JP4485669B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維質基材と溶融樹脂膜とをラミネートすることにより積層体を製造する方法に関するもので、さらに詳しくは、層間接着性に優れた積層体を、コンパクトな装置を用いて、効率よく、高い生産性をもって製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン重合体は、加工性、ヒートシール性等に優れるところから、種々の基材に対するラミネート材料として広く使用されている。一般には、あらゆる基材の積層に使用することができ、また生産コストも安価な点から、押出ラミネートによる積層法が使用されている。
一般には、基材フィルムとの接着性を考慮して、オレフィン重合体として、官能基を有するものや官能基を付与されたものが多用されており、また場合によっては基材として、そのラミネート面をアンカーコート処理されたものが使用されることがある。
【0003】
しかしながら、このような材料を使用した場合においても、押出ラミネート法で積層した場合、オレフィン重合体と基材との間の層間接着力が充分に大きくできない場合があることが問題となっている。
【0004】
このような接着力不足を解消するために、積層体を長時間熱処理することが有効であることは知られている。
例えば、特開平7−148899号公報によれば、官能基を含んでもよいポリオレフィン系樹脂を基材フィルムに押出ラミネートによって積層する場合、得られる積層フィルムを熱処理することによって接着強度が高められることが示されている。
同様に、特開平9−234845号公報によれば、基材フィルムに、官能基を含んでもよいポリオレフィン系樹脂をオゾン処理のような表面処理した後積層する場合、得られる積層フィルムを熱処理することによって接着強度が高められることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの熱処理は、積層フィルムをオーブンなどを使用して長時間行うものであり、そのため加熱エージングルームのような広いスペースが必要であるとともに、生産効率が悪いという難点があった。
【0006】
また、ラミネート加工した積層フィルムのロールの巻径が大きくなると、フィルムの熱伝導が劣るため、ロール中心部まで昇温するのに長時間を要する。そのため加熱が不均一となったり、接着強度のばらつきや接着強度の不足が生ずる恐れがあった。
【0007】
本発明者らは、熱可塑性樹脂の溶融膜を繊維質基材にラミネートするに際してダイ直下のエアギャップ内に赤外線加熱機構を配置して、溶融樹脂膜に赤外線を照射するときには、繊維質基材に対する樹脂膜の層間接着性が顕著に向上することを見出した。
したがって、本発明の目的は、繊維質基材と溶融樹脂膜とのラミネートにより、層間接着性に優れた積層体を、コンパクトな装置を用いて、効率よく、しかも高い生産性をもって製造できる方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、熱可塑性樹脂を溶融樹脂膜として押し出すダイと、溶融樹脂膜と繊維質基材とをラミネートするためのニップ位置との間のエアギャップ内で、ダイから押し出された展延状態の溶融樹脂膜に赤外線を照射して再加熱することを特徴とする積層体の製造方法が提供される。
本発明の製造方法は、製膜可能及びラミネート可能な任意の熱可塑性樹脂に適用できるが、熱可塑性樹脂がオレフィン系重合体である場合、特に熱可塑性樹脂がエチレンと、不飽和カルボン酸、その誘導体及びビニルエステルからなる群より選択された少なくとも1種の単量体との共重合体である場合に、特に優れた効果が得られる。
また、本発明の製造方法においては、前記エアギャップ内で溶融樹脂膜にオゾン吹き付けをも併用することが、接着強度を一層向上させるために好ましい。
【0009】
【発明の実施の態様】
本発明では、熱可塑性樹脂の溶融膜を繊維質基材にラミネートするが、熱可塑性樹脂を溶融樹脂膜として押し出すダイと、溶融樹脂膜と繊維質基材とをラミネートするためのニップ位置との間のエアギャップ内で、ダイから押し出された展延状態の溶融樹脂膜に赤外線を照射して再加熱することが特徴である。
本発明によれば、上記エアギャップ内で赤外線を溶融樹脂膜に照射して再加熱するという簡単な手段で、樹脂膜と繊維質基材との層間接着性を向上させることができる。
【0010】
赤外線照射による加熱は、加熱熱量の調節が容易であり、加熱温度や昇温速度の設定が容易である;装置が小さくて済み、構造が簡単であるので、オンライン設置が可能である;材料を選択的且つ集中的に加熱できるので、熱効率が高い:などの利点を有しているが、この赤外線加熱を、前記エアギャップ位置での溶融樹脂膜に適用することにより、次の利点が達成される。
【0011】
即ち、ダイから押し出された溶融樹脂膜が展延状態で赤外線加熱域に供給されるので、単位面積当たりの熱容量が小さく、溶融樹脂膜を著しく短時間の内に所定の温度に加熱できる。
また、溶融樹脂膜の展延状態での赤外線加熱であるため、膜を全面にわたって均一な温度に加熱できる。
更に、層間接着性向上のための処理を、ダイ直下のエアギャップ内で行えるため、処理のための格別のスペースが必要でなく、層間接着性に優れた積層体を、コンパクトな装置を用いて、効率よく、しかも高い生産性をもって製造できる。
【0012】
本発明においては、前記エアギャップ内で、赤外線照射と同時にオゾン吹き付けをも併用することが好ましく、これにより、樹脂膜と繊維質基材との層間接着性を一層顕著に向上させることができる。
【0013】
[積層体の製造]
本発明の積層体の製造に用いる装置の一例を示す図1において、この押出コートによる積層装置は、大まかにいって、樹脂を溶融混練する押出機に接続された、溶融樹脂膜を押し出すためのTダイ1、ダイから押し出された溶融樹脂膜2を繊維質基材3に積層するためのラミネートロール4、及び形成される積層体5を巻き取るための巻き取り機6とからなっている。
この装置においても、Tダイ1の先端とラミネートロール4及び加圧ロール41とのニップ位置との間のエアギャップには溶融樹脂膜2を加熱するための赤外線ヒータ7或いは更にオゾン吹き付け用ノズル8が設けられている。
【0014】
Tダイ1は、押出機から供給される溶融樹脂をフィルム幅に広げるためのものであり、その流路形態からコートハンガータイプやストレートマニホールド型のものが使用される。Tダイ1は、ダイの幅方向の樹脂流量を均一に調節するための調節ボルト(図示せず)を備えており、この流量の調節は、チョークバー方式、フレキシブルリップ方式、ヒートボルト方式などのそれ自体公知の方式により行うことができる。
【0015】
ラミネートロール4は、Tダイから押し出された高温の溶融樹脂膜2を繊維質基材3に圧着させると共に冷却固化させるものであり、内部に水を通すことにより、樹脂膜を強制冷却するようになっている。
【0016】
本発明では、Tダイ1の先端とラミネートロール4のニップ位置との間のエアギャップAに溶融樹脂膜2を加熱するための赤外線ヒーター7を配置する。この赤外線加熱機構7により溶融樹脂膜2に赤外線を照射することにより、溶融樹脂膜2の再加熱が効率よく行われ、繊維質基材3への密着性が顕著に向上するのである。
【0017】
本発明では、ダイから押し出しされた溶融樹脂膜2を、単なる外部加熱とは異なり、赤外線照射により再加熱することに重大な意義がある。即ち、フィルム形成に用いる熱可塑性樹脂は、例外なしに赤外線に対して吸収性を有している。このため、溶融樹脂膜2に赤外線を照射すると、樹脂分子の内部から発熱し、短時間の内に樹脂膜の均一且つ一様な加熱が可能となる。
【0018】
赤外線ヒーター7は、押し出される溶融樹脂膜2の幅方向に配置するのがよく、この赤外線ヒーター7としては、波長0.7乃至15μmの赤外線を放射しうる赤外線放射体が使用される。赤外線加熱装置の熱源としては、燃焼熱、電気抵抗発熱等何れの熱源を利用するものでもよく、この輻射体は、線状輻射体であっても、或いは点状輻射体を線状に配置したものであっても、細幅の面状輻射体であってもよい。例えば、燃焼バーナーのフレーム(火炎)をセラミック製輻射体と接触させる方式の赤外線加熱装置、ニクロム線等の抵抗発熱体の周囲にセラミック輻射体を設け或いはセラミック輻射体中に抵抗発熱体を埋めこんだ赤外線加熱装置、赤外線加熱ランプなどが何れも使用される。セラミック輻射体としては、赤外線放射率の比較的高いジルコニア、アルミナ、チタニア、或いはこれらの複合体などが好適に使用される。
放射体の表面温度は一般に500乃至2000℃の温度にあることが好ましく、また、単位長さ当たりの入力は、溶融樹脂膜の厚みや速度(流速)によっても相違するが、一般に10乃至200W/cmの範囲にあることが好ましい。
放射体は線状ヒーターを単独で或いは複数本並べて用いることもできるし、また細幅の面状発熱体或いはパイプ状の発熱体として用いることもできる。
【0019】
本発明では、溶融樹脂膜の再加熱に赤外線ヒーターを使用することにより、次の付加的利点が達成される。
加熱機構が簡単な構造でしかもコンパクトであり、また設置スペースが小さくて済むので、ダイと冷却機構との間の小さなエアギャップにも十分に設置することができる。
加熱対象が展延された状態の溶融樹脂膜であり、樹脂の赤外線吸収性とも相俟って、樹脂膜を選択的且つ集中的に加熱できるので熱効率が高く、しかも周辺機器への影響も殆どない。
加熱熱量の調節が容易であり、樹脂の種類や特性の変動や運転条件の変動にも十分に対処できる。
【0020】
一方、上記赤外線ヒーター7と組み合わせて用いるオゾン吹き付けノズル8としては、それ自体公知のオゾン発生器からのオゾン含有ガスを吹き付けるためのノズルが使用される。オゾン発生器としては、高電圧放電(無声放電や沿面放電)によるオゾン発生を利用したものが一般的であるが、パルス放電法によるオゾン発生機、例えば石川島播磨重工業株式会社製のパルス・ストリーマ放電方式のオゾン発生機を使用することもできる。
オゾン含有ガス中のオゾン濃度は1g/m3以上、好ましくは5g/m3以上とし、またその吹きつけ量は溶融膜幅に対し20ml/分/cm以上、好ましくは100ml/分/cm以上とするのが良い。
オゾン吹き付けノズルは、溶融樹脂膜2に対して、赤外線ヒーター7よりも下流側に設置して、オゾンの吹き付けを行うことが望ましい。
【0021】
ラミネートに際して、繊維質基材3は基材ロール31から巻き戻されて、加圧ロール41を経てラミネートロール4のニップ位置に送られる。ラミネートロールのニップ位置の上方に位置するTダイ1から押し出される溶融樹脂膜2は、赤外線ヒータ7により再加熱され、或いは更にオゾン吹き付けノズル8からオゾンが吹き付けられた状態で、繊維基材3とラミネートロール4との間に供給され、ラミネートロール4と加圧ロール41との間で繊維基材3に圧着されると共に、ラミネートロール4により急冷され、積層操作が完了される。
形成される積層体5は、ガイドロール61を経て巻き取り装置6に巻き取られる。
【0022】
[繊維質基材]
本発明に用いる繊維質基材は、繊維から構成され且つ基材表面の繊維に特有の凹凸が形成されているものであり、紙、合成紙、不織布、織布などがこれ該当するものである。
基材を構成する原料繊維としては、綿、麻、パルプ等の天然繊維、再生セルロース系(レーヨン等)、ポリアミド系(ナイロン等)、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリロニトリル系(アクリル等)、ポリオレフィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系(ビニロン等)等の化学繊維が挙げられる。
【0023】
紙としては、植物繊維或いは更に他の繊維を絡み合わせ、膠着させてできた薄層としたものが使用される。このタイプの容器には、従来包装の分野で使用されている任意の紙が基体として使用され、植物繊維としては、砕木パルプ、リファイナーグランドパルプ、亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、クラフトパルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプ等の木材パルプ、或いは木綿パルプ、亜麻パルプ、麻パルプ、こうぞパルプ、みつまたパルプ、わらパルプ、竹パルプ、パガスパルプ等のその他のパルプ類が単独または2種以上の組み合わせで使用され、これらは、クラフト紙、模造紙、ロール紙、中質紙、ボード、グラシン紙、パーチメント、アート紙等の形で、また板目紙、段ボール原紙(ライナー)、段ボール中シン原紙等の板紙の形で使用される。
これら紙基体の坪量(JIS P8124)は、紙質によっても相違するが、一般に10乃至1000g/m2、特に30乃至700g/m2の範囲にあり、更に厚さ(JIS P8124)は、一般に5μm乃至1mm、特に30μm乃至0.8mmの範囲にあるものが好ましい。尚、坪量/厚さで定義される緊度は、一般的にいって、0.1乃至1.5g/cm3のものが適している。
【0024】
合成紙としては、前述した合成繊維の短繊維を叩解し、リファイニングし、所望により木材パルプと共に抄造してなるものが使用される。合成樹脂パルプとしては、ポリオレフィン等の合成樹脂の溶媒および水よりなる、高温、高圧の分散液を減圧領域中に放出することによりフラッシュ紡糸して、水中に分散した繊維状物を得、これを叩解またはリファイニングして得たものが、特に好適に使用される。この合成紙は、バインダーとして、低密度ポリエチレンの短繊維、ポリエチレンカットファイバー、ビニロンバインダー繊維などの水分散性合成樹脂短繊維、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂、スターチなどの糊剤、アクリル樹脂エマルジョン、及びエポキシ樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマルジョン、合成ゴムあるいは天然ゴムのラテックスを含んだものであってもよい。
【0025】
不織布としては、前述した天然繊維、再生繊維或いは合成繊維の単独或いは2種以上の組合せから形成された任意の不織布が使用される。即ち、上記繊維のステープル繊維或いはマルチフィラメント糸のウエッブをスパンボンド或いはメルトボンドした不織布や或いは繊維形成性重合体をメルトブローすることによりシート化したメルトブローウン不織布が用いられる。
【0026】
織布としては、前述した天然繊維、再生繊維或いは合成繊維の単独或いは2種以上の組合せから形成されたステープル紡績糸、マルチフィラメント糸を織成したものが使用され、織り組織は特に限定されず、平織り布、綾織り布などが挙げられる。
【0027】
本発明に用いる繊維質基材には、それ自体公知の接着性向上のための表面処理を行うことができる。例えば、溶融樹脂膜を施す表面をあらかじめコロナ放電処理しておくことができる。また、それ自体公知のアンカーコート剤で処理しておくこともできる。
【0028】
[ラミネート用樹脂]
本発明において、繊維質基材へのラミネートに用いる熱可塑性樹脂としては、押出製膜可能な熱可塑性樹脂であれば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂などの任意の熱可塑性樹脂が使用できる。
しかしながら、これらの樹脂のうちでも、オレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LULDPE)、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等に適用できる。
これらのうちでも、エチレン系共重合体、特にエチレンと、不飽和カルボン酸、その誘導体及びビニルエステルからなる群より選択された少なくとも1種の単量体との共重合体である場合に、特に優れた効果が得られる。
【0029】
共単量体である飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などを挙げることができる。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、次のものが挙げられる。
不飽和カルボン酸の無水物:例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等。
不飽和カルボン酸のエステル:アクリル樹脂としては、アクリル酸やメタクリル酸のエステル;例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル等[ただし上記の(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す]、不飽和二塩基酸のハーフ乃至ジエステル;例えばフマール酸モノメチル、フマール酸ジエチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等。
不飽和カルボン酸のアミド類:(メタ)アクリルアミド等、(メタ)アクリルアミドのジメチロール化物や、そのエーテル化物、例えばエチルエーテル化物或いはブチルエーテル化物等。
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル:(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸プロピレングリコールモノエステル等。
不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル:(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル等。
不飽和カルボン酸のグリシジルエステル:(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等。
メチロール基及びエーテル化メチロール基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミドのジメチロール化物や、そのエーテル化物、例えばエチルエーテル化物或いはブチルエーテル化物等。
ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
【0030】
これらのエチレン系共重合体の具体的なものとしては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、などが挙げられ、これらの樹脂はいずれも商業的に入手容易なものである。
【0031】
上述した極性基含有単量体は、エチレン系共重合体中に1乃至40重量%、特に2乃至30重量%の量で含有するのが望ましい。
極性基含有単量体成分の含有量が上記範囲を下回ると、上記範囲内にある場合に比して接着性が低下したり、柔軟性が低下したりする傾向があり、一方この含有量が上記範囲を上回ると、溶融押出成形性が低下したり、ラミネート層の物性が低下する傾向がある。
【0032】
上記オレフィン重合体において、エチレンを主体とする重合体にあっては、押出ラミネート特性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.5〜500g/10分、とくに1〜50g/10分の範囲にあるものを使用するのが好ましい。
【0033】
このようなオレフィン重合体は単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。またオレフィン重合体には、必要に応じ、各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、難燃剤等が配合されていてもよい。
【0034】
[ラミネートの製造]
本発明による積層体の製造は、図1に示した装置を用いて行うことができる。
熱可塑性樹脂の押出は、重合体の種類によっても相違するが、一般的にいって赤外線で加熱される前の樹脂温度は、180乃至340℃の範囲にあることが好ましい。
【0035】
熱可塑性樹脂の溶融薄膜の赤外線による加熱は、溶融樹脂膜の温度を少なくとも10℃以上上昇させるものであることが望ましく、一層好適には20乃至50℃程度温度を上昇させるものであることが望ましい。
【0036】
また、熱可塑性樹脂層の厚みは、用途によって種々変更できるが、一般的にいって、5乃至200μm、特に10乃至100μmの範囲にあるのが好適である。
【0037】
【実施例】
本発明を、次の実施例を挙げて更に説明するが、本発明は次の例に限定されるものでは決してない。
【0038】
(1)繊維質基材
A−1、コーモラント紙、坪量 90.7g/m2
A−2、片アート紙、坪量 79.1g/m2
A−3、ナイロン織物 420デニール
(2)ラミネート用樹脂
B−1 エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
酢酸ビニル含有量 10.0重量% MFR 9g/10分
B−2 エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)
メタクリル酸含有量 10.5重量% MFR 8g/10分
B−3 エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)
アクリル酸含有量 5.0重量% MFR8g/10分
(3)ラミネート加工条件
ラミネートには、図1に示す装置を用いた。
【0039】
[実施例1]
コロナ処理した基材A−1に樹脂B−1を、樹脂温度237℃で押し出し、
ラミネートした。
各処理の有無と、得られた積層体の経時後の接着強度(N/15mm)との関係を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
[実施例2]
基材A−2に樹脂B−2を、樹脂温度295℃で押し出し、ラミネートした。
赤外線処理の有無と、得られた積層体の経時後の接着強度(N/15mm)との関係を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
[実施例3]
織物基材A−3に樹脂B−3を、樹脂温度310℃で押し出し、
ラミネートした。
各処理の有無と、得られた積層体の接着強度(N/15mm)との関係を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0044】
【発明の効果】
本発明者は、熱可塑性樹脂の溶融膜を繊維質基材にラミネートするに際してダイ直下のエアギャップ内に赤外線加熱機構を配置して、溶融樹脂膜に赤外線を照射するときには、繊維質基材に対する樹脂膜の層間接着性が顕著に向上することを見出した。
したがって、本発明によれば、繊維質基材と溶融樹脂膜とのラミネートにより、層間接着性に優れた積層体を、コンパクトな装置を用いて、効率よく、しかも高い生産性をもって製造できる。
本発明による積層体は、例えば、ヒートシール可能な包装袋、ヤーンクロスを用いた各種産業用シート、織布を用いたカバン用シートなどの用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に用いる装置の配置図である。
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂を溶融樹脂膜として押し出すダイと、溶融樹脂膜と繊維質基材とをラミネートするためのニップ位置との間のエアギャップ内で、ダイから押し出された展延状態の溶融樹脂膜に赤外線を照射して再加熱することを特徴とする積層体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂がオレフィン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂がエチレンと、不飽和カルボン酸、その誘導体及びビニルエステルからなる群より選択された少なくとも1種の単量体との共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
- 前記エアギャップ内で溶融樹脂膜にオゾン吹き付けをも併用することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の積層体の製造方法。
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