JP4487990B2 - 設備機器の推定コスト計算システム - Google Patents
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Description
(ただし、a1,b1,c1,d1,・・・は変換係数である)
この設備機器の推定コスト計算システムでは、理想エネルギー消費量導出手段が、下記一次線形式(1)に、構成要素部品情報を代入して、理想エネルギー消費量を導出する。このため、この設備機器の推定コスト計算システムでは、演算負荷を低減しつつ遠隔監視システム等を利用して自動収集している情報などのうち初期の情報などを利用して容易に理想エネルギー消費量を導出することができる。
(ただし、a2,b2,c2,d2,・・・は重み付け係数である)
この設備機器の推定コスト計算システムでは、設備機器能力低下割合導出手段が、下記一次線形式(2)に、構成要素部品の能力低下割合情報を代入して、設備機器の能力低下割合を導出する。このため、この設備機器の推定コスト計算システムでは、演算負荷を低減しつつより精確に設備機器の能力低下割合を導出することができる。
空気調和機のコスト推定サービスでは、空気調和機(図示せず)の定期点検契約を締結している顧客に対しては定期点検時に、定期点検を申し込んでいない顧客に対しては法定点検時や故障時などに、遠隔監視サービスを申し込んでいる顧客に対しては適宜必要なとき(異常通知情報が受信されたときや故障予知情報が受信されたとき、あるいは運転データの推移から空気調和機に異常の兆候があると判断したときなど)に、現行の空気調和機を保全または修理せずに放置しておく(以下、放置処置という)のが将来コスト的に得策なのか、現行の空気調和機を保全または修理する(以下、保全等処置という)のが将来コスト的に得策なのか、それとも現行の空気調和機を廃棄し新規な省エネルギータイプの空気調和機を購入する(以下、新規購入処置という)のが将来コスト的に得策なのかが一目でわかる報告書を発行する。なお、保全等処置の場合には、応急処置的な保全もしくは修理(以下、応急保全等処置という)が将来コスト的に得策か、完全処置的な保全もしくは修理(以下、完全保全等処置という)が将来コスト的に得策かまでわかるようになっている。なお、ここで、応急保全等処置と完全保全等処置との違いについて一例を挙げる。例えば、冷媒ガス漏れが発生しているとすると、応急保全等処置では冷媒を追加充填するだけで、完全保全等処置では冷媒ガス漏れ箇所を特定して塞ぐか、または配管交換した後に冷媒を追加充填する。後者では冷媒ガス漏れ箇所を特定するというサービスに比較的長い時間がかかるため前者よりも費用がかかることになる。
空気調和機の推定コスト計算装置1は、図4に示すように、主に、本体10、入力装置31、及びディスプレイ32を備える。以下、これらの構成要素について詳述した後に空気調和機の推定コスト計算装置1の動作についても説明する。
(1)本体
本体10は、図4に示されるように、主に、中央処理部11、メインメモリ13、ハードディスク14、接続部12、IDEインターフェイス15、入力インターフェイス16、ディスプレイインターフェイス17、ネットワークコントローラ18、及びモデム19から構成されている。そして、この本体10では、中央処理部11が第1バス線21を介して、メインメモリ13が第2バス線22を介して、各種インターフェイス15〜17、ネットワークコントローラ18、及びモデム19が第3バス線23を介して接続部12に接続されている。以下、これらの構成要素について説明する。
中央処理部11は、例えば、マイクロプロセッサと呼ばれる半導体チップ等であって、主に、制御部11Aおよび演算部11Bから構成される(他に1次キャッシュメモリや2次キャッシュメモリ等を含んでいてもよい)。
メインメモリ13は、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)等の半導体チップである。
接続部12は、チップセット等の半導体チップである。
ハードディスク14には、図5に示されるように、オペレーティングシステム14a、デバイスドライバ14b、遠隔監視アプリケーション14c、および推定コスト算出アプリケーション14f等のプログラム等が格納されている。なお、このハードディスク14は、外付けタイプであってもかまわない。
IDE(Integrated Drive Electronics)インターフェイス15は、ハードディスク14を接続部12に接続する。入力インターフェイス16は、例えば、PS/2、USB、IEEE1284、RS232、あるいはIrDA(Infrared Data Association)等のインターフェイスであって、メインメモリ13にデータを入力するためのキーボード、マウス、スキャナ、あるいはOCR(Optical Character Reader)等といった入力装置31を接続する。ディスプレイインターフェイス17は、例えば、AGP(Accelerated Graphics Port)、PCI(Peripheral Component Interconnect)、あるいはRS232等のインターフェイス等であって、メインメモリ13から送信されてきたデータを文字や画像として表示するためのCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイ等といったディスプレイ32を接続する。
ネットワークコントローラ18は、ネットワークを介して接続される情報端末への情報提供の媒介を行う。
モデム19は、公衆電話回線34を介して空気調和機から送信されてくる空気調和機の運転データを受信する。なお、この運転データには、インバータ圧縮機の運転周波数データ及び電動膨張弁の入力パルスデータが含まれる。
次に、図6を用いて空気調和機の推定コスト計算装置1の動作について説明する。
入力装置30は、例えば、キーボード、マウス、スキャナ、あるいはOCR(Optical Character Reader)等の入力装置である。
ディスプレイ40は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイ等の情報表示装置である。
(1)基本情報データベース
基本情報データベース14gには、図7および図8に示されるような基本モデルテーブルTo1および構成要素部品能力ロス割合テーブルTo2が格納されている。
基本モデルテーブルTo1には、図7に示されるように、第1IDフィールドFo1、第1運転時間フィールドFo2、第1周波数フィールドFo3、および第1電動弁パルスフィールドFo4が設けられている。第1IDフィールドFo1には、1レコード毎に付される固有の数値データ(以下、第1IDデータという)Dt1が格納される。第1運転時間フィールドFo2には、空気調和機の運転時間のデータ(以下、第1運転時間データという)Dt2が格納される。第1周波数フィールドFo3には、インバータ圧縮機の周波数データ(以下、周波数データという)Dt3が格納される。第1電動弁パルスフィールドFo4には、電動膨張弁の入力パルスデータ(以下、入力パルスデータという)Dt4が格納される。なお、これらのデータは、上述したように、空気調和機の運転開始初期であって空気調和機が正常運転しているときに収集されたインバータ圧縮機の周波数および電動膨張弁の入力パルスをモデル化したものである。
構成要素部品能力ロス割合テーブルTo2には、図8に示されるように、第2IDフィールドFo11、第2運転時間フィールドFo12、第2構成要素部品劣化割合フィールドFo13が設けられている。第2IDフィールドFo11には、1レコード毎に付される固有の数値データ(以下、第2IDデータという)Dt11が格納される。第2運転時間フィールドFo12には、空気調和機の月単位の運転時間のデータ(以下、第2運転時間データという)Dt12が格納される。第2構成要素部品劣化割合フィールドFo13には、室外熱交換器や、配管、室外ファン、圧縮機、電動膨張弁、室外フィルターなどの構成要素部品の能力が劣化していく割合のデータ(以下、構成要素部品能力劣化割合データという)Dt13が格納される。なお、本実施の形態において構成要素部品能力ロス割合テーブルはTo2としては、例えば、空気調和機の運転時間と熱交換器の劣化割合とを関係付けるテーブルや、空気調和機の運転時間と圧縮機の劣化割合とを関係付けるテーブル、空気調和機の運転時間と室外ファンの劣化割合とを関係付けるテーブル、空気調和機の運転時間と配管の劣化割合とを関係付けるテーブル、空気調和機の運転時間と電動膨張弁の劣化割合とを関係付けるテーブル、空気調和機の運転時間と室外フィルターの劣化割合とを関係付けるテーブル等が用意されている。
第2加工結果データベース14hには、図9及び図10に示されるような電気代等テーブルTm1及び累積電気代等テーブルTm2が格納されている。
電気代等テーブルTm1は、基本モデルテーブルTo1及び構成要素部品能力ロス割合テーブルTo2から基本モデルテーブルレコード抽出工程、運転時間毎理想電力量算出工程、理想月間消費電力量算出工程、構成要素部品能力ロス割合テーブルレコード抽出工程、月間空気調和機能力ロス割合工程、修正月間商品電力量算出工程、月間電気代算出工程、および月間CO2排出量算出工程を経て作成される。なお、この電気代等テーブルTm1には、図9に示されるように、あらかじめ、第5IDフィールドFm1、第5運転時間フィールドFm2、第5能力ロス割合フィールドFm3、第5理想月間消費電力量フィールドFm4、第5修正月間消費電力量フィールドFm5、第5月間消費電気代フィールドFm6、及び第5月間CO2排出量フィールドFm7が設けられている。
ただし、m,nは変換係数である。
ただし、p,q,r,s,tは重み付け係数である。
なお、この修正月間消費電力量のデータ(以下、修正月間消費電力量データという)Dt45は、順次、電気代等テーブルTm1の修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入される。
累積電気代等テーブルTm2
累積電気代等テーブルTm2は、放置処置が採られる場合に電気代等テーブルTm1から累積総コスト算出工程および累積CO2排出量算出工程を経て作成され、完全保全等処置や応急保全等処置が採られる場合に電気代等テーブルTm1から保全等月間総コスト算出工程、累積総コスト算出工程、および累積CO2排出量算出工程を経て作成され、新規購入処置が採られる場合に電気代等テーブルTm1から新規購入月間総コスト算出工程、累積総コスト算出工程、および累積CO2排出量算出工程を経て作成され、保全等処置が採られた後に新規購入処置が採られるような場合には電気代等テーブルTm1から保全等後新規購入月間総コスト算出工程、累積総コスト算出工程、および累積CO2排出量算出工程を経て作成される。なお、この累積電気代等テーブルTm2には、図10に示されるように、あらかじめ、第6IDフィールドFm11、第6時期フィールドFm12、第6月間総コストフィールドFm13、第6累積総コストフィールドFm14、及び第6累積CO2排出量フィールドFm15が設けられている。
電気代等テーブルTm1及び累積電気代等テーブルTm2の出力は、推定コスト算出アプリケーション14fに用意されているマクロや推定コスト算出アプリケーション14f用に用意されている補助プログラム等を利用することによって達成することができる。
(1)
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、修正月間消費電力量算出工程において理想月間消費電力量フィールドFm4に挿入された理想月間消費電力量データDt44及び月間空気調和機能力ロス割合フィールドFm3に挿入された月間空気調和機能力ロス割合データDt43がレコード毎に計算式(3)に代入されて修正月間消費電力量が算出され修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入される。次いで、月間電気代算出工程において、修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入された修正月間消費電力量データDt45に所定の変換係数が乗じられてレコード毎に月間電気代が算出され月間電気代フィールドFm6に挿入される。このため、この空気調和機の推定コスト計算装置1では、空気調和機にかかると推定されるコストを精確に求めることができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、修正月間消費電力量算出工程において理想月間消費電力量フィールドFm4に挿入された理想月間消費電力量データDt44及び月間空気調和機能力ロス割合フィールドFm3に挿入された月間空気調和機能力ロス割合データDt43がレコード毎に計算式(3)に代入されて修正月間消費電力量が算出され修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入される。次いで、月間CO2排出量算出工程において修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入された修正月間消費電力量データDt45に0.378の係数が乗じられてレコード毎に月間CO2排出量が算出され月間CO2排出量フィールドFm7に挿入される。このため、この空気調和機の推定コスト計算装置1では、空気調和機から排出されると推定される二酸化炭素量を精確に求めることができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、保全等月間総コスト算出工程において、「1」の第5ID番号データDt41に対応する月間電気代データDt46に保全等費が加算され、その加算値データが累積電気代等テーブルTm2の第6月間総コストフィールドFm13の先頭に挿入される。このため、この推定コスト計算装置1では、空気調和機を修理・保全する場合の設備機器にかかるコストを精確に求めることができる。したがって、この推定コスト計算装置1を利用すれば、故障修理サービス提供ビジネスおよび点検・保守サービス提供ビジネスの対象となる顧客すべての満足度の向上を図ることができ、ひいては自社のブランド力向上を図ることができる。また、この推定コスト計算装置1では、同様にして「設備機器を修理・保全せずにそのまま放置する場合」および「設備機器を廃棄し新しい設備機器を導入する場合」の設備機器にかかるコストもそれぞれ精確に求めることができる。したがって、この推定コスト計算装置1を利用すれば、新規設備機器販売ビジネス等の対象となる顧客すべての満足度の向上を図ることができ、ひいては自社のブランド力向上を図ることができる。なお、従来、顧客に対しては図18に示すような提案しかできていなかった。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、運転時間毎理想消費電力量算出工程において基本モデルテーブルレコード抽出工程において基本モデルテーブルTo1から抽出したレコード毎に周波数データDt3及び入力パルスデータDt4が計算式(1)に代入されて運転時間毎理想消費電力量が算出される。次いで、理想月間消費電力量算出工程において運転時間の若い順番に160レコードが選択され、それらのレコードに対応する運転時間毎理想消費電力量の総和が求められる。なお、この理想月間消費電力量のデータ(以下、理想月間消費電力量データという)Dt44は、順次、電気代等テーブルTm1の理想月間消費電力量フィールドFm4に挿入される。また、この際、第5IDフィールドFm1には1から順に第5ID番号データDt41が挿入され、第5運転時間フィールドFm2には1から順に整数データが挿入される。このため、この推定コスト計算装置1では、演算負荷を低減しつつ容易に理想月間消費電力量データDt44を導出することができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、月間空気調和機能力ロス割合工程において構成要素部品能力ロス割合テーブルレコード抽出工程で抽出されたレコードに保持される構成要素部品能力劣化割合データDt13がレコード毎に計算式(2)に代入されて月間空気調和機能力ロス割合が算出され月間空気調和機能力ロス割合フィールドFm3に挿入される。このため、この推定コスト計算装置1では、演算負荷を低減しつつ精確に空気調和機の能力低下割合を導出することができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、月間電気代算出工程おいて修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入された修正月間消費電力量データDt45に所定の変換係数が乗じられてレコード毎に月間電気代が算出され月間電気代フィールドFm6に挿入される。このため、この推定コスト計算装置1では、演算負荷を低減しつつ容易にエネルギー料金を導出することができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、現行の空気調和機を保全または修理せずに放置しておくのが将来コスト的に得策なのか、現行の空気調和機を保全または修理するのが将来コスト的に得策なのか、それとも現行の空気調和機を廃棄し新規な省エネルギータイプの空気調和機を購入するのが将来コスト的に得策なのかが一目でわかる報告書に掲載されるグラフや表などが出力される。このため、例えば、このようなグラフや表などを従来のグラフや表などと併せてパンフレットに掲載するなどし、そのパンフレットを顧客に提供することができれば、その顧客は、所定期間にかかる総コスト的観点から、任意の時点において最も有効な現行の空気調和機の処置方法や新規な省エネルギータイプ空気調和機の導入の最も適切な時期などの情報も得ることができる。したがって、新規設備機器販売ビジネス、故障修理サービス提供ビジネスおよび点検・保守サービス提供ビジネスの対象となる顧客すべての満足度の向上を図ることができ、ひいては自社のブランド力向上を図ることができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、「設備機器を修理・保全せずにそのまま放置する場合」、「設備機器を修理・保全する場合」、及び「設備機器を廃棄し新しい設備機器を導入する場合」の設備機器から排出される二酸化炭素量が一目でわかる報告書に掲載されるグラフや表などを出力することができる。このため、例えば、このようなグラフや表などを従来のグラフや表などと併せてパンフレットに掲載するなどし、そのパンフレットを顧客に提供することができれば、その顧客は、京都議定書(COP3)や改正省エネルギー法の観点から、任意の時点において最も有効な現行の空気調和機の処置方法や新規な省エネルギータイプ空気調和機の導入の最も適切な時期などの情報も得ることができる。したがって、新規設備機器販売ビジネス、故障修理サービス提供ビジネスおよび点検・保守サービス提供ビジネスの対象となる顧客すべての満足度の向上を図ることができ、ひいては自社のブランド力向上を図ることができる。なお、従来、顧客に対しては図19に示すような提案しかできていなかったが、京都議定書(COP3)や改正省エネルギー法における基準値などを同時に表示すれば、顧客は、容易にその基準値に抵触しそうな時期を見定めることができ、適切な処置を業者などに依頼することができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、現行の空気調和機を保全または修理する場合には、応急処置的な保全もしくは修理が将来コスト的に得策か、完全処置的な保全もしくは修理が将来コスト的に得策かまでわかるような表やグラフが出力される。このため、顧客の選択の幅が広がり顧客満足度の向上を期待することができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、放置処置の場合における総コスト推定値、保全等処置の場合における総コスト推定値、および新規導入処置の場合における総コスト推定値を表やグラフにまとめて出力する。このため、顧客は容易にこれらの総コスト推定値を容易に比較検討することができる。
本実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、廃棄コストも総コストの算出に反映される。したがって、顧客は、より精確に総コスト推定値を検討することができる。
(A)
先に示した実施の形態では、空気調和機からインバータ圧縮機の運転周波数のデータや電動膨張弁の入力パルスのデータ等を収集したが、現行の空気調和機がコントローラなどに接続されている場合は、コントローラなどからそのようなデータ等を収集してもよい。
先に示した実施の形態では、現行の空気調和機からインバータ圧縮機の運転周波数のデータや電動膨張弁の入力パルスのデータ等を収集したが、その空気調和機がモデムなどの公衆電話回線への接続ポートを有していない場合には、その空気調和機に記憶部を設けておき、その記憶部にそのようなデータ等を蓄積しておいてもよい。このようにすれば、サービスエンジニアなどが、定期点検の度にそのようなデータ等をコピーするなどして本部に持ち帰ることができる。また、記憶部が取り外し可能であったり記憶部から記憶媒体が取り外し可能であったりすればその記憶部や記憶媒体を本部に持ち帰ってもよい。なお、このとき、新しい記憶部または記憶媒体を装着または挿入するようにしてもよいし後日取り外した記憶部または記憶媒体を顧客に返送するなどしてもよい。このようにすれば、遠隔監視サービスを申し込んでいない顧客にもコスト推定サービスを提供することができる。
先に示した実施の形態では、空気調和機からインバータ圧縮機の運転周波数のデータや電動膨張弁の入力パルスのデータ等を収集したが、これに代えてあらかじめその空気調和機のインバータ圧縮機の運転周波数のデータや電動膨張弁の入力パルスのデータ等の季節依存性や、地域依存性、時間依存性などを測定して関数化しておいてもよい。このようにすれば、その空気調和機の導入時期からのおおよその稼働時間を推定して適当な修正月間消費電力量データDt45を導出することができる。このようにすれば、遠隔監視サービスを申し込んでいない顧客にもコスト推定サービスを提供することができる。
先に示した実施の形態では、空気調和機からインバータ圧縮機の運転周波数のデータや電動膨張弁の入力パルスのデータ等を収集し、それらのデータを利用して修正月間消費電力量データDt45を導出したが、配電盤等に電力量変換器が据え付けられている場合には、これに代えて、空気調和機から直接電力量のデータを収集し、その電力量のデータを利用して修正月間消費電力量データDt45を導出してもよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、放置処置の場合、保全等処置の場合、および新規導入処置の場合それぞれにおいて所定期間に空気調和機にかかる総コストの推定値がディスプレイ32上にグラフや表の形式で表示されたが、プリンタが接続される場合には、ディスプレイ32上に表示せずにそのプリンタに直接印刷させるようにしてもよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、放置処置の場合、保全等処置の場合、および新規導入処置の場合それぞれにおいて所定期間に空気調和機にかかる総コストの推定値がディスプレイ32上にグラフや表の形式で表示されたが、これに代えてファイル出力するようにしておいてもよい。また、このファイルを電子メールに添付して情報端末に自動送信するようにしておいてもよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、運転時間毎理想消費電力量算出工程において運転時間毎理想消費電力量を算出するのに単回帰式を採用したが、これに代えて重回帰式を採用してもよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、運転時間毎理想消費電力量算出工程において運転時間毎理想消費電力量を算出するのに単回帰式を採用したが、これに代えて当業者に公知のTCBM(位相空間事例ベースモデル)を採用してもよい(例えば、特開2003−044518号公報参照)。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、月間CO2排出量算出工程において修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入された修正月間消費電力量データDt45に0.378の係数が乗じられてレコード毎に月間CO2排出量が算出され月間CO2排出量フィールドFm7に挿入された。しかし、空気調和機の使用環境や機種性能によりその係数は多少変化する。したがって、社内実験設備により、対象機種と同等機種のCO2排出量と消費電力量とを計測し、回帰分析によってその機種固有の係数を確定するのがより好ましい。このようにすれば、二酸化炭素排出量をより精確に算出することができる。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、月間CO2排出量算出工程において修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入された修正月間消費電力量データDt45に0.378の係数が乗じられてレコード毎に月間CO2排出量が算出され月間CO2排出量フィールドFm7に挿入された。しかし、空気調和機の近傍にCO2センサが据え付けられており、数ヶ月〜1年程度のデータが収集できる場合には時系列モデル(SARINA)により月間CO2排出量を算出してもよい(例えば、特願2005−122409参照)。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、消費電力量データや、電気代データ、二酸化炭素排出量データ等を月単位で算出したが、月単位ではなく任意の期間単位、例えば、日単位や、3日単位、週単位、2週間単位、3月単位、1年単位でそれらのデータを算出してもかまわない。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、いくつかのテーブルにおいて時期データが月数で表示されていたが、時期データが具体的な日付で表示されてもよい。なお、かかる場合、例えば、フォームFrmに起算の日付データを入力しておき、その日付データのうちの月データに{(時期データ)−1}の数値データを加算すればよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、図2や図3に示されるグラフが表示されたが、このようなグラフに、現行の空気調和機の余寿命、現行の空気調和機およびお勧め製品(空気調和機)の二酸化炭素排出予測値の時系列情報、および省エネルギー法の法規制ラインなどが示されてもよい。このようにすれば、顧客に対して任意の時点において推定される現行の空気調和機の終期を知らせることができる。したがって、顧客に対して適切なタイミングで現行の空気調和機の保全・修理や新規な省エネルギータイプの空気調和機の導入を勧めることができる。なお、余寿命が極端に短い場合には、新規な省エネルギータイプの空気調和機の導入を勧めるべきである。また、顧客が近い将来に引っ越しするとか廃業するというような事情がある場合には、放置処置を勧めるのが好ましい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、5種類の構成要素部品能力ロス割合テーブルTo2が用意されていたが、構成要素部品能力ロス割合テーブルTo2のバリエーションがさらに増やされてもよい。例えば、劣化の度合い(例えば、軽度、中度、重度など)を加味してバリエーションが増やされてもよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、理想月間消費電力量算出工程において1日8時間運転、月間20日稼働と仮定して理想月間消費電力量データDt44が算出されたが、この1日当たりの稼働時間や月当たりの稼働日数を入力フォームFrmにおいて変更できるようにしてもよい。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、計算式(1)及び(2)の係数を固定値としたが、これらの係数を入力フォームFrmで変更できるようにしてもよい。このようにすれば、各機種ごとにプログラムを作成することなく、様々な機種に対応することができるようになる。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、月間電気代算出工程において修正月間消費電力量フィールドFm5に挿入された修正月間消費電力量データDt45に所定の変換係数が乗じられてレコード毎に月間電気代が算出されたが、電力市場では消費電力量と電気料金との関係は必ずしもこのような関係にない。かかる場合、その電気料金体系に従ってプログラムを作成する必要がある。かかる場合、消費電力量を変換用テーブルに照合して電力料金を導き出すこと等が一例として考えられる。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、運転時間毎理想消費電力量算出工程、理想月間消費電力量算出工程、構成要素部品能力ロス割合テーブル抽出工程、構成要素部品能力ロス割合テーブルレコード抽出工程、月間空気調和機能力ロス割合工程、修正月間消費電力量算出工程、および月間電気代算出工程を経て月間電気代データDt46が導出されたが、これに代えて、請求書から理想月間電気代を入力フォームFrmに入力し、その理想月間電気代を下記計算式(4)に代入して修正月間電気代データDt46が導出されてもよい。
(S)
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、運転時間毎理想消費電力量算出工程において基本モデルテーブルTo1から抽出したレコード毎に周波数データDt3及び入力パルスデータDt4が計算式(1)に代入されて運転時間毎理想消費電力量が算出される。しかし、この運転時間毎理想消費電力量としては、圧縮機の定格理論値を利用してもかまわない。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、特に言及しなかったが、空気調和機のインバータ圧縮機の周波数データや入力パルスデータ等を夏季、冬期、中間期に分けてモデル化してもよい。このようにすれば、空気調和機にかかると推定されるコストをさらに精確に求めることができる。
先の実施の形態では、空気調和機の圧縮機がインバータ圧縮機とされたが、圧縮機は定速回転型の圧縮機であってもかまわない。かかる場合、基本モデルテーブルTo1では、第1周波数フィールドFo3が第1二値フィールドに置き換えられる。第1二値フィールドには1(ONを意味する)か0(OFFを意味する)のいずれかの数値データが格納される。また、式(1)は下記の式(5)に置き換えられる。
ただし、mは圧縮機通電時の消費電力量であり、nは変換係数である。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、理想月間消費電力量算出工程において1日8時間運転、月間20日稼働と仮定されたが、空気調和機の所有者あるいは使用者の使用状況を加味してこのような仮定を設定するのが好ましい。例えば、コンビニエンスストア等の場合、毎日24時間稼働とすべきであり、残業や休日出勤などが許容されているオフィスなどではその分を加味すべきである。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、特に言及されていなかったが、図12に示されるような保全等スケジュールテーブルTo3が基本情報データベース14gに加えられてもよい。なお、この保全等スケジュールテーブルTo3には、図12に示されるように、あらかじめ、第7IDフィールドFo21、第7時期フィールドFo22、第7交換/洗浄部品フィールドFo23、及び第7費用フィールドFo24が設けられている。そして、第7IDフィールドFo21には、1レコード毎に付される固有の数値データ(以下、第7IDデータという)Dt21が格納される。第7時期フィールドFo22には、保全等の時期のデータ(以下、保全等時期データという)Dt22が格納される。第7交換/洗浄部品フィールドFo23には、交換/洗浄部品の名称データ(以下、交換/洗浄部品名称データという)Dt23が格納される。第7費用フィールドFo24には、同レコードの交換/洗浄部品の名称データDt23に対応する費用データ(以下、費用データという)Dt24が格納される。
余寿命予測システム101は、図13に示されるように、直接的又は間接的に空気調和機102に接続され、1日1回、空気調和機102から空気調和機102及び空気調和機102を構成する部品の利用時間及び劣化指数に関するデータを取得する。ここで、利用時間とは、空気調和機102又は空気調和機102を構成する部品の利用を開始した日から観測日までに経過した日数単位の時間であり、劣化指数とは、劣化の程度を示す指標であり、空気調和機102又は空気調和機102を構成する部品の1又は複数の計測可能な状態量に基づいて算出することできる。例えば、空気調和機102の劣化の程度を示す劣化指数として、COPや電力量を利用することができ、空気調和機102を構成する部品の劣化の程度を示す劣化指数として、圧縮機の圧力−容積曲線で囲まれる面積及び熱交換器の熱交換率を利用することができる。
図15に、劣化情報データベース161の構造を示す。
図16に、保全情報データベース162の構造を示す。
図14を参照して、余寿命予測システム101が空気調和機102の余寿命を予測する動作を説明する。
気調和機102又は空気調和機102を構成する部品の製造業者からの提供、或いは市場からのフィードバックにより得られる値であり、記憶部160に予め記憶されている。次に、二次回帰曲線d=f1(t)においてd=d3となるときのtの値をt3と定義し、t2=0.7t3、t1=0.5t3、d2=f1(t2)、d1=f1(t1)の条件を満たすt1、t2、d1、d2を定義する。このとき、安全域は、t軸、d軸、直線t=t1及び直線d=d1で囲まれる領域となり、注意域は、t軸、d軸、直線t=t1、直線t=t2、直線d=d1及びd=d2で囲まれる領域となり、危険域は、t軸、d軸、直線t=t2、直線t=t3、直線d=d2及びd=d3で囲まれる領域となる。また、以下のステップにおいて、t3を空気調和機102又は空気調和機102を構成する部品の寿命とする。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、理想月間消費電力量算出工程において運転時間の若い順番に160レコードが選択され、それらのレコードに対応する運転時間毎理想消費電力量の総和が求められ理想月間消費電力量フィールドFm4に挿入されたが、理想月間消費電力量は、当業者に公知の時系列モデル(SARINA)により算出されてもよい(例えば、特願2005−122409号公報参照)。
先の実施の形態に係る空気調和機の推定コスト計算装置1では、特に言及されていなかったが、新規購入処置が採られる場合に、例えば、数年間の空気調和機保全契約金を加算するようにしてもよい。また、保全スケジュール等がある場合にはその保全スケジュールを加味して総コストや二酸化炭素排出量などを算出するようにしてもよい。
14 ハードディスク
14f 推定コスト算出アプリケーション
32 ディスプレイ
Claims (9)
- 複数の期間(Dt42)と前記複数の期間に応じた設備機器の理想エネルギー消費量(Dt44)とを関連付ける第1関連テーブル(Tm1)、および、前記複数の期間(Dt42)と前記複数の期間に応じた前記設備機器の能力低下割合(Dt43)とを関連付ける第2関連テーブル(Tm1)を記憶する関連テーブル記憶部(14)と、
前記設備機器の保全・修理コスト情報を記憶する保全・修理コスト情報記憶部(14)と、
前記設備機器に含まれる複数の構成要素部品のうち、保全・修理の対象とする構成要素部品の選択を受け付けるディスプレイ(32)と、
前記第1関連テーブルおよび前記第2関連テーブルと、前記ディスプレイで選択を受け付けた前記保全・修理の対象とする構成要素部品とに基づいて、将来の所定期間の前記設備機器の能力低下割合を考慮したエネルギー消費量である修正エネルギー消費量(Dt45)を導出する修正エネルギー消費量導出手段(14f)と、
前記修正エネルギー消費量を利用して、前記将来の所定期間における前記設備機器のエネルギー料金(Dt46)を導出するエネルギー料金導出手段(14f)と、
前記エネルギー料金導出手段によって導出された前記設備機器のエネルギー料金に、前記保全・修理の対象とする構成要素部品に基づいた前記設備機器の保全・修理コストを加算して、前記設備機器の保全・修理コストを含めた総コストを導出する保全・修理総コスト導出手段(14f)と、
を備え、
前記ディスプレイは、異なる構成要素部品を保全・修理の対象とする複数の前記総コストを含む表を表示する、設備機器の推定コスト計算システム(1)。 - 前記設備機器の初期導入コスト情報を記憶する初期導入コスト記憶部(14)をさらに備え、
前記保全・修理総コスト導出手段は、さらに、前記初期導入コスト情報に基づいて、前記初期導入コストをさらに含めた前記総コストを導出する、
請求項1に記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記複数の期間(Dt2)と、前記複数の期間に応じた前記構成要素部品の情報(Dt3,Dt4)であって、前記構成要素部品の周波数および/または入力パルスに関する前記情報である構成要素部品情報と、を関連付ける第7関連テーブル(To1)を記憶する構成要素部品情報記憶部(14)と、
前記構成要素部品の前記周波数および/または前記入力パルスに基づいて、前記理想エネルギー消費量を導出する理想エネルギー消費量導出手段(14f)と
をさらに備える、
請求項1または2に記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記理想エネルギー消費量導出手段は、下記一次線形式(1):
(設備機器のエネルギー消費量)=a1x(第1構成要素部品情報)+b1x(第2構成要素部品情報)+c1x(第3構成要素部品情報)+d1x(第4構成要素部品情報)+・・・ (1)
(ただし、a1,b1,c1,d1,・・・は変換係数である)
に、前記構成要素部品情報を代入して、前記理想エネルギー消費量を導出する、
請求項3に記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記複数の期間(Dt12)と前記複数の期間に応じた前記構成要素部品の能力低下割合情報(Dt13)とを関連付ける第8関連テーブル(To2)を記憶する構成要素部品能力低下割合記憶部(14)と、
前記構成要素部品の能力低下割合情報に基づいて、前記設備機器の能力低下割合を導出する設備機器能力低下割合導出手段(14f)と、
をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記設備機器能力低下割合導出手段は、下記一次線形式(2):
(設備機器の能力低下割合)=a2x(第11構成要素部品の能力低下割合)+b2x(第12構成要素部品の能力低下割合)+c2x(第13構成要素部品の能力低下割合)+d2x(第14構成要素部品の能力低下割合)+・・・ (2)
(ただし、a2,b2,c2,d2,・・・は重み付け係数である)
に、前記構成要素部品の能力低下割合情報を代入して、前記設備機器の能力低下割合を導出する、
請求項5に記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記エネルギー料金導出手段は、前記修正エネルギー消費量に所定の変換係数を乗じて前記エネルギー料金を導出する、
請求項1から6のいずれかに記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記複数の期間に対して前記エネルギー料金および前記総コストの少なくともいずれか一方をプロットするプロット手段(14f)をさらに備える、
請求項1から7のいずれかに記載の設備機器の推定コスト計算システム。 - 前記修正エネルギー消費量を利用して、所定期間における二酸化炭素排出量(Dt47)を導出する二酸化炭素排出量導出手段(14f)をさらに備える、
請求項1から8のいずれかに記載の設備機器の推定コスト計算システム。
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