JP2008069861A - 制振装置及び制振性に優れた立設部材 - Google Patents

制振装置及び制振性に優れた立設部材 Download PDF

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健 岡部
Hisao Iida
久雄 飯田
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一平 武田
Takeshi Iida
毅 飯田
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Abstract

【課題】高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも有効に対応する制振装置及び制振性に優れた立設部材を提供する。
【解決手段】底面20の内面が曲面形状を有する容器に複数個の球状体22を収容してなる制振装置1であって、容器内の各球状体が容器内を移動自在に収容されていることを特徴とする制振装置。この複数個の球状体22を収容してなる容器に、内部に吊り下げ部材が吊り下げられている垂直中空体を組み合わせるとともに、吊り下げ部材11の軸心と垂直中空体10の軸心を一致させることで複合制振装置5としてもよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、制振装置及び制振性に優れた立設部材に関する。詳細には、道路や橋梁などに立設される、照明柱、標識柱、信号柱などの立設部材に用いられる制振装置及び制振性に優れた立設部材に関する。
道路や橋梁などに立設された、照明柱、標識柱、信号柱などの立設部材は、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって、揺れが生じることがある。これらの立設部材に揺れが生じると、揺れによって立設部材の損傷が起きやすく、また、その損傷が促進される。また、発生する振動により、立設部材に取り付けられた器具の寿命が短くなる問題があり、さらに、照明柱の場合には、照明光が揺れて人に違和感を与える問題もある。
このような共振現象に起因する立設部材の揺れを防止するために、
(a)立設部材の重量、形状及び剛性を変更して、その固有振動数を変更する方法、
(b)立設部材の内部に物理振り子及び当接具を設けて、振動時に物理振り子を当接具に衝突させることによって制振効果を持たせる方法、
が、それぞれ、すでに提案されている。
しかしながら、上記(a)の方法では、特定の振動数に対しては制振効果があるものの、風による揺れのように、励振周期や振動数が様々に変動する揺れには対応できないだけでなく、立設部材の材料設計の自由度を減じることになる。また、上記(b)の方法では、励振周期や振動数が様々に変動する揺れには対応できないことに加えて、制振効果を上げるためには、物理振り子及び当接具を一定以上の大きさにする必要がある。そのために収納スペースが必要となるが、これも、立設部材の装置設計の自由度を減じる結果となる。
特許文献1には、このような従来技術の問題点を踏まえて、振動数の変動に対応した制振装置が記載されている。
すなわち、垂直中空体の内部に、非固定の自由振動部を持たせて鋼製チェーンまたはワイヤーを吊り下げ、かつこの鋼製チェーンまたはワイヤーと垂直中空体の内壁との間隔を等価に維持してなる制振装置であり、この制振装置を垂直立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、垂直立設部材に加えられた揺れによる振動を減衰させるものである。
図8に、特許文献1に記載の制振装置の一例を示す。(a)は制振装置の軸心を通る一つの縦断面図であり、(b)は(a)に対して90゜回転した方向の縦断面図である。
制振装置1は、断面円形の鋼管柱からなる垂直中空体10と、その内部に吊り下げられた鋼製チェーン11の吊り下げ部材からなる。この鋼製チェーン11の上端は、垂直中空体10の上部に設置された蓋板12に固定して取り付けられた固定フック15によって支持されている。したがって、鋼製チェーンは上端を除いて非固定の自由振動部を形成している。
ここで、鋼製チェーンは鋼管柱の中心部において垂直に吊り下げられているため、振動のない状態では、鋼製チェーン11の外面と垂直中空体10の内面との間隔dは、鋼管柱の内部において等価に維持されている。
この制振装置1に、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって生じた揺れが伝わり、励振が起こる。そのとき、垂直中空体10と鋼製チェーン11はともに振動するが、鋼製チェーン11の自由振動部は垂直中空体10とは異なった態様で振動するため、鋼製チェーン11の自由振動部が垂直中空体10の内壁面に衝突する。その結果、垂直中空体10の振動エネルギーが散逸するので、垂直中空体10の振動が急速に減衰し、振動が制止される。
このように、垂直中空体10の内部に鋼製チェーン11を吊り下げることで、垂直中空体に加わった振動を減衰し、制止することができる制振装置を形成することができる。
そして、立設部材が中空の垂直部材である場合には、この制振装置1をその垂直立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、垂直立設部材に加えられた揺れによる振動を、制振装置を構成する垂直中空体に伝播させ、そして、その垂直中空体においてその振動を減衰させて、制止することができるのである。
他方、立設部材が中空体ではない場合や中空体であっても傾斜している場合には、上記の制振装置を、立設部材の外部に取り付けることによって、立設部材に制振性を付与することができる。
なお、立設部材自体が垂直中空体であるとき、すなわち、図3に示される垂直中空体10が、それ自体立設部材を構成するときは、立設部材となる垂直中空体の内部に直接鋼製チェーンを吊り下げることによって、立設部材そのものに制振性を付与することもできる。
特公平04−26004号公報
照明柱、標識柱、信号柱などの立設部材に、上記の特許文献1に記載の制振装置を組み込んでも、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって立設部材に揺れが生じることがあった。そして、これらの立設部材に揺れが生じると、発生する振動により、立設部材に取り付けられた器具の寿命が短くなり、さらに、照明柱の場合には、照明光が揺れて人に違和感を与える。
その原因は、風、地震や車両走行に伴う路面振動などに起因する振動の場合は、振動数範囲が広いために、垂直中空体の内部に単に鋼製チェーンを吊り下げるだけの制振装置では、全振動数範囲の振動に対応できないためであることが分かった。特に、1〜2Hzの低周波の振動に対する制振効果が不十分であることが判明した。
すなわち、低周波振動では、垂直中空体が振動を開始することにより、内部に吊り下げたチェーンが垂直中空体の内壁に衝突するが、衝突後チェーンには元の位置に戻ろうとする復元力が働かないので、チェーンの振動が十分ではない。したがって、低周波振動では、垂直中空体の内壁へのチェーンの衝突速度が遅くなるため、振動を減衰させるだけの十分な衝突エネルギーが得られない。
本発明の目的は、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも高い減衰性能を有し、かつ振動の方向にも左右されない制振装置及び制振性に優れた立設部材を提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、容器内に球状体を複数個収容したものを構造物の内部又は外部に固定することによって、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも高い減衰性能を有し、もって優れた制振効果を得ることができることを見出した。
すなわち、構造物が振動を開始すると、容器内の球状体が振動を開始するが、その際に球状体同士の間、又は球状体と容器内壁の間の摩擦力が、構造物の振動を減衰せしめることによって、構造物の振動を抑えることができる。なお、球状体の形状は真球形のほかに、たとえば卵形や砲弾形のような概ね球形状のものであってもよい。
そして、このような球状体を容器内に収容したものを構造物に固定してなる制振装置は、球状体が容器内で移動を始めることで、はじめて振動が減衰される原理であるから、その制振装置においては容器内で球状体が移動自在となるように収容されている必要がある。したがって、その制振装置に用いられる容器の形状としては、底面の内面が曲面形状を有することが必要となる。具体的な容器の形状としては、たとえば、底面の内面が半円球状であって円形の平面上蓋を有するもの、底面の内面が半円球状であって内面が曲面形状の上蓋を有するもの、容器の内面自体が球形又はほぼ球形であるものなどが好ましい。また、その制振装置においては容器内で球状体がさらに移動自在となるようにするために、球状体の表面に油膜を形成してもよい。
なお、球状体同士の間、又は球状体と容器内壁の間の摩擦力が、構造物の振動を減衰せしめることによって、構造物の振動を抑えることができるのであるから、球状体は減衰させたい振動に応じて、ある程度の重量を有することが好ましい。この観点からは、球状体としては鉛や鉄等の密度の高い材料を用いるのが好ましい。
以上は、新たに発案した、球状体を容器内に収容したものを構造物に固定してなる制振装置について説明したが、このような球状体を容器内に収容したものに加えて垂直中空体の内部に鋼製チェーン等の吊り下げ部材を吊り下げることによって、複合制振効果を期待することができる。すなわち、球状体を収容してなる底面の内面が曲面形状を有する容器であって各球状体が内部で移動自在に収容されている容器と、内部に吊り下げ部材が吊り下げられている垂直中空体であって吊り下げ部材の軸心と垂直中空体の軸心が一致する垂直中空体とを組み合わせることによって、さらに制振効果に優れた複合制振装置を構成することも可能である。
垂直中空体の内部に吊り下げる吊り下げ部材としては、たとえば、金属製のワイヤー、金属製のチェーン、複数個の金属体を金属線材でつなぎ合わせたものを用いることができる。なお、垂直中空体の内部に吊り下げる吊り下げ部材の軸心と垂直中空体の軸心を一致させると、振動の方向に左右されることはなくなる。
本発明にかかる制振装置および制振性に優れた立設部材は、これらの知見と着想に基づいて完成されたものである。なお、制振性に優れた立設部材には、制振装置を立設部材の外部又は内部に取り付けることによって制振性を付与する場合と、立設部材それ自体を制振装置の一部に用いる場合の両方がある。
そして、その要旨は、次の(1)〜(12)の制振装置及び(13)〜(19)の制振性に優れた立設部材である。以下、これらを総称して本発明ということもある。
(1) 底面の内面が曲面形状を有する容器に複数個の球状体を収容してなる制振装置であって、容器内の各球状体が容器内を移動自在に収容されていることを特徴とする制振装置。
(2) 容器が上蓋を有するとともに上蓋の内面が曲面形状であることを特徴とする上記(1)の制振装置。
(3) 容器が球形であることを特徴とする上記(1)又は(2)の制振装置。
(4) 複数個の球状体を収容してなる底面の内面が曲面形状を有する容器であって各球状体が内部で移動自在に収容されている容器と、内部に吊り下げ部材が吊り下げられている垂直中空体を組み合わせるとともに、吊り下げ部材の軸心と垂直中空体の軸心を一致させることを特徴とする制振装置。
(5) 容器が上蓋を有するとともに上蓋の内面が曲面形状であることを特徴とする上記(4)の制振装置。
(6) 容器が球形であることを特徴とする上記(4)又は(5)の制振装置。
(7) 吊り下げ部材が金属製のワイヤーであることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかの制振装置。
(8) 吊り下げ部材が金属製のチェーンであることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかの制振装置。
(9) 吊り下げ部材が複数個の金属体を金属線材でつなぎ合わせたものであることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかの制振装置。
(10) 垂直中空体が金属製の管であることを特徴とする上記(4)〜(9)のいずれかの制振装置。
(11) 上記(1)〜(10)のいずれかの制振装置が外部又は内部に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた垂直立設部材。
(12) 上記(1)〜(10)のいずれかの制振装置が外部に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた傾斜立設部材。
(13) 垂直に立設された管状の垂直立設部材であって、その内部に垂直立設部材の軸心と一致する軸心を有する吊り下げ部材が吊り下げられているとともに、複数個の球状体を収容してなる底面の内面が曲面形状を有する容器であって各球状体が内部で移動自在に収容されている容器が、垂直立設部材の内部又は外部に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた垂直立設部材。
(14) 吊り下げ部材が金属製のワイヤーであることを特徴とする上記(13)の垂直立設部材。
(15) 吊り下げ部材が金属製のチェーンであることを特徴とする上記(13)の垂直立設部材。
(16) 吊り下げ部材が複数個の金属体を金属線材でつなぎ合わせたものであることを特徴とする上記(13)の垂直立設部材。
(17)) 垂直立設部材が垂直中空体が金属製の管であることを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれかの垂直立設部材。
本発明により、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも有効に対応する制振装置及び制振性に優れた立設部材を得ることができる。また、振動の方向にも左右されないものが得られる。
以下に、図面に基づいて、本発明を説明する。ここでは、小型の実験装置を用いて本発明の効果を実証した。なお、本発明は次の実施例に限定されるものではない。
図1に、本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの一例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。
照明柱等の立設部材2は、基礎3の上に断面円形の鋼管柱4が立設されてなるものである。そして、制振装置1は、底面20の内面が曲面形状を有する容器に複数個の鉛球状体22が容器内を移動自在となるように収容した上で、平面形状の上蓋21を被せてなる容器を縦に2個重ねて構成されている。
この実施例1の制振装置を構成する2個の容器の諸元及びこの制振装置を取り付けてなる立設部材(鋼管柱)の諸元は、表1に記載したとおりである。
Figure 2008069861
図2は、この制振装置1を取り付けてなる立設部材2について、鋼管柱4を自由振動させて、柱頭部の振動回数と加速度を測定した結果を示す。図2より、A部及びB部における振動の減衰定数を求めると、それぞれ次のとおりになる。この結果、特にA部において大きな減衰効果が得られることが分かる。
減衰定数(A部)h=対数減衰率δ/2π=0.199/2π=3.17%
減衰定数(B部)h=対数減衰率δ/2π=0.017/2π=0.28%
なお、減衰定数hの求め方は、次のとおりである。図2の減衰定数(A部)を例にとると、A部はα1→α2→α3→α4→α5→α6→α7へと振動するから、対数減衰率δは、それぞれ、次式のとおりになる。
対数減衰率δα1→α2=loge(|α1/α2|)
対数減衰率δα2→α3=loge(|α2/α3|)
対数減衰率δα3→α4=loge(|α3/α4|)
対数減衰率δα4→α5=loge(|α4/α5|)
対数減衰率δα5→α6=loge(|α5/α6|)
対数減衰率δα6→α7=loge(|α6/α7|)
A部の対数減衰率δは、これらの平均であるから、
δ=loge(|α1/α7|)/6=loge(|24.2/7.3|)=0.199
となる。
したがって、減衰定数(A部)hは、
減衰定数(A部)h=対数減衰率δ/2π=0.199/2π=3.17%
となる。
図3に、本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの他の例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。
照明柱等の立設部材2は、基礎3の上に断面円形の鋼管柱4が立設されてなるものである。そして、制振装置は、底面20の内面が曲面形状を有する容器に複数個の鉛球状体22を容器内を移動自在となるように収容した上で、平面形状の上蓋21を被せてなる容器を縦に2個重ねたものに加えて、垂直中空体10としての鋼管柱4の内部に鋼製チェーン11が吊り下げられたものとを組み合わせることによって構成された複合制振装置5である。なお、鋼製チェーン11の軸心と、垂直中空体10としての鋼管柱4の軸心が一致するように吊り下げられている。
この実施例2の複合制振装置5を構成する2個の容器の諸元及びこの複合制振装置を取り付けてなる垂直中空体(鋼管柱)の諸元は、表2に記載したとおりである。なお、鋼製チェーン11は長さ500mmであり、1リンクの寸法として長さ30mm×幅21mmの鋼製リンク(直径6mm)をつなぎ合わせたものを吊り下げた。
Figure 2008069861
図4は、この複合制振装置5を取り付けてなる立設部材2について、鋼管柱4を自由振動させて、柱頭部の振動回数と加速度を測定した結果を示す。図4より、A部及びB部における振動の減衰定数を求めると、それぞれ次のとおりになる。この結果、A部だけでなくB部においても大きな減衰効果が得られることが分かる。
減衰定数(A部)h=対数減衰率δ/2π=0.239/2π=3.80%
減衰定数(B部)h=対数減衰率δ/2π=0.104/2π=1.65%
垂直中空体の材料としては、鋼管柱のほか、ステンレス鋼管柱、アルミニウム管柱などの金属管柱を用いてもよい。強度及び耐久性の観点からは鋼管柱が好ましい。防錆性の観点からはステンレス鋼管柱を用いるか、又は、鋼管柱に溶融亜鉛めっきや塗装等の防錆処理を施して用いるのが好ましい。
また、垂直中空体の断面形状は、特に限定するものではなく、円形のほか、八角形や六角形などの多角形でもよい。すべての方向の揺れに対しても制振効果が必要な場合には、円形の断面を採用するのが好ましい。
吊り下げ部材は、上記の鋼製チェーンに限定するものではなく、鋼製以外に、ステンレス鋼製やアルミニウム製などの金属製のチェーンを用いてもよい。また、種々の長さと外径のものを用いてもよい。
吊り下げ部材は、このような金属製のチェーンのほかに、鋼製のワイヤーを用いてもよい。また、鋼製のワイヤーに限定するものではなく、鋼製以外に、ステンレス鋼製やアルミニウム製などの金属製のワイヤーを用いてもよい。また、種々の長さと外径のものを用いてもよい。
また、吊り下げ部材は、複数の金属球を鋼線材でつなぎ合わせることで形成することができる。金属球は種々の大きさと重さのものを用いてもよく、また、鋼線材は種々の長さと外径のものを用いてもよい。そして、金属体の形状は球に限定するものではなく、立方体、直方体等の金属体を複数個つなぎ合わせたものを用いることができる。金属体の材料としては、鋼のほか、ステンレス鋼やアルミニウムを用いることができる。
なお、吊り下げ部材の外面と垂直中空体の内面の間隔dは、3〜15mm程度あればよい。
金属製の垂直中空体と金属製の吊り下げ部材を用いると、相互の衝撃音が大きくなるが、この衝撃音を抑制したいときは垂直中空体及び/又は吊り下げ部材の表面をゴム等の弾性体でライニング又は被覆するのが好ましい。
上記の実施例2で用いる制振装置は、底面の内面が曲面形状を有する容器に複数個の鉛球状体を容器内を移動自在となるように収容した上で、平面形状の上蓋を被せてなる容器を縦に重ねたものに加えて、垂直中空体10としての立設部材の鋼管柱4の内部に鋼製チェーン11がその軸心と鋼管柱4の軸心が一致するように吊り下げられたものを組み合わせて構成される複合制振装置5である。
これに対して、立設部材を構成する鋼管柱が中空体ではない場合や中空体であっても傾斜している場合には、垂直中空体10を立設部材2の鋼管柱4とは別に用意することによって、別種の複合制振装置5を構成することができる。すなわち、この垂直中空体10を別途用意してなる別種の複合制振装置5を、立設部材を構成する鋼管柱の外部又は内部に取り付けることによって、立設部材に制振性を付与することができる。もちろん、立設部材を構成する鋼管柱が垂直中空体の場合であっても、この垂直中空体10を別途用意してなる別種の複合制振装置5を、立設部材の外部又は内部に別途制振装置を取り付けることによって、立設部材に制振性を付与することができることは言うまでもない。
図5は、このような別種の複合制振装置5を立設部材を構成する鋼管柱の側部に取り付けたときの一例(実施例3)を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。
照明柱等の立設部材2は、基礎3の上に円形の鋼管柱4が立設されてなるものである。そして、複合制振装置5は、底面20の内面が曲面形状を有する容器に複数個の鉛球状体22を容器内を移動自在となるように収容した上で、平面形状の上蓋21を被せてなる容器を縦に2個重ねたものに加えて、垂直中空体10の内部に鋼製チェーン11がその軸心と垂直中空体10の軸心が一致するように吊り下げられたものとを組み合わせることによって構成されている。
なお、立設部材に大きな制振性を付与するためには、立設部材が最大変位振幅を示す部位に制振装置を取り付けるか、又は、立設部材が垂直中空体であるときは立設部材自体を制振装置の一部として構成することによって、制振性を付与するのが良い。また、各次振動モードに対処するためには、制振装置を立設部材の複数位置に取り付けることが好ましい。
図6に、本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの他の例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。
照明柱等の立設部材2は、基礎3の上に断面が円形の鋼管柱4が立設されてなるものである。そして、複合制振装置5は、底面20の内面が曲面形状を有する容器に複数個の鉛球状体22を容器内を移動自在となるように収容した上で、平面形状の上蓋21を被せてなる容器に加えて、垂直中空体10としての鋼管柱4の内部に金属球8を鋼線材でつなぎ合わせたものを、その軸心と垂直中空体10(鋼管柱4)の軸心が一致するように吊り下げられたものとを組み合わせることによって構成されている。
なお、ここでは、垂直中空体10としての鋼管柱4の内部に吊り下げ部材として金属球8を鋼線材でつなぎ合わせたものを吊り下げているが、吊り下げ部材を省略することも可能である。
図7に、本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの他の例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。
照明柱等の立設部材2は、基礎3の上に断面が円形の鋼管柱4が立設されてなるものである。そして、複合制振装置5は、内面が球形状を有する容器に複数個の鉛球状体22を容器内を移動自在となるように収容した容器に加えて、垂直中空体10としての鋼管柱4の内部にワイヤー9をその軸心と垂直中空体10(鋼管柱4)の軸心が一致するように吊り下げられたものとを組み合わせることによって構成されている。
なお、ここでは、垂直中空体10としての鋼管柱4の内部に吊り下げ部材としてワイヤー9を吊り下げているが、ワイヤー9を吊り下げることを省略することも可能である。
本発明に係る制振装置を取り付ける適用対象は、振動によって揺れが生じる立設部材であり、照明柱、標識柱、信号柱のほか、吊り橋における吊り塔部材にも適用することができる。
本発明により、高周波から低周波まで広範囲に周波数が変動する振動にも有効に対応する制振装置及び制振性に優れた立設部材を得ることができる。また、振動の方向にも左右されないものが得られる。
本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの一例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。 本発明に係る制振装置を取り付けてなる立設部材について、鋼管柱を自由振動させて、柱頭部の振動回数と加速度を測定した結果を示す。 本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの他の例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。 本発明に係る制振装置を取り付けてなる立設部材について、鋼管柱を自由振動させて、柱頭部の振動回数と加速度を測定した結果を示す。 本発明に係る制振装置を立設部材を構成する鋼管柱の側部に取り付けたときの一例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。 本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの他の例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。 本発明に係る制振装置を立設部材の柱頭部に取り付けたときの他の例を示す。(a)は照明柱等の立設部材の正面図であり、(b)は(a)のA−A部分の矢視拡大断面図である。 特許文献1に記載の制振装置の一例を示す。(a)は制振装置の軸心を通る一つの縦断面図であり、(b)は(a)に対して90゜回転した方向の縦断面図である。
符号の説明
1 制振装置
2 立設部材
3 基礎
4 鋼管柱
5 複合制振装置
8 金属球
9 ワイヤー
10 垂直中空体
11 鋼製チェーン
20 容器の底面
21 容器の上蓋
22 球状体
d 吊り下げ部材の外面と垂直中空体の内面との間隔

Claims (17)

  1. 底面の内面が曲面形状を有する容器に複数個の球状体を収容してなる制振装置であって、容器内の各球状体が容器内を移動自在に収容されていることを特徴とする制振装置。
  2. 容器が上蓋を有するとともに上蓋の内面が曲面形状であることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 容器が球形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振装置。
  4. 複数個の球状体を収容してなる底面の内面が曲面形状を有する容器であって各球状体が内部で移動自在に収容されている容器と、内部に吊り下げ部材が吊り下げられている垂直中空体を組み合わせるとともに、吊り下げ部材の軸心と垂直中空体の軸心を一致させることを特徴とする制振装置。
  5. 容器が上蓋を有するとともに上蓋の内面が曲面形状であることを特徴とする請求項4に記載の制振装置。
  6. 容器が球形であることを特徴とする請求項4又は5に記載の制振装置。
  7. 吊り下げ部材が金属製のワイヤーであることを特徴とする請求項4から6までのいずれかに記載の制振装置。
  8. 吊り下げ部材が金属製のチェーンであることを特徴とする請求項4から6までのいずれかに記載の制振装置。
  9. 吊り下げ部材が複数個の金属体を金属線材でつなぎ合わせたものであることを特徴とする請求項4から6までのいずれかに記載の制振装置。
  10. 垂直中空体が金属製の管であることを特徴とする請求項4から9までのいずれかに記載の制振装置。
  11. 請求項1から10までのいずれかに記載の制振装置が外部又は内部に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた垂直立設部材。
  12. 請求項1から10までのいずれかに記載の制振装置が外部に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた傾斜立設部材。
  13. 垂直に立設された管状の垂直立設部材であって、その内部に垂直立設部材の軸心と一致する軸心を有する吊り下げ部材が吊り下げられているとともに、複数個の球状体を収容してなる底面の内面が曲面形状を有する容器であって各球状体が内部で移動自在に収容されている容器が、垂直立設部材の内部又は外部に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた垂直立設部材。
  14. 吊り下げ部材が金属製のワイヤーであることを特徴とする請求項13に記載の垂直立設部材。
  15. 吊り下げ部材が金属製のチェーンであることを特徴とする請求項13に記載の垂直立設部材。
  16. 吊り下げ部材が複数個の金属体を金属線材でつなぎ合わせたものであることを特徴とする請求項13に記載の垂直立設部材。
  17. 垂直立設部材が垂直中空体が金属製の管であることを特徴とする請求項13から16までのいずれかに記載の垂直立設部材。
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