JP4486239B2 - 受信装置及びタイミング推定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル無線通信システムにおいて使用される受信装置及びタイミング推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の無線通信分野では、マルチメディア化の進展、通信トラフィックの増大などに伴い、伝送速度の高速化が望まれており、携帯電話などの小型無線端末を用いるシステムにおいてもその傾向は同様である。
【0003】
一方、無線通信の方式としては、周波数有効利用の面や集積化の容易さの面からディジタル変復調技術を用いた方式が主流となっており、送受信の際には符号化や変復調のベースバンド信号処理の部分をディジタル処理で行い、RF信号との周波数変換や増幅などをアナログ処理で行う構成が無線機の一般的な構成となっている。その際、アナログ部とディジタル部をつなぐ役割を担うアナログ/ディジタル変換器(以下、A/D変換器)やディジタル/アナログ変換器(以下、D/A変換器)は、非常に重要な構成要素の一つとなっており、高性能な送受信機を構成するためには、高精度なビット分解能、サンプリングレートを有するA/D、D/A変換器を用いることが望まれる。
【0004】
しかしながら、携帯端末のように小型低消費電力な構成が優先される構成の場合、必ずしも十分な性能を持つA/D変換器が用いられるとは限らない。特に、近年見られるように通信の伝送速度が高速化されてくると、A/D変換器におけるサンプリングレートは、シンボルレートに比べてあまり大きい値を取れなくなり、理想的な受信タイミングからずれたタイミングでサンプリングされた信号を用いて受信復調する場合もある。
【0005】
例えば、ナイキスト伝送されたディジタル変調信号を、シンボルレートの2倍のオーバサンプリングレートでサンプリングして受信復調に用いる場合、理想的な受信タイミング、すなわちナイキスト点のタイミングに対して最大で±1/4Tずれた信号を用いて受信復調をすることになる。
【0006】
以下、図8を参照して、従来のディジタル無線機においてサンプリングされたデータから受信タイミングを推定する方法の一例について簡単に説明する。受信、直交復調され、A/D変換器でサンプリングされたベースバンド信号は、一旦受信信号バッファ801に蓄積される。ここで、受信したディジタル変調信号は、バースト単位で構成されており、バースト内の所定の位置に同期用の既知シンボル列が挿入されているものとする。
【0007】
既知ベクトルテーブル802には、この既知シンボル列の区間を理想的なタイミングでサンプリングした場合に得られるべきベクトル列の複素共役ベクトル列があらかじめ算出され記憶されており、ベクトル演算回路803において、テーブルに記憶されているベクトル列と、受信バッファに蓄積されたI、Q信号のベクトル列との間で、第1の実施の形態の説明において示す式(1)と同様のベクトル演算がサンプルタイミング毎に行われ、それぞれのタイミング毎の相関度に相当する値が得られる。このベクトル演算結果は、理想的な受信タイミングに最も近いサンプリングタイミングの信号のベクトル列を用いた場合に最大値をとることになるので、タイミング推定回路804において、この演算結果が最大値をとる信号ベクトル列の位置を求めることにより、理想的な受信タイミングに最も近いサンプリングタイミングを検出することが可能となる。
【0008】
例えば、受信信号バッファ801に蓄積される信号のサンプリングレートがシンボルレートに対して2倍のオーバサンプリングレートの場合、±1/4T(Tはシンボル長)精度での推定が可能となる。本方法により推定された受信タイミングに基づき、受信ベクトルを選択してシンボル判定をしたり、送信する際の送信タイミングを決定したりする。受信感度特性やシステム的な送信タイミングに関して厳しい要求がないシステムでは、本方法により十分な性能が得られると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非常に高精度な送受信タイミングが要求される通信システムの端末に適用する場合には、図8のような従来の受信タイミング推定手段では、十分な推定精度が得られない。
【0010】
例えば、周波数利用効率を向上するために多値化した変調信号を用いたり、ナイキスト条件よりも狭帯域な送信帯域制限を施した変調信号などを誤ることなく受信するためには、より理想的な受信タイミングに近いサンプリングデータを得る必要がある。
【0011】
また、送信時のタイミングに、より細かいタイミング精度が要求される場合においても、より高精度なタイミング推定が必要である。タイミング推定精度を上げるためには、A/D変換器におけるサンプリングレートを上げる方法も考えられるが、端末における消費電力の増大や回路の大規模化を招いてしまう。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ディジタル無線機においてA/D変換器におけるサンプリングレートを上げることなく、受信タイミングをより高精度に推定することができ、端末の消費電流及びコストの低減を図ることができる受信装置及びタイミング推定方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る受信装置は、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定手段と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定手段と、を具備する構成を採る。
【0014】
この構成によれば、A/D変換回路へ供給するサンプリング・クロックの周期の2倍の時間分解能で、シンボルタイミングを推定することが可能となる。
【0015】
本発明の第2の態様に係る受信装置は、上記構成において、伝搬路状態を推定する伝搬路推定手段と、前記伝搬路状態に基づいて前記相関値比を更新する更新手段と、を具備する構成を採る。
【0016】
この構成によれば、演算値比に伝搬路環境を反映させることができ、伝搬路環境が変化しても高精度のタイミング推定を行って優れた受信性能を発揮することができる。
【0017】
本発明の第3の態様に係る受信装置は、特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数を蓄積する蓄積手段と、前記フィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行って複数のフィルタリング結果を出力する符号間干渉フィルタと、前記複数のフィルタリング結果に基づいてタイミング推定を行う第3タイミング推定手段と、を具備する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、ディジタル変調された信号を受信復調する際の受信タイミングを、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度に推定することが可能となる。
【0019】
本発明の第4の態様に係る受信装置は、上記構成において、前記第3タイミング推定手段で求められたタイミング推定結果を用いて前記受信信号におけるデータに対して復調処理を行う復調手段を具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、受信時のオーバサンプリングタイミングが理想的な受信タイミングよりもずれていても、より正確なシンボル判定が可能となる。
【0021】
本発明の第5の態様に係る受信装置は、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定手段と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定手段と、特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数を蓄積する蓄積手段と、前記第2タイミング推定手段で求められたタイミング推定結果を用いて選択したフィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行ってフィルタリング結果を出力する符号間干渉フィルタと、を具備する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、受信時のオーバサンプリングタイミングが理想的な受信タイミングよりずれていても、より正確なシンボル判定が可能となる。
【0023】
本発明の第6の態様は、受信装置を備えた通信端末装置であって、前記受信装置は、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定手段と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定手段と、を具備することを特徴とする通信端末装置を提供する。
【0024】
本発明の第7の態様は、受信装置を備えた通信端末装置であって、前記受信装置は、特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数を蓄積する蓄積手段と、前記フィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行って複数のフィルタリング結果を出力する符号間干渉フィルタと、前記複数のフィルタリング結果に基づいてタイミング推定を行う第3タイミング推定手段と、を具備することを特徴とする通信端末装置を提供する。
【0025】
本発明の第8の態様は、受信タイミング推定プログラムを格納したメモリを有するデバイスであって、前記受信タイミング推定プログラムは、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する手順と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する手順と、を含むことを特徴とするデバイスを提供する。
【0026】
本発明の第9の態様は、受信タイミング推定プログラムおよび特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数を格納したメモリを有するデバイスであって、前記受信タイミング推定プログラムは、前記フィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行って複数のフィルタリング結果を出力する手順と、前記複数のフィルタリング結果に基づいてタイミング推定を行う手順と、を含むことを特徴とするデバイスを提供する。
【0027】
本発明の第10の態様に係るタイミング推定方法は、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定工程と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定工程と、を具備する。
【0028】
この方法によれば、A/D変換回路へ供給するサンプリング・クロックの周期の2倍の時間分解能で、シンボルタイミングを推定することが可能となる。
【0029】
本発明の第11の態様に係るタイミング推定方法は、特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数を蓄積する蓄積工程と、前記フィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行って複数のフィルタリング結果を出力するフィルタリング工程と、前記複数のフィルタリング結果に基づいてタイミング推定を行う第3タイミング推定工程と、を具備する。
【0030】
この方法によれば、ディジタル変調された信号を受信復調する際の受信タイミングを、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度に推定することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下の実施の形態においては、A/D変換回路におけるサンプリングレートを上げることなく、受信タイミングをより高精度に推定可能とすることにより、端末の消費電流及びコストの低減を図る場合について説明する。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、所定のサンプリングレートで粗いタイミング推定(低精度)を行った後に、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比に基づいて高精度のタイミング推定(微調整)を行う場合について説明する。この場合、サンプル間の既知信号についての相関値比については、あらかじめ求めておく。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態1に係る受信装置を備えた通信端末装置の構成を示すブロック図である。図1においては、受信系のみを表記しており、送信系については表記を省略している。
【0034】
図1に示す通信端末装置においては、基地局装置から送信された下り回線信号(受信信号)は、アンテナ101を介して直交検波回路102で受信される。直交検波回路102では、受信信号(ディジタル変調信号)を直交周波数変換してベースバンド帯の同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)とし、I信号及びQ信号をそれぞれA/D変換回路103,104に出力する。直交検波回路102は、受信信号(ディジタル変調信号)を直交周波数変換してベースバンド帯の同相信号(I信号)および直交信号(Q信号)とし、I信号及びQ信号をそれぞれA/D変換回路103,104に出力する。本実施の形態では、ディジタル変調信号の変調方式は特に問わない。また、受信信号に対しては、直交検波回路102へ入力される前に、所定の無線受信処理(周波数変換、増幅、不要周波数帯の信号の除去(フィルタリング)など)が既に行われ、適切な入力レベル、周波数帯に設定されているものとする。
【0035】
A/D変換回路103は、サンプリングクロックに基づいてI信号をディジタル値に量子化し、量子化されたディジタルI信号を受信信号バッファ105に出力する。A/D変換回路104は、A/D変換回路103と同様の構成を有しており、Q信号を量子化し、ディジタルQ信号を受信信号バッファ105に出力する。本実施の形態では、A/D変換回路103,104の変換方式及びビット分解能については、システム仕様から決定されるものであれば特に限定されない。
【0036】
なお、本実施の形態では、受信信号は所定のディジタル変調を施され、バースト構成により基地局装置から送信された下り回線信号とし、バースト内に既知信号である既知シンボル列が挿入されているとする。ただし、既知シンボルの挿入位置や数は本実施の形態で限定されず、バースト中央部に数十シンボルの系列を挿入する構成でも良く、バースト内に所定間隔毎に挿入しても良い。また、サンプリングレートはここでは一例としてシンボルレートの2倍とする。
【0037】
受信信号バッファ105は、ディジタルI、Q信号をバッファリングする。例えば、受信信号バッファ105は、1バースト長以上の量子化データを記憶しておくメモリや、FIFO(First In First Out)バッファなどにより構成される。
【0038】
既知ベクトルテーブル106は、バースト内に挿入されている既知シンボル列区間を理想的なタイミングでサンプリングした場合に得られるベクトル系列の複素共役ベクトル系列を記憶しておく。例えば、既知ベクトルテーブル106は、RAMやROMなどのメモリにより構成される。本実施の形態では、既知ベクトルテーブル106は、既知シンボル列区間を2倍オーバサンプルした場合に相当する複素共役ベクトル系列を記憶しておくとする。
【0039】
ベクトル演算回路107は、受信信号バッファ105に記憶されたディジタルI、Q信号と既知ベクトルテーブル106に記憶された既知ベクトル列とを用いてベクトル演算を行い、その演算結果を演算結果バッファ108に出力する。例えば、ベクトル演算回路107は、ロジックにより構成された演算処理ブロックや、DSPにより構成される。演算の詳細については後に述べる。
【0040】
演算結果バッファ108は、ベクトル演算回路107からの演算結果をバッファリングする。例えば、演算結果バッファ108は、RAMなどのメモリやFIFOバッファなどにより構成される。
【0041】
タイミング推定回路109は、サンプリングされたディジタルI、Q信号系列と既知ベクトル系列とのベクトル演算結果を用いて、受信タイミングをオーバサンプリング間隔よりも細かい精度で推定する。本実施の形態では、タイミング推定回路109は、低精度タイミング推定回路1091、高精度タイミング推定回路1092により構成される。
【0042】
低精度タイミング推定回路1091は、演算結果バッファ108に記憶されたベクトル演算結果を用いて、受信タイミングをオーバサンプリングレートと同などの精度で推定する。すなわち、低精度タイミング推定回路1091は、第1段階の比較的粗いタイミング推定を行う。例えば、低精度タイミング推定回路1091は、ベクトル演算回路107における演算結果の値が最大となるタイミングを検出するピーク検出回路により構成される。
【0043】
高精度タイミング推定回路1092は、演算結果バッファ108に記憶されたベクトル演算結果と低精度タイミング推定回路1091の推定結果を用いて、受信タイミングをオーバサンプリングレートよりも高精度に推定する。すなわち、高精度タイミング推定回路1092は、第2段階の高精度のタイミング推定を行う。例えば、高精度タイミング推定回路1092は、演算値比テーブル1093と演算値比判定回路1094により構成される。
【0044】
演算値比テーブル1093は、後述する演算値比を微小時間単位毎にあらかじめ算出してテーブル値として記憶しておき、必要に応じて読み出す。
【0045】
ここで、演算値比とは、理想的な受信タイミングから微小時間だけずらしたタイミングで、受信信号をサンプリングして得られる信号系列に対してベクトル演算回路107と同じ演算を行ったときに得られる値をあらかじめ求めておき、この値と一サンプル前の時点での同演算値との比を算出したものである。この演算値比を、サンプリングレートよりも細かい時間単位毎にあらかじめ求めておく。本実施の形態では、理想的な受信タイミングから±1/4シンボルの範囲にわたって、1/16シンボルタイミングずれ毎の演算値比を算出しテーブル値として記憶しておく。
【0046】
演算値比判定回路1094は、低精度タイミング推定結果及び演算結果バッファ108に記憶されたベクトル演算結果、並びに演算値比テーブルの値を用いて高精度なタイミング推定を行う。その動作の詳細については後述する。なお、本実施の形態では、受信タイミング推定開始時に、バーストの大まかな位置についても未知であるとする。
【0047】
ディジタル復調回路110では、推定されたタイミング情報に基づいて、量子化されたI信号、Q信号のデータのうち、信号点に最も近いI信号、Q信号のサンプルデータを用いて復調を行い、復調されたデータ列(受信データ)を出力する。
【0048】
上記構成を有する通信端末装置における受信動作について説明する。ディジタル変調I、Q信号は、シンボルレートの2倍のオーバサンプリングレートでサンプリングされ、1バースト分以上の長さのディジタルデータ列が受信信号バッファ105に記憶される。
【0049】
ベクトル演算回路107では、受信信号バッファ105に記憶されているI、Q信号ベクトル列 Rx(m)={I(m), Q(m)}と既知ベクトルテーブル106に記憶されている既知ベクトルの複素共役ベクトル列 Ref*(i)={Iref(i), Qref(i)}とを用いて、式(1)に示すベクトル演算を行い、各サンプルタイミングmにおけるC(m)の値が求められ、演算結果が演算結果バッファ108に記憶される。
【数1】
Figure 0004486239
式(1)
ここで、Nはバースト内に挿入されている既知シンボルの数を表す。
【0050】
式(1)により得られるC(m)は、図2(a)に示すように、受信したバースト内で既知シンボルが挿入されている位置付近において最大値をもつことが知られている。したがって、低精度タイミング推定回路1091においてC(m)が最大となるタイミングを検出することにより、既知シンボルの挿入されているタイミングを±1/2シンボル長以内の精度で推定でき、このタイミングに基づいてバーストのタイミングを推定できる。
【0051】
図2(a)は、式(1)のベクトル演算をあらかじめ微小時間単位毎に求めた場合の演算結果を示すグラフである。また、図2(b)は、図2(a)に示す演算結果に対して、前後サンプル間、すなわち1/2シンボル間での演算値比R (t)=C(t)/C(t-T/2)をプロットしたグラフである。演算値比テーブル1093には、あらかじめ算出された1/16シンボルタイミング毎のR(t)の値が記憶されている。
【0052】
演算値比判定回路1094では、低精度タイミング推定回路1091において推定されたタイミングにおけるベクトル演算結果C(m)とその1/2シンボルタイミング前のベクトル演算結果C(m-1)との比 C(m)/C(m-1)が算出され、この値と最も近い演算値比テーブルの位置を検出することにより、高精度なタイミングを推定する。
【0053】
例えば、受信機における2倍オーバサンプリングのタイミングが、理想的な受信タイミングに対して-2/16シンボル長分ずれている場合、すなわち図2(a)における▼印のタイミングである場合を仮定し、その場合におけるタイミング推定の過程を説明する。
【0054】
まず、低精度タイミング推定回路1091によりC(m)のピークを検出することにより、t=-2/16Tが低精度タイミング推定結果として得られる。続いて演算値比判定回路1094において、R(t)=C(-2/16T)/C(-2/16T-1/2T)≒3.4が算出され、この値R(t)と図2(b)に示すような演算値比テーブル1093の値との間で比較を行う。この場合、この値R(t)がt=-2/16Tの時のテーブル値と最も近いので、現在のオーバサンプリングのタイミングが理想的な受信タイミングより、さらに-2/16シンボル長分ずれていることが推定できる。
【0055】
以上のように本発明の実施の形態によれば、受信時のサンプリングレートで粗いタイミング推定を行った後に、既知信号に対する相関値間の比に基づいて高精度のタイミング推定を行うので、ディジタル変調された信号を受信復調する際の受信タイミングを、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度に推定することが可能となる。特に、高精度タイミング推定回路におけるタイミング推定において、ベクトル演算値の比を用いることにより、受信信号レベルの絶対値ではなく前後の相対比を考慮すればよいので、受信時のAGCの制御誤差などの影響を防ぐことも可能となり、より高精度なタイミング推定が可能となる。
【0056】
なお、本実施の形態では、I、Q信号のオーバサンプリングレートをシンボルレートの2倍とし、高精度タイミング推定回路1092において推定するタイミング推定精度をシンボルレートの16倍とした場合について説明しているが、これに限定されない。この場合、高精度タイミング推定回路1092においてあらかじめ求めておくテーブル値の時間分解能をオーバサンプリングレートよりも高精度にしておけば良い。
【0057】
また、本実施の形態では、既知ベクトル列との相関度を求めるベクトル演算として式(1)を用いる構成とした場合について説明しているが、これに限定されず、ベクトル演算として例えば式(2)に示すようにベクトル積の和の絶対値を用いても良く、演算の簡略化のために、ベクトルの長さ2乗しない値を用いても良い。さらに、他に相関度に準じた結果が得られる演算があれば、それを用いても良い。
【数2】
Figure 0004486239
式(2)
【0058】
また、高精度にタイミングを推定する際に用いる判定基準として1サンプル前のベクトル演算結果との比R(t)を用いた場合について説明しているが、これに限定されず、例えば1サンプル後のベクトル演算結果との比R'(t)=C(t)/C(t+T/2)を用いても良く、あるいはR(t)とR'(t)を用いて最も尤度の高いタイミングを推定しても良い。さらには、演算値比を用いずに、前後数サンプル分の演算値をテーブルに記憶しておき、2乗誤差が最小となるタイミングを推定しても良い。
【0059】
なお、本実施の形態において高精度タイミング推定回路1092において用いる演算値比は、真値によるものであっても対数値の差分によるものであっても良い。
【0060】
また、送受信時のフィルタリングや通信伝搬路上での周波数/位相特性があらかじめ分かっている場合には、これらの特性を含めて既知ベクトルテーブルのデータを生成して記憶しておいても良い。さらに、図3に示すように、伝搬路推定回路301において受信信号から伝搬路推定を行い、その推定結果を演算値比再計算回路302に出力し、そこで演算値比を再計算し、再計算した演算値比を演算値比テーブル1093に出力して、演算値比テーブル1093を更新するようにしても良い。これにより、演算値比に伝搬路環境を反映させることができ、伝搬路環境が変化しても高精度のタイミング推定を行って優れた受信性能を発揮することができる。
【0061】
また、本実施の形態においては、バーストのタイミングが未知である場合を想定して説明しているが、これに限定されず、例えばバーストの受信タイミングが、あらかじめ例えば数シンボル程度の精度でわかっている場合には、このタイミングの前後数シンボル範囲に限ってベクトル演算を行うこととしても良い。
【0062】
また、本実施の形態では、受信タイミングを高精度に推定する方法のみについて説明しているが、これに限定されず、例えば本推定結果を用いてオーバサンプリングのタイミングを補正し、次バーストの受信時には理想的なサンプルタイミングを得られるようにする構成としても良く、本推定結果を復調時や送信時に用いても良い。
【0063】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、種々のフィルタタップで構成されたISI除去フィルタでフィルタリングした信号から最も信頼度の高い信号(フィルタリング結果)を選択して、その信号に対応するタイミングを検出する場合について説明する。
【0064】
図4は、本発明の実施の形態2に係る受信装置を備えた通信端末装置の構成を示すブロック図である。なお、図4に示す構成において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0065】
本実施の形態にける受信信号は、所定のディジタル変調を施され、バースト構成で送信された信号とする。さらに、このディジタル変調信号は、送信時の帯域制限フィルタリングや伝送路上の影響により符号間干渉(以下、ISI)が生じているとする。ただし、その干渉特性は受信装置側においてあらかじめ想定できているとする。
【0066】
また、実施の形態1と同様に、受信信号においては、バースト内に既知シンボル列が挿入されているとするが、既知シンボルの位置・数は本実施の形態で限定されない。また、サンプリングレートは一例としてシンボルレートの2倍であることとする。
【0067】
受信信号バッファ105は、ディジタルI、Q信号をバッファリングする。例えば、受信信号バッファ105は、1バースト長以上の量子化データを記憶しておくメモリや、FIFOバッファなどにより構成される。
【0068】
フィルタタップテーブル402には、受信するディジタル変調信号が送信時の帯域制限や伝送路上の影響により受けるISIの逆特性となるフィルタ係数をあらかじめ求めて読み出しテーブルとして記憶しておく。
【0069】
ここで、タップ係数は以下のように複数通り用意されているとする。すなわち、理想的な受信タイミングに対して1/16シンボルタイミングずつずらしたタイミングで2倍オーバサンプリングされたディジタル変調信号に対する逆特性となるタップ係数が(-4/16T、-3/16T、-2/16T、-1/16T、0、+1/16T、+2/16T、+3/16T、+4/16T)の9通り用意されている。
【0070】
なお、タップ係数はISIに対して完全な逆特性となっている必要は無く、例えば理想的な受信タイミングに最も近いサンプリングポイントのみにおいてISIが除去できるような特性となっていれば良い。送信時の帯域制限フィルタに、図5(a)のような特性のフィルタが用いられた場合、フィルタタップテーブルに蓄積される9通りのタップ係数の一例を図5(b)に示す。
【0071】
ISI除去フィルタ401は、ディジタルI、Q信号に対してISI除去のフィルタリング処理を施してベクトル演算回路403に出力する。フィルタタップテーブル402から複数通りのタップ係数が供給され、それぞれのタップ係数に応じたフィルタリング処理結果が出力される。既知ベクトルテーブル404は、バースト内に挿入されている既知シンボル列区間の複素共役ベクトルを記憶しておく。例えば、既知ベクトルテーブル404は、RAMやROMなどのメモリにより構成される。本実施の形態では、既知シンボル列区間のベクトル列に対して送信フィルタリング、伝送路特性、ISI除去フィルタリングを施したベクトルの複素共役ベクトルを2倍オーバサンプルの間隔で記憶しておく。
【0072】
ベクトル演算回路403は、入力されるディジタルI、Q信号データと既知ベクトルテーブル404に記憶された既知ベクトル列とを用いてベクトル演算を行う。例えば、ベクトル演算回路403は、ロジックにより構成された演算処理ブロックや、DSPにより構成される。演算については実施の形態1における式(1)を用いて行う。
【0073】
演算結果バッファ405は、ベクトル演算回路403での演算結果をバッファリングする。例えば、演算結果バッファ405は、RAMなどのメモリやFIFOバッファなどにより構成される。
【0074】
タイミング推定回路406は、受信したI、Q信号と既知ベクトル列との演算結果を用いて、受信タイミングをオーバサンプリング間隔よりも細かい分解能で推定し、推定結果を出力する。その動作の詳細については後述する。
【0075】
上記構成を有する通信端末装置の動作の詳細について説明する。
I、Q信号は、シンボルレートの2倍のオーバサンプリングレートでサンプリングされ、1バースト分以上の長さのディジタルデータ列が受信信号バッファ105に記憶される。ここでは、一例として理想的な受信タイミングに対してサンプリングタイミングが-2/16Tだけずれている場合を仮定する。
【0076】
ISI除去フィルタ401では、受信信号バッファ105に記憶されているディジタルI、Q信号データ列に対し、フィルタタップテーブル402から供給される9通りのフィルタップの各々を用いてフィルタリング処理を行う。この処理結果は、ベクトル演算回路403に出力される。この際に用いられる9通りのフィルタタップ係数のうち、-2/16Tのタイミングに基づいて算出されたタップ係数を用いた場合の結果のみ、ISIが理想的に除去された信号が出力されることになる。それ以外のタップ係数を用いた場合には、ISIが完全に除去されず、場合よってはフィルタ処理によりさらにISIによる歪成分が重畳することになる。
【0077】
ベクトル演算回路403では、ISI除去フィルタ401から出力される9通りのフィルタリング処理結果の各々に対して、実施の形態1における式(1)と同様のベクトル演算処理を行う。この演算結果は、演算結果バッファ405に出力される。
【0078】
演算結果バッファ405に出力される演算結果は、それぞれのサンプルタイミング毎に9種類得られることになる。タイミング推定回路406では、演算結果バッファ405に記憶された演算結果から、最大値をとる演算結果を検出する。2倍オーバサンプリング単位でみると、バースト内で既知ベクトル列が挿入されている位置に最も近いデータが用いられた場合に値が最大となる。さらに、そのタイミングにおいて算出された8通りのフィルタタップ係数による演算結果のうち、-2/16Tにタイミングに基づくフィルタタップ係数を用いた場合に、演算結果が最大値となる。したがって、最大値をとったサンプルタイミングが、理想的なサンプルタイミングに対して-2/16Tずれていると推定できる。
【0079】
以上のように本発明の実施の形態によれば、理想的なサンプルタイミングからのずれに対応するフィルタタップ係数を変えてフィルタリングした種々の演算結果から最も確からしい演算結果を選択し、その演算結果に対応する理想的なサンプルタイミングからのずれを求める。これにより、ディジタル変調された信号を受信復調する際の受信タイミングを、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度に推定することが可能となる。
【0080】
なお、本実施の形態では、既知ベクトル列との相関度を求めるベクトル演算として式(1)を用いた場合について説明しているが、実施の形態1と同様に、これに限るものではない。
【0081】
また、本実施の形態において仮定した、フィルタタップ係数テーブルの9通りの1/16シンボル分解能のタップ係数は一例に過ぎず、求めたいタイミング精度に応じて、シンボル分解能を細かくし、それに応じて用意するテーブル数を増やす構成としても良く、シンボル分解能を粗くし、それに応じて用意するテーブル数を減らす構成としても良い。
【0082】
また、本実施の形態では受信帯域制限フィルタについては特に明示していない。すなわち、受信信号は、受信装置内のIF部やサンプリング前の時点でフィルタ処理されても良く、受信バッファ内に蓄積された後、ISI除去フィルタの前段でフィルタ処理されても良く、ISI除去フィルタの特性に帯域制限の特性を求めても良い。
【0083】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、実施の形態2の方法で求められたタイミングで受信信号のデータ部分を復調する場合について説明する。
【0084】
図6は、本発明の実施の形態3に係る受信装置を備えた通信端末装置の構成を示すブロック図である。図6に示す構成では、データバッファ601、選択回路602、シンボル判定回路603を設けた以外は、図4に示す構成と同じである。したがって、図6において、図4と同じ部分については図4と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0085】
データバッファ601は、ISI除去フィルタ401から出力される、複数通りのフィルタリング処理結果をバッファリングする。例えば、データバッファ601は、1バースト長以上の量子化データを記憶しておくメモリや、FIFOバッファなどにより構成される。
【0086】
選択回路602は、タイミング推定結果に基づいて、複数通りのISI除去フィルタ出力結果のうち一通りを選択して出力する。シンボル判定回路603は、I、Q信号データを用いてディジタル変調された信号のシンボル判定を行う。本実施の形態では、QPSK変調された信号を準同期検波する場合を仮定し、受信バースト内で既知シンボルが挿入されている区間のベクトルデータを用いて位相補正を行った後、I−Q平面上を4つの領域に分割してシンボル判定する。
【0087】
上記構成を有する通信端末装置の動作について説明する。高精度に受信タイミングを推定する動作については実施の形態2と同様であるので、ここでは、受信装置においてタイミング推定結果を用いて復調動作を行う場合の動作について説明する。
【0088】
選択回路602では、タイミング推定回路406から供給されるタイミング推定結果に基づいて、データバッファ601に蓄積されている9通りのフィルタ出力のうちから合致するタイミングのフィルタ出力信号を選択してシンボル判定回路603へ出力する。このフィルタ出力信号は理想的なタップ係数によりISI成分が除去された状態である。このため、この信号に対してシンボル判定回路603によりシンボル判定を行うことにより、正常なシンボル判定結果が得られる。
【0089】
以上のように本発明の実施の形態によれば、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度にタイミングを推定し、得られたタイミング推定結果により想定されるタイミングのずれを考慮したフィルタタップ係数でISI除去フィルタリングされた信号を選択してシンボル判定する。これにより、受信時のオーバサンプリングタイミングが理想的な受信タイミングよりもずれていても、より正確なシンボル判定が可能となる。
【0090】
なお、本実施の形態では、ISI除去フィルタ出力を蓄積しておくデータバッファ601を図6に示す位置に設ける構成としているが、これに限定されず、例えばISI除去フィルタ401とベクトル演算回路403の間に設ける構成としても良い。また、本実施の形態では、一例として変調方式をQPSKとしているが、これに限定されず、種々の変調方式を適用することができる。
【0091】
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態1で説明した受信動作にISI除去フィルタを用いて高精度のタイミング推定を行う場合について説明する。
【0092】
図7は、本発明の実施の形態4に係る受信装置を備えた通信端末装置の構成を示すブロック図である。図7の構成において、フィルタタップテーブル402、ISI除去フィルタ401、及びシンボル判定回路701を設けた以外は、図1に示す構成と同じである。したがって、図7に示す構成において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。タイミング推定回路109は、実施の形態1において図1で説明したタイミング推定回路と同様の構成及び動作をする。本実施の形態においても、タイミング推定回路109では、直交復調され2倍オーバサンプリングされ得られたディジタルI、Q信号を用いて、1/16シンボルの単位で受信タイミングが得られる。
【0093】
フィルタタップテーブル402は、実施の形態7で説明したフィルタタップテーブルと同様であり、受信するディジタル変調信号が送信時の帯域制限や伝送路上の影響により受けるISIの逆特性となるフィルタ係数をあらかじめ求めて読み出しテーブルとして記憶しておく。ここで、タップ係数についても、フィルタタップテーブル402と同様に、理想的な受信タイミングに対して1/16シンボルタイミングずつずらしたタイミングで2倍オーバサンプリングされたディジタル変調信号に対する逆特性となるタップ係数が(-4/16T、-3/16T、-2/16T、-1/16T、0、+1/16T、+2/16T、+3/16T、+4/16T)の9通り用意されており、必要に応じてそのうち一通りのタップ係数が選択され出力される。
【0094】
ISI除去フィルタ401は、ディジタルI、Q信号に対してISI除去のフィルタリング処理を施してシンボル判定回路701に出力する。すなわち、ディジタルI、Q信号は、ISI除去フィルタ401でフィルタタップテーブル402からのフィルタタップ係数を用いてフィルタリング処理され、その結果がシンボル判定回路701に出力される。
【0095】
シンボル判定回路701は、I、Q信号データを用いてディジタル変調された信号のシンボル判定を行う。本実施の形態では、QPSK変調された信号を準同期検波する場合を仮定し、受信バースト内で既知シンボルが挿入されている区間のベクトルデータを用いて位相補正を行った後、I−Q平面上を4つの領域に分割してシンボル判定する。
【0096】
上記構成を有する通信端末装置における、高精度に受信タイミングを推定する動作については実施の形態1と同様であり、ここでは、受信装置においてタイミング推定結果を用いて復調動作を行う場合の動作について説明する。
【0097】
フィルタタップテーブル402では、タイミング推定回路109から出力されるタイミング推定結果に基づいて、蓄積されている9通りのフィルタタップ係数のうちから最適なフィルタタップ係数を選択してISI除去フィルタ401に出力する。例えば、タイミング推定結果が理想的な受信タイミングよりも-2/16Tだけずれている、という推定結果の場合、-2/16Tに基づくフィルタタップ係数が選択され、そのフィルタタップ係数がISI除去フィルタ401に出力される。
【0098】
このフィルタタップ係数によりフィルタリング処理された結果は、ISI成分が除去されているので、この信号に対してシンボル判定回路701でシンボル判定を行うことにより、正常なシンボル判定結果が得られる。
【0099】
以上のように本発明の実施の形態によれば、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度にタイミングを推定し、得られたタイミング推定結果により想定されるタイミングのずれを考慮したフィルタタップ係数によりISI除去フィルタリングされた信号を選択してシンボル判定する。これにより、受信時のオーバサンプリングタイミングが理想的な受信タイミングよりずれていても、より正確なシンボル判定が可能となる。
【0100】
上記実施の形態1〜4に係る受信装置は、その構成の全てもしくは一部を、DSPやCPUなどを用いてソフトウェアとして構成しても良い。例えば、上記受信タイミング推定のプログラムをROMに格納し、そのプログラムにしたがってCPUの指示により動作させるように構成しても良い。また、受信タイミング推定のプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、この記憶媒体のプログラムをコンピュータのRAMに記録して、プログラムにしたがって動作させるようにしても良い。このような場合においても、上記実施の形態1〜9と同様の作用、効果を呈する。
【0101】
例えば、受信タイミング推定プログラムをメモリに格納したデバイスであって、前記受信タイミング推定プログラムは、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第3タイミング推定結果を出力する手順と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比及び前記第3タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第4タイミング推定結果を出力する手順と、を含む、構成としても良い。
【0102】
また、受信タイミング推定プログラム及び特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数をメモリに格納してデバイスであって、前記受信タイミング推定プログラムは、前記フィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行って複数のフィルタリング結果を出力する手順と、前記複数のフィルタリング結果に基づいてタイミング推定を行う手順と、を含む、ように構成しても良い。
【0103】
以上説明したように、本発明によれば、A/D変換回路あるいはD/A変換回路のサンプリングの周期を、システム的な精度仕様から要求されるものより低減し、端末の消費電流及びコストの低減を図ることができる。
【0104】
また、本発明によれば、ディジタル変調された信号を受信復調する際の受信タイミングを、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度に推定することが可能となる。
【0105】
上記実施の形態1〜4においては、本発明に係る受信装置又は送受信装置を備えた通信端末装置について説明しているが、本発明にかかる受信装置及び送受信装置は、ディジタル無線通信システムにおける基地局装置に搭載することもできる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ディジタル変調された信号を受信復調する際の受信タイミングを、受信時のオーバサンプリングの分解能よりも高精度に推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置を備えた通信端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る受信装置における計算結果の一例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る受信装置を備えた通信端末装置の他の例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2に係る受信装置を備えた通信端末装置を示すブロック図
【図5】(a) 本発明の実施の形態2に係る送信帯域制限フィルタ特性を示す図
(b) 本発明の実施の形態2に係る受信装置におけるISI除去フィルタタップ係数を示す図
【図6】本発明の実施の形態3に係る受信装置を備えた通信端末装置を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4に係る受信装置を備えた通信端末装置を示すブロック図
【図8】従来の受信装置におけるタイミング推定を説明するための図
【符号の説明】
101 アンテナ
102 直交検波回路
103,104 A/D変換回路
105 受信信号バッファ
106 既知ベクトルテーブル
107 ベクトル演算回路
108 演算結果バッファ
109,406 タイミング推定回路
301 伝搬路推定回路
302 演算値比再計算回路
401 ISI除去フィルタ
402 フィルタタップテーブル
403 ベクトル演算回路
404 既知ベクトルテーブル
405 演算結果バッファ
601 データバッファ
602 選択回路
603,701 シンボル判定回路
1091 低精度タイミング推定回路
1092 高精度タイミング推定回路
1093 演算値比テーブル
1094 演算値比判定回路

Claims (6)

  1. 特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定手段と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定手段と、を具備することを特徴とする受信装置。
  2. 伝搬路状態を推定する伝搬路推定手段と、前記伝搬路状態に基づいて前記相関値比を更新する更新手段と、を具備することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  3. 特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定手段と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定手段と、特定のサンプリングレートよりも細かい時間単位ずらしてサンプリングした、受信信号における既知信号に対してそれぞれ符号間干渉を除去する特性を有するフィルタタップ係数を蓄積する蓄積手段と、前記第2タイミング推定手段で求められたタイミング推定結果を用いて選択したフィルタタップ係数を用いて受信信号に対してフィルタリングを行ってフィルタリング結果を出力する符号間干渉フィルタと、を具備することを特徴とする受信装置。
  4. 受信装置を備えた通信端末装置であって、前記受信装置は、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定手段と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定手段と、を具備することを特徴とする通信端末装置。
  5. 受信タイミング推定プログラムを格納したメモリを有するデバイスであって、前記受信タイミング推定プログラムは、特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する手順と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する手順と、を含むことを特徴とするデバイス。
  6. 特定のサンプルタイミングで受信信号のタイミング推定を行って第1タイミング推定結果を出力する第1タイミング推定工程と、前記サンプリングレートでサンプリングされたサンプル間の既知信号についての相関値比および前記第1タイミング推定結果に基づいてタイミング推定を行って第2タイミング推定結果を出力する第2タイミング推定工程と、を具備することを特徴とするタイミング推定方法。
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