JP4485331B2 - 漁船構造、冷凍魚体の保冷方法及び荷揚方法 - Google Patents

漁船構造、冷凍魚体の保冷方法及び荷揚方法 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば近海又は遠洋のカツオ漁船や近海魚類運搬船等に適用して好適な魚倉の新規な構造、及びその魚倉を使用した凍結魚体の保冷方法及び荷揚方法に関し、特に従来の荷揚方法と比べて荷揚げに要する労力を画期的に低減し、かつ時間を大幅に低減できる荷揚方法を実現できるものである。
現状では近海又は沿海カツオ竿釣漁船においては、釣ったカツオは、魚倉の淡水と海水との混合冷海水(0℃)に投入し、即殺後、±0℃で保蔵し、獲れてから5日以内に水揚げしている。
また遠洋カツオ竿釣漁船では、釣ったカツオは、−15℃〜−21℃のブライン液が入った魚倉に活きたまま投入され、短時間で凍結される。ブライン液は、通常ボーメ22〜24(濃度17〜18w%)に調整された海水又は食塩水が使用される。サシミ、タタキ等生鮮用冷凍カツオは魚倉に投入するカツオの量を従来の3分の1位に制限し、ブライン液温度が−14℃以上にならないよう厳密な温度管理のもとに高品質のブライン凍結一級品(通称B−1)を生産する。
カツオはブライン液により凍結された後、ブライン液は魚倉から取り出されて他の魚倉に移され、カツオはその後魚倉内の冷却管で−40℃近辺の極低温に冷却され、保蔵される。
従来漁船などにおいて凍結した魚体を低温に保存する場合は、主として、冷媒蒸発器を構成するヘアピン式冷却コイルが使用されていた。例えば特許文献1(登録実用新案第3007727号公報)には、このヘアピン式冷却コイルを魚倉の内壁面及び底面に取り付けた低温保存方式が開示されている。この方式は、冷却コイル内で直接膨張によりR22又はアンモニア等の冷媒を循環させ、魚倉内の空気は自然対流による冷却方式が用いられた。
図10にヘアピン式冷却コイルを採用した従来の魚倉の構造を示す。図10において、従来の魚倉01は、上面部の強度を保持するため、一般に出入り口が狭く、内壁面に冷却コイル02を取り付け、外壁に防熱層03を被覆していた。
しかし前記冷却コイル方式では、自然対流による冷却方式のため、伝熱作用が低く、そのためコイルの長さが長大となり、冷媒所要量が多くなり、工事施工費が増加するとともに、コイル重量が船体に及ぼす負担も大きくなるという問題がある。
また冷媒所要量が多いことは、コイル内の冷媒の流れに安定性を欠き、冷凍機に液バックが生じる危険性も大きくなり、運転調整面の負担も大きくなる問題がある。
さらに冷却コイルと内壁面との間に魚のひれ等が入って、それを除去するのに大変な労力が要り、また冷却コイルに亜鉛メッキ鋼管を使用しているため、ブライン液によって容易に腐食して穴が開き、これによって冷媒として使用されているアンモニアが噴出したり、ブライン液が冷却コイル内に流入してしまい、この補修に膨大な労力と時間が費やされるという問題点があった。
前記問題点を解決する手段として、エアクーラ方式が考えられる。しかしエアクーラ方式は、冷却器の自重量、所要冷媒量の軽減化には適しているが、カツオ、マグロ等の保存にはほとんど用いられていない。
カツオ、マグロ等の魚体は、生食の刺身に供されるので、特に鮮度、鮮色の保持が重要であり、この鮮度、鮮色の保持のためには、2〜3℃の温度変動でも好ましくない。
エアクーラ方式では、冷却コイルに着霜が激しく、除霜するため、一般的な方法である撒水や冷媒ホットガスによる除霜は、周辺の温度上昇を招く。
特許文献2(特公平5−40228号公報)には、エアクーラ方式の前記問題点を解消する冷凍魚体の保冷方法が開示されている。
この方法は、魚倉を2重壁構造とし、外壁の間に冷風循環空間をもうけて内側に冷風吸込口及び冷風吹出口以外は密閉式の保冷室を設け、冷風循環空間に送風機と冷媒蒸発器とを有する冷風発生装置を設け、(A)まず冷風吸込口及び冷風吹出口を開いて、冷風発生装置を運転して、冷風を冷風循環空間及び保冷室に冷風を供給し、冷風発生装置に着霜させて除湿を行い、(B)次に撒水その他一般的な方法で冷風発生装置の除霜を行い、(C)その後冷風吸込口及び冷風吹出口を閉じ、魚体を保冷室に投入して引き続き冷風発生装置の運転を行う。
登録実用新案第3007727号公報 特公平5−40228号公報
特許文献2に開示された方法は、冷風循環空間を魚体の保冷運転に先立って除湿し、この除湿により冷風発生装置の冷却コイルに付着した霜を保冷室に魚体が収納される以前に除去できるため、除霜作業が冷風発生装置の運転を中断することによって生ずる魚体への悪影響を廃し、保冷室を常に一定の温度に保つことができ、かつ魚体には直接冷風が当たらないため、乾燥によって品質を低下させないという利点があるが、魚体の荷揚げ作業を行う場合には、次のような問題点がある。
すなわち魚体の荷揚げ作業を行う場合には、魚倉内では魚体同士が凍り付いてくっ付いた状態であり、作業員が狭い入口から魚倉内にはいり、ハンマやバールなどで凍り付いた魚体をたたき、1匹ごとに引き剥がす。同時に魚体を引き上げるモッコと称する網を魚倉内に入れて、作業員が引き剥がした魚体を1匹ずつモッコに入れ、モッコで釣り上げた後、陸上の選別機などにもっていく。
このように−40℃近辺あるいはそれ以下という極低温空間の中で作業員は過酷な労働を強いられるとともに、全部の魚体を荷揚げするまでに長い時間を要する。平均して1隻当たり3日前後かかり、何百万円もの費用がかかるという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、現状の魚体の荷揚げ作業が作業員に強いる過酷な労働をなくするとともに、荷揚げ作業に要する時間を大幅に短縮し得る新規な構造の魚倉、及びその魚倉を使用した魚体の荷揚方法、さらには魚体を魚倉に貯蔵している間においても、魚体の品質を低下させることのない凍結魚体の保冷方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の手段は、かかる目的を達成するもので、周囲を断熱壁で囲まれ、内部に低温ブライン液又は冷風を導入して魚体を保冷する魚体保冷倉が、甲板下に複数倉並設配置された漁船構造において、周囲を断熱壁で囲まれた夫々の保冷槽内に、甲板を開放した状態で上方に向け吊り上げ可能な魚体収納容器を保冷倉内壁に空間を持たせて配置してなり、前記容器と対面する保冷倉の床面と周囲側壁面に夫々制振材を配置して、該制振材を介して前記魚体収納容器を漁船側よりの振動を吸収可能に支持させるとともに、同容器と保冷倉間の床面及び周囲内壁面との間に低温ブライン液又は冷風が循環可能に制振材の取り付け間隔及び取り付け位置が設定されていることを特徴とする漁船構造に係る。
本発明においては、保冷倉の隔壁を2重構造とし、内側隔壁を構成する前記魚体収納容器に魚体を収納させるとともに、陸上への荷揚げに際しては、魚体収納容器を荷揚げ装置によって吊り上げて荷揚げする。
本発明において、好ましくは、前記制振材として、魚体収納容器と対面する側にSUS板が被着された防震ゴム又は積層ゴムを使用し、漁船のローリング及びピッチング等に起因した揺動を吸収するようにする。防震ゴム又は積層ゴムとして、例えばシリコンゴムが使用可能である。
また本発明において、好ましくは、前記容器の上面に内蓋を有し、該内蓋を取り外すことにより容器上面を開放構造とする。
また好ましくは、前記容器に荷揚げ装置で吊上げ可能とする吊り具の取り付け部を設ける。さらに好ましくは、前記容器の垂直断面形状を上広がりテーパ形状とするとともに、これに合わせて保冷倉の周囲内壁面に設けた制振材の先側形状を傾斜面とする。
本発明の第1の手段による保冷倉の構造を模式的に示した図1及び図2で説明する。図1は平面図、図2は立面図である。図1及び図2において、漁船の船体1が隔壁3により区画され、隔壁3で仕切られた各区画が保冷倉2を構成する。各保冷倉2の内部には、制振材4、例えば防震ゴム又は積層ゴムなどによって支持された魚体収納容器5が設置される。魚体収納容器5は、吊り上げ可能なように同容器と対面する保冷倉の床面7と周囲側壁面3に夫々配置された制振材4に支持される。容器5には魚体が収納され、隔壁3及び床面7と容器5との間には低温ブライン液又は冷風が循環する空間6が設けられ、同空間6にブライン液又は冷風等の冷媒が循環されて、魚体の凍結又は保冷を行なう。
また本発明において、好ましくは、前記魚体収納容器壁を多孔状に(パンチングメタル若しくはメッシュ状に)形成し、低温ブライン液又は冷風が前記容器内部に流通可能に構成し、前記空間6に循環する低温ブライン液又は冷風を前記容器内に収納された魚体に接触して冷凍又は保冷効果を向上させる。ただし前記容器壁を周囲から低温ブライン液又は冷風が流入しない密閉構造としてもよい。この場合、好ましくは容器壁を熱良導体で形成して、保冷倉の隔壁と容器間を循環する低温ブライン液又は冷風の冷熱が容器内に良く伝達するようにする。
また本発明の第2の手段として、冷凍魚体の保冷方法を提案する。その構成は、本発明の漁船構造において、低温ブライン液が入った前記容器に漁獲後の魚体を入れて急速凍結し、その後前記ブライン液を保冷倉から抜き出して他の保冷倉に移送した後、前記空間に極低温冷風を供給して魚体を極低温で保冷することを特徴とする。低温ブライン液は、例えば−15℃〜−23℃の温度とし、極低温冷風は、例えば−40℃近辺あるいはそれ以下の温度とする。
本発明の保冷方法を実施する場合において、容器壁を前述のように低温ブライン液又は冷風が流入しない密閉構造とした場合、魚体の急速凍結時予め容器内に低温ブライン液を注入しておき、急速凍結が終了した後、容器内のブライン液を排出し、その後保冷倉の内壁と容器壁との空間6に極低温冷風を供給して魚体を保冷する。
また本発明の第3の手段として、冷凍魚体の荷揚方法を提案する。その構成は、本発明の漁船構造において、保冷倉内の魚体を荷揚げするに際し、魚体が入った前記容器をそのまま吊り具を介して荷揚げ装置で吊り上げ、陸上に荷揚げすることを特徴とする。
これによって魚体の荷揚げの際に、漁船の低温下における保冷倉内での作業がまったく不要となる。
本発明によれば、周囲を断熱壁で囲まれた夫々の保冷槽内に、甲板を開放した状態で上方に向けつり上げ可能な魚体収納容器を保冷倉内壁に空間を持たせて配置してなり、前記容器と対面する保冷倉の床面と周囲側壁面に夫々制振材を配置して、該制振材を介して前記魚体収納容器を漁船側よりの振動を吸収可能に支持させるとともに、同容器と保冷倉間の床面及び周囲内壁面との間に低温ブライン液又は冷風が循環可能に制振材の取り付け間隔及び取り付け位置が設定されていることにより、この保冷倉によって冷凍魚体を荷揚げするに際しては、前記容器を荷揚げ装置で吊り上げ、陸上に荷揚げすることを可能にする。
これによって従来作業員が行っていた−40℃近辺あるいはそれ以下での極低温環境における魚体の荷揚げ作業が全く不要になり、荷揚げ作業環境が著しく改善される。
この場合、好ましくは、制振材として容器と対面する側にSUS板が被着された防震ゴム又は積層ゴムを使用することにより、漁船のローリング及びピッチング等に起因した揺動を容易に吸収することができる。ゴムの材質はシリコンゴムであり、優れた防湿・絶縁性及び耐酸性があるために、保冷倉の低温環境においても耐久性があり、また低摩擦性であるために、容器壁との摺動面で低摩擦性を保持して漁船の揺れに起因した容器の揺れを効果的に逃がすことができる。
また好ましくは、容器の上面に内蓋を有し、該内蓋を取り外すことにより容器上面を開放構造とすることにより、魚体の収納又は取り出しが極めて容易になるという利点がある。
また好ましくは、容器に荷揚げ装置で吊上げ可能とする吊り具の取り付け部を設けることにより、荷揚げ装置で容器の陸揚げを容易に行なうことができる。
また好ましくは、魚体収納容器の垂直断面形状を上広がりテーパ形状とするとともに、これに合わせて保冷倉の周囲内壁面に設けた制振材の先側形状を傾斜面とすることにより、容器の吊り上げが容易になるとともに、容器の保冷倉への収納時に容器の位置決めが容易となり、容器を効率良く収納することができる。また前記容器を保冷倉に収納した後も容器の支持を容易にするとともに、容器に対する制振効果を向上させることができる。
また好ましくは、容器壁を多孔状に形成し、低温ブライン液又は冷風が流通可能に構成したことにより、容器と保冷倉間を循環する低温ブライン液又は冷風が容器内に流入して魚体との熱伝達効率が良くなるとともに、ブライン液を保冷倉に配置された既設のポンプ及び配管設備を使って容易に排出できるという利点がある。
また冷凍魚体の保冷を行うに際しては、低温ブライン液が入った前記容器に漁獲後の魚体を入れて急速凍結し、その後前記ブライン液を保冷倉から抜き出して他の保冷倉に移送した後、前記空間に極低温冷風を供給して魚体を極低温で保冷することにより、特に鮮度や鮮色の保持が重要なカツオやマグロ等の保冷に対しても、温度変動なく冷凍保存が可能であるため、鮮度や鮮色を十分保持することができる。
この場合、容器壁を密閉構造とすると、魚体の急速凍結処理後の保冷工程時に、保冷倉の内壁と容器との間の空間に極低温冷風を循環させて容器壁を冷却することにより、魚体に直接冷風が当たらないため、乾燥によって魚体の品質を低下させるおそれがないという利点がある。好ましくは容器壁を熱良導体で形成することにより、冷風の冷熱が容器内の魚体に良く伝達するようになり、効率の良い保冷能力を得ることができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図3は、本発明の第1実施例に係る保冷倉の構造を示す縦段立面図、図4は、前記第1実施例における防震ゴム又は積層ゴムの取付け構造を示す断面図、図5は、前記第1実施例における内蓋の断面図、図6は、同じく外蓋の断面図、図7は、前記第1実施例において、保冷倉を吊り上げた状態の縦断立面図、図8は、本発明の保冷倉を陸揚げする時の説明図、図9は、防震ゴム又は積層ゴムの配置例を示す保冷倉の側面図である。
本発明の第1実施例に係る保冷倉を示す図3において、11は、防熱層からなる外側壁、12は、保冷倉の外蓋であり、外蓋12の外表面は漁船の甲板を構成する。13は、外側壁11との間に空間15をもうけて設置された内側容器であり、その隔壁にはブライン液及び冷風が流通するための多数の細孔21が設けられている。また容器13は、保冷倉の外側壁11及び底面22に取り付けられた、シリコンゴムなどからなる防震ゴム又は積層ゴム16によって、その側面及び底面が支持されているとともに、保冷倉の外側壁11及び底面22とは切り離されており、上部前面が開放され、後述するように魚体を収納した状態で吊り上げる際に、吊り上げが容易なように上部開口に向かって拡大した上広がりのテーパ形状をしており、またこれに合わせて防震ゴム又は積層ゴム16の先端形状を傾斜面としている。14は容器13の内蓋である。
防震ゴム又は積層ゴム16と容器13との間の空間15は、魚体の凍結又は保冷のために、低温ブライン液として通常ボーメ22〜24(濃度17〜18w%)に調整された海水又は食塩水が冷凍機20のブラインクーラ19からポンプ24によって供給されるか、あるいは極低温の冷風がポンプ23によって冷凍機18のエアクーラ17から供給される。
漁獲物は、冷媒空間15にブラインクーラ19から−15℃〜−23℃のブライン液が供給された保冷倉の容器13に活きたまま投入され、急速凍結される。その後ブライン液は排出管26からポンプ25によって取り出されて他の魚倉に移され、代わりに冷媒空間15にエアクーラ17からポンプ23によって−40℃近辺の極低温冷風が供給され、漁獲物を保冷する。
なお容器13の隔壁は、細孔21をなくし、ブライン液又は冷風が出入りできない遮蔽壁としてもよい。
細孔21を有する場合は、ブライン液又は冷風が冷媒空間15から魚体が収納された容器13内に流入して魚体と接触し、魚体との熱伝達効率が良くなるとともに、ブライン液の排出がポンプ25及び排出管26によって容易に排出できるという利点がある。
一方容器13が細孔21を有さない遮蔽壁である場合は、好ましくは、同遮蔽壁を熱良導体で構成することにより、周囲の空間を循環する冷風によって容器壁面を冷却し、効率の良い保冷能力を得ることができるとともに、魚体に直接冷風が当たらないため、乾燥によって魚体の品質を低下させるおそれがないという利点がある。なお容器13が細孔21を有さない遮蔽壁である場合、魚体の急速凍結処理後容器13からブライン液を排出する場合に、保冷倉に設けられたポンプ25及び排出管26が使用できないため、保冷倉の上部開口から容器13内に配管を挿入してポンプによってブライン液を排出する必要がある。
図4は、防震ゴム又は積層ゴム16の取付け構造を示す断面図で、防熱層31の外板32に溶接又はボルトで固定された取付プレート33に防震ゴム又は積層ゴム16が設けられている。また防震ゴム又は積層ゴム16が容器13の壁面と対面する側にはSUS板34が被着されている。
図5は、容器5の内蓋14の断面図で、図5において、内蓋14は、断熱性を付与させるため、外側からアルミ板41、FRP材又は耐熱性発泡樹脂42及びアルミ板又はFRP材43からなる積層構造をなしている。
また図6は、保冷倉の外蓋12の断面図で、図6において、外蓋12は、その上面が甲板を構成するため、強度を付与する必要があり、そのため鉄板54にボルト53が植設され、同ボルトによって鉄板54に木材52が固定され、ボルト上方の空隙部には木栓51が嵌め込まれて平坦な面をつくっている。
かかる構造の保冷倉において、魚体が収納された容器13を陸揚げするに際しては、図7に示すように、まず外蓋12を開け、内蓋14をそのままにして、容器13の上部四隅に設けられた吊り上げ用フック61にワイヤ62をひっ掛けて容器13を吊り上げ、図8に示すように、容器13を陸揚げする。
即ち図8において、1は、岸壁64に横付けされた漁船で、目走クレーン63によってワイヤ62を引き上げることにより、容器13を吊り上げて、岸壁64上の例えば図示しない選別機の上に載置する。
かかる第1実施例の装置によれば、魚体の陸揚げに際しては、漁船内の魚倉で従来行なっていた極低温下という悪環境での凍った魚体の引き剥がし作業、及び引き剥がした魚体の荷揚げ作業を完全に不要として、例えば市場屋根65下など、陸上のみでの作業となるため、作業環境を大幅に改善することができる。
また荷揚げ時間が大幅に短縮されるので、漁船の繋留時間も大幅に短縮され、これによって荷揚げに要する費用が大幅に低減される。
また本実施例の保冷倉は、保冷倉の上部開口及び容器13の上部開口がともに全面開口となっているので、魚体の収納及び取り出しがきわめて簡便となる。
また容器13の垂直方向断面形状を上広がりテーパ形状とし、かつ防震ゴム又は積層ゴム16の先端形状を傾斜面としたことにより、容器13の吊り上げが容易になるとともに、荷降ろし後の容器13を保冷倉に再び収納する際に、位置決めが容易であり、その収納が簡単になる利点がある。また容器13を保冷倉に収納した後も容器13の支持を容易にするとともに、容器13に対する制振効果を向上させることができる。
さらに容器13の壁面と対面する側にSUS板34が被着された防震ゴム又は積層ゴム16によって容器13を支持しているので、船体1のローリング及びピッチング等の揺動に起因した容器13の揺れを効果的に押さえることができるとともに、また低摩擦性であるために、SUS板34の優れた防湿・絶縁性及び耐酸性によって、保冷倉の低温環境においても耐久性を高め、またその低摩擦性によって、容器壁との摺動面で低摩擦性を保持して漁船の揺れに起因した容器13の揺れを効果的に逃がすことができる。
なお例えば図9に示すように、レール形状の防震ゴム又は積層ゴム16を上下方向に互い違いに配置することによって、容器13の位置決め及び収納が一層容易になるとともに、冷媒空間15を循環するブライン液又は冷風の流通が良好になる利点がある。
本発明によれば、漁船で獲った漁獲物を冷凍及び保冷するための新規な構造の魚倉を提案し、この魚倉を使った、魚体の鮮度及び鮮色等を長期間保持し得る保冷方法を実現するとともに、漁獲物を漁船の保冷倉から陸揚げするに際し、従来の荷揚方法と比べて荷揚げに要する労力を画期的に低減し、かつ時間を大幅に低減できるとともに、荷揚げの作業環境を画期的に改善することができる荷揚方法を実現できて有益である。
本発明の保冷倉の構造を模式的に示した平面図である。 本発明の保冷倉の構造を模式的に示した立面図である。 本発明の第1実施例に係る保冷倉の構造を示す縦断立面図である。 前記第1実施例における防震ゴム又は積層ゴムの取付け構造を示す断面図である。 前記第1実施例における内蓋の断面図である。 前記第1実施例における外蓋の断面図である。 前記第1実施例において、保冷倉を吊り上げた状態の縦断立面図である。 本発明の保冷倉を陸揚げする時の説明図である。 本発明において防震ゴム又は積層ゴムの配置例を示す保冷倉の側面図である。 従来の魚倉の構造を示す縦断立面図である。
符号の説明
1 漁船船体
2 保冷倉(魚倉)
3 隔壁
4 制振材
5 容器
6、15 冷媒空間
7 床面
11 外側壁
12 外蓋
13 魚体収納容器
14 内蓋
16 防震ゴム又は積層ゴム
17 エアクーラ
18 ブラインクーラ
19、20 冷凍機
21 細孔
22 底面
23、24、25 ポンプ
26 排出管
31 防熱層
32 外板
33 取付プレート
34 SUS板
41 アルミ板
42 FRP材又は耐熱性発泡樹脂
43 アルミ板又はFRP材
51 木栓
52 木材
53 ボルト
54 鉄板
61 吊上げ用フック
62 ワイヤ
63 目走クレーン
64 岸壁
65 市場屋根

Claims (8)

  1. 周囲を断熱壁で囲まれ、内部に低温ブライン液又は冷風を導入して魚体を保冷する魚体保冷倉が、甲板下に複数倉並設配置された漁船構造において、
    周囲を断熱壁で囲まれた夫々の保冷槽内に、甲板を開放した状態で上方に向け吊り上げ可能な魚体収納容器を保冷倉内壁に空間を持たせて配置してなり、
    前記容器と対面する保冷倉の床面と周囲側壁面に夫々制振材を配置して、該制振材を介して前記魚体収納容器を漁船側よりの振動を吸収可能に支持させるとともに、同容器と保冷倉間の床面及び周囲内壁面との間に低温ブライン液又は冷風が循環可能に制振材の取り付け間隔及び取り付け位置が設定されていることを特徴とする漁船構造。
  2. 前記制振材が前記魚体収納容器と対面する側にSUS板が被着された防震ゴム又は積層ゴムであることを特徴とする請求項1記載の漁船構造。
  3. 前記魚体収納容器の上面に内蓋を有し、該内蓋を取り外すことにより容器上面が開放構造となっていることを特徴とする請求項1記載の漁船構造。
  4. 前記魚体収納容器に荷揚げ装置で吊上げ可能とする吊り具の取り付け部を設けたことを特徴とする請求項1記載の漁船構造。
  5. 前記魚体収納容器の垂直断面形状を上広がりテーパ形状とするとともに、これに合わせて保冷倉の周囲内壁面に設けた制振材の先側形状を傾斜面としたことを特徴とする請求項1記載の漁船構造。
  6. 前記魚体収納容器壁を多孔状に形成し、低温ブライン液又は冷風が流通可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の漁船構造。
  7. 請求項1記載の漁船構造において、低温ブライン液が入った前記魚体収納容器に漁獲後の魚体を入れて急速凍結し、その後前記ブライン液を保冷倉から抜き出して他の保冷倉に移送した後、前記空間に極低温冷風を供給して魚体を極低温で保冷することを特徴とする冷凍魚体の保冷方法。
  8. 請求項1記載の漁船構造において、保冷倉内の魚体を荷揚げするに際し、魚体が入った前記魚体収納容器をそのまま吊り具を介して荷揚げ装置で吊り上げ、陸上に荷揚げすることを特徴とする冷凍魚体の荷揚方法。
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