JP4491282B2 - 充填ノズル - Google Patents

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Description

本発明は充填ノズルに関し、特に粘性を有する内容物を充填しても液の後垂れの発生を大幅に低減することのできる液の後垂れ防止機構の改良に関する。
従来より、例えば食品等の内容物を容器に充填するため、充填ノズルを備えた充填装置が用いられている。従来の充填ノズルにおいては、充填時に内容物を良好に押し出したり液切れを良好とするため、その先端形状を逆円錐状とすることが一般的であった。例えば図6に示されるように従来の充填ノズル10は、ハウジング12と、ピストン14とを備え、ピストン14の先端に、下外方に向かって窄まっていく傾斜テーパ面16を形成していた(例えば特許文献1参照)。
ところで、充填装置においては、内容物の充填後、充填ノズルに付着していた液が垂れることがしばしばある。例えばプラスチック製のカップ状容器に粘性を有するスープ等の食品を充填後、充填済み容器を排出し次の容器を供給するまでの間に、容器のフランジ部に液が垂れることがある。これにより後段でのシールが良好に行えず、蓋のヒートシール部が不完全となることがある。
このため充填装置は、液の後垂れを起こさせないことが非常に重要であり、従来の充填ノズル10においても、例えばピストン14の先端に液体案内面18や凹状端面20を形成することで、排出口22の閉塞時、ピストン14の先端に液体等の内容物24を保持させることも試みていた。
実公平5−23520号公報
しかしながら、従来の充填ノズルにあっても、特に粘性を有する内容物を充填すると、排出口の閉塞時において液の後垂れが起きることがある。
本発明者らによれば、例えば特許文献1においては、ピストン14の先端形状が下方に向かって突出している略逆三角錐状であるため、傾斜テーパー面16に付着した液体等の内容物24が、傾斜テーパー面16に沿って下方に流れ落ちる虞があり、この流下で液体24に勢いが付いてしまうと、排出口22の閉塞時においても、液の後垂れが起きることがわかった。特に粘性を有する内容物を充填した際は、このような液の後垂れがしばしば発生することもわかった。
したがって、従来の充填ノズルにおいても、液の後垂れ防止に関してはより一層の改善が求められていたものの、従来はこれを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、粘性を有する内容物を充填しても液の後垂れを大幅に低減することのできる充填ノズルを提供することにある。
本発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、ノズルの先端形状として、水平面より垂下する略十字型の板状突起が形成されたものを採用することにより、更なる液の後垂れの防止効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記目的を達成するために本発明にかかる充填ノズルは、ハウジングと、ピストンと、を備えた充填ノズルにおいて、前記ピストンは、その先端に、水平面状の平坦部と、突起部とが形成されている。前記充填ノズルは、前記排出口を閉塞する際、前記ピストン先端の平坦部及び突起部前記ハウジング内周面とによって囲まれた下に凹の液保持空間が、該ピストンの各平坦部毎に形成されることを特徴とする。
ここで、前記ハウジングは、内容物が貯留されたタンクの内部と連通し、該タンクよりの内容物を容器に充填するための排出口が形成された中空状のものとする。
また前記ピストンは、前記ハウジング内で上下動自在に設けられ、前記排出口の開閉を行うためのものとする。
前記突起部は、前記平坦部より垂下し、該平坦部を放射状に分割する。
また前記平坦部は、前記突起部により分割された水平面である略扇形のものとする。
なお、本発明においては、前記ピストンの突起部の水平方向の断面形状が、前記ピストンの軸心で直交して通る十字形であることが好適である。
また本発明においては、液の後垂れの低減化を最も効果的に図るため、前記ピストンの突起部は、その水平方向の幅が前記ピストン先端の外径に対して1/26以上、1/13以下であり、該ピストンの前記平坦部よりの上下方向の高さが該ピストン先端の外径に対して1/13以上、1/12以下であることが好適である。
すなわち、液の後垂れの低減化のためには、各液保持空間の独立性を良好に保つこと、液の上下方向の位置高さが平坦部よりあまり離れないところに存在すること等が重要である。ここで、前記突起部の幅が、ピストン先端の外径に対して1/26よりも小さいと、液の量によっては各液保持空間の独立性が保てないことがあり、一方、1/13よりも大きいと、該突起部の下端に液が付着しやすくなり、液の後垂れの可能性が大きくなるからである。また前記突起部の高さは、ピストン先端の外径に対して1/13よりも小さいと、液の量によっては各液保持空間の独立性が保てないことがあり、一方、1/12よりも大きいと、液の上下方向の位置高さが平坦部より離れてしまい、液の後垂れの可能性を生じるからである。
また本発明においては、前記内容物の粘度が低いものは該内容物の粘度が高いものに比較し前記ピストンの突起部による水平面の分割数が多くなるように、該突起部による水平面の分割数を、該内容物の粘度に基づいて定めることが好適である。
また、本発明の充填ノズルの使用方法は、前記充填ノズルを使用し、前記排出口を閉塞する際、前記ピストン先端の平坦部及び突起部と前記ハウジング内周面とによって囲まれた下に凹の液保持空間が、該ピストンの各平坦部毎に形成されるように、該ピストンの突起部を該ハウジング内周面に対向させた状態で、該ピストンを停止させることを特徴とする。
本発明にかかる充填ノズルによれば、ピストン先端の水平面より垂下し該水平面を放射状に分割する板状の突起部と、該突起部により分割された該水平面である略扇形の平坦部と、を形成することとしたので、粘度の高い内容物を充填しても液の後垂れを大幅に低減することができる。
また本発明においては、ピストンの突起部の水平方向の断面形状を十字形とすることにより、ないしその幅及び高さを前記範囲内とすることにより、前記液の後垂れの低減化を、より確実に図ることができる。
さらに本発明においては、ピストンの突起部による水平面の分割数を内容物の粘度に基づいて定めることによっても、前記液の後垂れの低減化を、より大幅に図ることができる。
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる充填ノズルの概略構成が示されている。同図(A)は充填ノズルを側方より見た図、同図(B)はノズル先端を容器側より見た拡大図である。前記従来技術と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
<構成>
同図に示す充填ノズル110は、その軸心を垂直にして配置されており、ハウジング112が、内容物124が貯留されたタンク130の内部と連通し、タンク130よりの内容物124を容器に充填するための排出口122が形成された中空状のものとする。
ピストン114は、その先端が水平面状に形成されており、その先端に、突起部132と、平坦部134a〜134dと、が形成されている。
ここで、突起部132は、ピストン114先端のベース形状である水平面より垂下し、該水平面を放射状に分割する板状のものとする。本実施形態においては、突起部132の水平方向の断面形状を、ピストン114の軸心で直交して通る十字形としている。また平坦部134a〜134dは、突起部132により分割された水平面である略扇形のものとする。
そして、ハウジング112内でピストン114を上下動させることにより、排出口122の開閉を行う。本実施形態においては、排出口122を閉塞する際、ピストン114の平坦部134の側周がピストン114の突起部132、及びシリンダ内周面136で囲まれた下に凹の液保持空間138が、ピストン114の各平坦部134a〜134d毎に形成されるように、ピストン114の突起部132をシリンダ内周面136に対向させた状態で、ピストン114を停止させている。
<作用>
本実施形態にかかる充填ノズル110は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
本発明において特徴的なことは、充填ノズルとして、液の後垂れを大幅に低減することのできる先端形状を採用したことである。本実施形態においては、ピストン先端のベース形状を、一般的な逆円錐状に代えて、水平面状とし、かつその水平面状のピストン先端に、略十字状の板状突起部と、複数の扇形平坦部と、を形成している。そして、充填ノズルが閉塞状態になると、ノズルの先端に、各平坦部毎に独立して扇形の液保持空間が形成される。
この液保持空間による液保持の様子を図2に示す。同図(A)はノズル先端に付着している液を側方より見た場合の様子、同図(B)はこれを容器側から見た場合の様子を示す。
この扇形の液保持空間138a〜138dは、それぞれハウジング内周面136と、ピストン114先端の突起部132及び平坦部134a〜134dとで囲まれている。ピストン114の先端は、実質的に水平面及び垂直面のみで構成されている。これらのほぼ直角な面がそれぞれ強い表面張力を発生させており、液124の上下方向の位置高さが平坦部よりあまり離れないところに存在している。つまり液124が、それぞれピストン114の平坦部134a〜134d、突起部132、及びハウジング内周面136を這うようにしっかり吸着保持されている。しかも突起部132により各液保持空間138a〜138dの独立性が確実に保たれているので、液124の集中を大幅に低減している。このような原理で、本実施形態においては、液の後垂れを大幅に低減している。
<より具体的な構成>
次に充填ノズル110を用いた充填装置について説明する。
図3は前記図1に示した充填ノズル110を具体的に示した断面図である。図4(A)は前記図3に示した充填ノズル110の要部を拡大して示した断面図であり、同図(B)はピストンのみを下方より見た図である。
同図に示す充填装置140は、内容物として、スープやカレー等の最大15mm角の固形物を含有し、粘度が200〜10000cPの液状食品を想定しており、これを所定量ずつ計量してカップ状容器に連続的に充填している。
充填ノズル110においては、ハウジング112として、アウターシリンダ142と、インナーシリンダ144と、底部材146と、ノズル筒148とを備える。アウターシリンダ142とインナーシリンダ144とを間隙を設けて配置している。これらのシリンダ142,144の下部に底部材146を設け、底部材146の下部にノズル筒148を設けている。シリンダ112の排出口122は、ノズル筒148の下端開口に相当する。ノズル筒148内で本発明のピストン114としてのインナーピストン150を上下方向に摺動自在とし、排出口122の開閉を行っている。
前記充填ノズル110の構成について、さらに具体的に説明する。
同図に示す充填ノズル110においては、タンク130の底部にアウターシリンダ142が固設されている。アウターシリンダ142の下端には、摺鉢状に傾斜した内壁をもつ底部材146を介して、小内径のノズル筒148が一体的に連設されている。底部材146の内側には、ノズル筒148と同一の内径をもち、タンク130付近まで延在するインナーシリンダ144が固設されている。インナーシリンダ144の下端付近には、底部材146の摺鉢状に傾斜した内壁に滑らかに続く開口通路152が設けられている。アウターシリンダ142とインナーシリンダ144との間隙を、計量室154として用いている。計量室154内には、上下方向に摺動自在となるようにリング状のアウターピストン156が設けられている。アウターピストン156の下端面には、底部材146のもつ摺鉢状に傾斜した内壁と合致する傾斜面が形成されている。アウターピストン156の側面は、インナーシリンダ144の開口通路152を塞ぐことのできる長さをもつ。インナーシリンダ144の内周面とノズル筒148の内周面に摺接しノズル筒148とインナーシリンダ144とを塞ぐインナーピストン150が、上下方向に摺動自在に設けられている。ノズル筒148の先端内側は、漏斗状に形成されており、傾斜壁158と、円筒状の先端内周面136とを備えている。インナーピストン150の先端には、ノズル筒148を塞いだ状態で、ノズル筒148の傾斜壁158に当接する面取部162が形成されている。
ここで、インナーピストン150の先端には、その軸心を中心に十字型の突起部132が、ノズル筒148の先端内周面と同じ高さで形成されている。突起部132の間に、扇形の平坦部134a〜134dが形成されている。そして、インナーピストン150でノズル筒148を塞ぐと、ノズル筒148の先端側の内周面136とインナーピストン150の突起部132と扇形の平坦部134a〜134dとで囲まれた液保持空間138a〜138dが形成されることとなる。
<ピストンの位置決め機構>
なお、液の後垂れ防止効果を充分に得るためには、インナーピストン(ピストン)150とノズル筒(シリンダ)148との上下方向の位置関係の制御も非常に重要であり、このために移動手段164,166と、移動制御手段168とを備えることも好ましい。
ここで、移動手段164,166はピストン150,156を上下動させる。移動制御手段168は移動手段164,166によるピストン150,156の上下動を制御する。
この結果、移動制御手段168により、内容物の充填量の制御は勿論、排出口122を閉塞する際は、液保持空間138がインナーピストン150の各平坦部134a〜134d毎に形成されるように、インナーピストン150の位置決めを確実に行う。
ここで、液の後垂れの低減効果を最も効果的に得るためには、排出口122を閉塞した状態で、ノズル筒148の下端からインナーピストン150の平坦部134までの上下方向の位置高さが、突起部132の平坦部134よりの上下方向の位置高さとほぼ同一であることが特に好ましい。
<より具体的な作用>
図3に示した充填ノズル110は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
カップ状容器170は、穴付きコンベア172にフランジ部174を支えられた状態で充填ノズル110の真下まで断続的に搬送され、リフタ(図示省略)で持ち上げられて、図示した位置で内容物を充填される。ここで、充填ノズル110は、インナーピストン150でノズル筒148を塞いだ状態でアウターピストン156を上昇させると、タンク130内の内容物が、インナーシリンダ144の内側を通って通路から計量室154内に導入される。計量室154内の内容物が所望量になると、アウターピストン156が停止し、次にインナーピストン150が上昇しインナーシリンダ144の通路の上まで移動し、アウターピストン156が下降を始め、容器170内へ内容物が充填される。アウターピストン156が底部材146に接触して停止すると、インナーピストン150が下降を開始し、インナーシリンダ144内の内容物を容器170内に充填する。所定量の充填を終えると、インナーピストン150がノズル筒148を塞ぎ、充填工程の一サイクルを完了する。内容物が充填された容器170は、リフターが下降してコンベア172に乗せられ、次に充填される容器170が搬入される。
ここで、容器170の入れ替え作業中、特に固形物入りの粘性を有するスープを充填する際、液の後垂れが問題となるが、従来の充填ノズルは、その先端形状を逆円錐状としていたので、スープの粘度が高いと充填ノズルの斜辺部に付着すると、それが保持しきれず先端中心部に集合し、液の後垂れを起こし、容器のフランジ面を汚す頻度が高くなる。
これに対し、本実施形態においては、ノズルの先端形状として、水平面と該水平面より垂下する略十字型の板状突起部との組み合わせによるものを採用している。このため容器170の入れ替え作業中、ノズル筒148の内周面とインナーピストン150の外周面とが摺接し充填ノズル110が閉塞状態になると、充填ノズル110の先端に、ノズル筒148の内周面136とインナーピストン150の突起部132と平坦部134a〜134dとで囲まれた扇形の液保持空間138a〜138dを形成させている。
<液保持機構>
液保持空間138a〜138dによる液の後垂れ低減化は、以下の効果によるものと考えられる。
第一に、液保持空間138a〜138dにより、ノズル先端での表面張力が増大されることが挙げられる。すなわち、液保持空間138a〜138dは、ノズル筒148の内周面136とインナーピストン150の板状突起部132と平坦部134a〜134dとで囲まれているため、これらのほぼ直角な面が、強い表面張力を発生させる。これにより、各液保持空間138a〜138dの平坦部134a〜134dに付着した内容物124が、それぞれ突起部132の側壁及びノズル筒148の内周面136との間で増大された表面張力により、しっかり吸着保持される。
第二に、液保持空間138a〜138dにより、液の集中を防いでいることが挙げられる。すなわち、内容物124が集中すると、内容物124の後垂れが発生しやすく、本発明のような突起部が設けられていないと、内容物が集中することがある。これに対し、本実施形態においては、突起部132により各液保持空間138a〜138dが完全に独立しているので、内容物124の集中を確実に防ぐことができる。
この結果、たとえ容器170の給排出時に機械振動が生じても、液の後垂れを大幅に低減することができるので、容器170のフランジ上面の汚れ頻度も低くなる。
<効果のレベル>
なお、本発明のような液吸着保持の効果は、単にノズル先端のベース形状を水平面としただけであったり、ノズル先端に凹部を形成しただけでは、本発明と同様のレベルが得られるものではなく、前述のようなノズル先端形状の組み合わせにより、はじめて得られるものである。
例えば、ノズル先端に単に僅かな凹部を設け、液の保持を試みることも考えられるかもしれないが、実際には僅かな凹部でしか液の充分な吸着保持が行われず、液の大部分は、凹部に入り込めず先端部分に付着している。このため液の大部分は、その上面のみが、ノズル先端に付着しているだけであるので、ノズルに機械振動が生じると、液の後垂れを生じやすくなる。また内容物が固形物を含むと、内容物を押し出す際に固形物が凹部に挟まることがある。これにより液が凹部に入り込めず凹部による液保持効果も充分に発揮できないので、液の後垂れを生じやすくなる。
一方、本実施形態においては、ノズル先端の水平面全体を、垂直な板状突起部により複数に分割して独立した液保持空間を形成することで、液が各液保持空間のノズル筒の内周面、インナーピストンの平坦部及び突起部を這うに存在し、液をしっかり吸着保持している。このため充填ノズルに振動が生じても、その場からの液の後垂れを大幅に低減している。また突起部により各液保持空間を完全に独立させているため、液が特定位置に集中するのを大幅に低減することができるので、液の後垂れを、より大幅に低減している。しかも、本実施形態においては、内容物が固形物を含んでいても液保持空間に詰まるのを大幅に低減するので、液保持空間による液保持効果を充分に発揮することができる。
<ハウジング内周面による液保持>
ピストン先端に内容物が付着するのは、内容物をノズル先端で押し出す場合以外に、ノズル筒内周面にインナーピストン外壁を下方に摺動していくうちに、ノズル筒内周面に付着していた内容物が、インナーピストン先端によりかき集められる場合も多い。
ここで、インナーピストン先端の外周縁部が平坦部よりも突出するように形成されていたり、ノズル筒下端とインナーピストンの平坦部との上下方向の位置高さが同一であると、内容物がインナーピストン先端の外周縁部の付近に集中して付着することが多い。この場合、内容物はその上面のみがインナーピストン先端ないしノズル筒下端に付着しているので、液の後垂れを発生しやすい。
これに対し、本実施形態においては、ハウジング内周面にも液保持の役割をもたせている。すなわち、本実施形態においては、ピストン先端の外周囲に突起部を設けず、排出口の閉塞時にノズル筒下端の上下方向の位置を、ピストンの突起部の高さとほぼ同一としている。このため、閉塞時、ノズル筒内周面、ピストンの突起部、及び平坦部による液保持空間が形成される。このためノズル筒内周面に付着していた液であっても、液保持空間、特にピストンの内周面及び平坦部でしっかり吸着保持されるので、充填ノズルの外周縁部付近からの、液の後垂れの発生も大幅に低減している。
<十字型の板状突起部>
ところで、液の後垂れを確実に防止するためには、突起部132の水平方向の断面形状を、ピストン114(以下、インナーピストン150という)の軸心で直交して通る十字形とすることが特に好適である。
ここで、液の後垂れの低減化をより確実に図るためには、突起部132は、その水平方向の幅がインナーピストン150の先端の外径に対して1/26以上、2/26(1/13)以下であること、平坦部よりの上下方向の高さがインナーピストン150の先端の外径に対して2/26(1/13)以上、3/26(1/12)以下であることが特に好ましい。
本実施形態においては、内容物として、最大15mm角の固形物を含み、その粘度が200〜10000cPであり、またインナーピストン150の外形が約26mmの充填ノズル110であるので、突起部132として、幅1〜2mm、高さ2〜2.5mmの寸法をもつ十字型のものを採用している。
変形例
<水平面状ノズル先端の分割数>
前述のように突起部132は十字型であることが特に好しいが、内容物の粘度が低いものは内容物の粘度が高いものに比較し板状突起部132による水平面の分割数が多くなるように、突起部132による水平面の分割数を設定することも好ましい。
例えば前記構成では、突起部132が、インナーピストン150の軸心を中心に、90度間隔で設けられているが、これに比較し、粘度が高い内容物を用いる場合は、突起部132の間隔を広く設定することも好ましく、例えば120度間隔が一例として挙げられる(図5(A)参照)。一方、粘度が低い内容物を用いる場合は、突起部132の間隔を90度間隔に比較し狭く設定することも好ましく、例えば60度間隔が一例として挙げられる(同図(B)参照)。
<容器>
前記構成では、容器として、プラスチック製のカップ状容器を用いた例について説明したが、任意の材質、形状のものを用いることができる。例えばカップ状容器170の場合は、プラスチック製であっても、薄金属板であっても、防水紙製であっても良い。またカップ状容器170は開口端にフランジ部174を備えても良く、フランジ部174は、カップ状容器170が例えば紙製であった場合等に補強のため、カールさせても良い。
本発明の一実施形態にかかる充填ノズルの概略構成を示す説明図である。 図1に示した充填ノズルによる液保持の様子を示す説明図である。 図1に示した充填ノズルの具体的な構成を示す説明図である。 図3に示した充填ノズルの要部を拡大して示した説明図である。 本発明において特徴的なノズル先端形状の変形例である。 従来の充填ノズルの要部を示した説明図である。
符号の説明
110 充填ノズル
112 ハウジング
114 ピストン
122 排出口
132 ピストン突起部
134a〜134d ピストン平坦部
136 ハウジング内周面
138a〜138d 液保持空間

Claims (5)

  1. 内容物が貯留されたタンクの内部と連通し、該タンクよりの内容物を容器に充填するための排出口が形成された中空状のハウジングと、前記ハウジング内で上下動自在に設けられ、前記排出口の開閉を行うためのピストンと、を備えた充填ノズルにおいて、
    前記ピストンの先端には、水平面状の平坦部と、該平坦部より垂下して該平坦部を放射状に分割する板状の突起部とが形成され、該平坦部は該突起部によって略扇形に分割されており、
    前記排出口を閉塞する際、前記ピストン先端の平坦部及び突起部前記ハウジング内周面とによって囲まれた下に凹の液保持空間が、該ピストンの各平坦部毎に形成されることを特徴とする充填ノズル。
  2. 請求項1記載の充填ノズルにおいて、
    前記ピストンの突起部の水平方向の断面形状が、該ピストンの軸心で直交して通る十字形であることを特徴とする充填ノズル。
  3. 請求項1又は2記載の充填ノズルにおいて、
    前記ピストンの突起部は、その水平方向の幅が、該ピストン先端の外径に対し1/26
    以上、1/13以下であり、該ピストンの平坦部よりの垂直方向の高さが、該ピストン先端の外径に対し1/13以上、1/12以下であることを特徴とする充填ノズル。
  4. 請求項1記載の充填ノズルにおいて、
    前記内容物の粘度が低いものは該内容物の粘度が高いものに比較し前記ピストンの突起部による水平面の分割数が多くなるように、該突起部による水平面の分割数を、該内容物の粘度に基づいて定めたことを特徴とする充填ノズル。
  5. 内容物が貯留されたタンクの内部と連通し、該タンクよりの内容物を容器に充填するための排出口が形成された中空状のハウジングと、前記ハウジング内で上下動自在に設けられ、前記排出口の開閉を行うためのピストンと、を備え、
    前記ピストンの先端には、水平面状の平坦部と、該平坦部より垂下して該平坦部を放射状に分割する板状の突起とが形成され、該平坦部は該突起部によって略扇形に分割されている充填ノズルを使用し、
    前記排出口を閉塞する際、前記ピストン先端の平坦部及び突起部と前記ハウジング内周面とによって囲まれた下に凹の液保持空間が、該ピストンの各平坦部毎に形成されるように、該ピストンの突起部を該ハウジング内周面に対向させた状態で、該ピストンを停止させることを特徴とする充填ノズルの使用方法。
JP2004165463A 2004-06-03 2004-06-03 充填ノズル Expired - Fee Related JP4491282B2 (ja)

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