JP4493090B2 - 制振装置及び立設部材 - Google Patents

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Description

本発明は、制振装置及び制振性に優れた立設部材に関する。詳細には、道路や橋梁などに立設される、照明柱、標識柱、信号柱などの立設部材に用いられる制振装置及び制振性に優れた立設部材に関する。
道路や橋梁などに立設された、照明柱、標識柱、信号柱などの立設部材は、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって、揺れが生じることがある。これらの立設部材に揺れが生じると、揺れによって立設部材の損傷が起きやすく、また、その損傷が促進される。また、発生する振動により、立設部材に取り付けられた器具の寿命が短くなる問題があり、さらに、照明柱の場合には、照明光が揺れて人に違和感を与える問題もある。
このような共振現象に起因する立設部材の揺れを防止するために、
(a)立設部材の重量、形状及び剛性を変更して、その固有振動数を変更する方法、
(b)立設部材の内部に物理振り子及び当接具を設けて、振動時に物理振り子を当接具に衝突させることによって制振効果を持たせる方法、
が、それぞれ、すでに提案されている。
しかしながら、上記(a)の方法では、特定の振動数に対しては制振効果があるものの、風による揺れのように、励振周期や振動数が様々に変動する揺れには対応できないだけでなく、立設部材の材料設計の自由度を減じることになる。また、上記(b)の方法では、励振周期や振動数が様々に変動する揺れには対応できないことに加えて、制振効果を上げるためには、物理振り子及び当接具を一定以上の大きさにする必要がある。そのために収納スペースが必要となるが、これも、立設部材の装置設計の自由度を減じる結果となる。
特許文献1には、このような従来技術の問題点を踏まえて、振動数の変動に対応した制振装置が記載されている。
すなわち、垂直中空体の内部に、非固定の自由振動部を持たせて鋼製チェーンまたはワイヤーを吊り下げ、かつこの鋼製チェーンまたはワイヤーと垂直中空体の内壁との間隔を等価に維持してなる制振装置であり、この制振装置を垂直立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、垂直立設部材に加えられた揺れによる振動を減衰させるものである。
図6に、特許文献1に記載の制振装置の一例を示す。(a)は制振装置の軸心を通る一つの縦断面図であり、(b)は(a)に対して90°回転した方向の縦断面図である。
制振装置1は、円形鋼管からなる垂直中空体10と、その内部に吊り下げられた鋼製チェーン11の吊り下げ部材からなる。この鋼製チェーン11の上端は、垂直中空体10の上部に設置された端板12に固定して取り付けられた固定フック15によって支持されている。したがって、鋼製チェーンは上端を除いて非固定の自由振動部を形成している。
ここで、鋼製チェーンは円形鋼管の中心部において垂直に吊り下げられているため、振動のない状態では、鋼製チェーン11の外面と垂直中空体10の内面との間隔dは、円形鋼管の内部において等価に維持されている。
この制振装置1に、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって生じた揺れが伝わり、励振が起こる。そのとき、垂直中空体10と鋼製チェーン11はともに振動するが、鋼製チェーン11の自由振動部は垂直中空体10とは異なった態様で振動するため、鋼製チェーン11の自由振動部が垂直中空体10の内壁面に衝突する。その結果、垂直中空体10の振動エネルギーが散逸するので、垂直中空体10の振動が急速に減衰し、振動が制止される。
このように、垂直中空体10の内部に鋼製チェーン11を吊り下げることで、垂直中空体に加わった振動を減衰し、制止することができる制振装置を形成することができる。
そして、立設部材が中空の垂直部材である場合には、この制振装置1をその垂直立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、垂直立設部材に加えられた揺れによる振動を、制振装置を構成する垂直中空体に伝播させ、そして、その垂直中空体においてその振動を減衰させて、制止することができるのである。
他方、立設部材が中空体ではない場合や中空体であっても傾斜している場合には、上記の制振装置を、立設部材の外部に取り付けることによって、立設部材に制振性を付与することができる。
なお、立設部材自体が垂直中空体であるとき、すなわち、図6に示される垂直中空体10が、それ自体立設部材を構成するときは、立設部材となる垂直中空体の内部に直接鋼製チェーンを吊り下げることによって、立設部材そのものに制振性を付与することもできる。
特公平04−26004号公報
照明柱、標識柱、信号柱などの立設部材に、上記の特許文献1に記載の制振装置を組み込んでも、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって立設部材に揺れが生じることがあった。そして、これらの立設部材に揺れが生じると、発生する振動により、立設部材に取り付けられた器具の寿命が短くなり、さらに、照明柱の場合には、照明光が揺れて人に違和感を与える。
その原因は、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する振動の場合は、振動数範囲が広いために、垂直中空体の内部に単に鋼製チェーンを吊り下げるだけの制振装置では、全振動数範囲の振動に対応できないためであることが分かった。特に、2〜3Hzの低周波の振動に対する制振効果が不充分であることが判明した。
本発明の目的は、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも高い減衰性能を有し、かつ振動の方向にも左右されない制振装置及び制振性に優れた立設部材を提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、高周波振動では吊り下げ部材が頻繁に垂直中空体に衝突することから、振動エネルギーを減衰させることができるが、低周波振動では、垂直中空管の振動周期と、吊り下げ部材における振動がその吊り下げ部材の支持点から先端まで伝播される時間とがともに大きくて、吊り下げ部材の振動モードと垂直中空体の振動モードとの間に有意差が生じないため、吊り下げ部材と垂直中空体の衝突頻度が少なくなり、吊り下げ部材が垂直中空部材の内壁に衝突することによる振動エネルギーの減衰がされにくいためであるとの知見を得た。
すなわち、吊り下げ部材の支持部が固定されている場合には、揺れによって発生した振動がまず垂直中空体に伝わり、そしてその垂直中空体の振動が吊り下げ部材の支持部を通して吊り下げ部材全体を振動させることによって、吊り下げ材の下端まで伝達される。そのときの振動伝達に要するタイムラグが、垂直中空体の振動モードと吊り下げ材の振動モードの差となる。そして、高周波振動の領域では垂直中空体の振動周期が短く、頻繁に振動するため、垂直中空体と吊り下げ部材の動きが別個になり、その結果、垂直中空体の振動モードと吊り下げ材の振動モードに位相差が生じて、吊り下げ部材と垂直中空体の衝突頻度が多いので、吊り下げ部材が垂直中空部材の内壁に衝突することによる振動エネルギーの減衰がなされる。これに対して、低周波振動の領域では、垂直中空体の振動周期が長く、その分、吊り下げ部材の動きも緩慢になるため、垂直中空体と吊り下げ部材の動きが同調し、その結果、垂直中空体の振動モードと吊り下げ材の振動モードに有意差が小さくなり、吊り下げ部材と垂直中空体の衝突頻度が少なくなる。したがって、吊り下げ部材が垂直中空部材の内壁に衝突することによる振動エネルギーの減衰がされにくくなる。特に、吊り下げ材の支持部に近い部位においては、周波数に関わりなく、もともと、吊り下げ部材と垂直中空体への衝突頻度が少ないため、吊り下げ材の支持部に近い部位での振動エネルギーの減衰は期待できない。
したがって、低周波振動の領域においても垂直中空体の振動モードと吊り下げ材の振動モードに位相差を与えることができれば、そして、吊り下げ材の支持部に近い部位においても吊り下げ部材と垂直中空体への衝突頻度を多くすることができれば、高周波振動の領域だけでなく、低周波振動の領域においても制振性を高めることができることに思い至った。そして、位相差を与える方法として、吊り下げ部材の支持部を垂直中空体に対して水平方向に移動自在にすることを着想したものである。
吊り下げ部材の支持部を垂直中空体に対して水平方向に移動自在にする具体的な方法としては、例えば、次の(a)〜(c)のものがある。
(a)吊り下げ部材の支持部に長方形の穴を形成し、その穴の長手方向に移動自在の可動フックを介して、吊り下げ部材を吊り下げる。
(b)吊り下げ部材の支持部に円形の穴を形成し、その穴の半径方向及び円周方向に移動自在の可動フックを介して、吊り下げ部材を吊り下げる。
(c)吊り下げ部材の支持部をバネで移動自在にする。
このように、吊り下げ部材の支持部を垂直中空体に対して水平方向に移動自在にすることによって、揺れによって発生した振動が、垂直中空体への伝達とは別個に吊り下げ部材が振動するので、垂直中空体と吊り下げ部材とが別個に動くことになる。その結果、垂直中空体の振動モードと吊り下げ材の振動モードに有意差が生じて、吊り下げ部材と垂直中空体の衝突頻度が多くなる。また、吊り下げ材の支持部に近い部位においても吊り下げ部材と垂直中空体への衝突頻度が多くなるので、吊り下げ部材の全長にわたって、垂直中空体との衝突頻度が多くなる。
したがって、高周波振動だけでなく、低周波振動においても、吊り下げ部材と垂直中空体の衝突頻度が多くなるとともに、吊り下げ部材の全長にわたって、垂直中空体との衝突頻度が多くなるので、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも高い減衰性能を有する制振装置を提供できる。
本発明にかかる制振装置および制振性に優れた立設部材は、これらの知見と着想に基づいて完成されたものである。なお、制振性に優れた立設部材には、制振装置を立設部材の外部又は内部に取り付けることによって制振性を付与する場合と、立設部材それ自体を制振装置の一部に用いる場合の両方がある。
本発明の要旨は、次の(1)〜(3)の制振装置及び(4)〜(8)立設部材である。以下、これらを総称して本発明装置又は本発明部材ということもある。
(1)内部に吊り下げ部材が吊り下げられている垂直中空体からなる制振装置であって、吊り下げ部材が自由振動部位を有するとともに、吊り下げ部材の支持部が垂直中空体に対して水平方向に移動自在であることを特徴とする制振装置。
(2)吊り下げ部材が、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及びワイヤーのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする、上記(1)の制振装置。
(3)垂直中空体が金属製の管であることを特徴とする、上記(1)又は(2)の制振装置。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの制振装置が外部又は内部に取り付けられていることを特徴とする垂直立設部材。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかの制振装置が外部に取り付けられていることを特徴とする傾斜立設部材。
(6)垂直に立設された管状の垂直立設部材であって、その内部に自由振動部位を有する吊り下げ部材が吊り下げられており、かつ、吊り下げ部材の支持部が垂直中空体に対して水平方向に移動自在であることを特徴とする垂直立設部材。
(7)吊り下げ部材が、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及びワイヤーのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする、上記(6)の制振性に優れた垂直立設部材。
(8)垂直立設部材が金属製の管であることを特徴とする、上記(6)又は(7)の垂直立設部材。
本発明により、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも有効に対応する制振装置及び制振性に優れた立設部材を得ることができる。
以下に、図面に基づいて、本発明を説明する。
図1に、本発明に係る制振装置の一例を示す。(a)は制振装置の軸心を通る一つの縦断面図であり、(b)は(a)に対して90°回転した方向の縦断面図である。
制振装置1は、円形鋼管からなる垂直中空体10と、その内部に吊り下げられた鋼製チェーン11の吊り下げ部材からなる。この鋼製チェーン11の上端は、垂直中空体10の上部に設置された蓋板13に取り付けられた可動フック16によって、支持されている。この可動フック16は水平方向に移動自在であるため、鋼製チェーン11は上端を含めてすべての部位が非固定の自由振動部を形成している。
そして可動フック16が水平方向に移動自在であるため、鋼製チェーン11の外面と垂直中空体10の内面との間隔dは、揺れを受ける都度、様々に変動することになる。
図2は、図1の制振装置における吊り下げ部材の支持部の拡大図であり、吊り下げ部材の支持部に長方形の穴を形成し、その穴の長手方向に移動自在の可動フックを介して、吊り下げ部材が吊り下げられている例を示している。
ここで、図2(a)は支持部の上面図、図2(b)は図2(a)のA−A線の縦断面図、そして、図2(c)は図2(a)のB−B線の縦断面図である。
ここでは、垂直中空体10の上部に設置された蓋板13の中心部に、長方形の穴20が開けられている。可動フック16の上部には円筒状の頭部17が形成されており、この穴20の上に円筒状の頭部17が出ているので、可動フック16は、長方形の穴20の長手方向に移動自在となる。なお、円筒状の頭部17が抜け落ちないようにガイド板18が設置されている。
このように、吊り下げ部材の支持部が移動自在になっている場合には、低周波振動の領域においても垂直中空体の振動モードと吊り下げ材の振動モードに位相差を与えることができる。また、吊り下げ材の支持部に近い部位においても吊り下げ部材と垂直中空体への衝突頻度を多くすることができる。したがって、高周波振動の領域だけでなく、低周波振動の領域においても制振性を高めることができる。
この例の制振装置を構成する垂直中空体は、外径76.3mm、肉厚4.2mm、内径67.9mm、長さ1.6m、重量11.95kgの断面円形の鋼管である。また、チェーンは、チェーン肉厚径16mm、1リンクの寸法として長さ80mm×幅56mmの鋼製リンクの29個からなる、長さ142.4cm、全質量784.6gの鋼製チェーンを用いた。
可動フックは、図2に示される円筒状の頭部17を有するものを用いる。ここで、可動フックの円筒状の頭部17の径は22mm、厚みは50mmであり、蓋板13に形成された長方形の穴20の寸法は幅25mm×長さ64mm、蓋板の厚みは6.0mmである。
なお、吊り下げ部材が垂直中空体10の中心線に吊り下げられているときのチェーン外面と垂直中空10の内面との間隔dは、5.95mmであった。
次に、本発明にかかる制振装置の支持部の他の一例、すなわち、吊り下げ部材の支持部に円形の穴を形成し、その穴の半径方向及び円周方向に移動自在の可動フックを介して、吊り下げ部材を吊り下げる例を示す。
図3は、制振装置における吊り下げ部材の支持部の拡大図であり、図3(a)は支持部の上面図、図3(b)は図3(a)のA−A線の縦断面図、そして、図3(c)は図3(a)のB−B線の縦断面図である。
制振装置1は、吊り下げ部材の支持部の構造を除いて、図1と同じである。垂直中空体10の上部に設置された蓋板13の中心部には円形の穴21が開けられている。可動フック16の上部は円板状の頭部19を有している。円板状の頭部19の径は、円形の穴21の径よりも大きいので、可動フック16は円形の穴21から抜け落ちることはなく、その穴21の半径方向及び円周方向に移動自在となる。このように、可動フック16が水平方向に移動自在であるため、鋼製チェーン11の外面と垂直中空体10の内面との間隔dは、揺れを受ける都度、様々に変動することになる。
なお、可動フック16は、図3に示される円板状の頭部19を有するものを用いる。ここで、可動フックの円板状の頭部19の径は72mm、厚みは6mmであり、蓋板13に形成された穴21は、幅20mm×長さ64mmの長方形に直径が44mmの円形を併せ持った形状を有し、蓋板の厚みは6mmである。
図4に、吊り下げ部材の支持部をバネで移動自在にしてなる、本発明にかかる他の例を示す。
図4は、制振装置における吊り下げ部材の支持部の拡大図であり、図4(a)は吊り下げ部材の支持部の上面図、図4(b)は図4(a)のA−A線の縦断面図、そして、図4(c)は図4(a)のB−B線の縦断面図である。
制振装置1は、吊り下げ部材の支持部の構造をバネで移動自在にすることを除いて、図3と同じである。垂直中空体10の上部に設置された蓋板13の中心部には円形の穴21が開けられ、その上に、円形の穴21の径よりも大きい径の円板状の頭部19を有する可動フック16が載置されるとともに、円板状の頭部19と垂直中空体10の間にバネ22が4個所取り付けられている。円板状の頭部19の径は、円形の穴21の径よりも大きいので、可動フック16は円形の穴21から抜け落ちることはなく、その穴21の半径方向及び円周方向に移動自在となる。このとき、可動フックは、可動フック16が水平方向に移動自在であるが、バネによって、付勢及び復元の力が働くので、そのバネ定数に応じた形で吊り下げ部材に振動モードを形成することができるので、垂直中空体の振動モードとは大きな有意差が生じる。
なお、バネの設置個数は、上記の4個に限定されるものではなく、例えば、2〜16個所に設置しても良い。また、バネの設置間隔は、等間隔であってもよいし、不等間隔であっても良い。
垂直中空体の形状は、上記の形状に限定するものではなく、例えば、外径34.0〜114.3mm、内径27.6〜107.3mm、肉厚2.3〜4.5mm、長さ1.0〜2.4m、重量1.8〜29kgのものを用いることができる。
そして、垂直中空体の材料としては、鋼管のほか、ステンレス鋼管、アルミニウム管などの金属管を用いてもよい。強度及び耐久性の観点からは鋼管が好ましい。防錆性の観点からはステンレス鋼管を用いるか、又は、鋼管に溶融亜鉛めっきや塗装等の防錆処理を施して用いるのが好ましい。
また、垂直中空体の断面形状は、特に限定するものではなく、円形のほか、八角形や六角形などの多角形でもよい。すべての方向の揺れに対しても制振効果が必要な場合には、円形の断面を採用するのが好ましい。
吊り下げ部材は、上記の鋼製チェーンの形状に限定するものではなく、チェーン径6〜25mm、1リンクの寸法として長さ30〜125mm×幅21〜88mm、全長80〜220cm、全重量600〜31000gの鋼製チェーンを用いることができる。なお、鋼製チェーンのほか、ステンレス鋼チェーンを用いても良い。強度及び耐久性の観点からは、鋼製チェーンが好ましい。防錆性の観点からはステンレス鋼チェーンを用いるか、又は、鋼製チェーンに溶融亜鉛めっき等の防錆処理を施して用いるのが好ましい。また、チェーンに限定するものではなく、金属体を複数個つなぎ合わせたものを用いることができる。例えば、直径21〜99mmの金属球の5〜61個を、長さ15〜74mm、外径2.6〜9mmの鋼線材でつなぎ合わせることで形成することができる。金属体の材料としては、鋼のほか、ステンレス鋼やアルミニウムが用いられる。さらに、チェーンの替わりに、ワイヤーロープを用いてもよい。
金属製の垂直中空体と金属製の吊り下げ部材を用いると、相互の衝撃音が大きくなるが、この衝撃音を抑制したいときは垂直中空体及び/又は吊り下げ部材の表面をゴム等の弾性体でライニング又は被覆してもよい。
吊り下げ部材の単位当たりの質量は、上記の数値に限定するものではなく、0.7〜27g/mm程度であればよい。
吊り下げ部材が垂直中空体10の中心線に吊り下げられているときのチェーン外面と垂直中空10の内面との間隔dは、上記の数値に限定するものではなく、3〜15mm程度であればよい。
以上、制振装置自体の説明をしてきたが、立設部材が垂直中空体であるとき、すなわち、図1〜4に示される垂直中空体10が、それ自体立設部材の一部を構成するときは、立設部材たる垂直中空体の内部に直接吊り下げ部材を吊り下げることによって、立設部材そのものに制振性を付与することができる。
これに対して、立設部材が中空体ではない場合や中空体であっても傾斜している場合には、上記の制振装置を、立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、立設部材に制振性を付与することができる。もちろん、立設部材が垂直中空体の場合であっても、立設部材の外部又は内部に別途制振装置を取り付けることによって、立設部材に制振性を付与することができることは言うまでもない。
立設部材に大きな制振性を付与するためには、立設部材が最大変位振幅を示す部位に制振装置を取り付けるか、又は、立設部材が垂直中空体であるときは立設部材自体を制振装置の一部として構成することによって、制振性を付与するのが良い。また、各次振動モードに対処するためには、制振装置を立設部材の複数位置に取り付けることが好ましい。
本発明に係る制振装置を取り付ける適用対象は、振動によって揺れが生じる立設部材であり、照明柱、標識柱、信号柱のほか、吊り橋における吊り塔部材にも適用することができる。
図5は、本発明に係る制振装置1を立設部材の外部の2個所に取り付けたときの一例を示す。
この立設部材は、照明灯7を張出部材5の先端に取り付けてなる照明柱2であり、基礎3の上に断面円形の鋼管4が立設され、断面円形の鋼管4の最上部からほぼ水平に張出部材5が張り出しており、その張出部材を支える補強ステー6が設けられている。そして、上記の制振装置1が断面円形の鋼管4の外周の上部と中部の2個所にボルト(図示せず)によって取り付けられている。
風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって、照明柱2の断面円形の鋼管に揺れが生じると、その揺れが照明柱に取り付けられた制振装置1に伝わり、励振が起こる。そのとき、垂直中空体と吊り下げ部材からなる制振装置1が作動するが、吊り下げ部材の支持部が水平方向に移動自在であると、低周波振動の際も高周波振動の際も、吊り下げ部材の外面が垂直中空体10の内壁面に衝突して、振動エネルギーを十分に減衰させることができる。したがって、垂直中空体の振動エネルギーが散逸し、立設部材である照明柱2の振動が制止される。
本発明により、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも有効に対応する制振装置及び制振性に優れた立設部材を得ることができる。
本発明にかかる制振装置の一例を示す縦断面図である。(a)は制振装置の軸心を通る一つの縦断面図、(b)は(a)に対して90°回転した方向の縦断面図を示す。 本発明に係る支持部の一例を示す拡大図である。(a)は支持部の上面図、(b)は図2(a)のA−A線の縦断面図、(c)は図2(a)のB−B線の縦断面図を示す。 本発明に係る支持部の他の一例を示す拡大図である。(a)は支持部の上面図、(b)は図2(a)のA−A線の縦断面図、(c)は図2(a)のB−B線の縦断面図を示す。 本発明に係る支持部の他の一例を示す拡大図である。(a)は支持部の上面図、(b)は図2(a)のA−A線の縦断面図、(c)は図2(a)のB−B線の縦断面図を示す。 本発明に係る制振装置1を立設部材の外部の2個所に取り付けたときの一例を示す図である。 特許文献1に記載の従来の制振装置の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 制振装置
2 照明柱
3 基礎
4 断面円形の鋼管
5 張出部材
6 補強ステー
7 照明灯
10 垂直中空体
11 鋼製チェーン
12 端板
13 蓋板
15 固定フック
16 可動フック
17 円筒状の頭部
18 ガイド板
19 円板状の頭部
20 長方形の穴
21 円形の穴
22 バネ
d 鋼製チェーンの外面と垂直中空体の内面との間隔

Claims (8)

  1. 内部に吊り下げ部材が吊り下げられている垂直中空体からなる制振装置であって、吊り下げ部材が自由振動部位を有するとともに、吊り下げ部材の支持部が垂直中空体に対して水平方向に移動自在であることを特徴とする制振装置。
  2. 吊り下げ部材が、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及びワイヤーのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
  3. 垂直中空体が金属製の管であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の制振装置。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の制振装置が外部又は内部に取り付けられていることを特徴とする垂直立設部材。
  5. 請求項1から3までのいずれかに記載の制振装置が外部に取り付けられていることを特徴とする傾斜立設部材。
  6. 垂直に立設された管状の垂直立設部材であって、その内部に自由振動部位を有する吊り下げ部材が吊り下げられており、かつ、吊り下げ部材の支持部が垂直中空体に対して水平方向に移動自在であることを特徴とする垂直立設部材。
  7. 吊り下げ部材が、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及びワイヤーのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項6に記載の垂直立設部材。
  8. 垂直立設部材が金属製の管であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の垂直立設部材。
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