JP4491099B2 - 柱の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は柱の構造に関し、更に詳細には鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とが併用された、例えば中高層建造物における柱の、鋼管コンクリート造から鉄筋コンクリート造への連続的に切り替わる部分の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、中高層建造物等において鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用してこれを建造することはほとんど行われていなかった。しかし、類似の構造として、主に鉄骨鉄筋コンクリート造の建造物では、最上階より3〜4階の下層階において鉄骨鉄筋コンクリート造から鉄筋コンクリート造に切り替えて施工されることがあった。
【0003】
このような切り替えは、建造物の上層階部分では柱応力が相当に小さく、応力の処理が比較的容易であり、鉄筋コンクリート造でも強度的に十分であると考えられるので、資材の節約やコストダウンのため、荷重の比較的少ない上層階部分で行われるのが一般的であった。
【0004】
この場合、柱は、上層階部分を通常の鉄筋コンクリート造とし、下層階部分を鉄骨鉄筋コンクリート造として、その切替部では鉄骨鉄筋コンクリート造の柱部分に内蔵する鉄骨をそのまま上方に延ばして鉄筋コンクリート造の柱部分のほぼ中間部に至るまで配設するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、応力がきわめて大きい高層及び超高層建造物の下層部で鋼管コンクリート造から鉄筋コンクリート造に切り替えることが可能であれば、建造物全体の大幅なコストダウン、又は施工の迅速化等が実現できることになる。
【0006】
しかしながら、鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造を併用した建造物における柱の場合には、鉄筋コンクリート柱部分と鋼管コンクリート柱部分との切替部、言い換えれば連設部での応力の十分な伝達構造と、鋼管コンクリート柱部分の端部近傍への応力の集中を緩和する構造とが必要となる。また、鉄筋コンクリート柱部分と鋼管コンクリート柱部分との切替部においては、十分な耐力と変形性能を確保することも必要である。
【0007】
以上から本発明は、前記問題点に鑑みて創案されたものであり、応力が大きい例えば中高層建造物の下層階で、鋼管コンクリート造から鉄筋コンクリート造への切り替えを可能とする柱の構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本発明の柱の構造は以下の手段を採用する。すなわち、本発明の柱の構造は、鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用し、上部が鉄筋コンクリート造で且つ下部が鋼管コンクリート造で形成された柱における鋼管コンクリート造から鉄筋コンクリート造へ連続的に切り替わる部分の構造であって、当該切り替わる部分の構造は、前記鉄筋コンクリート柱部分に接続される鉄筋コンクリート造梁の直下に形成され、且つ、前記鋼管の上端部近傍における内壁面に、前記鋼管の長手方向軸線に直交する平面上に平板状のリブプレートが前記鋼管の中央部に開口をあけるようにその外周部を前記鋼管の内周面に固着して配置され、このリブプレートには多数の穴が形成され、前記鉄筋コンクリート造の柱部分に構成されている主鉄筋が前記リブプレートに形成された前記穴を挿通して前記鋼管の上端部内コンクリートに延長して配筋されていることを特徴とする。
【0009】
〈本発明における付加的構成〉
本発明に係る柱の構造は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素に更に以下のような構成を付加した場合であっても成立する。その付加的構成要素とは、リブプレートの下方部における鋼管の内壁面に、更に支圧部材を設けることである。
【0010】
本発明に係る柱の構造において、支圧部材を複数の棒状部材で構成し、これらの各棒状部材を、鋼管の内壁面に周方向に間隔をあけ、且つ長手方向に複数段に亘って設けるようにすることができる。この支圧部材は、リブプレートと共に、上部の鉄筋コンクリート柱部分からの軸力の伝達を補助するために機能する。
【0011】
この場合、鋼管内壁面から支圧部材先端迄の高さh1 は、前記鋼管内壁面と前記上部の鉄筋コンクリート造の柱部分から延長して配置される前記主鉄筋との間隔h3 の1/3倍から2/3倍とすることが好ましい。また、リブプレートとこのリブプレートの下方にある前記支圧部材との間隔h2 、および前記支圧部材相互との間隔h2 は、前記鋼管内壁面から前記支圧部材先端迄の高さh1 の7.5倍から15倍とすることが好ましい。更に、上部の鉄筋コンクリート造の柱部分から延長して配置される前記主鉄筋は、最も下段の前記支圧部材の位置を越えた前記主鉄筋先端の定着長さを前記主鉄筋径の15倍以上とすることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る柱の構造では、リブプレートの表面に補助プレートを立設させ、この補助プレートを鋼管の内壁面に固着して、リブプレートの取付け剛性を高めるようにすることも好ましい。この補助プレートによってリブプレートの取付け剛性を高めることにより、切替部の強度も高めることができる。
【0013】
〈本発明の作用〉
本発明に係る柱の構造では、上部を鉄筋コンクリート柱部分とし、下部を鋼管コンクリート柱部分とした柱の場合、上部の鉄筋コンクリート柱部分からのせん断力は、その多くが鋼管コンクリート柱部分の切替部、即ち、鋼管上端部近傍に集中して当該鋼管に伝達される。このため、鋼管コンクリート柱部分の鋼管上端部近傍は大きな集中応力により面外へ変形される。
【0014】
そこで、この集中する応力に対して、鋼管コンクリート柱部分と鉄筋コンクリート柱部分との切替部における鋼管の上端部近傍にリブプレートを配置したことにより、鋼管上端部近辺の応力集中による鋼管の面外変形を緩和し、内部のコンクリートの劣化を少なくすることができ、これにより柱の変形性能を高めることができる。
【0015】
また、本発明に係る柱の構造では、リブプレートと鋼管が協働して内部のコンクリートを拘束するので、内部コンクリートの強度を上昇させ、またこの拘束力により主鉄筋の付着性能を大きくでき、その結果として付着性能の劣化を小さくすることができる。また、リブプレートは、鋼管の長手方向に直交する横断面上に配置されているため鋼管と内部コンクリートを確実に一体化することができ、鋼管の定着性能を確保でき、これにより柱脚部においては鋼管コンクリート造の性能を確実に発揮することができる。
【0016】
更に、本発明に係る柱の構造では、切替部に配置されたリブプレートに穴を形成し、主鉄筋をこの穴に挿入して鋼管コンクリート柱部分に延在させることにより、リブプレート、或いはリブプレートと支圧部材の支圧力と、鋼管内面とコンクリートの付着力とが協働して上部の鉄筋コンクリート造の柱部分からの圧縮軸力の一部或いは引っ張り軸力の全てを下部の鋼管へ確実に伝達することができる。
【0017】
ところで、本発明に係るの柱の構造に対し引っ張り実験を行った結果、以下に示す破壊面が発生することが確認されている。すなわち、(1) 鉄筋コンクリート造の柱部分から延伸配置された主鉄筋に対して大きな引っ張り力が作用すると、主鉄筋相互を結ぶように付着破壊面が発生する。(2) 一方、コンクリートに伝達された応力がコンクリートから支圧部材に伝達される際に、支圧部材相互の間隔が狭い場合には、支圧部材先端を結ぶようにせん断破壊面が発生する。(3) 従って、支圧部材先端の高さが主鉄筋近傍に達していると、前述の主鉄筋相互を結ぶ付着破壊面と支圧部材先端を結ぶせん断破壊面が相互に影響して主鉄筋の定着性能を大きく劣化させる。
【0018】
そこで、本発明に係る柱の構造では、リブプレートとこのリブプレートの下方にある支圧部材との間隔h2 、および前記支圧部材相互との間隔h2 を、鋼管内壁面から支圧部材先端迄の高さh1 の7.5倍から15倍と大きく取ることで、支圧部材先端を結ぶせん断破壊耐力を大きくし、支圧部材直下のコンクリートの圧縮破壊(いわゆる支圧破壊)となるように構成している。
【0019】
また、鋼管内壁面から支圧部材先端迄の高さh1 を、鋼管内壁面と主鉄筋との間隔h3 の1/3倍から2/3倍にすることで、主鉄筋相互を結ぶ付着破壊面と支圧部材先端を結ぶせん断破壊面との位置を離すように構成することで、相互の影響を防止し主鉄筋の定着性能の劣化を避けるようにしている。
【0020】
更に、柱が最大耐力に達すると、主鉄筋は引張降伏し、降伏位置より付着力は劣化し始め、徐々に付着力の負担位置は主鉄筋定着部の奥へ移動する。このため、主鉄筋定着の長さが短い場合、柱降伏後早期に主鉄筋の定着が失われることが予想され、その場合変形性能がないものとなってしまう。そこで、本発明に係る柱の構造では、上部の鉄筋コンクリート造の柱部分から延伸配置される主鉄筋は、最も下段の前記支圧部材の位置を越えた主鉄筋先端の定着長さを主鉄筋径の15倍以上に構成することで、柱に必要な変形性能が得られるようにしている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る柱の構造を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1には本発明の一実施の形態に係る鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用した建造物における柱の構造、特に鋼管コンクリート柱部分と鉄筋コンクリート柱部分との切替部の構造が概略的に示されている。
【0022】
このような鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用した建造物における柱10としては、下層階では鋼管コンクリート柱部分10aで形成され、上層階では鉄筋コンクリート柱部分10bで形成され、その切替部11では鋼管コンクリート柱部分10aから鉄筋コンクリート柱部分10bへ連続的に変更されている。本発明は、このような柱10の切替部11における構造である。
【0023】
鋼管コンクリート造の下層階における鋼管コンクリート柱部分10aでは、断面が主に円形又は四角形の鋼管12内にコンクリート13を打設することにより形成されている。この鋼管コンクリート柱部分10aには、通常、各階毎に設置される鉄骨コンクリート造梁14が接続されている。この鉄骨コンクリート造梁14はコンクリート14aの内部に梁鉄骨14bとしてH型鋼が入れられて構成されている。
【0024】
他方、鉄筋コンクリート造の上層階における鉄筋コンクリート柱部分10bでは、常法に従って鉄筋15を配筋し、次いで型枠をその内側が下層階の鋼管コンクリート柱部分10aにおける鋼管12の外周面と一致するように設置してその内部にコンクリート13を打設して形成されている。
【0025】
一般的に、鉄筋コンクリート柱部分10bで配筋される鉄筋15は、その長手方向に配置される複数の主鉄筋15aとこれらの主鉄筋15aを内包するように横断方向に配筋された複数のせん断補強筋15bとを密かに組んで構成されている。この鉄筋コンクリート柱部分10bには、通常、各階毎に設置される鉄筋コンクリート造梁16が接続されている。
【0026】
この鉄筋コンクリート造梁16は、鉄筋コンクリート柱部分10bと同様にコンクリート16aの内部に主鉄筋16bとこれを内包するせん断補強筋16cが入れられて構成されている。ところで、上述したような建造物において、下層階の鋼管コンクリート柱部分10aと上層階の鉄筋コンクリート柱部分10bとの切替部11が形成される好適な位置としては、鉄筋コンクリート造梁16の直下が、若しくは鉄筋コンクリート造梁16の下面から最大でほぼ30mmの間隔をあけた位置が好ましい。
【0027】
すなわち、下層階の鋼管コンクリート柱部分10aを構成する鋼管12の上端部は、少なくとも上層階の鉄筋コンクリート造における最も下位に存する鉄筋コンクリート造梁16の直下に位置するか、又は鉄筋コンクリート造梁16の下面から最大でほぼ30mmの間隔をあけた位置になるように設計されることが好ましい。
【0028】
このような位置に存在する鋼管コンクリート柱部分10aと鉄筋コンクリート柱部分10bとの切替部11では、図1及び図2に示されるように鋼管12の上端縁より50〜200mmの範囲内位置に、中央部に開口17aをあけた平板状のリブプレート17が鋼管12の長手方向軸線に直交する平面上に配置され、その外周部が鋼管12の内周面に溶接などにより固着されている。このリブプレート17は、分割された複数の板状体を組み合わせて用いてもよく、また中央部に開口があいた1枚の部材を用いてもよい。
【0029】
そして、このリブプレート17の上面には、当該リブプレート17の鋼管12への取付け剛性を高めるために縦方向補強リブとしての板状の補助プレート18が設置されている。すなわち、この板状の補助プレート18は相互に直交するか又は直交する方向に伸びる2辺を備え、その一辺がリブプレート17の表面に載せられて溶接などにより固定されている。
【0030】
また、この補助プレート18における他方の辺は、鋼管12の内壁面に接して同様に溶接などにより固定され、この結果、リブプレート17は鋼管12の内面に堅固に固定されることになる。このように補助プレート18は、主にリブプレート17の鋼管12に対する取付け剛性を高めるものであることから、リブプレート17の下面側に設置されてもよい。
【0031】
このリブプレート17には多数の穴17bが形成され、鉄筋コンクリート柱部分10bに構成されている主鉄筋15aがこの穴17bを挿通して鋼管12の上端部内コンクリート13に延長して配筋されている。このように鉄筋コンクリート柱部分10bからの主鉄筋15aは、鉄骨コンクリート造梁14の上側付近までくるように鋼管12の後端部内に延在されている。
【0032】
そして、リブプレート17の下方部における鋼管12の内壁面には、図1及び図3に示されるように断面四角形の棒状部材19からなる支圧部材が固着されている。すなわち、図1〜図3に示される実施形態では、鋼管コンクリート柱部分10aの断面が四角形とされており、支圧部材である棒状部材19は、鋼管12の断面四角形の各辺を構成するそれぞれの内壁に複数段(この実施形態では3段)に取り付けられている。
【0033】
棒状部材19は、鋼管12の内壁面から棒状部材19先端迄の高さh1 が、前記内壁面と主鉄筋15aとの間隔h3 の1/2倍になっている。また、リブプレート17とこのリブプレート17の下方にある棒状部材19との間隔h2 、および棒状部材19相互との間隔h2 は、前記内壁面から棒状部材19先端迄の高さh1 の10倍になっている。
【0034】
これにより、鋼管12の上端部近傍に設置されたリブプレート17の下方側即ち鋼管12の長手方向中央方向側には、その内壁面に多数の突起部が形成されていることになる。
【0035】
また、鉄筋コンクリート柱部分10bから延伸配置される主鉄筋15aは、最も下段の棒状部材19の位置を越えた主鉄筋15a先端の定着長さを主鉄筋径の15倍以上になっている。
【0036】
このように構成された、鋼管コンクリート柱部分10aと鉄筋コンクリート柱部分10bとの切替部11によると、鋼管12の上端部近傍に集中する応力に対して、鋼管12の面外剛性を確保すると同時に内部のコンクリート13と鋼管12の一体性を高め柱10としての良好な変形能力と耐力を得ることができる。
【0037】
すなわち、力学的に考えると、上層階における鉄筋コンクリート柱部分10bからのせん断力は、その多くが下層階における鋼管コンクリート柱部分10aへの切替部11、即ち鋼管12の上端部近傍に集中して当該鋼管12に伝達されることになる。そのため、鋼管コンクリート柱部分10aにおける鋼管12の上端部近傍は大きな集中応力により面外へ変形しようとすると考えられる。
【0038】
しかし、前述した本発明に係る柱の構造によれば、この集中する応力に対して、鋼管コンクリート柱部分10aと鉄筋コンクリート柱部分10bとの切替部11として、鋼管12の上端部近傍に開口17aをあけたリブプレート17を配置していることから、鋼管12の上端部近傍への応力集中を緩和することができ、これによる局部変形の緩和によって柱の変形性能を改善することができる。
【0039】
また、リブプレート17と鋼管12は、協働して内部のコンクリート13を拘束することから、内部コンクリート13の強度を上昇させる。更にリブプレート17の穴17aに鉄筋コンクリート柱部分10bからの主鉄筋15aを挿通させているため、鉄筋の引っ張り力に対してリブプレート17がコンクリートを介してこれを拘束する。これらの効果が協働して上層階における鉄筋コンクリート柱部分10bからの主鉄筋15aの定着性能が改善される。
【0040】
更に、鋼管12の上端部近傍に前述したようなリブプレート17及び棒状部材19を鋼管12の長手方向に直交する横断面上に配置しているため、鋼管12と内部コンクリート13とが良好に一体化されると共に柱10の切替部11における強度が高められ、柱10における切替部11の脚部は鋼管コンクリート柱部分10aの性能を確実に発揮することができる。
【0041】
加えて、本発明に係る柱の構造では、鋼管12の上端部近傍に配設したリブプレート17における穴17bに鉄筋コンクリート柱部分10bの主鉄筋15aを挿通させるようにしているため、鉄筋コンクリート柱部分10bの主鉄筋15aの位置を容易に確保することができる。また、このような柱10の切替部11では、外周部の鋼管12がせん断力を負担しているため、せん断補強筋を省略することができる。
【0042】
ところで、この本発明に係るの柱の構造に対し引っ張り実験を行った結果、以下に示す破壊面が発生することが確認されている。すなわち、(1) 鉄筋コンクリート柱部分10bから延伸配置された主鉄筋15aに対して大きな引張力が作用すると、図4に示すように、主鉄筋15a相互を結ぶように付着破壊面Mが発生する。(2) 一方、コンクリート13に伝達された応力がコンクリート13から棒状部材19に伝達される際に、棒状部材19相互の間隔が狭い場合には、図5に示すように、棒状部材19先端を結ぶようにせん断破壊面Nが発生する。(3) 従って、棒状部材19先端の高さが主鉄筋15a近傍に達していると、前述の主鉄筋15a相互を結ぶ付着破壊面Mと棒状部材19先端を結ぶせん断破壊面Nが相互に影響して主鉄筋15aの定着性能を大きく劣化させる。
【0043】
そこで、本発明に係る柱の構造では、リブプレート17とこのリブプレート17の下方にある棒状部材19との間隔h2 、および棒状部材19相互との間隔h2 を、鋼管12の内壁面から棒状部材19先端迄の高さh1 の10倍と大きく取ることで、棒状部材19先端を結ぶせん断破壊耐力を大きくし、棒状部材19直下のコンクリートの圧縮破壊(いわゆる支圧破壊、図6参照)Qとなるように構成している。なお、この間隔h2 は、棒状部材19先端迄の高さh1 の7.5倍から15倍になるように設計されることが好ましい。
【0044】
また、本発明に係る柱の構造では、鋼管12の内壁面から棒状部材19先端迄の高さh1 を、鋼管12の内壁面と主鉄筋との間隔h3 の1/2倍程度にし、主鉄筋15a相互を結ぶ付着破壊面Mと棒状部材19先端を結ぶせん断破壊面Nとの位置を離すように構成することで、相互の影響を防止し主鉄筋15aの定着性能の劣化を避けるようにしている。なお、棒状部材19先端迄の高さh1 は、鋼管12の内壁面と主鉄筋との間隔h3 の1/3倍から2/3倍とするように設計されることが好ましい。
【0045】
更に、柱10が最大耐力に達すると、主鉄筋15aは引っ張り降伏し、降伏位置より付着力は劣化し始め、徐々に付着力の負担位置は主鉄筋定着部の奥へ移動する。このため、主鉄筋定着の長さが短い場合、柱降伏後早期に主鉄筋15aの定着が失われることが予想され、その場合変形性能がないものとなってしまう。そこで、本発明に係る柱の構造では、鉄筋コンクリート柱部分10bから延伸配置される主鉄筋15aは、最も下段の棒状部材19の位置を越えた主鉄筋先端の定着長さを主鉄筋径の15倍以上に延長することで、柱10に必要な変形性能が得られるようにしている。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る柱の構造によれば、例えば、中高層又は超高層ビル等において従来不可能であった下層階の高荷重部分に鋼管コンクリート柱部分から鉄筋コンクリート柱部分への切替部を備える柱を建築施工することが可能となる。
【0047】
また、鋼管は施工時にコンクリート型枠として利用できるため、柱の型枠製作を省略できる利点がある。また、施工時には、下層階における鋼管を建て込み、鋼管内のコンクリートを打設した状態で、その上層階の鉄筋コンクリート造を構築するので、これらの柱が仮設柱としての働きをする。よって建造物の上層部と下層部の同時施工が可能になり工期の短縮が可能となる。
【0048】
更に、本発明に係る柱の構造によれば、従来は適当な工法が確立されていなかった鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用した柱の切替部に十分対応できるので、建造物の設計の自由度を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態である、鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用した柱においてその切替部の構造を概略的に示す縦断面図である。
【図2】図1に示される柱の切替部を2−2線に沿って切断して示す横断面図である。
【図3】図1に示される柱の切替部を3−3線に沿って切断して示す横断面図である。
【図4】主鉄筋に対して引っ張り力が作用した場合に生じる付着破壊面の説明図である。
【図5】棒状部材(支圧部材)相互の間隔が狭い場合に生じるせん断破壊面の説明図である。
【図6】棒状部材(支圧部材)直下のコンクリートの圧縮破壊(支圧破壊)の説明図である。
【符号の説明】
10…鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用した柱
10a…鋼管コンクリート柱部分
10b…鉄筋コンクリート柱部分
11…切替部
12…鋼管
13…コンクリート
14…鉄骨コンクリート造梁
14a…コンクリート
14b…鉄骨
15…鉄筋
15a…主
15b…せん断補強筋
16…鉄筋コンクリート造梁
16a…コンクリート
16b…主
16c…せん断補強筋
17…リブプレート
18…補助プレート
19…支圧部材としての棒状部材
h1 …支圧部材先端迄の高さ
h2 …リブプレートと棒状部材との間隔、および棒状部材相互との間隔
h3 …鋼管内壁面と主鉄筋との間隔
M…付着破壊面
N…せん断破壊面
Q…圧縮破壊(支圧破壊)

Claims (7)

  1. 鋼管コンクリート造と鉄筋コンクリート造とを併用し、上部が鉄筋コンクリート造で且つ下部が鋼管コンクリート造で形成された柱における鋼管コンクリート造から鉄筋コンクリート造へ連続的に切り替わる部分の構造であって、
    当該切り替わる部分の構造は、前記鉄筋コンクリート柱部分に接続される鉄筋コンクリート造梁の直下に形成され、且つ、前記鋼管の上端部近傍における内壁面に、前記鋼管の長手方向軸線に直交する平面上に平板状のリブプレートが前記鋼管の中央部に開口をあけるようにその外周部を前記鋼管の内周面に固着して配置され、このリブプレートには多数の穴が形成され、前記鉄筋コンクリート造の柱部分に構成されている主鉄筋が前記リブプレートに形成された前記穴を挿通して前記鋼管の上端部内コンクリートに延長して配筋されていることを特徴とする柱の構造。
  2. 前記リブプレートの下方部における前記鋼管の内壁面に、更に支圧部材が設けられている請求項1記載の柱の構造。
  3. 前記支圧部材が複数の棒状部材で構成され、前記各棒状部材が、前記鋼管の内壁面に周方向に間隔をあけ、且つ長手方向に複数段に亘って設けられている請求項2記載の柱の構造。
  4. 前記鋼管内壁面から前記支圧部材先端迄の高さh1 は、前記鋼管内壁面と前記上部の鉄筋コンクリート造の柱部分から延長して配置される前記主鉄筋との間隔h3 の1/3倍から2/3倍とする請求項2または請求項3記載の柱の構造。
  5. 前記リブプレートとこのリブプレートの下方にある前記支圧部材との間隔h2 、および前記支圧部材相互との間隔h2 は、前記鋼管内壁面から前記支圧部材先端迄の高さh1 の7.5倍から15倍とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の柱の構造。
  6. 前記上部の鉄筋コンクリート造の柱部分から延長して配置される前記主鉄筋は、最も下段の前記支圧部材の位置を越えた前記主鉄筋先端の定着長さを前記主鉄筋径の15倍以上とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の柱の構造。
  7. 前記リブプレートの表面に補助プレートを立設させ、この補助プレートを前記鋼管の内壁面に固着させている請求項1から請求項6のいずれかに記載の柱の構造。
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