JP4487368B2 - Av機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオソースとビジュアルソースとを再生可能とするAV機器に関し、特に、互いに関係しない映像と音とを同時に出力するサイマルプレイを可能にするAV機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
TVで野球中継を見ながら、ラジオを使ってAMラジオ放送を聞くといったようなことが行われているが、オーディオソースとビジュアルソースとを1台で再生可能とする従来のAV機器では、このようなサイマルプレイを実現する機能を持っていない。
【0003】
すなわち、従来のAV機器では、ユーザがTVなどのビジュアルソースを選択すると、その選択されたビジュアルソースの映像をモニターに出力するとともに、その選択されたビジュアルソースの音をスピーカに出力するという構成を採っており、互いに関係しないビジュアルソースの映像とオーディオソースの音とを同時に出力するという機能については持っていないのである。
【0004】
これは、従来のAV機器が、図7に示すような回路構成を使ってビジュアルソースとオーディオソースとを選択していることに、その理由がある。
【0005】
すなわち、従来のAV機器では、この図に示すように、ビジュアルソースとそれに対応付けられるオーディオソースとを連動させて選択して、その選択したビジュアルソースをモニターに出力するとともに、その選択したオーディオソースを出力する第1のスイッチ回路100と、ビジュアルソース以外のオーディオソースを選択する第2のスイッチ回路200と、ビジュアルソースが選択されているときには、第1のスイッチ回路100の出力するオーディオソースを選択してスピーカに出力し、ビジュアルソースが選択されていないときには、第2のスイッチ回路200の出力するオーディオソースを選択してスピーカに出力する第3のスイッチ回路300という回路構成を使って、出力対象となるビジュアルソースとオーディオソースとを選択するという構成を採っている。
【0006】
これから、従来のAV機器では、ビジュアルソースの映像をモニターに出力しているときに、そのビジュアルソースに関係しないオーディオソースの音をスピーカに出力できないことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のAV機器では、ユーザがTVなどのビジュアルソースを選択すると、その選択されたビジュアルソースの映像をモニターに出力するとともに、その選択されたビジュアルソースの音をスピーカに出力するという構成を採っており、互いに関係しないビジュアルソースの映像とオーディオソースの音とを同時に出力するという機能を持っていない。
【0008】
これから、従来のAV機器に従っていると、TVなどの映像を見るときに、それに関係しない音楽などの音を聞きたいというユーザの要求に応えられないという問題点がある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、互いに関係しない映像と音とを同時に出力するサイマルプレイを可能にする新たなAV機器の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明のAV機器では、オーディオソースとビジュアルソースとを再生可能とするAV機器において、サイマルプレイモードの設定を指示するボタン手段と、モニターに出力するビジュアルソースを選択する第1の切換手段と、上記第1の切換手段とは独立に動作して、スピーカに出力するオーディオソースを選択する第2の切換手段と、オーディオソースの選択が検出されるときに、サイマルプレイモードが設定されている場合には、上記第1の切換手段の選択するビジュアルソースに関係なく、上記第2の切換手段がその検出されるオーディオソースを選択するようにと制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、ビジュアルソースの選択が検出されるときに、サイマルプレイモードの設定・非設定に関係なく、上記第1の切換手段がその検出されるビジュアルソースを選択するように制御するとともに、上記第2の切換手段がそのビジュアルソースに対応付けられるオーディオソースを選択するように制御する。
【0012】
また、制御手段は、ビジュアルソースの選択が検出されるときに、サイマルプレイモードが設定されている場合には、サイマルプレイモードを強制的に解除することで、ユーザの操作に依らずにサイマルプレイモードを自動解除するように制御することがある。
【0013】
そして、サイマルプレイモードが設定されているのか否かを表示するインジケータ手段を備えることがある。
【0014】
このように構成される本発明のAV機器では、制御手段は、ユーザによるオーディオソースの選択が検出されるときに、ボタン手段の操作によりサイマルプレイモードが設定されている場合には、第1の切換手段の選択するビジュアルソースに関係なく、第2の切換手段がその検出されるオーディオソースを選択するように制御する。
【0015】
このようにして、本発明のAV機器によれば、互いに関係しないビジュアルソースの映像とオーディオソースの音とを同時に出力するサイマルプレイが可能になる。
【0016】
このとき、サイマルプレイモードが設定されているのか否かを表示するインジケータを備える構成を採ったり、ビジュアルソースの選択を優先して、サイマルプレイモードが設定されているときに、ビジュアルソースが選択されるときには、そのビジュアルソースの映像に合わせた音を出力するように制御したり、サイマルプレイモードを自動解除するという構成を採ることから、使いやすいユーザインタフェースを実現できるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、車に搭載されるAV機器に適用した実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1に、車に搭載される本発明のAV機器のフロントパネルの一実施の形態を図示する。
【0019】
この図に示すように、本発明のAV機器のフロントパネルでは、メニューボタン、決定ボタン、カーソルボタン、電源ON/OFF付ボリュームつまみ、FM/AM/CD/MD/TV/AUXなどのソース選択用ボタンといった従来のAV機器が備えるボタンの他に、新たに、サイマルプレイモードの設定解除を指示するサイマルボタンを備える構成を採っている。
【0020】
このサイマルボタンは、ノーマルプレイモードにあるときに、ユーザにより操作されるとサイマルプレイモードの設定を指示するとともに、サイマルプレイモードにあるときに、ユーザにより操作されるとノーマルプレイモードの設定を指示するように動作する。
【0021】
更に、このサイマルボタンは、サイマルプレイモードにあるときには、その設定状態にあることをユーザに明示すべく、発光ダイオードなどにより点灯されるという構成が採られている。
【0022】
図2に、本発明のAV機器が本発明を実現するために備えるソース切換回路の一実施の形態を図示する。
【0023】
この図に示すように、本発明のAV機器では、ビジュアルソースを入力として、CPU1からの指示に従ってユーザの希望するビジュアルソースを選択してモニター2に出力する第1のスイッチ回路6と、オーディオソースを入力として、CPU1からの指示に従ってユーザの希望するオーディオソースを選択してアンプ4を介してスピーカ3に出力する第2のスイッチ回路7とで構成されるソース切換回路を備える構成を採っている。
【0024】
ここで、図中に示すボタン5は、フロントパネルに備えられるボタン群を示している。
【0025】
この第1及び第2のスイッチ回路6,7は、具体的には、図3に示すように、CPU1上で走行するスイッチ回路制御プログラム10の指示に応答して、ソース切換処理を実行する。
【0026】
図4ないし図6に、スイッチ回路制御プログラム10の実行する処理フローの一実施の形態を図示する。次に、この処理フローに従って、本発明のAV機器が実行する処理について詳細に説明する。
【0027】
スイッチ回路制御プログラム10は、電源が投入されることで起動されると、図4ないし図6の処理フローに示すように、先ず最初に、ステップ1で、ユーザによりボタン5が操作されるのを待って、ユーザによりボタン5が操作されることを検出すると、ステップ2に進んで、ユーザのボタン操作が電源切断を指示しているのか否かを判断して、電源切断を指示していることを判断するときには、処理を終了する。
【0028】
一方、ステップ2で、ユーザのボタン操作が電源切断を指示していないことを判断するときには、ステップ3に進んで、ユーザのボタン操作がサイマルプレイモードの設定を指示しているのか否かを判断する。すなわち、ノーマルプレイモードにあるときに、ユーザがフロントパネルのサイマルボタンを操作したのか否かを検出することで、ユーザがサイマルプレイモードの設定を指示したのか否かを判断するのである。
【0029】
このステップ3の判断処理により、ユーザのボタン操作がサイマルプレイモードの設定を指示していることを判断するときには、ステップ4に進んで、ノーマルプレイモードを解除してサイマルプレイモードに設定し、続くステップ5で、サイマルボタンを点灯(インジケータをON)することで、ユーザに対してサイマルプレイモードにあることを通知してから、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0030】
一方、ステップ3の判断処理により、ユーザのボタン操作がサイマルプレイモードの設定を指示していないことを判断するときには、ステップ6に進んで、ユーザのボタン操作がサイマルプレイモードの解除を指示しているのか否かを判断する。すなわち、サイマルプレイモードにあるときに、ユーザがフロントパネルのサイマルボタンを操作したのか否かを検出することで、ユーザがサイマルプレイモードの解除を指示したのか否かを判断するのである。
【0031】
このステップ6の判断処理により、ユーザのボタン操作がサイマルプレイモードの解除を指示していることを判断するときには、ステップ7に進んで、サイマルプレイモードを解除してノーマルプレイモードに設定し、続くステップ8で、サイマルボタンを消灯(インジケータをOFF)することで、ユーザに対してノーマルプレイモードにあることを通知してから、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0032】
一方、ステップ6の判断処理により、ユーザのボタン操作がサイマルプレイモードの解除を指示していないことを判断するときには、ステップ9に進んで、ユーザのボタン操作がビジュアルソースの選択を指示しているのか否かを判断する。すなわち、フロントパネルに設けられるTVボタンやAUXボタンが操作されたのか否かを判断するのである。
【0033】
このステップ9の判断処理により、ユーザのボタン操作がビジュアルソースの選択を指示していることを判断するときには、ステップ10に進んで、第1のスイッチ回路6がその選択されたビジュアルソースを選択するように制御することで、その選択されたビジュアルソースの映像をモニター2に出力する。
【0034】
続いて、ステップ11(図5の処理フロー)で、第2のスイッチ回路7がその選択されたビジュアルソースの音の音源となるオーディオソースを選択するように制御することで、その選択されたビジュアルソースの音をスピーカ3に出力する。
【0035】
すなわち、ユーザがビジュアルソースを選択するときには、サイマルプレイモード・ノーマルプレイモードに関係なく、その選択されたビジュアルソースの映像をモニター2に出力していくとともに、その選択されたビジュアルソースの音をスピーカ3に出力していくのである。
【0036】
続いて、ステップ12で、サイマルプレイモードに設定されているのか否かを判断して、サイマルプレイモードに設定されていることを判断するときには、ステップ13に進んで、サイマルプレイモードを解除してノーマルプレイモードに設定し、続くステップ14で、サイマルボタンを消灯(インジケータをOFF)することで、ユーザに対してノーマルプレイモードにあることを通知してから、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0037】
すなわち、ユーザがビジュアルソースを選択するときに、サイマルプレイモードが設定されているときには、フロントパネルのサイマルボタンに依らずに、サイマルプレイモードを自動的に解除していくように処理するのである。
【0038】
そして、ステップ12で、サイマルプレイモードに設定されていないことを判断するとき、すなわち、ノーマルプレイモードに設定されていることを判断するときには、このステップ13及びステップ14の処理を省略する。
【0039】
一方、ステップ9(図4の処理フロー)で、ユーザのボタン操作がビジュアルソースの選択を指示していないことを判断するときには、ステップ15(図5の処理フロー)に進んで、ユーザのボタン操作がオーディオソースの選択を指示しているのか否かを判断する。すなわち、フロントパネルに設けられるFMボタンやAMボタンやCDボタンやMDボタンが操作されたのか否かを判断するのである。
【0040】
このステップ15の判断処理により、ユーザのボタン操作がオーディオソースの選択を指示していることを判断するときには、ステップ16に進んで、サイマルプレイモードに設定されているのか否かを判断して、サイマルプレイモードに設定されていることを判断するときには、ステップ17に進んで、第2のスイッチ回路7がその選択されたオーディオソースを選択するように制御することで、その選択されたオーディオソースの音をスピーカ3に出力していくように制御してから、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0041】
すなわち、ユーザがオーディオソースを選択するときに、サイマルプレイモードに設定されているときには、モニター2に出力されるビジュアルソースの映像に関係なく、その選択されたオーディオソースの音をスピーカ3に出力していくのである。
【0042】
一方、ステップ16の判断処理により、サイマルプレイモードに設定されていないことを判断するとき、すなわち、ノーマルプレイモードに設定されていることを判断するには、ステップ18に進んで、ビジュアルソースの映像を出力中であるのか否かを判断して、ビジュアルソースの映像を出力中であることを判断するときには、第2のスイッチ回路7に対して何も処理を行うことなく、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0043】
すなわち、ユーザがオーディオソースを選択するときに、ノーマルプレイモードに従いつつビジュアルソースの映像を出力中であるときには、そのオーディオソースの選択を無視することで、出力中のビジュアルソースの音をそのままスピーカ3に出力していくのである。
【0044】
一方、ステップ18の判断処理により、ビジュアルソースの映像を出力中でないことを判断するときには、ステップ19(図6の処理フロー)に進んで、第2のスイッチ回路7が選択されたオーディオソースを選択するように制御することで、選択されたオーディオソースの音をスピーカ3に出力していくように制御してから、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0045】
すなわち、ユーザがオーディオソースを選択するときに、ノーマルプレイモードに従いつつオーディオソースの音のみを出力中であるときには、その選択されたオーディオソースの音をスピーカ3に出力していくのである。
【0046】
一方、ステップ15(図5の処理フロー)の判断処理により、ユーザのボタン操作がオーディオソースの選択を指示していないことを判断するときには、ステップ20(図6の処理フロー)に進んで、ユーザが操作するボタンに応じた処理を実行してから、次のボタン操作を待つべくステップ1に戻る。
【0047】
このようにして、スイッチ回路制御プログラム10は、ユーザのボタン操作に応答して第1及び第2のスイッチ回路6,7を制御することで、ユーザの希望するビジュアルソースの映像やオーディオソースの音を出力していくように処理するのである。
【0048】
図示実施の形態に従って本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実施の形態では、ビジュアルソースを選択するときに、サイマルプレイモードが設定されているときには、サイマルボタンの操作に依らずに、サイマルプレイモードを自動解除していくという構成を採ったが、サイマルプレイモードを自動解除していかないようにする構成を採ってもよい。
【0049】
また、実施の形態では、フロントパネルに設けられるサイマルボタンを使って、サイマルプレイモードを設定したり解除したりするという構成を採ったが、サイマルプレイモードの設定を指示するボタンと、サイマルプレイモードの解除を指示するボタンとを別々に用意することで、サイマルプレイモードを設定したり解除したりするという構成を採ってもよい。
【0050】
また、実施の形態では、サイマルボタンを点灯したり消灯したりすることで、サイマルプレイモードであるのか否かを示すインジケータを実現するという構成を採ったが、サイマルボタンとは別に用意してもよいし、モニター2にアイコン表示することなどで実現するという構成を採ってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のAV機器によれば、互いに関係しないビジュアルソースの映像とオーディオソースの音とを同時に出力するサイマルプレイが可能になる。
【0052】
このとき、サイマルプレイモードが設定されているのか否かを表示するインジケータを備える構成を採ったり、ビジュアルソースの選択を優先して、サイマルプレイモードが設定されているときに、ビジュアルソースが選択されるときには、そのビジュアルソースの映像に合わせた音を出力するように制御したり、サイマルプレイモードを自動解除するという構成を採ることから、使いやすいユーザインタフェースを実現できるようになる。
【0053】
そして、ユーザは簡単なボタン操作によりサイマルプレイを実行できるようになることから、車に搭載されるAV機器に適用する場合にも、ユーザは安全運転しながらサイマルプレイを楽しめるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAV機器が備えるフロントパネルの一実施の形態である。
【図2】本発明のAV機器が備えるソース切換回路の一実施の形態である。
【図3】スイッチ回路制御プログラムの説明図である。
【図4】スイッチ回路制御プログラムの実行する処理フローの一実施の形態である。
【図5】スイッチ回路制御プログラムの実行する処理フローの一実施の形態である。
【図6】スイッチ回路制御プログラムの実行する処理フローの一実施の形態である。
【図7】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 CPU
2 モニター
3 スピーカ
4 アンプ
5 ボタン
6 第1のスイッチ回路
7 第2のスイッチ回路

Claims (3)

  1. オーディオソースとビジュアルソースとを再生可能とするAV機器において、
    サイマルプレイモードの設定を指示するボタン手段と、
    モニターに出力するビジュアルソースを選択する第1の切換手段と、
    上記第1の切換手段とは独立に動作して、スピーカに出力するオーディオソースを選択する第2の切換手段と、
    オーディオソースの選択が検出されるときに、サイマルプレイモードが設定されている場合には、上記第1の切換手段の選択するビジュアルソースに関係なく、上記第2の切換手段がその検出されるオーディオソースを選択するようにと制御する制御手段とを備え
    上記制御手段は、ビジュアルソースの選択が検出されるときに、サイマルプレイモードの設定・非設定に関係なく、上記第1の切換手段がその検出されるビジュアルソースを選択するように制御するとともに、上記第2の切換手段がそのビジュアルソースに対応付けられるオーディオソースを選択するように制御する
    AV機器。
  2. 上記制御手段は、ビジュアルソースの選択が検出されるときに、サイマルプレイモードが設定されている場合には、サイマルプレイモードを強制的に解除する請求項1記載のAV機器。
  3. サイマルプレイモードが設定されているのか否かを表示するインジケータ手段を備える請求項1又は2記載のAV機器。
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