JP4494659B2 - ガス絶縁開閉装置の容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、角形の容器に開閉機器が収容され、絶縁ガスが充填されたガス絶縁開閉装置の容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は角形の容器で構成されたガス絶縁開閉装置の従来の容器の構造図、図6は図5のA−A部の横断面図である。図において、1は天板、2は底板、3、4は前後に設けられたフランジ、5は左右の側壁、6は側壁5の補強である。
【0003】
角形容器に開閉機器が収容されたガス絶縁開閉装置では、通常、容器内に絶縁ガスが使用温度範囲において負圧にならない0.05MPa程度の低い圧力で封入され、ガス封入時には真空引きが行われるので、容器の耐圧強度は封入されたガス圧と、真空引き時の負圧に耐えるように設計される。
【0004】
側壁5の左右の内面間隔D、あるいは天板1と底板2との内面間隔Hは、収容される機器の外形寸法とその周囲に必要な絶縁距離が確保できる寸法を加えた寸法に設定される。この側壁5の内面間隔Dを基準にフランジ3、4の開口部3aの内縁間隔Eが設定され、このEに容器を連結して密封するためのパッキン巾と連結するボルトの取付に要する巾を加えたwをフランジ面巾としてフランジ横巾Fが決められる。側壁5の補強6は、内圧による膨らみが抑えられるように高さhが設定され、容器の横巾寸法Gは両側の補強6の外縁間で決まっている。このようにして設計された実際の容器の大きさは、対象とする電圧階級、装置の構成により差異はあるが、例えば77kV級では、横幅は800mm、高さは1200mm、前後方向長さは1200mm程度となっている。
【0005】
図5、図6に示した容器は、天板1、底板2が平板状になっているが、天板1は上部にも連結される場合、あるいは点検のための開口部が設けられる場合等を考慮して、封入ガスの圧力で変形しない厚さに板厚を厚くして平板状とし、連結される状況に応じて開口部が設けられる。底板2は内部に収容される機器を取り付けるため、あるいは封入ガス圧力による変形が生じないように板厚を厚くした構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように図5、図6のように構成された角形のガス絶縁開閉装置の容器の側壁5の内面間隔Dおよび天板1と底板2の内面間隔Hは内部に収容される機器の外形に必要とする絶縁距離を加えた寸法が確保できるように形成されているので、接続導体等の収容物の寸法が小さい部分では、容器内面との間が必要以上の距離となる部分も多くあり、無駄となる空間が存在して、空間利用率が低く、封入されたガス圧による膨らみを抑えるために補強も必要であり、重量が重くなる問題点があった。
【0007】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、収容機の周囲に必要とする絶縁距離が確保でき、しかも外形寸法が縮小され軽量化された角形のガス絶縁開閉装置の容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るガス絶縁開閉装置の容器は、前後に中央部分が開口したフランジ、上面に平板状の天板、下面に平板状の底板をそれぞれ配置し、左右に薄板の側壁を配置した角形の容器であって、その左右の側壁、前後方向の中間部において前後方向長さの1/3〜1/2の巾の中間平面部を形成し、この中間平面部は収容される最大外形の機器を収容して、必要な絶縁距離が確保できる間隔とし、中間平面部の前後を容器中心側へ折り曲げて傾斜平面部を形成し、該傾斜平面部の縁部を上記フランジの縁端部より中央寄りの内縁にそれぞれ接合したものである。
【0009】
この発明の請求項2に係るガス絶縁開閉装置の容器は、請求項1の構成の左右の側壁の傾斜平面部は、2段以上の多段に折り曲げて多段傾斜面に形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の構成図、図2は図1の上下方向中間位置のB−B部の横断面図である。図において、11は上部に配置された平板状の天板、12は下部に配置された平板状の底板、13は前部に配置された中央部に開口部13aが設けられた前部フランジ、14は後部に配置された前部フランジ13と同一形状の後部フランジ、15は薄板で構成され、左右の側部に配置された側壁であり、前後方向の中間部に、前後方向長さLの1/3〜1/2の巾の中間平面部15bを形成し、その前後は容器の中心方向に折り曲げて前部の傾斜平面部15a、後部の傾斜平面部15cを形成し、側壁15の前端の縁部を前部フランジ13の内側縁部、後端の縁部を後部フランジ14の内側縁部に接合し、上辺は天板11、下辺は底板12に接合している。
【0011】
図1、図2の構成において、側壁15の前後方向の長さをL、中間平面部15bの巾をLb、前部の傾斜平面部15aの巾をLa、後部の傾斜平面部15cの巾をLcとすると、中間平面部15bの巾Lbが前後方向の長さLの1/2になる位置で容器中心側へ折り曲げると、中間平面部15bの巾Lbは、従来の図5、図6に示す側壁5の中間位置に補強6を設けた場合の補強6とフランジ3、4の間の側壁5の平板状部分とほぼ同じ巾になり、折り曲げられた傾斜平面部15a、15cによって補強されるので、板厚を同じに構成すれば中間平面部15bの耐圧強度は従来の構成と同程度になる。
【0012】
また、中間平面部15b、前部の傾斜平面部15aおよび後部の傾斜平面部15cの巾Lb、La、Lcを均等に分割して折り曲げると、中間平面部15b、前部の傾斜平面部15a、後部の傾斜平面部15cの巾はそれぞれLの1/3となり、折り曲げ部を2箇所とする場合の最大の耐圧強度となる。
【0013】
したがって、図1、図2の構成において、中間平面部15bの巾Lbを、前後方向の長さLの1/3〜1/2の範囲で設定すると、補強を設けなくても、従来の容器と耐圧強度が同等以上となり、容器の中心部に従来と同等の空間が確保され、補強を設けないで横巾寸法が縮小され、軽量化された容器が構成できる。
【0014】
この構成における左右の側壁15の中間平面部15bの内面の間隔Dは容器中心部に配置される収容機器の外形寸法の両側に必要な絶縁距離を加えた寸法とし、前部フランジ13および後部フランジ14の内縁間隔Eは連結部を貫通する接続導体等の部材の外形寸法の両側に必要な絶縁距離が確保できる寸法に設定すれば収容機器は支障なく配置することができる。
【0015】
実施の形態2.
図3は実施の形態2の構成図、図4は図1の上下方向中間位置のC−C部の横断面図である。図において、天板1、底板2、前部フランジ13、後部フランジ14は実施の形態1の図1、図2と同一である。25は側壁である。
【0016】
この構成は、実施の形態1とは側壁25の部分以外は同一であり、中間平面部25bは実施の形態1と同様に、側壁25前後方向の長さLの1/3〜1/2の範囲に設定し、その前後の傾斜平面部25a、25cをそれぞれ2段以上の多段に折り曲げて多段傾斜面を形成した構成である。
【0017】
このように構成すると、外壁25の中間平面部の両側の傾斜平面部25a、25cの多段傾斜面部分の容器内に空間が増えた構成となり、容器内の収容機器の配置設計の自由度が大きくなる。
【0018】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係るガス絶縁開閉装置の容器は、前後に中央部が開口したフランジ、上面に平板状の天板、下面に平板状の底板を配置し、左右に薄板の側壁を配置した角形の容器の側壁を、前後方向の中間部において前後方向長さの1/3〜1/2の巾の中間平面部を形成し、この中間平面部は収容される最大外形の機器を収容して、必要な絶縁距離が確保できる間隔とし、中間平面部の前後を容器の中心側へ折り曲げてそれぞれ傾斜平面部を形成し、傾斜平面部の縁部を前部フランジおよび後部フランジの縁端部より中央寄りの内縁にそれぞれ接合した構成としたので、容器中心部に収容される外形寸法が大きい機器の配置、連結部の接続導体等の収容物が支障なく配置できる横巾寸法が縮小され、軽量化された容器が構成できる。
【0019】
この発明の請求項2に係るガス絶縁開閉装置の容器は、請求項1の構成の左右の側壁の傾斜平面部は、2段以上の多段に折り曲げて多段傾斜面に形成したので、この多段形傾斜面の部分に容器内空間が増えた構成となり、収容機器の配置設計の自由度が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のガス絶縁開閉装置の容器の構成図である。
【図2】 図1の上下方向の中間位置の横断面図である。
【図3】 実施の形態2のガス絶縁開閉装置の容器の構成図である。
【図4】 図3の上下方向の中間位置の横断面図である。
【図5】 従来の角形のガス絶縁開閉装置の容器の構成図である。
【図6】 図5の上下方向の中間位置の横断面図である。
【符号の説明】
11 天板、12 底板、13 前部フランジ、14 後部フランジ、
15 側壁、25 側壁。

Claims (2)

  1. 前後に中央部分が開口したフランジ、上面に平板状の天板、下面に平板状の底板をそれぞれ配置し、左右に薄板の側壁を配置したガス絶縁開閉装置の容器において、上記左右の側壁は、前後方向の中間部において、前後方向長さの1/3〜1/2の巾の中間平面部を形成し、この中間平面部は収容される最大外形の機器を収容して、必要な絶縁距離が確保できる間隔とし、上記中間平面部の前後を容器中心側へ折り曲げてそれぞれ傾斜平面部を形成し、該傾斜平面部の縁部を上記フランジの縁端部より中央寄りの内縁にそれぞれ接合したことを特徴とするガス絶縁開閉装置の容器。
  2. 左右の側壁の傾斜平面部は、2段以上の多段に折り曲げた多段傾斜面に形成したことを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置の容器。
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