JP4490947B2 - 金属溶湯の排出構造。 - Google Patents

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Description

本発明は金属溶湯の排出構造に関し、詳しくは、溶鋼を主とする金属溶湯の連続鋳造において、取鍋内の金属溶湯をタンディッシュに注入するときの金属溶湯による鋳造設備の浸食を抑制することが可能な機能を有する金属溶湯の排出構造に関する。
本発明は、いわゆる連続鋳造設備の一部を構成するものであるので、最初に連続鋳造設備の概要について簡単に説明する。
図3に示すように、連続鋳造設備は、転炉(図示せず)の金属溶湯を受ける取鍋21と、取鍋21内の金属溶湯をロングノズル22を経て受け入れるタンディッシュ23と、タンディッシュ23内の金属溶湯を浸漬ノズル24を経て受け入れる鋳型25と、鋳片全幅にわたって冷却水をスプレーするスプレーノズル26と、鋳片内の金属溶湯を電磁誘導撹拌し、等軸樹脂状晶を増し、最終凝固位置の溶質元素の偏析を多数の等軸晶間に分散する電磁誘導撹拌装置27と、多数のサポートロール群28と、鋳片引き抜き用ダミーバー29と、ガス切断機30とから主に構成される。
取鍋21からタンディッシュ23ならびにタンディッシュ23から鋳型25への金属溶湯の鋳造に際しては、耐火物製のロングノズル22や浸漬ノズル24により、金属溶湯と空気との接触による酸化を遮断し、タンディッシュ23はスラグの金属溶湯への巻き込みを避けるために、その内部に堰やバッフルを設けて非金属介在物の浮上分離が図られ、鋳型25には、湯面変動を抑制し凝固殻の表面性状を良好にする目的で、磁場をかけ、タンディッシュ23から流入する金属溶湯流を制御する装置が使われるなど、鋳片の品質向上を図るための様々な工夫が施されている。その結果、鋳片の品質については、一定以上のレベルを確保することが可能になっている。
連続鋳造は高温(約1650℃)の金属溶湯を連続的に多くの鋳造設備を移動させつつ徐々に凝固させることにより行われるものであるが、この金属溶湯の移動時にスムーズな湯流れが確保されないと、鋳造設備が損傷することがある。そこで、係る事情を分かりやすく説明する。
図4は、図3から取鍋21とタンディッシュ23と鋳型25を取り出して、分かりやすくするために拡大した模式図である。
図4において、取鍋21は金属溶湯Mを収容し、取鍋21の底部には上ノズル31が形成され、この上ノズル31の下側には取鍋21の底面に沿ってスライドするスライディングノズル32とスライディングノズル32に固着した下ノズル33が設置され、さらに、下ノズル33にロングノズル22が装着されている。そして、図示しない駆動装置を駆動させることにより、スライディングノズル32と下ノズル33とロングノズル22は一体となって両矢示方向にスライドすることが可能である。ロングノズル22は、取鍋21の下方に設けたタンディッシュ23内の金属溶湯Mに浸漬されている。上記スライディングノズル32は取鍋21から排出される金属溶湯Mの流量調整手段であり、下ノズル33およびロングノズル22と一体となったスライディングノズル32が取鍋21の底面に沿って両矢示方向にスライドすることにより、上ノズル31が全閉状態となって金属溶湯Mの供給が絶たれたり、上ノズル31の開口部とスライディングノズル32の開口部が一致すれば、すなわち、全開状態になれば、所定量の金属溶湯Mがタンディッシュ23に向けて排出されるようになっている。タンディッシュ23内には複数の堰34が設置されており、タンディッシュ23に対するロングノズル22の設置位置に対して長手方向反対側の底部には鋳型25への金属溶湯の供給流路となる浸漬ノズル24が設置され、鋳型25を経て鋳片35が製造されるようになっている。
かくして、上ノズル31の開口部とスライディングノズル32の開口部を一致させて、ロングノズル22の先端をタンディッシュ23内の金属溶湯Mに浸漬させながら、取鍋21内の金属溶湯Mをタンディッシュ23に注入すると、タンディッシュ23内の金属溶湯Mは適宜の位置に設けられた堰34に当接することにより行く手を阻まれ、金属溶湯Mに含まれる耐火物粒子等の軽量不純物の一部は堰34に沿って金属溶湯Mの表面に浮上し、金属溶湯Mは浸漬ノズル24を経て鋳型25内で冷却されて凝固し、鋳片35が製造される。上記は簡単のために単ストランド鋳造について説明したが、一般的には、図3に示すように、複数の取鍋21から交互にタンディッシュ23に金属溶湯が注入される多ストランド鋳造が行われている。この場合、金属溶湯が排出されない取鍋の金属溶湯排出口は閉塞する必要がある。そのため、図5に示すように、金属溶湯が排出されない取鍋においては、上部プレート31aと下部プレート31bからなる上ノズル31内には耐火物粒子(100メッシュ程度の大きさのシリカまたはクロムを主成分とする耐火物)36が充填される。
ところが、下ノズルとロングノズルの接合面の形状や耐火物粒子に起因して、取鍋からタンディッシュへの金属溶湯注入時に金属溶湯によってロングノズルが浸食されることがある。というのは、図5に示すように、下ノズル33の下端面は平面状であり、この下ノズル下端面が当接するロングノズル22上端部には図6(a)に示すように、セラミック製のリング41が装着されており、このセラミック製のリング41上に図5に示す下ノズル33が着座することにより、下ノズルとロングノズルが接合する構造である。ところが、平面部が接合する構造のものは熱影響により接合面が変形しやすい。そのため、金属溶湯の流れが乱されやすい。しかも、金属溶湯とともにロングノズル内に流下してくる耐火物粒子(図5の番号36参照)が抵抗となってロングノズル内に耐火物粒子のブリッジが形成されることのないように、図6(a)に示すように、セラミックリング41に続いて拡径部42、43、44が形成されているため、下ノズルから排出された金属溶湯はセラミックリング41を経て拡径部42、43、44に沿って流下するとき、流れの乱れが助長されやすい。その結果、拡径部42、43および44は金属溶湯の不均一な流れによる局部的なアタック(熱衝撃)を受けて部分的に浸食(孔あき)されることがある。
この種の技術に関するものとして、特許文献1には、繰り返し使用に耐えうるロングノズルとして、ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされているロングノズルが開示されている。このロングノズルによれば、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有することにより地金や介在物が耐火物に付着しにくくなるという効果は期待できるが、上記した金属溶湯による熱衝撃に対する抵抗力を備えているとは言えない。
また、特許文献2には、金属溶湯の湯流れを改善して鋳片の品質を改善しうるノズルとして、ノズル吐出口開孔より上方の左右のノズル筒の肉厚の差が1.0mm以下である連続鋳造用ノズルが開示されている。このノズルによれば、金属溶湯の流れが乱れていない場合においては、鋳片の品質を改善することはできても、上記した金属溶湯の乱れた流れによる熱衝撃に対する抵抗力を備えているとは言えない。
特開2005−125403号公報 特開2004−74198号公報
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、取鍋内の金属溶湯をタンディッシュに注入するときの金属溶湯によるロングノズルの浸食を抑制することが可能な機能を有する金属溶湯の排出構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の金属溶湯の排出構造は、取鍋底部に設けた上ノズルからスライディングノズル、下ノズルおよびロングノズルを経て取鍋内の金属溶湯を排出する金属溶湯の排出構造において、ロングノズル上端部の内側に下ノズル内径と略等しい内径の略円筒状の耐火リングを内張し、下ノズル下端面と上記耐火リング上端面に曲面部を形成し、下ノズルと耐火リングが曲面で接することを特徴としている。
本発明の金属溶湯の排出構造によれば、取鍋内の金属溶湯を排出する場合、ロングノズル着脱装置に装着したロングノズルを下ノズルの略直下まで移動させ、次いで、ロングノズル上端部に内張した耐火リング上端面を下ノズル下端面に当接させて曲面に沿って接合位置を微調整し、耐火リング開口部と下ノズル開口部を上下方向で一致させる。そして、スライディングノズル、下ノズルおよびロングノズルを一体として取鍋底面に沿ってスライドさせて上ノズル開口部とスライディングノズル開口部を一致させると、取鍋内の金属溶湯は上ノズルからスライディングノズルおよび下ノズルを経てロングノズル内に達する。ロングノズルに達した金属溶湯は略円筒状の耐火リング内面に沿って整流されるようにして流下する。
かくして、下ノズルと耐火リングの接合面は曲面であるから熱により変形しにくく、耐火リング内面は整然と流下する金属溶湯によって局部的にアタックされることもない。この整流効果を備えるためには、耐火リングの円筒長さは100mm以上であるのが好ましい。一方、耐火リングには機械的強度や高温強度の高い高級耐火材料(例えば、76重量%のアルミナと22重量%のマグネシアを含むスピネル系の組成のもの、または、75重量%のアルミナと10重量%のシリカと10重量%のカーボンを含む組成のもの)が使用されるので、耐火リングの円筒長さの上限値はコスト面を考慮すると、約400mm程度とするのが好ましい。
曲面が球面であれば、加工が比較的簡単で、製造コストを抑えることができるので好ましい。
下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面は下に向かって凸であってもよく、下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面は上に向かって凸であってもよいが、下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面が上に向かって凸である場合、次に説明するような効果が期待できる。一般に、連続鋳造において、当該取鍋からの金属溶湯の排出を終えて次の取鍋からの金属溶湯を受け入れるまでの間に下ノズルと上ノズルの接合面の清掃、すなわち、その接合面に付着した異物の除去が行われる。異物除去が不十分であると、接合不良により、大気リークや金属溶湯の漏れのような不都合が生じやすいからである。というのは、取鍋からの金属溶湯の排出終了時に取鍋の金属溶湯排出口はスライディングノズルにより封鎖されるが、その封鎖が必ずしも良好でない場合(いわゆる、溶湯切れの悪い場合)がある。溶湯切れが悪くて金属溶湯が取鍋から漏れている状態で下ノズルとロングノズルの接合を切り離すと、漏れた金属溶湯がロングノズルの上端面に付着することがある。この付着物を除去するために高圧の酸素ガスを吹き付けているが、この付着物除去作業は高温環境下での肉体に対する負担が極めて大きい作業であり、次の取鍋と交換するまでの間の短い時間内に行わなければならないという制約もある。しかも、様々な関連設備が配置されている現場において、上記付着物除去部を直接確認するのは必ずしも容易でない。この点、下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面が上に向かって凸であれば、溶湯切れの悪いスライディングノズルであっても、取鍋から漏れた金属溶湯はロングノズル上端面(耐火リング上端面)に溜まらず、流れ落ちやすくなると思われる。また、漏れた金属溶湯がロングノズルの上端面(耐火リング上端面)に付着したとしても、この付着物除去作業は、耐火リング上端面に形成される球面が下に向かって凸である場合に比べて容易であり、この付着物除去部を確認することも耐火リング上端面に形成される球面が下に向かって凸である場合に比べて容易となることが期待できる。
この場合、下ノズル下端面に形成される球面部の球の半径と耐火リング上端面に形成される球面部の球の半径が同一であれば、接合面の密着性が増し、シール性が向上するので好ましい。しかし、密着性が高いことに起因して球面に沿って接合位置を微調整するときの接触抵抗が比較的大きいという不都合がある。
そこで、下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面が下に向かって凸である場合、下ノズル下端面に形成される球面部の球の半径r1が耐火リング上端面に形成される球面部の球の半径r2より僅かに小さければ、下ノズル下端面と耐火リング上端面を当接させて球面に沿って接合位置を微調整するときに、接触抵抗が小さくなり、接合面の摩耗量が少なくなるので好ましい。例えば、r1はr2の95%から99%の範囲とすることが好ましい。
同じように、下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面が上に向かって凸である場合、耐火リング上端面に形成される球面部の球の半径r4が下ノズル下端面に形成される球面部の球の半径r3より僅かに小されば、下ノズル下端面と耐火リング上端面を当接させて球面に沿って接合位置を微調整するときに、接触抵抗が小さくなり、接合面の摩耗量が少なくなるので好ましい。例えば、r4はr3の95%から99%の範囲とすることが好ましい。
略円筒状の耐火リングの内径が上端面から下端面にかけて徐々に小さくなるテーパ形状であれば、金属溶湯の湯流れの整流効果を増すことができるので好ましい。例えば、そのテーパ形状としては、耐火リングの上端面の内径が105mmないし115mm程度で、耐火リングの円筒部の長さが200mmの場合、耐火リングの下端面の内径は100mm程度のものを採用することができる。
内張り耐火リングに引き続くロングノズルの内径Aは耐火リング下端面の内径Bより大きく、且つその内径Aはロングノズル下端面に至るまで同一であれば、耐火リングに引き続くロングノズル内においても金属溶湯の整流効果は発揮され、しかも、耐火物粒子によるブリッジが形成されにくいので好ましい。
本発明によれば、取鍋から排出された金属溶湯によってロングノズルが短期間のうちに熱的に損傷することはなく、スムーズな金属溶湯の流れを確保することができ、安定した鋳造作業を継続することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しながら説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更や修正が可能である。
図1は、本発明の金属溶湯の排出構造を適用した連続鋳造設備の一例の断面を含む概略構成図である。図1において、タンディッシュ23および鋳型25は図4に示すものと同
じであり、同一構成のものには同じ参照番号を付して説明を省略する。
この実施形態において、取鍋1はスイングタワー2の一方の側に搭載されており、取鍋1の底部に形成された上ノズル3の下側には取鍋1の底面に沿ってスライドするスライディングノズル4とスライディングノズル4に固着した下ノズル5が設置され、さらに、下ノズル5にロングノズル6が装着されている。そして、図示しない駆動装置を駆動させることにより、スライディングノズル4と下ノズル5とロングノズル6は一体となって両矢視方向にスライドすることが可能である。
図2(a)は下ノズル5とロングノズル6が接合している状態の一例を拡大して示す断面図であり、図2(b)はロングノズル6の上端部を取り出して示す断面図である。図2(a)に示すように、ロングノズル6の上端部の内側には略円筒状の耐火リング7が内張されている。下ノズル5の下端面8と耐火リング7の上端面9にはそれぞれ下に向かって凸の球面部が形成されており、下ノズル5と耐火リング7は球面で接している。図2(a)に示す下ノズル5の内径dは100mm(上端から下端まで一定)であり、図2(b)に示す耐火リング7の上端面の内径D1は110mm、耐火リング7の下端面の内径D2は100mm、耐火リング7の円筒部の長さLは200mmである。この場合、下ノズル5の下端面と耐火リング7の上端面に、それぞれ上に向かって凸の球面部を形成することもできる。
また、図2(a)に示す下ノズル5の下端面8に形成される球面部の球の半径r1(145mm)は耐火リング7の上端面9に形成される球面部の球の半径r2(150mm)より僅かに小さい。その結果、下ノズル5の下端面8と耐火リング7の上端面9を当接させて球面に沿って接合位置を微調整するときの接触抵抗を小さくすることができる。この場合、下ノズル5の下端面と耐火リング7の上端面に、それぞれ上に向かって凸の球面部を形成した場合、耐火リング7の上端面に形成される球面部の球の半径r4(145mm)を下ノズル5の下端面に形成される球面部の球の半径r3(150mm)より僅かに小くすることにより、下ノズル5の下端面と耐火リング7の上端面を当接させて球面に沿って接合位置を微調整するときの接触抵抗を小さくすることができる。
また、図2(a)に示す耐火リング7に引き続くロングノズル6の内面10の内径W(150mm)は耐火リング7下端面の内径D2(100mm)より大きく、且つロングノズル6の下端面11に至るまで内径Wは同一である。
図1において、ロングノズル6は取鍋1の側方に配置されている図示しないロングノズル着脱装置のアームによって保持され、常時所定の押し付け力で押し付けられながら下ノズル5に装着されている。押し付け力が弱すぎると下ノズル5と耐火リング7またはロングノズル6の間隙から金属溶湯が漏れ出し、逆に、その押し付け力が強すぎると下ノズル5、耐火リング7またはロングノズル6が破損するので、ロングノズル着脱装置のアームによる押し付け力は適正な範囲(一般的には、5〜7kg/cm2)になるように制御されている。
図1において、取鍋1内の金属溶湯Mをタンディッシュ23内に注入することによって取鍋1が空になると、スライディングノズル4をスライドさせて上ノズル3の開口部を封鎖する。次に、ロングノズル6の押し付け力を解除し、先端がタンディッシュ23よりも上方に位置するまで、取鍋昇降装置12によって取鍋1を上昇させる。そして、ロングノズル6を下ノズル5から離して、ロングノズル6を保持している図示しないロングノズル着脱装置のアームをスイングタワー2の旋回の支障にならない位置まで退避させる。そして、スイングタワー2を回転軸13の周りに旋回させて、空になった取鍋1をスイングタワー2の他方の側に搭載されている金属溶湯を満たした取鍋と交換する。
次に、図示しないロングノズル着脱装置のアームを伸ばして、図2(a)に示すロングノズル6を下ノズル5の略直下の位置にくるまで移動させ、その後、下ノズル5の下端面8と耐火リング7の上端面9を当接させ、且つそれら下ノズル5と耐火リング7の開口部が上下方向で一致するまで球面に沿って当接状態を微調整し、接合部から金属溶湯が漏れることなく、接合部が破損することもないように、ロングノズル着脱装置のアームによる適切な押し付け力で耐火リング7を下ノズル5に押し付ける。
そして、図1に示すように、ロングノズル6の先端がタンディッシュ23内の金属溶湯Mに浸漬するまで、取鍋昇降装置12によって取鍋1を下降させる。その後、スライディングノズル4をスライドさせて、上ノズル3とスライディングノズル4の開口部を一致させて全開状態とし、取鍋1から上ノズル3、スライディングノズル4、下ノズル5およびロングノズル6を経てタンディッシュ23内へ金属溶湯Mを注入する。
この場合、図1において取鍋1からロングノズル6に達した金属溶湯Mは、図2(a)に示す耐火リング7の内壁面に沿って整流されるようにして流下するので、耐火リング7の内面が金属溶湯により局部的にアタックされにくく、しかも、耐火リング7に引き続くロングノズル6の内面10の内径Wは下端面11に至るまで同一であるから、耐火リング7を過ぎた後のロングノズル6内においても金属溶湯は整然と流下するので、ロングノズル6の内面が金属溶湯により局部的にアタックされにくい。
本発明は金属溶湯によるロングノズルの浸食を抑制することが可能な構造の連続鋳造設備に関するものであるが、金属溶湯注入時の熱衝撃による過酷な条件での使用に耐えるためには、耐火リングおよびロングノズルの材質として、耐スポーリング性に優れたアルミナ−黒鉛材質やジルコニア−黒鉛材質やマグネシア−黒鉛材質のものを採用することが好ましいが、近年、極低炭素鋼のような炭素含有量の少ない鋼種が増え、それに対応してロングノズルに使用される耐火物も溶鋼中への炭素の溶出を抑制するために、炭素の含有量を極力少なくする必要性が高まっている。それに対応するために、ロングノズル用の耐火物として、溶鋼中への炭素溶出だけでなく、耐食性低下や介在物付着の原因となるシリカ等を使用しないアルミナ系、スピネル系、ジルコニア系等の耐火骨材を主な構成成分とする耐火物を用いることもできる。
本発明は、溶鋼を主とする金属溶湯を連続鋳造する際に使用される設備に適用することができ、特に、取鍋内の金属溶湯をタンディッシュに注入するときの金属溶湯によるロングノズルの浸食を抑制することが可能な構造を有する設備として適している。
本発明の金属溶湯の排出構造を適用した連続鋳造設備の一例の断面を含む概略構成図である。 図2(a)は本発明の下ノズルおよびロングノズルが接合している状態の一例を拡大して示す断面図、図2(b)はロングノズルの上端部を取り出して示す断面図である。 一般的な連続鋳造設備の概略構成図である。 従来の金属溶湯の排出構造を有する連続鋳造設備の断面を含む概略構成図である。 従来の取鍋の上ノズル付近を拡大して示す断面図である。 図6(a)は従来のロングノズルを拡大して示す断面図、図6(b)は図6(a)の上端部の右半分を拡大して示す図である。
符号の説明
1 取鍋
2 スイングタワー
3 上ノズル
4 スライディングノズル
5 下ノズル
6 ロングノズル
7 耐火リング
8 下ノズルの下端面
9 耐火リングの上端面
10 ロングノズルの内面
11 ロングノズルの下端面
12 取鍋昇降装置
21 取鍋
22 ロングノズル
23 タンディッシュ
24 浸漬ノズル
25 鋳型
26 スプレーノズル
27 電磁誘導撹拌装置
28 サポートロール群
29 鋳片引き抜き用ダミーバー
30 ガス切断機
31 上ノズル
32 スライディングノズル
33 下ノズル
34 堰
35 鋳片
36 耐火物粒子
41 リング
42 拡径部
43 拡径部
44 拡径部

Claims (6)

  1. 取鍋底部に設けた上ノズルからスライディングノズル、下ノズルおよびロングノズルを経て取鍋内の金属溶湯を排出する金属溶湯の排出構造において、ロングノズル上端部の内側に下ノズル内径と略等しい内径の略円筒状の耐火リングを内張し、下ノズル下端面と上記耐火リング上端面に曲面部を形成し、下ノズルと耐火リングが曲面で接することを特徴とする金属溶湯の排出構造。
  2. 曲面が球面であることを特徴とする請求項1記載の金属溶湯の排出構造。
  3. 下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面が下に向かって凸であり、下ノズル下端面に形成される球面部の球の半径と耐火リング上端面に形成される球面部の球の半径が同一であることを特徴とする請求項2記載の金属溶湯の排出構造。
  4. 下ノズル下端面と耐火リング上端面に形成される球面が下に向かって凸であり、下ノズル下端面に形成される球面部の球の半径が耐火リング上端面に形成される球面部の球の半径より僅かに小さいことを特徴とする請求項2記載の金属溶湯の排出構造。
  5. 略円筒状の耐火リングの内径が上端面から下端面にかけて徐々に小さくなるテーパ形状であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の金属溶湯の排出構造。
  6. 内張り耐火リングに引き続くロングノズルの内径Aは耐火リング下端面の内径Bより大きく、且つその内径Aはロングノズル下端面に至るまで同一であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の金属溶湯の排出構造。
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