JPH09248660A - 溶融金属用の注入ノズルおよび注入方法 - Google Patents
溶融金属用の注入ノズルおよび注入方法Info
- Publication number
- JPH09248660A JPH09248660A JP8300896A JP8300896A JPH09248660A JP H09248660 A JPH09248660 A JP H09248660A JP 8300896 A JP8300896 A JP 8300896A JP 8300896 A JP8300896 A JP 8300896A JP H09248660 A JPH09248660 A JP H09248660A
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- JP
- Japan
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- nozzle
- slag
- container
- porous body
- molten metal
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶融金属の移し変えに伴うスラグ流出を低減
し、高歩留りを維持しつつスラグ起因の品質低下を抑制
する。 【解決手段】 取鍋からノズルを介してタンディッシュ
に溶鋼を注入する際、スラグ流出が発生する時期に、ノ
ズル内に多孔質体10で形成されたスラグ遮断物を挿入
する。溶鋼だけを多孔質体10を通過させることによっ
て、スラグの通過を抑制しつつ、歩留り良く溶鋼を注入
する。
し、高歩留りを維持しつつスラグ起因の品質低下を抑制
する。 【解決手段】 取鍋からノズルを介してタンディッシュ
に溶鋼を注入する際、スラグ流出が発生する時期に、ノ
ズル内に多孔質体10で形成されたスラグ遮断物を挿入
する。溶鋼だけを多孔質体10を通過させることによっ
て、スラグの通過を抑制しつつ、歩留り良く溶鋼を注入
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低合金鋼、各種ス
テンレス鋼、高Ni鋼および各種非鉄合金などの溶融金
属を注入する際に用いる注入ノズル、およびこれを用い
る注入方法に関する。
テンレス鋼、高Ni鋼および各種非鉄合金などの溶融金
属を注入する際に用いる注入ノズル、およびこれを用い
る注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属から金属製品を得るプロセスに
おいて、溶融金属とその表面に浮かぶスラグを分離する
ことは、優れた製品品質を維持するための重要課題とな
っている。例えば、転炉を用いて溶鋼の脱硫あるいは脱
燐処理を行った際に生成するスラグを、転炉から取鍋に
流出させると製品欠陥につながることが多い。欠陥にな
らないとしても、取鍋内で、脱硫スラグと脱硫処理した
溶鋼とが混ざると、溶鋼の硫黄濃度が高くなって製品成
分を満足しなくなることがある。特に、連続鋳造におけ
る取鍋からタンディッシュへのスラグ流入は、スラグ自
体が介在物欠陥となるので重大な問題である。
おいて、溶融金属とその表面に浮かぶスラグを分離する
ことは、優れた製品品質を維持するための重要課題とな
っている。例えば、転炉を用いて溶鋼の脱硫あるいは脱
燐処理を行った際に生成するスラグを、転炉から取鍋に
流出させると製品欠陥につながることが多い。欠陥にな
らないとしても、取鍋内で、脱硫スラグと脱硫処理した
溶鋼とが混ざると、溶鋼の硫黄濃度が高くなって製品成
分を満足しなくなることがある。特に、連続鋳造におけ
る取鍋からタンディッシュへのスラグ流入は、スラグ自
体が介在物欠陥となるので重大な問題である。
【0003】こうしたスラグ流出の低減技術は、これま
でにも数多く開発されている。例えば、転炉内で使用す
るスラグボールや、特開昭60−210352号公報記
載の取鍋内で用いるフローティングバルブなどが良く使
われている。フローティングバルブとは、メタル比重
(=7トン/m3 前後)とスラグ比重(=1〜2トン/
m3 前後)の比重差を利用して、中位程度の比重(3〜
5トン/m3 前後)を持つスラグ遮断および栓の機能を
有する物体であって、これを取鍋内溶鋼中に浮かべて溶
鋼の注入を行うものである。フローティングバルブは、
比重差から溶鋼層とスラグ層の境目に浮遊することにな
り、注入末期にスラグ流出寸前に注入孔の栓になるので
ある。
でにも数多く開発されている。例えば、転炉内で使用す
るスラグボールや、特開昭60−210352号公報記
載の取鍋内で用いるフローティングバルブなどが良く使
われている。フローティングバルブとは、メタル比重
(=7トン/m3 前後)とスラグ比重(=1〜2トン/
m3 前後)の比重差を利用して、中位程度の比重(3〜
5トン/m3 前後)を持つスラグ遮断および栓の機能を
有する物体であって、これを取鍋内溶鋼中に浮かべて溶
鋼の注入を行うものである。フローティングバルブは、
比重差から溶鋼層とスラグ層の境目に浮遊することにな
り、注入末期にスラグ流出寸前に注入孔の栓になるので
ある。
【0004】また、スラグ遮断物体を固定して利用する
方法としては、特開昭63−16855号公報記載のよ
うに多孔質体を注入ノズル入口に設置する方法がある。
方法としては、特開昭63−16855号公報記載のよ
うに多孔質体を注入ノズル入口に設置する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フローティングバルブ
は、スラグの表面が固化しているときなどに注入孔直上
に保持することが難しく、不測のスラグ流入を招く問題
があった。
は、スラグの表面が固化しているときなどに注入孔直上
に保持することが難しく、不測のスラグ流入を招く問題
があった。
【0006】また、予め多孔質体をノズルに固定配置す
る方法は、長時間注入すると介在物やスラグあるいは地
金の付着などによって多孔質体に詰まりを生ずることが
多く、安定した制御を行うことが困難であるといった欠
点があった。
る方法は、長時間注入すると介在物やスラグあるいは地
金の付着などによって多孔質体に詰まりを生ずることが
多く、安定した制御を行うことが困難であるといった欠
点があった。
【0007】本発明は、上記課題を解決し、スラグ流出
防止を高い成功率で実現でき、しかも、多孔質体の目詰
まりを少なくできる注入ノズルおよび注入方法を提供す
る。
防止を高い成功率で実現でき、しかも、多孔質体の目詰
まりを少なくできる注入ノズルおよび注入方法を提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の注入ノズルは、
容器から別の容器に溶融金属を注入する際に用いる注入
ノズルにおいて、注入ノズル内の溶融金属流路の少なく
とも一箇所に、溶融金属の流動方向軸と異なる角度の移
動方向軸を有し、かつ溶融金属流に接触する面の少なく
とも一箇所に多孔質体を有する移動構造体を配設したこ
とを特徴とする溶融金属用の注入ノズル、および、底部
の注入孔の下側に浸漬注入ノズルを配設した第1容器か
ら別の第2容器に溶融金属を注入しながら連続鋳造を行
う際に、第1容器の注入孔と浸漬注入ノズルとの間に介
在させて溶融金属注入量を調整するためのスライディン
グノズルにおいて、スライディングノズルのプレートの
うち少なくとも一つに設けた注入孔に、空孔率が70〜
90%である耐火物製多孔質体を配設したことを特徴と
する溶融金属用の注入ノズルである。
容器から別の容器に溶融金属を注入する際に用いる注入
ノズルにおいて、注入ノズル内の溶融金属流路の少なく
とも一箇所に、溶融金属の流動方向軸と異なる角度の移
動方向軸を有し、かつ溶融金属流に接触する面の少なく
とも一箇所に多孔質体を有する移動構造体を配設したこ
とを特徴とする溶融金属用の注入ノズル、および、底部
の注入孔の下側に浸漬注入ノズルを配設した第1容器か
ら別の第2容器に溶融金属を注入しながら連続鋳造を行
う際に、第1容器の注入孔と浸漬注入ノズルとの間に介
在させて溶融金属注入量を調整するためのスライディン
グノズルにおいて、スライディングノズルのプレートの
うち少なくとも一つに設けた注入孔に、空孔率が70〜
90%である耐火物製多孔質体を配設したことを特徴と
する溶融金属用の注入ノズルである。
【0009】また、本発明の注入方法は、底部の注入孔
の下側に浸漬注入ノズルを配設した第1容器から別の第
2容器に溶鋼を注入しながら連続鋳造を行う際に、第1
容器の注入孔と浸漬注入ノズルとの間に介在させて溶鋼
注入量を調整するためのスライディングノズルを前記本
発明のいずれかの注入ノズルとし、連続鋳造の進行に伴
って第1容器内の残留溶鋼重量が初期充填重量の20%
以下になった操業期間のうち少なくとも一回、多孔質体
を有する移動構造体または耐火物製多孔質体を注入ノズ
ル内に移動させて多孔質体を溶鋼流に接触させることを
特徴とする注入方法である。
の下側に浸漬注入ノズルを配設した第1容器から別の第
2容器に溶鋼を注入しながら連続鋳造を行う際に、第1
容器の注入孔と浸漬注入ノズルとの間に介在させて溶鋼
注入量を調整するためのスライディングノズルを前記本
発明のいずれかの注入ノズルとし、連続鋳造の進行に伴
って第1容器内の残留溶鋼重量が初期充填重量の20%
以下になった操業期間のうち少なくとも一回、多孔質体
を有する移動構造体または耐火物製多孔質体を注入ノズ
ル内に移動させて多孔質体を溶鋼流に接触させることを
特徴とする注入方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、鋼の連続
鋳造を例にして図1に基づいて説明する。
鋳造を例にして図1に基づいて説明する。
【0011】図1(a)は連続鋳造用の取鍋に設けられ
た羽口を側面から見た断面図である。炉底耐火物1で浮
き上がりを防止されている上部羽口煉瓦2が鉄皮3に配
置され、上部羽口煉瓦2の周囲には、交流電流の印加と
スラグ流入によるノズル内のインピーダンス変化の検知
が可能なスラグセンサー4が設置されている。下部羽口
5は直接タンディッシュ内部に挿入され、連続鋳造中
は、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入量はスライデ
ィングノズルによって制御される。
た羽口を側面から見た断面図である。炉底耐火物1で浮
き上がりを防止されている上部羽口煉瓦2が鉄皮3に配
置され、上部羽口煉瓦2の周囲には、交流電流の印加と
スラグ流入によるノズル内のインピーダンス変化の検知
が可能なスラグセンサー4が設置されている。下部羽口
5は直接タンディッシュ内部に挿入され、連続鋳造中
は、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入量はスライデ
ィングノズルによって制御される。
【0012】スライディングノズルには、固定された上
部プレート6と下部プレート9の間に二枚の可動式中間
プレートがある。一枚は流量制御プレート7であり、開
度を調整することによってタンディッシュへの流量調整
を行う。もう一枚のスラグ制御プレート8には、二箇所
の通過口が設けられている。図1(b)はスラグ制御プ
レート8だけを上から見た図であるが、片方の通過口に
は多孔質体10が埋め込まれており、スラグ制御プレー
ト8の移動によって溶鋼を円空間通路11と多孔質体1
0通路の内何れかを通過させることができる。取鍋の残
溶鋼が多い場合には、スラグ制御プレート8の円空間通
路11に溶鋼を通過させ、注入の末期には、スラグ制御
プレート8を移動させて多孔質体10に溶鋼を通過させ
て注入を行う。注入末期には、溶鋼表面に浮かんだ取鍋
スラグが渦流によってノズル内に侵入するが、多孔質体
10によってスラグのタンディッシュへの侵入が抑制さ
れて溶鋼だけが優先的に多孔質体10を通過するため、
タンディッシュへのスラグ汚染を抑制した上で歩留り良
く溶鋼を注入することができる。
部プレート6と下部プレート9の間に二枚の可動式中間
プレートがある。一枚は流量制御プレート7であり、開
度を調整することによってタンディッシュへの流量調整
を行う。もう一枚のスラグ制御プレート8には、二箇所
の通過口が設けられている。図1(b)はスラグ制御プ
レート8だけを上から見た図であるが、片方の通過口に
は多孔質体10が埋め込まれており、スラグ制御プレー
ト8の移動によって溶鋼を円空間通路11と多孔質体1
0通路の内何れかを通過させることができる。取鍋の残
溶鋼が多い場合には、スラグ制御プレート8の円空間通
路11に溶鋼を通過させ、注入の末期には、スラグ制御
プレート8を移動させて多孔質体10に溶鋼を通過させ
て注入を行う。注入末期には、溶鋼表面に浮かんだ取鍋
スラグが渦流によってノズル内に侵入するが、多孔質体
10によってスラグのタンディッシュへの侵入が抑制さ
れて溶鋼だけが優先的に多孔質体10を通過するため、
タンディッシュへのスラグ汚染を抑制した上で歩留り良
く溶鋼を注入することができる。
【0013】多孔質体内に溶鋼を通過させ続けると、鋼
中の微小介在物が付着し続けて長時間の連続使用後には
詰まりが発生するが、本発明では、多孔質体10に溶鋼
を通過させる時間は取鍋スラグがノズルに侵入する可能
性がある注入末期だけに限定することができるため、安
定的な操業が実現できる。
中の微小介在物が付着し続けて長時間の連続使用後には
詰まりが発生するが、本発明では、多孔質体10に溶鋼
を通過させる時間は取鍋スラグがノズルに侵入する可能
性がある注入末期だけに限定することができるため、安
定的な操業が実現できる。
【0014】多孔質体10の組成は、高温の溶融金属を
用いる場合には高融点のセラミックス質が望ましく、ア
ルミナやジルコニア、ムライト、チタン酸化物などの酸
化物や、SiCやサイアロン、BNなどの非酸化物、ま
たそれらの複合材料などが適している。
用いる場合には高融点のセラミックス質が望ましく、ア
ルミナやジルコニア、ムライト、チタン酸化物などの酸
化物や、SiCやサイアロン、BNなどの非酸化物、ま
たそれらの複合材料などが適している。
【0015】発明者らの調査の結果、多孔質体10の空
孔率を70〜90%にすると溶融金属の通過圧損が少な
く、かつ、スラグ流出防止効果が大きいことが明らかに
なっている。本発明を鋼の連続鋳造に実施する場合に
は、多孔質体10によるスラグ制御は、二次精錬工程ま
でに溶製された取鍋溶鋼の重量がタンディッシュへの注
入によって初期の20%以下になった領域において行う
ことが効率的である。これは、100〜350t規模の
各種製鋼工場における実態調査の結果、取鍋からのスラ
グ流出のほとんどが初期溶鋼量の20%以下になってか
ら開始することが明らかになったためである。ノズル内
への多孔質体10の挿入は、スラグセンサー4によって
ノズル内へのスラグ流入開始を判断した直後に速やかに
操作することで、多孔質体10による圧損抵抗が影響す
る時間を短縮できると共に、多孔質体10の劣化を最小
限にすることができ、使用回数の延長などを図ることが
できる。
孔率を70〜90%にすると溶融金属の通過圧損が少な
く、かつ、スラグ流出防止効果が大きいことが明らかに
なっている。本発明を鋼の連続鋳造に実施する場合に
は、多孔質体10によるスラグ制御は、二次精錬工程ま
でに溶製された取鍋溶鋼の重量がタンディッシュへの注
入によって初期の20%以下になった領域において行う
ことが効率的である。これは、100〜350t規模の
各種製鋼工場における実態調査の結果、取鍋からのスラ
グ流出のほとんどが初期溶鋼量の20%以下になってか
ら開始することが明らかになったためである。ノズル内
への多孔質体10の挿入は、スラグセンサー4によって
ノズル内へのスラグ流入開始を判断した直後に速やかに
操作することで、多孔質体10による圧損抵抗が影響す
る時間を短縮できると共に、多孔質体10の劣化を最小
限にすることができ、使用回数の延長などを図ることが
できる。
【0016】
【実施例】本発明のパイロット規模の実施試験を行っ
た。
た。
【0017】小型の取鍋に、電気炉で溶解した8tの溶
鋼と200kgのスラグを装入した後、耐火物で内張り
をした鋳型内に溶鋼を放流し、ノズル周囲に配置したス
ラグセンサーの信号によってスラグ流出開始を検知した
時点でスライディングノズルのスラグ制御プレートを油
圧で移動させて多孔質体を溶鋼通路に挿入した。その
後、ノズルからの溶鋼流出が少なくなった時点を目視で
判断して流量制御プレートを移動させ放流を停止した。
鋳型内の鋼が冷却した後に、表面に浮かんだスラグを回
収すると共に、取鍋内に残留した鋼重量を測定した。試
験に用いた多孔質体は、チタン酸アルミニウムとムライ
トを主成分とし、空孔の平均径が3mm程度のものであ
った。
鋼と200kgのスラグを装入した後、耐火物で内張り
をした鋳型内に溶鋼を放流し、ノズル周囲に配置したス
ラグセンサーの信号によってスラグ流出開始を検知した
時点でスライディングノズルのスラグ制御プレートを油
圧で移動させて多孔質体を溶鋼通路に挿入した。その
後、ノズルからの溶鋼流出が少なくなった時点を目視で
判断して流量制御プレートを移動させ放流を停止した。
鋳型内の鋼が冷却した後に、表面に浮かんだスラグを回
収すると共に、取鍋内に残留した鋼重量を測定した。試
験に用いた多孔質体は、チタン酸アルミニウムとムライ
トを主成分とし、空孔の平均径が3mm程度のものであ
った。
【0018】図2には、多孔質体の空孔率を変更して行
った実験において、取鍋内に残存した溶鋼量(○印、縦
軸左目盛)と、鋳型内に流出したスラグ量(●印、縦軸
右目盛)を示す。この内、空孔率100%のデータはス
ラグ制御プレート内の多孔質体通路に多孔質体の埋め込
みを行っていない水準であり、本発明の範囲外である。
った実験において、取鍋内に残存した溶鋼量(○印、縦
軸左目盛)と、鋳型内に流出したスラグ量(●印、縦軸
右目盛)を示す。この内、空孔率100%のデータはス
ラグ制御プレート内の多孔質体通路に多孔質体の埋め込
みを行っていない水準であり、本発明の範囲外である。
【0019】実験の結果、多孔質体を取り付けた空孔率
90%以下の全ての範囲において流出スラグ量を40k
g以下に低減できており、本発明による取鍋からのスラ
グ流出抑制効果が確認できた。また、取鍋内の残湯量は
空孔率の低下と共に上昇した。これは、空孔率を小さく
するとノズル内の溶鋼通過抵抗が大きくなるためであ
り、実生産に適用する場合にはスラグ流出による溶鋼汚
染が小さく、歩留りの観点からも注入終了時の取鍋内の
残溶鋼を低減できる空孔率70〜90%の範囲が望まし
い。
90%以下の全ての範囲において流出スラグ量を40k
g以下に低減できており、本発明による取鍋からのスラ
グ流出抑制効果が確認できた。また、取鍋内の残湯量は
空孔率の低下と共に上昇した。これは、空孔率を小さく
するとノズル内の溶鋼通過抵抗が大きくなるためであ
り、実生産に適用する場合にはスラグ流出による溶鋼汚
染が小さく、歩留りの観点からも注入終了時の取鍋内の
残溶鋼を低減できる空孔率70〜90%の範囲が望まし
い。
【0020】また、放流開始初期から多孔質体をノズル
に挿入した実験水準においては、多孔質体への介在物付
着が起因と考えられる放流中の溶鋼流出速度の低下や、
長時間使用による多孔質体の破損が発生し、安定的な放
流を行うことができなかった。
に挿入した実験水準においては、多孔質体への介在物付
着が起因と考えられる放流中の溶鋼流出速度の低下や、
長時間使用による多孔質体の破損が発生し、安定的な放
流を行うことができなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明によって溶融金属の移し変えに伴
うスラグ流出を大幅に低減できるので、溶融金属の製造
工程におけるスラグ起因の品質低下を回避することがで
き、効率的な製造が可能になる。
うスラグ流出を大幅に低減できるので、溶融金属の製造
工程におけるスラグ起因の品質低下を回避することがで
き、効率的な製造が可能になる。
【図1】本発明の実施態様を示す図であり、(a)は側
面図、(b)は平面図である。
面図、(b)は平面図である。
【図2】実施例における多孔質体の空孔率に対する取鍋
内残溶鋼量と鋳型への流出スラグ量を示す図である。
内残溶鋼量と鋳型への流出スラグ量を示す図である。
1 炉底耐火物 2 上部羽口煉瓦 3 鉄皮 4 スラグセンサー 5 下部羽口 6 上部プレート 7 流量制御プレート 8 スラグ制御プレート 9 下部プレート 10 多孔質体 11 円空間通路
Claims (3)
- 【請求項1】 容器から別の容器に溶融金属を注入する
際に用いる注入ノズルにおいて、注入ノズル内の溶融金
属流路の少なくとも一箇所に、溶融金属の流動方向軸と
異なる角度の移動方向軸を有し、かつ溶融金属流に接触
する面の少なくとも一箇所に多孔質体を有する移動構造
体を配設したことを特徴とする溶融金属用の注入ノズ
ル。 - 【請求項2】 底部の注入孔の下側に浸漬注入ノズルを
配設した第1容器から別の第2容器に溶融金属を注入し
ながら連続鋳造を行う際に、第1容器の注入孔と浸漬注
入ノズルとの間に介在させて溶融金属注入量を調整する
ためのスライディングノズルにおいて、スライディング
ノズルのプレートのうち少なくとも一つに設けた注入孔
に、空孔率が70〜90%である耐火物製多孔質体を配
設したことを特徴とする溶融金属用の注入ノズル。 - 【請求項3】 底部の注入孔の下側に浸漬注入ノズルを
配設した第1容器から別の第2容器に溶鋼を注入しなが
ら連続鋳造を行う際に、第1容器の注入孔と浸漬注入ノ
ズルとの間に介在させて溶鋼注入量を調整するためのス
ライディングノズルを請求項1または2記載の注入ノズ
ルとし、連続鋳造の進行に伴って第1容器内の残留溶鋼
重量が初期充填重量の20%以下になった操業期間のう
ち少なくとも一回、多孔質体を有する移動構造体または
耐火物製多孔質体を注入ノズル内に移動させて多孔質体
を溶鋼流に接触させることを特徴とする注入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8300896A JPH09248660A (ja) | 1996-03-13 | 1996-03-13 | 溶融金属用の注入ノズルおよび注入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8300896A JPH09248660A (ja) | 1996-03-13 | 1996-03-13 | 溶融金属用の注入ノズルおよび注入方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09248660A true JPH09248660A (ja) | 1997-09-22 |
Family
ID=13790231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8300896A Withdrawn JPH09248660A (ja) | 1996-03-13 | 1996-03-13 | 溶融金属用の注入ノズルおよび注入方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09248660A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105598430A (zh) * | 2016-01-29 | 2016-05-25 | 苏州大学 | 防止冶金浇注产生旋涡卷渣的方法及用于该方法的装置 |
JP2017159356A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 日立金属株式会社 | 銅系材料の製造方法及び銅系材料製造装置 |
-
1996
- 1996-03-13 JP JP8300896A patent/JPH09248660A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105598430A (zh) * | 2016-01-29 | 2016-05-25 | 苏州大学 | 防止冶金浇注产生旋涡卷渣的方法及用于该方法的装置 |
JP2017159356A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 日立金属株式会社 | 銅系材料の製造方法及び銅系材料製造装置 |
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