JP4492895B2 - 逆止弁を有しない循環式風呂釜洗浄薬剤容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽内から風呂釜内に通じる導水管内に洗浄薬剤を送り込むために用いられる循環式風呂釜洗浄薬剤容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
循環式風呂釜の導水管内には汚れが付着しやすく、これを放置しておくと加熱効率が悪くなるほか、不衛生であるので、定期的に洗浄しなければならない。
このような導水管内を洗浄する方法としては、導水管内に洗浄効果のある薬剤を送り込み、薬剤の作用で汚れを導水管内壁から剥離させて除去するものがある。
本出願人は、特願平7-57133において、薬剤を導水管内に送り込むための薬剤容器を開示した。
この薬剤容器は、蛇腹胴部を有し、容器本体の開口部にキャップを被せたものであり、このキャップの端面中央に薬剤吐出ノズルと、側面にキャップ内部への流体の吸入は許すが逆流を阻止する逆止弁が設けられている。
【0003】
しかしながら、この容器本体の開口部の径はキャップのものより小さい上、その開口部とキャップの薬剤吐出ノズルとの間には距離があり、容器本体から吐出された薬剤は、一度キャップ内に留まった後、薬剤吐出ノズルから吐出されるので、一度のポンピングで少量の薬剤しか吐出できず、容器本体内に保持されている薬剤を完全に吐出するには10〜15回程度の多数回に渡るポンピングが必要であり、手間がかかったという問題があった。
また、キャップが大きいのでかさばるという問題もあった。
【0004】
また、この従来の薬剤容器は、その容器本体の開口部に内キャップが取り付けられており、使用時にはキャップを外し、内キャップを外した上で再びキャップをしなければならず、手間がかかるという問題があった。
また、この薬剤容器は、内キャップや逆支弁など、部品数が多く、構成が複雑で製造コストがかかるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためなされたものであり、その目的は、その目的は、構造が簡単でコンパクトであり、2〜5回の少ないポンピングで薬剤をすべて吐出できる低コストな循環式風呂釜洗浄薬剤容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、
伸縮自在の蛇腹形胴部と、一方の端部を閉鎖する底面部と、他方の端部に設けられる広口の開口を有する開口端部とからなり、内部に洗浄用薬剤が保持される容器本体と、
容器本体の開口端部に適合する取付部と、取付部の一端側を閉鎖し得るよう取付部と一体に成形され、使用時に浴槽内から風呂釜内に通じる導水管の開口部に押し当てられる端面部と、その端面部より容器本体とは反対側に突出して設けられる薬剤吐出ノズルと、端面部より容器本体側に設けられ、逆止弁なく容器内部に通じ、薬剤が通過しない程度の大きさの通水孔とを具備するキャップと、
からなる逆止弁を有しない循環式風呂釜洗浄薬剤容器によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係る循環式風呂釜洗浄薬剤容器の一実施例の側面図、図2は図1に示した循環式風呂釜洗浄薬剤容器であって、キャップの蓋部の開放状態を示す部分断面立体構成図、図3は図1に示したキャップの側断面図、図4は図3に示したキャップの上面図、図5は図3に示したキャップの下面図、図6は図2に示したキャップの上面図、図7は図1に示した循環式風呂釜洗浄薬剤容器の使用状態を示す側断面図である。
【0008】
図中、1は容器本体、2はキャップ、3は薬剤、4は浴槽、40は風呂釜の導水管である。
容器本体1は、図2に示したように、蛇腹形胴部1aと、底面部1bと、開口端部1cとからなる。
蛇腹形胴部1aは略円筒状であり、その中心軸に沿って圧縮可能で、手を離し圧縮を止めると圧縮前の形状に戻るものである。
底面部1bは、蛇腹形胴部1aの一方の端部を閉鎖する。
開口端部1cは、蛇腹形胴部1aの他方の端部に設けられ、その中央に広口の開口を構成する短円筒形の差込部1dを有する。
また、差込部1dは、その円筒外面の中程に、その中心軸と同軸に円筒外面上を周回する一条の突条1eを有する。
【0009】
キャップ2は、図3ないし図5に示したように、二重円筒状の取付部2aと、端面部2bと、薬剤吐出ノズル2cと、導水路2dと、通水用スリット2eと、蓋部2fとからなる。
端面部2bは、 後述する取付部2aの一端側を閉鎖し得るよう取付部2aと一体に成形される。
取付部2aの要部は、外筒部2a−1と、内筒部2a−2からなる二重円筒体であり、外筒部2a−1には、突条2a−3を設け、内外筒部の間には要所にリブ2a−4を設けてある。
【0010】
外筒部2a−1は、その内径が容器本体1の差込部1dの外径よりやや大きい円筒状のものである。
内筒部2a−2は、その外径が容器本体1の差込部1d内に緊密にはまり得るものである。
外筒部2a−1及び内筒部2a−2は、間に容器本体1の差込部1dを受容し得るよう配置された状態で、上記したようにその一端側を閉鎖する端面部2bと一体に成形されている。
【0011】
突条2a−3は、外筒部2a−1の開口縁近傍で、容器本体1の差込部1dに取り付けたときに、容器本体1の差込部1dに設けられた突条1eとかみ合う位置であって、外筒部2a−1の中心軸と同軸に円筒内面上を周回する同一円周上に、等間隔で例えば4条設けられる。
リブ2a−4は、外筒部2a−1及び内筒部2a−2で、端面部2bの内面からその中心軸方向に延びるよう、例えば4箇所に等間隔に配置されるものであり、キャップ2の外筒部2a−1及び内筒部2a−2の間に容器本体1の差込部1dが受容されるようキャップ2を容器本体1に取り付けたときに、リブ2a−4の、容器本体1側の端縁が容器本体1の差込部1dの端縁に当接するようになっている。
【0012】
薬剤吐出ノズル2cは、端面部2bの中央に容器外方に突出するように設けられる。
導水路2dは、図2、図3及び図6に示したように、端面部2bに設けられた窪みであり、薬剤吐出ノズル2c側の壁面が、二重円筒状の取付部2aと同軸で、内筒部2a−2より内側に位置する円筒面であり、その円筒壁面の両側縁からキャップ2の外筒面方向に延びる壁面が、薬剤吐出ノズル2cの外側を通り、キャップ2の中心軸に平行で、互いに平行な平面上にある。
【0013】
また、図2及び図6に示したように、導水路2dが設けられている部分の外筒部2a−1及び内筒部2a−2は、その容器本体側端縁から所要の位置で途切れ、その途切れた端縁の間が壁面で封止されており、図7に示したように、端面部2bを風呂釜の導水管の開口に押し当てたときに、導水路2d内に浴槽内の水を導入できるようになっている。
通水用スリット2eは、導水路2d内に、内筒部2a−2の容器本体側の端縁に沿って設けられ、容器内に外部から水を導入できるようになっている。
【0014】
蓋部2fは、図2及び図6に示したように、外筒部2a−1の薬剤吐出ノズル2c側端縁外縁に接続される形でキャップ2の取付部2aと一体的に且つ開閉可能に設けられる。
この蓋部2fは、閉じたときに薬剤吐出ノズル2cの開口と、導水路2dの、内筒部2a−2の内側に画成される領域を閉鎖し得る階段状の板部2f−1と、閉じたときに薬液吐出ノズル2cの開口に嵌まり得る円筒状の突出部2f−2と、閉じたときに導水路2dの内筒部2a−2の内側に画成される開口に嵌まり得る突出部2f−3とからなる。
【0015】
以下、上記の循環式風呂釜洗浄薬剤容器の使用方法について説明する。
容器本体1内には、従来公知の風呂釜洗浄用の顆粒状の薬剤3が入れられ、その開口端部1cに蓋部2fが閉じた状態のキャップ2が嵌められる。
このとき、キャップ2に設けられている開口は、蓋部2fによって封止されているので、この容器を逆さにしても薬剤3が外部にこぼれ出ることはない。
この循環式風呂釜洗浄薬剤容器を使用するときは、図7に示したように、蓋部2fをいっぱいに開けて、開いた蓋部2fの先端が上方を向くように横に倒し、水が張られている浴槽4の壁面に設けられている導水管40内に薬剤吐出ノズル2cの先端が入るよう、キャップ2の端面部2bを導水管40の開口に押し当てる。
【0016】
押し当てた状態のまま容器本体1の底面部1bを導水管40方向に押圧し、押圧を止めるといったポンピング動作を数回、例えば3ないし5回行う。
容器本体1を押圧すると、容器内に保持されている薬剤3は、内部の空気及び侵入してきた水と共に導水管40内に吐出される。
押圧していた手を離すと容器本体1が元の形状に戻るため、このとき、浴槽内の水が通水用スリット2eから容器内に吸い込まれる。
【0017】
上記の薬剤容器では、容器内に保持されている薬剤3が導水管40内に直接吐出されるので、途中で薬剤が容器内に滞留することがなく、スムーズに吐出が進み、3ないし5回程度の極めて少ない回数のポンピングによって容器内の薬剤3を全て吐出することができる。
また、単に蓋部を2fを開くだけですぐに使用可能となるので使いやすい。
また、容器内に無駄な空隙が少なくコンパクトであり、その構成も極めて単純である。
【0018】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、容器本体とキャップの係合手段や、薬剤の種類はどのようなものであってもよく、また、蓋部は例えば粘着シールなどキャップの開口を塞ぐことができればどのようなものであってもよく、取り外し式の栓などであってもよい。
また、通水用スリットは、例えば細孔や、メッシュなど薬剤が通過しない程度の開口を有するものであれば、どのようなものであってもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されるので本発明によるときは、構造が簡単でコンパクトで数回のポンピングで薬剤を吐出し得る低コストな循環式風呂釜洗浄薬剤容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る循環式風呂釜洗浄薬剤容器の一実施例の側面図である。
【図2】図1に示した循環式風呂釜洗浄薬剤容器であって、キャップの蓋部の開放状態を示す部分断面立体構成図である。
【図3】図1に示したキャップの側断面図である。
【図4】図3に示したキャップの上面図である。
【図5】図3に示したキャップの下面図である。
【図6】図2に示したキャップの上面図である。
【図7】図1に示した循環式風呂釜洗浄薬剤容器の使用状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
1a 蛇腹形胴部
1b 底面部
1c 開口端部
1d 差込部
1e 突条
2 キャップ
2a 取付部
2a−1 外筒部
2a−2 内筒部
2a−3 突条
2a−4 リブ
2b 端面部
2c 薬剤吐出ノズル
2d 導水路
2e 通水用スリット
2f 蓋部
2f−1 板部
2f−2 突出部
2f−3 突出部
3 薬剤
4 浴槽
40 導水管
Claims (3)
- 伸縮自在の蛇腹形胴部(1a)と、一方の端部を閉鎖する底面部(1b)と、他方の端部に設けられる広口の開口を有する開口端部(1c)とからなり、内部に洗浄用薬剤(3)が保持される容器本体(1)と、
容器本体(1)の開口端部(1c)に適合する取付部(2a)と、取付部(2a)の一端側を閉鎖し得るよう取付部(2a)と一体に成形され、使用時に浴槽(4)内から風呂釜内に通じる導水管(40)の開口部に押し当てられる端面部(2b)と、その端面部(2b)より容器本体(1)とは反対側に突出して設けられる薬剤吐出ノズル(2c)と、端面部(2b)より容器本体(1)側に設けられ、逆止弁なく容器内部に通じ、薬剤が通過しない程度の大きさの通水孔(2e)とを具備するキャップ(2)と、
からなる逆止弁を有しない循環式風呂釜洗浄薬剤容器。 - 容器本体(1)の開口端部(1c)が、短い円筒形の差込部(1d)を有し、キャップ(2)の取付部(2a)がこの差込部(1d)を受容する内外二重の円筒部材からなり、通水孔が通水用スリット(2e)であり、キャップ(2)の端面部(2b)に窪みを設けて導水路(2d)とし、その容器本体(1)寄りに通水用スリット(2e)が設けられる請求項1に記載の逆止弁を有しない循環式風呂釜洗浄薬剤容器。
- キャップ(2)が、キャップ(2)と一体的に、且つ、キャップ(2)に開閉自在に取り付けられ、薬剤吐出ノズル(2c)の開口と、導水路(2d)の開口とを閉鎖し得る蓋部(2f)を具備する請求項2に記載の逆止弁を有しない循環式風呂釜洗浄薬剤容器。
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