JP4490672B2 - 配管類固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、主として床暖房配管や電気配線用配管を、床下面または壁裏面等に配設された鉄筋に簡単に固定出来る簡素な構造を有する配管類固定具に関するものである。
従来、床暖房配管や電気配線用配管等を床下面等に配設された鉄筋に固定する手段としては、所望の経路に従って配管を鉄筋上に配設した後、配管及び鉄筋の両方を拘束するように結束線や針金等を巻回して固定していた。
床暖房等の配管は、全長数十メートルあるいは数百メートルにも及ぶ小径の配管を床下面に所望の経路にそって蛇行させながら配設する。平行して配設された配管部分間の距離は床面での温度斑を防ぐため所望の間隔を保持しなければならず、コンクリート等の打設が完了し、コンクリートが凝固するまで、配管全体としての配置が所望の配置からずれるようなことがあってはならない。配管を敷設する床下面全体にわたり配管を確実に固定するには、この固定間隔は数十センチメートル程度となり、配管の全長と比較すると極めて短距離にする必要がある。従って固定箇所の総数は数百カ所以上になることもある。
また、(特許文献1)には、レール部材に係止されて配管を固定するものとして「配管を抱く嵌合部とレール部材に対する係止用の脚部と脚部と反対側に形成された座部とを備えた金具本体と、座部に設けた通孔に挿通されたねじと、ねじに螺通される締め付け部材とを備えた配管類固定具」が開示されている。
実開平5−27478号公報
しかしながら上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)従来の結束線や針金等による結束固定は、極めて作業性が悪く、固定箇所が多数に渡ると多大な工数と時間がかかるという課題を有していた。特に、針金等の金属線による結束の場合は、作業時に配管の表面に傷が付いたり、経時変化により錆が発生したりして、耐久性や信頼性に欠け、見栄えも悪いという課題を有していた。
(2)(特許文献1)の配管類固定具は、固定のためにレール部材を必要とするので施工性、汎用性に欠け、固定具自体の構造が複雑であるために設計及び製作に工数と時間がかかり生産性に欠け、固定具自体の価格が高価になると共に、固定作業が煩雑で作業性に欠けるという課題を有していた。
本発明は、上記課題を解決するもので、主として床暖房配管や電気配線用配管を床下面等に配設された鉄筋に簡単かつ確実に固定出来る簡素な構造を有し施工性、信頼性に優れ、該配管の施工と配管類固定具の設計製作にかかる工数と時間を低減できて生産性に優れ、鉄筋径と配管径の多数の組み合わせに対応可能で該配管を任意の向きで固定できる汎用性に優れる配管類固定具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の配管類固定具は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の配管類固定具は、床下面や壁裏面等の平面に配設された鉄筋に床暖房や電気配線用等の配管を固定するための配管類固定具であって、略円弧状で前記鉄筋に係止される鉄筋嵌合部と前記鉄筋嵌合部の上部に形成された平面状の当接上面部とを有する鉄筋固定部材と、平面状に形成された当接底面部と前記当接底面部の上部に形成された略円弧状で前記配管に係止される配管嵌合部とを有する配管固定部材と、前記鉄筋固定部材の前記当接上面部に穿設され下端側外周にザグリ部が形成された円筒嵌合側貫通孔と、前記配管固定部材の前記当接底面部に穿設され上端側外周にザグリ部が形成された配管嵌合側貫通孔と、前記鉄筋固定部材の前記円筒嵌合側貫通孔及び前記配管固定部材の前記配管嵌合側貫通孔に挿通固定され前記鉄筋固定部材の前記当接上面部と前記配管固定部材の前記当接底面部を当接させて回動自在に遊嵌するリベット又はハトメ又はボルトとナットを用いた嵌着機構と、(a)前記鉄筋嵌合部の下部に対向して配設又は延設された前記鉄筋嵌合部より幅狭の鉄筋案内用板ばね部と、前記鉄筋案内用板ばね部に配設又は延設された鉄筋案内部と、前記鉄筋案内部の先端から延設され鉄筋の下面若しくは側面に当接する補助支持部又は(b)前記配管嵌合部の上部に対向して配設又は延設された配管案内用板ばね部と、前記配管案内用板ばね部に配設又は延設された配管案内部と、前記配管案内部の先端から延設され前記配管の上面若しくは側面に当接する補助押圧部の少なくともいずれか一方と、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)鉄筋嵌合部を有する鉄筋固定部材と配管嵌合部を有する配管固定部材が別部材で形成され、鉄筋固定部材の当接上面部と配管固定部材の当接底面部を当接させて回動自在に遊嵌する嵌着機構を有することにより、鉄筋に鉄筋固定部材が固定されていても、配管固定部材は回動出来るので、配管固定部材に嵌合されている配管を任意の方向に向けて固定することが出来、現場での施工性が向上する。
(2)嵌着機構により鉄筋固定部材と配管固定部材とを着脱自在にすることで、内径の異なる鉄筋嵌合部を有する複数の鉄筋固定部材と内径の異なる配管嵌合部を有する複数の配管固定部材を自由に組合わせて嵌着出来るので、異なる外径の複数の鉄筋及び異なる外径の複数の配管から構成される施工対象にも柔軟に対応出来る。
(3)円筒嵌合側貫通孔及び配管嵌合側貫通孔に挿通固定され鉄筋固定部材と配管固定部材を回動自在に遊嵌する嵌着機構としてリベットやボルトとナットを用いて固定することができる。
(4)鉄筋固定部材が鉄筋案内用板ばね部を有している場合、鉄筋に鉄筋嵌合部を嵌合する際に、鉄筋案内用板ばね部が弾性変形して鉄筋嵌合部の開口部を大きく開くことが出来て、より容易に鉄筋嵌合部を鉄筋に嵌合し、係止することが出来る。
(5)鉄筋に鉄筋嵌合部を嵌合する際に、鉄筋案内用板ばね部により鉄筋嵌合部は大きく開くが、嵌合後に鉄筋案内用板ばね部の弾性力により元の形状に復元するので、鉄筋嵌合部により確実に鉄筋を保持することができ、鉄筋嵌合部をより強固に鉄筋に固定することが出来る。
(6)鉄筋固定部材の下部に対向配置された鉄筋案内用板ばね部に配設又は延設された鉄筋案内部を有することで、鉄筋の両側を鉄筋案内部により案内することができるので、鉄筋の上部に鉄筋案内部を当接させて押圧するだけで容易に鉄筋嵌合部に鉄筋を嵌合させることができる。
(7)鉄筋案内部が、鉄筋の下面若しくは側面に当接する補助支持部を備えていることで、偶力により鉄筋をより確実に鉄筋嵌合部に固定することができ、鉄筋の復元力に抗して鉄筋嵌合部の回転を防止できると共に、配管作業時等の振動や外力により固定が外れることを防止することができる。
(8)配管固定部材が配管案内用板ばね部を有している場合、配管を配管嵌合部に嵌合する際に、配管案内用板ばね部が弾性変形して配管嵌合部の開口部を大きく開くことが出来て、より容易に配管を配管嵌合部に嵌合し、係止することが出来る。
(9)配管嵌合部に配管を嵌合する際に、配管案内用板ばね部により配管嵌合部は大きく開くが、嵌合後に配管案内用板ばね部の弾性力により元の形状に復元するので、配管嵌合部により確実に配管を保持することができ、配管をより強固に配管嵌合部に固定することが出来る。
(10)配管固定部材の上部に対向配置された配管案内用板ばね部に配設又は延設された配管案内部を有することで、配管の両側を配管案内部により案内することができるので、配管案内部の上部に配管を当接させて押圧するだけで容易に配管嵌合部に配管を嵌合させることができる。
(11)配管案内部が、配管の上面若しくは側面に当接する補助押圧部を備えていることで、偶力により配管をより確実に配管嵌合部に固定することができ、配管の復元力に抗して配管が配管嵌合部から外れることを防止することができる。
(12)鉄筋案内部を鉄筋案内用板ばね部と同様に薄肉で幅を狭く形成することで、鉄筋案内用板ばね部と共に弾性変形して鉄筋を鉄筋嵌合部に案内できる。
(13)円筒嵌合側貫通孔及び配管嵌合側貫通孔の外周にそれぞれザグリ部が形成されていることで、リベット等の嵌着機構の頭部等が鉄筋嵌合部に嵌合される鉄筋や配管嵌合部に嵌合される配管に干渉せず、確実に安定して鉄筋と配管を固定することができる。
ここで、鉄筋固定部材及び配管固定部材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、硬質ゴム、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製や軟鋼等の金属製のものが好適に用いられる。合成樹脂製のものは加工性、低コスト性、耐腐食性、見栄えの点で優れ、経時変化が少なく、作業時に配管を傷つける可能性も少ないので信頼性に優れる。金属製のものは機械的強度が高く、耐久性や信頼性に優れ、特にステンレス鋼等は耐腐蝕性を有するので好ましい。
また、鉄筋固定部材及び配管固定部材は、配管の復元力に抗して確実に配管を固定するために必要な剛性を有する必要がある。鉄筋固定部材及び配管固定部材は、各嵌合部が略円弧状に形成され、それぞれ鉄筋及び配管を確実に嵌合し、係止出来る構造を有するものであればよい。例えば、配管固定部材の配管嵌合部への配管の嵌入方向は、配管嵌合部の開口位置によって変えることができ、上方や側方等にすることが出来る。尚、配管嵌合部の縁や内周に面取りを施した場合、配管を傷つけ難く信頼性に優れる。また、鉄筋嵌合部及び配管嵌合部の開口部の端部に外方に向かって拡開したテーパ状や略円弧状等の案内部を形成した場合、鉄筋や配管の着脱を容易に行なうことができる。
床下面や壁裏面等に格子状に配設される鉄筋には、主に外径6mm〜20mmの数種類の鉄筋が使用されるので、それらの外径に合わせて鉄筋嵌合部の内径を形成する。また、床暖房配管では主に外径13mm〜27mm、電気配線用配管では主に外径19mm〜50mmの範囲で数種類の樹脂製配管が使用されるので、それらの外径に合わせて配管嵌合部の内径を形成する。これらの内径が異なる鉄筋固定部材と配管固定部材を予め用意することにより、現場で自由に組み合わせて使用することができ、汎用性、施工性に優れる。
鉄筋固定部材及び配管固定部材の幅は5mm〜25mmに形成される。鉄筋固定部材及び配管固定部材の幅が5mmより狭くなるにつれ、鉄筋固定部材の鉄筋への固定力及び配管固定部材の配管の保持力が低下し、振動や外部からの衝撃等により鉄筋固定部材が回転したり、鉄筋から外れたり、或いは配管が配管固定部材から外れ易くなる傾向があり、幅が25mmより広くなるにつれ配管固定部材が鉄筋固定部材に対して回動し難くなって施工性が低下する傾向があり、いずれも好ましくない。尚、鉄筋固定部材及び配管固定部材の鉄筋嵌合部や配管嵌合部の幅をそれ以外の部分よりも狭く形成するか、鉄筋嵌合部や配管嵌合部の根元部分の幅のみをそれ以外の部分よりも狭く形成するようにしてもよい。これにより、各嵌合部弾性変形し易く、鉄筋や配管の着脱が容易で施工性に優れる。
鉄筋固定部材と配管固定部材の嵌着機構は、鉄筋固定部材の当接上面部と配管固定部材の当接底面部を当接させて回動自在に遊嵌出来るものであれば、任意の構造を有する機構でよい。例えば、鉄筋固定部材の鉄筋嵌合部上部及び配管固定部材の配管嵌合部底部に貫通孔を設け、ハトメ又はネジとナットで嵌着する機構としてもよいし、鉄筋固定部材の鉄筋嵌合部上部又は配管固定部材の配管嵌合部底部のどちらか一方に貫通孔を設け、他方に円筒状で先端が傘状に開いた嵌合ピンを設けて、嵌合ピンを貫通孔に嵌入する機構とし、着脱可能とすることも出来る。
また、配管を固定する固定点の間隔は、直線部では施工する配管の外径、材質等に合わせて、400mm〜800mmで配設することが好ましく、曲線部では200mm〜400mmとすることが好ましい。直線部の固定間隔が400mmより狭くなるにつれ、配管類固定具の数が不必要に増加し、施工性が低下し易くなる傾向があり、800mmより広くなるにつれ、配管の復元力に抗して確実に配管を固定することができずに配管のねじれや浮き等が生じ易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。曲線部の固定間隔が200mmより狭くなるにつれ、配管類固定具の数が不必要に増加し、施工性が低下して固定具同士が干渉し易くなる傾向があり、400mmより広くなるにつれ、配管の復元力に抗して確実に配管を固定することができず所望の経路に沿って配置することが困難になると共に、配管のねじれや浮き等が生じ易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
ここで、鉄筋案内用板ばね部の幅は5mm〜10mmに形成することが好ましい。鉄筋案内用板ばね部の幅が5mmより狭くなるにつれ、鉄筋案内用板ばね部の強度が低下して破損し易く、鉄筋を保持する力が低下し易くなる傾向があり、10mmより広くなるにつれ、鉄筋案内用板ばね部が弾性変形し難くなって作業性が低下する傾向があるので、いずれも好ましくない。
鉄筋案内部の形状は外方に向けて徐々に広がるテーパ形状や円弧状等に形成される。鉄筋案内部を薄肉にした場合や鉄筋案内部を鉄筋案内用板ばね部と一体に形成した場合は、鉄筋案内部も弾性変形して鉄筋嵌合部へ鉄筋を案内し易く、施工性に優れる。
ここで、補助支持部の形状をテーパ状や鉄筋の外径に合わせた円弧状に形成した場合、鉄筋の下面や側面に確実に当接させることができ配管類固定具の設置安定性に優れる。これにより、特に配管類固定具を床下面の鉄筋に固定して床暖房配管を固定する場合、配管類固定具を床下面に対して傾斜させて固定することができるので、配管から床面までの距離を確保して十分な厚さのコンクリートを打設することができ、信頼性に優れる。
鉄筋固定部材の当接上面部に穿設された円筒嵌合側貫通孔を有し、嵌着機構が、配管固定部材の当接底面部に一体に形成され鉄筋固定部材の円筒嵌合側貫通孔に嵌入されている構成を有している場合、嵌着機構が配管固定部材と一体に形成されていることにより、部品点数を低減することができ生産性に優れると共に、現場での鉄筋固定部材と配管固定部材の嵌着時の作業性を向上させることができる。
ここで、配管案内用板ばね部の幅は10mm〜20mmに形成することが好ましい。配管案内用板ばね部の幅が10mmより狭くなるにつれ、配管案内用板ばね部の強度が低下して破損し易く、配管を保持する力が低下し易くなる傾向があり、20mmより広くなるにつれ、配管案内用板ばね部が弾性変形し難くなって作業性が低下する傾向があるので、いずれも好ましくない。
配管案内部の形状は外方に向けて徐々に広がるテーパ形状や円弧状等に形成される。配管案内部を薄肉にした場合や配管案内部を配管案内用板ばね部と一体に形成した場合は、配管案内部も弾性変形して配管嵌合部へ配管を案内し易く、施工性に優れる。
ここで、補助押圧部の形状をテーパ状や配管の外径に合わせた円弧状に形成した場合、配管の上面や側面を確実に押圧することができ配管の保持安定性に優れる。
本発明の請求項2に記載の配管類固定具は、請求項1に記載の配管類固定具であって、前記鉄筋嵌合部及び/又は前記配管嵌合部の開口部両端に形成された嵌合案内部を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)鉄筋嵌合部の開口部両端に形成された嵌合案内部を有することで、嵌合案内部を鉄筋に当接させ、押圧することにより、容易に鉄筋嵌合部を鉄筋に嵌合し、係止出来る。
(2)配管嵌合部の開口部両端に形成された嵌合案内部を有することで、嵌合案内部に配管を当接させ、押圧することにより、容易に配管を配管嵌合部に嵌合し、係止出来る。
ここで、嵌合案内部は鉄筋嵌合部や配管嵌合部の開口部両端を外方に向けて徐々に広がるテーパ状や円弧状等に面取りするか、開口部両端からテーパ部や円弧部を延設するなどして形成される。尚、開口部両端から延設された嵌合案内部を薄肉にした場合は、嵌合案内部が弾性変形して鉄筋嵌合部や配管嵌合部へ鉄筋や配管を案内し易く、施工性に優れる。
鉄筋固定部材が、内径が異なる複数の鉄筋嵌合部を備えている構成を有している場合、鉄筋固定部材が内径の異なる複数の鉄筋嵌合部を有することにより、1種類の配管類固定具によって、鉄筋固定部材の鉄筋嵌合部を異なる外径を有する複数の鉄筋のいずれかに嵌合し、係止することが出来る。
ここで、鉄筋嵌合部は内径の異なる複数の鉄筋嵌合部を鉄筋固定部材の底部に一列状や任意の角度で交差するように形成するか、あるいは、下方が大径、上方が小径となるように2種類の内径の鉄筋嵌合部を縦に並べて断面がダルマ状になるように形成することができる。
配管固定部材が、内径が異なる複数の配管嵌合部を備えている構成を有している場合、配管固定部材が内径の異なる複数の配管嵌合部を有することにより、1種類の配管類固定具によって、配管固定部材の配管嵌合部に異なる外径を有する複数の配管のいずれかを嵌合し、係止することが出来る。
ここで、配管嵌合部は内径の異なる複数の配管嵌合部を配管固定部材の底部に一列状や任意の角度で交差するように形成するか、あるいは、下方が小径、上方が大径となるように2種類の内径の配管嵌合部を縦に並べて断面が逆ダルマ状になるように形成することができる。
以上のように、本発明の配管類固定具によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)鉄筋固定部材と配管固定部材の各当接部を回動自在に遊嵌する嵌着機構を有することにより、鉄筋に鉄筋固定部材が固定されていても、配管固定部材を回動させることが出来るので、配管固定部材に嵌合されている配管を任意の方向に向けて固定することが出来て現場での施工性に優れ、固定点において鉄筋と配管がどのような角度をなしていても、特別な固定具を新たに準備する必要がなく、1種類の配管類固定具だけで対処することができ、複数の配管類固定具の準備及び選択に関わる作業の繁雑さを軽減することが出来る汎用性に優れた配管類固定具を提供することができる。
(2)嵌着機構により鉄筋固定部材と配管固定部材とを着脱自在にすることで、内径の異なる鉄筋嵌合部を有する複数の鉄筋固定部材及び内径の異なる鉄筋嵌合部を有する複数の鉄筋固定部材を自由に組合わせて使用することが出来るので、異なる外径の複数の配管及び異なる外径の複数の鉄筋から構成される施工現場にも柔軟に対応することができる施工性、汎用性に優れた配管類固定具を提供することができる。
(3)上記の相乗効果により、配管施工にかかる工数と時間を低減することができ、費用を削減することが出来る。
(4)円筒嵌合側貫通孔及び配管嵌合側貫通孔に挿通固定され鉄筋固定部材と配管固定部材を回動自在に遊嵌する嵌着機構としてリベットやボルトとナットを用いて固定することができる。
(5)鉄筋に鉄筋嵌合部を嵌合する際に、鉄筋固定部材の鉄筋案内用板ばね部が弾性変形して鉄筋嵌合部の開口部を大きく開くことが出来、鉄筋案内部により鉄筋を案内して容易に鉄筋を鉄筋嵌合部に嵌合し、係止することが出来るので、高度な技能や熟練を要さずに短時間で配管類固定具を鉄筋に固定することが出来ると共に、嵌合後は鉄筋案内用板ばね部の弾性力によって鉄筋嵌合部が元の形状に復元することで、確実に鉄筋を保持して強固に固定することが出来る信頼性の高い固定作業が可能となる。
(6)鉄筋に当接する補助支持部によって鉄筋嵌合部をより確実に鉄筋に固定することができ、配管の復元力に抗して鉄筋嵌合部の回転を防止でき配管固定の確実性と信頼性に優れると共に、配管作業時等の振動や外力により固定が外れることを防止することができ、現場での作業性を向上させることができる。
(7)配管を配管嵌合部に嵌合する際に、配管固定部材の配管案内用板ばね部が弾性変形して配管嵌合部の開口部を大きく開くことが出来、配管案内部により配管を案内してより容易に配管を配管嵌合部に嵌合し、係止することが出来ると共に、嵌合後に配管案内用板ばね部の弾性力により配管嵌合部が元の形状に復元することにより、確実に配管を保持して強固に固定することが出来る信頼性の高い固定作業が可能となる。
(8)配管に当接する補助押圧部によって、配管をより確実に配管嵌合部に固定することができ、配管の復元力に抗して配管が配管嵌合部から外れることを防止することができ、配管固定の確実性と信頼性に優れる。
(9)鉄筋案内部を鉄筋案内用板ばね部と同様に薄肉で幅を狭く形成することで、鉄筋案内用板ばね部と共に弾性変形して鉄筋を鉄筋嵌合部に案内できる。
(10)円筒嵌合側貫通孔及び配管嵌合側貫通孔の外周にそれぞれザグリ部が形成されていることで、リベット等の嵌着機構の頭部等が鉄筋嵌合部に嵌合される鉄筋や配管嵌合部に嵌合される配管に干渉せず、確実に安定して鉄筋と配管を固定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)鉄筋嵌合部や配管嵌合部の開口部両端に形成された嵌合案内部に鉄筋や配管を当接させて押圧するだけで鉄筋や配管を鉄筋嵌合部や配管嵌合部に案内することができ、容易に鉄筋嵌合部や配管嵌合部に嵌合させて短時間で鉄筋と配管の固定を行なうことができる施工性に優れた配管類固定具を提供することができる。
以下、本発明の参考例及び実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。
参考例1
図1(a)は本発明の参考例1における配管類固定具を示す全体斜視図であり、図1(b)は本発明の参考例1における配管類固定具を示す側面図である。
図1中、1は配管類固定具、2は配管類固定具1の下部鉄筋固定部、2aは下部鉄筋固定部2に下部が開口した略円弧状に形成され床下面や壁裏面等の平面に配設された鉄筋35に嵌合される鉄筋嵌合部、2bは下部鉄筋固定部2の両側に対向して形成され弾性変形により鉄筋嵌合部2aの開口部を拡開させる鉄筋案内用板ばね部、2cは鉄筋案内用板ばね部2bに延設してテーパ状に形成され鉄筋35を鉄筋嵌合部2aへ案内する鉄筋案内部、2dは鉄筋案内部2cに延設して直線状又は円弧状に形成され鉄筋35の底面や側面に当接する補助支持部、3は配管類固定具1の上部配管固定部、3aは上部配管固定部3に略円弧状に形成され側部の開口部3bから床暖房や電気配線用等の配管40が嵌合される配管嵌合部、3cは配管嵌合部3aの開口部3bの両端から外方に向かって拡開した円弧状の嵌合案内部である。
配管類固定具1は鉄筋嵌合部2aと配管嵌合部3aの軸芯が平行になるようポリプロピレン、ポリエチレン、硬質ゴム、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で一体に成型した。鉄筋嵌合部2aと配管嵌合部3aの軸芯を平行にすることで、鉄筋35に沿って配管40を確実に固定することができる。
鉄筋嵌合部2a及び配管嵌合部3aがそれぞれ形成される下部鉄筋固定部2及び上部配管固定部3の幅は5mm〜25mmに形成した。下部鉄筋固定部2及び上部配管固定部3の幅が5mmより狭くなるにつれ、鉄筋嵌合部2aの鉄筋35への固定力及び配管嵌合部3aの配管40の保持力が低下し、振動や外部からの衝撃等により配管類固定具1が鉄筋35に対して回転したり、鉄筋35から外れたり、或いは配管40が配管嵌合部3aから外れ易くなる傾向があり、幅が25mmより広くなるにつれ、配管嵌合部3aの開口部3bが開き難く、配管40との着脱が困難になると共に、生産性や取り扱い性が低下する傾向があることがわかった。
略円弧状に形成された鉄筋嵌合部2a及び配管嵌合部3aの円弧部の内径は、それぞれ6mm〜20mm、及び13mm〜50mmに形成した。鉄筋嵌合部2aの円弧部の内径を6mm〜20mmに形成することで、床下面や壁裏面等に格子状に配設される一般的な鉄筋の外径に嵌合させることができ、配管嵌合部3aの円弧部の内径を13mm〜50mmに形成することで、一般的な床暖房配管や電気配線用配管の外径に嵌合させることができる。
鉄筋案内用板ばね部2bの幅は5mm〜10mmに形成した。鉄筋案内用板ばね部2bの幅が5mmより狭くなるにつれ、鉄筋案内用板ばね部2bの強度が低下して破損し易く、鉄筋35を保持する力が低下し易くなる傾向があり、10mmより広くなるにつれ、鉄筋案内用板ばね部2bが弾性変形し難くなって作業性が低下する傾向があることがわかった。
鉄筋案内部2cを鉄筋案内用板ばね部2bと同様に薄肉で幅を狭く形成することで、鉄筋案内用板ばね部2bと共に弾性変形して鉄筋35を鉄筋嵌合部2aに案内できる。
補助支持部2dを鉄筋35の外径に合わせて円弧状に形成することで、鉄筋35を鉄筋嵌合部2aに嵌合させた際に、鉄筋35の下部側面を押圧して鉄筋35の上面を鉄筋嵌合部2aの上面に押し付け支持することができる。補助支持部2dを形成しない場合は、鉄筋案内部2cの頂部で鉄筋35の下部側面を押圧して支持することができる。
配管嵌合部3aに開口部3bの両端から外方に向かって拡開した円弧状の嵌合案内部3cを形成することで、開口部3bから配管嵌合部3aへ配管40を案内して配管40の着脱を容易にすることができる。
図2(a)は参考例1の変形例を示す全体斜視図であり、図2(b)は参考例1の変形例を示す側面図である。尚、図1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図2の変形例が参考例1の配管類固定具と異なるのは、配管類固定具11の鉄筋嵌合部2aと配管嵌合部3aの軸芯が直交するように形成されている点と、配管嵌合部3aの開口部3bが上部に形成されている点である。
鉄筋嵌合部2aと配管嵌合部3aの軸芯を直交させることで、鉄筋35の長手方向に対して直交するように配管40を固定できる。
次に、鉄筋嵌合部2aにおける鉄筋35の嵌合状態について図面を用いて説明する。図3は鉄筋嵌合部の嵌合状態を示す説明図である。
鉄筋嵌合部2aを鉄筋35に嵌合させる際には、鉄筋案内部2cを鉄筋35の上面に当接させて下方に押し込むことで、仮想線で示したように鉄筋案内用板ばね部2b及び鉄筋案内部2cを外方(矢印a方向)に向かって弾性変形させ、鉄筋嵌合部2aへ鉄筋35を嵌合させる。その後、鉄筋案内用板ばね部2b及び鉄筋案内部2cは復元力により元の位置(矢印b方向)に復帰し、補助支持部2dにより鉄筋35の底面や側面を支持する。補助支持部2dを形成しない場合は、鉄筋案内部2cの端部で鉄筋35の下部側面を支持する。
以上のように参考例1における配管類固定具は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)下部が開口し鉄筋35に嵌合される略円弧状の鉄筋嵌合部2aと、上部又は側部等が開口し配管が嵌合される略円弧状の配管嵌合部3と、を有するので、嵌合するだけで鉄筋35に容易に配管40を固定することができる。また、鉄筋嵌合部2aの軸心と配管嵌合部3aの軸心が平行又は直交して形成されているので、配管40を鉄筋35に対して平行又は直交させて配設することができ、配管40の自在性に優れる。
(2)鉄筋嵌合部2aの下部が開口して形成されているので、鉄筋35の上方から鉄筋嵌合部2aを押圧して容易に鉄筋35の外周に鉄筋嵌合部2aを嵌合させて確実に固定することができる。
(3)配管嵌合部3aの上部又は側部等が開口して形成され、開口部3bの両端から外方に向かって拡開した円弧状の嵌合案内部3cを有しているので、配管嵌合部3aの上部又は側部から容易に配管40を着脱することができ、配管嵌合部3aで配管40の側部や上部を確実に保持して固定することができる。
(4)下部鉄筋固定部2が外方に向かって拡開した鉄筋案内部2cを有しているので、鉄筋案内部2cを鉄筋35に当接させ、押圧することにより、容易に鉄筋嵌合部2aを鉄筋35に嵌合し、係止することが出来る。
(5)下部鉄筋固定部2が鉄筋案内用板ばね部2bを有しているので、鉄筋35に鉄筋嵌合部2aを嵌合する際に、鉄筋案内用板ばね部2bが弾性変形して鉄筋嵌合部2aの開口部を大きく開くことが出来て、より容易に鉄筋嵌合部2aを鉄筋35に嵌合し、係止することが出来る。
(6)鉄筋35に鉄筋嵌合部2aを嵌合する際に、鉄筋案内用板ばね部2bにより鉄筋嵌合部2aは大きく開くが、嵌合後に鉄筋案内用板ばね部2bの弾性力により元の形状に復元するので、鉄筋嵌合部2aにより確実に鉄筋35を保持することができ、鉄筋嵌合部2aをより強固に鉄筋35に固定することが出来る。
(7)鉄筋嵌合部2aが、鉄筋35を支持する補助支持部2dを備えていることで、偶力により鉄筋嵌合部2aをより確実に鉄筋35に固定することができ、配管40の復元力に抗して鉄筋嵌合部2aの回転を防止できると共に、配管作業時等の振動や外力により固定が外れることを防止することができる。
(実施の形態1)
実施の形態1における配管類固定具について、以下、図面を用いて説明する。尚、参考例1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図4は本発明の実施の形態1における配管類固定具を示す全体斜視図である。
図4において実施の形態1における配管類固定具21が参考例1と異なるのは、鉄筋嵌合部2a及び配管嵌合部3aがそれぞれ別部材である鉄筋固定部材12及び配管固定部材13に形成され鉄筋固定部材12の当接上面部12aと配管固定部材13の当接底面部13aで当接されて嵌着機構15により回動自在に遊嵌されている点と、鉄筋固定部材12の鉄筋嵌合部2aの外周部に肉抜き部2eが形成されている点である。
鉄筋固定部材12の鉄筋嵌合部2aの外周部に肉抜き部2eを形成することで、鉄筋固定部材12の軽量化を図っている。
次に、嵌着機構15について図面を用いて説明する。図5(a)は嵌着機構の詳細を示す要部断面側面図であり、図5(b)は嵌着機構の参考変形例を示す要部断面側面図である。
図5(a)中、12bは鉄筋固定部材12の当接上面部12aに穿設された円筒嵌合側貫通孔、12cは円筒嵌合側貫通孔12bの外周に形成されたザグリ部、13bは配管固定部材13の当接底面部13aに穿設された配管嵌合側貫通孔、13cは配管嵌合側貫通孔13bの外周に形成されたザグリ部、15aは円筒嵌合側貫通孔12b及び配管嵌合側貫通孔13bに挿通固定され鉄筋固定部材12と配管固定部材13を回動自在に遊嵌する嵌着機構としてのリベットである。尚、リベット15aの代わりにボルトとナットを用いて固定してもよい。円筒嵌合側貫通孔12b及び配管嵌合側貫通孔13bの外周にそれぞれザグリ部12c、13cが形成されていることで、リベット15aの頭部が鉄筋嵌合部2aに嵌合される鉄筋35や配管嵌合部3に嵌合される配管40に干渉せず、確実に固定することができる。
図5(b)の参考変形例が実施の形態1の嵌着機構と異なるのは、配管嵌合部3aの当接底面部13aに配管固定部材13と一体に形成された先割れの嵌合ピン13dが鉄筋固定部材12の円筒嵌合側貫通孔12bに嵌入されている点である。嵌着機構15としての嵌合ピン13dが配管固定部材13と一体に形成されていることにより、部品点数を低減することができ生産性に優れる。また、嵌合ピン13dが先割れ形状に形成されていることで、容易に円筒嵌合側貫通孔12bに嵌入することができ、現場での組み立て、施工性に優れる。
次に、実施の形態1における配管類固定具の使用方法について図面を用いて説明する。
図6は実施の形態1における配管類固定具の使用状態を示す模式図である。
36は床下面等に格子状に配設された鉄筋35によって形成されたメッシュ筋であり、鉄筋35に対し床暖房用等の配管40を配管類固定具21を用いて固定している。配管類固定具21の鉄筋固定部材12と配管固定部材13が回動自在に形成されていることで、配管40の要所を鉄筋35に対して任意の角度で固定することができる。尚、鉄筋35と配管40が平行又は直交して配置される箇所においては、実施の形態1で示した配管類固定具1又は配管類固定具11を使用することができる。
以上のように実施の形態1における配管類固定具は構成されているので、参考例1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)鉄筋嵌合部2aを有する鉄筋固定部材12と配管嵌合部3aを有する配管固定部材13が別部材で形成され、各部材の当接部を回動自在に遊嵌する嵌着機構15を有することにより、メッシュ筋36の鉄筋35に鉄筋固定部材12が固定されていても、配管固定部材13を回動させることができ、配管固定部材13に嵌合されている配管40を任意の方向に向けて固定することが出来るので、特に曲線状に配置された配管40を確実に固定することができ設計の自由度を向上させることができると共に、現場での施工性、汎用性に優れる。
(2)嵌着機構15により鉄筋固定部材12と配管固定部材13とを着脱自在にすることで、内径の異なる鉄筋嵌合部2aを有する複数の鉄筋固定部材12と内径の異なる鉄筋嵌合部3aを有する複数の鉄筋固定部材13を自由に組み合わせて嵌着することが出来るので、異なる外径を有する複数の配管40を異なる外径を有する複数の鉄筋35から構成されるメッシュ筋36に対しても固定することができ柔軟性に優れる。
(3)円筒嵌合側貫通孔12b及び配管嵌合側貫通孔13bの外周にそれぞれザグリ部12c、13cが形成されていることで、リベット15aや嵌合ピン13d等の嵌着機構15の頭部等が鉄筋嵌合部2aに嵌合される鉄筋35や配管嵌合部3に嵌合される配管40に干渉せず、確実に安定して鉄筋35と配管40を固定することができる。
(4)嵌着機構15として嵌合ピン13dが配管固定部材13と一体に形成されている場合、部品点数を低減することができ生産性に優れると共に、現場での鉄筋固定部材12と配管固定部材13の嵌着時の作業性を向上させることができる。
参考例2
参考例2における配管類固定具について、以下、図面を用いて説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図7(a)は本発明の参考例2における配管類固定具の鉄筋固定部材を示す背面側の全体斜視図であり、図7(b)は本発明の参考例2における配管類固定具の配管固定部材を示す全体斜視図である。
図7(a)において参考例2における配管類固定具の鉄筋固定部材が実施の形態1と異なるのは、鉄筋固定部材22の底部に内径の異なる2つの鉄筋嵌合部22a、22bが直交して形成され、鉄筋嵌合部22a、22bのそれぞれの開口部の両端に外方に向かって拡開したテーパ状の嵌合案内部22cが形成されている点である。
図7(b)において参考例2における配管類固定具の配管固定部材が実施の形態1と異なるのは、配管固定部材23の上部に内径の異なる2つの配管嵌合部23a、23bが直交して形成され、配管嵌合部23a、23bのそれぞれの開口部の両端に外方に向かって拡開したテーパ状の嵌合案内部23cが形成されている点である。
尚、参考例2における配管類固定具の鉄筋固定部材22は、実施の形態1における配管類固定具21の配管固定部材13や参考例2における配管類固定具の配管固定部材23と組合せて使用することができる。また、参考例2における配管類固定具の配管固定部材23は実施の形態1における配管類固定具21の鉄筋固定部材12と組合せて使用することができる。
参考例2では、内径の異なる2つの鉄筋嵌合部22a、22b及び配管嵌合部23a、23bはそれぞれ直交しているが、平行に設けることや任意の角度で交差して設けることもできる。また、内径が異なる2つの鉄筋嵌合部22a、22bを使用時に下方が大径の鉄筋嵌合部22a、上方が小径の鉄筋嵌合部22bとなるように縦に並べて断面がダルマ状になるように形成してもよい。配管嵌合部23a、23bの場合は、下方が小径の配管嵌合部23b、上方が大径の配管嵌合部23aとなるように縦に並べて断面が逆ダルマ状になるようにして形成することができる。
参考例2では、内径の異なる鉄筋嵌合部及び配管嵌合部は2つであるが、さらに内径の異なる多数の鉄筋嵌合部を形成することも出来る。
鉄筋固定部材22及び配管固定部材23をポリプロピレン等の合成樹脂あるいは硬質ゴム等の容易に弾性変形可能な材質で製作し、嵌合時に鉄筋嵌合部22a又は22b及び配管嵌合部23a又は23bに鉄筋35及び配管40を係合して押圧することにより、鉄筋嵌合部22a又は22b及び配管嵌合部23a又は23bが鉄筋35及び配管40を嵌合可能な開度に一時的に開き、鉄筋35及び配管40が嵌合された後、弾性力によって元の形状に復帰し、鉄筋35及び配管40を係止する。
以上のように参考例2における配管類固定具は構成されているので、実施の形態1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)鉄筋固定部材22が内径の異なる複数の鉄筋嵌合部22a、22bを有することにより、1種類の配管類固定具によって、鉄筋固定部材22の鉄筋嵌合部22a、22bを異なる外径を有する複数の鉄筋35のいずれかに嵌合し、係止することが出来るので汎用性に優れる。
(2)配管固定部材23が内径の異なる複数の配管嵌合部23a、23bを有することにより、1種類の配管類固定具によって、配管固定部材23の配管嵌合部23a、23bに異なる外径を有する複数の配管40のいずれかを嵌合し、係止することが出来るので汎用性に優れる。
(3)鉄筋嵌合部22a、22b及び配管嵌合部23a、23bがそれぞれ嵌合案内部22c、23cを有することで、鉄筋嵌合部22a、22b及び配管嵌合部23a、23bに鉄筋35及び配管40を案内することができ、容易に嵌合させることができるので、現場での作業性を向上させることができる。
参考例3
参考例3における配管類固定具について、以下、図面を用いて説明する。尚、参考例1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図8は本発明の参考例3における配管類固定具を示す全体斜視図である。
図8において参考例3における配管類固定具が参考例1と異なるのは、配管類固定具31の上部配管固定部3の両側に弾性変形により配管嵌合部33aの開口部を拡開させる配管案内用板ばね部33bが形成されている点と、配管案内用板ばね部33bに延設して配管40を配管嵌合部33aへ案内するテーパ状の配管案内部33cが形成されている点と、配管案内部33cに延設して配管40の上面や側面に当接する直線状や円弧状の補助押圧部33dが形成されている点である。
尚、配管嵌合部33aの中央に山部を形成し、二本の配管40が嵌合できるようにしてもよい。
以上のように参考例3における配管類固定具は構成されているので、参考例1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)上部配管固定部3が外方に向かって拡開した配管案内部33cを有しているので、配管案内部33cに配管を当接させ、押圧することにより、容易に配管を配管嵌合部33aに嵌合し、係止することが出来る。
(2)上部配管固定部3が配管案内用板ばね部33bを有しているので、配管を配管嵌合部33aに嵌合する際に、配管案内用板ばね部33bが弾性変形して配管嵌合部33aの開口部を大きく開くことが出来て、より容易に配管を配管嵌合部33aに嵌合し、係止することが出来る。
(3)配管嵌合部33aに配管を嵌合する際に、配管案内用板ばね部33bにより配管嵌合部は大きく開くが、嵌合後に配管案内用板ばね部33bの弾性力により元の形状に復元するので、配管嵌合部33aにより確実に配管を保持することができ、配管をより強固に配管嵌合部33aに固定することが出来る。
(4)上部配管固定部3が、配管に当接する補助押圧部33dを備えていることで、偶力によって配管をより確実に配管嵌合部33aに固定することができ、配管の復元力に抗して配管が配管嵌合部33aから外れることを防止することができる。
(5)下部鉄筋固定部2と上部配管固定部3が同様の形状を有することで、鉄筋や配管の径に応じて上下を入れ替えて使用することができ汎用性に優れる。
本発明は、主として床暖房配管又は電気配線用配管等の配管を、床裏面等に配設された鉄筋に簡単に固定することが出来る簡素な構造を有する配管類固定具に関するものであり、特に、配管の施工と配管類固定具の設計製作にかかる工数を低減することが出来ると共に、鉄筋径と配管径の多数の組み合わせに対応可能とすることが出来る。
(a)本発明の参考例1における配管類固定具を示す全体斜視図 (b)本発明の参考例1における配管類固定具を示す側面図 (a)参考例1の変形例を示す全体斜視図 (b)参考例1の変形例を示す側面図 鉄筋嵌合部の嵌合状態を示す説明図 本発明の実施の形態1における配管類固定具を示す全体斜視図 (a)嵌着機構の詳細を示す要部断面側面図 (b)嵌着機構の参考変形例を示す要部断面側面図 実施の形態1における配管類固定具の使用状態を示す模式図 (a)本発明の参考例2における配管類固定具の鉄筋固定部材を示す背面側の全体斜視図 (b)本発明の参考例2における配管類固定具の配管固定部材を示す全体斜視図 本発明の参考例3における配管類固定具を示す全体斜視図
1、11、21、31 配管類固定具
2 下部鉄筋固定部
2a、22a、22b 鉄筋嵌合部
2b 鉄筋案内用板ばね部
2c 鉄筋案内部
2d 補助支持部
2e 肉抜き部
3 上部配管固定部
3a、23a、23b、33a 配管嵌合部
3b 開口部
3c、22c、23c 嵌合案内部
12、22 鉄筋固定部材
12a 当接上面部
12b 円筒嵌合側貫通孔
12c ザグリ部
13、23 配管固定部材
13a 当接底面部
13b 配管嵌合側貫通孔
13c ザグリ部
13d 嵌合ピン
15 嵌着機構
15a リベット
33b 配管案内用板ばね部
33c 配管案内部
33d 補助押圧部
35 鉄筋
36 メッシュ筋
40 配管

Claims (2)

  1. 床下面や壁裏面等の平面に配設された鉄筋に床暖房や電気配線用等の配管を固定するための配管類固定具であって、略円弧状で前記鉄筋に係止される鉄筋嵌合部と前記鉄筋嵌合部の上部に形成された平面状の当接上面部とを有する鉄筋固定部材と、平面状に形成された当接底面部と前記当接底面部の上部に形成された略円弧状で前記配管に係止される配管嵌合部とを有する配管固定部材と、前記鉄筋固定部材の前記当接上面部に穿設され下端側外周にザグリ部が形成された円筒嵌合側貫通孔と、前記配管固定部材の前記当接底面部に穿設され上端側外周にザグリ部が形成された配管嵌合側貫通孔と、前記鉄筋固定部材の前記円筒嵌合側貫通孔及び前記配管固定部材の前記配管嵌合側貫通孔に挿通固定され前記鉄筋固定部材の前記当接上面部と前記配管固定部材の前記当接底面部を当接させて回動自在に遊嵌するリベット又はハトメ又はボルトとナットを用いた嵌着機構と、(a)前記鉄筋嵌合部の下部に対向して配設又は延設された前記鉄筋嵌合部より幅狭の鉄筋案内用板ばね部と、前記鉄筋案内用板ばね部に配設又は延設された鉄筋案内部と、前記鉄筋案内部の先端から延設され鉄筋の下面若しくは側面に当接する補助支持部又は(b)前記配管嵌合部の上部に対向して配設又は延設された配管案内用板ばね部と、前記配管案内用板ばね部に配設又は延設された配管案内部と、前記配管案内部の先端から延設され前記配管の上面若しくは側面に当接する補助押圧部の少なくともいずれか一方と、を備えていることを特徴とする配管類固定具。
  2. 前記鉄筋嵌合部及び/又は前記配管嵌合部の開口部両端に形成された嵌合案内部を有することを特徴とする請求項1に記載の配管類固定具。
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