JP4489401B2 - 簡易便器の肘掛け構造 - Google Patents
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Description
そして、従来、簡易便器としては、使用中に使用者が肘を掛けて安楽な姿勢がとれるように、また、便器に腰掛けたり立上がったりするときに体を支えるために、便器本体の上面両側に肘掛けを取り付けた構成が一般に提供されている(特許文献1および特許文献2参照)。
更に、脚力の弱い人にとっては、肘掛けに肘をかけるよりも肘掛けを手で握るほうが安定に体を支えることが出来るが、該肘掛けが上記のような高さに固定されていると、使用者の体型によっては、肘掛けを手で握ることが困難な場合があるという問題があった。
または、簡易便器(1) の便器本体(2) の上面両側に着脱可能に取付けられている上下二段の肘掛け(3) であって、該便器本体(2) の上面両側には上部支柱(11)と下部支柱(12)とからなる支柱(10)が前後一対立設されており、該上部支柱(11)間には上段肘掛け(8) が差渡され、該下部支柱(12)間には下段肘掛け(9,37)が差渡されており、該上部支柱(11)の根端部は該下部支柱(12)の上端部に上下摺動可能にそれぞれ嵌着されており、該上部支柱(11)には複数個の係止孔(14)が縦列され、該下部支柱(12)の上端部の内周からは突出方向にバネ付勢された係止ピン(38,38) が出没可能に設けられており、該係止ピン(38,38)にはリンク杆(42)を介して上下摺動部材(40)が接続されており、該上下摺動部材(40)の傾斜面(48)と当接する傾斜面(52)を有するスライド把手(44)を前後に摺動させることによって、該上下摺動部材(40)を上下に摺動させて該係止ピン(38)を出没させることで該係止ピン(38,38)を該係止孔(14)のいずれかに係合させることによって、上段肘掛け(8)の高さ調節が可能とされている簡易便器の肘掛け構造を提供するものである。
更に、該上段肘掛け(8) の高さは該便器本体(2) 上面から18cm〜30cmの高さに設定され、該下段肘掛け(9,37)の高さは該便器本体(2) 上面から8cm〜12cmの高さに設定されていることが望ましい。
また、上段肘掛け(8) が高さ調節可能とされているため、使用者の体型に応じて該上段肘掛け(8) の高さを調節することが出来、肘掛け(3) の使い勝手が更に良好になる。
図1に示すように、簡易便器(1) は、合成樹脂製の便器本体(2) と、該便器本体(2) の上面両側に着脱可能に取付けられている合成樹脂製の上下二段の肘掛け(3) と、該便器本体(2) の両側後部に立設されているコの字状の背もたれ(4) と、該便器本体(2) の上面に載置されている便座(5) と、該便器本体(2) の後縁部に枢着されている折畳み可能な上蓋(6) と、該便器本体(2) の前後左右に取付けられている高さ調節可能な脚部(7) とからなる。
本実施例では、下段肘掛け(9) の高さは便器本体(2) の上面から10cmの高さに設定されている。
一方、便器本体(2) の上面両側には、該肘掛け基台(13)を取付けるための基台取付部(18)が設けられており、該基台取付部(18)には該肘掛け基台(13)の支持筒(15)を嵌着するための支持筒取付孔(19)が前後一対凹設されており、また、該肘掛け基台(13)の支持ブロック(16)を嵌着するための支持ブロック取付孔(20)が凹設されている。更に、該基台取付部(18)には、該肘掛け基台(13)のロック部材(17)のロックキーが挿着されるキー溝(21)が設けられている。
本実施例では、後側の下部支柱(12)の後部に係止突起(22)が立設されており、背もたれ(4) の対応する位置に係止凹部(23)が設けられているので、該下部支柱(12)の係止突起(22)を該背もたれ(4) の係止凹部(23)に係合させることによって、該便器本体(2) に取付けた肘掛け(3) が左右にがたつくのを防止することが出来る。
本実施例では、該上部支柱(11)の5個の係止孔(14)のいずれか一つを選択して該係止ピン(24)を係合させることにより、上段肘掛け(8) の高さを5段階に調節することが出来る。
この場合、上記のように上段肘掛け(8) が高さ調節可能とされているため、使用者は着座した姿勢のままで下段肘掛け(9) の押下げ把手(30)を押し下げることによって、使用者の体型に応じて、該上段肘掛け(8) の高さを腕に力が入りやすい高さに容易に調節することが出来る。更に、上段肘掛け(8) の高さが該便器本体(2) 上面から18cm〜30cmの高さに設定されていれば、該上段肘掛け(8) に肘を掛けて安楽な姿勢をとるのに最適である。特に、該上段肘掛け(8) の高さを該便器本体(2) 上面から30cmの高さに設定すると、使用者は該上段肘掛け(8) を握ることによって上体を安定に保持することが出来、排泄をする際に最適な姿勢をとることが出来る。
この場合、該下段肘掛け(9) の高さが便器本体(2) 上面から8cm〜12cmの高さに設定されていれば、使用者が該下段肘掛け(9) を手で握ったときの肘の曲がり角度が20°〜40°となり、肘を伸ばすときに非常に腕に力を入れやすくなる。特に、該下段肘掛け(9) の高さが便器本体(2) 上面から10cmの高さに設定されていれば、使用者が該下段肘掛け(9) を手で握ったときの肘の曲がり角度が約30°となり、肘を伸ばすときに最も腕に力を入れやすくなる。
また更に、上記のような身障者が簡易便器(1) に移乗する場合には、下段肘掛け(9) を手で握って体を着座位置まで引き寄せることが出来るので、簡易便器(1) への移乗が非常に容易となる。
本実施例では、図7および図8に示すように、下段肘掛け(37)の内部には、一端部に係止ピン(38)が設けられ他端部にリンク枢着部(39)が設けられている一対の摺動ピン部材(41)と、該摺動ピン部材(41)のリンク枢着部(39)に一端部が枢着されている一対のリンク杆(42)と、該一対のリンク杆(42)の他端部がそれぞれ枢着される前後一対のリンク枢着切欠部(43)を有する上下摺動部材(40)が取付けられており、また、下段肘掛け(37)の上面には、前後に(図8における左右に)摺動可能なスライド把手(44)が取付けられている。
この場合、摺動ピン部材(41)は前後摺動ガイド孔(46)によってガイドされ、前後方向にのみ摺動するように動きが規制されているため、摺動ピン部材(41)の係止ピン(38)は該スプリング(51)によって突出方向にバネ付勢されていることとなる。
従って、このような上段肘掛け(8) のラッチ状態では、上段肘掛け(8) の上部支柱(11)の下方向への摺動のみが規制され、上方向への摺動は規制されないため、使用者は上段肘掛け(8) を上方向へ自由に摺動させることが出来る。
2 便器本体
3 肘掛け
8 上段肘掛け
9 下段肘掛け
10 支柱
11 上部支柱
12 下部支柱
14 係止孔
24 係止ピン
25 ワイヤ
30 押下げ把手
37 下段肘掛け
38 係止ピン
40 上下摺動部材
42 リンク杆
44 スライド把手
48 傾斜面
52 傾斜面
Claims (3)
- 簡易便器の便器本体の上面両側に着脱可能に取付けられている上下二段の肘掛けであって、
該便器本体の上面両側には上部支柱と下部支柱とからなる支柱が前後一対立設されており、
該上部支柱間には上段肘掛けが差渡され、
該下部支柱間には下段肘掛けが差渡されており、
該上部支柱の根端部は該下部支柱の上端部に上下摺動可能にそれぞれ嵌着されており、
該上部支柱には複数個の係止孔が縦列され、
該下部支柱の上端部の内周からは突出方向にバネ付勢された係止ピンが出没可能に設けられており、
該係止ピンにはワイヤを介して押下げ把手が接続されており、
該押下げ把手は該下段肘掛けの下面に取付けられ、該押下げ把手を上下に摺動させることによって、該係止ピンを出没させて該係止ピンを該係止孔のいずれかに係合させることによって、上段肘掛けの高さ調節が可能とされている
ことを特徴とする簡易便器の肘掛け構造。 - 簡易便器の便器本体の上面両側に着脱可能に取付けられている上下二段の肘掛けであって、
該便器本体の上面両側には上部支柱と下部支柱とからなる支柱が前後一対立設されており、
該上部支柱間には上段肘掛けが差渡され、
該下部支柱間には下段肘掛けが差渡されており、
該上部支柱の根端部は該下部支柱の上端部に上下摺動可能にそれぞれ嵌着されており、
該上部支柱には複数個の係止孔が縦列され、
該下部支柱の上端部の内周からは突出方向にバネ付勢された係止ピンが出没可能に設けられており、
該係止ピンにはリンク杆を介して上下摺動部材が接続されており、該上下摺動部材の傾斜面と当接する傾斜面を有するスライド把手を前後に摺動させることによって、該上下摺動部材を上下に摺動させて該係止ピンを出没させることで該係止ピンを該係止孔のいずれかに係合させることによって、上段肘掛けの高さ調節が可能とされている
ことを特徴とする簡易便器の肘掛け構造。 - 該上段肘掛けの高さは該便器本体上面から18cm〜30cmの高さに設定され、該下段肘掛けの高さは該便器本体上面から8cm〜12cmの高さに設定されている請求項1または請求項2に記載の簡易便器の肘掛け構造。
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