JP4488243B2 - トリス−オルト−メタル化有機金属錯体の製法およびoledにおける該錯体の使用 - Google Patents

トリス−オルト−メタル化有機金属錯体の製法およびoledにおける該錯体の使用 Download PDF

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Description

本発明は、トリス−オルト−メタル化イリジウム錯体の製法、本発明による方法により製造可能なIr−錯体、有機発光ダイオード(OLEDs)における発光分子としてのIr−錯体の使用、Ir−錯体含有の発光層、これらの発光層含有のOLEDおよび本発明によるOLED含有の装置に関する。
イリジウム−トリス(フェニルピリジン)−錯体(Irppy)は、三重項発光体の分野で重要な構成部材である。従来技術では、これらの分野でのIrppyの使用が多数の刊行物で記載されている。これらの化合物クラスの利点は、通常使用されている蛍光染料に対して、75%まで励起された三重項状態を発光において使用でき、その結果、いわゆる素早い項間交差(ISC)の条件のもとに100%の理論的な量子収率を生じることができるということである。
R. J. Watts et al., J. Am. Chem. Soc. 1984、106, 6647〜6653は、IrCl×3HOをフェニルピリジンと直接にシクロメタル化することによりIrppyにする初めのアプローチを記載している。しかし、所望のIrppyは、単に10%の収率でしか得られず、一方で得られたIr−錯体の大部分の割合がいわゆる二核のμ−クロロ−錯体として析出する。
R. J. Watts et al., Inorg. Chem. 1991, 30, 1685-1687は、2,4−ペンタジオンにより凝集物を分解し、引き続きさらにフェニルピリジンで(第三の)シクロメタル化をすることによる、前記のμ−クロロ−錯体から出発するIrppyの製造に関する。さらに200℃で、グリセリン中のIr(acac)(acac=アセチルアセトネート)から出発するIrppyの直接の製造が開示されている。この場合に、反応の際に複雑な副生成物スペクトルが生じ、これが通常の精製処理(結晶化、クロマトグラフィー、昇華)によって除去できず、また多額の費用をかけても僅かにしか除去できないことが欠点である。
Buergi et al.,Inorg. Chem. 1994, 33, 545-550は、AgOTf(Tf=トリフルオロアセテート)と反応させ、これによりフェニルピリジンとの更なる反応を誘発できる、μ−クロロ−錯体から出発するIrppyの製造に関する。
前記のμ−クロロ−錯体の一般式は、以下に示す通りである:
Figure 0004488243
Ir−錯体Irppyを発光する電磁スペクトルの緑色領域内の光の他に、電磁スペクトルの赤色領域の光を発光する有能な発光分子が有利である。
A.Tsuboyama et al. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 12971〜12979には、電磁スペクトルの赤色領域の光を発光するフェニルイソキノリンのIr(III)−錯体が開示されている。この製造は、フェニルイソキノリンと反応させることにより、Ir(acac)から出発して行われている。所望の錯体は、27%の収率で得られている。
Su et al. Adv. Mater. 2003, 15, 884-888は、置換Ir−フェニルイソキノリン錯体の製造に関する。これらは、何段階もの反応工程により製造され、その際、Ag(CFSO) の存在で塩素架橋したIr−ダイマーを過剰のリガンドと反応させて所望のIr−錯体にしている。
EP-A 1191612は、Ir、RhまたはPdのトリス−オルト−メタル化錯体を含有している発光ダイオードに関する。とくに、2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジンのIr−錯体が開示されている。合成は、2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジンと反応させることにより、Ir(acac)から出発して行われている。所望の錯体は、23%の収率で得られている。
WO 03/103341は、発光層中にリン光発光材料を含有しているOLEDsに関する。赤色発光材料として、フェニルイソキノリンのトリス−オルト−メタル化Ir−錯体が使用されている。Ir−錯体の製法は記載されていない。
WO 03/040256は、赤−橙または赤色の発光Ir(III)−錯体に関する。特に、ドーピングしたフェニルイソキノリンのトリス−オルト−メタル化Ir錯体が開示されている。錯体の製造は、μ−クロロ−錯体の製造により行われる。さらに、2つのフェニルイソキノリン−リガンドと1つのacac−リガンドを有するIr(III)−錯体が開示されている。
EP-A 1239526は、式MLL’(Mは、特にIrであることができ、LとL’は、種々の二座配位子であることができ、nは、場合により0であることができる)の金属錯体に関する。この錯体は、μ−クロロ−錯体の製造により、または相応のacac−錯体から出発して製造される。
Vladimir V. Grushin et al., Chem. Commun,. 2001, 1494-1495は、フッ化フェニルピリジンをリガンドとして含有したIr(III)錯体ならびにOLEDsにおけるそれらの使用に関する。Ir(III)−錯体の製造は、AgOCCFの存在でIrClとフッ化2−アリールピリジンの反応により行われる。しかし、前記Ir(III)−錯体を含有しているOLEDsのデバイスデータは、改善に値する。
WO 02/02714は、フッ化フェニルピリジン、フェニルピリミジンまたはフェニルキノリンをリガンドとして有する電界発光Ir(III)−錯体ならびに活性層に電子発光Ir(III)−錯体を含有しているエレクトロニック装置に関する。この場合に、フッ化フェニルピリジンを用いるイリジウム(III)−錯体の製造は、溶剤を用いず、Ag(OTf)の存在でフッ化フェニルピリジンとIrCl−水化物を反応させることにより行うことができる。
DE-A 10104426は、Ir(ppy)のようなトリス−オルト−メタル化オルガノ−イリジウム化合物の製法に関する。前記化合物は、Ir(ppy)がフェニルピリジンの場合には、双極性非プロトン性溶媒中でIr(acac)(acac=アセチルアセトネート)を相応の有機リガンドと反応させることにより、またはIr(ppy)がフェニルピリジンの場合には、相応の有機リガンドと反応させることにより、相応のリチウム塩にし、引き続きIr(III)−化合物、例えば、塩化イリジウム(III)と低い温度で反応させて製造できる。
本発明の課題は、簡単(1工程)であり、それにより高価な精製工程なしに高純度のIr−錯体が製造可能であるトリス−オルト−メタル化Ir−錯体の製法の提供である。
これらの課題は、Ag−、Hg−、Sb−およびAl−塩から成るグループから選択されるハロゲン捕捉剤の存在で、式(I)
Figure 0004488243
[式中、
Xは、−C =CR−、−S−、NR−、−O−、−Se−を表し;
−、R−、R−、R−、R−、R−、RおよびRは、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−20−アルキル、環式C3−20−アルキル(その際、1つ以上の隣り合わないアルキル基のCH−基は、−O−、−S−、−NR10−または−CONR11−と置換でき、アルキル基の1つ以上の水素原子はF、Cl、BrまたはCNと置換できる);4〜14個の炭素原子を有する基本骨格を有するアリールまたはヘテロアリール(その際、1つ以上の炭素原子は、−O−、−S−、−N−および−P−から選択されるヘテロ原子と置換でき、かつ該炭素原子および場合によりヘテロ原子は、R〜Rで定義したような芳香族ではない置換基と置換できる);F、Cl、BrまたはCNを表すか、
または2個の隣り合う基R、R、R、R、R、R、RおよびRは、一緒になって1つの環式基を形成し、これは更にR、R、R、R、R、R、RおよびRで挙げた基と置換することができ、その際、環式基の2個の隣り合う基は、更に1つの環式基を形成することができる;
、R10およびR11は、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−20−アルキル、環式C3−20−アルキルを表し、前記基はR〜Rで定義したように置換できる、またはR〜Rで定義したようなアリールまたはヘテロアリールである。]
の化合物を、式(II)
Figure 0004488243
[式中、記号R、R、R、R、R、RおよびXは、前記の意味を有する。]
のリガンドと、
式IrZまたはIrZ・Lのハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイド
(式中、Zはハロゲンまたはハロゲノイドを表し、Lは有機または無機分子であり、xはLの数であり、1〜3、有利には3であり、例えば、IrZ・Lは、
Figure 0004488243
であることができる)
とを反応させることにより製造する方法により解決された。
Xは、−C =CR−または−S−(RとRは、相互に独立にH、Fまたは直鎖または分枝であることができるC1−10−アルキルである)、有利にはHまたはFを表す。RまたはRの少なくとも1つがHであり、かつもう一方の基がH、Fまたは直鎖または分枝であることができるC1−10−アルキル、有利にはHまたはFであるのが特に有利である。RとRがHであるのがとりわけ有利である。従って、Xは有利に−CH=CH−または−S−であるのが特に有利である。
、R、R、R、RおよびRは、相互に独立にH;直鎖または分枝のC1−10−アルキルを表し、その際、1つ以上の隣り合わないアルキル基のCH−基は、−O−、−NR10−と置換できる。すなわち、R〜Rは、アルコキシ基またはアミノ基を表し、かつアルキル基の1つ以上の水素原子は、F、Cl、BrまたはCNと置換することができ;5〜6個の炭素原子を有する基本骨を有するアリールまたはヘテロアリールを表し、その際、1個以上の炭素原子は、−O−、−S−、−N−から選択されるヘテロ原子と置換することができる;または
2個の隣り合う基R〜Rは、一緒になって1つの環式基を形成し、これはさらにR〜Rで挙げた基と置換することができ、有利には飽和または不飽和であり、置換または非置換であることができる5員環または6員環の基、特に有利には非置換である6員環の芳香族基;
とりわけ有利にはRとR、またはRとRは、一緒になって非置換である6員環の芳香族基を形成し、かつその他の基は、環式基を形成しない。
、R10、R11は、有利には相互に独立にH、R〜Rで定義したような直鎖または分枝のC1−10−アルキル、またはアリールまたはヘテロアリールを表す。特に有利には、R、R10、R11は、相互に独立にH、場合により置換されていることができるC1−3−アルキル、またはC−アリールを表す。とりわけ有利には、R、R10、R11は、相互に独立にH、メチル、エチルまたはフェニルを表す。
特に有利な実施態様では、
Xは、−C =CR−を表し、その際、RとRは、有利には相互に独立にH、Fまたは直鎖または分枝であることができるC1−10−アルキルを表し、特に有利にはHまたはFを表し、その際、とくに有利には少なくともRまたはRは、Hを表し、特に有利には−CH=CH−を表し、かつ
,R、R,R、R,Rは、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−10−アルキルであり、その際、1つ以上の隣り合わないアルキル基のCH−基は、−O−または−NR10−と置換できる。すなわち、R〜Rは、アルコキシ基またはアミノ基を表すことができ、かつアルキル基の1つ以上の水素原子は、F、Cl、BrまたはCNと置換できる;5または6個の炭素原子を有する基本骨格を有するアリールまたはヘテロアリールを表し、その際、1個以上の炭素原子は、−O−、−S−、−N−から選択されるヘテロ原子と置換できる;R,R、R,R、RおよびRは、それぞれHであるのが有利である。
もう1つの有利な実施態様では、
Xは、−C =CR−を表し、その際、RとRは、有利には相互に独立にH、Fまたは直鎖または分枝であることができるC1−10−アルキルを表し、特に有利にはHまたはFを表し、その際、少なくともRまたはRがHを表すのがとりわけ有利であり、特に有利には−CH=CH−を表し、かつ
,R、RおよびRは、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−10−アルキルであり、その際、1つ以上の隣り合わないアルキル基のCH−基は、−O−または−NR10−と置換できる。すなわち、R、R、RおよびRは、アルコキシ基またはアミノ基を表すことができ、かつアルキル基の1つ以上のH原子は、F、Cl、BrまたはCNと置換できる;5または6個の炭素原子を有する基本骨格を有するアリールまたはヘテロアリールを表し、その際、1個以上の炭素原子は、−O−、−S−、−N−から選択されるヘテロ原子と置換できる;R、R、RおよびRは、それぞれHであるのが有利である;かつ
とRは、一緒になって1つの環式基を形成し、これは更にR、R、RおよびRで挙げた基と置換することができ、有利には飽和または不飽和、置換または非置換であることができる5員環または6員環の基、特に有利には非置換である6員環の芳香族基を表す。
もう1つの有利な実施態様では、
Xは、−S−を表し、
、R、RおよびRは、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−10−アルキルであり、その際、1つ以上の隣り合わないアルキル基のCH−基は、−O−または−NR10−と置換できる。すなわち、R、R、RおよびRは、アルコキシ基またはアミノ基を表すことができ、かつアルキル基の1つ以上のH−原子は、F、Cl、BrまたはCNにより置換できる;5または6個の炭素原子を有する基本骨格を有するアリールまたはヘテロアリールを表し、その際、1個以上の炭素原子は、−O−、−S−、−N−から選択されるヘテロ原子により置換することができる;R、R、RおよびRは、それぞれHであるのが有利である;かつ
とRが一緒になって1つの環式基を形成し、これは更にR、R、RおよびRで挙げた基と置換でき、有利には飽和または不飽和、置換または非置換であることができる5員環または6員環の基、特に有利には非置換である6員環の芳香族基を表す。
とりわけ有利には、本発明は以下の式Ia、Ib、Ic:
Figure 0004488243
を有するIr−錯体の製法に関し、前記式は、式IIa、IIb、 IIc:
Figure 0004488243
の相応するリガンドを反応させることにより得られる。
本発明による式Iの化合物の製法は、式IIの化合物を式IrZまたはIrZ・Lのハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイド(式中、Zはハロゲン、有利にはBrまたはCl、特に有利にはClを表す、またはハロゲノイド、有利にはシアニド、シアネートまたはチオシアネートを表し、Lは、ドナー原子を含有する有機または無機分子、例えば、テトラヒドロフラン、ピリジン、テトラヒドロチオフェンまたは水である。xは、有利には1〜3である)と反応させることにより行われる。
この反応は、Ag−、Hg−、Sb−およびAl−塩から成るグループから選択されるハロゲン捕捉剤の存在で行われる。
この場合に、ハロゲン捕捉剤もしくはハロゲノイド捕捉剤とは、ハロゲン化物イオンもしくはハロゲノイドイオンと難溶性の塩を形成する化合物(一般の塩)であると解釈される。
有利なハロゲン捕捉剤は、Ag(I)塩である。適切なAg(I)塩は、例えば、AgNO、AgCO、AgSO、AgClOのような無機塩と、Ag(OAc)、Ag(OTf)のような有機塩から選択される。Ag(OTf)がとりわけ有利である。
本発明による方法は、芳香族溶剤および一般に1〜10個の炭素原子、有利には1〜6個の炭素原子を有するアルコールのような両親媒性溶剤、またはエトキシエタノールのようなアルコキシアルコール、アリールオキシアルコールを含む溶剤中で実施される。溶剤は、100℃以上、特に有利には120〜200℃の沸点を有するのが有利である。モノアリールオキシエタノール、例えば、フェノキシエタノール、モノアルコキシエタノール、モノ置換芳香族、ポリ置換芳香族、デカリン、グリセリンおよび水から成るグループから選択される溶剤を使用するのが有利である。前記の溶剤の混合物を使用することもできる。グリセリン、フェノキシエタノールおよび/または水を使用するのがとりわけ有利である。
ハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイド、式IIの化合物、ハロゲン捕捉剤の割合は、本発明による方法では一般に1:4〜20:3〜6、有利には1:6〜10:3.1〜3.5である。
本発明による方法は、一般に、140〜230℃、有利には180〜200℃、特に有利には185〜195℃の温度で実施される。反応時間は、一般に0.1〜24時間、有利には0.5〜6時間、特に有利には0.5〜2時間である。よって、本発明による方法は、従来技術の方法(例えば、DE-A 10104426: 実施例2:60時間)よりも著しく速く進行し、これにより、この方法は経済的見地から有望であり、かつ従来技術に対して決定的な利点が提供される。
溶剤の量は、一般に、溶剤1ml中に、0.01〜2.5mmol、有利には0.2〜2mmol、特に有利には0.25〜0.6mmolのハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイドが存在するように選択される。
式(I)の所望のIr−錯体は、本発明による方法では、使用したハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイドに対して、一般に少なくとも70%、有利には少なくとも80%、特に有利には少なくとも90%の収率で粗生成物として得られる。本発明の意味する範囲内で、粗生成物とは、反応後に精製処理なしに単離することができる生成物である解釈される。
本発明による方法は、先行技術のIr(acac)から出発する相応のIr−錯体の製法よりも、HOとOの存在に対して著しく少ない反応の感受性を示す。すなわち、単に保護ガスを有利には1時間〜2時間にわたり導入することにより、または少なくとも0.1バールの真空を短く当て、引き続き保護ガスを圧入することにより、凍結により費用をかけて溶剤を脱気する代わりに溶剤を使うことができる。
有利な副生成物スペクトルに基づいて、すでに簡単な精製工程により高純度の式(I)のIr−錯体は、純相の、有利には結晶の形で得られる。精製は、昇華、結晶化、クロマトグラフィーおよび/または簡単なカラム濾過により行うのが有利である。精製のための反応条件と方法工程は、当業者に公知である。カラム濾過、一般に、非プロトン性の無極性溶剤を用いて、シリカゲル上で行われる。カラム濾過用の溶剤として、塩化メチルを使用するのが有利である。
精製に引き続き、得られた高純度の式(I)のIr−錯体は、通常は当業者に公知の方法、例えば、高温、真空中にて室温で、または真空中にて温度を上げて乾燥させる。
本発明による方法を用いて、所望の高純度の式(I)のIr−錯体は、前記のような簡単な精製工程により、一般に>97%、有利には>99.5%、さらに有利には>99.9%の純度で得られる。
本発明による方法を用いて製造された高純度の式(I)のIr−錯体は、結晶の形で存在するのが有利である。
式(I)のIr−錯体の製造に通常使用されるIr(acac)から出発する製法に比べて、本発明による方法は、既に以下のような利点を有する:
− 著しく短い反応時間、
− 強壮な反応工程(O/HO、使用溶剤の脱気に対する感受性が殆ど強くない)、
− カラム濾過による簡単な精製
− 有機不純物のない著しく高い生成物の品質。
有機不純物のない著しく高い生成物の品質は、特に本発明により製造した式(I)のIr−錯体を蒸発させる際に傑出している。この蒸発の場合は完全に残留物不含であるのに対して、従来技術による相応のIr−錯体を蒸発させる際には、有機材料から成る黒色の残留物が残ったままである。
さらに、本発明による方法は多量の生成物を製造するためにも適切であり、このことは方法の工業的用途にとって重要である。
本発明の方法により製造した式IaのIr−錯体は、一般に長さ2〜10μmおよび幅1〜3μmの小板の形で生じる。一方で、フェニルピリジル−リガンドを有する通常製造される相応のIr−錯体は(Ir(acac)から出発する)、長さ1〜10μm、幅約0.2μmの針状の形で得られる(値は、TEM−試験により算出した)。
本発明のもう1つの対象は、本発明の方法により製造可能な式(I)のIr−錯体である。有利なIr−錯体は、既に挙げてある。本発明による式(I)のIr−錯体は、高純度であり、有利には結晶であり、特に有機不純物なしに得られる。従って、本発明による式(I)のIr−錯体の試料を蒸発させる際には残留物が残らない。
本発明による方法を用いることにより、式(Ia)のIr−錯体を純相の形、有利には結晶の形で得ることができる。純相の、有利には結晶の形とは、本発明の意味する範囲内で、一般に0〜5質量%、有利には0〜2質量%、特に有利には0〜0.5質量%の異相(foreign phase)を含有している結晶相の状態であると解釈される。1つの結晶相が存在するのが特に有利である。すなわち、何の異相も含有していない(0質量%)。
もう1つの実施態様では、本発明はCuKα−照射を用いる粉末回折法(XRD)により算出して以下の選択されたブラッグ反射(CuKα):2θ=10.5、11.4、12.9、15.5、16.7、17.0、18.2、19.7、21.0および21.5を有する純相の結晶の形の式(Ia):
Figure 0004488243
のIr−錯体(イリジウム−トリス(フェニルピリジン)−錯体;Irppy)に関する。前記のブラッグ反射が算出される直線状のデータは、+/−0.2゜の測定誤差が伴う。
本発明による構造データを有する一般式Irppyの化合物は、従来技術からは公知ではない。本発明による化合物は、本発明の化合物をOLEDsにおいて使用する際に相当に改善された効果が従来技術のIrppyよりも傑出している。本発明の実施例と比較例が明確に裏付けているように、本発明による式(Ia)のIr−錯体をOLEDsにおいて発光分子として使用する場合には、従来技術により製造された相応の化合物を使用する場合よりも効果が著しく高い。本発明による化合物の輝度と効果を、従来技術で挙げたデータと客観的に比較するのは難しい。それというのも、算出した効果は、モノコーザルに各々の発光体に依存するのではなく、精密なデバイス構成物、測定幾何学および測定パラメーターに著しく依存するからである。従って、本発明の実施例と比較例では、市販の化合物(H. W. Sands Corp., USA)と本発明の化合物を同一に組み立てられたデバイス(OLED)にて比較している。
以下に挙げるOLEDの構成では、発光体の層厚が50nmである場合に本発明による化合物の最大輝度は100.000cd/mである。市販材料(H. W. Sands Corp., USA)についての相応の値は、80.000 cd/mである。よって、最大輝度は従来技術のIrppy−化合物の場合よりも著しく高い(約25%)。
使用したOLEDsの構成:ITO(酸化インジウムスズ)/NPD(層厚:約40nm)/CBP-Ir ppy(約6体積%)(層厚:10〜40nm)/BCP(層厚:約6nm)/Alq (層厚:約20nm)/LiF(層厚:約2nm)/Al。
OLEDsにおける効果は、以下のパラメーターから定義することができる:
輝度(luminance)L(cd/m):
これは、光の強度と発光面から成る比である。輝度は、輝度測定装置を用いて直接に測定することができる。
発光効率(luminous efficiency)ηph(cd/A):
ηph=L/J
発光効率は、輝度と電流密度から成る比である。内部量子効率は、さらに物理的な部分プロセスに基づいて量子効率に分けることができる。この場合に、これが蛍光発光体であるのか、または例えば、ホスト材料中の燐光性三重項発光体であるのかによって区別すべきである。
本発明による式(Ia)のIr−錯体を発光体として含有しているOLEDsは、従来技術の化合物(H. W. Sands Corp., USA)を発光体として含有しているOLEDsと比べてさらに有利な特性を示す。
・電流密度10mA/cmの場合の輝度は、本発明による化合物を含有しているOLEDsは、従来技術の化合物を含有しているOLEDsよりも大きい。上記の構成物を有するOLEDsを使用する場合には、電流密度10mA/cm2、発光体層厚50nmでの輝度は、2565cd/mである。従来技術(H. W. Sands Corp., USA)から公知の材料についての相応の値は、2331cd/mである。
・本発明による化合物を含有しているOLEDsの場合には、最大の発光効率は、従来技術の化合物を含有しているOLEDsよりも大きい。上記の収率を有するOLEDsを使用する場合には、発光体層厚50nmでの最大発光効率は25〜26cd/Aである。従来技術(H. W. Sands Corp., USA)により製造された材料についての相応の値は、23〜24cd/Aである。
・輝度100cd/mの場合の発光効率は、従来技術の化合物を含有しているOLEDsよりも本発明による化合物を含有しているOLEDsで大きい。上記の構成を有するOLEDsを使用する場合は、輝度100cd/m、発光体層厚30〜40nmでは発光効率は17.8〜18.8cd/Aである。先行技術から公知(H. W. Sands Corp., USA)の相応の値は、16〜15cd/Aである。
よって、本発明による式(Ia)のIr−錯体(Irppy )は、相応する市販のIr−錯体(Irppy )よりも高い最大輝度、電流密度10mA/cmの場合の高い輝度、大きな最大発光効率、輝度100cd/mの場合の高い発光効率および輝度100cd/mの場合の高い量子収率により傑出している。
図2には、本発明の方法により製造されたIrppy のXRD粉末回折図が記載されている。これに比べて、図3には市販(H. W. Sands Corp., USA)のIrppy のXRD粉末回折図が記載されている。明白に分かるように、本発明により製造されたIrppy は、純相の形で存在しているのに対して、市販のIrppy は、複数の相の形で存在している。
本発明による化合物の前記データと比較して、溶剤不含の方法で製造され、かつ精製しなくてはならないVladimir V. Grushin et al., Chem. Commun., 2001, 1494-1495によるIr(III)−錯体は、単に3.8cd/Aの発光効率を示した。
もう1つの実施態様では、本発明はCuKα−照射を用いる粉末回折法(XRD)により算出して、特に特徴付けられた以下の選択されたブラッグ反射(CuKα):2θ=9.24、10.66、11.91、14.09、15.08、19.21、20.65、23.26、23.87、24.47を有する結晶の形の式(Ib)
Figure 0004488243
のIr−錯体(イリジウム−トリス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2イル−ピリジニン)−錯体、Ir(btp))に関する。前記のブラッグ反射が算出される直線状のデータは、+/−0.2゜の測定誤差が伴う。
本発明の構造データを有する一般式(Ib)のIr−錯体は、従来技術から公知ではない。式(Ib)の本発明による化合物は、従来技術による相応のIr−錯体と比べて、OLEDsにおいて本発明による化合物を使用する際に、本質的に改善された効果が傑出している。式(Ib)の本発明によるIr−錯体は、OLEDsにおいて発光分子として使用する際に極めて良好な効果を示す。
式(Ia)と(Ib)の本発明によるIr−錯体ならびに本発明の方法により製造可能な式(I)の更なるIr−錯体は、特に、OLEDsにおいて発光分子として使用する場合に、特に高い効果が傑出している。
従って、もう1つの対象は、本発明の式I、または本発明による方法によって製造可能なIr−錯体の、有機発光ダイオード(OLEDs)における発光分子としての使用である。
有機発光ダイオード(OLEDs)は、図1に記載されているように原則的に構成されている。
図中の番号は、次の意味を有する:
1 アノード、2 ホール輸送層、3 発光層、4 電子輸送層、5 カソード。
OLEDsでは、電圧を加えることにより発光層が活性化する。
本発明による式(I)のIr−錯体は、発光層(3)中で、有利に発光分子として使用される。しかし、本発明によるIr−錯体を電子輸送層(4)中で使用することもできる。従って、本発明のもう1つの対象は、本発明によるIr−錯体、または本発明の方法により製造可能なIr−錯体を含有している発光層である。
式(I)の本発明によるIr−錯体の他に、更なる化合物が発光層中に存在していることができる。発光分子として使用するIr−錯体の発光色を変えるために、例えば、蛍光染料を存在させることができる。さらに、希釈材料を使用できる。これらの希釈材料は、ポリマー、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)またはポリシランであることができる。しかし、希釈材料は、低分子、例えば4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)または芳香族第三アミンであることもできる。希釈材料を使用する場合には、発光層中の本発明によるIr−錯体の割合は、一般に20質量%未満、有利には3〜10質量%である。
特に効果的なOLEDsを得るために、ホール輸送層(2)のHOMO(最高被占分子軌道)をアノードの仕事関数と合わせ、かつ電子輸送層(4)のLUMO(最低空分子軌道)をカソードの仕事関数と合わせるのがよい。
本発明のもう1つの対象は、本発明による発光層を含有しているOLEDである。
OLED中の更なる層は、通常このような層で使用される任意の材料から構成することができる。
アノード(1)は、正の帯電体を提供する電極である。これらは、例えば、金属、種々の金属の混合物、金属合金、酸化金属または種々の酸化金属の混合物を含有する材料から構成することができる。二者択一的に、アノードは伝導性ポリマーであることができる。適切な金属には、元素の周期表の11、4、5および6族ならびに8〜10族の遷移金属が含まれる。アノードが導電性であるべき場合には、一般に、元素の周期系の12、13および14族の混合酸化金属、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)を使用する。同様に、アノード(1)は、Nature, 第357巻、477〜479頁(11. June 1992)に記載されているような例えばポリアニリン含有の有機材料であることもできる。形成された光を切り離すために、少なくともアノードまたはカソードのどちらかは、少なくとも部分的に透明であるべきである。
本発明によるOLEDsの層(2)の適切なホール輸送性材料は、例えば、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technologie 第4版、18巻、837〜860, 1996に開示されている。ホール輸送性分子もポリマーもホール輸送性材料として使用できる。通常使用されるホール輸送性分子は、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)−フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N’−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジフェニルアミノ)−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)(4−メチル−フェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H―カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)および銅フタロシアニンのようなポルフィリン化合物から成るグループから選択される。通常使用されるホール輸送性ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシランおよびポリアニリンから成るグループから選択される。同様に、ホール輸送性ポリマーをドーピングにより、ポリスチレンやポリカーボネートのようなポリマー中のホール輸送性分子を得ることもできる。適切なホール輸送性分子は、すでに挙げた分子である。
本発明によるOLEDsの層(4)に適切な電子輸送材料には、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(Alq)のようなオキシノイド化合物でキレート化された金属、2,9−ジメチル、4,7−ジフェニル−1、10−フェナントロリン(DDPA)または4,7−ジフェニル−1、10−フェナントロリン(DPA)のようなフェナントロリンベースの化合物、および2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)および3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなアゾ化合物が含まれる。この場合に、層(4)は、電子輸送を容易にするために使用しても、OLEDs層の境界面での励起子のクエンチを回避するために、バッファ層またはブロック層として使用することもできる。特に、層(4)は、電子の可動性を改善し、励起子のクエンチを減らす。カソード(5)は、電子または負の帯電体を導入するために使用する電極である。カソードは、アノードよりも少ない仕事関数を有する金属または非金属であることができる。カソードに適切な材料は、希土類金属、ランタニドおよびアクチノイドを含めた元素の周期表の1族のアルカリ金属、例えば、Li、Cs、2族のアルカリ土類金属、12族の金属から成るグループから選択される。さらに、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム、マグネシウムならびにこれらの組合せのような金属を使用することができる。さらに、作業電圧を減らすために、リチウム含有の有機金属化合物を、有機層とカソードの間に設置することができる。
本発明によるOLEDは、さらに当業者に公知の層を含有することができる。例えば、層(2)と発光層(3)の間に、正の電荷の輸送を容易にし、かつ/または層のバンド間隙を相互に調節する層を設置できる。二者択一的に、これらの層はさらに保護層として使用することができる。同様に、負の電荷の輸送を容易にし、かつ/または層の間のバンド間隙を相互に調節するために、発光層(3)と層(4)の間に付加的な層が存在することもできる。二者択一的に、これらの層を保護層として使用することができる。
有利な実施多様では、本発明によるOLEDは、層(1)〜(5)の他に、以下に挙げる少なくとも1つの更なる層を含有することができる:
− アノード(1)とホール輸送層(2)の間のホール注入層;
− ホール輸送層(2)と発光層(3)の間の電子ブロック層;
− 発光層(3)と電子輸送層(4)の間のホールブロック層;
− 電子輸送層(4)とカソード(5)の間の電子注入層。
各層に適切な物質は、当業者に公知である、例えば、WO 00/70655に開示されている。
本発明によるOLEDs の前記の層は、さらに2つ以上の層から構成することができる。さらにまた、層(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の幾つかまたは全てを、帯電体輸送の効率を高めるために表面処理することもできる。前記層の材料の選択は、高い効果を有するOLEDが得られるように決定するのが有利である。
本発明によるOLEDsの製造は、当業者に公知の方法により行うことができる。一般に、OLEDは、適切な基材上に個々の層を連続的に蒸着することにより製造される。適切な基材は、例えばガラスまたはポリマーフィルムである。蒸着のために、熱蒸発、化学蒸着などのような通常の技術を使用できる。二者択一的な方法では、溶液または分散液から成る有機相を適切な溶媒中で被覆することができ、その際、当業者に公知の被覆法が用いられる。
一般に、種々の層は次の厚さを有する:アノード(2)500〜5000Å、有利には1000〜2000Å;ホール輸送層(3)50〜1000Å、有利には200〜800Å、発光層(4)10〜1000Å、有利には100〜800Å、電子輸送層(5)50〜1000Å、有利には200〜800Å、カソード(6)200〜10000Å、有利には300〜5000Å。本発明によるOLED中のホールと電子の再結合領域の位置、ひいてはOLEDの発光スペクトルは、各層の相対的な厚さにより影響させることができる。このことは、電子/ホール再結合領域が発光層中にあるように電子輸送層の厚さを選択するのが有利であることを意味する。OLED中の各層の層厚の割合は、使用される材料に依存する。場合により使用する付加的な層の層厚は、当業者に公知である。
本発明による式(I)のIr−錯体を本発明によるOLEDsの発光層において発光分子として使用することにより、高効率を有するOLEDsを得ることができる。本発明によるOLEDsの効率は、さらに他の層の最適化により改善することができる。例えば、Ca、BaまたはLiFのような高効率のカソードを使用することができる。作動電圧の減少または量子効率の上昇を生じる形成された基質およびホール輸送材料も本発明によるOLEDsにおいて使用可能である。さらに、種々の層のエネルギーレベルを調節し、かつ電界発光を容易にするために、付加的な層がOLEDs中に存在することができる。
本発明によるOLEDsは、電界発光が有用である全ての装置で使用できる。適切な装置は、有利には静止および可動ディスプレーから選択される。静止ディスプレーは、例えば、コンピューター、テレビのディスプレー、プリンター、台所道具ならびに宣伝広告板、照明、案内標識板中のディスプレーである。可動ディスプレーは、例えば、携帯電話、ラップトップ、乗り物ならびにバスおよび道の行き先表示板中のディスプレーである。
さらに、本発明による式(I)のIr−錯体を他の用途で本発明によるOLEDsとして使用することも考えられる。このような他の用途の例は、酸素感受性の標識として、バイオアッセイでの蛍光標識としてならびに触媒としての本発明による式(I)のIr−錯体の使用である。
さらに、逆の構造を有するOLEDsにおいて本発明による式(I)のIr−錯体を使用できる。これらの逆 OLEDs中の式(I)のIr−錯体を発光層において使用するのが有利である。逆OLEDsの構成および通常この中で使用される材料は当業者に公知である。
以下の実施例は本発明を付加的に説明するものである。
実施例
1.Irppyの調製
1.1 Irppyの調製(K. Dedeian et al. Inorg. Chem. 1991, 30, 1685-1687)(比較試験、“acac−経路”)
Figure 0004488243
出発物質:
Ir(acac) 2.50g 5.10mmol
2−フェニルピリジン、蒸留 3.17g 20.4mmol
グリセリン 100ml
実施:
還流冷却器と二方コックを備えた4つ首フラスコ中で、凍結したグリセリン100mlにフェニルピリジン3.17gを予め装入し、アルゴンを1時間導入することにより脱気した。80℃の温度では、向流でIr(acac)を出発物質に添加した。得られた黄色の懸濁液を200℃まで加熱し、かつこの温度で18時間保持した。冷却後、懸濁液をG4−フリット75ml上に加えた。反応フラスコを母液で洗い流した。全部で200mlの脱塩水を用いて残留物を少しずつ洗った。この後に、全部で45mlのメタノールを用いて少しずつ洗った。乾燥吸引した残留物を乾燥させた。
得られた粗生成物2.20gをジクロロメタン130g中、室温で1時間撹拌した。懸濁液をG4−フリット125ml上に加えた。濾過ケーキを後洗浄した際に、これらはジクロロメタン中に溶けた。約670mlのジクロロメタンで湿らせたシリカゲルを充填しておいたG3−フリット1リットルにこの溶液を加えた。
収率:
数回のクロマトグラフィーまたはHPLCの後に、純粋なIrppy 800mgが得られた(23.8%)。
Figure 0004488243
出発物質:
IrCl・3HO 2.56g 7.26mmol
2−フェニルピリジン、蒸留 10.0g 64.5mmol
AgOTf 5.05g 22.4mmol
グリセリン(水不含) 30ml
実施:
4つ首フラスコ、還流冷却器、ガス導入管、二方コックおよび電磁撹拌機から成る反応装置を窒素で30分間排気した。フラスコをグリセリンと2−フェニルピリジンで満たした後、不均一な混合物が存在し、80℃で窒素で1時間排気した。向流で、塩化イリジウム三水和物(暗緑色の粉末)を加えた。この後に、AgOTfの添加を行った。
185℃までゆっくり加熱(調整器での目標温度)した際に、100℃で茶色の懸濁液が存在した。185℃で2時間後、加熱を止めて窒素下に撹拌しながら冷却した。
後処理:
出発物質をG3−フリット75mlを介して吸引し、残留物を水200mlで洗浄し、その後にメタノール100mlで洗浄した。次に、この残留物を塩化メチレン370ml中、室温で30分間撹拌し、カラム濾過により精製した。
得られた嵩の多い淡黄色の生成物を真空乾燥室中、55℃で一晩乾燥させた。
収率:所望の生成物3.50g(73%)が得られた。
Figure 0004488243
得られた生成物をX線粉末回折法により調べた。粉末回折図に基づき、化合物の構造を決定できた。Irppyは、粉末回折法(XRD)により算出して選択された次のブラッグ反射:2θ=10.5、11.4、12.9、15.5、16.7、17.0、18.2、19.7、21.0および21.5を有する純相の結晶の形で得られた。
図2には、本発明によるIrppyのX線粉末回折図(CuKα)が記載されている。 横軸は角度(2θ目盛り)を示し、縦軸は強さ(Lin(カウント))を示す。
図3には、市販のIrppy(H. W. Sands Corp., USA)のX線粉末回折図(CuKα)が記載されている。横軸は角度(2θ目盛り)を示し、縦軸は強さ(Lin (カウント))を示す。
X線粉末回折図を比較すると、本発明によるIrppyは純相の形で存在しているのに対して、市販のIrppyは複数の相の形で存在していることが分かる。さらに、図2では良好なS/N比であるのに対して、図3では劣悪なS/N比であることから、本発明によるIrppyが市販のIrppyよりも著しく高い純度で存在していることが明確に分かる。
2.Ir(btp)の調製
2.1イリジウムアセチルアセトネートを用いるIr(btp)の調製(比較試験、“acac−経路”)
Figure 0004488243
出発物質:
イリジウムアセチルアセトネート 0.60g 1.22mmol
2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン 1.03g 4.87mmol
グリセリン 50ml
実施:
高真空中で脱気し、60℃で撹拌したグリセリンに、1時間半アルゴンを導入した。向流のアルゴンで、イリジウムアセチルアセトネートと2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジンの供給を行った。黒ずんだ反応混合物をアルゴン雰囲気(Gummiblase)下に還流で(185℃)18時間撹拌した。出発物質を80℃で濾別した。磁石の回りに付着した黒い結晶質生成物を削り取り、フリットを介して残留物にした。フリットを介した残留物は、極めて不均一であった。黄色、白および暗褐色の小片が認識された。残留物混合物はUV光で極めて薄い赤色に光った。透明な黄色い母液はUV光で光らず、捨てた。残留物を脱塩水に引き続きメタノールで洗浄した。黄色いメタノール濾液はUV光で光らず、捨てた。最後にジクロロメタン100mlで洗浄した。
洗浄した暗褐色の残留物(UV光で光らない)を捨てた。ジクロロメタン濾液はUV光で橙赤色に光り、これを濃縮した。
目方:0.24g/収率:理論値の24%
DC(薄層クロマトグラフィー):生成物は汚れている(シリカゲル上のR=0.93、LF(展開溶液):CHCl)。
2.2銀塩法によるIr(btp)の調製(本発明による“Ag−経路”)
Figure 0004488243
出発物質:
三塩化イリジウム三水和物 0.93g 2.65mmol
2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン 5.00g 23.7mmol
トリフルオロ酢酸銀 1.85g 8.20mmol
グリセリン 35ml
実施:
100℃で撹拌したグリセリンに窒素を2時間導入した。窒素の向流で、2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジンの供給を行った。同様に窒素向流で白色懸濁液中に三塩化イリジウム三水和物を供給した。
3分後に、UV光で光らない橙色の殆ど完全な溶液が存在した。銀塩の供給は、出発物質を著しく暗くした。黒ずんだフラスコを反応混合物が還流するまで(185℃)加熱した。2時間の反応時間の終わりに、UV光で光らない赤褐色の懸濁液が存在した。出発物質を撹拌しながら100℃まで冷却した。赤褐色の固体が磁石に付着した黄色い混合物を、この温度にてG4−フリット50mlを介して分離した。なおフラスコ中にあり、かつ磁石にある生成物を精製し、乳鉢を用いて磨りつぶし、かつメタノール中で懸濁させた。赤褐色のメタノール懸濁液を同じフリット上に加え、かつ透明な流出液になるまで残留物をメタノールで洗浄した。乾燥吸引した赤褐色の残留物をジクロロメタン中で撹拌し、得られた懸濁液をG4−フリット50mlを介して分離した。
展開溶液であるジクロロメタン中、シリカゲルプレート上での赤色母液の薄層クロマトグラフィー:生成物(R=0.98)はリガンド(R=0.68)で汚れていた。
ジクロロメタン溶液を約25mlまで濃縮し、かつ吸引漏斗を介して晶出した赤色結晶を分離した。結晶をメタノール約10mlで洗浄し、母液は赤くなった。メタノール濾液は最後に透明であった。結晶をよく乾燥吸引した。
目方:1.67g/収率:理論値の79%
=0.93(シリカゲル、CHCl
Figure 0004488243
3.Ir(piq)の調製
3.1 イリジウムアセチルアセトネートを用いるIr(piq)の調製(比較試験、“acac−経路”)
Figure 0004488243
出発物質:
イリジウムアセチルアセトネート 0.60g 1.22mmol
1−フェニルイソキノリン 1.00g 4.87mmol
グリセリン 50ml
実施:
高真空中で脱気し、60℃で撹拌したグリセリンに、1時間半アルゴンを導入した。向流のアルゴンで、イリジウムアセチルアセトネートと1−フェニルキノリンの供給を行った。黒ずんだ反応混合物をアルゴン雰囲気(Gummiblase)下に還流で(185℃)21時間撹拌した。初めに存在した橙色の溶液は反応時間の終わりに暗い橙色の懸濁液であった。フリットを介して約100℃で懸濁液を濾過した後に、残留物を脱塩水で洗浄した。
目方:なし。暗褐色の残留物とそれらのジクロロメタン溶液ならびにジクロロメタンで抽出した母液は、三塩化イリジウム三水和物と銀塩の合成と比べて何の発光も示さなかった。試験を行わなかった。
3.2 銀塩法によるIr(piq)の製造(本発明による“銀−経路”)
Figure 0004488243
出発物質:
三塩化イリジウム三水和物 0.97g 2.75mmol
1−フェニルイソキノリン 5.03g 24.5mmol
トリフルオロ酢酸銀 1.92g 8.50mmol
グリセリン 40ml
実施:
100℃で撹拌したグリセリンに窒素を1時間半導入した。窒素の向流で、1−フェニルイソキノリンの供給を行った。同様に窒素向流で透明な溶液中に三塩化イリジウム三水和物とトリフルオロ酢酸銀を供給した。黒ずんだ反応混合物を窒素雰囲気(Gummiblase)下に2時間還流で(185℃)撹拌した。懸濁液を約100℃でフリットを介して濾過した後に、残留物をメタノールと脱塩水から成る混合物(1:1)160mlで洗浄し、引き続き高温のジクロロメタン中で撹拌し、フリット上に加えた。ジクロロメタン−母液の濃縮を行った。
目方:1.68g/収率:理論値の76.4%
マススペクトル(EI):804.0, 805.0, 806.0(M
4.メタル化の実施例1〜3から得られた結果のまとめ
Figure 0004488243
上記の表1の結果は、本発明による方法(“Ag−経路”)が従来技術(“acac−経路”)の方法よりも以下の点が著しく優れていることを示している;
−反応継続時間
−精製の簡単さ
−収率。
5.実施例2.2と3.2によるIr−錯体であるIr(btp)とIr(biq)に関する物理的結果
Ir−錯体であるIr(btp)とIr(biq)の吸収スペクトルと発光スペクトルをトルエン中2mg/lの濃度で測定した。発光量子収率は、空気飽和トルエン溶液中、約2mg/lの濃度で算出した。結果は次の表2にまとめてある。
Figure 0004488243
表中:LMは溶剤、
λabs maxは最大吸収波長、
λem maxは最大発光波長を表し、
QYは量子収率(量子収率は、J. W. Eastman, J. Photochem. Photobiol., 6, 55-72, 1967; J. N. Demas, G. A. Crossby, J. Phys. Chem. 75, 991-1025, 1971(Review)およびD. F. Eaton, J. Photochem. Photobiol., 2, 523-531, 1988に開示されている方法に倣って算出したもの)を表し、
CIE 1931は、Commission Internationale de L' Eclairage,の色度座標を表す。
量子収率QYは、内部量子収率であり、吸収光子の全体数に対する発光光子の数の比を表す。
表2には、一方ではトルエン(すなわち、水溶液の形)中での上記の物理的特性が挙げられ、もう一方では物質(すなわち、粉末の形)中での上記の特性が挙げられている。
図4には、本発明によるIr(btp)のX線粉末回折図(CuKα)が記載されている。横軸には角度(2θの目盛り)、縦軸には強さ(Lin(カウント))が記載されている。
6.OLEDsにおけるIrppyの使用
市販のIrppy(H. W. Sands Corp., USA)と本発明により(実施例1.2;“Ag−経路”)製造されたIrppyを次の構成を有するOLEDにおいてそれぞれ試験した:
アノード:ITO(酸化インジウムスズ)
ホール輸送層:α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル)(厚さ:約40nm)
発光層:6体積%Irppyを有するCBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル)(厚さ:約20〜50nm)
ホールブロック層:BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントリン)(厚さ:約6nm)
電子輸送層: Alq(トリス(8−ヒドロキシキノラート)アルミニウム)(厚さ:約20nm)
電子注入層:LiF(厚さ:約2nm)
カソード:Al
次の表3には、本発明による(“Ag−経路”)Irppyを使用した場合と、H. W. Sands Corp., USA(“Sands”)の市販のIrppyを使用した場合のOLEDsの性能を相互に比較してある。
Figure 0004488243
表中の段に記載されている用語は、次の通りである。
化合物:使用したIrppyもしくは使用したIrppyが製造された方法(“Sands”:比較例、実施例1.2:本発明による実施例1.2)
厚さ:発光層の厚さ(nm)
最大輝度:右隣りの段に挙げた電圧での最大輝度(cd/m
100cd/mでの発光効率:輝度100cd/mと、右隣りの段に挙げた電圧での発光効率
最大発光効率:右隣りの段に挙げた電圧での最大発光効率(cd/A)
表からは、次のことが分かる。
− 30、40および50nm厚の発光層で本発明によるIrppy(実施例1.2)を使用した際に高い最大輝度が得られた。
− 30、40nm厚の発光層で本発明によるIrppy(実施例1.2)を使用した際に輝度100cd/mで高い発光効率が得られた。
− 30、40および50nm厚の発光層で本発明によるIrppy(実施例1.2)を使用した際に電流密度10mA/cmで高い輝度が得られた。
− 30、40および50nm厚の発光層で本発明によるIrppy(実施例1.2)を使用した際に高い最大発光効率が得られた。
図1は、有機発光ダイオードの構造を示す図である。 図2は、本発明の方法により製造されたIrppy のXRD粉末回折図を示す図である。 図3は、市販(H. W. Sands Corp., USA)のIrppy のXRD粉末回折図を示す図である。 図4は、本発明によるIr(btp)のX線粉末回折図(CuKα)を示す図である。
符号の説明
1 アノード、2 ホール輸送層、3 発光層、4 電子輸送層、5 カソード

Claims (7)

  1. 式(I)
    Figure 0004488243
    [式中、
    Xは、−CR=CR−、−S−、NR−、−O−、−Se−を表し;
    −、R−、R−、R−、R−、R−、RおよびRは、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−20−アルキル、環式C3−20−アルキルを表し、その際、1つ以上の隣り合わないアルキル基のCH−基は、−O−、−S−、−NR10−または−CONR11−と置換でき、かつアルキル基の1つ以上の水素原子はCl、BrまたはCNと置換できる;
    4〜14個の炭素原子を有する基本骨格を有するアリールまたはヘテロアリールを表し、その際、1つ以上の炭素原子は、−O−、−S−、−N−および−P−から選択されるヘテロ原子と置換でき、かつ該炭素原子および場合によりヘテロ原子は、R〜Rで定義したような芳香族ではない置換基と置換できる;
    Cl、BrまたはCNを表す;
    または
    2個の隣り合う基R、R、R、R、R、R、RおよびRは、一緒になって1つの環式基を形成し、これは更にR、R、R、R、R、R、RおよびRで挙げた基と置換することができ、その際、環式基の2個の隣り合う基は、更に1つの環式基を形成することができる;
    、R10およびR11は、相互に独立にH、直鎖または分枝のC1−20−アルキル、環式C3−20−アルキルを表し、前記基は基R〜Rで定義したように置換できる、またはR〜Rで定義したようなアリールまたはヘテロアリールである]
    の化合物の製法において、Ag−、Hg−、Sb−およびAl−塩から成るグループから選択されるハロゲン捕捉剤の存在で、アルコール、アルコキシアルコールおよびアリールオキシアルコールから成るグループから選択される溶剤の存在で、式(II)
    Figure 0004488243
    [式中、記号R、R、R、R、R、RおよびXは前記の意味を有する]
    のリガンドを、式IrZまたはIrZ・L
    (式中、Zはハロゲンまたはハロゲノイドを表し、Lは有機または無機分子であり、xはLの数であり、かつ1〜3である)
    のハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイドと反応させることを特徴とする、式(I)の化合物の製法。
  2. Xが−CH=CH−または−S−を表す、請求項1に記載の方法。
  3. Xが−CH=CH−、かつ
    、R、R、R、R、Rが、それぞれ水素を表すか、または
    XがCH=CH−、かつ
    、R、RおよびRが、それぞれ水素を表し、かつ
    とRが一緒になって非置換である6員環の芳香族基を形成するか、または
    Xが−S−、かつ
    、R、R、Rが、それぞれ水素を表し、かつ
    とRが一緒になって非置換である6員環の芳香族基を形成する、請求項2に記載の方法。
  4. ハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイド、式IIのリガンド、ハロゲン捕捉剤のモル割合は、1:4〜20:3〜6である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 方法を140〜230℃の温度で実施する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 方法を溶剤中で実施し、溶剤の量は溶剤1ml中に、0.01〜2.5mmolのハロゲン化イリジウムまたはイリジウムハロゲノイドが存在するように選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 得られた式(I)の化合物を、昇華、結晶化、クロマトグラフィーまたはカラム濾過により精製する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法
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