再生している楽曲を特徴付ける情報を、後者(止まっている)が利用している楽音制御装置に送信すると、それまでの「止まっている」状態に応じた楽曲が、「ジョギング」状態に応じた楽曲のようにややテンポアップした楽曲となるように加工される。
以下、この第2実施形態の詳細について説明する。
図12に示す楽音制御装置1aの構成が図2に示した楽音制御装置1と異なる点は、無線通信部120を備えているところと、制御部100の動作である。無線通信部120は、例えばIrDA(Infrared Data Association)やブルートゥース(登録商標)、或いはDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式などの通信方式で、他の楽音制御装置の無線通信部とデータ通信を行う。
無線通信部120は、上記通信方式によって決められた手順で間欠的にポーリング信号を周囲に送信している。これと並行して、無線通信部120は、他の楽音制御装置の無線通信部から送信されてくるポーリング信号を間欠的に受信するようになっており、そのポーリング信号の受信電界強度が電界強度測定回路121(図12参照)によって測定されている。
上述した第1及び第2実施形態は次のように変形してもよい。
第1及び第2実施形態では、現在の身体状態に加えて、その2つ前と1つ前の過去の身体状態をも考慮して作曲テーブル202の内容を定めていた。しかし、これに限定されるわけではなく、現在の身体状態だけについて作曲テーブル202の内容を定めてもよいし、さらに3つ以上前の過去の身体状態をも考慮して定めるようにしてもよい。
Claims (5)
- センサから出力される信号を解析し、当該センサが取り付けられた運動体の状態を判定する判定手段と、
楽曲データを構成する複数の楽曲要素データを記憶した楽曲要素記憶手段と、
前記運動体の状態別に定められた前記楽曲要素データの組み合わせを、各々の状態に対応づけてそれぞれ1又は複数記憶した記憶手段と、
判定された前記運動体の状態に対応づけられて前記記憶手段に記憶されている1又は複数の前記楽曲要素データの組み合わせのうち、いずれかの組み合わせを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された組み合わせで、前記楽曲要素記憶手段に記憶された前記楽曲要素データを組み合わせて楽曲データを生成する作曲手段と、
生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段と
を備え、
前記記憶手段は、前記運動体の少なくとも3つの時系列の状態を含む、状態の遷移別に、前記楽曲要素データの組み合わせを記憶しており、
前記選択手段は、前記判定手段によって判定された前記運動体の過去の状態を記憶しており、少なくとも、2つ前の状態から1つ前の状態への遷移と、1つ前の状態から現在の状態への遷移とを含む、前記運動体の状態の遷移に基づいて、前記楽曲要素データの組み合わせを選択する
ことを特徴とする楽音制御装置。 - 利用者が楽曲のジャンルを指定するための操作手段を備え、
前記記憶手段は、前記楽曲要素データの組み合わせを楽曲のジャンル毎に記憶しており、
前記選択手段は、前記操作手段において指定されたジャンルに属する前記組み合わせを、前記記憶手段に記憶されている内容の中から選択する請求項1記載の楽音制御装置。 - 他の楽音制御装置と通信を行う通信手段と、
前記作曲手段が、前記楽曲要素データを組み合わせて生成した楽曲データを特徴づける特徴情報を前記通信手段によって他の楽音制御装置に送信する一方、他の楽音制御装置から送信されてくる前記特徴情報を前記通信手段によって受信する通信制御手段とを備え、
前記作曲手段は、前記楽曲要素データを組み合わせて生成した楽曲データを、前記通信制御手段が他の楽音制御装置から受信した特徴情報の内容に基づいて加工する請求項1記載の楽音制御装置。 - 自装置と他の楽音制御装置との距離を測定する測定手段を備え、
前記作曲手段は、前記楽曲要素データを組み合わせて生成した楽曲データを、前記測定手段によって測定された距離に基づいて加工する請求項1記載の楽音制御装置。 - 前記運動体は人間の身体であり、
前記運動体の状態とは、当該運動体の加速度、心拍数、角速度の少なくともいずれかによって示される状態である
ことを特徴とする請求項1記載の楽音制御装置。
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