JP4485896B2 - Pid制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、PIDコントローラのパラメータ調整に係り、特にオートチューニング機能を備えたPID制御装置に関するものである。
PIDコントローラのPIDパラメータの調整作業は、通常、試行錯誤のような形で行なわれるか、あるいはコントローラ自体が備えるオートチューニング(以下、ATとする)機能により簡易的に行なわれる。
従来のコントローラでは、AT機能の特徴、すなわち即応性重視であるか安定性重視であるかなどの融通性としては、何通りかのバリエーションが与えられ得る(例えば、特許文献1参照)。しかし、各バリエーションの個々について見れば、基本的にATの特徴は固定的になる。例えば、即応性重視のATであれば、比例帯Pbが小さめの値に算出されるように内部の調整公式が固定され、逆に安定性重視のATであれば、比例帯Pbが大きめの値に算出されるように内部の調整公式が固定されている。すなわち、特許文献1に開示されたAT機能では、PIDパラメータ調整の自由度は低い。
一方、このようなATの限界を鑑みて、PIDパラメータ調整支援ツールも開発されている(例えば、特許文献2参照)。この調整支援ツールによれば、制御対象の特徴を伝達関数で表現し、この伝達関数を用いたシミュレーションにより、精密にPIDパラメータを求めることができる。言い換えれば、調整支援ツールによれば、ATに比べはるかに自由度の高いPIDパラメータ調整を実現できる。この場合、多くの制御対象において、調整支援ツールで求めたPIDパラメータがATの結果ときっちり等しくなるということはなく、大なり小なり両者に差異が生じる。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開平5−289704号公報 特開2004−38428号公報
本来、ATの特徴は、制御対象の特徴に応じて変化することが望ましい。その理由は、例えば即応性重視のパラメータ調整を行う場合であっても、比例帯Pbを小さくするのがより好ましい制御対象もあれば、積分時間Tiを小さくするのがより好ましい制御対象もあるからである。しかし、上記のように、従来のAT機能では、PIDパラメータ調整の自由度は低い。したがって、従来のAT機能によりPIDパラメータを調整した場合、PIDコントローラの制御特性が、ATと制御対象との相性に左右されることは避けられず、パラメータ調整の自由度が低い従来のATでは十分に良好な制御特性が得られないのが実状である。
一方、調整支援ツールでは、制御対象に対する入出力データを収集する必要があり、通常はATに比べて何倍もの手間がかかるという問題点があった。簡易調整という要求の程度にもよるが、入出力データの収集が困難な現場環境やコントローラ機器の仕様次第では、常に調整支援ツールを利用しやすい状況にあるとは限らない。調整時間を短縮するためにも、ATによる簡易調整が望まれるケースは多い。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ATの自由度を高めることができるPID制御装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、調整支援ツールによるPIDパラメータ調整の精密さをATによる簡易調整で実現することができるPID制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、制御対象に一定振幅の操作量を出力し、この操作量出力に応じた制御応答に基づいてPIDパラメータを算出するリミットサイクル式のオートチューニング(AT)の機能を備えたPID制御装置であって、通常の制御動作時に、設定値と制御量との偏差に対して前記PIDパラメータに基づく制御演算を行って制御対象への操作量を算出するPID制御演算部と、前記ATの実行時の操作量下限設定値を予め記憶する操作量出力下限記憶部と、前記ATの実行時の操作量上限設定値を予め記憶する操作量出力上限記憶部と、比例帯と積分時間と微分時間とからなる前記PIDパラメータのうち、前記比例帯を修正する修正係数αを予め記憶する比例帯修正係数設定部と、前記積分時間を修正する修正係数βを予め記憶する積分時間修正係数設定部と、前記微分時間を修正する修正係数γを予め記憶する微分時間修正係数設定部と、前記ATの実行時に、前記操作量下限設定値を下限とし、かつ前記操作量上限設定値を上限とする操作量を前記制御対象に出力して、この操作量出力に応じた制御量の上下動の幅と上下動の時間に関する情報とを検出するリミットサイクルAT演算部と、前記上下動幅と前記修正係数αとの乗算結果に基づいて前記比例帯を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数βとの乗算結果に基づいて前記積分時間を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数γとの乗算結果に基づいて前記微分時間を算出し、これらの算出したPIDパラメータを前記PID制御演算部に設定するPIDパラメータ算出部と、前記制御対象に対する操作量出力とその応答結果から前記制御対象のモデルを生成し、この制御対象モデルと前記PID制御演算部とからなる制御系についてその制御応答を模擬するシミュレーションを行い、前記PIDパラメータを決定するPIDパラメータ調整支援ツール演算部と、このPIDパラメータ調整支援ツール演算部によって決定された比例帯、積分時間及び微分時間と、前記リミットサイクルAT演算部と前記PIDパラメータ算出部とによるATを制御対象に実行して算出された比例帯、積分時間及び微分時間に基づき、前記修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を算出する変更倍率算出部と、前記変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づき前記修正係数α,β,γを変更する修正係数変更部と、この修正係数変更部によって変更された修正係数αを前記比例帯修正係数設定部に設定する比例帯修正係数出力部と、前記修正係数変更部によって変更された修正係数βを前記積分時間修正係数設定部に設定する積分時間修正係数出力部と、前記修正係数変更部によって変更された修正係数γを前記微分時間修正係数設定部に設定する微分時間修正係数出力部とを備え、前記リミットサイクルAT演算部と前記PIDパラメータ算出部とによるATの実行後に前記修正係数α,β,γを変更した後は、前記リミットサイクルAT演算部と前記PIDパラメータ算出部とによるATのみによりPIDパラメータを調整することを特徴とするものである。
また、本発明のPID制御装置は、通常の制御動作時に、設定値と制御量との偏差に対して前記PIDパラメータに基づく制御演算を行って制御対象への操作量を算出するPID制御演算部と、前記ATの実行時の操作量下限設定値を予め記憶する操作量出力下限記憶部と、前記ATの実行時の操作量上限設定値を予め記憶する操作量出力上限記憶部と、比例帯と積分時間と微分時間とからなる前記PIDパラメータのうち、前記比例帯を修正する修正係数αを予め記憶する比例帯修正係数設定部と、前記積分時間を修正する修正係数βを予め記憶する積分時間修正係数設定部と、前記微分時間を修正する修正係数γを予め記憶する微分時間修正係数設定部と、前記ATの実行時に、前記操作量下限設定値を下限とし、かつ前記操作量上限設定値を上限とする操作量を前記制御対象に出力して、この操作量出力に応じた制御量の上下動の幅と上下動の時間に関する情報とを検出するリミットサイクルAT演算部と、前記上下動幅と前記修正係数αとの乗算結果に基づいて前記比例帯を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数βとの乗算結果に基づいて前記積分時間を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数γとの乗算結果に基づいて前記微分時間を算出し、これらの算出したPIDパラメータを前記PID制御演算部に設定するPIDパラメータ算出部と、前記制御対象に対する操作量出力とその応答結果から前記制御対象のモデルを生成し、この制御対象モデルと前記PID制御演算部とからなる制御系についてその制御応答を模擬するシミュレーションを行い、前記PIDパラメータを決定するPIDパラメータ調整支援ツール演算部と、前記制御対象モデルを用いて前記ATのシミュレーションを行い、このシミュレーションの応答結果と修正係数α,β,γの任意の仮設定値に基づいて前記PIDパラメータを算出するAT演算部と、前記PIDパラメータ調整支援ツール演算部によって決定された比例帯、積分時間及び微分時間と、前記AT演算部によって算出された比例帯、積分時間及び微分時間に基づき、前記修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を算出する変更倍率算出部と、前記変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づき前記修正係数α,β,γを変更する修正係数変更部と、この修正係数変更部によって変更された修正係数αを前記比例帯修正係数設定部に設定する比例帯修正係数出力部と、前記修正係数変更部によって変更された修正係数βを前記積分時間修正係数設定部に設定する積分時間修正係数出力部と、前記修正係数変更部によって変更された修正係数γを前記微分時間修正係数設定部に設定する微分時間修正係数出力部とを備え、前記AT演算部によるATのシミュレーションの実行後に前記修正係数α,β,γを変更した後は、前記リミットサイクルAT演算部とPIDパラメータ算出部とによるATのみによりPIDパラメータを調整するものである。
本発明によれば、比例帯修正係数設定部と積分時間修正係数設定部と微分時間修正係数設定部とを設け、PIDパラメータの調整公式に修正係数α,β,γを設定することにより、ATの自由度を高めることができる。
また、本発明では、PIDパラメータ調整支援ツール演算部によって精密調整されたPIDパラメータと、AT機能により簡易調整されたPIDパラメータに基づいて、修正係数α,β,γを変更することにより、PIDパラメータ調整支援ツールによるPIDパラメータ調整の精密さをATに反映させることができる。その結果、修正係数α,β,γを1回変更した後は、ATという簡易調整により、PIDパラメータ調整支援ツールと同等のPIDパラメータ調整結果を得ることができる。
また、本発明では、PIDパラメータ調整支援ツール演算部によって精密調整されたPIDパラメータと、AT演算部により簡易調整されたPIDパラメータに基づいて、修正係数α,β,γを変更することにより、PIDパラメータ調整支援ツールによるPIDパラメータ調整の精密さをATに反映させることができる。また、制御対象モデルを用いたシミュレーションによりATを実行するので、実際の制御対象を用いる場合に比べて修正係数変更のためのATを短時間で終了させることができる。
[発明の原理]
例えばリミットサイクル式のAT機能によりPIDパラメータを算出する際には、リミットサイクルの振幅や周期に基づき比例帯Pb、積分時間Ti及び微分時間Tdを算出するための調整公式というものがある。本発明では、この調整公式に計算結果を修正するための修正係数を設定し、この修正係数をある制約の範囲内で自由に数値変更できるようにする。これにより、調整公式に自由度が与えられるので、実質的にはATに自由度が与えられる。
次に、本発明では、ATによるPIDパラメータ調整の相性が、主に制御対象の違いによるというところに重要な着眼点がある。例えば温度制御においては、PIDパラメータ調整の相性が全く無秩序に変わるわけではなく、半導体製造装置のリフロー炉であればリフロー炉に相性のよい調整公式が存在し、食品製造装置の包装機であれば包装機に相性のよい調整公式が存在するというように、制御対象の特徴を反映して、理想的な調整公式が異なってくる。
よって、PID調整支援ツールにより精密調整されたPIDパラメータと、AT機能により簡易調整されたPIDパラメータとの比率を求め、この比率に基づき修正係数を自動的に数値変更できるように、コントローラとPID調整支援ツールを連携させる。これにより、PID調整支援ツールによる精密調整は原則として1回だけ実施すれば、この後は事実上ほぼ理想的な調整公式によるATが実行されることになるので、ATという簡易調整により、PID調整支援ツールの精密調整と同等の調整結果が得られるようになる。また、この修正係数の数値を同種類(類似特性)の制御対象に再利用できるように構成すれば、複数の制御ループにおいて、ATという簡易調整により、PID調整支援ツールの精密調整と同等の調整結果が得られるようになる。
以下に、本発明で用いるリミットサイクル式のATを図1を参照して説明する。リミットサイクル式のATでは、操作量振幅が一定のリミットサイクルを発生させて、PIDパラメータを調整する。ここでは、リミットサイクル時の操作量MVの上限値をAU、下限値をALとする。リミットサイクルオートチューニングの実行時、制御量PVと設定値SPとを比較し、制御量PVが設定値SPより大きい場合、操作量MVの下限値ALを制御対象に出力し、制御量PVが設定値SP以下の場合、操作量MVの上限値AUを制御対象に出力して、制御量PVの極値を検出する。
図1に示すように、検出した極値のうち、最新の極値における設定値SPと制御量PVとの偏差を第1の極値偏差Er1、2番目に新しい極値における偏差を第2の極値偏差Er2、3番目に新しい極値における偏差を第3の極値偏差Er3とする。また、第1の極値偏差Er1の直前に偏差の正負が逆転した時刻t5から第1の極値偏差Er1が得られた時刻t6までの時間を第1の操作量切換経過時間Th1とし、また、第2の極値偏差Er2の直前に偏差の正負が逆転した時刻t3から第2の極値偏差Er2が得られた時刻t4までの時間を第2の操作量切換経過時間Th2とする。
そして、制御量PVの極値を検出した後に、比例帯Pb、積分時間Ti及び微分時間Tdを算出する。標準(デフォルト)の調整公式の1例を以下に示す。
Pb=100.0Ah/{0.9(AU−AL)} ・・・(1)
Ti=2.0Th ・・・(2)
Td=0.42Th ・・・(3)
Thは第1の操作量切換経過時間Th1と第2の操作量切換経過時間Th2との平均値(Th=(Th1+Th2)/2)であり、Ahは制御量PVの最降下点から最上昇点までの上下動幅(Ah=|Er2−Er1|)である。このとき、式(1)〜式(3)にそれぞれ修正係数α,β,γが以下のように組み込まれるとする。
Pb=100.0αAh/{0.9(AU−AL)} ・・・(4)
Ti=2.0βTh ・・・(5)
Td=0.42γTh ・・・(6)
言うまでもなく、α=β=γ=1.0の場合が、標準の調整公式に該当する。
ここで、あるPID制御装置XにおいてATを実行したとき、標準の調整公式(α=β=γ=1.0)により得られた比例帯PbをPbAT、積分時間TiをTiAT、微分時間TdをTdATとすると、PbAT=10.0、TiAT=200.0、TdAT=42.0というPIDパラメータが得られたとする。
このとき、このPIDパラメータを用いた装置Xの制御特性が十分に良好なものではないため、周知のPIDパラメータ調整支援ツールを利用することとする。PIDパラメータ調整支援ツールは、例えば特開2004−38428号公報に開示されている。このツールにより得られた比例帯PbをPbTL、積分時間TiをTiTL、微分時間TdをTdTLとすると、PbTL=15.0、TiTL=140.0、TdTL=84.0というPIDパラメータが得られたとする。
PIDパラメータ調整支援ツールにより算出されたPIDパラメータとAT機能により算出されたPIDパラメータとの比率から、修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を以下のように算出する。
Rα=PbTL/PbAT=1.5 ・・・(7)
Rβ=TiTL/TiAT=0.7 ・・・(8)
Rγ=TdTL/TdAT=2.0 ・・・(9)
修正係数α,β,γにそれぞれ変更倍率Rα,Rβ,Rγ を乗算して修正係数α,β,γを変更する。すなわち、αRα =1.5を新たな修正係数αとし、βRβ =0.7を新たな修正係数βとし、γRγ =2.0を新たな修正係数γとする。式(4)〜式(6)の修正係数α,β,γをそれぞれα=1.5、β=0.7、γ=2.0に変更した調整公式を用いて、同じPID制御装置Xにおいて再度ATを実行し、全く同じリミットサイクル波形が再現できたとすれば、比例帯PbAT=15.0、積分時間TiAT=140.0、微分時間TdAT=84.0というPIDパラメータが得られることになる。したがって、ATという簡易調整により、PID調整支援ツールの精密調整と同等の調整結果が得られるようになる。
なお、ここで特に重要なのは、PID制御装置Xあるいはこれと同種類(類似特性)の装置X’では、修正係数α=1.5、β=0.7、γ=2.0という調整公式が制御対象との相性が良いもので、汎用性のある調整公式として利用できることである。すなわち、PID調整支援ツールによる精密調整を1回だけ実施すれば、この後はその精密調整と同等のATが実行されることになる。
参考例
以下、本発明の参考例について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の参考例となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図である。図2のPID制御装置は、コントローラ部1と、AT機能部2とから構成される。
コントローラ部1は、制御装置のオペレータによって設定された設定値SPを入力する設定値SP入力部4と、図示しないセンサによって検出された制御量PVを入力する制御量PV入力部5と、図示しない制御対象に操作量MVを出力する操作量MV出力部6と、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出するPID制御演算部(PIDコントローラ)7とを有する。
AT機能部2は、ATの実行時の操作量下限設定値ALを予め記憶する操作量出力下限AL記憶部8と、ATの実行時の操作量上限設定値AUを予め記憶する操作量出力上限AU記憶部9と、比例帯Pbを修正する修正係数αを予め記憶する比例帯Pb修正係数α設定部10と、積分時間Tiを修正する修正係数βを予め記憶する積分時間Ti修正係数β設定部11と、微分時間Tdを修正する修正係数γを予め記憶する微分時間Td修正係数γ設定部12と、ATの実行時に、操作量下限設定値ALを下限とし、かつ操作量上限設定値AUを上限とする操作量を制御対象に出力して、この操作量出力に応じた制御応答を検出するリミットサイクルAT演算部13と、検出された制御応答と修正係数α,β,γに基づいてPIDパラメータを算出し、算出したPIDパラメータをPID制御演算部7に設定するPIDパラメータ算出部14とを有する。
次に、本参考例のPID制御装置のAT機能部2の動作を図3を用いて説明する。設定値SPは、制御装置のオペレータによって設定され、設定値SP入力部4を介してPID制御演算部7とリミットサイクルAT演算部13に入力される。制御量PVは、図示しないセンサによって検出され、制御量PV入力部5を介してPID制御演算部7とリミットサイクルAT演算部13に入力される。操作量下限設定値ALは、予めオペレータによって設定され、操作量出力下限AL記憶部8に格納される。同様に、操作量上限設定値AUは、予めオペレータによって設定され、操作量出力上限AU記憶部9に格納される。
例えばオペレータの指示によりAT機能が起動すると(図3ステップS101)、リミットサイクルAT演算部13は、制御量PVと設定値SPを比較し(ステップS102)、制御量PVが設定値SPより大きい場合、操作量出力下限AL記憶部8に記憶された操作量下限設定値ALを操作量MV出力部6に出力する。操作量MV出力部6は、この操作量下限設定値ALを操作量MVとして制御対象に出力する(ステップS103)。
また、リミットサイクルAT演算部13は、ステップS102において制御量PVが設定値SP以下の場合、操作量出力上限AU記憶部9に記憶された操作量上限設定値AUを操作量MV出力部6に出力する。操作量MV出力部6は、この操作量上限設定値AUを操作量MVとして制御対象に出力する(ステップS104)。
次に、リミットサイクルAT演算部13は、上下動極値検出処理を行う(ステップS105)。図4は、この上下動極値検出処理を示すフローチャートである。まず、リミットサイクルAT演算部13は、設定値SPと制御量PVに基づいて現制御周期の偏差Erを次式により算出する(図4ステップS201)。
Er=SP−PV ・・・(10)
続いて、リミットサイクルAT演算部13は、次式が成立するかどうかを判定する(ステップS202)。
|Er|>|Ermax| ・・・(11)
式(11)において、Ermaxは偏差の最大値で、初期値は0である。リミットサイクルAT演算部13は、式(11)が成立する場合、Ermax=Er、すなわち現制御周期の偏差Erを最大偏差Ermaxとする(ステップS203)。
次に、リミットサイクルAT演算部13は、偏差Erの正負が切り換わったかどうかを次式により判定する(ステップS204)。
ErEr0<0 ・・・(12)
ここで、Er0は1制御周期前の偏差である。式(12)は、現在の偏差Erと1制御周期前の偏差Er0の乗算結果が負のとき、偏差Erの正負が逆転したと判断するものである。式(12)が不成立の場合は、上下動極値検出が完了していないと判断して、ステップS102に戻る。
ステップS102〜S104とS105(ステップS201〜S204)の処理が1制御周期ごとに繰り返されると、偏差Erの増大に伴って最大偏差Ermaxが更新される。そして、図1の時刻t1になると、式(12)が成立する。式(12)が成立したとき、リミットサイクルAT演算部13は、Er1=Ermax、すなわち最大偏差Ermaxを第1の極値偏差Er1として記憶する。また、リミットサイクルAT演算部13は、前回式(12)が成立した時刻から最大偏差Ermaxが更新された最新時刻までの時間を第1の操作量切換経過時間Th1として記憶する(ステップS205)。なお、式(12)が初めて成立した場合には、第1の操作量切換経過時間Th1を0とする。
次に、リミットサイクルAT演算部13は、上下動極値検出完了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS206)。本参考例では、制御量PVの極値を4つ検出することを上下動極値検出完了条件とする。ここでは、制御量PVの極値を1つ検出しただけなので、上下動極値検出が完了していないと判断し、最大偏差Ermaxを0に初期化して(ステップS207)、ステップS102に戻る。
ステップS102〜S104とS105(ステップS201〜S204)の処理を1制御周期ごとに繰り返し、図1の時刻t3になると、式(12)が再び成立する。式(12)が成立したとき、リミットサイクルAT演算部13は、Er2=Er1、Er1=Ermax、Th2=Th1、すなわち第1の極値偏差Er1の値を第2の極値偏差Er2に代入し、最大偏差Ermaxを新たな第1の極値偏差Er1とし、第1の操作量切換経過時間Th1の値を第2の操作量切換経過時間Th2に代入する。さらに、リミットサイクルAT演算部13は、前回式(12)が成立した時刻t1から最大偏差Ermaxが更新された最新時刻t2までの時間を新たな第1の操作量切換経過時間Th1として記憶する(ステップS205)。
次に、リミットサイクルAT演算部13は、上下動極値検出完了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS206)。ここでは、制御量PVの極値を2つ検出しただけなので、最大偏差Ermaxを0に初期化して(ステップS207)、ステップS102に戻る。
図1の時刻t5になると、式(12)が再び成立する。式(12)が成立したとき、リミットサイクルAT演算部13は、Er3=Er2、Er2=Er1、Er1=Ermax、Th2=Th1、すなわち第2の極値偏差Er2の値を第3の極値偏差Er3に代入し、第1の極値偏差Er1の値を第2の極値偏差Er2に代入し、最大偏差Ermaxを新たな第1の極値偏差Er1とし、第1の操作量切換経過時間Th1の値を第2の操作量切換経過時間Th2に代入する。さらに、リミットサイクルAT演算部13は、前回式(12)が成立した時刻t3から最大偏差Ermaxが更新された最新時刻t4までの時間を新たな第1の操作量切換経過時間Th1として記憶する(ステップS205)。
次に、リミットサイクルAT演算部13は、上下動極値検出完了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS206)。ここでは、制御量PVの極値を3つ検出しただけなので、最大偏差Ermaxを0に初期化して(ステップS207)、ステップS102に戻る。
図1の時刻t7になると、式(12)が再び成立する。式(12)が成立したとき、リミットサイクルAT演算部13は、Er3=Er2、Er2=Er1、Er1=Ermax、Th2=Th1とし、前回式(12)が成立した時刻t5から最大偏差Ermaxが更新された最新時刻t6までの時間を新たな第1の操作量切換経過時間Th1として記憶する(ステップS205)。
次に、リミットサイクルAT演算部13は、上下動極値検出完了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS206)。ここでは、制御量PVの極値を4つ検出し終えたので、上下動極値検出が完了したと判断し、最大偏差Ermaxを0に初期化して(ステップS208)、ステップS106に進む。
上下動極値検出の完了後、PIDパラメータ算出部14は、リミットサイクルAT演算部13で検出された制御応答の結果と、比例帯Pb修正係数α設定部10、積分時間Ti修正係数β設定部11及び微分時間Td修正係数γ設定部12に設定された修正係数α,β,γにより、PIDパラメータを以下のように算出する(ステップS106)。
Pb=100.0α|Er2−Er1|/{0.9(AU−AL)} ・・・(13)
Ti=β(Th1+Th2) ・・・(14)
Td=0.21γ(Th1+Th2) ・・・(15)
そして、リミットサイクルAT演算部13は、算出した比例帯Pb、積分時間Ti及び微分時間TdをPID制御演算部7に設定する。以上でATが終了する。
AT終了後の通常の制御動作では、PID制御演算部7は、設定値SP入力部4から入力された設定値SP、制御量PV入力部5から入力された制御量PVに基づいて、次式のように操作量MVを算出することを1制御周期ごとに行う。
MV=(ζ/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV) ・・・(16)
式(16)において、sはラプラス演算子、定数ζは例えば100である。PID制御演算部7によって算出された操作量MVは、操作量MV出力部6を介して制御対象に出力される。
以上のように、本参考例では、式(13)〜式(15)に示すように、PIDパラメータの調整公式に修正係数α,β,γを設定することにより、ATの自由度、すなわちPIDパラメータ調整の自由度を高めることができる。
第1の実施の形態
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。参考例によれば、ATの自由度を高めることができるが、PID制御装置の制御特性が良好でない場合、オペレータが手動で修正係数α,β,γを変更しなければならない。本実施の形態は、修正係数α,β,γの自動的な変更を実現するものである。図5、図6は、本発明の第1の実施の形態となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図であり、図2と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態のPID制御装置は、コントローラ部1aと、AT機能部2aと、PIDパラメータ調整支援ツール部3aとから構成される。
コントローラ部1aは、参考例のコントローラ部1の構成に加えて、さらに、ATの実行結果としてPID制御演算部7に格納されているとPIDパラメータ(比例帯Pb、積分時間Ti、微分時間Td)をPIDパラメータ調整支援ツール部3aに出力するPIDパラメータ出力部15を有するものである。
AT機能部2aは、参考例のAT機能部2の構成に加えて、さらに、比例帯Pb修正係数α設定部10に設定されている修正係数αをPIDパラメータ調整支援ツール部3aに出力する第1の比例帯Pb修正係数α出力部16と、積分時間Ti修正係数β設定部11に設定されている修正係数βをPIDパラメータ調整支援ツール部3aに出力する第1の積分時間Ti修正係数β出力部17と、微分時間Td修正係数γ設定部12に設定されている修正係数γをPIDパラメータ調整支援ツール部3aに出力する第1の微分時間Td修正係数γ出力部18とを有するものである。
PIDパラメータ調整支援ツール部3aは、制御対象のモデルを生成し、この制御対象モデルとPID制御演算部7の制御アルゴリズムとからなる制御系についてその制御応答を模擬するシミュレーションを行い、PIDパラメータを決定するPIDパラメータ調整支援ツール演算部19と、AT機能部2aから出力されたPIDパラメータを後述する変更倍率算出部に入力するPIDパラメータ入力部20と、AT機能部2aから出力された修正係数αを後述する修正係数変更部に入力する比例帯Pb修正係数α入力部21と、AT機能部2aから出力された修正係数βを修正係数変更部に入力する積分時間Ti修正係数β入力部22と、AT機能部2aから出力された修正係数γを修正係数変更部に入力する微分時間Td修正係数γ入力部23と、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19によって決定されたPIDパラメータとPIDパラメータ算出部14によって算出されたPIDパラメータに基づき、修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を算出する変更倍率算出部24と、変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づき修正係数α,β,γを変更する修正係数変更部25と、修正係数変更部25によって変更された修正係数αを比例帯Pb修正係数α設定部10に設定する第2の比例帯Pb修正係数α出力部26と、修正係数変更部25によって変更された修正係数βを積分時間Ti修正係数β設定部11に設定する第2の積分時間Ti修正係数β出力部27と、修正係数変更部25によって変更された修正係数γを微分時間Td修正係数γ設定部12に設定する第2の微分時間Td修正係数γ出力部28とを有する。
次に、本実施の形態のPID制御装置のAT機能部2aとPIDパラメータ調整支援ツール部3aの動作を図7を用いて説明する。
AT機能部2aによるPIDパラメータの算出処理は、参考例で説明したAT機能部2の動作と同じである。本実施の形態では、ATの実行後にPID制御演算部7に設定されている比例帯Pb、積分時間Ti及び微分時間TdをPIDパラメータ出力部15を介してPIDパラメータ調整支援ツール部3aに出力する。ここでは、PIDパラメータ出力部15から出力される比例帯PbをPbAT、積分時間TiをTiAT、微分時間TdをTdATとする。
PIDパラメータ調整支援ツール部3aは、ATの実行後に起動する。PIDパラメータ出力部15から出力された比例帯PbAT、積分時間TiAT及び微分時間TdATは、PIDパラメータ入力部20を介して変更倍率算出部24に入力され、保存される(図7ステップS301)。
続いて、AT機能部2aの第1の比例帯Pb修正係数α出力部16は、比例帯Pb修正係数α設定部10に設定されている修正係数αをPIDパラメータ調整支援ツール部3aに出力する。同様に、第1の積分時間Ti修正係数β出力部17は、積分時間Ti修正係数β設定部11に設定されている修正係数βを出力し、第1の微分時間Td修正係数γ出力部18は、微分時間Td修正係数γ設定部12に設定されている修正係数γを出力する。AT機能部2aから出力された修正係数α,β,γは、それぞれ比例帯Pb修正係数α入力部21、積分時間Ti修正係数β入力部22、微分時間Td修正係数γ入力部23を介して修正係数変更部25に入力され、保存される(ステップS302)。
次に、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19は、特開2004−38428号公報に開示された制御パラメータ調整プログラムを実装しており、PIDパラメータ精密調整により比例帯Pb、積分時間Ti及び微分時間Tdを求める(ステップS303)。このPIDパラメータ調整支援ツール演算部19の動作を簡単に説明すると、まず制御対象に操作量を与え、それに応じて制御対象から出力される制御量を検出することを一定周期毎に繰り返すことにより、操作量の時系列データと制御量の時系列データとからなる制御データを収集する。続いて、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19は、予め想定されている制御対象の伝達関数と収集した制御データとを使って、伝達関数のパラメータを同定することにより、制御対象のモデルを生成する。このとき、制御対象モデルの生成元となる複数の伝達関数が予め用意されており、この中から最も適切な伝達関数が選択される。
次に、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19は、生成した制御対象のモデルとPID制御演算部7の制御アルゴリズムとを使ってシミュレーションを行い、PIDパラメータを決定する。このPIDパラメータの決定処理は、制御アルゴリズムに設定するPIDパラメータを変更しながら、PID制御演算部7の制御動作を繰り返しシミュレーションし、制御結果をオペレータに提示して、所望の制御結果が得られたときにオペレータが指示してシミュレーションを終了させることにより、最終的なPIDパラメータを決定するものである。PIDパラメータ調整支援ツール演算部19が決定した比例帯PbをPbTL、積分時間TiをTiTL、微分時間TdをTdTLとする。変更倍率算出部24は、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19から出力された比例帯PbTL、積分時間TiTL及び微分時間TdTLを保存する。
そして、変更倍率算出部24は、修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を次式のように算出する(ステップS304)。
Rα=PbTL/PbAT ・・・(17)
Rβ=TiTL/TiAT ・・・(18)
Rγ=TdTL/TdAT ・・・(19)
次に、修正係数変更部25は、変更倍率算出部24から出力された変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づき修正係数α,β,γを次式のように変更する(ステップS305)。
α←αRα ・・・(20)
β←βRβ ・・・(21)
γ←γRγ ・・・(22)
すなわち、修正係数変更部25は、修正係数α,β,γにそれぞれ変更倍率Rα,Rβ,Rγ を乗算した値を新たな修正係数α,β,γとする。
第2の比例帯Pb修正係数α出力部26は、修正係数変更部25によって変更された修正係数αをAT機能部2aに出力して、比例帯Pb修正係数α設定部10に記憶されている修正係数αを前記変更された修正係数αの値に再設定する。同様に、第2の積分時間Ti修正係数β出力部27は、修正係数変更部25によって変更された修正係数βを出力して、積分時間Ti修正係数β設定部11に記憶されている修正係数βを前記変更された修正係数βの値に再設定する。さらに、第2の微分時間Td修正係数γ出力部28は、修正係数変更部25によって変更された修正係数γを出力して、微分時間Td修正係数γ設定部12に記憶されている修正係数γを前記変更された修正係数γの値に再設定する(ステップS306)。
以上のように、本実施の形態では、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19により精密調整されたPIDパラメータと、AT機能部2aにより簡易調整されたPIDパラメータとの比率を求め、この比率に基づき修正係数α,β,γを変更することにより、PIDパラメータ調整支援ツールによるPIDパラメータ調整の精密さをATに反映させることができ、修正係数α,β,γを1回変更した後は、ATという簡易調整により、PIDパラメータ調整支援ツールと同等のPIDパラメータ調整結果を得ることができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図であり、図6と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態のPID制御装置は、図2に示したコントローラ部1と、AT機能部2と、図8に示すPIDパラメータ調整支援ツール部3bとから構成される。
PIDパラメータ調整支援ツール部3bは、第1の実施の形態のPIDパラメータ調整支援ツール部3aにおいて、PIDパラメータ入力部20の代わりに、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19によって生成された制御対象モデルを用いてATのシミュレーションを行い、このシミュレーションの応答結果と修正係数α,β,γの任意の仮設定値に基づいてPIDパラメータを算出するAT演算部29を設けたものであり、また変更倍率算出部24の代わりに、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19によって決定されたPIDパラメータとAT演算部29によって算出されたPIDパラメータに基づき、修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を算出する変更倍率算出部30を設けたものである。
次に、本実施の形態のPID制御装置のPIDパラメータ調整支援ツール部3bの動作を図9を用いて説明する。本実施の形態では、AT機能部2の起動よりも前に、例えばオペレータの指示によりPIDパラメータ調整支援ツール部3bを起動させる。ツール部3bが起動すると、まずPIDパラメータ調整支援ツール演算部19が第1の実施の形態で説明した制御対象のモデリングを行い、この後に以下の処理が行われる。
AT演算部29は、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19が生成した制御対象モデルと修正係数α,β,γの任意の仮設定値とを用いて、リミットサイクル式ATをシミュレーションし、比例帯Pb、積分時間Ti及び微分時間Tdを算出する(図9ステップS401)。すなわち、AT演算部29は、図3、図4で説明したATと同様の処理を行うが、このとき対象となるのは、実際の制御対象ではなく、制御対象モデルである。また、式(13)〜式(15)を用いてPIDパラメータを算出するときの修正係数α,β,γはAT機能部2に設定されている値ではなく、AT演算部29に予め設定されている仮の値である。ここでは、AT演算部29が算出した比例帯PbをPbAT、積分時間TiをTiAT、微分時間TdをTdATとする。AT演算部29から出力された比例帯PbAT、積分時間TiAT及び微分時間TdATは、変更倍率算出部30に入力され、保存される。
次に、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19は、PIDパラメータ精密調整により比例帯PbTL、積分時間TiTL及び微分時間TdTLを求める(ステップS402)。このステップS402の処理は図7のステップS303と同様である。変更倍率算出部30は、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19から出力された比例帯PbTL、積分時間TiTL及び微分時間TdTLを保存する。
変更倍率算出部30は、修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を式(17)〜式(19)により算出する(ステップS403)。
修正係数変更部25は、比例帯Pb修正係数α入力部21、積分時間Ti修正係数β入力部22、及び微分時間Td修正係数γ入力部23から入力された修正係数α,β,γを、変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づいて式(20)〜式(22)のように変更する(ステップS404)。
第2の比例帯Pb修正係数α出力部26は、修正係数変更部25によって変更された修正係数αをAT機能部2に出力して、比例帯Pb修正係数α設定部10に記憶されている修正係数αの値を再設定する。同様に、第2の積分時間Ti修正係数β出力部27は、修正係数変更部25によって変更された修正係数βを出力して、積分時間Ti修正係数β設定部11に記憶されている修正係数βの値を再設定する。さらに、第2の微分時間Td修正係数γ出力部28は、修正係数変更部25によって変更された修正係数γを出力して、微分時間Td修正係数γ設定部12に記憶されている修正係数γの値を再設定する(ステップS405)。
以上のように、本実施の形態では、PIDパラメータ調整支援ツール演算部19により精密調整されたPIDパラメータと、AT演算部29により簡易調整されたPIDパラメータとの比率を求め、この比率に基づき修正係数α,β,γを変更することにより、PIDパラメータ調整支援ツールによるPIDパラメータ調整の精密さをAT機能部2に反映させることができる。
本実施の形態と第1の実施の形態との違いは、第1の実施の形態が実際の制御対象を用いてATを実行するのに対し、本実施の形態では制御対象モデルを用いて修正係数変更のためのATを実行する点である。実際の制御対象を用いてATを実行すると、ATが終了するまでに長時間を要する場合があるが、本実施の形態によれば、シミュレーションを用いることにより、修正係数変更のためのATを短時間で終了させることができる。第1の実施の形態と同様に、修正係数α,β,γを1回変更した後は、AT機能部2のATにより、PIDパラメータ調整支援ツールと同等のPIDパラメータ調整結果を得ることができる。
また、本実施の形態では、制御対象モデルを用いたATのシミュレーションにより、式(13)〜式(15)の算出に必要な第1の極値偏差Er1、第2の極値偏差Er2、第1の操作量切換経過時間Th1及び第2の操作量切換経過時間Th2を求めることができ、実際の制御対象を用いてATを実行する際に、これらの値がどの程度の大きさになるかを予め確認することができる。
なお、参考例、第1の実施の形態、第2の実施の形態で説明したPID制御装置は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
本発明は、オートチューニング機能を備えたPID制御装置に適用することができる。
本発明で用いるリミットサイクル式のオートチューニングを説明するための波形図である。 本発明の参考例となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図である。 図2のAT機能付PID制御装置のAT機能部の動作を示すフローチャートである。 図2のリミットサイクルAT演算部の上下動極値検出処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図である。 図5、図6のAT機能付PID制御装置のAT機能部とPIDパラメータ調整支援ツール部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態となるAT機能付PID制御装置の構成を示すブロック図である。 図8のAT機能付PID制御装置のPIDパラメータ調整支援ツール部の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1、1a…コントローラ部、2、2a…AT機能部、3a、3b…PIDパラメータ調整支援ツール部、4…設定値SP入力部、5…制御量PV入力部、6…操作量MV出力部、7…PID制御演算部、8…操作量出力下限AL記憶部、9…操作量出力上限AU記憶部、10…比例帯Pb修正係数α設定部、11…積分時間Ti修正係数β設定部、12…微分時間Td修正係数γ設定部、13…リミットサイクルAT演算部、14…PIDパラメータ算出部、15…PIDパラメータ出力部、16…第1の比例帯Pb修正係数α出力部、17…第1の積分時間Ti修正係数β出力部、18…第1の微分時間Td修正係数γ出力部、19…PIDパラメータ調整支援ツール演算部、20…PIDパラメータ入力部、21…比例帯Pb修正係数α入力部、22…積分時間Ti修正係数β入力部、23…微分時間Td修正係数γ入力部、24、30…変更倍率算出部、25…修正係数変更部、26…第2の比例帯Pb修正係数α出力部、27…第2の積分時間Ti修正係数β出力部、28…第2の微分時間Td修正係数γ出力部、29…AT演算部。

Claims (2)

  1. 制御対象に一定振幅の操作量を出力し、この操作量出力に応じた制御応答に基づいてPIDパラメータを算出するリミットサイクル式のオートチューニング(AT)の機能を備えたPID制御装置において、
    通常の制御動作時に、設定値と制御量との偏差に対して前記PIDパラメータに基づく制御演算を行って制御対象への操作量を算出するPID制御演算部と、
    前記ATの実行時の操作量下限設定値を予め記憶する操作量出力下限記憶部と、
    前記ATの実行時の操作量上限設定値を予め記憶する操作量出力上限記憶部と、
    比例帯と積分時間と微分時間とからなる前記PIDパラメータのうち、前記比例帯を修正する修正係数αを予め記憶する比例帯修正係数設定部と、
    前記積分時間を修正する修正係数βを予め記憶する積分時間修正係数設定部と、
    前記微分時間を修正する修正係数γを予め記憶する微分時間修正係数設定部と、
    前記ATの実行時に、前記操作量下限設定値を下限とし、かつ前記操作量上限設定値を上限とする操作量を前記制御対象に出力して、この操作量出力に応じた制御量の上下動の幅と上下動の時間に関する情報とを検出するリミットサイクルAT演算部と、
    前記上下動幅と前記修正係数αとの乗算結果に基づいて前記比例帯を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数βとの乗算結果に基づいて前記積分時間を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数γとの乗算結果に基づいて前記微分時間を算出し、これらの算出したPIDパラメータを前記PID制御演算部に設定するPIDパラメータ算出部と、
    前記制御対象に対する操作量出力とその応答結果から前記制御対象のモデルを生成し、この制御対象モデルと前記PID制御演算部とからなる制御系についてその制御応答を模擬するシミュレーションを行い、前記PIDパラメータを決定するPIDパラメータ調整支援ツール演算部と、
    このPIDパラメータ調整支援ツール演算部によって決定された比例帯、積分時間及び微分時間と、前記リミットサイクルAT演算部と前記PIDパラメータ算出部とによるATを制御対象に実行して算出された比例帯、積分時間及び微分時間に基づき、前記修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を算出する変更倍率算出部と、
    前記変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づき前記修正係数α,β,γを変更する修正係数変更部と、
    この修正係数変更部によって変更された修正係数αを前記比例帯修正係数設定部に設定する比例帯修正係数出力部と、
    前記修正係数変更部によって変更された修正係数βを前記積分時間修正係数設定部に設定する積分時間修正係数出力部と、
    前記修正係数変更部によって変更された修正係数γを前記微分時間修正係数設定部に設定する微分時間修正係数出力部とを備え、
    前記リミットサイクルAT演算部と前記PIDパラメータ算出部とによるATの実行後に前記修正係数α,β,γを変更した後は、前記リミットサイクルAT演算部と前記PIDパラメータ算出部とによるATのみによりPIDパラメータを調整することを特徴とするPID制御装置。
  2. 制御対象に一定振幅の操作量を出力し、この操作量出力に応じた制御応答に基づいてPIDパラメータを算出するリミットサイクル式のオートチューニング(AT)の機能を備えたPID制御装置において、
    通常の制御動作時に、設定値と制御量との偏差に対して前記PIDパラメータに基づく制御演算を行って制御対象への操作量を算出するPID制御演算部と、
    前記ATの実行時の操作量下限設定値を予め記憶する操作量出力下限記憶部と、
    前記ATの実行時の操作量上限設定値を予め記憶する操作量出力上限記憶部と、
    比例帯と積分時間と微分時間とからなる前記PIDパラメータのうち、前記比例帯を修正する修正係数αを予め記憶する比例帯修正係数設定部と、
    前記積分時間を修正する修正係数βを予め記憶する積分時間修正係数設定部と、
    前記微分時間を修正する修正係数γを予め記憶する微分時間修正係数設定部と、
    前記ATの実行時に、前記操作量下限設定値を下限とし、かつ前記操作量上限設定値を上限とする操作量を前記制御対象に出力して、この操作量出力に応じた制御量の上下動の幅と上下動の時間に関する情報とを検出するリミットサイクルAT演算部と、
    前記上下動幅と前記修正係数αとの乗算結果に基づいて前記比例帯を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数βとの乗算結果に基づいて前記積分時間を算出し、前記上下動の時間に関する情報と前記修正係数γとの乗算結果に基づいて前記微分時間を算出し、これらの算出したPIDパラメータを前記PID制御演算部に設定するPIDパラメータ算出部と、
    前記制御対象に対する操作量出力とその応答結果から前記制御対象のモデルを生成し、この制御対象モデルと前記PID制御演算部とからなる制御系についてその制御応答を模擬するシミュレーションを行い、前記PIDパラメータを決定するPIDパラメータ調整支援ツール演算部と、
    前記制御対象モデルを用いて前記ATのシミュレーションを行い、このシミュレーションの応答結果と修正係数α,β,γの任意の仮設定値に基づいて前記PIDパラメータを算出するAT演算部と、
    前記PIDパラメータ調整支援ツール演算部によって決定された比例帯、積分時間及び微分時間と、前記AT演算部によって算出された比例帯、積分時間及び微分時間に基づき、前記修正係数α,β,γの変更倍率Rα,Rβ,Rγ を算出する変更倍率算出部と、
    前記変更倍率Rα,Rβ,Rγ に基づき前記修正係数α,β,γを変更する修正係数変更部と、
    この修正係数変更部によって変更された修正係数αを前記比例帯修正係数設定部に設定する比例帯修正係数出力部と、
    前記修正係数変更部によって変更された修正係数βを前記積分時間修正係数設定部に設定する積分時間修正係数出力部と、
    前記修正係数変更部によって変更された修正係数γを前記微分時間修正係数設定部に設定する微分時間修正係数出力部とを備え
    前記AT演算部によるATのシミュレーションの実行後に前記修正係数α,β,γを変更した後は、前記リミットサイクルAT演算部とPIDパラメータ算出部とによるATのみによりPIDパラメータを調整することを特徴とするPID制御装置
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