JP4496045B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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本発明は着色の少ない安定した色調(b値)のポリエステルを製造方法に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある)やポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記することがある)に代表されるポリエステルは優れた特性を有し、衣料用繊維、産業用繊維、フィルム、ボトルなどを始めとし、様々な成形加工品として広く使用されている。これらのポリエステル製品においては良好な品質を得るためにポリエステルの着色を少なくし、色調を安定な状態に管理し、ばらつきを少なくすることは重要な課題である。
一方ポリエステル原料の一つであるテレフタル酸の工業的製造方法としては、パラキシレンの液相酸化法、テレフタル酸ジメチルの加水分解法などが採用されている。特に後者の方法については、ポリエステル廃棄物を化学的に分解してモノマーを回収し、引き続いた加水分解工程、エステル化工程、重縮合工程により、ポリエステル廃棄物から再生ポリエステル樹脂を一貫生産する方法が提案されており(例えば特許文献1参照。)、その工程の一部としてテレフタル酸ジメチルの加水分解法が採用されている。また、ポリエステルの工業的製造方法としては、テレフタル酸とグリコール成分とを直接エステル化させた後、重縮合を行う直接重合法が広く採用されている。
そこでこの製造方法において従来、ポリエステルの色調を制御する方法としては、エステル化反応率を制御する方法が提案されている(例えば特許文献2参照。)。また安定剤としてのリン化化合物の添加量を変更する方法が提案されている(例えば特許文献3参照。)。また、テレフタル酸とアルキレングリコールのスラリーを不活性ガス雰囲気下に保つ方法が提案されている(例えば特許文献4参照。)。
しかしながら、テレフタル酸ジメチルを加水分解してテレフタル酸を生成し、引き続いたアルキレングリコールとのエステル化反応、重縮合反応によりポリエステルを製造する方法に関して、ポリエステルの色調を安定な状態に管理し、ばらつきを少なくする課題は完全に解決するには至っていないのが現状であった。
特開2003−119316号公報 特開平7−173268号公報 特開平10−87808号公報 特開2003−128774号公報
本発明は、主にジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離し、得られた湿潤ジカルボン酸ケークを、直接アルキレングリコールと混合してスラリーとし、引き続いたエステル化反応、重縮合反応によりポリエステルを製造する方法において、色調良好でばらつきの少ない安定した色調のポリマーを製造する方法を提供しようとするものである。
本発明はジカルボン酸ジメチルエステルを加水分解反応させてジカルボン酸を生成し、引き続くアルキレングリコールとのエステル化反応及び重縮合反応によりポリエステルを製造する方法において、主にジカルボン酸と水からなるスラリーを取り扱う装置、加水分解反応に供給する水を取り扱う装置及びジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸を取り扱う装置のうち、すべての装置の内圧が大気圧以下の圧力下に維持されており、該内圧が大気圧以下の圧力下に維持された装置内のジカルボン酸と水からなるスラリー、該内圧が大気圧以下の圧力下に維持された装置内の加水分解反応に供給する水及び該内圧が大気圧以下の圧力下に維持された装置内のジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸を酸素濃度1体積%以下の不活性ガス雰囲気下に保つことを特徴とするポリエステルの製造方法によって達成することが出来る。
本発明の方法によれば、色相が良好でその色相のばらつきが小さく透明性に優れたポリエステルの製造方法を提供することが出来る。
本発明はジカルボン酸ジメチルエステルを加水分解反応させてジカルボン酸を生成し、引き続くアルキレングリコールとのエステル化反応及び重縮合反応によりポリエステルを製造する方法に関する。以下本発明の製造方法をその工程図の1例を表した図1、図2を例示しながら、具体的に説明する。
本発明においてジカルボン酸ジメチルエステルとは具体的には芳香族ジカルボン酸ジメチルが好ましく、より好ましくはテレフタル酸ジメチルを主成分とすること又は2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを主成分とすることが好ましい。なお主成分とするとは全ジカルボン酸ジメチルエステルのうち90モル%以上であることを表す。他のジカルボン酸ジメチルとしてはフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、2,6置換以外のナフタレンジカルボン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル又はシクロヘキサンジカルボン酸ジメチル等があげられる。
そして次に本発明においてはジカルボン酸ジメチルエステルを加水分解する。
そして本発明においては、主にジカルボン酸と水からなるスラリーを取り扱う装置、加水分解反応に供給する水を取り扱う装置及びジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸を取り扱う装置のうち、装置の内圧が大気圧以下の圧力下で維持された装置について、該ジカルボン酸と水からなるスラリー、該加水分解反応に供給する水及び該ジカルボン酸を酸素濃度1体積%以下の不活性ガス雰囲気下に保つ必要がある。ここで装置とは反応槽及び貯槽等のタンク、固液分離装置等のタンク形状でない形状を有する装置並びにこれらを接続する配管等を含む。また本発明のポリエステルの製造工程において、主にジカルボン酸と水からなるスラリーを取り扱う装置、加水分解反応に供給する水を取り扱う装置、ジカルボン酸及びジカルボン酸とアルキレングリコールスラリーを取り扱う装置について大気圧以下の圧力に維持されていなくても酸素濃度を1体積%以下の窒素雰囲気下に保つことがより好ましい。また実際にはポリエステルの重合工程が稼動していない場合であって、上述の2種のスラリー及び水を大気圧下で保存等する場合にも、酸素濃度1体積%以下の不活性ガス雰囲気下に保つことが好ましい。酸素濃度1体積%を超えると混入した酸その影響により得られるポリエステルの着色の原因となるので好ましくない。また「主に」とは、これらの他に完全に加水分解されていないモノメチルエステル等が、その後の工程に影響の無い範囲で含まれていても良いことを表す。
本発明において、ジカルボン酸ジメチルエステルはその製造過程において、常に不活性ガス雰囲気下に維持された雰囲気で保持され、望ましくは溶融状態で保持されることが好ましい。まずジカルボン酸ジメチルエステルは配管:11から加水分解反応槽:1に供給され、脱気装置:5により溶存酸素が除去された水も反応水貯槽:4から反応水の配管:12を通って加水分解反応槽:1に供給される。この際加水分解反応は回分式でも連続式でもよい。
加水分解反応を回分式で実施する場合、例えば原料仕込み時に加水分解反応槽が大気圧以下になる場合は、原料仕込み前に該反応槽内を酸素濃度が1体積%以下になる不活性ガス雰囲気下とする必要がある。
不活性ガスとは、本発明のようにジカルボン酸ジメチルエステルを加水分解し、得られたジカルボン酸とアルキレングリコールからポリエステルを製造する際に、その反応実施中に悪影響を及ぼす恐れの無いガスのことである。具体的には窒素ガス、アルゴンガス、又はヘリウムガス等を用いることができるが、経済的な観点から窒素ガスが好ましい。窒素ガスは市販されているガスをボンベにて供給することもできるし、圧力スィング法や深冷分離法等で製造したガスを使用することも可能である。これらの不活性ガスを大気圧より高い圧力で該反応槽内へ封入、あるいは連続的に供給しながら系外にパージすることにより、該加水分解反応槽内部を低酸素濃度に保ち、酸素濃度を1体積%以下にすることが可能となる。
しかし加水分解反応は一般に高温高圧下の密閉系で行われるので、加水分解反応開始前の原料仕込み段階で酸素濃度が1体積%以下になるように保っていた場合には、後は反応槽内の酸素濃度はその値以上にあがる可能性は低い。回分式で加水分解反応を行う際には一般に温度230〜260℃、圧力2.9〜5.0MPa、時間は1〜5時間かけることによりジカルボン酸ジメチルエステルをジカルボン酸とメタノールに加水分解することが出来る。そして発生したメタノールは加水分解槽から外部に排出される。このメタノールは必要に応じて回収し、再度ジカルボン酸からジカルボン酸ジメチルエステルを製造する際に用いることも好ましい。
加水分解反応を連続式で実施する場合は、設備の運転開始前に該加水分解反応槽内に不活性ガスを封入又は連続的に供給しながら系外にパージすることにより該加水分解反応槽内を不活性ガス雰囲気下とする手法が通常用いられる。しかし、通常加水分解反応が約230〜260℃、2.9〜5.0MPaの条件下で実施され常に高圧下であること、該加水分解反応槽内に供給するジカルボン酸ジメチルエステル及び水を低酸素濃度雰囲気下で保持しておくことにより、連続運転中は該加水分解反応槽内に不活性ガスを供給しなくても低酸素雰囲気状態を維持することが可能である。加水分解反応は触媒を加えてその反応速度を増加させる方法も適宜用いられるが、なくてもよい。反応時間はジカルボン酸ジメチルエステルの供給量によっても異なるがおおよそ1〜5時間である。
加水分解工程で生成した主にジカルボン酸と水からなるスラリーは、大気圧まで降圧されジカルボン酸+水スラリーとして配管:14を通り、スラリー槽(a):2に蓄えられる。スラリー槽(a):2と配管:14は主にジカルボン酸と水からなるスラリーを扱う装置であり、大気圧下に維持された装置であるので窒素雰囲気下に保つ必要があり、不活性ガスを大気圧より高い圧力でスラリー槽(a)気相部へ封入、又は連続的に供給しながらスラリー槽(a)の気相部を経て系外にパージすることにより、スラリー槽(a)の気相部の酸素濃度を1体積%以下に保つことが可能である。さらにスラリー槽(a)内のスラリーは、テレフタル酸+水スラリーとして配管:14を通り固液分離装置:3に導かれ固液分離され、結果湿潤ジカルボン酸ケークと濾液とに分離される。固液分離の方法は遠心分離法、濾過法など、通常の方法を採用することが可能である。固液分離装置:3も大気圧下で維持されており、ジカルボン酸と水からなるスラリー等を処理するので、酸素濃度1体積%以下の窒素雰囲気下にすることが必要である。固液分離装置内は不活性ガスを大気圧より高い圧力で固液分離装置気相部へ封入、あるいは連続的に供給しながら固液分離装置の気相部を経て系外にパージすることにより、固液分離装置の気相部を低酸素濃度に保つことが可能である。
分離された湿潤ジカルボン酸ケークは配管:15を通り、引き続くアルキレングリコールとのスラリー調整槽(b):6に移送される。該スラリー調整槽(b)についても、ジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸を取り扱う装置であり大気圧下で維持されているので、酸素濃度1体積%以下の窒素雰囲気下にすることが必要である。不活性ガスを大気圧より高い圧力で気相部へ封入、あるいは連続的に供給しながら系外にパージすることにより、スラリー調整槽(b)の気相部を低酸素濃度に保つことが可能である。さらにこのスラリー調製槽(b)では得られたジカルボン酸ケークにアルキレングリコールを添加してスラリーとする。スラリーとするには、両者を混合し通常の撹拌を行うことで容易にスラリーとすることができる。
ここで用いるアルキレングリコールは、炭素数2〜12のアルキレングリコールが好ましく挙げられ、より好ましくは炭素数2〜6のアルキレングリコールである。具体的にはエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。更に好ましくはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールである。この後の工程であるポリエステルの原料となるアルキレングリコールを用いることが好ましい。
固液分離装置で分離された濾液は回収されて、配管:16を通って反応水貯槽:4に導かれる。回収されて再び加水分解反応用の反応水として加水分解反応槽に供されることが経済的に好ましい態様である。反応水貯槽:4についても、加水分解反応に供給する水を取り扱う装置であり大気圧下で維持されているので、酸素濃度1体積%以下の窒素雰囲気下にすることが必要である。具体的には不活性ガスを大気圧より高い圧力で気相部へ封入、あるいは連続的に供給しながら系外にパージすることにより、スラリー調整槽(b):6の気相部を低酸素濃度に保つことが可能である。
濾液の一部はパージされ、反応により消失した水、および濾液をパージすることにより生じる不足分の水は、脱気装置:5にて水中の溶存酸素を除かれた水にて補充される。脱気装置は、真空式、窒素吹込み式、膜分離式、エジェクター式などが市販されているが、どのタイプの脱気装置を用いても良い。
その他塔槽類、例えばクッションタンクのうち、ジカルボン酸ジメチルエステル、主にジカルボン酸と水からなるスラリー、反応水を保持し、大気圧以下に維持される塔槽類は、不活性ガスを該塔槽類の内圧より高い圧力で気相部へ封入、あるいは連続的に供給しながら系外にパージすることにより、スラリー調整槽(b)の気相部を低酸素濃度に保つことが望ましい。
スラリー調整槽(b)の、主にジカルボン酸とアルキレングリコールからなるスラリーは、配管:19を通じて引き続くエステル化反応を行うエステル化反応槽:7に供される。エステル化反応、及びその後に引き続く重縮合反応は通常の方法で行われれば良い。反応は回分式でも連続でもよい。より具体的には例えば、まずテレフタル酸の如きジカルボン酸とエチレングリコールの如きアルキレングリコールとを直接エステル化反応させる方法などにより、エステル化反応槽:7内でジカルボン酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を製造する。次いでこの反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって、目的とする芳香族ポリエステルが製造される。芳香族ポリエステル以外の他のポリエステルを含む場合についても、芳香族ポリエステルとの共重合体の製造方法又はそのポリエステルについて通常知られている製造方法を用い、重合後ブレンドする等の手法を採用することができる。重縮合工程は例えばポリエステルの溶融粘度により初期重縮合反応槽:8で予備重合し、後期重縮合反応槽:9で所定の重合度になるまで反応させる等複数の反応槽を用いる方法でも構わない。得られたポリエステルはチップカッター:10でペレット状に造粒し、ポリエステルポリマー製品:20とされる。この際、製品ポリエステルの一部について色差計でb値を測定する。
スラリー槽(a):2、スラリー調整槽(b):6、反応水槽:4、その他大気圧および大気圧以下の塔槽類の酸素濃度は、槽気相部、あるいは不活性ガスをパージするラインの途中、あるいは不活性ガスを槽内に供給するラインの途中に酸素濃度計を設置して測定することができる。酸素濃度計はガルバニ電池式、ポーラログラフ式、熱磁気風式などが市販されているが、どのタイプの酸素濃度計を用いても良い。図2の(1)〜(3)にはスラリー槽(a):2、反応水槽:4、スラリー調整槽(b):6についてより詳細に、窒素配管:21、窒素パージ配管:22、酸素濃度計:23を設置した図面を示した。
以下に、ジカルボン酸ジメチルエステルの主成分がテレフタル酸ジメチル、アルキレングリコールの主成分がエチレングリコールとする場合の例を実施例に示すが、これに限定されるものではない。本発明において、酸素濃度、ポリマーの色b値は以下のように測定した。
(酸素濃度)酸素濃度計は理研計器株式会社製のディテクター(モデルGD−F4A−SC)を槽内気相部から系外へパージするラインの途中に設置して連続的に監視を行った。
(色相)得られたポリマーは150℃、1時間乾燥結晶化処理後、表面の色調を日本電色社製、測色色差計(ZE−2000)を用いてカラーb値を測定した。カラーb値はその値が大きいほど黄色の度合いが大きいことを示す。
[実施例1]
図1に示す設備を用い、連続式の加水分解反応槽にテレフタル酸ジメチルを5000kg/hr、反応水を5000kg/hrで連続的に供給し、250℃、4.0MPaに維持された該反応槽で反応させた。次に該反応液を100℃、大気圧に維持されたスラリー槽(a)に連続的に供給した。スラリー槽(a)内の液は遠心分離機に送液され、テレフタル酸ケークと濾液に分離した。該ケークはスラリー調整槽(b)に移送し、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比が1.2となるよう調整した。スラリー調整槽(b)で混合調整されたスラリーをエステル化反応槽:7に連続的に送液し、265℃で反応させた。次にエステル化したオリゴマーを初期重縮合反応槽:8に移送し、280℃、2kPaの条件で重合反応させた。次に後期重縮合反応槽:9では280℃、0.13kPaの条件で重合反応させた。後期重合反応槽を出たポリマーは、チップカッター:10でペレット状に造粒し、5時間毎に色調測定用にサンプリングを行った。この間のスラリー槽(a)、遠心分離装置、スラリー調整槽(b)、反応水貯槽のすべてに連続的に窒素を供給し、各窒素パージでの酸素濃度が0.2%以下となるように管理した。
チップのb値を10点測定した所、b値の平均値は−1.53、標準偏差は0.15であった。結果を表1に纏めた。
[比較例1]
実施例1と同じ設備を用いて、スラリー槽(a)への窒素の供給のみを停止して重合を行った。スラリー槽(a)の酸素濃度は2〜5%の範囲で振れ、重合後のポリマーチップのb値を実施例1と同様5時間毎に10点測定した。b値の平均値は0.11、標準偏差は0.24であった。結果を表1に纏めた。
[比較例2]
実施例1と同じ設備を用いて、図3に示す遠心分離機への窒素の供給のみを停止して重合を行った。遠心分離機の酸素濃度は5〜11%の範囲で振れ、重合後のポリマーチップのb値を実施例1と同様5時間毎に10点測定した。b値の平均値は−0.57、標準偏差は0.30であった。結果を表1に纏めた。
[比較例3]
実施例1と同じ設備を用いて、スラリー調整槽(b)への窒素の供給のみを停止して重合を行った。スラリー調整槽(b)の酸素濃度は3〜7%の範囲で振れ、重合後のポリマーチップのb値を実施例1と同様5時間毎に10点測定した。b値の平均値は−0.05、標準偏差は0.22であった。結果を表1に纏めた。
[比較例4]
実施例1と同じ設備を用いて、反応水貯槽への窒素の供給のみを停止して重合を行った。反応水槽の酸素濃度は7〜10%の範囲で振れ、重合後のポリマーチップのb値を実施例1と同様5時間毎に10点測定した。b値の平均値は−0.44、標準偏差は0.12であった。結果を表1に纏めた。
[比較例5]
実施例1と同じ設備を用いて、スラリー槽(a)、遠心分離機、スラリー調整槽(b)、反応水貯槽のすべてに窒素の供給を停止して重合を行った。反応水貯槽の酸素濃度は7〜10%の範囲で振れ、重合後のポリマーチップのb値を実施例1と同様5時間毎に10点測定した。b値の平均値は0.59、標準偏差は0.22であった。結果を表1に纏めた。
表1に示したように、本願発明を具体的に実施した実施例1はb値の平均値が小さいので黄色味が少なく、またb値の標準偏差が小さいのでそのばらつきも小さい。
Figure 0004496045
色相が良好で透明性に優れたポリエステルの製造方法を提供することができ、その製造方法により得られたポリエステルにより、色相の良好なポリエステル繊維、ポリエステルフィルム、ポリエステルボトル及びその他のポリエステル成形品を得ることがでる。又色相のばらつきが小さいので、品質も安定しているといえる。この点において工業面で非常に有意義である。
本発明の実施に使用されるポリエステル製造装置の一例を示す概略図である。 (1):スラリー槽(a)及びその周辺装置、(2):反応水貯槽、(3):固液分離装置及びスラリー調整槽(b)への不活性ガス導入法の模式図である。
符号の説明
1 加水分解反応槽
2 スラリー槽(a)
3 固液分離装置
4 反応水貯槽
5 脱気装置
6 スラリー調整槽(b)
7 エステル化反応槽
8 初期重縮合反応槽
9 後期重縮合反応槽
10 チップカッター
11 ジカルボン酸ジメチルエステル配管
12 反応水配管
13 補給水配管
14 ジカルボン酸+水スラリー配管
15 ジカルボン酸ケーク配管
16 濾液配管
17 パージ配管
18 アルキレングリコール配管
19 ジカルボン酸+アルキレングリコールスラリー配管
20 ポリエステルポリマー
21 窒素配管
22 窒素パージ配管
23 酸素濃度計
24 窒素流

Claims (5)

  1. ジカルボン酸ジメチルエステルを加水分解反応させてジカルボン酸を生成し、引き続くアルキレングリコールとのエステル化反応及び重縮合反応によりポリエステルを製造する方法において、主にジカルボン酸と水からなるスラリーを取り扱う装置、加水分解反応に供給する水を取り扱う装置及びジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸を取り扱う装置のうち、すべての装置の内圧が大気圧以下の圧力下に維持されており、該内圧が大気圧以下の圧力下に維持された装置内のジカルボン酸と水からなるスラリー、該内圧が大気圧以下の圧力下に維持された装置内の加水分解反応に供給する水及び該内圧が大気圧以下の圧力下に維持された装置内のジカルボン酸と水からなるスラリーを固液分離した後のジカルボン酸を酸素濃度1体積%以下の不活性ガス雰囲気下に保つことを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. ジカルボン酸ジメチルエステルの主成分がテレフタル酸ジメチルである請求項1記載のポリエステル製造方法。
  3. ジカルボン酸ジメチルエステルの主成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルである請求項1記載のポリエステル製造方法。
  4. アルキレングリコールの主成分がエチレングリコールである請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル製造方法。
  5. アルキレングリコールの主成分が1,4−ブタンジオールである請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル製造方法。
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