JP4221994B2 - マネージメント・システム及びそれを用いたビル管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大規模複雑系システムを容易にマネージメントするための、マルチエージェントを使用するマネージメント・システム及びそれを用いたビル管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマネージメント・システムでは、各種データ送受信機能を持つマネージメント対象システムと、対象システムから得たデータを解析するマネージメント機能部と、解析結果を表示するユーザインタフェースを有するマネージメント・システムなどが開発されている。その一例として、ビルのエネルギー・マネージメント・システムなどが挙げられる。
【0003】
なお、特開平11−53026号公報(特許文献1)には、設備システムの運用管理の項目を合理的に網羅することができるようにして、これにより管理効率を向上できるとともに、これら管理項目各々に関連付けて詳細情報を得ることができるようにし、さらにはこれら管理項目に対して必要なコメントを適宜自由に編集し表示できるようにして、オペレータ個々の能力に左右されることなく設備機器の運用管理レベルを標準化および高度化することができる設備システムの運用管理支援システムおよびその方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−53026号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の従来のマネージメント・システムにおいては、マネージメント対象システムから得たデータを解析した結果をユーザに提示するものの、そのマネージメント対象システムに精通したユーザでなければデータの意味を解釈し、それを基にシステム・マネージメントを行うことが困難であった。
【0006】
例えば、大規模複雑系システムである、ビルのエネルギー・マネージメント・システムのようなビル管理システムにおいては、対象ビルの消費エネルギー量や効率、各種エネルギー系統や機器の動作状況、環境データ等を取得するとともに集計し、グラフ等の形式で表示するものであった。しかし、ビル・エネルギー・マネージメントに携わるユーザが、これらの大量のデータを得て、最適なエネルギー・マネージメントを行うには、エネルギー状況を解析して把握するための高度な専門知識と、対象ビルにおけるエネルギー特性の知識を持ち、且つ環境維持手法や省エネルギー手法、ビルの運用手法の知識を持ち、快適性や経済性等のエネルギーに関わる複数の側面を考慮して、最適な省エネルギー手法を導く必要があった。このため、高度な知識と経験を持つ習熟したユーザでなければ、ビルのエネルギー・マネージメントを最適に行うことは困難であった。
【0007】
また、マネージメント対象システムの構成要素や動作条件等が変化した際には、対象システムから得たデータを解析するマネージメント機能部も構成や機能が変化するために作成しなおす必要があった。同時に、この構成要素や機能の変化、またマネージメント・ノウハウの動的な変化のために、解析データをわかりやすく解釈し提示するなどのマネージメント業務を支援する仕組みをマネージメント・システムに組み込むことは困難であった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところはエキスパートでないオペレータでも容易にシステム・マネージメントを行うことを可能とするマネージメント・システム及びそれを用いたビル管理システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1のマネージメント・システムの発明では、機器および機器の制御を行うコントローラよりなる系統ならびに系統に接続され機器の消費電力量の情報を収集する中央監視盤を有するマネージメント対象システムと、コントローラに組み込まれる系統エージェント部および中央監視盤に組み込まれるセントラル・マネージメント・エージェント部で構成されるマネージメント機能部ならびにマネージメント対象システムに接続される第1のコンピュータシステムに備えられるリテラシーフリー機能部を有するエージェント・システムと、第1のコンピュータシステムに接続された第2のコンピュータシステムにより構成され画面に表示を行う画面表示処理部を有するユーザインタフェースとを備えるマネージメント・システムであって、セントラル・マネージメント・エージェント部は、エネルギー状態の診断を行うエネルギー消費診断エージェントと、調査エージェントと、マネージメント対象システムのエネルギーに関する情報を蓄積するエネルギー情報蓄積データベースとを有し、調査エージェントは、マネージメント・システムの外部の機器状態データベースにアクセスして、当該機器状態データベースに記録されている機器に関する特性情報を取得し、系統エージェント部は、各担当系統の運転状態を確認し、その結果として診断結果をエネルギー情報蓄積データベースに記録する機器状態診断エージェントを有し、リテラシーフリー機能部は、エネルギー状態診断エージェントと、異常原因推定エージェントと、示唆情報生成エージェントとを有し、エネルギー消費診断エージェントは、エネルギー情報蓄積データベースより機器の消費電力量の情報を取得してエネルギー消費量やエネルギー効率を算出し、その結果をエネルギー状態診断エージェントに送り、エネルギー状態診断エージェントは、エネルギー消費診断エージェントの算出結果に基づいて、エネルギーの消費量が異常状態であるか否かを診断し、異常原因推定エージェントは、エネルギー状態診断エージェントにより異常状態と診断されると、各機器の異常をチェックするためにエネルギー情報蓄積データベースの各機器の状態を参照し、調査エージェントが取得した特性情報と当該参照した情報とを比較して、エネルギー系統の異常の原因を推定し、示唆情報生成エージェントは、異常原因推定エージェントが推定した原因と当該原因推定のために使用された参考資料とをユーザに提示する情報として決定し、ユーザインタフェースは、示唆情報生成エージェントにより決定された情報を、画像表示部に表示することを特徴とする。
【0010】
請求項2のマネージメント・システムの発明では、請求項1の発明において、上記リテラシーフリー機能部は、省エネルギー法提案エージェントを備え、省エネルギー法提案エージェントは、上記異常原因推定エージェントが推定した原因を基に、省エネルギーを実現するためのマネージメント方法を提案し、上記示唆情報生成エージェントは、上記異常原因推定エージェントが推定した原因と、原因推定のために使用された上記参考資料とともに省エネルギー法提案エージェントによるマネージメント方法を示唆内容とする情報をユーザに提示する情報として決定することを特徴とする。
【0011】
請求項3のマネージメント・システムの発明では、請求項1又は2の発明において、上記異常原因推定エージェントは、上記各機器の異常をチェックするために上記エネルギー情報蓄積データベースからエネルギー消費量の経年変化又は、上記各機器のエネルギー効率の経年変化を参照することを特徴とする。
【0012】
請求項4のマネージメント・システムの発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、上記セントラル・マネージメント・エージェント部は、上記エージェントが実行する処理であるマネージメントを規定するマネージメント・ルールを記録したマネージメント・ルールデータベースを備え、上記マネージメント・ルールデータベースは、マネージメント・ルールを再利用可能且つ標準的な形式で蓄積することを特徴とする。
【0013】
請求項5のマネージメント・システムの発明では、請求項4の発明において、上記マネージメント・ルールデータベースには、ユーザが自然言語で入力したマネージメント・ルールを解析し、上記エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部が接続され、入力ルール解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースと、文意解析結果を元にデータ種データベースを参照しながら適切な形式のマネージメント・ルールを生成するルール生成部と、ルール生成部で生成したマネージメント・ルールを上記マネージメント・ルールデータベースに記録するDBアクセスインタフェースとを備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項6のマネージメント・システムの発明では、請求項4又は5の発明において、上記エージェントは、マネージメント・ルールを解釈するルール解析部と、その解析結果を受けて処理を実行する実行部とを備え、ルール解析部は、上記マネージメント・ルールデータベースからマネージメント・ルールを取得するためのDBアクセスインタフェースと、テキスト形式のマネージメント・ルールから字句を解析する字句解析器と、字句解析の結果を元に構文を解析し動作指示コマンドを実行部に送る構文解析器とを備え、実行部は、動作指示コマンドに基づき処理を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項7のマネージメント・システムの発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、上記セントラル・マネージメント・エージェント部は、上記エージェントが動作する時間を含む動作ルールを記録した動作ルールデータベースを備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項8のマネージメント・システムの発明では、請求項7の発明において、上記動作ルールデータベースには、ユーザが自然言語で入力した動作ルールを解析し、上記エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部が接続され、入力ルール解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースと、文意解析結果を元にデータ種データベースを参照しながら適切な形式の動作ルールを生成するルール生成部と、ルール生成部で生成した動作ルールを上記動作ルールデータベースに記録するDBアクセスインタフェースとを備えていることを特徴とする。
【0017】
請求項9のマネージメント・システムの発明では、請求項7又は8の発明において、上記エージェントは、動作ルールを解釈するルール解析部と、その解析結果を受けて処理を実行する実行部とを備え、ルール解析部は、上記動作ルールデータベースから動作ルールを取得するためのDBアクセスインタフェースと、テキスト形式の動作ルールから字句を解析する字句解析器と、字句解析の結果を元に構文を解析し動作指示コマンドを実行部に送る構文解析器とを備え、実行部は、動作指示コマンドに基づき処理を実行することを特徴とする。
【0018】
請求項10のマネージメント・システムの発明では、請求項1乃至9の何れかの発明において、上記ユーザインタフェースは、テキスト入力手段と、テキスト入力手段から入力された自然言語の入力文の文意を解析する文解析部とを備え、文解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部とを備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項11のマネージメント・システムの発明では、請求項1乃至9の何れかの発明において、上記ユーザインタフェースは、マイクと、自然言語による音声入力文をテキスト形式に変換する音声認識部と、文解析部とを備え、文意解析部は、音声認識部により変換されたテキスト形式の音声入力文を形態素解析する形態素解析部と、当該音声入力文を構文解析する構文解析部と、構文解析結果を参照し形態素解析結果からキーワードとなる語を抽出し、そのキーワードを元に語彙データベースを参照して入力された文意を解析する文意解析部とを備えていることを特徴とする。
【0027】
請求項12のビル管理システムの発明では、請求項1乃至11の何れかのマネージメント・システムを用い、マネージメント対象システムがビルの設備関連要素を統御するシステムであることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のマネージメント・システムの基本的な概念を示すシステム図であって、各種データ送受信機能を備えるマネージメント対象システム1と、エージェント・システム2と、ユーザインタフェース3の三つの要素から構成され、エージェント・システム2はマネジメント対象システム1から得たデータを解析するマネージメント機能部2a及び解析結果の意味解釈支援と直感的操作性の少なくとも何れかを実現するリテラシーフリー機能部2bを有する。このリテラシーフリー機能部2bのリテラシーフリーとは、情報機器操作、及び情報(内容)そのものへの習熟を不要にするという意味である。
【0029】
このようなマネージメント・システムを用いた本発明の実施形態および基本形態を以下に説明する。
【0030】
(実施形態1)
図2に本発明のマネージメント・システムによりビルのエネルギー・マネージメントを行うビル監視システムを構築した実施形態1のシステム構成図を示す。ここで、マネージメント対象システム1内には熱源機10…と熱源機10…の制御を行う熱源系統コントローラ100、空調機11…と空調機11…の制御を行う空調系統コントローラ101が設置されており、熱源系統コントローラ100には図3に示すように熱源系統を担当する熱源系統エージェント部20が、空調系統コントローラ101には空調系統を担当する空調系統エージェント部21が組み込まれている。尚図中Lは各コントローラ100…から機器を集中監視制御するための信号を送るための伝送線である。
【0031】
またマネージメント対象システム1内にはビル内のエネルギー系統の情報を収集する中央監視盤102が設置されており、中央監視盤102にはビル全体を担当するセントラル・マネージメント・エージェント部22が組み込まれている。これらは図1で示すマネージメント・システムのマネージメント機能部2aを構成し、各々はローカルネットワーク4で接続されている。
【0032】
さらにこれらとマネージメント対象システム1外に設置されたリテラシーフリー機能部2bを備えたコンピュータシステムPC1がネットワーク4及びインターネット5に接続され、さらに図4に示すような後述する音声やテキスト文を用いた自然言語による対話機構、及び自然言語の処理機構が備わり、ユーザインタフェース3を構成するコンピュータシステムPC2がインターネット5に接続されている。
【0033】
また本実施形態のシステムには、各種空調機に関する特性情報を記録した空調機情報データベースDB0を備えた外部のコンピュータシステムPC3がインターネット5を用いて接続されている。
【0034】
ここで本実施形態におけるビル管理システムたるマネージメント・システムAをユーザインタフェース3と,マネージメント対象システム1と共に構成するエージェント・システム2は、図3に示すように上述したコンピュータシステムPC1に備わったリテラシーフリー機能部2bと、マネージメント対象システム1内に組み込まれた空調系統エージェント部20、熱源系統エージェント部21、セントラルマネージメントエージェント部22とで構成されるマネージメント機能部2aとに分けて構成され、リテラシーフリー機能部2bには対話エージェント群とユーザ支援エージェント群を備え、マネージメント機能部2aには異常診断エージェント群とエネルギーマネージメントエージェント群とを備えている。
【0035】
さてマネージメント機能部2a内の空調系統エージェント部20は、空調系統のマネージメントを担当するもので、空調系統内統括エージェント20aや、空調機器状態診断エージェント20b等のエージェント群を有し、、熱源系統エージェント部21は、熱源系統内統括エージェント21aや、熱源機器状態診断エージェント21b等のエージェント群を有する。
【0036】
つまり本実施形態では空調系と熱源系の系統毎にエージェント群が形成されるようなっている。
【0037】
図4は本実施形態における空調系統コントローラ101内の構成例を示しており、図示するように制御処理用のオペレーティングシステム101bを書き込んだメモリ等を搭載したボード101a上に空調機11の制御を行うための空調コントロール部101cを構成する回路や、空調系統エージェント部20を備えている。また図示しないが空調系統コントローラ101と同様に熱源系統コントローラ100も熱源系統エージェント部21や熱源系統コントロール部を備えた制御ボード上に、オペレーティングシステムを搭載し、熱源系統コントロール部など備えられものから構成される。
【0038】
またセントラル・マネージメント・エージェント部22はマネージメント対象システム1の全体を担当するエージェントを構成するもので、セントラルマネージメント部内統括エージェント22a、エネルギー消費診断エージェント22b、調査エージェント22c等のエージェント群を有し、またエネルギー情報を蓄積したエネルギー情報蓄積データベースDB1、マネージメント・ルールを記録したマネージメント・ルールデータベースDB2、エージェントの動作ルールを記録したエージェント動作ルールデータベースDB3を備える。
【0039】
さらにまたリテラシーフリー機能部2bはリテラシーフリー部内統括エージェント23a、エネルギー状態診断エージェント23b、異常原因推定エージェント23c、省エネルギー法提案エージェント23d、示唆情報生成エージェント23e、対話管理エージェント23f等のエージェント群を有する。
【0040】
ここで各部20〜22及び2b内の各統括エージェント20a、21a,22a,23aは部内のエージェントを統括するとともに下位のエージェントの機能情報が登録されており、下位のエージェント間、または他のエージェント群へのメッセージングやタスク処理依頼の伸介処理を行う。
【0041】
上記各統括エージェント20a、21a,22a,23a以外のエージェントの概要を図5に示す。この図で示すように統括エージェント20a、21a,22a,23a以外のエージェントは、通信モジュール50とタスク処理モジュール51とを備え、部内の統括エージェントからタスク処理依頼が来た場合には、通信モジュール50を介して処理依頼を受け、タスク処理モジュール51で処理を実行開始する。またはタスク処理モジュール51内でタイマー起動などにより自律的にタスク起動し、処理の実行を開始する。その後、必要に応じてセントラル・マネージメント・エージェント部22に備えたエージェント動作ルールDB3に蓄積されている適切な動作ルールを参照し、タスク処理を実行する。その後、必要に応じて通信モジュ一ル50を介して統括エージェントや他のエージェント、もしくは外部機器に必要なデータを送信する。このような一連の動作で各エージェントは処理を遂行する。
【0042】
図6は各統括エージェント20a、21a,22a,23aの構成例を示し、その動作機構を説明する。図示する統括エージェントは、自ら担当するタスク処理の他、他のエージェント間のタスク処理の仲介を行う役割を果たすもので、他のエージェントや外部機器との間の通信を行う通信モジュール60とタスク処理モジュール61と、下位の他のエージェントの機能情報と他のエージェント群の機能概要情報を記録したエージェント機能情報データベースDB4を備え、タスク処理モジュール61内にはスケジューラ61aと、上述のタスク処理依頼を生成するタスク依頼生成部61b、タスク処理を行うタスク処理部61cとを備えている。ここで統括エージェントの動作を簡単に説明する。例えばあるエージェントから相手先不明の他のエージェントヘのタスク処理依頼が来た場合、通信モジュール60を介してタスク処理モジュール61は依頼メッセージを受け、これに呼応してタスク処理モジュール61内のタスク依頼生成部61bがエージェント機能情報データベースDB4を参照し、下位のエージェントで適切な処理を行えるエージェントを検索する。この検索で、適切な下位エージェントが見つからない場合は、タスク依頼生成部61bが、他のエージェント群の統括エージェントに、依頼された処理を処理するよう再委託メッセージを生成し、通信モジュール60を介してメッセージを送信する。また検索により依頼された処理を行う適切な下位エージェントが見つかった場合は、タスク依頼生成部61cはスケジューラ61aを参照し、依頼先エージェントに処理依頼メッセージを通信モジュール60を介して送信する。
【0043】
さて本実施形態のユーザインタフェース3は図7に示すように、対話機構として自然言語によるテキスト入力(キーボード等のテキスト入力手段30からの入力)などの文意を解析する文解析部31と、応答のための諸処理を行うタスク処理部31と、タスク処理部32から画面出力要請に従ってモニタ等の表示器の画面に表示を行うようにするための画面表示処理部33とが備わっている。文解析部31は、自然言語の入力文を形態素解析する(品詞単位に分解し、品詞名や活用形などを解析する)形態素解析部310、入力文の構文を解析する構文解析部311、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベース312、形態素解析結果や構文解析結果を元に、語彙データベース312を参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部313を備えている。これらの構成は実際には上述のコンピュータシステムPC2の演算装置によって実行されるアプリケーションにより構成され、モニタとしてはコンピュータシステムPC2のモニタが使用され、またタスク処理部32にはコンピュータシステムPC2のハードウェア資源等の外部モジュールが接続される。
【0044】
尚テキスト入力だけの対話機構を用いても良いが図8に示すように図7の構成に、音声による対話機構を備え、音声による対話をできるようにしても良い。つまり図示するようにマイク34、音声入力文をテキスト形式に変換する音声認識部35、テキスト文を合成音声に変換する音声合成部36、スピーカー37を備えている。尚音声認識部35,音声合成部36はコンピュータシステムPC2の演算装置によって実行されるアプリケーションにより構成され、またハードウェアはコンピュータシステムPC2に備わっている資源を用いる。
【0045】
而して図7又は図8のユーザインタフェース3を用いる場合、ユーザはテキスト入力手段30、またはマイク34を用いて、テキスト入力、または音声により自然言語を入力することができる。
【0046】
例えば図8の例の場合にはマイク103から入力された音声入力は、音声認識部35でテキスト形式に変換される。このテキスト文、もしくは図7,図8において、テキスト入力手段30から入力されたテキスト文はテキスト形式で文解析部31に入力される。入力されたテキスト形式の自然言語は形態素解析部310により形態素解析が為され、さらに構文解析部311により構文解析される。次に文意解析部313は構文解析結果を参照し、形態素解析結果からキーワードとなる語を抽出する。そのキーワードを元に語彙データベース312を参照し、入力された文意を解析し、タスク処理部32にその結果を送る。タスク処理部32はユーザの入力意図に基づき、応対処理を行い、画面表示処理部33を通じてモニタへ応答画面の出力を行う。この応答画面出力では、自然言語による予め定められた応答文を出力することもある。図8の場合には音声合成部36を通じて自然言語による音声出力が為される。このようにして、ユーザインタフェース3はユーザとシステムとの間の自然言語による対話を実現する対話機構を構成する。
【0047】
次に、図2、図3に示すビル管理システムを構築するマネージメント・システムAにおけるエネルギー・マネージメントの事例を説明し、本実施形態のビル管理システムたるマネージメント・システムAの動作を説明する。
【0048】
まず空調機11…の状態を診断する空調機状態診断エージェント20b、熱源機10…の状態を診断する熱源状態診断エージェント21bはエージェントの動作ルールを記録したエージェント動作ルールデータベースDB3に記された、設定時期に定期的に起動し、マネージメントのルールを記録したマネージメント・ルールデータベースDB2内のマネージメント・ルールを参照し、各担当系統の運転状態を確認し、マネージメント対象システム1のエネルギーに関する情報を蓄積するエネルギー情報蓄積データベースDB1に診断結果を記録していく。
【0049】
また、エネルギー消費診断エージェント22bが、予め設定された時期に定期的にエネルギー状態の診断を行う。この診断内容はマネージメント・ルールデータベースDB2内のマネージメント・ルールを参照する。
【0050】
ここではまずエネルギー消費診断エージェント22bは、空調機11…や熱源機10…の情報を統括している中央制御盤102より、空調機11…、熱源機10…の消費電力量の情報を取得し、総エネルギー消費量やエネルギー効率を算出する。
【0051】
次に、算出した結果を、リテラシーフリー機能部2b内のエネルギー使用状況や系統運転状況を診断するエネルギー状態診断エージェント23bに送る。もしここで、予期せぬ物理的な障害が発生し、リテラシーフリー機能部2bと通信ができなくなった際には、送付すべき情報をエネルギー情報蓄積データベースDB1内に記録しておき、事後に送信する。
【0052】
正常に稼動されている際には、エネルギー状態診断エージェント23bは、マネージメント・ルールデータベースDB2内のマネージメント・ルールを参照し、算出した月間エネルギー消費量が前年同月のものと比べて、マネージメント・ルールデータベースDB2内にある警告水準を超えて増加していた場合、異常状態であると診断する。
【0053】
そこでエネルギー系統の異常の原因を推定する異常原因推定エージェント23cが異常の原因推定を行う。この原因推定ではまず、エネルギー情報蓄積データベースDB1を参照し、各系統の短期的な運転状態を確認する。ここで各系統が短期的には正常状態であることを確認した場合、次にエネルギー情報蓄積データベースDB1から長期的な各機器の状態を参照し、異常をチェックする。例えば空調機11の月間平均効率が、過去の同月の平均効率と比較して、年々減少していることを発見した場合、その原因の調査を行う。そのために、マネージメント・システムAの外部の情報を取得する調査エージェント22cがマネージメント・システムAの外部にある空調機情報データベースDB0にアクセスし、空調機11の耐用年数等の情報を取得する。次に、エネルギー状態診断エージェント23bがエネルギー情報蓄積データベースDB1から空調機11の設置年次情報を得、調査エージェント22cからの情報と比較し、空調機11が経年劣化状態にあることを推定する。
【0054】
次に省エネルギーを実現するためのマネージメント方法を提案する省エネルギー法提案エージェント23dが、この結果を基に、現在のエネルギー消費量を減少させる方法を検討し、空調機11のメンテナンスが適切であることを推定する。
【0055】
そこでユーザにマネージメント方法を示唆するための示唆内容を生成する示唆情報生成エージェント23eが、ユーザに空調機11が経年劣化状態にある可能性があることと、それを裏付ける参考資料として、エネルギー消費量の経年変化、該当機器のエネルギー効率の経年変化と耐用年数、設置年次を、ユーザに提示する情報とし、さらに省エネルギーのために該当機器のメンテナンスを推薦する案内をユーザインタフェース3を通じてユーザに提示することを決定する。ここで使用するユーザインタフェース3は、図8に示すものを用いることとする。さて上記決定に基づいてユーザインタフェース3を構成するコンピュータシステムPC2のモニタ画面に表示する内容と、スピーカー37を通じて音声で案内する文章を決定し、その情報をユーザインタフェース3に送る。ユーザインタフェース3では、画面情報をモニタ画面に提示し、音声で案内すべき文を合成音声部36でユーザに提示する。
【0056】
ここでユーザがマネージメント・システムAからのこの示唆情報が適切であると判断した場合、ユーザはこの診断方法を以後も適用することをマネージメント・システムAに学習させる。
【0057】
この場合、ユーザインタフェース3を通じ、学習させる旨をシステムに入力する。ユーザの入力手段はマウス、キーボード等のテキスト入力手段30の他、マイク34を通じて音声を入力する手段を使うことができる。そしてユーザからの入力に応対する処理を行う対話管理エージェント23fを通じ、マネージメント・ルールデータベースDB2内にこの診断方法を、一連の異常診断方法であるとして記録する。
【0058】
このようにして、マネージメント・システム2内の各エージェントが協調することで、エネルギーの状態分析と、それを基にユーザがエネルギー・マネージメントを行えるように、異常診断、原因推定、対処方法の示唆および関連資料の提示を行い、さらにユーザの指示により一連の診断を学習し、マネージメント・ノウハウとして獲得していく。
【0059】
このマネージメント・ノウハウは、マネージメント・ルールデータベースDB2に蓄積されるため、他のマネージメント・システムでも利用することが可能である。
【0060】
また、マネージメント対象システム1に、図2で破線により示す如く既設の系統内に新たな機器として空調機11aが追加された場合、エージェント動作ルールデータベースDB3、マネージメント・ルールデータベースDB2に新たな空調機11aに関するマネージメント方法を記述する。これは、空調機11aが既設の空調機と同様のものであった場合、既設のマネージメント・ルールを複写することでも対応できる。
【0061】
このようにして、マネージメント対象システム1に新たな機器が加わった場合でも、対応するエージェントとマネージメント・ルールに動作を記述するのみで、新たな機器にも対応できるマネージメント・システムができる。
【0062】
またさらに、マネージメント対象システム1に、図2で破線で示すように新たなエネルギー系統として照明系が新設された場合、マネージメント・システムAでは、図9のように照明系統エージェント部25を照明系統コントローラ103内に設け、この照明系統エージェント部25のエージェントとして照明機器12の情報を管理する照明状態診断エージェント25aをマネージメント・エージェント部2に追加する。つまりマネージメント対象システム1の系統毎にエージェント群を形成することになる。
【0063】
そしてマネージメント・ルールデータベースDB2に、他のマネージメント・エージェントシステムで使用されていた照明系のマネージメント・ルールを追加する。
【0064】
これにより、マネージメント対象システム1に新たな系統が加わった場合でも、対応するエージェントとマネージメント・ルールをマネージメント・システムAに追加するだけで、新たな系統にも対応できるマネージメント・システムができる。
【0065】
またさらに、図10に示すように同じマネージメント対応システム1内に図示すように例えば空調機11…に対応する空調系が複数ある場合には、夫々の系に設ける空調系統コントローラ101a…内にそれぞれの系の局所毎に空調系統エージェント部20を設けると良い。勿論他の系で複数並設される場合には同じようにする。
【0066】
このように本実施形態のビル管理システムを構築するマネージメント・システムAでは、エネルギー状態を診断するマネージメント機能に加え、単にエネルギー状態のグラフをモニタ画面提示するのではなく、エネルギー状態の異常診断、異常原因推定、対象方法・省エネルギー法の提案をユーザインタフェース3を通じて行い、関連する資料と共にユーザに提案することで、エネルギーに関する充分な専門知識のないユーザでも、対象システムの状態が把握しやすくなり、また対処方法も検討しやすくなる。
【0067】
またエネルギーの状態分析に加え、それを基にユーザがエネルギー・マネージメントを行えるように、異常診断、原因推定、対処方法の示唆および関連資料の提示を行い、さらにユーザの指示により一連の診断を学習しマネージメント・ノウハウとして獲得していく。このマネージメント・ノウハウは、マネージメント・ルールデータベースDB2に再利用可能で標準的な形式で蓄積されるため、他のマネージメント・システムでも利用することが可能である。
【0068】
またこのマネージメント機能部2aやリテラシーフリー機能部2bのそれぞれが機能を実現する要素毎に分割された複数のエージェント群により構成されているため、マネージメント・システムAの設計が容易になり、さらに、マネージメント対象システム1に新たな機器や系統が加わるなど、マネージメント対象システム1の構成要素や動作条件等が変化した際にも、変化した構成要素や動作条件に対応するエージェントを追加・削除・変更することにより、柔軟且つ容易にマネージメント・システムAを構築することができる。
【0069】
さらにまた、マネージメント機能部2aが、空調系統、熱源系統など制御対象の局所的構成要素のマネージメントを担当するエージェント部20、21等と、セントラル・マネージメント・エージェント部22というシステム全体を担当するエージェントとに分割され、さらに制御対象の系統毎にエージェント群が形成されているため、マネージメント・システムAの設計、構築および変更が容易になる。
【0070】
またさらに、新たに照明系統が加わるなど、制御対象の系統が追加・変更された際にも、マネージメント・システムAの変更が容易になる。しかも系統内の状態診断等の局所的なマネージメントも可能になり、マネージメント・システム全体でのデータの輻輳を防ぐことができる。
【0071】
尚リテラシーフリー機能部2bのエネルギー状態診断エージェント23b、異常原因推定エージェント23cなども、局所的構成要素のエネルギー状態診断や異常原因推定を担当するエージェントに分割したり、マネジメント対象システム1の系統毎にエージェント群を形成するように構成することも可能である。
【0072】
また、マネージメント対象システム1に新たな機器が加わった場合でも、エージェントの動作ルールがデータベースに記憶され、エージェントがそれを参照できるため、エージェントの動作ルールの追加・削除・変更が容易に行え、対応するエージェント動作ルールデータベースDB3とマネージメント・ルールデータベースDB2に動作を記述するのみで、新たな機器にも対応できるマネージメント・システムAができる。
【0073】
またさらに、各系統エージェント部20,21等とセントラル・マネージメント・エージェント部22により構成されるマネージメント機能部2aがマネージメント対象システム1内に組み込まれていることにより、マネージメント対象システム1内のみで閉じたマネージメントも可能となる。このため、なんらかの予期せぬトラブルにより、マネージメント機能部21とリテラシーフリー機能部2bやユーザインタフェース3とが通信できなくなった際にも、マネージメント機能部2aはそれのみで動作することも可能であり、マネージメント対象システム1のマネージメントが停止してしまうことが防げる。
【0074】
また、調査エージェント22cにより、マネージメント対象システム1内の機器の仕様情報など、必要な情報をマネージメント・システムAの外部から収集できることから、マネージメント・システムAに予め設定された知識以上の情報を容易に獲得できる。
【0075】
さらにまた、ユーザとマネージメント・システムAとがユーザインタフェース3を通じて音声やテキスト文を用いて自然言語で対話できることで、コンピュータなどのシステム操作に不慣れなユーザでも容易にマネージメント・システムAを操作することが可能になる。
【0076】
このようにして、大規模複雑系システムであるビルのエネルギー・マネージメントにおいて、従来はそれぞれの分野の複数の専門家による経験的なマネージメントにより運用されていたが、本システムにより専門知識を持たないユーザにも容易にビルのエネルギー・マネージメントをすることが可能になる。
【0077】
ところで、本実施形態では、上述のマネージメント・ルールデータベースDB2に記されるマネージメント・ルールはCSV形式のような再利用可能且つ標準的な形式で記される。このマネージメント・ルールは、例えば「適用エージェント名,ルール番号,ルール」のような形式で記される。またルールの形式は、[シーケンス番号,シーケンス名,if,パラメータ1,演算子,パラメータ2,then,結果
シーケンス番号,シーケンス名,if,パラメータ1,演算子,パラメータ2,then,結果]のように記される。
【0078】
ここで、図11に示すようにエージェント・システム2の構成要素であるエージェント200と、エージェント・システム2のマネージメント・ルールが記録されているマネージメント・ルールデータベースDB2と、表計算ソフトCFを搭載しているコンピュータシステムPC4とがネットワークを通じて接続されている場合を用いて記述の実態を簡単に説明する。尚エージェント200にはデータベースアクセスインタフェース200aを備えているものとし、エージェント200はマネージメント・ルールデータベースDB2にアクセスし、マネージメント・ルールを取得して、適切な処理行う。この場合のマネージメント・ルールとして、例えば、「エージェント200,ルール番号,[シーケンス番号1,診断,if,空調機効率,<,0.9×前年度効率,then,原因調査実行
シーケンス番号2,原因調査,if、空調機使用年数,>,耐用年数,then,原因方向:経年劣化…]」と記述されている場合、エージェント200におけるルール番号1は、「初めに、診断を行うこと」であり、「空調機効率が前年度効率の9割以下であれば、原因調査を実行して原因調査を行い、そして空調機使用年数が耐用年数より大きくなっていれば、原因を経年劣化であると報告するもの」とするマネージメント・ルールを示す。
【0079】
このようなマネージメント・ルールがマネージメント・ルールデータベースDB2内に記録されており、エージェント200はこれを取得してマネージメントを行うのである。マネージメント・ルールを追加、削除、変更する際には、コンピュータシステムPC4を用いて、マネージメント・ルールデータベースDB2からマネージメント・ルールを取得し、コンピュータシステムPC4内の表計算ソフトCFを用いてマネージメント・ルールを編集する。その後、コンピュータシステムPC4からマネージメント・ルールデータベースDB2へマネージメント・ルールを記録することで、マネージメント・ルールの追加、削除、変更が行える。またコンピュータシステムPC4を用いてマネージメント・ルールデータベースDB2からマネージメント・ルールを取得することで、マネージメント・ルールを取り出すことができ、これを他のマネージメント・システムに再利用することができるのである。
【0080】
また本実施形態におけるエージェント動作ルールデータベースDB3に記録されるエージェントの動作ルールもCSV形式のような再利用可能且つ標準的な形式で記される。つまりエージェントの動作ルールは、「エージェント名,ルール番号, ルール」のような形式で記される。またここでのルールの形式は、「有効/無効, 適用時, 動作」のように記される。
【0081】
ここで、図12に示すようにエージェント・システム2の構成要素であるエージェント200と、エージェント・システム2のマネージメント・ルールが記録されているマネージメント・ルールデータベースDB3と、表計算ソフトCFを搭載しているコンピュータシステムPC4とがネットワークを通じて接続されている場合を用いて記述の実態を簡単に説明する。尚エージェント200にはデータベースアクセスインタフェース200aを備えているものとする。そして例えばエージェントの動作ルールとして、
「エージェント1,ルール1,ON,毎0:00時起動,温度をチェック
エージェント1,ルール2,OFF,毎12:00時起動,温度をチェック
エージェント1,ルール3,ON,毎14:00時起動,温度をチェック」と記述されている場合、
「エージェント200における動作ルール1は有効であり、毎0:00時に起動し温度をチェックする。動作ルール2は無効であるため、適用しない。また動作ルール3は有効であり、毎14:00時に起動し温度をチェックする。」という意味を持つ。
【0082】
このようなエージェントの動作ルールがエージェント動作ルールデータベースDB3内に記録されており、エージェント200はこれを取得して動作するのである。またエージェントの動作ルールを追加、削除、変更する際には、コンピュータシステムPC4を用いて、エージェント動作ルールデータベースDB3からエージェントの動作ルールを取得し、コンピュータシステムPC4内の表計算ソフトCFを用いてエージェントの動作ルールを編集する。その後、コンピュータシステムPC4からエージェント動作ルールデータベースDB3へエージェントの動作ルールを記録することで、エージェントの動作ルールの追加、削除、変更が行える。例えば、上述したエージェントの動作ルール記述例において、動作ルール1はそのままで、動作ルール2を有効に、動作ルール3を無効にするという編集を行い、エージェント動作ルールDB7に記録することで、エージェント200は、毎0:00時と毎12:00時に起動し温度をチェックするというような編集が行える。
【0083】
動作ルールの追加、削除も同様に動作ルールを編集することで実現できることは、容易に想像される。
【0084】
次に、本実施形態のエージェント・システム2のセントラル・マネージメント・エージェント部22に備わっている調査エージェント22cの動作について、図13、図14を用いて詳説する。
【0085】
まず、マネージメント対象システム1に設けられる空調機11…が例えばX社製とし、この空調機11に対応する外部の情報を収集する調査エージェント22cの内部には図14に示すようにデータベースアクセスインタフェース80と、アクセス相手名、アクセス先アドレス、データ形式を記したアクセスデータベースリスト81を内部に備えているものとする。
【0086】
一方マネージメント・システムAの外部には、X社の機器情報を記録したX社機器情報データベースDBxと、他の会社例えばY社の機器情報を記録したY社機器情報データベースDByとが存在し、これらデータベースDBx,DByがSQLデータベースで、TCP/IPネットワークインタフェースを備え、インターネット5に接続されているものとする。
【0087】
而して調査エージェント22cはX社機器情報データベースDBxやY社機器情報データベースDByにアクセスし、マネージメント・システムAの外部の情報を収集する。例えば、マネージメント対象システム1内の空調機11がX社空調機からY社空調機11’に交換された際には、X社空調機11からY社の空調機11’に交換されたことをユーザがユーザインタフェース3を通じて入力し、これをトリガーとして調査エージェント22cがY社の空調機11’に関する情報の調査を開始する。
【0088】
調査エージェント22cは、アクセスデータベースリストを参照することでY社機器情報データベースDByにアクセスし、Y社の空調機11’に関する特性データなどを入手する。その後、調査エージェント22cはマネージメント・ルールデータベースDB2内のマネージメント・ルールにおいて、X社の空調機11に関するパラメータ値を、対応するB社の空調機11’のパラメータ値に変更する。このようにして外部から調査エージェント22cは情報を収集する。
【0089】
次にネットワーク上を移動するモバイルエージェントから調査エージェント22cが作られている場合の例について以下に説明する。
【0090】
まずモバイルエージェントは、移動先で、移動先にあるアプリケーションに対し何らかの処理を行い、また次へ移動するという機能を標準的に持つものであるとする。
【0091】
そして調査エージェント22cであるモバイルエージェントが、インターネット5上を図15で矢印で示すように移動し、Y社機器情報データベースDBy等にアクセスして情報を取得するなどし、元のマネージメント・システムAに戻ってくるという動作を想定している。
【0092】
モバイルエージェントである調査エージェント22cは図16(a)に示すように通信モジュール90,移動・タスク処理部91,XMLメッセージ生成・解析部92を備えている。
【0093】
またネットワーク(インターネット5上)には図15に示すように調査エージェント・サーバ93が接続されている。
【0094】
一方インターネット5に接続されている情報収集対象となるデータベース側のシステム94には、情報生成アプリケーション95と、エージェント仲介部96とが備えられている。エージェント仲介部96は、図16(b)に示すように通信モジュール97と、アプリケーション・アクセス処理部98と、XMLメッセージ生成・解析部99を備えている。
【0095】
而して、モバイルエージェントである調査エージェント22cは、調査エージェント・サーバ93より、通信モジュール90を介して、XML形式でタスク処理メッセージを受け取る。例えばこのメッセージとしては移動先アドレスや処理すべきコマンドが記述されている。
【0096】
次にXMLメッセージ生成・解析部92でメッセージを解析し、移動・タスク処理部91で移動処理を行う。
【0097】
次に情報収集対象システム94に移動後、エージェント仲介部96を通じて、情報生成アプリケーション95に対して依頼されたコマンドを実行する。これは、エージェント仲介部96が通信モジュール99を介してXML形式メッセージを受け取り、XMLメッセージ生成・解析部99でメッセージを解析し、アプリケーション・アクセス処理部98が情報生成アプリケーション95にアクセスするためのnative accessメッセージ形式に変換することで行われる。
【0098】
そして情報生成アプリケーション95でコマンド実行の結果をエージェント仲介部96を通じてXMLメッセージ形式に変換し、モバイルエージェントたる調査エージェント22cにメッセージを渡す。
【0099】
調査エージェント22cはメーセージを受け取り、元の調査エージェント・サーバ93に移動し、コマンド実行結果メッセージを調査エージェント・サーバ93に渡すのである。
【0100】
(基本形態1)
図17にエージェントシステムにおいて、対象システムの設備毎にその機器を担当するエージェントを設けてなるマネージメント・システムの構成図を示す。
【0101】
図17において、対象システム1内に、空調機a11、空調機a12が備えられているとすれば、エージェントシステム2内には、空調機a11、空調機a12に関する計測データを蓄積するデータベースDBa4と、空調機a11のマネージメントを担当する、空調機a11担当エージェント:a21、空調機a12のマネージメントを担当する、空調機a12担当エージェント:a22が設けられ、また空調機の診断を行う、診断その▲1▼エージェント:a31、診断その▲2▼エージェント:a32を有している。
【0102】
診断その▲1▼エージェント:a31、診断その▲2▼エージェント:a32は、データベースDBa4に蓄積された計測データを参照し、空調機の状態診断その▲1▼、その▲2▼を行う。
【0103】
ここで、空調機a11では診断その▲1▼と診断その▲2▼を行うようにするために、空記機a11担当エージェント:a21に、診断その▲1▼エージェント:a31、診断その▲2▼エージェント:a32を登録する。また空調機a12では診断その▲2▼のみを行うようにするために、空調機a12担当エージェント:a22に、診断その▲2▼エージェント:a32を登録する。
【0104】
空調機a11担当エージェント:a21、空調機a12担当エージェント:a22は、それぞれの内部で設定されたタイミングで、それぞれに登録されている診断そのXエージェントを呼び出し、空調機の状態診断を行う。
【0105】
これにより、空調機ごとに実行するマネージメント機能を容易に管理することができる。
【0106】
また空調機a12に診断その▲1▼も行うようにしたい際は、空調機a12担当エージェント:a22に、診断その▲1▼エージェント:a31を登録することで、診断その▲1▼も行うことができる。
【0107】
またエージェントシステム2内に、新たに診断その▲3▼エージェント:a33が追加された場合、その機能を空調機a12に対して実行させたい際には、空調機a12担当エージェント:a22に診断その▲3▼エージェント:a33を登録することで実現する。
【0108】
また対象システム1内に新たに空調機a13が追加された際には、空調機a13のマネージメントを担当する、空調機a13担当エージェント:a23を追加する。そして空調機a13に対して実行させたい機能を持つエージェント(診断そのXエージェント:a3x)を空調機a13担当エージェント:a23に登録することで、空調機a13に対する状態診断やエネルギーマネージメントが実現する。
【0109】
ここで対象システム1内から空調機a11を除去した際には、空調機a11担当エージェント:a21を削除する。
【0110】
このようにして、設備機器毎にマネージメントを担当するエージェントを設けることで、設備機器の変化やマネージメント機能の変化に柔軟にかつ容易に対応できるマネージメント・システムが実現する。
【0111】
(実施形態2)
図18,図19にユーザがマネージメント・ルールを自然言語で入力できる機構を備えたマネージメント・システムの構成例を示す。
【0112】
図18において、エージェント・システム2の構成要素であるエージェント200と、エージェント・システム2のマネージメント・ルールが記録されているマネージメント・ルールデータベースDB2と、ユーザが入力したマネージメント・ルールを解析し、エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部C1とがネットワークを通じて接続されている。
【0113】
入力ルール解析部C1は、図19に示すように、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部C11、入力文の構文を解析する構文解析部C12、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースC14、形態素解析結果や構文解析結果を元に、語彙データベースC14を参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部C13、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースC16、文意解析結果を元に、データ種データベースC16を参照しながら、適切な形式のマネージメント・ルールを生成するルール生成部C15を備えている。
【0114】
また入力ルール解析部C1はDBアクセスインタフェースC17を備え、生成したマネージメント・ルールをマネージメント・ルールデータベースDB2に記録することができる。
【0115】
(ユーザ入力例に示すようなルールを)ユーザが自然言語によるマネージメント・ルールを入力した場合、テキスト形式の自然言語は形態素解析部C11により形態素解析が為され、さらに構文解析部C12により構文解析される。次に文意解析部C13は構文解析結果を参照し、形態素解析結果からキーワードとなる語を抽出する。そのキーワードを元に語彙データベースC14を参照し、入力された文意を解析する。ルール生成部C15は文意解析結果を元に、データ種データベースC16を参照して利用データを表す話とそれに対応するマネージメント・システムで利用可能なデータ名の変換を行い、(マネージメント・ルール側に示すような)エージェントが解釈可能な形式のルールを生成する。その結果をマネージメント・ルールデータベースDB2に送り、蓄積する。エージェント200はマネージメント・ルールデータベースDB2からこれを取得してマネージメントを行う。
【0116】
(実施形態3)
図20,図21にエージェントが自然言語で記述されたマネージメント・ルールを解釈できる機構を備えてなるマネージメント・システムの構成例を示す。
【0117】
図20において、エージェント・システム2の構成要素であるエージェント200と、エージェント・システム2のマネージメント・ルールが記録されているマネージメント・ルールデータベースDB2と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースd3とがネットワークを通じて接続されている。
【0118】
エージェント200は、図21に示すように、マネージメント・ルールを解釈するルール解析部d1と、その解析結果を受けてマネージメントを実行する実行部d2とを備えている。またルール解析部d1は、DBアクセスインタフェースd11と、テキスト形式のマネージメント・ルールから字句を解析する字句解析器d12と、字句解析の結果を元に構文を解析する構文解析器d13とを備えている。
【0119】
エージェント200はマネージメント・ルールデータベースDB2からDBアクセスインタフェースd11を通じてマネージメント・ルールを取得する。このマネージメント・ルールは図20の例に示すようなテキスト文形式の自然言語で記されている。字句解析器d12は、正規表現など予め定められた規定によってテキスト文のマネージメント・ルールを定数、予約語、演算子など種々の意味のある語句の単位で分割し、その結果をトークンとして構文解析器d13に送る。
【0120】
構文解析器d13は、字句解析結果を元に、予め定められた規定に基づき構文を解析し、動作指示コマンドを実行部d2に送る。実行部d2ではその動作指示コマンドに基づき、マネージメントを実行する。
【0121】
なお、実施形態2では、ユーザがマネージメント・ルールを自然言語で入力できる機構を備えた構成になっているが、そのマネージメント・ルールをエージェントの動作ルールに変えることにより、図22,図23に示すように、ユーザがエージェントの動作ルールを自然言語で入力できる機構を備えたマネージメント・システムを実現することができる。図22において、DB7はエージェント動作ルールデータベース、f1は入力ルール解析部であり、図23において、f11は形態素解析部、f12は構文解析部、f13は文意解析部、f14は語彙データベース、f15はルール生成部、f16はデータ種データベースであり、それぞれ実施形態2と対応している。
【0122】
また実施形態3では、エージェントが自然言語で記述されたマネージメント・ルールを解釈できる機構を備えた構成になっているが、マネージメント・ルールをエージェントの動作ルールに変えることにより、図24,図25に示すように、エージェントが自然言語で記述されたエージェントの動作ルールを解釈できる機構を備えたマネージメント・システムを実現することができる。図24において、DB7はエージェント動作ルールデータベース、g3はデータ種データベースであり、図25において、DB7はエージェント動作ルールデータベース、g12は字句解析器、g13は構文解析器、g2は実行部であり、それぞれ実施形態3と対応している。
【0123】
(基本形態2)
図26,図27にマネージメントに必要な情報を獲得できなかった際に、マネージメント・システム内の他の情報源から代替情報を収集できる機構を有するマネージメント・システムの構成例を示す。
【0124】
図26において、空調機h6と温度センサーh5、空調機h6や温度センサーh5など空調系統からの各種計測データを蓄積するローカルデータベースh4、空調系統のマネージメントを行う空調系統エージェント群h3、設備機器のデータ収集と制御を行う中央監視盤h2、対象システム内の各種エネルギーデータを集約し蓄積するエネルギー情報蓄積データベースh1とがネットワークで接続されている。
【0125】
空調系統エージェント群h3は、図27に示すように、空調機のエネルギー効率の診断を行うエネルギー効率診断エージェントh32や空調機の省エネルギー度を評価する省エネ評価エージェントh33などの各種マネージメント機能を持ったエージェント群と、これらのエージェントがマネージメント機能を実行する際に必要なデータが取得できなかった際に代替データの取得方法を案内する代替情報サービスエージェントh31などから構成されている。
【0126】
また代替情報サービスエージェントh31は、代替データの所在や加工方法などの情報を蓄積した代替情報データベースh311を備えている。また空調機h6は自身の状態をモニタリングし、バッファリングし、その計測データを送信する機能を備えており、このデータもエネルギー情報蓄積データベースh1に蓄積するようにしている。また中央監視盤h2は収集したデータをバッファに蓄積する機能を備えている。また温度センサーh5は温度計測機能、計測データバッファリング機能、データ送信機能を備えている。エネルギー情報蓄積データベースh1には、空調機h6、温度センサーh5、中央監視盤h2などからの各種エネルギーデータを蓄積している。
【0127】
ここで、省エネ評価エージェントh33が、空調機の消費エネルギー情報や室内温度情報などを基に空調機の省エネルギー度を評価しようとした際、省エネ評価エージェントh33は空調機の消費エネルギー情報や室内温度情報などをエネルギー情報蓄積データベースh1から取得し、予め定められた評価方法で省エネルギー度を評価する。このとき、なんらかの異常により空調機の消費エネルギー情報や室内温度情報がエネルギー情報蓄積データベースh1から取得できなかった場合には、省エネ評価エージェントh33はその代替情報の取得方法を代替情報サービスエージェントh31に問い合わせる。代替情報サービスエージェントh31は代替情報データベースh311を参照し、空調機の消費エネルギー情報は中央監視盤h2のバッファ内に、室内温度情報は温度センサーh5のバッファ内に代替情報が存在する可能性があることを、詳細なデータ取得方法と共に、省エネ評価エージェントh33に通知する。省エネ評価エージェントh33は中央監視盤h2、温度センサーh5にアクセスし、代替情報を取得して省エネルギー評価を実行する。
【0128】
またエネルギー効率診断エージェントh32が、空調機の設定温度情報と消費エネルギー情報などからエネルギー効率を診断しようとした際、エネルギー効率診断エージェントh32はエネルギー情報蓄積データベースh1から取得し、予め定められた診断方法でエネルギー効率を診断する。この際、なんらかの異常により空調機の設定温度情報と消費エネルギー情報がエネルギー情報蓄積データベースh1から取得できなかった場合には、その代替情報の取得方法を代替情報サービスエージェントh31に問い合わせる。ここで代替情報サービスエージェントh31は代替情報データベースh311を参照し、空調機の設定温度情報は空調機h6の計測データ蓄積バッファ内にあること、消費エネルギー情報は中央監視盤h2のバッファ内の空調機h6からの排出風量情報と空調機h6の計測データ蓄積バッファ内のインバータ回転数などから算出できることを通知する。この際、データの取得方法と算出方法も通知する。エネルギー効率診断エージェントh32は、中央監視盤h2、空調機h6にアクセスし、代替情報を取得、算出して、エネルギー効率の診断を行う。
【0129】
(基本形態3)
図28〜図30にエージェント・システムが1つのエージェント・プラットホーム上で動作するマネージメント・システムの構成例を示す。
【0130】
図28において、エージェント・システム2が空調系統や照明系統など系統毎などに局所的マネージメントを担当するエージェント群(i1,i2)や全体のマネージメントを担当するエージェント群(i3)などに分けられ、それぞれが異なるハードウェア上で動作している。
【0131】
図29において、空調系統担当エージェント群i1は、空調機1担当エージェントi11など各空調機を担当するエージェント群や、空調機状態診断エージェントi12など、空調系統をマネージメントするエージェント群で構成されている。また照明系統担当エージェント群i2も同様であり、照明1担当エージェントi21や、照明器状態診断エージェントi22などで構成されている。
【0132】
全体担当エージェント群i3は、全体状態診断エージェントi33や省エネ診断エージェントi34など、対象システム1全体のマネージメントを行うエージェント群と、外部のエージェントプラットフォームに属するエージェントと通信するための外部エージェントプラットフォーム通信部i31やエージェントシステム2内の各エージェントを管理するエージェント管理部i32など、エージェントプラットフォームの構成要素である、エージェント群を管理・動作させるためのシステムを備えている。
【0133】
各エージェントはエージェント管理部i32にそれぞれの名前と機能、動作状態などを登録しておき、エージェント管理部i32を通じてエージェント間でそれを参照することができる。またエージェント・システム2内のエージェント間では、エージェント・プラットフォーム名などを省略した簡易な形式(図30参照)でメッセージングを行い、外部のエージェントプラットフォームに属するエージェントと通信する際には、外部エージェントプラットフォーム通信部i31を通じてメッセージを適切な形式に変換し、ルーティングを行う(外部から内部のエージェントヘのメッセージは、プラットフォーム名を削除し、宛先のエージェントヘメッセージを回送する。内部から外部へは、プラットフォーム名を追加し、メッセージを送信する)。
【0134】
このように、外部エージェントプラットフホーム通信部やエージェント管理部など、エージェントプラットフォームの構成要素である、エージェント群を管理・動作させるためのシステムを、エージェントが動作する各ハードウェア毎に設けずに、エージェント・システム2全体に対して設けており、エージェント・システム2全体で1つのエージェント・プラットフォーム上で動作させている。
【0135】
(基本形態4)
図31にマネジメント対象システムの状態を音で表しユーザに伝えることのできる機構を備えたユーザインターフェースを有するマネージメント・システムの構成例を示す。
【0136】
基本形態4は、熟練エンジニアが、エンジン音でエンジンの状態や異常個所などを把握できる事例に着目してなされたものである。例えば、C02 濃度データはフルート、排出風量はバイオリンなどのように、データ種毎に音色(楽器でなくてもよい)を設定して、データの値によって音程を変え、それらを同時に再生すれば、多くのデータ種の状態を一度に把握でき、変動を敏感に察知できる。熟練者には、定常状態から外れた際には微細な状態把握が可能である。多くのデータ相の相関を直感的に把握でき、時系列的なデータ提示に適用可能である。
【0137】
図31において、対象システムのエネルギー情報を蓄積したエネルギー情報蓄積データベースh1と、ユーザにエネルギー情報を提示するための処理を行う情報提示エージェントj1と、スピーカーj7を備えたユーザインタフェース3がある。
【0138】
ユーザインタフェース3内には、ユーザに提示するためのデータを受け取る提示データ取得部j2と、受け取ったデータを元に音情報を生成する音情報生成部j3と、生成された音情報を蓄積しておく音情報蓄積部j4と、音情報を再生する音情報再生部j5と、ユーザからのコマンドを受け、音情報蓄積部j4や音情報再生部j5に制御コマンドを送るユーザ指示受付部j6とが備えられている。
【0139】
情報提示エージェントj1が対象システムに関する種々の計測データをユーザに示して、対象システムの状態を把握させようとした際には、情報提示エージェントj1はエネルギー情報蓄積データベースh1にアクセスして、提示するデータを取得する。一定時間内の状態を把握させたい場合、その時間内の時系列計測データを取得する。提示データ取得部j2はそれらのデータを取得し、データ種毎に音情報生成部j3に送る。
【0140】
ここでは予め、“空調機1の排出風量はバイオリン1”などのように、データ種毎に音色が設定されており、またデータ値と音程の対応が定められている。この対応情報は音情報生成部j3内に格納されている。
【0141】
音情報生成部j3内では、データ種毎に予め定められた音色の周波数に、計測データを信号波とする周波数合成を行い、データ種毎に音情報を生成する。生成された音情報は音情報蓄積部j4にデータ種ごとに蓄積される。音情報再生部j5では、提示すべき複数のデータ種の音情報を音情報蓄積部j4より取得し、同時に再生できるようにミキシングを行い、スピーカーj7を通じてユーザに提供する。
【0142】
ここで、ユーザが特定のデータ種に注目したい場合や、既に発生された音情報を再び再生したい場合、再生速度を変更したい場合などの際は、ユーザ指示受付部j6にその旨のコマンドを送る。ユーザ指示受付部j6はユーザ指示に基づき、データ種毎の音量を増減させたり、再生速度を変更させる制御コマンドを音情報再生部j5に送ったり、既に発生された音情報を再び再生するために音情報蓄積部j4に制御コマンドを送り、音情報再生部j5を通じて再生させるなどを行う。
【0143】
このように、データ種毎に音色を設定して、データの値によって音程を変え、それらを同時に再生することにより、多くのデータ種の状態を一度に把握でき、変動を敏感に察知できる。時系列的なデータなどで多くのデータ種の相関や状態を直感的に把握でき、定常状態から外れた際には微細な状態把握が可能となる。また音情報として提示するため、対象システムの監視員には状態モニタリングが容易に行える。
【0144】
尚上述の各実施形態および基本形態では、ビル管理システムを構築した場合であったが、家庭用ビニールハウス内で植物が栽培されており、空調機やスプリンクラーを備え、温度、湿度を管理する植物栽培マネージメント・システムや化学プラントや工場における系統管理システム等を構築することもできる。
【0145】
【発明の効果】
請求項1のマネージメント・システムの発明は、機器および機器の制御を行うコントローラよりなる系統ならびに系統に接続され機器の消費電力量の情報を収集する中央監視盤を有するマネージメント対象システムと、コントローラに組み込まれる系統エージェント部および中央監視盤に組み込まれるセントラル・マネージメント・エージェント部で構成されるマネージメント機能部ならびにマネージメント対象システムに接続される第1のコンピュータシステムに備えられるリテラシーフリー機能部を有するエージェント・システムと、第1のコンピュータシステムに接続された第2のコンピュータシステムにより構成され画面に表示を行う画面表示処理部を有するユーザインタフェースとを備えるマネージメント・システムであって、セントラル・マネージメント・エージェント部は、エネルギー状態の診断を行うエネルギー消費診断エージェントと、調査エージェントと、マネージメント対象システムのエネルギーに関する情報を蓄積するエネルギー情報蓄積データベースとを有し、調査エージェントは、マネージメント・システムの外部の機器状態データベースにアクセスして、当該機器状態データベースに記録されている機器に関する特性情報を取得し、系統エージェント部は、各担当系統の運転状態を確認し、その結果として診断結果をエネルギー情報蓄積データベースに記録する機器状態診断エージェントを有し、リテラシーフリー機能部は、エネルギー状態診断エージェントと、異常原因推定エージェントと、示唆情報生成エージェントとを有し、エネルギー消費診断エージェントは、エネルギー情報蓄積データベースより機器の消費電力量の情報を取得してエネルギー消費量やエネルギー効率を算出し、その結果をエネルギー状態診断エージェントに送り、エネルギー状態診断エージェントは、エネルギー消費診断エージェントの算出結果に基づいて、エネルギーの消費量が異常状態であるか否かを診断し、異常原因推定エージェントは、エネルギー状態診断エージェントにより異常状態と診断されると、各機器の異常をチェックするためにエネルギー情報蓄積データベースの各機器の状態を参照し、調査エージェントが取得した特性情報と当該参照した情報とを比較して、エネルギー系統の異常の原因を推定し、示唆情報生成エージェントは、異常原因推定エージェントが推定した原因と当該原因推定のために使用された参考資料とをユーザに提示する情報として決定し、ユーザインタフェースは、示唆情報生成エージェントにより決定された情報を、画像表示部に表示する。よって、マネージメント機能部が解析して得られたマネージメント対象システムのデータに対する解析結果に対して、リテラシーフリー機能部の働きにより意味解釈支援、ないしは直感的操作性の少なくとも何れかを実現することができ、そのため習熟度の低いオペレータでも容易にシステムの分析とマネージメントが可能となり、さらにまたマネージメント機能部及びリテラシーフリー機能部をエージェントにより実現することにより、マネージメント・システムの機能の追加・削除・変更が柔軟に実現できるという効果がある。さらに、調査エージェントにより、マネージメント・システム外部から必要な情報を収集でき、そのためマネージメント・システムに予め設定された知識以上の情報を容易に獲得できるという効果がある。
【0146】
また、マネージメント・システムの設計が容易になり、さらに、マネージメント対象システムの構成要素や動作条件等が変化した際にも、変化した構成要素や動作条件に対応するエージェントをエージェント・システムに追加・削除・変更することにより、柔軟且つ容易にマネージメント・システムを構築することができるという効果がある。
【0147】
また、局所的なマネージメントも可能になり、マネージメント・システム全体でのデータの輻輳を防ぐことができる。
【0148】
また、マネージメント・システムの設計、構築および変更が容易になり、また制御対象の系統が変更された際にも、マネージメント・システムの変更が容易になるという効果がある。
【0150】
また、マネージメント対象システム内のみで閉じたマネージメントも可能となり、そのため何らかの予期せぬトラブルにより、リテラシーフリー機能部やユーザインタフェースが利用できなくなったり、マネージメント機能部と通信できなくなった際にも、マネージメント機能部が対象システム内に組み込まれているため、それのみで動作することも可能であり、対象システムのマネージメントが停止してしまうことを防げるという効果がある。
【0151】
請求項4のマネージメント・システムの発明は、請求項1乃至3の何れかの発明において、上記セントラル・マネージメント・エージェント部は、上記エージェントが実行する処理であるマネージメントを規定するマネージメント・ルールを記録したマネージメント・ルールデータベースを備え、上記マネージメント・ルールデータベースは、マネージメント・ルールを再利用可能且つ標準的な形式で蓄積する。よって、マネージメント・ルールが再利用可能且つ標準的な形式でデータベースに蓄積されるために、他のマネージメント・システムでもマネージメント・ノウハウを容易に再利用することが可能となるという効果がある。
【0152】
請求項5のマネージメント・システムの発明は、請求項4の発明において、上記マネージメント・ルールデータベースには、ユーザが自然言語で入力したマネージメント・ルールを解析し、上記エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部が接続され、入力ルール解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースと、文意解析結果を元にデータ種データベースを参照しながら適切な形式のマネージメント・ルールを生成するルール生成部と、ルール生成部で生成したマネージメント・ルールを上記マネージメント・ルールデータベースに記録するDBアクセスインタフェースとを備えている。よって、ユーザが容易にマネージメント・ルールを作成することができる。
【0153】
請求項6のマネージメント・システムの発明は、請求項4又は5の発明において、上記エージェントは、マネージメント・ルールを解釈するルール解析部と、その解析結果を受けて処理を実行する実行部とを備え、ルール解析部は、上記マネージメント・ルールデータベースからマネージメント・ルールを取得するためのDBアクセスインタフェースと、テキスト形式のマネージメント・ルールから字句を解析する字句解析器と、字句解析の結果を元に構文を解析し動作指示コマンドを実行部に送る構文解析器とを備え、実行部は、動作指示コマンドに基づき処理を実行する。よって、ユーザが容易にマネージメント・ルールを作成することができると共に、作成されたマネージメント・ルールもユーザに理解しやすく、保守性が向上する。
【0154】
請求項7のマネージメント・システムの発明は、請求項1乃至6の何れかの発明において、上記セントラル・マネージメント・エージェント部は、上記エージェントが動作する時間を含む動作ルールを記録した動作ルールデータベースを備えている。よって、エージェントが、データベースに記憶されているマネージメント・ルールの構成要素でもあるエージェントの動作ルールを参照でき、そのため、マネージメント・ルールが変化した際に、エージェントの動作ルールの追加・削除・変更が容易に行えるという効果がある。
【0155】
請求項8のマネージメント・システムの発明は、請求項7の発明において、上記動作ルールデータベースには、ユーザが自然言語で入力した動作ルールを解析し、上記エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部が接続され、入力ルール解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースと、文意解析結果を元にデータ種データベースを参照しながら適切な形式の動作ルールを生成するルール生成部と、ルール生成部で生成した動作ルールを上記動作ルールデータベースに記録するDBアクセスインタフェースとを備えている。よって、ユーザがエージェントの動作ルールを自然言語で入力できる機構を備えているので、ユーザが容易にエージェントの動作ルールを作成することができる。
【0156】
請求項9のマネージメント・システムの発明は、請求項7又は8の発明において、上記エージェントは、動作ルールを解釈するルール解析部と、その解析結果を受けて処理を実行する実行部とを備え、ルール解析部は、上記動作ルールデータベースから動作ルールを取得するためのDBアクセスインタフェースと、テキスト形式の動作ルールから字句を解析する字句解析器と、字句解析の結果を元に構文を解析し動作指示コマンドを実行部に送る構文解析器とを備え、実行部は、動作指示コマンドに基づき処理を実行する。よって、ユーザが容易にエージェントの動作ルールを作成することができると共に、作成されたエージェントの動作ルールもユーザに理解しやすく、保守性が向上する。
【0160】
請求項10のマネージメント・システムの発明は、請求項1乃至9の何れかの発明において、上記ユーザインタフェースは、テキスト入力手段と、テキスト入力手段から入力された自然言語の入力文の文意を解析する文解析部とを備え、文解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部とを備えている。よって、ユーザとマネージメント・システムが自然言語で対話でき、そのためコンピュータなどのシステム操作に不慣れなユーザでも容易にマネージメント・システムを操作することが可能になるという効果がある。
【0161】
請求項11のマネージメント・システムの発明は、請求項1乃至9の何れかの発明において、上記ユーザインタフェースは、マイクと、自然言語による音声入力文をテキスト形式に変換する音声認識部と、文解析部とを備え、文意解析部は、音声認識部により変換されたテキスト形式の音声入力文を形態素解析する形態素解析部と、当該音声入力文を構文解析する構文解析部と、構文解析結果を参照し形態素解析結果からキーワードとなる語を抽出し、そのキーワードを元に語彙データベースを参照して入力された文意を解析する文意解析部とを備えている。よって、ユーザとマネージメント・システムが音声を用いて対話できることで、コンピュータなどのシステム操作に不慣れなユーザでも容易にマネージメント・システムを操作することが可能になるという効果がある。
【0163】
請求項12のビル管理システムの発明は、請求項1乃至11の何れかのマネージメント・システムを用い、マネージメント対象システムがビルの設備関連要素を統御するシステムであるので、請求項1乃至11の何れかのマネージメント・システムの特徴が生かせたビル管理システムを実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマネジメント・システムの概要構成図である。
【図2】 同上を用いてビル管理システムを構築した一実施形態のシステム構成図である(実施形態1)。
【図3】 同上のエージェント・システムの構成図である。
【図4】 同上に用いる空調系統コントローラの構成図である。
【図5】 同上に用いる統括エージェント以外のエージェントの構成例の説明図である。
【図6】 同上に用いる統括エージェントの構成例の説明図である。
【図7】 同上に用いるユーザインタフェースの一例の構成図である。
【図8】 同上に用いるユーザインタフェースの別の例の構成図である。
【図9】 同上に用いるエージェント・システムの別の例の構成図である。
【図10】 同上における同一系統並設時の説明図である。
【図11】 同上のマネージメント・ルールの記述の説明図である。
【図12】 同上のエージェントの動作ルールの記述の説明図である。
【図13】 同上に用いる調査エージェーンの動作説明用システム図である。
【図14】 同上に用いる調査エージェントの構成図である。
【図15】 同上に用いる調査エージェントの別の例の動作説明用システム図である。
【図16】 (a)は同上に用いる調査エージェントの構成図である。
(b)は同上の調査エージェントの情報収集対象とするシステムの仲介部の構成図である。
【図17】 エージェントシステムにおいて、対象システムの設備毎にその機器を担当するエージェントを設けてなるマネージメント・システムの構成図である(基本形態1)。
【図18】 ユーザがマネージメント・ルールを自然言語で入力できる機構を備えたマネージメント・システムの構成例を示す図である(実施形態2)。
【図19】 同上マネージメント・システムの入力ルール解析部の構成例を示す図である。
【図20】 エージェントが自然言語で記述されたマネージメント・ルールを解釈できる機構を備えてなるマネージメント・システムの構成例を示す図である(実施形態3)。
【図21】 同上マネージメント・システムのエージェントの構成例を示す図である。
【図22】 ユーザがエージェントの動作ルールを自然言語で入力できる機構を備えたマネージメント・システムの構成例を示す図である。
【図23】 同上マネージメント・システムの入力ルール解析部の構成例を示す図である。
【図24】 エージェントが自然言語で記述されたエージェントの動作ルールを解釈できる機構を備えたマネージメント・システムの構成例を示す図である。
【図25】 同上マネージメント・システムのエージェントの構成例を示す図である。
【図26】 マネージメントに必要な情報を獲得できなかった際に、マネージメント・システム内の他の情報源から代替情報を収集できる機構を有するマネージメント・システムの構成例を示す図である(基本形態2)。
【図27】 同上マネージメント・システムの空調系統エージェント群の構成例を示す図である。
【図28】 エージェント・システムが1つのエージェント・プラットホーム上で動作するマネージメント・システムの構成例を示す図である(基本形態3)。
【図29】 同上マネージメント・システムのエージェント・システムの構成例を示す図である。
【図30】 同上マネージメント・システムで用いられるメッセージ形式例を示す図である。
【図31】 マネジメント対象システムの状態を音で表しユーザに伝えることのできる機構を備えたユーザインターフェースを有するマネージメント・システムの構成例を示す図である(基本形態4)。
【符号の説明】
1 マネージメント対象システム
2 エージェント・システム
2a マネージメント機能部
2b リテラシーフリー機能部
3 ユーザインタフェース
Claims (12)
- 機器および機器の制御を行うコントローラよりなる系統ならびに系統に接続され機器の消費電力量の情報を収集する中央監視盤を有するマネージメント対象システムと、
コントローラに組み込まれる系統エージェント部および中央監視盤に組み込まれるセントラル・マネージメント・エージェント部で構成されるマネージメント機能部ならびにマネージメント対象システムに接続される第1のコンピュータシステムに備えられるリテラシーフリー機能部を有するエージェント・システムと、
第1のコンピュータシステムに接続された第2のコンピュータシステムにより構成され画面に表示を行う画面表示処理部を有するユーザインタフェースとを備えるマネージメント・システムであって、
セントラル・マネージメント・エージェント部は、エネルギー状態の診断を行うエネルギー消費診断エージェントと、調査エージェントと、マネージメント対象システムのエネルギーに関する情報を蓄積するエネルギー情報蓄積データベースとを有し、
調査エージェントは、マネージメント・システムの外部の機器状態データベースにアクセスして、当該機器状態データベースに記録されている機器に関する特性情報を取得し、
系統エージェント部は、各担当系統の運転状態を確認し、その結果として診断結果をエネルギー情報蓄積データベースに記録する機器状態診断エージェントを有し、
リテラシーフリー機能部は、エネルギー状態診断エージェントと、異常原因推定エージェントと、示唆情報生成エージェントとを有し、
エネルギー消費診断エージェントは、エネルギー情報蓄積データベースより機器の消費電力量の情報を取得してエネルギー消費量やエネルギー効率を算出し、その結果をエネルギー状態診断エージェントに送り、
エネルギー状態診断エージェントは、エネルギー消費診断エージェントの算出結果に基づいて、エネルギーの消費量が異常状態であるか否かを診断し、
異常原因推定エージェントは、エネルギー状態診断エージェントにより異常状態と診断されると、各機器の異常をチェックするためにエネルギー情報蓄積データベースの各機器の状態を参照し、調査エージェントが取得した特性情報と当該参照した情報とを比較して、エネルギー系統の異常の原因を推定し、
示唆情報生成エージェントは、異常原因推定エージェントが推定した原因と当該原因推定のために使用された参考資料とをユーザに提示する情報として決定し、
ユーザインタフェースは、示唆情報生成エージェントにより決定された情報を、画像表示部に表示することを特徴とするマネージメント・システム。 - 上記リテラシーフリー機能部は、省エネルギー法提案エージェントを備え、
省エネルギー法提案エージェントは、上記異常原因推定エージェントが推定した原因を基に、省エネルギーを実現するためのマネージメント方法を提案し、
上記示唆情報生成エージェントは、上記異常原因推定エージェントが推定した原因と、原因推定のために使用された上記参考資料とともに省エネルギー法提案エージェントによるマネージメント方法を示唆内容とする情報をユーザに提示する情報として決定することを特徴とする請求項1記載のマネージメント・システム。 - 上記異常原因推定エージェントは、上記各機器の異常をチェックするために上記エネルギー情報蓄積データベースからエネルギー消費量の経年変化又は、上記各機器のエネルギー効率の経年変化を参照することを特徴とする請求項1又は2記載のマネージメント・システム。
- 上記セントラル・マネージメント・エージェント部は、上記エージェントが実行する処理であるマネージメントを規定するマネージメント・ルールを記録したマネージメント・ルールデータベースを備え、
上記マネージメント・ルールデータベースは、マネージメント・ルールを再利用可能且つ標準的な形式で蓄積することを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載のマネージメント・システム。 - 上記マネージメント・ルールデータベースには、ユーザが自然言語で入力したマネージメント・ルールを解析し、上記エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部が接続され、
入力ルール解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースと、文意解析結果を元にデータ種データベースを参照しながら適切な形式のマネージメント・ルールを生成するルール生成部と、ルール生成部で生成したマネージメント・ルールを上記マネージメント・ルールデータベースに記録するDBアクセスインタフェースとを備えていることを特徴とする請求項4記載のマネージメント・システム。 - 上記エージェントは、マネージメント・ルールを解釈するルール解析部と、その解析結果を受けて処理を実行する実行部とを備え、
ルール解析部は、上記マネージメント・ルールデータベースからマネージメント・ルールを取得するためのDBアクセスインタフェースと、テキスト形式のマネージメント・ルールから字句を解析する字句解析器と、字句解析の結果を元に構文を解析し動作指示コマンドを実行部に送る構文解析器とを備え、
実行部は、動作指示コマンドに基づき処理を実行することを特徴とする請求項4又は5記載のマネージメント・システム。 - 上記セントラル・マネージメント・エージェント部は、上記エージェントが動作する時間を含む動作ルールを記録した動作ルールデータベースを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか記載のマネージメント・システム。
- 上記動作ルールデータベースには、ユーザが自然言語で入力した動作ルールを解析し、上記エージェントが解釈できるルール形式に変換する入力ルール解析部が接続され、
入力ルール解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部と、マネージメント・システムで利用可能なデータ種とそれを表す語彙の対応情報を記録したデータ種データベースと、文意解析結果を元にデータ種データベースを参照しながら適切な形式の動作ルールを生成するルール生成部と、ルール生成部で生成した動作ルールを上記動作ルールデータベースに記録するDBアクセスインタフェースとを備えていることを特徴とする請求項7記載のマネージメント・システム。 - 上記エージェントは、動作ルールを解釈するルール解析部と、その解析結果を受けて処理を実行する実行部とを備え、
ルール解析部は、上記動作ルールデータベースから動作ルールを取得するためのDBアクセスインタフェースと、テキスト形式の動作ルールから字句を解析する字句解析器と、字句解析の結果を元に構文を解析し動作指示コマンドを実行部に送る構文解析器とを備え、
実行部は、動作指示コマンドに基づき処理を実行することを特徴とする請求項7又は8記載のマネージメント・システム。 - 上記ユーザインタフェースは、テキスト入力手段と、テキスト入力手段から入力された自然言語の入力文の文意を解析する文解析部とを備え、
文解析部は、自然言語の入力文を形態素解析する形態素解析部と、入力文の構文を解析する構文解析部と、キーワードと文意の対応などの語彙情報を記録した語彙データベースと、形態素解析結果や構文解析結果を元に語彙データベースを参照しながら入力文の文意を解析する文意解析部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか記載のマネージメント・システム。 - 上記ユーザインタフェースは、マイクと、自然言語による音声入力文をテキスト形式に変換する音声認識部と、文解析部とを備え、
文意解析部は、音声認識部により変換されたテキスト形式の音声入力文を形態素解析する形態素解析部と、当該音声入力文を構文解析する構文解析部と、構文解析結果を参照し形態素解析結果からキーワードとなる語を抽出し、そのキーワードを元に語彙データベースを参照して入力された文意を解析する文意解析部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか記載のマネージメント・システム。 - 請求項1乃至11の何れかのマネージメント・システムを用い、上記マネージメント対象システムがビルの設備関連要素を統御するシステムであることを特徴とするビル管理システム。
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